JP3344504B2 - 竪型研削式精穀装置 - Google Patents
竪型研削式精穀装置Info
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Description
工程において精麦するための精穀装置に係り、特に、竪
型研削式精穀装置に関する。
調整された原料小麦の外皮物質を剥(はが)すことな
く、そのまま挽(ひ)き砕いて、製品粉となる胚(は
い)乳部(原料小麦に対する重量比率約84%)と、製
品粉に混入するのは好ましくない外皮物質(同13.5
%)及び胚芽(同2.5%)とを分離する方法が広く実
施されている。灰分を多く含む外皮物質の混入は製品粉
の品質を低下させるので、この外皮物質の混入をできる
だけ少なくするため、製粉に先立って水又は蒸気により
調質(コンディショニング)してテンパービン(加水
槽)内に4〜20時間寝かせ、小麦粒の外皮各層を強靭
(じん)化するとともに胚乳を軟化あるいは軟質化して
いる(テンパリング処理)。
には製粉特性が向上するのであるが、テンパリング時間
によっては、胚乳と外皮の内側層との結合を強化してし
まい、これらの分離を困難にするという一面がある。こ
のような点にかんがみ、製品粉に混在させたくない外皮
物質を挽砕の前工程で剥(はく)離・除去する技術が提
案されている。これを、図6に示す特開平2−1843
47に基づいて説明する。
表皮を軟化するためのわずかな加水が行われた後、直ち
に、摩擦機(摩擦式精麦機)102,103及び研磨機
(研削式精麦機)104,105を直列に配設してなる
精麦工程106において精麦される。精麦される間に、
更に表層部を加湿するための加水が行われる。こうして
得られた精麦小麦は、研磨機107及び冷却機108を
経て加水ミキサ109に至り、含水率16%程度の調質
小麦となるように加水が行われる。
来技術においては、精麦小麦に対して加水が行われるた
め小麦のでんぷん層が溶出し、小麦粒同士が付着し合っ
て塊が生じる。そのため、小麦同士の付着防止用に大規
模な撹拌装置が必要であった。
水・調質した後に精麦することが考えられるが、前述し
たように、加水して調質した小麦の外皮は強靭化するの
で、従来の研削式精麦機では十分精白が進行せず、ま
た、胚乳部が軟質化しているため、摩擦式精麦機におい
ては、砕け粒が多発する、という問題点があった。
調質後の原麦であっても精麦可能な竪型研削式精穀装置
を提供することを技術的課題とする。
め本発明は、複数の支柱間に除糠(こう)網を張設して
なる竪型の多角形除糠筒内に主軸を回転自在に立設し、
該主軸の上部に横断面が円形で、かつ、全周面に研削用
切刃を有する複数の研削式精穀ロールを軸着するととも
に、該研削式精穀ロールに接続して送穀用の螺(ら)旋
ロールを設け、前記除糠筒と前記研削式精穀ロールとの
間を主要部とする精白室の一端を穀粒供給部に、その他
端を穀粒排出部に各々連絡し、さらに、前記除糠筒を取
り囲む外筒により除糠室を形成し、前記除糠筒内面の交
線に沿ってそれぞれ抵抗バーを設け、該抵抗バーは前記
除糠網を押圧して前記支柱に着脱自在に固着してなる精
穀装置において、 イ.前記複数の精穀ロールの間隙には、該精穀ロール内
の空間の空気を前記精白室に噴風すべく、前記主軸に軸
着するボスと、該ボスから精穀ロール周面付近まで該ロ
ール回転方向後側に向けて湾曲して放射状に延設する複
数のアームとからなる噴風用スペーサを介設する。 ロ.前記各ロールの周面に、上下方向に複数の凹溝を設
けて撹拌バーを嵌(かん)入する。 ハ.該撹拌バーは、前記噴風用スペーサの湾曲部に着脱
可能に固着する。 ニ.前記除糠筒内面の交線に沿って、それぞれ抵抗バー
を設ける。 ホ.該抵抗バーは前記除糠網を押圧して前記支柱に、ま
た、撹拌バーは前記噴風用スペーサに、各々着脱可能に
固着する。という技術的手段を講じた。
の回動方向前側寄り又は後側寄りに、上下方向に面取り
部を設けるとともに、該面取り部の他方側に立上がり部
