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JP3349116B2 - 着色光学用プラスチックレンズの製造方法 - Google Patents

着色光学用プラスチックレンズの製造方法

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JP3349116B2
JP3349116B2 JP12345599A JP12345599A JP3349116B2 JP 3349116 B2 JP3349116 B2 JP 3349116B2 JP 12345599 A JP12345599 A JP 12345599A JP 12345599 A JP12345599 A JP 12345599A JP 3349116 B2 JP3349116 B2 JP 3349116B2
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cured film
disperse dye
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plastic lens
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、着色光学用プラス
チックレンズの製造方法の改良およびその方法で得られ
た着色光学用プラスチックレンズに関する。さらに詳し
くは、本発明は、光学用プラスチックレンズを、任意の
色調と濃度に効率よく染色して、着色光学用プラスチッ
クレンズを経済的有利に製造する方法、およびこの方法
で得られた、コンタクトレンズ、眼鏡レンズ、カメラレ
ンズ、プロジェクターレンズ、望遠鏡レンズ、拡大鏡レ
ンズなどとして好適な着色光学用プラスチックレンズに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、光学用プラスチックレンズはガラ
スレンズに代わり多方面で使用されているが、中でも視
力矯正用に使用されるコンタクトレンズ、眼鏡用レンズ
はコスメティック効果または医療効果(例えば、紫外線
からの保護など)の目的から、レンズを着色して使用す
ることが盛んに行われている。ガラスレンズがプラスチ
ックレンズに置き換えられる理由として、プラスチック
レンズの軽量化、安全性(割れにくい)の他に、容易に
染色できる可染性を挙げることができる。
【0003】光学用プラスチックレンズの染色に関して
は、これまで種々の方法が実施されている。例えば、光
学用プラスチックレンズ、特に眼鏡用プラスチックレン
ズを染色する方法として、(1)加熱した染料浴中にレ
ンズを浸漬させたのち、レンズを加熱して染料を固定化
する方法、(2)プラスチックレンズ基材の原料モノマ
ーに予め染料を溶解させてから重合させる方法、(3)
着色したフィルムを眼鏡レンズに貼り付けてフィルムに
含まれた染料を転写する方法、(4)気相中で有機染料
を加熱・昇華させて着色させる方法(特公昭35−13
84号公報)などが知られている。
【0004】上記(1)の方法は、通常行われている眼
鏡レンズの着色方法であって、光学用プラスチックレン
ズに対する着色能を有する分散染料を水に溶解および/
または懸濁させた染料液を加熱し、その中に染色すべき
光学用プラスチックレンズを所定時間浸漬させたのち、
該光学用プラスチックレンズを加熱して、内部に浸透し
た染料をさらに内部に拡散させて安定化する方法であ
る。しかしながら、最近、高付加価値を求める市場ニー
ズに応えて、光学用プラスチックレンズ素材の多様化が
進み、その結果、従来の方法では、染色困難な素材が増
えてきている。そこで、染色液の温度をできるだけ高く
したり、染色促進剤、いわゆるキャリアを染色液に加え
たり、染色液に浸漬する時間を延長するなどの方法が行
われている。
【0005】しかしながら、これらの方法によっても、
到達濃度に限界があり、目標濃度到達までに長時間かけ
ても高濃度に染色することができないという問題があ
る。
【0006】また、プラスチックレンズ素材に直接染色
するのではなく、素材の上に施したコーティング膜を染
色する方法(特開昭60−235101号公報)も行わ
れている。この光学用プラスチックレンズの着色方法
は、染料を溶解した有機ハードコート液を光学用プラス
チックレンズ表面に塗布したのち、硬化処理するもので
あって、塗布方法としては、浸漬法、スプレー法、スピ
ニング(スピンコート)法などが用いられる。しかしな
がら、この方法も、薄膜に多量の染料を含有させること
が難しいため、やはり到達濃度に限界があり、高濃度に
染色することはできない。
【0007】光学用プラスチックレンズ表面に染料を溶
解した有機ハードコート液を塗布する代わりに、染色可
能な有機ハードコート液を塗布してから、前述したプラ
スチックレンズ基材の染色方法と同様の方法で染色する
方法が行われることもある。しかし、この場合も薄膜に
多量の染料を含有させることが難しいため、やはり到達
