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JP3341532B2 - 残光性ランプ - Google Patents

残光性ランプ

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Publication number
JP3341532B2
JP3341532B2 JP13060895A JP13060895A JP3341532B2 JP 3341532 B2 JP3341532 B2 JP 3341532B2 JP 13060895 A JP13060895 A JP 13060895A JP 13060895 A JP13060895 A JP 13060895A JP 3341532 B2 JP3341532 B2 JP 3341532B2
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JP
Japan
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phosphor
afterglow
light
lamp
emitting
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嘉典 村崎
敬治 一ノ宮
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Nichia Corp
Original Assignee
Nichia Corp
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  • Vessels And Coating Films For Discharge Lamps (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はランプの内面或いは内面
に2価のMn付活残光性蛍光体が塗布されることで残光
性を有する残光性ランプに関する。
【0002】
【従来の技術】誘導灯は消防法施行令と全国各都市の火
災防止条例などで、劇場、旅館など人の多く集まる場所
に設置が義務づけられている。地震、火災等の災害やそ
の他の突発的な事故により、常用の電源が断たれた場
合、自動的に予備電源に切り替わり、20分間以上の点
灯が必要とされる。しかしながら、災害時にその予備電
源が破壊され、あるいは給電回路が断線すると消灯して
しまう、この様な場合、複雑な地下街、長いトンネル
内、あるいは夜間の高層ビルなどでは非常に危険な状態
となる。また、従来の誘導灯は構造が複雑なので設備に
時間と高額な費用がかかり、義務づけられた場所以外で
の適用は殆ど希である。
【0003】また、上述したような非常時に限らず、会
社、デパート、学校の校舎、及び工場等の大規模な建築
物、商店、あるいは家屋等の殆どすべての建築物におい
て、それらの室内や廊下あるいは階段の照明スイッチを
切った後、出口にたどり着くまでの間、足下が見える程
度の簡単な構造の安価な誘導灯があればさらに安全で快
適な生活をおくることができる。
【0004】これに対し、光源の光が届く箇所に位置す
るセード等の保持部材に、光源の発する光エネルギーを
吸収し、蓄積する性質を有する光蓄積体を設ける技術が
特開昭58−121088号公報に開示されている。こ
の光蓄積体を利用することで予備電源が不要となる。と
ころが、従来の光蓄積体は化学的に不安定であり、紫外
線、高温度、水分等により容易に劣化してしまう欠点を
もっている。しかも、これらの光蓄積体の残光は暗く短
い。また、保持部材に光蓄積体を塗布する方法では、そ
