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JP3340355B2 - 電磁流量計用測定管 - Google Patents

電磁流量計用測定管

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JP3340355B2
JP3340355B2 JP21186997A JP21186997A JP3340355B2 JP 3340355 B2 JP3340355 B2 JP 3340355B2 JP 21186997 A JP21186997 A JP 21186997A JP 21186997 A JP21186997 A JP 21186997A JP 3340355 B2 JP3340355 B2 JP 3340355B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、管路内を流れる導
電性流体の流量を測定する電磁流量計用測定管に関す
る。
【0002】
【従来の技術】測定管内を流れる導電性流体の流量を電
磁誘導現象を利用して測定する電磁流量計(実公平2−
28411号公報等)においては、被測定流体中に発生
する起電力とステンレス鋼等の非磁性材によって形成さ
れた測定管との短絡を防止するため、通常測定管の接液
面である内壁面およびフランジ外側面をライニング材に
よって被覆している。ライニング材の材質としては耐熱
性、耐食性、絶縁性に優れたものが要求されるため、通
常フッ素樹脂等の絶縁材料が使用され、射出成形により
測定管の内壁面およびフランジ接合面に形成される。し
かし、ライニング材は金属との密着性が悪く、そのため
測定管から剥離し易いことから、通常測定管の内壁を覆
うライニング材中に多孔板によって形成した補強管を埋
設し、これによってライニング材の剥離を防止するとと
もに、測定管内の温度変化や圧力変化によるライニング
材の変形を防止している(例:実公平2−26025号
公報、実公平2−5191号公報、実公平1−7918
号公報)。
【0003】図4にこの種の電磁流量計の従来例を示
す。1は測定管、2はライニング材、3はライニング材
2内に埋設された補強管である。測定管1は、両端開放
の直管からなり流路4を形成する管体1Aと、この管体
1Aの両端にそれぞれ溶接12によって接合された2つ
のフランジ付きパイプ1B,1Cとで構成されている。
管体1Aとフランジ付きパイプ1B,1Cは、SUS等
の非磁性材によって製作されている。補強管3は、同じ
くSUS等の非磁性材によって製作されて多数の透孔3
aを有し、測定管1内にリング状のスペーサ5を介して
固定される。補強管3とスペーサ5の溶接順序は、通常
はスペーサ5を補強管3にスポット溶接し、その後管体
1Aにスポット溶接するが、スペーサ5を管体1Aに溶
接した後、補強管3をスペーサ5にスポット溶接しても
よい。
【0004】6は被測定流体10の流れ方向と直交する
方向の磁界を形成する一対の鞍型励磁コイルで、測定管
1の外壁に上下に対向するように設けられ、その外側が
筒状のコア11によって覆われている。7は測定管1の
管壁中央に励磁コイル6による磁界と軸線が直交するよ
う貫通して取付けられた一対(但し一方のみ示す)の電
極で、この電極7の内端はライニング材2を通って流路
4内に臨み被測定流体10との接液面を形成している。
13は電極7の信号リード線、14は測定管1の外周を
覆うカバー、15は管体1Aとフランジ付きパイプ1
B,1Cとの接合部である。
【0005】このような構成において、励磁コイル6に
通電し、導電性の被測定流体10を測定管1内に流す
と、磁界方向と流体の流れ方向とにそれぞれ直交する一
対の電極7間には平均流量に比例した起電力が発生し、
これを検出することにより流体の流量を測定することが
できる。
【0006】測定管1を製作するには、先ず管体1Aと
フランジ付きパイプ1B,1Cとの接合部15を突き合
わせ溶接して測定管1とする。これに対して、例えば円
板状のフランジに管体の端部を嵌合して溶接する方法も