濃度に限界があり、高濃度に染色することはできない。
【0008】前記(2)の方法は、光学用プラスチック
レンズ基材の原料モノマー液に染料を溶解させてから重
合する方法であるが、形成されたレンズの着色濃度はレ
ンズの厚みに依存するから、例えばレンズの中心部が周
辺部より薄い凹レンズでは、中央部分の色が薄くなり、
周辺部分が濃くなって、レンズ全体で色の濃淡を生じる
し、また、左右の度数が異なる眼鏡レンズにおいては、
左右で色の濃度が異なるという問題が生じることから、
この方法は実用的ではない。さらには、マーケットニー
ズに応じて、色調と濃度を変えた多数の原料液を調合し
て多品種の着色光学用プラスチックレンズ基材を製造す
ることは、現実には不可能である。
【0009】一方、前記(3)の染料を転写する方法
は、平板であれば有効であるが、湾曲している光学用プ
ラスチックレンズに対しては、フィルムをきれいに貼り
付けることが困難であって、ムラのない染色を施すこと
は現実には不可能である。さらに、前記(4)の気相中
で染料を昇華させて着色させる方法は、染料の昇華性の
程度が、青、赤、黄で異なるため、安定した発色を得る
ことが困難であり、工業的方法とはいえない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、光学用プラスチックレンズを、任意の色
調と濃度に効率よく染色し、着色光学用プラスチックレ
ンズを経済的有利に製造する工業的な方法を提供するこ
とを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、光学用プ
ラスチックレンズを任意の色調と濃度に効率よく染色
し、着色光学用プラスチックレンズを経済的有利に製造
する工業的な方法を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、
分散染料がプラスチックレンズ内部に浸透して、レンズ
を染色する際の染色濃度は、レンズ表面の染料の量と加
熱処理条件に依存することに着目し、従来の染色方法で
実施されている高温水浴中にレンズを浸漬する工程を割
愛して、その代わりに、予め光学用プラスチックレンズ
表面に水溶性ポリマーの硬化被膜を形成させ、これに分
散染料を着色成分として含む水系染色液を室温で接触さ
せて、分散染料を上記硬化被膜中に一旦保持させたの
ち、加熱処理してレンズ内部に拡散させ、好ましくはさ
らに、レンズ表面に存在する硬化被膜及び染料を水洗除
去することにより、そして、分散染料をレンズ内部に拡
散させる際、該硬化被膜中に保持される染料の量、又は
この染料の量と加熱処理条件を制御することにより、そ
の目的を達成しうることを見出し、この知見に基づいて
本発明を完成するに至った。
【0012】すなわち本発明は、 (1)光学用プラスチックレンズ表面に水溶性ポリマー
の硬化皮膜を形成させ、次いでこのレンズに、分散染料
を着色成分として含む水系染色液を接触させて、該分散
染料を上記硬化皮膜中に一旦保持させたのち、加熱処理
してレンズ内部に拡散させ、その後、該硬化皮膜と残存
した分散染料を水洗除去することにより、レンズを染色
する方法であって、上記硬化皮膜中に一旦保持される分
散染料の量により、レンズ染色濃度を調整することを特
徴とする着色光学用プラスチックレンズの製造方法、 (2)硬化皮膜中に一旦保持される分散染料の量と加熱
処理条件により、レンズ染色濃度を調整する上記(1)
の方法、 (3)分散染料を着色成分として含む水系染色液中に、
表面に水溶性ポリマーの硬化皮膜が形成された光学用プ
ラスチックレンズを浸漬したのち、これを加熱処理する
上記(1)、(2)の方法、および (4)分散染料を着色成分として含む水系染色液を、表
面に水溶性ポリマーの硬化皮膜が形成された光学用プラ
スチックレンズの該表面に塗布したのち、これを加熱処
理する上記(1)、(2)の方法を提供するものであ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の着色光学用プラスチック
レンズの製造方法においては、まず、染色すべき光学用
プラスチックレンズ表面に、水溶性ポリマーの硬化被膜
を形成させる。この水溶性ポリマーは、水系媒体に対す
る溶解性に優れ、安全性が高く、安価なもので、分散染
料と反応しないか、または反応しにくい性質を有するも
のであればよく、特に制限されず、様々な化合物の中か
ら、適宜選択することができる。このような水溶性ポリ
マーの例としては、ポリビニルアルコール、ポリアクリ
ル酸、ポリアクリル酸金属塩、ポリアクリルアミド、ポ
リビニルピロリドン、ポリエチレングリコールなどが挙
げられるが、特に安全性が高くて安価な、ポリビニルア
ルコール、ポリエチレングリコールなどが好ましい。こ
れらの水溶性ポリマーは単独で用いてもよいし、2種以
上を組み合わせて用いてもよい。
【0014】光学用プラスチックレンズ表面に、上記水
溶性ポリマーの硬化被膜を形成させる方法としては、特
に制限はないが、例えば該水溶性ポリマーを水系媒体に
