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JP3217837B2 - 液体噴射記録ヘッド - Google Patents

液体噴射記録ヘッド

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JP3217837B2
JP3217837B2 JP2285392A JP2285392A JP3217837B2 JP 3217837 B2 JP3217837 B2 JP 3217837B2 JP 2285392 A JP2285392 A JP 2285392A JP 2285392 A JP2285392 A JP 2285392A JP 3217837 B2 JP3217837 B2 JP 3217837B2
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recording
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卓朗 関谷
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Publication date
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液体噴射記録ヘッド、
より詳細には、熱を利用してインクを飛翔させる所謂サ
ーマルインクジェットプリンタにおける液体噴射記録ヘ
ッドに関する。
【0002】
【従来の技術】ノンインパクト記録法は、記録時におけ
る騒音の発生が無視できる程度に極めて小さいという点
で、オフィス用等として注目されている。その中で、高
速記録が可能であり、しかも、普通紙に特別の定着処理
を必要とせずに記録を行なうことができる所謂インクジ
ェット記録法は極めて有力な記録法であって、これまで
にも、様々な方式が提案され、又は、既に製品化されて
実用されている。
【0003】このようなインクジェット記録法は、所謂
インクと称される記録液体の小滴を飛翔させ、被記録体
に付着させて記録を行うもので、この記録液体小滴の発
生法及び発生した記録液体小滴の飛翔方向を制御するた
めの制御方法により、幾つかの方式に大別される。
【0004】第1の方式は、例えば米国特許第3060
429号明細書に開示されているものである。これは、
Tele type方式と称され、記録液体小滴の発生を静電吸
引的に行い、発生した記録液体小滴を記録信号に応じて
電界制御し、被記録体上にこの記録液体小滴を選択的に
付着させて記録を行うものである。
【0005】より詳細には、ノズルと加速電極間に電界
をかけて、一様に帯電した記録液体小滴をノズルより吐
出させ、吐出した記録液体小滴を記録信号に応じて電気
制御可能なように構成されたxy偏向電極間を飛翔さ
せ、電界の強度変化によって選択的に記録液体小滴を被
記録体上に付着させて記録を行うものである。
【0006】第2の方式は、例えば米国特許第3596
275号明細書、米国特許第3298030号明細書等
に開示されているものである。これは、Sweet方式と称
され、連続振動発生法によって帯電量を制御された記録
液体小滴を発生させ、この帯電量を制御された記録液体
小滴を、一様の電界がかけられている偏向電極間を飛翔
させ、被記録体上に付着させて記録を行うものである。
【0007】具体的には、ピエゾ振動素子の付設されて
いる記録ヘッドを構成する一部であるノズルのオリフィ
ス(吐出口)の前に記録信号が印加されるように構成し
た帯電電極を所定距離離間させて配置し、前記ピエゾ振
動素子に一定周波数の電気信号を印加することでピエゾ
振動素子を機械的に振動させ、オリフィスから記録液体
小滴を吐出させる。この時、吐出する記録液体小滴には
帯電電極によって電荷が静電誘導され、記録液体小滴は
記録信号に応じた電荷量で帯電される。帯電量を制御さ
れた記録液体小滴は、一定の電界が一様にかけられてい
る偏向電極間を飛翔する時、付加された帯電量に応じて
偏向を受け、記録信号を担う記録液体小滴のみが被記録
液体上に付着して記録を行なうことになる。
【0008】第3の方式は、例えば米国特許第3416
153号明細書に開示されているものである。これは、
Hertz方式と称され、ノズルとリング状の帯電電極間に
電界をかけ、連続振動発生法によって、記録液体小滴を
発生霧化させて記録する方法である。即ち、ノズルと帯
電電極間にかける電界強度を記録信号に応じて変調する
ことによって記録液体小滴の霧化状態を制御し、記録画
像の階調性を出して記録するものである。
【0009】第4の方式は、例えば米国特許第3747
120号明細書に開示されているものである。これは、
Stemme方式と称され、前記第1〜第3の方式とは根本
的に原理が異なるものである。即ち、前記第1〜第3の
方式が、何れもノズルより吐出された記録液体小滴を飛
翔している途中で電気的に制御し、記録信号を担った記
録液体小滴を選択的に被記録体上に付着させて記録を行
うのに対し、このStemme方式では、記録信号に応じて
オリフィスより記録液体小滴を吐出飛翔させて記録する
ものである。
【0010】つまり、Stemme方式は、記録液体小滴を
吐出するオリフィスを有する記録ヘッドに付設されてい
るピエゾ振動素子に電気的な記録信号を印加し、この電
気的記録信号をピエゾ振動素子の機械的振動に変え、こ
の機械的振動に従ってオリフィスより記録液体小滴を吐
出飛翔させて被記録体に付着させることで記録を行うも
のである。
【0011】これらの4方式は、各々に特徴を有するも
のであるが、同時、解決すべき課題点をも有する。
【0012】まず、第1〜第3の方式は、記録液体小滴
