JP3348667B2 - 連続鋳造による丸ビレット鋳片の製造方法 - Google Patents
連続鋳造による丸ビレット鋳片の製造方法Info
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ビレット鋳片の製造方法に関し、特に、いわゆる未凝固
圧下および凝固後成形法を用いた連続鋳造による製管用
の丸ビレット鋳片の製造方法に関する。
る場合、丸ビレット鋳片の材質が低炭素鋼、軸受け鋼ま
たは高Cr鋼であると、最後に凝固する鋳片中心部に偏析
(中心偏析) 、軸芯割れさらにはポロシティ等の鋳造欠
陥が発生する。
鋳片をシームレスパイプの製造にそのまま用いようとす
ると、鋳造欠陥に起因して、成品に内面疵が多発してし
まい、製品とならない。
して内面品質を向上するために、鋳込まれた連続鋳造鋳
片に圧下を行うことにより、鋳造欠陥の発生を防止する
技術が、多数提案されている。これらの技術は、未凝固
圧下および凝固後成形法といわれている。
−146651号公報には、いずれも、連続鋳造鋳片の中心部
が未凝固部の位置で圧下ロール対により大圧下を行い、
その後に真円に成形する方法が開示されている。これら
の方法によれば、中心部が未凝固であるときに大圧下を
行うことにより、中心部における濃化溶鋼に流動を与え
て鋳込み上流側へ排出する。このため、丸ビレット鋳片
の中心偏析を低減でき、かつ中心ポロシティを消滅でき
るとされている。
の方法を実際の連続鋳造ラインに適用しようとすると、
鋳込速度を変動させると、得られる丸ビレット鋳片の真
円成形性が悪化し、製管不可能な形状になってしまうこ
とがあることがわかった。
の中心偏析を低減できるとともに中心ポロシティを消滅
でき、鋳込速度を変動させた場合にも所望の真円度を確
保できる、連続鋳造による丸ビレット鋳片の製造方法を
提供することである。
を解決するために検討を重ね、以下に列記する知見お
よびを得た。
用いて成形加工を行う場合には、鋳片の上下方向の厚み
戻り量が増加する。 そのため、鋳込速度により決定される厚み戻り量に応
じて、内部に未凝固部を有する鋳片に対する水平ロール
の圧下量を決定することにより、真円成形性を一定に保
ち、所望の真円度を確保できる。
部に未凝固部を有するとともに横断面が略円形である連
続鋳造鋳片を、1組以上の一対の水平ロールで所定の圧
下量で圧下することにより、横断面を略楕円形とした
後、1組以上の一対の孔型の垂直ロールで圧下すること
により、丸ビレット鋳片を製造する際に、鋳造速度を増
加させる場合には、略楕円形を有する連続鋳造鋳片の短
径と、丸ビレット鋳片の直径との偏差の増加分に応じて
水平ロールの圧下量を上述した所定の圧下量よりも増加
して圧下を行い、鋳造速度を減少させる場合には、上述
した偏差の減少分に応じて水平ロールの圧下量を上述し
た所定の圧下量よりも減少して圧下を行うことを特徴と
する連続鋳造による丸ビレット鋳片の製造方法である。
凝固部を有するとともに横断面が略円形である連続鋳造
鋳片を、1組以上の一対の垂直ロールで所定の圧下量で
圧下することにより、横断面を略楕円形とした後、1組
以上の一対の孔型の水平ロールで圧下することにより、
丸ビレット鋳片を製造する際に、鋳造速度を増加させる
場合には、略楕円形を有する連続鋳造鋳片の短径と、丸
ビレット鋳片の直径との偏差の増加分に応じて垂直ロー
ルの圧下量を上述した所定の圧下量よりも増加して圧下
を行い、鋳造速度を減少させる場合には、上述した偏差
の減少分に応じて垂直ロールの圧下量を上述した所定の
圧下量よりも減少して圧下を行うことを特徴とする連続
鋳造による丸ビレット鋳片の製造方法である。
よる丸ビレット鋳片の製造方法の実施形態を、添付図面
を参照しながら、詳細に説明する。
よる丸ビレット鋳片の製造工程10を模式的に示す説明図
である。また、図2は、図1における鋳片4の横断面形
状を示す説明図であり、図2(a) は図1におけるA−A
断面図、図2(b) は図1におけるB−B断面図、図2