を設け、かつ、上下逆取付け可能に形成するとよい。
ば、複数の精穀ロールの間隙には、該精穀ロール内の空
間の空気を前記精白室に噴風すべく、前記主軸に軸着す
るボスと、該ボスから精穀ロール周面付近まで該ロール
回転方向後側に向けて湾曲して放射状に延設する複数の
アームとからなる噴風用スペーサを介設する一方、前記
各ロールの周面に、上下方向に複数の凹溝を設けて撹拌
バーを嵌入し、該撹拌バーは前記噴風用スペーサの湾曲
部に着脱可能に固着したので、精白室における穀粒は適
度に撹拌されて自転・公転が活発化し、精穀ロールの周
面に多面的に、かつ、高頻(ひん)度に接触して平均的
に切削作用を受け、一粒としても全体としてもむらの少
ない精白が行え、特に硬質系の穀粒の精白に好適であ
る。
動方向の前後いずれかに上下方向にわたり面取り部を、
その反対側に立上がり部を各々設けたので、面取り部を
前記回動方向前側となるよう装着することにより、比較
的緩やかな撹拌作用を及ぼす一方、撹拌バーの上下上方
を逆に装着することにより、立上がり部が回動方向の前
側に位置し、活発な撹拌作用となる。したがって、本精
穀装置を数台連座させ、撹拌バーの上下方向を適宜に設
定して装着することにより、同一の精穀装置でありなが
ら、比較的撹拌作用の緩慢な研削系の精穀と、活発な撹
拌作用を伴って摩擦系の精穀とを実現できる。
とって、本発明による好ましい一実施例における竪型研
削式精穀装置を図1から図4に基づいて説明する。
において、符号2は基台であり、基台2内の上下の軸受
3,4により、主軸5を基台2のほぼ中心部に垂直に、
かつ、回転自在に立設する。そして、主軸5の下端にプ
ーリ6を設け、このプーリ6と図外のモータとをVベル
ト(図示せず)により連結して、主軸5は適宜な回転速
度で回転される。主軸5は軽量化のために中空状とな
し、その上半部を基台2の上方に突出させる。
に、穀粒を揚送するための螺旋ロール7を軸着し、該螺
旋ロール7を取り囲んで供給筒8を設ける。供給筒8底
部の周面には給穀口9と残穀取出口10とを開口し、給
穀口9にはコンベアケース11を接続して供給スクリュ
ー12の搬送終端部を臨ませ、残穀取出口10には残穀
取出筒13を接続するとともに栓(せん)体14を嵌合
させてある。前記供給スクリュー12の搬送始端側のコ
ンベアケース11上部には供給ホッパ15を接続し、ま
た、供給スクリュー12は軸受部16により片持ち状に
軸支され、プーリ17及びVベルト(図示せず)によっ
て図外のモータと連結される。
除糠網支持フレーム18を設ける。該除糠網支持フレー
ム18には、例えば9本の支柱19を設け(図2参
照)、各支柱9の主軸5側面は横断面形状が谷形(本実
施例では140°)となるよう切込み部21が形成さ
れ、この面に当接して各支柱9間に平板状の除糠網20
aを張設し、9角柱状の除糠筒20を形成する。さら
に、前記切込み部21に対応する横断面形状山形の突脈
部22を有する抵抗バー23を、除糠網20aの側縁部
を押圧して前記各支柱19に固着する。固着手段は、一
端部を抵抗バー23に埋設したボルト24の他端部を、
一対の除糠網20aのすき間から支柱19のばか穴25
を貫通させ、支柱19の切込み部21と反対側面に設け
た座ぐり部27においてナット26により締着する。前
記ボルト24は1本の支柱につき複数個設けるとよく、
また、支柱19の中段部には各支柱19を連結する補強
桟(さん)28を横設する。
削式精穀ロール29を設け、該精穀ロール29と前記螺
旋ロール7との間には副螺旋ロール30を介設する。該
精穀ロール29は、例えば4個の精穀ロール29aを重
合して形成され、各精穀ロール29aは、全周面に研削
用切刃を有するリング状の砥石部31と、該砥石部31
を保持するリム32、ボス33及びアーム34とからな
り、砥石部31の周面と除糠筒20との間を主要部とす
る精白室56となす。
風用スペーサ35を介在させる。すなわち、該スペーサ
35は、中心部に主軸5を貫通させる丸穴を有するボス
36と、このボス36から放射状に前記精穀ロール29