あるが、この方法だと通常ティグ(TIG)溶接を行う
が、強度を得るためにフランジの両側で溶接しなければ
ならず、さらに肉を盛って溶接することも行うので、溶
接による歪みが生じ易く、好ましくない。一方、突き合
わせ溶接は、溶接が一箇所だけですみ、溶接の容易性か
ら熱エネルギーの高い電子ビーム溶接が可能で、歪みも
生じ難い利点がある。
【0007】次に、スペーサ5を測定管1の内壁面に溶
接固定し、しかる後このスペーサ5に補強管3をスポッ
ト溶接する。このスポット溶接は射出成形時にその射出
圧力によりライニング材2がずれるのを防止するためで
ある。この後、この測定管1を成形金型内に装填し、ラ
イニング材2を軸線の一方向から射出成形し、補強管3
をモールドする。なお、補強管3とスペーサ5の溶接順
序としては、スペーサ5をフランジ付きパイプ1B,1
Cに溶接した後、補強管3をスペーサ5にスポット溶接
してもよい。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の測定管
1の製作においては、管体1Aとフランジ付きパイプ1
B,1Cを突き合わせ溶接によって一体に接合してい
た。しかしながら、管体1Aとフランジ付きパイプ1
B,1Cとを突き合わせた時、管体1Aに対してフラン
ジ付きパイプ1B,1Cの軸線を高い精度で一致させる
ことが難しく、ライニング材2が剥離し易いという問題
があった。すなわち、管体1Aとフランジ付きパイプ1
B,1Cの軸線を一致させるために通常図5に示すよう
な2連式ジャッキに類似した治具20を用いているが、
例えば200mmφの測定管の場合、機械的なずれと管
の真円度に起因して最大0.5mm程度の偏心が不可避
的に生じる。スペーサ5の厚みは、0.4〜0.5mm
程度であるので、管体1Aとフランジ付きパイプ1B,
1Cが偏心すると、補強管3と管体1B,1Cとの隙間
が周方向において不均一になり、最悪の場合は図6に示
すように補強管3の一部がフランジ付きパイプ1B,1
Cの内壁面に接触してライニング材2のための最小隙間
を確保することができなくなる。その結果、ライニング
材2を充填しても、隙間が狭い部分においてはライニン
グ材2が補強管3とパイプ1B,1Cの間に回り込ま
ず、補強管3との密着が悪く剥離の原因となる。
【0009】本発明は上記した従来の問題を解決するた
めになされたもので、その目的とするところは、管体と
フランジ付きパイプが偏心した場合でも、フランジ付き
パイプと補強管との間にライニング材のための最小隙間
を確実に確保することができ、ライニング材2の剥離、
変形等を防止するようにした電磁流量計用測定管を提供
することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明に係る電磁流量計用測定管は、流路を形成する
管体と、この管体の両端にそれぞれ溶接される2つのフ
ランジ付きパイプとで測定管を構成し、この測定管の内
壁面に内張りされるライニング材中に多孔管からなる補
強管を前記測定管と所要の間隔をおいて埋設した電磁流
量計用測定管において、前記管体の内径を前記フランジ
付きパイプの内径より小さく設定するとともに、前記補
強管の中間部を前記管体の内壁面にスペーサを介して固
定したことを特徴とする。本発明においては、管体の内
径をフランジ付きパイプの内径より小さくしてスペーサ
をこの管体の内壁面に固定しているので、管体とフラン
ジ付きパイプが偏心したとしても、フランジ付きパイプ
と補強管との間にライニング材のための隙間を確保する
ことができる。したがって、ライニング材は補強管の内
側に回り込んで補強管と良好に密着し剥離したり変形す
ることがない。
【0011】また、本発明は、流路を形成する管体と、
この管体の両端にそれぞれ溶接される2つのフランジ付
きパイプとで測定管を構成し、この測定管の内壁面に内
張りされるライニング材中に多孔管からなる補強管を前
記測定管と所要の間隔をおいて埋設した電磁流量計用測
定管において、前記フランジ付きパイプの内径を前記管
体の内径より小さく設定するとともに、前記補強管の端
部を前記フランジ付きパイプの内壁面にスペーサを介し