(c) は図1におけるC−C断面図である。
平断面形状が円形である連続鋳造用鋳型2に注入された
溶鋼3は、鋳型2内において冷却され、凝固シェルが外
側に形成される。形成された凝固シェルの内部には、未
凝固部が残存する。
ー冷却帯5を経てピンチロール帯6に入る。この時の鋳
片4の横断面形状は、図2(a) に示すように、略円形の
ままである。
4は、一対の未凝固圧下水平ロール7、7により、中心
部が未凝固の状態のままで、大圧下される。一対の未凝
固圧下水平ロール7、7により大圧下された鋳片4は、
図2(b) に示すように、略楕円形の断面形状を呈する。
なった鋳片4は、鋳片内部が完全凝固する領域に設けら
れた一対の成形用垂直ロール8、8にて真円成形され
る。図示例では、一対の成形用垂直ロール8、8は一組
しか設けていないが、必要に応じて、成形用垂直ロー
ル、成形用水平ロール・・・というように、垂直ロー
ル、水平ロールを交互に複数段設けてもよい。また、成
形用垂直ロールを複数段設けた後、成形用水平ロールを
複数段設けてもよい。
ール7、7により鋳片4を扁平に大圧下し、成形用垂直
ロール8、8により成形を行うこととしたが、これが逆
でもよい。例えば、未凝固圧下垂直ロールにより鋳片4
を扁平に大圧下し、成形用水平ロールにより成形を行っ
てもよい。そして、鋳片4は、引き抜きピンチロール9
によって引き抜かれ、シームレスパイプ製造用の丸ビレ
ット鋳片4' とされる。
7により大圧下を行われることにより、図2(b) に示す
ように大きく扁平した鋳片4を、図2(c) に示すように
一対の成形用垂直ロール8、8により所定の形状に成形
圧延すると、鋳片4の厚さが一対の成形用垂直ロール
8、8の圧下方向と直交する方向 (図2(c) における上
下方向) に戻る現象が発生する。
する鋳片4の短径をd1 とし、図2(c) における丸ビレ
ット鋳片4の直径をd2 とすると、本実施形態では、鋳
片4の厚さが (d2 −d1)だけ、増加したことになる。
ここで、鋳片4の短径d1 と丸ビレット鋳片4の直径d
2 との偏差d3 = (d2 −d1)を、「厚み戻り量」と定
義する。
おいて連続鋳造を行っている際に、鋳造速度を増加する
と、各工程における鋳片温度が上昇して、鋳片4の変形
抵抗が低下する。このため、厚み戻り量d3 が増加す
る。
の目標径を超えた状況の一例を、図3に模式的に示す。
図3に例示するように、厚み戻り量d3 が大き過ぎる
と、鋳片4は、一対の成形用垂直ロール8、8の隙間か
ら噛み出し、膨出部4''が形成されてしまう。このた
め、鋳片4は、製管不可能な形状となってしまう。
mmの丸ビレット鋳片4' を連続鋳造により製造する際
の、成形時の鋳込速度x(m/min)と、鋳片厚み戻り量y(m
m) との関係を示すグラフである。図4においては、y
=68x −82.8、相関係数R2=0.9863である。図4に示す
ように、鋳込速度を増加すると、鋳片厚み戻り量が増加
する。
な一対の成形用垂直ロール8、8の隙間からの鋳片4の
噛み出しを防止するため、鋳込速度を増加させる場合に
は、鋳込速度の増加による鋳片厚み戻り量の増加分を見
込んで、未凝固圧下水平ロール7、7により行われる大
圧下の圧下量を、増加するのである。
み戻り量の増加分をΔr とし、鋳込速度の増加前に既に
設定してある圧下量をr0とすると、鋳込速度の増加後の
未凝固圧下水平ロール7、7の圧下量r1は、r1=r0+Δ
r となる。
用垂直ロール8、8の隙間からの鋳片4の噛み出しは、
確実に防止され、丸ビレット鋳片の中心偏析を低減する
とともに中心ポロシティを消滅させながら、鋳込速度を
変動させた場合にも所望の真円度を確保できる。
レット鋳片の製造方法を、実施例を参照しながら、より
具体的に説明する。
略同様の設備を用い、直径225 mmの円形の水平断面形状
を呈する連続鋳造用鋳型により、表1に示す各条件で、
丸ビレット鋳片4' を鋳造した。
置は、溶湯メニスカスから23mの位置とし、成形用垂直
