JP3351947B2 - ダイカスト製ドアパネル及びその製造方法 - Google Patents
ダイカスト製ドアパネル及びその製造方法Info
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Description
される自動車,電車等のドアパネル及びその製造方法に
関する。
料等で作成するとき、一体的な成形が困難なことから、
各パーツを分割してプレス成形し、成形された各パーツ
を組み立てていた。自動車,電車等の本体にドアを取り
付けた場合、枢軸部及びその近傍に過大な力が加わる。
そのため、大きな加重が加わる部分には、厚いアルミニ
ウム板をプレス成形し、他の薄板でできたプレス成形品
に溶接している。
ーツごとのプレス成形及び分割した各パーツの組立て等
が必要とされるため、工数が多いことから製造コストを
上昇させる原因となる。また、製品ごとに金型形状が異
なることから、多数の金型を用意することが要求され
る。しかも、補強のために板厚が異なる部分を溶接して
いるので、溶接工程が必要とされることは勿論、得られ
るドアパネルの形状に制約が加わる。その結果、多種多
様な形状をもつ製品需要に対応できない。本発明は、こ
のような問題を解消すべく案出されたものであり、肉厚
を自由に変えることができるダイカスト法を採用するこ
とにより、工数やプレス金型費を低減又は節減し、設計
自由度が高く任意形状のダイカスト製ドアを安価に得る
ことを目的とする。
の目的を達成するため、固定型と中間型との合せ面に設
けられた第1のランナーから中間型を貫通して延びる第
2のランナーを経て、可動型との合せ面に開口したゲー
トを介して鋳造空間に合金溶湯を加圧注入して得られた
大型薄肉一体のインナーパネルであって、しかも車体前
方側が後方側に比較して1.5〜3.0倍の肉厚をもつ
インナーパネルの周縁部にアウターパネルをヘム加工に
よって挟み込み、スポット溶接,接着等で接合し、イン
ナーパネル及びアウターパネルを一体化することを特徴
とする。中間型に設けられるゲートは、インナーパネル
の製品板厚の50〜100倍を直径とする円内に少なく
とも1個以上の分布で設ける。特に、インナーパネルの
肉厚部に相当する鋳造空間の部分には、専用のゲートを
設けることが好ましい。インナーパネルとアウターパネ
ルとの間には、必要に応じて補強用のインパクトビーム
を介装する。インナーパネルは、安全を考慮して車体前
方側を後方側に比較して1.5〜3.0倍の肉厚にして
いる。
m程度の薄い板厚に比較して極めて広い面積をもつ形状
であるにも拘らず、肉不足,融合不良,形状不良等の鋳
造欠陥がなく、従来のスチール製品に匹敵する強度を呈
する。そのため、車両の大幅な軽量化が図られる。イン
ナーパネルを部分的に肉厚化し、補強用リブ,ベルトラ
イン部に車体前後方向に連通するリブ,ウインドレギュ
レータ取付け部を連通するリブ等を一体的に設けること
ができる。これらリブは、ダイカスト時のヒケ巣等の欠
陥発生を考慮して高さが30mm以下及び上辺の長さが
15mm以下のほぼ台形状断面に設けられる。インナー
パネルに鋳造される合金としては、アルミニウム合金又
はマグネシウム合金が使用される。アルミニウム合金
は、Si:3〜12重量%,Fe:0.3〜2.0重量
%,Mg:0.1〜1.0重量%及びMn:0.3〜
1.0重量%を含むものが使用される。マグネシウム合
金は、Al:2.0〜7.0重量%を含むものが使用さ
れる。インナーパネルと一体化されるアウターパネルと
しては、プレス成形によって良好な表面状態に加工され
たアウターパネルが使用される。
施すとき、鋳放し状態の機械的特性が改善される。これ
ら熱処理によって共晶Siの微細化及び球状化が進行
し、伸びが3%以上改善される。 300℃以上の温度で1時間以上保持した後で放冷
する。 450〜550℃に10分以上保持した後で急冷す
る。 130〜250℃に1〜5時間保持した後で放冷す
る。 450〜550℃に10分以上保持した後で急冷
し、更に100〜250℃に1〜5時間保持し、放冷す
る。 本発明に従ったドアパネルは、たとえば図1に示す金型
を使用してダイカストされる。金型10は、固定型1
1,中間型12及び可動型13を組み合わせた構造をも
ち、中間型12と可動型13との間に製品形状に対応し
た鋳造空間14が形成される。固定型11,中間型12