て固定したことを特徴とする。本発明においては、フラ
ンジ付きパイプの内径を管体の内径より小さくしてスペ
ーサをフランジ付きパイプの内壁面に固定しているの
で、管体とフランジ付きパイプが偏心したとしても、フ
ランジ付きパイプと補強管との間にライニング材のため
の隙間を確保することができる。したがって、ライニン
グ材は補強管の内側に回り込んで補強管と良好に密着
し、剥離したり変形することがない。
【0012】さらに、本発明は、管体とフランジ付きパ
イプを突き合わせ溶接によって接合し、前記管体とフラ
ンジ付きパイプの内径差を、接合時の最大偏心量より大
きく設定したことを特徴とする。本発明においては、管
体とフランジ付きパイプの内径差を、接合時に生じる最
大偏心量より大きく設定しているので、補強管がフラン
ジ付きパイプの内壁面に片当たりすることがない。した
がって、ライニング材は補強管の内側に回り込んで補強
管と良好に密着し、剥離したり変形することがない。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す実施の
形態に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係る電
磁流量計用測定管の一実施の形態を示す断面図である。
なお、図中従来技術の欄で示した構成部材等と同一のも
のについては同一符号をもって示し、その説明を適宜省
略する。本実施の形態においては、管体1Aの内径をフ
ランジ付きパイプ1B,1Cの内径より小さく設定し、
補強管3をスペーサ5を介して管体1Aの内壁面に固定
している。管体1Aとフランジ付きパイプ1B,1Cの
内径差は、管体1Aとフランジ付きパイプ1B,1Cを
突き合わせ接合によって接合したときに生じる最大偏心
量d(突き合わせ接合の場合、d=0.5mm程度)よ
り大きく設定することが好ましい。管体1Aとフランジ
付きパイプ1B,1Cの外径は等しい。その他の構成は
図4に示した従来構造と同じである。
【0014】図2は、管体とフランジ付きパイプが偏心
して接合された状態を誇張して示す断面図である。管体
1Aとフランジ付きパイプ1B,1Cを突き合わせ接合
によって接合したとき生じる最大偏心量dは、0.5m
m程度であるが、管体1Aとフランジ付きパイプ1B,
1Cの内径差は、これより大きく設定されるので、管体
1Aとフランジ付きパイプ1B,1Cが0.5mm程度
偏心したとしても、補強管3の一部がフランジ付きパイ
プ1B,1Cに接触することはなく、フランジ付きパイ
プ1B,1Cと補強管3との間にライニング材2を充填
するための十分な環状隙間を確保することができる。し
たがって、ライニング材2は補強管3の内側に回り込ん
で補強管3と良好に密着し、剥離したり変形するおそれ
がない。
【0015】図3は本発明の他の実施の形態を示す断面
図である。この実施の形態においては、上記実施の形態
とは反対にフランジ付きパイプ1B,1Cの内径を管体
1Aの内径より小さく設定し、補強管3をスペーサ5を
介してフランジ付きパイプ1B,1Cの内壁面に固定し
ている。管体1Aとフランジ付きパイプ1B,1Cの内
径差は、管体1Aとフランジ付きパイプ1B,1Cを突
き合わせ接合によって接合したときに生じる最大偏心量
dより大きく設定することが好ましい。管体1Aとフラ
ンジ付きパイプ1B,1Cの外径は等しい。
【0016】このような構成においては、スペーサ5を
フランジ付きパイプ1B,1Cに固定しているので、管
体1Aとフランジ付きパイプ1B,1Cが偏心して突き
合わせ接合されたとしても、フランジ付きパイプ1B,
1Cと管体1Aとの間には全周にわたってスペーサ5の
厚みと等しい環状隙間を確保することができる。したが
って、ライニング材2は補強管3の内側に回り込んで補
強管3と良好に密着し、剥離したり変形するおそれがな
い。
【0017】なお、上記した実施の形態においては、い
ずれも補強管3とスペーサ5を別部材で構成したが、本
発明においてはこれに何等特定されるものではなく、例
えば補強管3の外周面に突起部を一体に突設し、この突