の明るさは不十分である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、非常時の予
備電源を必要としない、長く明るい残光を利用でき、し
かも光蓄積体を塗布したような特別な照明器具を必要と
しない誘導灯を提供することを目的とする。
【0006】
【発明を解決するための手段】本発明者等は上述した問
題を解決するために鋭意検討した結果、ランプのガラス
管内面あるいは外面に2価のMn付活残光性蛍光体が塗
布されることで課題を解決できることを見いだし、本発
明を完成させるに至った。
【0007】すなわち、本発明の残光性ランプは、電気
エネルギーを光エネルギーに変換する発光部と、それを
覆う透光性ガラスからなるランプにおいて、前記透光性
ガラスの内面及び外面の内の少なくとも一方に蛍光体層
が設けられ、前記蛍光体層が次の一般式で表現できる残
光性蛍光体を具備し、かつランプが蛍光ランプであっ
て、この蛍光ランプの蛍光体層が、前記残光性蛍光体、
及びそれを励起する蛍光体を具備し、発光色が白色域に
あることを特徴とする。 (M1−pMn)O・nGa・m(Ge1−qSi)O (ただし、 0.0001≦p≦0.5 0≦q≦1.0 0≦n≦3.0 0≦m≦3.0 0.5≦m+n≦6.0 Mは2価金属のMg,Ca,Sr,Ba,As,Sn,
及びZnからなる群より選ばれた少なくとも1種であ
る。
【0008】本発明の残光性ランプに用いる残光性蛍光
体は、化学組成は上記したとおり、2価のMn(マンガ
ン)で付活されたガリウム酸ゲルマン酸ケイ酸塩蛍光体
であり、ガリウム酸、ゲルマン酸、ケイ酸の配合量を変
化させることで、発光色調を大幅に変えることができ
る。典型的な例を以下に説明する。
【0009】m=0であるガリウム酸塩残光性蛍光体
は、2価金属MをCaが70モル%以上占め、0.5≦
n≦1.5の範囲では、発光色は黄色を呈し、1.5≦
n≦3.0ではオレンジ色を呈する。また、MをMgが
70モル%以上を占め、0.5≦n≦3.0の範囲で
は、発光色は緑色系を呈する。これらは波長が450n
m以下の光により励起され発光する。
【0010】n=0、q=0であるゲルマン酸塩残光性
蛍光体では、2価金属MをZnが70モル%以上占め、
0.5≦m≦3.0の範囲では、発光色は緑色系を呈す
る。この蛍光体は480nm以下の光により励起され発
光する。
【0011】n=0、q=1であるケイ酸塩残光性蛍光
体では、2価金属MをZnが70モル%以上占め、0.
5≦m≦3.0の範囲では、発光色は緑色系を呈する。
この蛍光体は420nm以下の光により励起され発光す
る。
【0012】本残光性蛍光体にランプからの発光を受光
させる構造とすることにより、残光性蛍光体は励起さ
れ、残光性の発光を呈するようになる。ランプからの励
起可能な光は、上述したように残光性蛍光体の化学組成
に応じて異なる。
【0013】本残光性蛍光体を励起できるランプは蛍光
ランプに適用できる。図1に示すように、これらランプ
の発光部(1)を覆う透光性ガラス(2)の内面あるい
は/及び外面に、残光性蛍光体が塗布されたそれぞれ内
面蛍光体層(3)、外面蛍光体層(4)を形成すること
により実現できる。
【0014】塗布する蛍光体層の厚さは使用する残光性
蛍光体の粒径にもよるが、5〜100μmの範囲が好ま
しい。この範囲より蛍光体層が薄くなると、残光性蛍光
体の塗布量が少なすぎることから、残光は殆ど発揮でき
ない。逆にこの範囲よりも蛍光体層が厚くなると、ラン
プの光が蛍光体層に遮られてしまい、本来の照明用のラ
ンプとしての機能が低下する。
【0015】すべての残光性ランプは上述したように設
計されるが、特に蛍光ランプについては、ガラス管内面
の蛍光体層の蛍光体は紫外線により励起され発光してい
る。そのため、この紫外線エネルギーを直接利用するこ