溶解させて、水溶性ポリマーの水系溶液を調製し、これ
を用いて光学用プラスチックレンズ表面にコーティング
処理を施したのち、加熱することにより、水溶性ポリマ
ーの硬化被膜を形成させるのが有利である。水溶性ポリ
マーの水系溶液は、水系媒体100重量部に対し、水溶
性ポリマーを好ましくは2〜20重量部、より好ましく
は5〜10重量部の割合で加え、溶解することにより調
製される。また、この水溶性ポリマーの水系溶液の粘度
は、常温で5×10-3〜500×10-3Pa・s(パスカ
ル・秒)の範囲が好ましく、特に10×10-3〜100
×10-3Pa・sの範囲が好適である。この粘度が低すぎ
ると光学用プラスチックレンズ表面にコーティングした
水溶性ポリマーの水系溶液が流れやすく、必要な厚さの
水溶性ポリマーの硬化被膜が形成されにくいし、また粘
度が高すぎると光学用プラスチックレンズ表面に均一な
厚みでコーティングすることが難しくなる。水系媒体と
しては、水が用いられるが、必要に応じ、本発明の目的
が損なわれない範囲で、水に対して混和性を有する有機
溶剤を適宜添加した水も用いることができる。
【0015】水溶性ポリマーの水系溶液を、光学用プラ
スチックレンズ表面にコーティングする方法としては、
均一にムラなく光学用プラスチックレンズ表面にコーテ
ィングしうる方法であればよく、特に制限されず、従来
公知の方法、例えば刷毛塗り、スピンコートなどの方法
によりレンズ表面に直接塗布する方法や、浸漬法、スプ
レー法などを用いることができる。水溶性ポリマーの水
系溶液を、レンズ表面にできるだけ均一にコーティング
することに留意すれば、これらの方法はいずれも好適に
利用することができる。
【0016】このようにして、水溶性ポリマーの水系溶
液を、光学用プラスチックレンズ表面にコーティングし
たのち、該レンズを、通常100〜200℃、好ましく
は120〜150℃の範囲の温度で、10分ないし6時
間程度、好ましくは30分ないし3時間程度加熱処理し
て乾燥させることにより、水溶性ポリマーの硬化被膜が
形成される。
【0017】このように、光学用プラスチックレンズ表
面に、水溶性ポリマーの硬化被膜を形成させることによ
り、次工程で水系染色液を接触、付着させた際に、該染
色液が水溶性ポリマーに吸収されて、分散染料が硬化被
膜中に均一に保持され、しかもこの付着した染色液が該
光学用プラスチックレンズ表面から流れ落ちたり、凝集
したり、偏在したりするのを防止する効果が発揮され
る。さらに、後で説明するように、染色液が付着した光
学用プラスチックレンズを加熱処理して、水溶性ポリマ
ー被膜に保持されていた分散染料をプラスチックレンズ
内部に浸透、拡散させた後に、レンズ表面を水洗して水
溶性ポリマーを洗い流す際に、表面に残存する分散染料
も一緒に流れて、該分散染料を容易に除去することがで
きる。また、水溶性ポリマーは、分散染料との親和性が
乏しいので、加熱処理した際に、分散染料がプラスチッ
クレンズ内部に浸透し、拡散していくことを容易にする
役割も果たしている。
【0018】本発明の方法においては、前記のようにし
て水溶性ポリマーの硬化被膜が表面に形成された光学用
プラスチックレンズを、分散染料を着色成分として含む
水系染色液により、染色する。上記分散染料は、一般に
水に難溶性の染料であって水に溶解および/または分散
した懸濁液として、広く光学用プラスチックレンズの染
色に使用されており、昇華性があるものが多いので、昇
華染料または昇華性染料と呼ばれることもある。特に好
ましい染料としては、ダイスタージャパン(株)製のダイ
ヤニックス ブルー(Dianix Blue)AC-Eやダイヤ
ニックス レッド(Dianix Red)AC-E、日本化薬
(株)製の分散染料カヤロン ポリエステル カラー イ
エロー(Kayalon Polyester Colours Yellow)4G
-Eやカヤロン ポリエステルカラー スカーレット
(Kayalon Polyester Colours Scarlet)2R-Eな
どが挙げられる。
【0019】本発明においては、これらの分散染料を、
水系媒体に溶解および/または懸濁させて水系染色液を
調製する。この水系染色液中の分散染料の濃度は、光学
用プラスチックレンズの染色濃度を高くするために、で
きるだけ高くすることが好ましい。また、インクジェッ
トプリンター用インクとして使用する場合は、インクジ
ェットプリンターノズルの目詰りを回避するために、完
全に溶解させるか、溶解しきれずに懸濁している分散染
料の粒子径をインクジェットプリンターノズルの直径以
下に、すなわち、数十ミクロン以下、好ましくは20ミ
クロン以下になるよう、濾過あるいは遠心分離などの方
法で処理しておくことが好ましい。この水系染色液中の
分散染料の濃度は、通常0.1〜20重量%、好ましく
は3〜10重量%の範囲で選ばれる。
【0020】上記水系媒体としては、水が用いられる
が、必要に応じ、本発明の目的が損なわれない範囲で、
水に対して混和性を有する有機溶剤、pH調整剤、界面
活性剤、消泡剤、防腐剤などを適宜添加した水も用いる