a周面付近まで延設した複数のアーム部37とからな
り、各アーム部37は、穀粒の侵入を防ぐため、精穀ロ
ール29の回転方向(矢印R参照)の後側に向けて湾曲
させ、各アーム部37の端部と端部との間を噴風口38
となすよう形成される。
は上下方向に、かつ、等間隔に3条の凹溝39を形成
し、該凹溝39内に撹拌バー40を嵌入する。撹拌バー
40は研削式精穀ロール29の高さ寸法とほぼ同じ長さ
を有する棒状の板であり、精穀ロール29の回動方向前
側寄り又は後側寄りに、上下方向に面取り部41を形成
するとともに、該面取り部41の他方側をほぼ90°の
立上がり部42となし、前記噴風用スペーサ35に対応
する位置に設けた座ぐり部43及びばか穴並びに噴風用
スペーサ35のアーム部37の湾曲部に設けためねじ部
44にボルト45を螺入して固着する。また、撹拌バー
40の上端部は、各精穀ロール29aをボルト47によ
って上方から締め付ける押さえ板46の終縁部にめねじ
部(図示せず)を設け、前記と同様に固着する。こうし
て撹拌バー40を凹溝39内に嵌入・固着するのである
が、撹拌バー40を凹溝39内から取外し、該撹拌バー
40の上下方向を逆にして凹溝39に嵌入できるよう形
成される。
出筒48を設ける。該排出筒48の上面には網カバー4
9を設けるとともに、周面には精白穀粒の吐出口50を
開口し、吐出口50に接続して排出樋(ひ)51を斜設
する。排出樋51には分銅52により前記吐出口50側
に向けて付勢される抵抗板53を装着する。一方、前記
精穀ロール29a上端部の押さえ板46上に中空状の上
部回転筒54を載設し、該回転筒54の外周面上部には
複数のかき出し爪55を設ける。
糠網支持フレーム18を取り囲んで上部外筒60を設
け、これにより、除糠室63を形成する。該上部外筒6
0は基台2上に支持されるとともに、その周面には複数
の点検用開口61を設け、該点検用開口61は取っ手付
きのカバー62により蓋(がい)覆する。上部外筒60
の下端に接続して下部外筒64を設ける。該下部外筒6
4は底部を軸受筒69に接続するとともに、前記底部内
を回転する下部回転筒65を螺旋ロール7の下端に接続
して主軸5に軸着する。下部回転筒65下端寄り周面に
は複数のかき出し翼66を装備するとともに、下部外筒
64の底部には糠(ぬか)排出口67を設けて集糠室6
9を形成する。該糠排出口67に接続して糠ダクト68
を設け、糠ダクト68は図外のファン及びバッグフィル
タに連結される。
粉前処理工程において用いた場合の具体的作動を、図5
のフローチャートに従って説明する。
〜12%の精選小麦に対し、加水機70により含水率が
約16〜17%になる分量の水分添加を行い、テンパリ
ングタンク71内で保持する。保持時間は、デュラム小
麦などは6時間程度、ハード小麦の場合は最長48時間
程度がよい。これにより、水分が麦粒内部まで浸透した
調質小麦となり、次に、精麦工程72によって精麦され
るのであるが、精麦に先立ち、加水機73により水分添
加を行うとともに、保持タンク74により含水率を1〜
2ポイント上昇させる。保持時間は2〜3分間であり、
水分の浸透は麦粒表層部に止まる。
置1を3台連座してなる精麦工程72において精麦され
る。1パス目の精麦作用を、図1及び図2を参照しなが
ら説明する。供給ホッパ15に投入された小麦は、供給
スクリュー12によって供給口9から供給筒8内に供給
され、螺旋ロール7及び副螺旋ロール30によって精白
室56内に上送される。精白室56内における麦粒は、
各研削式精穀ロール29aの砥石部31周面に接触して
外皮物質が削り取られるのであるが、精白室56は9角
柱状であり、しかも、除糠筒20の9カ所に設けた抵抗
バー23及び研削式精穀ロール29の3個所の撹拌バー
40により撹拌作用が生じ、麦粒の自転・公転が促され
て麦粒表面が平均的に切削される。
する麦粒は、かき出し爪55によって吐出口5から排出
される。このとき麦粒は、吐出口50に向く抵抗板53
の付勢力により抵抗を受けるので、精白室56内部は適