ともできる。ガラス管内面に残光性蛍光体を塗布した場
合、残光性蛍光体は蛍光ランプの発光部である陽光柱か
ら放射される253.7nmの水銀線によっても直接励
起されるため、残光性蛍光体は単独で蛍光ランプに塗布
することでも残光性蛍光ランプを得ることができる。こ
の場合、残光は極大となる。しかし、常時は通常の白色
系の蛍光ランプとして使う必要から、蛍光ランプ用の蛍
光体と組み合わせて用い、この蛍光体の発光を受光して
残光を出力する構造が好ましいといえる。
【0016】例えば、他の蛍光体の発光を受光する構造
として、図2の蛍光ランプの管方向に垂直の断面図にお
いて説明する。主として陽光柱の発光部(1)で、電気
エネルギーを光エネルギー(この場合は紫外放射エネル
ギー)に変換されたエネルギーを透光性ガラス(2)の
内面に形成された蛍光体層(3)を励起している。この
場合、残光性蛍光体と、それを励起し得る照明用蛍光体
が蛍光体層の中で完全に混合されていても良く、この方
法が最も簡単である。
【0017】また、図3の蛍光ランプの断面図に示すよ
うに、透光性ガラス(2)の内面の第1層に残光性蛍光
体層(31)を形成し、第2層に照明用蛍光体層(3
2)を形成するいわゆる2層塗布でもよい。この方法に
よると、253.7nmの水銀線はすべて蛍光ランプ用
の蛍光体の励起に使われ、残光性蛍光体はすべて蛍光体
層からの可視光により励起される。この場合に得られる
残光性ランプは、照明用としても高輝度であり、しかも
残光も高輝度である。
【0018】それ以外に図4の蛍光ランプの断面図に示
すように、透光性ガラス(2)の内面に照明用蛍光体層
(3)を形成し、ガラス管の外側に残光性蛍光体層
(4)を形成することも可能である。
【0019】蛍光体層を占める残光性蛍光体と同時に使
用する蛍光体は、照明用蛍光体として通常用いられるも
のが適用でき、例えば、(SrCaBaMg)5(P
43Cl:Eu、BaMg2Al1627:Eu、Sr5
(PO43Cl:Eu、LaPO4:Ce,Tb、Mg
Al1119:Ce,Tb、Y23:Eu、Y(PV)O
4:Eu、3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn、Ca
10(PO46FCl:Sb,Mn、Sr10(PO46
Cl:Sb,Mn、(SrMg)227:Eu、Sr2
27:Eu、CaWO4、CaWO4:Pb、MgWO
4、(BaCa)5(PO43Cl:Eu、Sr4Al14
25:Eu、Zn2SiO4:Mn、BaSi25:P
b、SrB47:Eu、(CaZn)3(PO42:T
l、LaPO4:Ce等が使用できる。
【0020】残光性蛍光体の励起の目的には、主として
600nm以上に発光するような赤色系発光の蛍光体は
用いない。それは、このような長波長の蛍光体を用いて
も励起されないためである。ところが、通常の照明用の
蛍光ランプは、発光がほぼ可視域全体に渡ることが多
く、このような蛍光ランプに残光性を付与させる場合、
赤色系の光は残光性蛍光体に必要なくとも、蛍光ランプ
の光色を必要な範囲に設定することにおいて必要であ
る。
【0021】残光性蛍光体を強く励起でき、しかも、照
明用の蛍光ランプとして白色域に発光し、蛍光ランプの
光色を自在に変化させることができる点で、蛍光体は4
50nm付近に発光ピークをもつ青色発光蛍光体、54
5nm付近に発光ピークをもつ緑色発光蛍光体、及び6
10nm付近に発光ピークをもつ赤色発光蛍光体からな
る三波長混合蛍光体が最も好ましい。青色発光蛍光体と
して(SrCaBaMg)5(PO43Cl:Eu、及
びBaMg2Al1627:Euが、緑色発光蛍光体とし
て、LaPO4:Ce,Tb、及びMgAl1119:C
e,Tb蛍光体が、赤色発光蛍光体として、Y23:E