及び可動型13は、固定プラテン21と可動プラテン2
2との間で挟持される。可動型13と可動プラテン22
との間に、ダイベース23を挿入している。
ジャー31で閉塞されるスリーブ32に収容されてい
る。スリーブ32の他端は、固定型11に形成したスプ
ール33に開口している。スプール33は、固定型11
に形成した第1のランナー34を経て中間型12に形成
した第2のランナー35,36及びゲート37,38を
経て鋳造空間14に連通している。合金溶湯30は、プ
ランジャー31で加圧され、ランナー34〜36を経て
複数のゲート37,38・・から鋳造空間14に圧入さ
れる。合金溶湯30は、鋳造空間14内で金型10によ
り冷却され、凝固する。鋳造された合金溶湯30が所定
温度まで降温したとき、ダイベース23側から押出しピ
ン39,39・・を鋳造空間14に向けて押し出し、鋳
造されたアルミニウム合金製品を金型10から分離す
る。
動型13で構成した金型10を使用する鋳造では、固定
型11及び中間型12を貫通するランナー34〜36を
介して合金溶湯が鋳造空間14に供給され、他側から押
し出される押出しピン39,39・・によってアルミニ
ウム合金ダイカストが金型10から分離される。そのた
め、厚みに比較して面積が広い目標形状であっても、鋳
造空間14の中央部に溶湯を供給することができ、各部
に十分な量の溶湯が充満する。結果として、製品の側面
から合金溶湯を供給する2枚金型のダイカスト金型設計
に比較して、鋳造される製品形状に加わる制約が少な
く、大きな面積をもつ鋳造品も容易に製造できる。ま
た、補強等のために肉厚化する部分では、ランナー35
及びゲート37で示すように専用の湯道を中間型12に
設けることにより、必要とする厚みをもつ肉厚部が容易
に形成される。
0としては、アルミニウム合金又はマグネシウム合金が
使用される。アルミニウム合金には、Si:3〜12重
量%,Fe:0.3〜2.0重量%,Mg:0.1〜
1.0重量%及びMn:0.3〜1.0重量%を含むア
ルミニウム合金、或いは更にCu:1.0〜5.0重量
%含むアルミニウム合金が使用される。マグネシウム合
金には、Al:2.0〜7.0重量%を含むものが使用
される。アルミニウム合金の成分は、次のように得られ
た鋳造品の特性に影響を及ぼす。 Si:3〜12重量% 鋳造性に影響を及ぼす合金元素であり、3重量%以上の
Si含有で良好な湯流れ性が得られる。しかし、12重
量%を超える多量のSi含有は、初晶Siの晶出を促進
させ、得られた鋳造品の靭性を低下させ易い。
向上させる有効元素である。Fe含有量が0.3重量%
未満では、金型10の内面に対する焼付きが生じ易く、
分離性が低下すると共に、得られた鋳造品に表面欠陥が
生じ易くなる。しかし、2.0重量%を超える多量のF
eが含まれると、巨大なFe系金属間化合物が生成し易
くなり、鋳造品の靭性を低下させる。 Mg:0.1〜1.0重量% Mg2 Siとなってアルミニウムマトリックスに析出
し、鋳造品の強度を向上させる。このような効果は、M
g含有量が0.1重量%以上で顕著となる。しかし、
1.0重量%を超えるMg含有量では、溶湯の流動性が
低下し、肉不足等の欠陥が生じ易くなる。
くり、鋳造品の靭性を向上させる。しかし、Al−Fe
−Mn系金属間化合物は、Mn含有量が0.3重量%未
満では十分な粒状化作用を発揮しない。また、1.0重
量%を超える多量のMnが含まれると、巨大な塊状Al
−Fe−Mn系金属間化合物が生成し、ハードスポット
の原因となる。 Cu:1.0〜5.0重量% 必要に応じて添加される合金元素であり、耐力等の機械
的強度を向上させる作用を呈する。このような効果は、
1.0重量%以上のCu含有量で顕著となる。しかし、
5.0重量%を超える多量のCuが含まれると、伸び及
び耐食性が劣化する傾向がみられる。他方、マグネシウ
ム合金としては、Al:2.7〜7.0重量%を含むも
のが使用される。Alは、マグネシウム合金の鋳造性及
び機械的性質に影響を及ぼす合金元素であり、2.0重
量%以上の含有量で鋳造性及び機械的強度が向上する。
しかし、7.0重量%を超える多量のAlが含まれる
と、伸び,衝撃値等が劣化する。
強用の肉厚部を容易に作ることができる。しかし、鋳造
品が凝固・冷却するときの収縮を考慮するとき、冷却が
遅れがちな肉厚部には種々の鋳造欠陥が発生し易い。そ