を発生させるための直接的エネルギーが電気的エネルギ
ーであり、かつ、記録液体小滴の偏向制御も電界制御で
ある。このため、第1の方式は、構成上はシンプルであ
るが、記録液体小滴の発生に高電圧を要し、かつ、記録
ヘッドのマルチノズル化が困難で高速記録には不向きで
ある。第2の方式は、記録ヘッドのマルチノズル化が可
能で高速記録にむいているが、構成上複雑であり、か
つ、記録液体小滴の電気的制御が高度で困難であり、被
記録体上にサテライトドットが生じやすい。第3の方式
は、記録液体小滴を霧化することにより階調性に優れた
記録が可能であるが、他方、霧化状態の制御が困難であ
る。また、記録画像にカブリが生ずるとか、記録ヘッド
のマルチノズル化が困難で高速記録には不向きであると
いった欠点がある。
【0013】一方、第4の方式は、第1〜第3の方式に
比べて多くの利点を有する。まず、構成がシンプルであ
る。また、オンデマンドで記録液体小滴をノズルのオリ
フィスから吐出させて記録を行うため、第1〜第3の方
式のように吐出飛翔する記録液体小滴のうち画像記録に
要しなかった記録液体小滴を回収するということが不要
となる。また、第1及び第2の方式のように、導電性の
記録液体を使用する必要がなく、記録液体の物質上の自
由度が大きいという利点を有する。しかし、記録ヘッド
の加工上に問題があること、及び、所望の共振周波数を
有するピエゾ振動素子の小型化が極めて困難である等の
理由から、記録ヘッドのマルチノズル化が難しい。ま
た、ピエゾ振動素子の機械的振動という機械的エネルギ
ーによって記録液体小滴の吐出飛翔を行わせるので、上
記のマルチノズル化の困難さと相俟って高速記録には不
向きなものとなっている。
【0014】このように、従来の液体噴射記録方法に
は、構成上、高速記録化上、記録ヘッドのマルチノズル
化上、サテライトドットの発生及び記録画像のカブリ発
生等の点において、一長一短があり、その長所が発揮さ
れる用途にしか適用し得ないという制約がある。
【0015】しかし、このような不都合も本出願人によ
り提案された特公昭56−9429号公報に開示のイン
クジェット記録方式を採用することによってほぼ解消す
ることができる。これは、液室内のインクを加熱して気
泡を発生させることによりインクに圧力上昇を生じさ
せ、微細な毛細管ノズルからインクを飛び出させて記録
を行うものである。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】そして、この原理を利
用した多くの発明がなされており、それらの中で、流路
中で発生する気泡が流路の天井に届くことにより記録液
体の流れが遮断されると、記録液体小滴の吐出ミス、吐
出速度の低下、吐出方向の乱れが生ずるという点に鑑み
なされた発明としては、特開昭56−139970号公
報に開示されたものがある。しかし、同公報には、「気
泡によって遮断しないように」という記載があるのみ
で、具体的にはどのようにすればよいかということが明
示されておらず、はなはだ概念的であり、実現は難しい
ものである。
【0017】一方、流路中で発生させた気泡による瞬間
的な圧力上昇によってオリフィスから記録液体小滴を吐
出させるという所謂サーマルインクジェット方式では、
気泡の圧力は約半分がオリフィスの方向に作用して記録
液体小滴の噴射に用いられるが、残りの圧力はオリフィ
スとは反対方向、つまり、記録液体の供給側に逃げる。
そのため、この逃げてしまう圧力を有効に利用し、記録
液体小滴の噴射効率を高めようという考えのもとになさ
れた発明としては、特開昭55−100169号公報に
記載されたものがある。この発明は、情報信号入力部を
配設した液室内の、情報信号入力部とオリフィスとの中
間に障壁を設けることにより、入力信号に対する吐出応
答性を向上させ、高速記録に適合するようにしたもので
ある。しかし、このような障壁を微細な流路中に設ける
ことは、技術的に極めて難しく、実現性は乏しいもので
あった。
【0018】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
記録液体が導入される流路と、この流路の底面部に形成
されると共に発熱によって前記記録液体中に気泡を発生
させる熱エネルギー作用部と、前記流路に連絡されると
共に前記気泡の発生に伴う圧力によって前記記録液体の
一部を記録液体小滴として吐出させるオリフィスと、前
記流路に連絡されると共にこの流路に導入される前記記
録液体を収容する液室と、前記液室に前 記記録液体を供
給する供給手段とを有する液体噴射記録ヘッドにおい
て、前記流路を単結晶シリコン基板上に形成すると共に
この単結晶シリコン基板の一部に異方性エッチングによ
り凹部を形成し、この凹部に前記熱エネルギー作用部を
形成した
【0019】請求項2記載の発明は、記録液体が導入さ
れる流路と、この流路の底面部に形成されると共に発熱
によって前記記録液体中に気泡を発生させる熱エネルギ
ー作用部と、前記流路に連絡されると共に前記気泡の発
生に伴う圧力によって前記記録液体の一部を記録液体小
滴として吐出させるオリフィスと、前記流路に連絡され
ると共にこの流路に導入される前記記録液体を収容する
液室と、前記液室に前記記録液体を供給する供給手段と
を有する液体噴射記録ヘッドにおいて、前記流路を単結
晶シリコン基板上に形成し、前記単結晶シリコン基板の
一部に異方性エッチングにより(111)面を露出させ
ると共に露出した(111)面を前記記録液体の吐出方
向下流側に向け、前記記録液体の吐出方向下流側を向い
た前記(111)面に前記熱エネルギー作用部を形成し
【0020】請求項3記載の発明は、記録液体が導入さ
れる複数個の流路と、これらの流路の底面部に形成され
ると共に発熱によって前記記録液体中に気泡を発生させ