ことができる。
【0021】この水系染色液を光学用プラスチック表面
に接触させる方法としては、該染色液を均一にムラなく
光学用プラスチックレンズ表面に接触させることができ
る方法であればよく、特に制限されず、従来公知の方
法、例えば刷毛塗り、スピンコート、インクジェットプ
リンターによる塗布などの方法により、レンズ表面に直
接塗布する方法、あるいは浸漬法、スプレー法などを用
いることができる。これらの方法の中で、レンズ表面に
直接塗布する方法および浸漬法が好ましく、特にインク
ジェットプリンターによる塗布方法が、(1)インクを
有効に活用できる、(2)コンピューターに記憶された
データベースおよびアプリケーションに基づき所望の色
調および濃度に塗布できる、(3)短時間に塗布でき
る、などの理由で好適である。
【0022】また、インクジェットプリンターで光学用
プラスチックレンズ表面にインクを塗布する場合は、イ
ンク液滴が該光学用プラスチックレンズ表面に直角に当
たるように該光学用プラスチックレンズ表面とインクジ
ェットプリンターノズルの吐出方向とを制御して、コン
ピューターが制御したデータを忠実に該光学用プラスチ
ックレンズ表面に再現するように調整することが好まし
い。そのような調整を行うには、特願平10−0242
01号明細書に記載された光学レンズ着色システムなど
を利用することができる。なお、これらの方法により、
光学用プラスチックレンズ表面に該染色液を接触させる
場合、常温で行うのが好ましい。
【0023】本発明においては、このようにして分散染
料を着色成分として含む水系染色液を硬化被膜に接触さ
せ、該分散染料を上記硬化被膜中に一旦保持させたの
ち、加熱処理してレンズ内部に拡散させ、レンズを染色
するが、この際、硬化被膜中に保持される分散染料の量
により、あるいはこの保持される分散染料の量と加熱処
理条件により、レンズ染色濃度を調整する。
【0024】硬化被膜中に保持される分散染料の量は、
硬化被膜の厚さおよび/または硬化被膜表面に接触させ
る分散染料の量により制御することができる。硬化被膜
表面に接触させる分散染料の量は、インクジェットプリ
ンターを用いて塗布する際に、インクジェットプリンタ
ーノズルから吐出する水系染色液の吐出量を調整するこ
とにより、あるいはインクジェットプリンターによる水
系染色液の塗布回数を調整することにより、制御するの
が好ましい。
【0025】一方、加熱処理条件によるレンズ染色濃度
の調整は、加熱処理温度および/または加熱処理時間を
制御することにより、行うことができる。実際にレンズ
染色濃度の調整を行うには、硬化被膜の厚さ、接触させ
る分散染料の量、加熱処理温度、加熱処理時間に関す
る、染料およびレンズごとの着色データベースを予め作
成しておき、このデータベースに基づいて、所望の染色
濃度及び色調に関する個々の着色データ(硬化被膜の厚
さ、接触させる分散染料の量、加熱処理温度、加熱処理
時間)を求め、このデータに基づいて染色を行うのが望
ましい。
【0026】本発明においては、前記のようにして直接
塗布法や浸漬法などによって、硬化被膜表面に染色液を
接触させることにより、硬化被膜中に保持された分散染
料を、加熱処理により、レンズ内部に拡散させる。この
際の加熱温度は、通常80〜200℃、好ましくは85
〜150℃の範囲で選ばれる。また、加熱時間は、通常
10分ないし24時間、好ましくは30分ないし3時間
の範囲で選ばれる。一般に加熱温度が高く加熱時間が長
くなると、染色濃度が高くなるので、該光学用プラスチ
ックレンズの表面形状が変形したり、黄変するなどの悪
影響が出ないように、該レンズの特性と染色性のバラン
スを考慮して、レンズ材料と所望する染色濃度毎に加熱
温度および加熱時間の最適値を選定することが望まし
い。この加熱処理に使用する加熱炉としては、光学用プ
ラスチックレンズを均一に加熱できる機器であればよ
く、特に制限されず、例えば電気炉、熱風循環炉、赤外
線オーブン、マイクロ波オーブンなど、いずれも用いる
ことができる。
【0027】加熱が終了した後、光学用プラスチックレ
ンズ表面には、水溶性ポリマー(硬化被膜)および内部
に拡散しきれなかった分散染料が残存しているので、そ
れらを除去するために、洗浄処理や拭き取り処理を行う
のが望ましい。その場合、分散染料が残存している水溶
性ポリマーを除去すればレンズ表面はほぼクリーンにな
るので、多数の光学用プラスチックレンズを効率よく短
時間で洗浄するためには、水洗処理、特に水中で超音波
洗浄などを行うのが好ましい。
【0028】本発明における染色方法が適用される光学
用プラスチックレンズとしては、例えばコンタクトレン
ズ、眼鏡レンズ、カメラレンズ、プロジェクターレン
ズ、望遠鏡レンズ、拡大鏡レンズなどに使用される光学
用レンズが挙げられ、特に、コンタクトレンズ、眼鏡レ
ンズなどの視力矯正用レンズが好適である。具体的に
は、ポリジエチレングリコールビスアリルカーボネー
ト、メチルメタクリレート単独重合体、メチルメタクリ
レートと1種以上の他のモノマーとの共重合体、ポリカ