度な圧力に保持される。
引力により、網カバー49から上部回転筒54内に流入
する外気は、押さえ板46の開口46aから各研削式精
穀ロール29a内のアーム34、リム32及びボス33
により形成される空間を通って下降し、噴風用スペーサ
35のアーム部37間を経て噴風口38から精白室56
内へ噴風する。そして、麦粒から削り取られた外皮物質
と共に除糠網20aから除糠室63へ漏出し、集糠室6
9内のかき出し翼66によって糠排出口67から糠ダク
ト68にかき出される糠を搬送する。
5により再び水分添加されるとともに保持タンク76に
2〜3分間保持され、1パス目の精麦で失われた表層部
の水分を補給されて後段の精麦を容易にする。
精麦作用について説明する。なお、2パス目も1パス目
と同一の精穀装置1を用いるので、重複する説明は省略
する。ボルト45を抜いて撹拌バー40を凹溝39から
取外し、撹拌バー40の上下を逆にして再び当該凹溝3
9にボルト45により固着する。それにより、精穀ロー
ル29の回転方向Rの前側に立ち上がり部42が位置す
ることになり、撹拌作用がより助長され、麦粒の自転・
公転がいっそう活発となり、水分添加により軟化した麦
粒表層部を砥石部31周面によって平均的に削り取る。
また、図3に示すように、撹拌バー40を、平板スペー
サ80を介して凹溝39内に嵌入したり、抵抗バー23
を、抵抗バー23の突脈部22に対応して曲折した曲げ
板スペーサ81を介して支柱19に固着したりすること
もでき(ボルト24,45の貫通用の穴は図示せず)、
この場合は、抵抗作用及び撹拌作用がより増大し、研削
式精穀ロール29による精麦でありながら、摩擦系の精
白作用を実現できる。前記各スペーサ80,81を介在
させることに代えて、これらのスペーサ分だけ板厚を大
きくした交換用の撹拌バー40及び抵抗バー23を用意
することもできる。
し、これにより、麦粒の外皮物質が除除去され、含水率
約16%の精麦小麦が得られる。
口9を、上方に吐出口50を設けた上送式の精穀装置に
ついてのみ説明したが、この反対に、上方から給穀して
下方から吐出させる流下式の精穀装置においても、ほぼ
同様の作用・効果が得られる。また、撹拌バー40を分
割し、各精穀ロール29aに個別に固着するとともに、
取付け位置を順次ずらせて設けることも可能である。
面図である。
る。
る、図1のA−A線断面図である。
のフローチャートである。
トである。
Claims (2)
- 【請求項1】 複数の支柱間に除糠網を張設してなる竪
型の多角形除糠筒内に主軸を回転自在に立設し、該主軸
の上部に、横断面が円形で、かつ、全周面に研削用切刃
を有する複数の研削式精穀ロールを軸着するとともに、
該研削式精穀ロールに接続して送穀用の螺旋ロールを設
け、前記除糠筒と前記研削式精穀ロールとの間を主要部
とする精白室の一端を穀粒供給部に、その他端を穀粒排
出部に各々連絡し、さらに、前記除糠筒を取り囲む外筒
により除糠室を形成し、前記除糠筒内面の交線に沿って
それぞれ抵抗バーを設け、該抵抗バーは前記除糠網を押
圧して前記支柱に着脱自在に固着してなる精穀装置にお
いて、前記複数の精穀ロールの間隙には、該精穀ロール
内の空間の空気を前記精白室に噴風すべく、前記主軸に
軸着するボスと、該ボスから精穀ロール周面付近まで該
ロール回転方向後側に向けて湾曲して放射状に延設する
複数のアームとからなる噴風用スペーサを介設する一
方、前記各ロールの周面に、上下方向に複数の凹溝を設
けて撹拌バーを嵌入し、該撹拌バーは前記噴風用スペー
サの湾曲部に着脱可能に固着したことを特徴とする竪型
研削式精穀装置。 - 【請求項2】上記撹拌バーは、上記精穀ロールの回動方
向前側寄り又は後側寄りに、上下方向に面取り部を設け
るとともに、該面取り部の他方側に立上がり部を設け、
かつ、上下逆取付け可能に形成してなる請求項1の竪型
研削式精穀装置。
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