る熱エネルギー作用部と、前記流路に連絡されると共に
前記気泡の発生に伴う圧力によって前記記録液体の一部
を記録液体小滴として吐出させるオリフィスと、前記流
路に連絡されると共にこれらの流路に導入される前記記
録液体を収容する液室と、前記液室に前記記録液体を供
給する供給手段とを有する液体噴射記録ヘッドにおい
て、前記流路を単結晶シリコン基板上に形成し、前記単
結晶シリコン基板の一部に前記複数個の流路が配列され
た幅全体に渡って異方性エッチングにより(111)面
を連続して露出させ、連続して露出された前記(11
1)面に前記各流路に対応させて複数個の前記熱エネル
ギー作用部を形成した
【0021】請求項4記載の発明は、請求項1、2又は
3記載の発明において、凹部の表面又は(111)面上
に熱酸化によって酸化シリコン膜を形成し、この酸化シ
リコ ン膜上に熱エネルギー作用部を形成した
【0022】請求項5記載の発明は、請求項3記載の発
明において、熱エネルギー作用部を形成した単結晶シリ
コン基板上にフォトリソグラフィーによって流路を形成
するための溝を形成し、前記シリコン基板上に前記溝の
上部を覆う蓋基板を積層して流路を形成した
【0023】請求項6記載の発明は、請求項1、2、
3、4又は5記載の発明において、(100)面に対し
て少なくとも10゜以上の角度をつけて切り出した単結
晶シリコン基板を用いた
【0024】
【作用】請求項1記載の発明では、単結晶シリコン基板
の一部に異方性エッチングにより凹部を形成し、この凹
部に熱エネルギー作用部を形成したので、熱エネルギー
作用部からその上方の流路の天井までの間隔が大きくな
り、熱エネルギー作用部からの発熱により流路内の記録
液体中に気泡を発生させても、発生した気泡が流路の天
井に接触して記録液体の流れを遮断するということが防
止され、これにより、熱エネルギー作用部を発熱させる
ための駆動周波数を高くして記録液体小滴の吐出間隔を
狭くしても記録液体小滴の吐出が良好に行なわれ、高速
印写が可能となる
【0025】請求項2記載の発明では、単結晶シリコン
基板の一部に異方性エッチングにより(111)面を露
出させ、この(111)面に熱エネルギー作用部を形成
したため、非常に精度の良い液体噴射記録ヘッドが得ら
れると共に、熱エネルギー作用部からその上方の流路の
天井までの間隔が大きくなり、熱エネルギー作用部から
の発熱により流路内の記録液体中に気泡を発生させて
も、発生した気泡が流路の天井に接触して記録液体の流
れを遮断するということが防止され、これにより、熱エ
ネルギー作用部を発熱させるための駆動周波数を高くし
て記録液体小滴の吐出間隔を狭くしても記録液体小滴の
吐出が良好に行なわれ、高速印写が可能と なる。また、
記録液体の吐出方向下流側を向いた(111)面に熱エ
ネルギー作用部を形成したため、熱エネルギー作用部の
発熱により発生した気泡の圧力が効率良く記録液体の吐
出方向下流側に作用するようになり、オリフィスからの
記録液体小滴の吐出が高速で良好に行なわれる
【0026】請求項3記載の発明では、熱エネルギー作
用部からその上方の流路の天井までの間隔が大きくな
り、熱エネルギー作用部からの発熱により流路内の記録
液体中に気泡を発生させても、発生した気泡が流路の天
井に接触して記録液体の流れを遮断するということが防
止され、これにより、熱エネルギー作用部を発熱させる
ための駆動周波数を高くして記録液体小滴の吐出間隔を
狭くしても記録液体小滴の吐出が良好に行なわれ、高速
印写が可能となる。また、単結晶シリコン基板上におけ
る複数個の流路が配列された幅全体に渡って異方性エッ
チングにより(111)面を連続して露出させることに
より、各流路に対応させて個々に(111)面を露出さ
せる場合に比べて(111)面の露出を容易に行なえ
る。さらに、その後に行なう、連続した(111)面上
へのフォトリソグラフィーやエッチングによる熱エネル
ギー作用部の形成を容易に行なえる
【0027】請求項4記載の発明では、凹部の表面又は
(111)面上に熱酸化によって酸化シリコン膜を形成
し、この酸化シリコン膜上に熱エネルギー作用部を形成
することにより、熱酸化により形成した酸化シリコン膜
は非常に緻密で丈夫な膜であるため、この酸化シリコン
膜を蓄熱層として用いることにより蓄熱層の不良に起因
する信頼性の低下がなくなる
【0028】請求項5記載の発明では、熱エネルギー作
用部を形成した単結晶シリコン基板上にフォトリソグラ
フィーで溝を形成するため、(111)面を露出させる
ことによって生じた段差をフォトレジストによってうめ
ることができ、溝の上部を覆う蓋基板を単結晶シリコン
基板上に積層することによって形成された流路は隣同士
が連通するということがなく、従って、熱エネルギー作
用部を発熱させて気泡を発生させた際の圧力が隣の流路
に逃げるということが防止される
【0029】請求項6記載の発明では、(100)面に
対して少なくとも10゜以上の角度をつけて切り出した
単結晶シリコン基板を用いることにより、異方性エッチ
ングにより凹部を形成したり(111)面を露出させた
りした際に、凹部や(111)面における単結晶シリコ
ン基板の上面に対する傾斜角がなだらかになり、凹部や
(111)面へのフォトリソグラフィーによる熱エネル
ギー作用部の形成を高精度で行なえるようになる
【0030】
【実施例】まず、本発明の実施例の説明に入る前に本発
明が適用される液体噴射記録ヘッドの基本的構造につい
て図8乃至図11に基づいて説明する。この液体噴射記
録ヘッドは、発熱体基板1と蓋基板2とを接合させるこ
とにより形成されており、発熱体基板1は、シリコン基
板3上にウエハプロセスによって個別電極4と共通電極
5と発熱体(熱エネルギー作用部)6とを形成すること