ーボネート、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリウレタン、ポリチオウレタン、その他の硫黄含
有ポリマーなどからなるプラスチックレンズを挙げるこ
とができる。
【0029】本発明はまた、前記の方法により得られた
着色光学用プラスチックレンズをも提供するものであ
る。この着色光学用プラスチックレンズは、例えばコン
タクトレンズ、眼鏡レンズ、カメラレンズ、プロジェク
ターレンズ、望遠鏡レンズ、拡大鏡レンズなどとして好
適に用いられる。
【0030】
【実施例】次に、本発明を実施例により、さらに詳細に
説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定
されるものではない。
【0031】実施例1 (1)染色液の調製 蒸留水100重量部に、ダイスタージャパン(株)製の
ダイヤニックスブルー(Dianix Blue)AC−E 5
重量部を加えて常温で攪拌して、一部の分散染料が懸濁
状態の染色液を調製した。
【0032】(2)水溶性ポリマーのコーティング 蒸留水100重量部に、ポリビニルアルコール#500
[関東化学(株)製、分子量約500、加水分解度8
6.5〜89モル%]8重量部を加えて常温で一昼夜攪
拌して完全に溶解させた。その水溶液にポリジエチレン
グリコールビスアリルカーボネート製のレンズ(度数
0.00、厚さ2.0mm、外径70mm)を室温で浸
漬したのち、レンズ周囲で固定できるドーナツ状治具の
上に、該レンズを置いて、120℃のオーブンで30分
間加熱して、表面にポリビニルアルコール#500の被
膜を形成した。
【0033】(3)光学用プラスチックレンズの染色 上記(1)で調製した染色液をマグネティックスターラ
ーで攪拌し、その中に上記(2)で得られたレンズを室
温で浸漬して両面に染色液を付着させたのち、レンズ周
囲で固定できるドーナツ状治具の上に、該レンズを置い
て、120℃のオーブンで30分間加熱した。冷却後取
り出して該レンズ表面を水洗し、乾固した水溶性ポリマ
ーと残存した分散染料を除去した。アセトンを付けた布
で拭いても、色落ちは起こらず、分光光度計を使用して
400ナノメーターの光線透過率により測定した中央部
分の染色濃度は35%であった。また、全体が均一に染
色されていた。
【0034】実施例2 実施例1における(3)の光学用プラスチックレンズの
染色において、120℃のオーブンでの加熱時間を30
分間から60分間に変更した以外は、実施例1と同様な
操作を行った。このようにして得られた着色レンズを、
アセトンを付けた布で拭いても、色落ちは起こらず、分
光光度計を使用して400ナノメーターの光線透過率に
より測定した中央部分の染色濃度は50%であった。ま
た、全体が均一に染色されていた。
【0035】実施例3 実施例1における(3)の光学用プラスチックレンズの
染色において、オーブンでの加熱温度を120℃から1
35℃に変更した以外は、実施例1と同様な操作を行っ
た。このようにして得られた着色レンズを、アセトンを
付けた布で拭いても、色落ちは起こらず、分光光度計を
使用して400ナノメーターの光線透過率により測定し
た中央部分の染色濃度は60%であった。また、全体が
均一に染色されていた。
【0036】実施例4 実施例1における(3)の光学用プラスチックレンズの
染色において、オーブンでの加熱温度を120℃から1
05℃に変更した以外は、実施例1と同様な操作を行っ
た。このようにして得られた着色レンズを、アセトンを
付けた布で拭いても、色落ちは起こらず、分光光度計を
使用して400ナノメーターの光線透過率により測定し
た中央部分の染色濃度は7%であった。また、全体が均
一に染色されていた。
【0037】実施例5 (1)染色液の調製 蒸留水100重量部に、ダイスタージャパン(株)製の
ダイヤニックスレッド(Dianix Red)AC−E 10
重量部を加えて常温で攪拌して、一部の分散染料が懸濁
状態の染色液を調製した。
【0038】(2)水溶性ポリマーのコーティング 蒸留水100重量部に、ポリビニルアルコール#200
0[関東化学(株)製、分子量約2000、加水分解度
78〜82モル%]5重量部を加えて常温で一昼夜攪拌
して完全に溶解させた。その水溶液にHOYA(株)の
ポリチオウレタン系レンズ(商品名アイアス)の基材レ
ンズ(度数−3.00ジオプター、中心厚さ1.2m
m、外径75mmの凹レンズ)を室温で浸漬したのち、
レンズ周囲で固定できるドーナツ状治具の上に、該レン
ズを置いて110℃のオーブンで30分間加熱して、表
面にポリビニルアルコール#2000の被膜を形成し
た。
【0039】(3)光学用プラスチックレンズの染色 上記(1)で調製した染色液を、上記(2)で得られた
レンズの凹面に、第1ステージ800rpm/15秒、
第2ステージ3000rpm/30秒の条件でスピンコ
ートした。凹面に染色液が付着したレンズを、レンズ周
囲で固定できるドーナツ状治具の上に置いて、110℃