uが好ましく使用できる。
【0022】蛍光体層を占める残光性蛍光体と、それと
共存する蛍光ランプ用蛍光体の混合割合は、使用目的に
より自在に変更可能である。例えば、照明用としての目
的が優先する場合、すなわち、ランプ光束が優先する場
合、蛍光ランプ用の蛍光体を多くすることで対処でき、
逆に、残光を明るく長くしたい場合、残光性蛍光体の割
合を多くすることで実現できる。
【0023】また、残光性蛍光ランプの作製について
は、通常の蛍光ランプの作製方法がそのまま適用でき
る。例えば、残光性蛍光体と、それと共存して残光性蛍
光体を励起する蛍光体、及びアルミナ或いはピロリン酸
カルシウム、カルシウムバリウムボレート等の結着剤を
ニトロセルロース/酢酸ブチル溶液に添加し、これらを
混合し懸濁させて蛍光体塗布懸濁液を調製する。得られ
た蛍光体塗布懸濁液をガラス管の内面に流し込み、その
後これに温風を通じることで乾燥させ、ベーキング、排
気、フィラメントの装着、口金の取り付け等、通常の手
順に従って本発明の蛍光ランプを仕上げることができ
る。
【0024】ガラス管への塗布時、アルミナ等の保護膜
を形成し、その後に蛍光体層を形成することも可能であ
り、光束、光束維持率等の発光性能はさらに改善でき
る。
【0025】本発明に適用する残光性蛍光体の原料とし
て、Ga23、GeO2、SiO2、MnO、ZnOのよ
うな金属酸化物、或いはCaCO3、SrCO3、BaC
3、MgCO3、MnCO3のような高温で焼成するこ
とで容易に酸化物になるような化合物を選択する。この
ような化合物として、炭酸塩の他には硝酸塩、シュウ酸
塩、水酸化物などがある。発光特性が原料の純度に依存
することから、これら原料純度は99.9%以上が必要
であり、99.99%以上であることが好ましい。
【0026】これら構成成分を混合した原料を、大気中
で1100℃以上1400℃以下の温度で数時間焼成
し、得られた焼成品を粉砕、篩することで本発明の残光
性蛍光体が得られる。目的の残光性蛍光体組成を得る為
の原料の混合比率は、理論比率とほぼ一致する。
【0027】残光性蛍光体に導入する付活剤Mnの2価
金属Mを置換する比率pは残光輝度に関係し、実用のた
めにはその濃度範囲が重要であり、母体組成に応じ次の
ような範囲に設定する。
【0028】2価金属MをCaが70モル%以上占め、
m≦0.001、0.5≦n≦1.5である残光性蛍光
体では、発光色は黄色系を呈し、付活剤Mn量pは発光
輝度、残光輝度を考慮した実用性の点から、0.000
1≦p≦0.5の範囲に設定すべきであり、0.001
≦p≦0.03の範囲がより好ましく、0.005付近
が最も好ましい。
【0029】2価金属MをCaが70モル%以上占め、
m≦0.001、1.5≦n≦3.0である残光性蛍光
体では、発光色はオレンジ色系を呈し、付活剤Mn量p
は発光輝度、残光輝度を考慮した実用性の点から、0.
0001≦p≦0.5の範囲に設定すべきであり、0.
001≦p≦0.03の範囲がより好ましく、0.00
4付近が最も好ましい。
【0030】2価金属MをMgが70モル%以上占め、
m≦0.001、0.5≦n≦3.0である残光性蛍光
体では、発光色は緑色系を呈し、付活剤Mn量pは発光
輝度、残光輝度を考慮した実用性の点から、0.000
1≦p≦0.5の範囲に設定すべきであり、0.001
≦p≦0.03の範囲がより好ましく、0.005付近
が最も好ましい。
【0031】2価金属MをZnが70モル%以上占め、
0.5≦m≦3、n≦0.001、0≦q≦1である残
光性蛍光体では、発光色は緑色系を呈し、付活剤Mn量
pは発光輝度、残光輝度を考慮した実用性の点から、
0.0001≦p≦0.5の範囲に設定すべきであり、
0.001≦p≦0.05の範囲がより好ましく、0.