により構成されている。一方、蓋基板2には、インク
(記録液体)が導入される流路7を形成するための溝8
と、流路7に導入されるインクを収容する液室(図示せ
ず)を形成するための凹部領域9とが同様のウエハプロ
セスによって形成されており、これらの発熱体基板1と
蓋基板2とを図8に示すように接合することにより、前
記流路7及び前記液室が形成される。なお、発熱体基板
1と蓋基板2とを接合させた状態においては、流路7の
底面部に前記発熱体6が配設され、流路7の端部には流
路7中のインクの一部をインク滴(記録液体小滴)とし
て吐出させるためのオリフィス10が形成されている。
また、前記蓋基板2には、供給手段(図示せず)によっ
て前記液室内にインクを供給するためのインク流入口1
1が形成されている。
【0031】つぎに、上述した液体噴射記録ヘッドによ
るインク滴(記録液体小滴)の吐出原理について図11
に基づいて説明する。同図(a)は定常状態であり、オ
リフィス面でインク12の表面張力と外圧とが平衡状態
に保たれている。同図(b)は発熱体6が加熱されて発
熱体6の表面温度が急上昇し、隣接インク層に沸騰現象
が起こると共に発熱体6の表面に微小な気泡13が点在
している状態である。同図(c)は発熱体6の表面で急
激に加熱された隣接インク層が瞬時に気化して沸騰膜を
作り、気泡13が成長した状態である。この時、流路7
内の圧力は気泡13の成長した分だけ上昇し、オリフィ
ス面での外圧とのバランスがくずれ、オリフィス10か
らインク柱が成長し始める。同図(d)は気泡13が最
大に成長した状態であり、オリフィス面から気泡13の
体積に相当する分のインク12が押し出される。この
時、発熱体6は既に電流が流れていない状態となってお
り、発熱体6の表面温度は降下しつつある。なお、気泡
13の体積が最大値となるタイミングは、電気パルスの
印加タイミングからやや遅れたものとなる。同図(e)
は気泡13がインク等により冷却されて収縮を開始した
状態を示す。なお、インク柱の先端部では押し出された
速度を保ちつつ前進し、インク柱の後端部では気泡13
の収縮に伴う流路7内の圧力減少により流路7内のイン
ク12が逆流してインク柱にくびれが生ずる。同図
(f)は、更に気泡13が収縮し、発熱体6の上面にイ
ンク12が接することにより発熱体6の上面が更に急激
に冷却された状態である。オリフィス面では外圧が流路
7内の圧力より高い状態になるためにメニスカスが大き
く流路7内に入り込んでいる。一方、インク柱の先端部
はインク滴14となり、記録紙(図示せず)の方向へ5
〜10m/sの速度で吐出する。同図(g)はインク滴
14の吐出が終了した後に流路7内にインク12が毛管
現象によって再び供給され、同図(a)と同じ状態に戻
った状態であり、気泡13は完全に消滅している。
【0032】つぎに、本発明の第一の実施例を図1乃至
図6に基づいて説明する。なお、図8乃至図11におい
て説明した部分と同一部分は同一符号で示し、説明も省
略する。単結晶シリコン基板15の上面部の一部には異
方性エッチングにより略V字形をした凹部16が形成さ
れており、前記単結晶シリコン基板15の上面部にはウ
エハプロセスによって個別電極4や共通電極5及び熱エ
ネルギー作用部である発熱体17が形成されている。本
発明において単結晶シリコン基板15を使用する理由
は、第一に、シリコン自体が熱伝導率が非常に高く(1
68W・m~1・K~1)、放熱特性が良いからである。第
二に、蓄熱層として作用する酸化シリコン膜の成膜が容
易に行なえるからである。第三に、高純度な単結晶が得
られ、その単結晶のもつ異方性を利用して精度の高い凹
部16を形成できるからである。
【0033】ここで、単結晶シリコン基板15上に異方
性エッチングによりV字形の凹部16aを形成する工程
及び凹部16aが形成された単結晶シリコン基板15に
ついて図5及び図6に基づいて説明する。まず、図5は
異方性エッチングにより凹部16aを形成した単結晶シ
リコン基板15を示した斜視図で、この単結晶シリコン
基板15の結晶方位は、同図におけるX軸とY軸とが互
いに直交する面が(100)面となるように選定され、
かつ、X−Y軸面(上下面)が単結晶シリコン基板15
の(100)面となるように選定されている。このよう
にすると、単結晶シリコン基板15の(111)面は、
Y軸に平行で、かつ、X−Y軸面に対し約54.7゜の
角度で交わることになる。単結晶シリコン基板15に形
成された凹部16aは、その二つの斜面がそれぞれ(1
11)面で構成されている。この(111)面は、他の
結晶面に比べて水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ヒ
トラジンの如きアルカリ水溶液によるエッチング速度が
極めて遅く、(100)面をアルカリ系溶液でエッチン
グすると、(111)面で規制されたV字形の凹部16
aを得ることができる。この凹部16aの幅はフォトエ
ッチングの際のフォトレジストの間隔で定まり、極めて
精度の高いものである。また、凹部16aの深さは、
(100)面と(111)面とのなす角度(約54.7
゜)と上面の幅とで定まるから、これも精度が極めて高
い。また、エッチングによって露出された(111)面
は極めて平滑で直線性が高い。
【0034】図6は単結晶シリコン基板15に凹部16
aを形成する工程を説明したもので、まず、上述のよう
な結晶方位の単結晶シリコン基板15を用意する。この
図では、紙面に対して垂直方向が<110>軸、この単
結晶シリコン基板15の上下面が(100)面である。
同図(a)は、この単結晶シリコン基板15を例えば8
00〜1200℃程度の水蒸気雰囲気の中に置き、表面
に熱酸化膜18を形成した状態である。この熱酸化膜1
8の厚さはエッチング深さの0.3%程度であれば十分