のオーブンで30分間加熱した。冷却後取り出して該レ
ンズ表面を水洗し、乾固した水溶性ポリマーと残存した
分散染料を除去した。次に凹面と同様の方法で凸面をス
ピンコートし、凹面と同条件で加熱処理した。冷却後取
り出して該レンズ表面を水洗して、乾固した水溶性ポリ
マーと残存した分散染料を除去した。アセトンを付けた
布で拭いても、色落ちは起こらず、分光光度計を使用し
て700ナノメーターの光線透過率により測定した中心
付近の染色濃度は28%であった。また、全体が均一に
染色されていた。
【0040】実施例6 (1)インクジェットプリンター用インクの調製 蒸留水60重量部、グリセリン7重量部、エチレングリ
コール18重量部、尿素8重量部、ジエタノールアミン
2重量部、界面活性剤[日光ケミカルズ社製、ポリオキ
シエチレンアルキルフェニルエーテル系、商品名NP−
7.5)0.2重量部からなる水系溶剤に、日本化薬
(株)製の分散染料カヤロン ポリエステル カラー
イエロー(Kayalon Polyester Colours Yellow)4
GE−E5重量部を加えて常温で一昼夜攪拌して、一部
の分散染料が懸濁状態の染色液を調製した。この懸濁液
をワットマン濾紙No.3を用いて吸引濾過により少量の
不溶物を除去し、インクジェットプリンター用インクを
調製した。
【0041】(2)水溶性ポリマーのコーティング 蒸留水100重量部に、N−ビニルピロリドンポリマー
[和光純薬(株)製、分子量約25,000]5重量部
を加えて常温で一昼夜攪拌して完全に溶解させた。その
水溶液に室温で、HOYA(株)の硫黄含有プラスチッ
クレンズ(商品名テスラリッド)の基材レンズ(度数+
1.00ジオプター、中心厚さ2.5mm、外径75m
mの凸レンズ)を浸漬したのち、レンズ周囲で固定でき
るドーナツ状治具の上に、該レンズを置いて120℃の
オーブンで30分間加熱して、表面にN−ビニルピロリ
ドンポリマーの被膜を形成した。
【0042】(3)光学用プラスチックレンズの染色 上記(1)で調製したインクを使用して上記(2)で得
られたレンズの片面に、インクジェットプリンターによ
り染色パターンをプリントした。インクが付着したレン
ズを、周囲で固定できるドーナツ状治具の上に置いて1
30℃のオーブンで60分間加熱した。冷却後取り出し
て、同様の方法で反対面にインクを付着させ、同条件で
加熱した。冷却後、該レンズの両面を水洗して、乾固し
た水溶性ポリマーと残存した分散染料を除去した。アセ
トンを付けた布で拭いても、色落ちは起こらず、分光光
度計を使用して550ナノメーターの光線透過率により
測定した中心付近の染色濃度は30%であった。また、
全体が均一に染色されていた。
【0043】実施例7 (1)インクジェットプリンター用インクの調製 蒸留水60重量部、グリセリン7重量部、エチレングリ
コール18重量部、尿素8重量部、ジエタノールアミン
2重量部、界面活性剤[日光ケミカルズ社製、ポリオキ
シエチレンアルキルフェニルエーテル系、商品名NP−
7.5)0.2重量部からなる水系溶剤に、ダイスター
ジャパン(株)製のダイヤニックスブルー(Dianix B
lue )AC−E 5重量部を加えて常温で一昼夜攪拌し
て、一部の分散染料が懸濁状態の染色液を調製した。こ
の懸濁液をワットマン濾紙No.3を用いて吸引濾過によ
り少量の不溶物を除去し、インクジェットプリンター用
インクを調製した。
【0044】(2)水溶性ポリマーのコーティング 蒸留水100重量部に、ポリビニルアルコール#500
[関東化学(株)製、分子量約500、加水分解度8
6.5〜89%]8重量部を加えて常温で一昼夜攪拌し
て完全に溶解させた。その水溶液に室温でポリジエチレ
ングリコールビスアリルカーボネート製のレンズ(度数
0.00、厚さ2.0mm、外径70mm)を浸漬した
のち、レンズ周囲で固定できるドーナツ状治具の上に、
該レンズを置いて、120℃のオーブンで30分間加熱
して、表面にポリビニルアルコール#500の被膜を形
成した。
【0045】(3)光学用プラスチックレンズの染色 上記(1)で調製したインクを使用して、上記(2)で
得られたレンズの片面に、インクジェットプリンターに
より染色パターンをプリントした。インクが付着した該
レンズを、周囲で固定できるドーナツ状治具の上に置い
て120℃のオーブンで30分間加熱した。冷却後取り
出して、同様の方法で反対面にインクを付着させ、同条
件で加熱した。冷却後、該レンズの両面を水洗して、乾
固した水溶性ポリマーと残存した分散染料を除去した。
アセトンを付けた布で拭いても色落ちは起こらず、分光
光度計を使用して400ナノメーターの光線透過率によ
り測定した中心部分の染色濃度は30%であった。ま
た、全体が均一に染色されていた。
【0046】実施例8 実施例7における(3)の光学用プラスチックレンズの
染色において、反対面にインクを付着させる代わりに、
同じ面にインクを付着させた以外は、実施例7と同様な
操作を行った。このようにして得られた着色レンズを、
アセトンを付けた布で拭いても色落ちは起こらず、分光