008付近が最も好ましい。この蛍光体ではqの値が小
さいほど励起可能波長は長波長側へシフトする。
【0032】
【作用】従来より、比較的長時間の残光を有する残光性
蛍光体として、ZnS:Cu蛍光体が知られるが、この
蛍光体を用いて残光性ランプを作製しても残光光束は極
めて低く、照明に使用できる輝度は得られない。さら
に、蛍光ランプの蛍光体層にZnS:Cu蛍光体を適用
することも不可能である。また、ZnS:Cu蛍光体は
紫外線により光分解し、蛍光体結晶表面にコロイド状亜
鉛金属が析出し、外観が黒色に変色し、残光輝度が著し
く低下するからである。さらに、蛍光体塗布後、有機バ
インダを燃焼させるためのベーキング工程で、ZnS:
Cu蛍光体は酸化され、発光しなくなる。この様な根本
的な原因で、この種の蛍光体は蛍光ランプへの実用は全
く不可能である。
【0033】ところが、本願発明の残光性蛍光体は上記
したような紫外線による蛍光体の光分解も、蛍光ランプ
製作時のベーキング工程においても全く問題ない。ま
た、点灯中の蛍光ランプの劣化要因の一つである蛍光体
への水銀吸着、或いは蛍光ランプの陽光柱から発生する
Ar+やHg+などのイオン衝撃による蛍光体の劣化に比
較的強い。
【0034】上述した特性により、残光性の蛍光ランプ
は、従来より、蓄光蛍光体として用いられてきたZn
S:Cu蛍光体では実現不可能であったが、上記した2
価のMnで付活した特定組成の残光性蛍光体を用いるこ
とで、高輝度な残光性を有する実用的な蛍光ランプを提
供することができる。
【0035】
【実施例】
[実施例1]三波長混合蛍光体で黄色発光残光性蛍光体
(Ca0.995Mn0.005)O・Ga2O3を励起発光させる場合につい
て、特に蛍光ランプの蛍光体層でこれら蛍光体が完全に
混合されている場合について説明する。
【0036】蛍光体原料として、CaCO3を99.5
9g(0.995mol)、Ga2 3を187.44g
(1.00mol)、及びMnCO3を0.61g
(0.005mol)をセラミックポットに入れ、混合
媒体として、アルミナボールを入れ、蓋を閉めローラー
で2時間混合し蛍光体焼成前混合原料(以下原料生粉と
いう)を得る。次に、原料生粉をボート形ルツボに入
れ、管状炉で大気雰囲気下1200℃で3時間焼成し、
得られた焼成品を粉砕し、200メッシュの篩を通し残
光性蛍光体を得る。この蛍光体は発光ピークが578n
mにある黄色の発光を示す。
【0037】得られた残光性蛍光体と、453nmに発
光ピークをもつ(SrCaBaMg)5(PO43
l:Eu青色発光蛍光体を42%、544nmに発光ピ
ークをもつLaPO4:Ce,Tb緑色発光蛍光体を2
3%、及び611nmに発光ピークをもつY23:Eu
赤色発光蛍光体を35%混合して得られる三波長混合蛍
光体を、1:3の比率で十分に混合する。
【0038】混合された蛍光体20gに、ニトロセルロ
ース/酢酸ブチルバインダー15gを、磁製ポット中で
十分混合し蛍光体塗布スラリーを調製する。これをガラ
ス管に流し込み、その内面に塗布し、温風を通じて乾燥
し、580℃で15分間塗布バルブをベーキングし、蛍
光膜を形成した。蛍光ランプ1本あたりの蛍光体塗布量
は5.0gであった。後は通常の方法に従い、排気、フ
ィラメントの装着、口金の取り付けを行い、FL40S
S蛍光ランプを作製した。得られた残光性蛍光ランプの
測定値を表1にまとめる。ここで、残光光束は消灯5分
後における測定値である。
【0039】[実施例2]残光性蛍光体を第1層に塗布
し、第2層に三波長混合蛍光体を塗布するいわゆる2層
塗布の場合について以下に説明する。実施例1で調製し
た(Ca0.995Mn0.00 5)O・Ga2O3蛍光体12gにニトロセル
ロース/酢酸ブチルバインダー15gを添加し、磁製ポ
ット中で十分混合し蛍光体塗布スラリーを調製する。こ
れをガラス管に流し込み、その内面に塗布し、温風を通
じて乾燥する。この作業により第1層の残光性蛍光体の
塗布量は3gであった。次に、(SrCaBaMg)5
(PO43Cl:Eu青色発光蛍光体を46%、LaP
4:Ce,Tb緑色発光蛍光体を23%、及びY