である。同図(b)は、熱酸化膜18の上面全面に周知
の方法でフォトレジストを塗布し、それを写真乾板を用
いて露光し、現像を行ない、フォトレジストパターン1
9を得た状態である。同図(c)は、フォトレジストパ
ターン19の間に露出している熱酸化膜18をフッ酸水
溶液等により除去し、単結晶シリコン基板15の表面の
一部に露出部15aを得、その後フォトレジストパター
ン19を除去した状態である。つぎに、このような状態
にある単結晶シリコン基板15を、例えば、5〜40
%、80℃の水酸化カリウム溶液中においてエッチング
する。これにより、露出部15aのエッチングが進行す
るが、(111)面のエッチング進行速度は(100)
面のエッチング進行速度の0.3〜0.4%程度である
ため、エッチングの進行に伴って単結晶シリコン基板1
5の上面(これは上述のように(100)面である)に
対し、tan~1√2(約54.7゜)の角度をなす(11
1)面が現われ、結局、エッチングにより同図(d)に
示すように台形状の凹部16bが形成される。さらにエ
ッチングを進めると、その凹部16bは同図(e)に示
すように二つの(111)によって規制されたV字形の
凹部16aとなる。
【0035】このV字形の凹部16aについて考察する
と、まず、熱酸化膜18の端部の下側における、所謂ア
ンダカットは極めて小さく、純度の高い水酸化ナトリウ
ムを使用した場合、(100)面のエッチング深さの
0.2%程度でしかない。従って、V字形の凹部16a
の幅Wは、フォトマスク乾板の誤差を考慮に入れても±
5μm程度の精度にできる。また、V字形の凹部16a
の底部のなす角度は、(111)面同士がなす角度(約
70.6゜)で決定される。V字形の凹部16aの深さ
“d”は、1/(√2・W)となり、V字形の凹部16
aの精度は極めて高い。最後に、エッチングマスクに使
用した熱酸化膜18をフッ酸水溶液等により除去するこ
とにより、同図(f)及び図5に示すようなV字形の凹
部16aを形成した単結晶シリコン基板15が得られ
る。
【0036】ここで、図5及び図6に基づいた説明は、
単結晶シリコン基板15の(100)面から異方性エッ
チングを行なって凹部16aを形成した場合の説明であ
るが、実際にこのように形成された凹部16aの(11
1)面に発熱体を形成することは高度な技術を要する。
従って、本実施例においては、(100)面を上面とす
る単結晶シリコン基板15を使用するのではなく、単結
晶シリコン基板15をダイシングソーによってインゴッ
トから切り出す際に、図4に示すように破線で示した
(100)面から一定の角度“θ”を有する面が上面と
なるように切り出した単結晶シリコン基板15を用い
る。
【0037】そして、図4に示したように(100)面
から一定の角度“θ”を有する面が上面となるように切
り出した単結晶シリコン基板15を用いて図6に示した
工程と同じ工程でエッチングを行なうと、(111)面
が露出すると共に左右非対称となった略V字形の前記凹
部16が形成され、この凹部16を構成する一方の(1
11)面の傾斜は緩やかになる。そして、この傾斜が緩
やかな(111)面に発熱体17を形成することによ
り、発熱体17の形成を容易に行なえる。
【0038】傾斜が緩やかな(111)面への発熱体1
7の形成がなぜ容易になるかというと、傾斜した(11
1)面上のフォトレジストにはマスクパターンが非接触
となり、このマスクパターンが投影されて露光が行なわ
れる。従って、(111)面の傾斜が大き過ぎる(例え
ば、図5及び図6に示したように左右対称形となってい
る凹部16aの(111)面である)と、露光時に焦点
の合わない個所ができてしまい、良好なパターン形成が
できない。一方、傾斜が緩やかな(111)面であれ
ば、露光時に焦点の合わない個所ができず、良好なパタ
ーン形成を行なえるためである。
【0039】そこで、本出願人が“θ”の値を変えてど
の程度まで小さくした場合にパターン形成が不可能にな
るかを調べた。使用した単結晶シリコン基板15は、
“θ”が0゜(単結晶シリコン基板15を(100)面
にそって切り出した場合)、5゜、10゜、15゜、2
0゜の場合の5種類である。それぞれの単結晶シリコン
基板15に異方性エッチングを行なって(111)面を
露出させ、その傾斜が緩やかな方の(111)面にフォ
トリソグラフィーによりパターンを形成し、良好なレジ
ストパターンが得られるか否かを調べた。形成パターン
幅は20μmとし、使用したフォトレジストは東京応化
製のOFPR800である。その結果、“θ”が10゜
以上の場合には略良好なパターンが形成でき、0゜及び
5゜の場合には、パターンが途中からぼやけてしまい、
良好なパターンが形成できなかった。つまり、“θ”を
少なくとも10゜以上にしないと(111)面に良好な
パターンを形成することが不可能であることが確認され
た。
【0040】上記のような(111)面を露出させた単
結晶シリコン基板15は、異方性エッチング終了後に不
要なフォトレジストはレジスト剥離液により除去し、異
方性エッチングの際のマスカントとして使用した熱酸化
膜18は、フッ酸とフッ化アンモンの緩衝エッチング液
によって除去し、その後、清浄化された後、蓄熱層を形
成する。
【0041】蓄熱層は、発熱体17で発生した熱が単結
晶シリコン基板15の方へ逃げないようにし、記録液体
であるインク12の方向へ効率良く伝わるようにするた
め設けられている。この蓄熱層としては、一般に酸化シ
リコン膜20が用いられるが、その形成方法としては、
例えば、O2又はH2O蒸気中で800〜1100℃と
いう高温状態に単結晶シリコン基板15を加熱し、酸化
シリコン膜20を単結晶シリコン基板15上から成長さ
せる方法がある。これは、熱酸化と呼ばれ、緻密で欠陥