光度計を使用して400ナノメーターの光線透過率によ
り測定した中央部分の染色濃度は28%であった。ま
た、全体が均一に染色されていた。
【0047】実施例9 実施例7における(3)の光学用プラスチックレンズの
染色において、下記のように変更した以外は、実施例7
と同様な操作を行った。すなわち、(3)の光学用プラ
スチックレンズの染色において、(1)で調製したイン
クを使用して、(2)で得られたレンズの片面に、イン
クジェットプリンターにより染色パターンをプリントし
た。インクが付着した該レンズを、周囲で固定できるド
ーナツ状治具の上に置いて120℃のオーブンで30分
間加熱した。冷却後取り出して、同様の方法で反対面に
インクを付着させ、同条件で加熱した。冷却後、もう一
度上記の方法を繰り返し両面に染色パターンをプリント
した。該レンズの両面を水洗して、乾固した水溶性ポリ
マーと残存した分散染料を除去した。
【0048】このようにして得られた着色レンズを、ア
セトンを付けた布で拭いても色落ちは起こらず、分光光
度計を使用して400ナノメーターの光線透過率により
測定した中心部分の染色濃度は50%であった。また、
全体が均一に染色されていた。
【0049】比較例1 (1)染色液の調製 蒸留水100重量部に、ダイスタージャパン(株)製の
ダイヤニックスブルー(Dianix Blue)AC−E 5
重量部を加えて常温で一昼夜攪拌して、一部の分散染料
が懸濁している染色液を調製した。
【0050】(2)光学用プラスチックレンズの染色 上記(1)で調製した染色液を90℃に加熱し、ポリジ
エチレングリコールビスアリルカーボネート製のレンズ
(度数0.00、厚さ2.0mm、外径70mm)を1
時間浸漬したのち、冷却して該レンズ表面を水洗した。
さらに、アセトンを付けた布で拭くと色落ちが起こっ
た。分光光度計を使用して400ナノメーターの光線透
過率により測定した中心部の染色濃度は10%であっ
た。なお、90℃に加熱したこの染色液を繰返し使用し
ている間に、延べ15時間後頃から染料が変質して、最
初と同じ色調に染色することができなくなった。
【0051】比較例2 (1)染色液の調製 蒸留水100重量部に、ダイスタージャパン(株)製の
ダイヤニックスレッド(Dianix Red)AC−E 10
重量部を加えて常温で攪拌して、一部の分散染料が懸濁
状態の染色液を調製した。
【0052】(2)水溶性ポリマーのコーティング 蒸留水100重量部に、ポリビニルアルコール#200
0[関東化学(株)製、分子量約2000、加水分解度
78〜82モル%]5重量部を加えて常温で一昼夜攪拌
して完全に溶解させた。その水溶液にHOYA(株)の
ポリチオウレタン系レンズ(商品名アイアス)の基材レ
ンズ(度数−3.00ジオプター、中心厚さ1.2m
m、外径75mmの凹レンズ)を室温で浸漬し、引き上
げた後室温で放置した。該レンズ表面にはポリビニルア
ルコール#2000の水溶液の被膜が形成されたが、加
熱処理を行なわないので、粘着性のある被膜であった。
【0053】(3)光学用プラスチックレンズの染色 ポリビニルアルコール#2000の水溶液の粘着性被膜
が表面に形成されたレンズを、上記(1)で調製した染
色液に室温で浸漬したところ、ポリピニルアルコール#
2000の水溶液の粘着性被膜が一部染色液中に溶け出
し、分散染料液の付着状態が均一にならなかった。該レ
ンズを、レンズ周囲で固定できるドーナツ状治具の上に
置いて、110℃のオーブンで30分間加熱した。冷却
後取り出して該レンズ表面を水洗し、乾固した水溶性ポ
リマーと残存した分散染料を除去した。アセトンを付け
た布で拭いても、色落ちは起こらなかったが、全体にム
ラがある染色状態で、分光光度計を使用して700ナノ
メーターの光線透過率により測定した中心付近の染色濃
度は15〜20%の範囲でばらついていた。
【0054】比較例3 (1)染色液の調製 蒸留水100重量部に、日本化薬(株)製の分散染料カ
ヤロン ポリエステルカラー イエロー(Kayalon Po
lyester Colours Yellow)4GE−E 5重量部を加
えて常温で攪拌し、一部の分散染料が懸濁している染色
液を調製した。
【0055】(2)光学用プラスチックレンズの表面コ
ーティング HOYA(株)の硫黄含有プラスチックレンズ(商品名
テスラリッド)の基材レンズ(度数+1.00ジオプタ
ー、中心厚さ2.5mm、外径75mmの凸レンズ)に
ポリエステル系オリゴマー(旭電化工業(株)製、アジ
ピン酸系ポリエステル、商品名アデカサイザーPN−1
010]を塗布して、レンズ周囲で固定できるドーナツ
状治具の上に、該レンズを置いて120℃のオーブンで
30分間加熱した。室温に冷却すると柔軟性のあるポリ
エステル系オリゴマーの被膜が形成されていた。
【0056】(3)光学用プラスチックレンズの染色 上記(2)で得られたレンズを上記(1)で調製した染
色液に室温で浸漬したが、ポリエステル系オリゴマー被
膜が撥水性を示すため、付着した染色液が流れ落ちたり
該レンズ表面で凝集したりして、均一な状態にならなか