起部をスペーサとして用いてもよい。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、管
体の内径をフランジ付きパイプの内径より小さく設定
し、補強管をスペーサを介して管体の内壁面に固定した
ので、管体に対してフランジ付きパイプが偏心して溶接
された場合であっても、フランジ付きパイプと補強管と
の間にライニング材を充填するための隙間を確保するこ
とができる。したがって、ライニング材と補強管の密着
が良好で、ライニング材の剥離、変形を防止できる。
【0019】また、本発明は、フランジ付きパイプの内
径を管体の内径をより小さく設定し、補強管をスペーサ
を介してフランジ付きパイプの内壁面に固定したので、
管体に対してフランジ付きパイプが偏心して溶接された
場合であっても、フランジ付きパイプと補強管との間に
ライニング材を充填するための周方向に一定の隙間を確
保することができる。したがって、ライニング材と補強
管の密着が良好で、ライニング材の剥離、変形を防止で
きる。
【0020】また、本発明は、管体とフランジ付きパイ
プを突き合わせ溶接によって接合し、前記管体とフラン
ジ付きパイプの内径差を、接合時の最大偏心量より大き
く設定したので、管体に対してフランジ付きパイプが偏
心して溶接された場合であっても、補強管がフランジ付
きパイプに接することがなく、補強管とパイプとの間に
ライニング材を充填するための隙間を確保することがで
きる。また、管体とフランジ付きパイプの内径を異なら
せるだけでよいので、構造が簡単で、容易に製作するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る電磁流量計用測定管の一実施の
形態を示す断面図である。
【図2】 管体とフランジ付きパイプが偏心して接合さ
れた状態を示す断面図である。
【図3】 本発明の他の実施の形態を示す断面図であ
る。
【図4】 電磁流量計の従来例を示す断面図である。
【図5】 管体とフランジ付きパイプの突き合わせ接合
を示す図である。
【図6】 管体とフランジ付きパイプが偏心して接合さ
れた状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1…測定管、1A…管体、1B,1C…フランジ付きパ
イプ、2…ライニング材、3…補強管、5…スペーサ、
6…電極、7…励磁コイル、20…治具。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流路を形成する管体と、この管体の両端
    にそれぞれ溶接される2つのフランジ付きパイプとで測
    定管を構成し、この測定管の内壁面に内張りされるライ
    ニング材中に多孔管からなる補強管を前記測定管と所要
    の間隔をおいて埋設した電磁流量計用測定管において、 前記管体の内径を前記フランジ付きパイプの内径より小
    さく設定するとともに、前記補強管の中間部を前記管体
    の内壁面にスペーサを介して固定したことを特徴とする
    電磁流量計用測定管。
  2. 【請求項2】 流路を形成する管体と、この管体の両端
    にそれぞれ溶接される2つのフランジ付きパイプとで測
    定管を構成し、この測定管の内壁面に内張りされるライ
    ニング材中に多孔管からなる補強管を前記測定管と所要
    の間隔をおいて埋設した電磁流量計用測定管において、 前記フランジ付きパイプの内径を前記管体の内径より小
    さく設定するとともに、前記補強管の端部を前記フラン
    ジ付きパイプの内壁面にスペーサを介して固定したこと
    を特徴とする電磁流量計用測定管。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の電磁流量計用測
    定管において、 管体とフランジ付きパイプを突き合わせ溶接によって接
    合し、前記管体とフランジ付きパイプの内径差を、接合
    時の最大偏心量より大きく設定したことを特徴とする電
    磁流量計用測定管。
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