の少ない酸化シリコン膜20を形成する際に好適に用い
られる。本実施例では、この熱酸化を行なう際に、炉内
を高圧(5kg/cm2)にして熱酸化を行ない(高圧
熱酸化法という)、厚さ1.5μmの非常に緻密な欠陥
の極めて少ない酸化シリコン膜20を得た。また、この
酸化シリコン膜20を形成した単結晶シリコン基板15
を用い、後述のような方法で液体噴射記録ヘッドを製作
し、109回以上発熱体17を駆動して記録液体小滴で
あるインク滴14の吐出を行なったが、酸化シリコン膜
20の破損という不良は皆無であった。
【0042】なお、蓄熱層は、スパッタリングによって
酸化シリコン膜をデポジットして形成してもよい。この
スパッタリングによる酸化シリコン膜は、前述の熱酸化
によるほど緻密には形成できないが、容易に厚い層を形
成できるという利点を有する。ここで、スパッタリング
により厚さが3.2μmの酸化シリコン膜を形成した単
結晶シリコン基板15を用いて液体噴射記録ヘッドを製
作したところ、400dpiの配列密度の液体噴射記録ヘ
ッド(発熱体は、サイズが28μm×120μm、抵抗
値が121Ω)で、1画素を形成するために必要なイン
ク滴14をオリフィス10から吐出させるエネルギー
は、33.5μJであった。一方、同様のスパッタリン
グで厚さが1μmの酸化シリコン膜を形成して液体噴射
記録ヘッドを製作したところ、1画素を形成するのに必
要なインク滴14をオリフィス10から吐出させるエネ
ルギーは44.7μJであった。つまり、蓄熱層となる
酸化シリコン膜を厚く(3.2μm)形成した場合に
は、薄く(1μm)形成した場合に比べて約25%の省
エネルギー化を図れることが確認された。
【0043】つぎに、酸化シリコン膜20を形成した単
結晶シリコン基板15上への発熱体17や個別電極4及
び共通電極5の形成について図2に基づいて説明する。
まず、酸化シリコン膜20上には発熱体層17aが形成
されており、この発熱体層17aを構成する材料として
有用なものには、タンタル−SiO2の混合物、窒化タ
ンタル、ニクロム、銀−パラジウム合金、シリコン半導
体、あるいはハフニウム、ランタン、ジルコニウム、チ
タン、タンタル、タングステン、モリブデン、ニオブ、
クロム、パナジウム等の金属の硼化物があげられる。金
属の硼化物のうち、最も特性の優れているのは、硼化ハ
フニウムであり、次いで、硼化ジルコニウム、硼化ラン
タン、硼化タンタル、硼化バナジウム、硼化ニオブの順
となっている。
【0044】発熱体層17aは、上記の材料を用いて電
子ビーム蒸着やスパッタリング等の手法を用いて形成す
ることができる。そして、この発熱体層17aのうち個
別電極4と共通電極5とに挾まれた部分が発熱体17と
されている。発熱体17の膜厚は、単位時間当たりの発
熱量が所望通りとなるように、その面積、材質及び形
状、更には実際面での消費電力等に従って決定されるも
のであるが、通常の場合、0.001〜5μm、好適に
は0.01〜1μmとされる。本実施例では、Ta・S
iO2を2000Åスパッタリングしている。
【0045】個別電極4及び共通電極5を構成する材料
としては、通常使用されている電極材料の多くのものが
有効に使用され、具体的には、例えば、Al、Ag、A
u、Pt、Cu等があげられる。これらを使用して蒸着
等の手法で所定位置に、所定の大きさ、形状、厚さで設
けられている。本実施例では、Alをスパッタリングに
よって1.4μmに形成した。
【0046】発熱体17及び電極4、5上には保護層2
1が形成されており、この保護層21に要求される特性
は、発熱体17で発生された熱をインク12に効果的に
伝達することを妨げず、かつ、インク12から発熱体1
7を保護するということである。保護層21を構成する
材料として有用なものには、例えば、酸化シリコン、窒
化シリコン、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸
化タンタル、酸化ジルコニウム等があげられ、これら
は、電子ビーム蒸着やスパッタリング等の手法により形
成される。また、炭化ケイ素、酸化アルミニウム(アル
ミナ)等のセラミックス材料も好適に用いられる材料で
ある。保護層21の膜厚は、通常は0.01〜10μ
m、好適には0.1〜5μm、最適には0.1〜3μm
である。本実施例では、スパッタリングにより酸化シリ
コン(SiO2)を1.2μmの厚さに形成した。さら
に、本実施例では、発熱体17の領域を気泡発生による
キャビテーション破壊から保護するために、耐キャビテ
ーション保護層22として、Taをスパッタリングによ
り4000Åの厚さに保護層21上に形成した。
【0047】以上のようにして、単結晶シリコン基板1
5上に異方性エッチングにより凹部16を形成し、さら
に、発熱体17や電極4、5及び保護層21、22等を
形成することにより発熱体基板23が構成される。つい
で、この発熱体基板23に対して蓋基板を接合させるこ
とによって液体噴射記録ヘッドを形成することになる
が、この発熱体基板23に、図8乃至図10に示したよ
うな蓋基板2(この蓋基板2にはインク12が導入され
る流路を形成するための溝8と、流路に導入されるイン
ク12を収容する液室を形成するための凹部領域9とが
形成されている。)を接合させて流路や液室を形成しよ
うとすると、凹部16によって隣接する流路同士がつな
がった状態となり、インク滴14を吐出させるための圧
力が隣の流路へ逃げてしまい、インク滴14の吐出を良
好に行なわせることができない。
【0048】そこで、本実施例では、図3に示すように
フォトレジストを利用したフォトリソグラフィー技術に
より溝24と凹部領域25とを形成し、溝24と凹部領
域25とを形成した発熱体基板23上に蓋基板26を接