ロール8の圧下位置は、溶湯メニスカスから32mの位置
とした。未凝固圧下水平ロール7の孔型Rは、178 mmと
した。鋳造速度は、1.55〜1.65m/min 、スプレー冷却比
水量は0.10 l/kg・steel とした。鋳造鋼種は [C]=1.0
%鋼とした。
ずれも、本発明にしたがって、鋳造速度に応じた適正な
未凝固圧下量を行ったため、いずれも成形圧延後の鋳片
厚みを178 mmとすることができ、一対の成形用垂直ロー
ル8、8の隙間からの鋳片4の噛み出し量は0mmと良好
であった。
れも、鋳造速度の変化に拘わらず、未凝固圧下量を一定
としたため、適正な未凝固圧下量ではなく、成形圧延後
の鋳片4には一対の成形用垂直ロール8、8の隙間から
の噛み出しが発生し、製管不可能な形状のビレット4'
となった。
丸ビレット鋳片の中心偏析を低減できるとともに中心ポ
ロシティを消滅でき、鋳込速度を変動させた場合にも所
望の真円度を確保することができた。かかる効果を有す
る本発明の意義は、極めて著しい。
鋳片の製造工程を模式的に示す説明図である。
あり、図2(a) は図1におけるA−A断面図、図2(b)
は図1におけるB−B断面図、図2(c) は図1における
C−C断面図である。
た状況の一例を模式的に示す説明図である。
鋳片を連続鋳造により製造する際の、成形時の鋳込速度
(m/min) と、鋳片厚み戻り量(mm)との関係を示すグラフ
である。
Claims (2)
- 【請求項1】 内部に未凝固部を有するとともに横断面
が略円形である連続鋳造鋳片を、1組以上の一対の水平
ロールで所定の圧下量で圧下することにより、横断面を
略楕円形とした後、1組以上の一対の孔型の垂直ロール
で圧下することにより、丸ビレット鋳片を製造する際
に、 鋳造速度を増加させる場合には、前記略楕円形を有する
前記連続鋳造鋳片の短径と、前記丸ビレット鋳片の直径
との偏差の増加分に応じて前記水平ロールの圧下量を前
記所定の圧下量よりも増加して圧下を行い、 鋳造速度を減少させる場合には、前記偏差の減少分に応
じて前記水平ロールの圧下量を前記所定の圧下量よりも
減少して圧下を行うことを特徴とする連続鋳造による丸
ビレット鋳片の製造方法。 - 【請求項2】 内部に未凝固部を有するとともに横断面
が略円形である連続鋳造鋳片を、1組以上の一対の垂直
ロールで所定の圧下量で圧下することにより、横断面を
略楕円形とした後、1組以上の一対の孔型の水平ロール
で圧下することにより、丸ビレット鋳片を製造する際
に、 鋳造速度を増加させる場合には、前記略楕円形を有する
前記連続鋳造鋳片の短径と、前記丸ビレット鋳片の直径
との偏差の増加分に応じて前記垂直ロールの圧下量を前
記所定の圧下量よりも増加して圧下を行い、 鋳造速度を減少させる場合には、前記偏差の減少分に応
じて前記垂直ロールの圧下量を前記所定の圧下量よりも
減少して圧下を行うことを特徴とする連続鋳造による丸
ビレット鋳片の製造方法。
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JP36316598A JP3348667B2 (ja) | 1998-12-21 | 1998-12-21 | 連続鋳造による丸ビレット鋳片の製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2000176607A JP2000176607A (ja) | 2000-06-27 |
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PL3012043T3 (pl) * | 2013-06-20 | 2018-07-31 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation | Sposób ciągłego odlewania kęsisk płaskich |
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