23:Eu赤色発光蛍光体を31%混合して得られる三
波長混合蛍光体30gにポリエチレンオキサイド水溶液
を50g添加し、磁製ポット中で、十分に混合し蛍光体
塗布スラリーを調製する。これをガラス管に流し込み、
その内面に塗布し、温風を通じて乾燥する。この作業に
より第2層の三波長混合蛍光体の塗布量は3gであっ
た。後は通常の方法に従い、排気、フィラメントの装
着、口金の取り付けを行い、FL40SS蛍光ランプを
作製した。得られた蛍光ランプの測定値を表1にまとめ
る。
【0040】[実施例3]三波長混合蛍光体で緑色発光
残光性蛍光体(Mg0.995Mn0.005)O・Ga2O3を励起発光させ
る場合について、特に蛍光ランプの蛍光体層でこれら蛍
光体が完全に混合されている場合について説明する。
【0041】蛍光体原料として、MgOを40.1g
(0.995mol)、Ga23を187.44g
(1.00mol)、及びMnCO3を0.61g
(0.005mol)をセラミックポットに入れ、混合
媒体として、アルミナボールを入れ、蓋を閉めローラー
で2時間混合し蛍光体焼成前混合原料(以下原料生粉と
いう)を得る。次に、原料生粉をボート形ルツボに入
れ、管状炉で大気雰囲気下1200℃で3時間焼成し、
得られた焼成品を粉砕し、200メッシュの篩を通し残
光性蛍光体を得る。この蛍光体は発光ピークが510n
mにある緑の発光を示す。
【0042】得られた残光性蛍光体と、453nmに発
光ピークをもつ(SrCaBaMg)5(PO43
l:Eu青色発光蛍光体を25.7%、544nmに発
光ピークをもつLaPO4:Ce,Tb緑色発光蛍光体
を17.3%、及び611nmに発光ピークをもつY2
3:Eu赤色発光蛍光体を57.0%混合して得られ
る三波長混合蛍光体を、1:3の比率で十分に混合し、
実施例1と同様な方法で残光性蛍光ランプを作製し、測
定結果を表1にまとめた。
【0043】[実施例4]三波長混合蛍光体で緑色発光
残光性蛍光体(Zn0.992Mn0.008)・0.5GeO2を励起発光させ
る場合について、特に蛍光ランプの蛍光体層でこれら蛍
光体が完全に混合されている場合について説明する。
【0044】蛍光体原料として、ZnOを161.48
g(1.984mol)、GeO2を104.61g
(1.00mol)、及びMnCO3を1.95g
(0.016mol)をセラミックポットに入れ、混合
媒体として、アルミナボールを入れ、蓋を閉めローラー
で2時間混合し蛍光体焼成前混合原料(以下原料生粉と
いう)を得る。次に、原料生粉をボート形ルツボに入
れ、管状炉で大気雰囲気下1200℃で3時間焼成し、
得られた焼成品を粉砕し、200メッシュの篩を通し残
光性蛍光体を得る。この蛍光体は発光ピークが550n
mにある緑の発光を示す。
【0045】得られた残光性蛍光体と、453nmに発
光ピークをもつ(SrCaBaMg)5(PO43
l:Eu青色発光蛍光体を37.0%、544nmに発
光ピークをもつLaPO4:Ce,Tb緑色発光蛍光体
を10.0%、及び611nmに発光ピークをもつY2
3:Eu赤色発光蛍光体を53.0%混合して得られ
る三波長混合蛍光体を、1:3の比率で十分に混合し、
実施例1と同様な方法で残光性蛍光ランプを作製し、測
定結果を表1にまとめた。
【0046】
【表1】
【0047】[比較例1]ZnS:Cu蛍光体12gに
ニトロセルロース/酢酸ブチルバインダー15gを添加
し、磁製ポット中で十分混合し蛍光体塗布スラリーを調
製する。これをガラス管に流し込み、その内面に塗布
し、温風を通じて乾燥する。この作業により第1層の残
光性蛍光体の塗布量は3gであった。次に、(SrCa
BaMg)5(PO43Cl:Eu青色発光蛍光体を3
0.2%、LaPO4:Ce,Tb緑色発光蛍光体を2
9.4%、及びY23:Eu赤色発光蛍光体を40.4
%混合して得られる三波長混合蛍光体12gにポリエチ
レンオキサイド水溶液を50g添加し、磁製ポット中
で、十分に混合し蛍光体塗布スラリーを調製する。これ
をガラス管に流し込み、その内面に塗布し、温風を通じ
て乾燥する。この作業により第2層の三波長混合蛍光体
の塗布量は3gであった。後は通常の方法に従い、排