合させることにより、インク12が導入される流路27
と流路27に導入されるインク12を収容する液室28
とを有する液体噴射記録ヘッドを形成するようにしたも
のであり、この液体噴射記録ヘッドの形成工程を図3に
基づいて説明する。なお、図3の説明においては、図が
複雑になることを防止するために発熱体基板23から凹
部16を省略しているが、実際には図1及び図2に示し
たように凹部16を形成した発熱体基板23を使用して
いるものである。同図(a)は、発熱体基板23をドラ
イフィルムフォトレジスト29で覆った状態である。同
図(b)は、溝24及び凹部領域25を形成するための
フォトマスク30を発熱体17に位置合わせしてドライ
フィルムフォトレジスト29を覆った状態である。同図
(c)は、露光及び現像を行なって溝24と凹部領域2
5とを形成した状態である。なお、溝24の先端側には
テーパー部31が形成されている。同図(d)は、蓋基
板26を発熱体基板23上に接合し、流路27や液室2
8を形成した状態である。なお、発熱体17が形成され
た(111)面が、流路27内を流れるインク12の吐
出方向下流側(オリフィス10側)に向けられている。
同図(e)は、同図(d)のB−B線断面図であり、同
図(d)のC−C線部分をダイシング等によりカットし
てオリフィス10を形成することにより、液体噴射記録
ヘッドが形成される。
【0049】ここで、ドライフィルムフォトレジスト2
9としては、例えば、東京応化製のオーディルSY−3
25が耐インク腐蝕性が強く好適に使用される。ドライ
フィルムフォトレジスト29は、熱と圧力とを加えて発
熱体基板23にラミネートされる。従って、本実施例の
ように発熱体基板23に凹部16があっても、熱と圧力
とによって軟化したドライフィルムフォトレジスト29
は、その凹部16を埋め、最終的に形成された各流路2
7は隣同士が連通することがなく、従って、圧力も隣の
流路27に逃げることがなく、良好な流路27となる。
【0050】以上は、ドライフィルムフォトレジスト2
9を使用した実施例の説明であるが、このドライフィル
ムフォトレジスト29に代えて液状フォトレジストを使
用することもできる。このような液状フォトレジストと
しては、例えば、東京応化製のBMRS1000が好適
に利用できる。液状フォトレジストを発熱体基板23に
塗布する方法は、スピンコーティング法、ディップ法等
が好適に利用できるが、いずれの方法にしろ、液状フォ
トレジストは容易に発熱体基板23の凹部16を埋める
ことができるため、最終的に形成される各流路27は、
隣同士が連通することがなく、従って、圧力も隣の流路
27に逃げることがなく、良好な流路27となる。
【0051】以上のような工程において形成される本発
明に係る液体噴射記録ヘッドは、図8乃至図10に示し
た液体噴射記録ヘッド(従来例の液体噴射記録ヘッド)
に比べて、その吐出効率は非常に高くなる。また、高速
駆動も可能となる。以下に、図8乃至図10に示した従
来例の液体噴射記録ヘッドと本発明に係る液体噴射記録
ヘッドとにおける吐出効率等の比較結果について説明す
る。なお、この比較に用いた本発明に係る液体噴射記録
ヘッドにおいては、“θ”を15゜とし、蓄熱層として
高圧熱酸化法による1.5μm厚の酸化シリコン膜を形
成している。一方、従来例の液体噴射記録ヘッドにおい
ては、スパッタリングにより1.5μm厚の酸化シリコ
ン膜を蓄熱層として形成している。
【0052】
【表1】
【0053】以上より明らかなように、略同じ条件の発
熱体寸法及び駆動条件でインク滴14の吐出を行なわせ
た場合、本発明に係る液体噴射記録ヘッドのように凹部
16を形成したものは、発生した気泡の圧力をオリフィ
ス10側に向けて作用させることができるためにその圧
力を有効にインク滴14の吐出に利用でき、非常に飛翔
速度の速い安定した吐出を行なわせることができる。ま
た、発熱体17が流路27の他の底面部より下がった位
置に形成されているため、発生した気泡が流路27の天
井部分に接触して流路27中のインク12の流れを遮断
するということがないため、最高駆動周波数を高くする
ことができ、高速記録が可能となる。また、発熱体17
の寿命は、蓄熱層としてスパッタリングにより1.5μ
m厚の酸化シリコン膜を形成した場合には、発熱体の駆
動回数が108であったのに対し、蓄熱層として高圧熱
酸化法により1.5μm厚の酸化シリコン膜20を形成
した場合には、発熱体17の駆動回数は109以上であ
った。
【0054】ついで、本発明の第二の実施例を図7に基
づいて説明する。なお、図1乃至図6において説明した
部分と同一部分は同一符号で示し、説明も省略する。本
実施例は、単結晶シリコン基板15に異方性エッチング
により(111)面を露出させた凹部32を形成する際
に、図6(b)に示したフォトレジストパターンを変え
ることによってそれぞれか独立した凹部32を形成した
ものである。そして、これらの各凹部32内に発熱体1
7を一個ずつ形成し、さらに、各凹部32及び発熱体1
7に対応させて流路27を形成するようにしたものであ
る。
【0055】このように、単結晶シリコン基板15上の
凹部32をそれぞれ独立して形成することにより、流路
を形成する際に、フォトレジスト(ドライフィルムフォ
トレジスト、液状フォトレジスト)に溝24を形成する
領域が(111)面にかからなくなるため、溝24を形
成するフォトリソグラフィーが非常に高精度で行なえ
る。さらに、図8乃至図10に示したような流路用の溝
8を形成した蓋基板2を使用しても、隣合う流路同士が
連通するということがなく、圧力も隣の流路に逃げると
いうことがないため、良好な流路形成を行なえる。ま
た、このような蓋基板2は、感光性ガラスのエッチン
グ、あるいは、ポリサルフォン等の樹脂の成形により高