った。該レンズを、周囲で固定できるドーナツ状治具の
上に置いて130℃のオーブンで60分間加熱してみた
が、冷却後該レンズ表面を水洗すると、乾固した染料が
流れ出して、レンズ内部には染料が移行していなかっ
た。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、特に水を分散媒とする
分散染料液では染色困難な光学用プラスチックレンズ
を、任意の色調と濃度に効率よく、経済的有利に染色す
ることができる。また、本発明の方法で染色された着色
光学用プラスチックレンズは、例えばコンタクトレン
ズ、眼鏡レンズ、カメラレンズ、プロジェクターレン
ズ、望遠鏡レンズ、拡大鏡レンズなどとして好適に用い
られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C09D 7/12 C09D 7/12 Z 201/00 201/00 D06P 3/00 D06P 3/00 E H 5/20 5/20 A G02B 1/10 G02C 7/02 G02C 7/02 B29K 101:00 // B29K 101:00 G02B 1/10 Z

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学用プラスチックレンズ表面に水溶性
    ポリマーの硬化皮膜を形成させ、次いでこのレンズに、
    分散染料を着色成分として含む水系染色液を接触させ
    て、該分散染料を上記硬化皮膜中に一旦保持させたの
    ち、加熱処理してレンズ内部に拡散させ、その後、該硬
    化皮膜と残存した分散染料を水洗除去することにより、
    レンズを染色する方法であって、上記硬化皮膜中に一旦
    保持される分散染料の量により、レンズ染色濃度を調整
    することを特徴とする着色光学用プラスチックレンズの
    製造方法。
  2. 【請求項2】 硬化皮膜中に一旦保持される分散染料の
    量と加熱処理条件により、レンズ染色濃度を調整する請
    求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 硬化皮膜中に一旦保持される分散染料の
    量を、硬化皮膜の厚さおよび/または硬化皮膜表面に接
    触させる分散染料の量により制御する請求項1または2
    に記載の方法。
  4. 【請求項4】 加熱処理条件によるレンズ染色濃度の調
    整を、加熱処理温度および/または加熱処理時間を制御
    することにより行う請求項2に記載の方法。
  5. 【請求項5】 光学用プラスチックレンズ表面に、水溶
    性ポリマーの水系溶液を用いてコーティング処理を施し
    たのち、加熱して水溶性ポリマーの硬化皮膜を形成させ
    る請求項1ないし4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 【請求項6】 分散染料を着色成分として含む水系染色
    液中に、表面に水溶性ポリマーの硬化皮膜が形成された
    光学用プラスチックレンズを浸漬したのち、これを加熱
    処理する請求項1ないし5のいずれか1項に記載の方
    法。
  7. 【請求項7】 分散染料を着色成分として含む水系染色
    液を、表面に水溶性ポリマーの硬化皮膜が形成された光
    学用プラスチックレンズの該表面に塗布したのち、これ
    を加熱処理する請求項1ないし5のいずれか1項に記載
    の方法。
  8. 【請求項8】 水系染色液をインクジェットプリンター
    を用いて、表面に水溶性ポリマーの硬化皮膜が形成され
    た光学用プラスチックレンズの該表面に塗布する請求項
    7に記載の方法。
  9. 【請求項9】 インクジェットプリンターノズルから吐
    出する水系染色液の吐出量を調整し、硬化皮膜表面に接
    触させる分散染料の量を制御する請求項8に記載の方
    法。
  10. 【請求項10】 インクジェットプリンターによる水系
    染色液の塗布回数を調整し、硬化皮膜表面に接触させる
    分散染料の量を制御する請求項8に記載の方法。
  11. 【請求項11】 インクジェットプリンターによる水系
    染色液の塗布後、加熱処理するに際し、処理温度および
    /または処理時間を制御する請求項8,9または10に
    記載の方法。
  12. 【請求項12】 水溶性ポリマーが、ポリビニルアルコ
    ール、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸金属塩、ポリア
    クリルアミド、ポリビニルピロリドンおよびポリエチレ
    ングリコールの中から選ばれる少なくとも1種である請
    求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
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