気、フィラメントの装着、口金の取り付けを行い、FL
40SS蛍光ランプを作製した。得られた蛍光ランプは
全体に黒ずんで、ランプ光束も著しく低く、商品価値の
ある蛍光ランプ得ることができなかった。
【0048】[比較例2]残光性蛍光体としてZnS:
Cu蛍光体を選択し、(SrCaBaMg)5(PO4
3Cl:Eu青色発光蛍光体を34.1%、LaPO4
Ce,Tb緑色発光蛍光体を16.8%、及びY23
Eu赤色発光蛍光体を49.1%混合して得られる三波
長混合蛍光体を、1:3の比率で十分に混合し、実施例
1と同じ方法で、FL40SS蛍光ランプを作製した。
得られた蛍光ランプは全体に黒ずんで、ランプ光束も著
しく低く、商品価値のある蛍光ランプ得ることができな
かった。
【0049】
【発明の効果】本発明により、非常時の予備電源を必要
としない、長く明るい残光を利用できる残光性ランプを
提供することができる。
【0050】この残光性蛍光ランプを誘導灯に適用する
ことにより、光蓄積体を塗布したような特別な照明器具
を必要とせず、既存の照明器具をそのまま使うことがで
きる点で非常に経済的である。その結果、誘導灯の設置
場所の選択にともなう経済的な制限を少なくすることが
できる。
【0051】また、予備電源付の従来の誘導灯に組み込
まれて使用されても効果があり、災害により、予備電源
あるいは給電回路が絶たれても、誘導灯として機能する
点、信頼性の極めて高い誘導灯を提供することができ
る。
【0052】さらに、非常時に限らず、室内や廊下ある
いは階段の照明に用いた場合、スイッチを切った後もし
ばらく高輝度の残光が続くので、出口にたどり着くまで
の間、足下を照明する補助照明として利用することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の残光性ランプの断面図。
【図2】本発明の残光性ランプの断面図。
【図3】本発明の残光性ランプの断面図。
【図4】本発明の残光性ランプの断面図。
【符号の説明】
1・・・・・・発光部 2・・・・・・透光性ガラス 3・・・・・・内面蛍光体層 4・・・・・・外面蛍光体層 31・・・・・残光性蛍光体層 32・・・・・照明用蛍光体層
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−308089(JP,A) 実開 平5−41058(JP,U) 特公 昭46−30804(JP,B1) 特公 昭46−30805(JP,B1) 特公 昭49−34585(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 61/44

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気エネルギーを光エネルギーに変換す
    る発光部と、それを覆う透光性ガラスからなるランプに
    おいて、前記透光性ガラスの内面及び外面の内の少なく
    とも一方に蛍光体層が設けられ、前記蛍光体層が次の一
    般式で表現できる残光性蛍光体を具備し、かつランプが蛍光ランプであって、この蛍光ランプの蛍
    光体層が、前記残光性蛍光体、及びそれを励起する蛍光
    体を具備し、発光色が白色域にあることを特徴とする残
    光性ランプ。 (M1−pMn)O・nGa・m(Ge1−qSi)O (ただし、 0.0001≦p≦0.5 0≦q≦1.0 0≦n≦3.0 0≦m≦3.0 0.5≦m+n≦6.0 MはMg,Ca,Sr,Ba,As,Sn,及びZnか
    らなる群より選ばれた少なくとも1種である。
  2. 【請求項2】 前記蛍光体層が、前記残光性蛍光体、並
    びに450nm付近に発光ピークをもつ青色発光蛍光
    体、545nm付近に発光ピークをもつ緑色発光蛍光
    体、及び610nm付近に発光ピークをもつ赤色発光蛍
    光体からなる三波長混合蛍光体の内の少なくとも1種を
    有することを特徴とする請求項1に記載の残光性ラン
    プ。
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