のため、肉厚部は、ヒケ巣の発生防止を考慮したサイズ
をもつリブで構成することが好ましい。また、肉厚部に
チル材を組み込み、各部の冷却条件を均一化することも
有効な手段である。鋳造空間14は、製品形状に対応し
て設計されている。たとえば、製品形状が図2(a)に
示すように複数の窓部51,51・・を持つ場合、窓部
51,51・・に相当する箇所では、合金溶湯が侵入し
ないように、中間型12と可動型13とを密着させる。
窓部51,51・・の縁部では強度が不足していること
から、窓部51,51・・を取り巻くようにリブ40を
形成する。このように連続したリブ40は、たとえば中
間型12に接する可動型13の表面に形成した条溝によ
って作ることができる。また、中間型12と可動型13
との接触面を湾曲させておくとき、断面形状が図2
(b)に示すように所定形状の曲面をもつ製品が得られ
る。
各部に十分な量の合金溶湯を行き渡らせることが必要で
ある。特に、図2に示すように比較的薄い部分が多い鋳
造品を製造する場合、薄肉部に供給される溶湯量が不足
し、製品に肉厚変動や形状不良等の欠陥を発生させ易
い。本発明では、厚肉部に溶湯を供給するゲート37や
薄肉部に溶湯を供給するゲート38を図3に示すように
分布させることにより、溶湯の供給量不足を解消してい
る。各部で十分な溶湯供給量を確保するためには、本発
明者等の実験によるとゲート間隙を板厚の50〜100
倍にする必要があることが判った。すなわち、板厚の5
0〜100倍を直径とする円内に少なくとも1個のゲー
トを設けるとき、各部に対し十分な量の溶湯が供給され
る。具体的には、板厚2mmの付近ではゲート間隙が1
00〜200mmになるように、半径50〜100mm
の円内に少なくとも1個のゲートを設ける。これによ
り、肉不足や形状不良等の欠陥がない鋳造品が得られ、
機械的特性の向上が図られる。ゲート個数を前述した実
験値よりも多く設けると、すなわちゲート間隔を小さく
すると、湯まわりは十分であるが、金型設計が複雑にな
り経済的でない。他方、ゲート間隔が広すぎると、溶湯
移動範囲の増加に伴って金型による溶湯からの抜熱が大
きくなる。その結果、溶湯の温度低下が生じ、溶湯の粘
性増加に起因した溶湯供給不足や湯皺,湯境等の鋳造欠
陥が発生し易くなる。
れることもあるが、用途に応じて要求される性能を考慮
して〜の熱処理が必要に応じて施される。 300℃以上の温度に1時間以上保持した後で放冷
する焼きなまし処理であり、引張り強さ及び耐力が低下
するものの、伸びが向上する。十分な伸びを得るために
は、300℃以上の加熱温度及び1時間以上の保持時間
が必要である。 合金成分をアルミニウムマトリックスに固溶させる
処理であり、450〜550℃に10分以上保持した
後、急冷する。この処理を施すことにより、鋳造品が軟
らかくなり、引張り強さが低下し、伸びが増加する。合
金成分を固溶させるためには450℃以上の加熱温度が
必要であるが、550℃を超える加熱温度では局部的な
溶解が生じる虞れがある。また、10分未満の加熱で
は、固溶体化が十分に進行しない。
た合金元素を析出させ、強度の向上を図る熱処理であ
る。130〜250℃に1〜5時間保持した後で放冷す
ることにより、材料の引張り強さ及び耐力が向上する。
130℃未満の加熱温度及び1時間に満たない加熱時間
では、十分な析出反応が得られない。しかし、250℃
を超える加熱温度や5時間を超える長時間加熱では、却
って過時効に起因した軟化現象が起こり易い。 450〜550℃×10分以上→急冷の溶体化後
に、100〜250℃×1〜5時間の人工時効を行わ
せ、溶体化処理によって固溶した合金元素を析出させる
熱処理である。この熱処理により、伸びが若干低下する
ものの、引張り強さ及び耐力が上昇する。
状であっても、各部に合金溶湯が十分に供給されること
から、肉不足,融合不良,形状不良等の鋳造欠陥がない
インナーパネルが得られる。このインナーパネルは、ア
ウターパネルと一体化され、車両用ドアパネルとなる。
アウターパネルとしては、5182等の5000系,6
111等の6000系等をプレス成形によって良好な表
面性状に成形されたものが使用される。アウターパネル
は、インナーパネルよりも若干大きなサイズをもってい
る。ヘム加工によって、図4(a)に示すように、アウ
ターパネル60の周縁部61がヘム加工により内側に折
り曲げられている。このアウターパネル60を、前述し
たダイカスト法で製造されたインナーパネル70(図4
b)と組み合わせる。すなわち、図4(c)に示すよう
にヘム加工により周縁部61をインナーパネル70の周
縁部71に折り込み、必要に応じてスポット溶接72,
接着剤等によって両者を固定する。
との組み立てに際しては、適宜の箇所にインパクトビー
ム73を配置する。インパクトビーム73には、700
0系のアルミニウム合金製の中空材が使用され、インナ
ーパネル70側に溶接等で固定する。組み立てられたド
アは、アルミニウム製であることから軽量性に優れてい
る。しかも、インナーパネルは、車体前方側を後方側に
比較して1.5〜3.0倍の肉厚にしているので、安全
性も高い。また、インナーパネル70に設けたリブ,イ
ンパクトビーム73等によって剛性が高められ、更にア
ウターパネルを取り付けることにより面剛性が向上して
いるので、自動車等の構造材として要求される特性を十
分に備えている。このドアは、適宜の箇所に設けられた
ヒンジ62で車両本体に取り付けられる。
厚をもつ鋳造品を製造した。そして、鋳造品を外観観察
し、融合不良,肉不足等の鋳造欠陥がないものを○とし
て品質評価した。鋳造欠陥に及ぼすゲート間隔の影響を
調査したところ、表1に示すように、本発明に従ってゲ
ート間隔/板厚比を50〜100の範囲に設定した金型
を使用したものでは、鋳造欠陥の発生が検出されなかっ
た。これに対し、ゲート間隔/板厚比が100を超える
ものでは、何れも融合不良や肉不足等の欠陥が検出され
た。一方、50未満のものは、何れも欠陥がなく良好で
あるが、ゲートの本数が多すぎることから金型設計上で
経済的でない。
2(a)に、側面を図2(b)に示す形状をもつインナ
ーパネルを鋳造した。インナーパネルは、目標サイズが
長さ1284mm,幅593mm及び高さ170mm
で、複数の窓部をもつ形状とした。各ゲート37,38
・・の断面積を600mm2 に設計した図1の金型10
を使用し、金型10を190℃に加温した。ゲート位置
は、図3に示す分布でゲートを製品部に直接設けた。隣
接するゲート間の距離は、製品肉厚に応じ23〜162
mmの範囲で変化させた。すなわち、最大半径162m
m及び最小半径23mmの範囲で1個のゲートが存在す
る分布で、計43本のゲートを鋳造空間に開口させた。
鋳造される合金溶湯として、Si:9.0重量%,F
e:0.47重量%,Mn:0.34重量%及びMg:
0.27重量%を含むアルミニウム合金をスリーブ32
に収容した。鋳造圧力が600kgf/cm2 となるよ
うに移動速度1.8m/秒でスリーブ32に侵入するプ
ランジャー31でアルミニウム合金溶湯を加圧し、ゲー
ト37,38を流動速度70m/秒で通過させた。この
ようにして、アルミニウム合金溶湯を鋳造温度690℃
で鋳造した。
で、鋳造品を金型10から取り出した。得られた鋳造品
を観察したところ、厚肉部及び薄肉部の双方共に肉不足
や形状不良等の鋳造欠陥は観察されなかった。そして、
鋳造後510℃×1時間の溶体化処理を施し、空冷する
ことにより伸びを改善した試験体1と、熱処理すること
なく鋳放しのままの試験体2を用意した。得られた鋳造
ドアインナーパネル実体品から、図5に示す位置で採取
された試験片の材料特性を調査した。表2の調査結果に
みられるように、鋳放しのままの試験体2では下部平板
部が平均1.7%と低い値を示した。他方、鋳造品に5
10℃×1時間の溶体化処理を施し、空冷した試験体1
では伸びが大幅の上昇し、最小でも3.6%の伸びを示
した。
0系のアルミニウム合金でできたアウターパネルと組み
合わせ、車両用のドアを作った。このドアは、従来の鋼
製ドアに比較しても強度的に遜色がなく、軽量性を活か
したドアとして十分に車両に組み込めるものであった。
図6は、このサイドドアとして車体に組み込み、側方か
ら荷重を加えて求めた荷重−変位曲線を表すグラフであ
る。本発明に従った試験体1では、図6に示すようにス
チールドアに匹敵する強度特性を呈した。他方、鋳造体
を熱処理せず伸びが不足している試験体2では、荷重が
急激に低下する変曲点イ,ロがみられ、変曲点イ,ロで
鋳造体に亀裂が発生していた。これは、鋳造体に伸びが
不足しているためと考えられる。510℃×1時間→空
冷の熱処理によって伸びを3%以上に改善した試験体1
では、このような亀裂発生がなく、強い耐力をもった鋳
造品であることが判る。
重量で約30%軽量化されており、且つねじり剛性もス
チール製ドアの約3倍の値を示した。同様に、Al:
6.0重量%を含むマグネシウム合金からインナーパネ
ルを鋳造したところ、本発明に従ったゲート分布をもつ
金型を使用したものでは、肉不足,形状不良等の欠陥が
鋳造性品に観察されなかった。また、アウターパネルと
組み合わせて得られたドアは、車両用として十分な強度
をもっていた。
は、3枚金型を使用してダイカストされた大型薄肉で一
体化されたインナーパネルをアウターパネルと組み合わ
せて自動車,電車等の車両用ドアとしている。ダイカス
トは、固定型,中間型及び可動型で組み合わされた金型
を使用することから、厚みに比較して大きな面積をもつ
鋳造品であっても、肉不足等に起因した欠陥のない製品
を高い設計自由度で得ることができる。また、ヒケ巣等
の欠陥を含まない補強用リブが一体成形されることか
ら、肉厚部材を溶接等によって組み立てていた従来のド
アパネルに比較して工数が大幅に節減され、構造体とし
ての強度も向上する。
置の断面図
(a)及び側面図(b)
図
ネルの正面図(b)及び両者の接続部を示す断面図
(c)
実態品の試験片採取位置を示す図
曲線を示すグラフ
3:可動型 14:鋳造空間 21:固定プラテン
22:可動プラテン 30:合金溶湯 31:プランジャー 32:スリ
ーブ 33:スプール 34:第1のランナー 35,36:第2のランナー
37〜38:ゲート 39:押出しピン 40:リブ 51:窓部 60:アウターパネル 61:ヘム加工された周縁部
62:ヒンジ 70:インナーパネル 71:周縁部 72:スポ
ット溶接 73:インパクトビーム
Claims (9)
- 【請求項1】 固定型(11)と中間型(12)との合
せ面に設けられた第1のランナー(34)から中間型
(12)を貫通して延びる第2のランナー(35),
(36)を経て、可動型(13)との合せ面に開口した
ゲート(37),(38)を介して鋳造空間(14)に
合金溶湯(30)を加圧注入して得られた大型薄肉一体
のインナーパネルであって、しかも車体前方側が後方側
に比較して1.5〜3.0倍の肉厚をもつインナーパネ
ル(70)の周縁部にアウターパネル(60)をヘム加
工により挟み込んで接合し、インナーパネル(70)及
びアウターパネル(60)を一体化することを特徴とす
るダイカスト製ドアパネルの製造方法。 - 【請求項2】 インナーパネルの製品板厚の50〜10
0倍を直径とする円内に少なくとも1個以上のゲート
(37),(38)が設けられた中間型(12)を使用
する請求項1記載のダイカスト製ドアパネルの製造方
法。 - 【請求項3】 インナーパネルの肉厚部に相当する鋳造
空間(14)の部分にゲート(37)が設けられている
中間型(12)を使用する請求項1記載のダイカスト製
ドアパネルの製造方法。 - 【請求項4】 インナーパネル(70)とアウターパネ
ル(60)との間にインパクトビーム(73)を介装す
る請求項1記載のダイカスト製ドアパネルの製造方法。 - 【請求項5】 Si:3〜12重量%,Fe:0.3〜
2.0重量%,Mg:0.1〜1.0重量%及びMn:
0.3〜1.0重量%を含むアルミニウム合金をインナ
ーパネルに鋳造する請求項1〜4の何れかに記載のダイ
カスト製ドアパネルの製造方法。 - 【請求項6】 Al:2.0〜7.0重量%を含むマグ
ネシウム合金をインナーパネルに鋳造する請求項1〜4
の何れかに記載のダイカスト製ドアパネルの製造方法。 - 【請求項7】 プレス成形された良好な表面状態をもつ
アウターパネルを使用する請求項1〜6の何れかに記載
のダイカスト製ドアパネルの製造方法。 - 【請求項8】 請求項1〜7の何れかに記載の方法で製
造され、1.5〜3 mmの厚みをもつダイカスト製ドア
パネル。 - 【請求項9】 請求項8記載のパネルに更に熱処理を施
し伸びを3%以上にしたダイカスト製ドアパネル。
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JP02174796A JP3351947B2 (ja) | 1995-01-19 | 1996-01-12 | ダイカスト製ドアパネル及びその製造方法 |
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