精度に作ることができる。そして、独立した各凹部32
内に発熱体17を形成した発熱体基板と蓋基板2とは、
接着剤などの接合剤によって接合してもよいが、両者を
バネ部材(例えば、板バネ)により圧接しても、非常に
簡単にかつ精度良く機械的に圧接でき、液体噴射記録ヘ
ッドとしての機能を十分に果たすことができる。なお、
その際、機械的に圧接しつつ両者の間にインク12のリ
ークを防止するために補助的に封止剤を配してもよい。
【0056】
【発明の効果】請求項1記載の発明は、記録液体が導入
される流路と、この流路の底面部に形成されると共に発
熱によって前記記録液体中に気泡を発生させる熱エネル
ギー作用部と、前記流路に連絡されると共に前記気泡の
発生に伴う圧力によって前記記録液体の一部を記録液体
小滴として吐出させるオリフィスと、前記流路に連絡さ
れると共にこの流路に導入される前記記録液体を収容す
る液室と、前記液室に前記記録液体を供給する供給手段
とを有する液体噴射記録ヘッドにおいて、前記流路を単
結晶シリコン基板上に形成すると共にこの単結晶シリコ
ン基板の一部に異方性エッチングにより凹部を形成し、
この凹部に前記熱エネルギー作用部を形成したので、熱
エネルギー作用部からその上方の流路の天井までの間隔
が大きくなり、熱エネルギー作用部からの発熱により流
路内の記録液体中に気泡を発生させてもこの気泡が流路
の天井に接触して記録液体の流れを遮断するということ
を防止することができ、これにより、熱エネルギー作用
部を発熱させるための駆動周波数を高くして記録液体小
滴の吐出間隔を狭くしても記録液体小滴の吐出を良好に
行なわせることができ、高速印写を行なうことができる
等の効果を有する
【0057】請求項2記載の発明は、記録液体が導入さ
れる流路と、この流路の底面部に形成されると共に発熱
によって前記記録液体中に気泡を発生させる熱エネルギ
ー作用部と、前記流路に連絡されると共に前記気泡の発
生に伴う圧力によって前記記録液体の一部を記録液体小
滴として吐出させるオリフィスと、前記流路に連絡され
ると共にこの流路に導入される前記記録液体を収容する
液室と、前記液室に前 記記録液体を供給する供給手段と
を有する液体噴射記録ヘッドにおいて、前記流路を単結
晶シリコン基板上に形成し、前記単結晶シリコン基板の
一部に異方性エッチングにより(111)面を露出させ
ると共に露出した(111)面を前記記録液体の吐出方
向下流側を向け、前記記録液体の吐出方向下流側を向い
た前記(111)面に前記熱エネルギー作用部を形成し
たので、非常に精度の良い液体噴射記録ヘッドを得るこ
とができ、また、熱エネルギー作用部からその上方の流
路の天井までの間隔が大きくなり、熱エネルギー作用部
からの発熱により流路内の記録液体中に気泡を発生させ
てもこの気泡が流路の天井に接触して記録液体の流れを
遮断するということを防止することができ、これによ
り、熱エネルギー作用部を発熱させるための駆動周波数
を高くして記録液体小滴の吐出間隔を狭くしても記録液
体小滴の吐出を良好に行なわせることができると共に高
速印写を行なうことができ、さらに、熱エネルギー作用
部を記録液体の吐出方向下流側を向いた(111)面に
形成したため、熱エネルギー作用部の発熱により発生し
た気泡の圧力を効率良く記録液体の吐出方向下流側に作
用させることができ、オリフィスからの記録液体小滴の
吐出を高速で行なわせることができると共に吐出速度を
高速にすることによって被記録体への着弾精度を向上さ
せて画質の向上を図ることができる等の効果を有する
【0058】請求項3記載の発明は、記録液体が導入さ
れる複数個の流路と、これらの流路の底面部に形成され
ると共に発熱によって前記記録液体中に気泡を発生させ
る熱エネルギー作用部と、前記流路に連絡されると共に
前記気泡の発生に伴う圧力によって前記記録液体の一部
を記録液体小滴として吐出させるオリフィスと、前記流
路に連絡されると共にこれらの流路に導入される前記記
録液体を収容する液室と、前記液室に前記記録液体を供
給する供給手段とを有する液体噴射記録ヘッドにおい
て、前記流路を単結晶シリコン基板上に形成し、前記単
結晶シリコン基板の一部に前記複数個の流路が配列され
た幅全体に渡って異方性エッチングにより(111)面
を連続して露出させ、連続して露出された前記(11
1)面に前記各流路に対応させて複数個の前記熱エネル
ギー作用部を形成したので、熱エネルギー作用部からそ
の上方の流路の天井までの間隔が大きくなり、熱エネル
ギー作 用部からの発熱により流路内の記録液体中に気泡
を発生させてもこの気泡が流路の天井に接触して記録液
体の流れを遮断するということを防止することができ、
これにより、熱エネルギー作用部を発熱させるための駆
動周波数を高くして記録液体小滴の吐出間隔を狭くして
も記録液体小滴の吐出を良好に行なわせることができる
と共に高速印写を行なうことができ、さらに、単結晶シ
リコン基板における複数個の流路が配列された幅全体に
渡って異方性エッチングにより(111)面を連続して
露出させたので、各流路に対応させて個々に(111)
面を露出させる場合に比べて(111)面の露出を容易
に行なわせることができ、しかも、連続した(111)
面上へのフォトリソグラフィーやエッチングによる熱エ
ネルギー作用部の形成をも容易に行なうことができる等
の効果を有する
【0059】請求項4記載の発明は、凹部の表面又は
(111)面上に熱酸化によって酸化シリコン膜を形成
し、この酸化シリコン膜上に熱エネルギー作用部を形成
したので、熱酸化により形成した酸化シリコン膜は非常
に緻密で丈夫な膜であるため、この酸化シリコン膜を蓄
熱層として用いることにより蓄熱層の不良に起因する信
頼性の低下を防止して耐久性を向上させることができる
等の効果を有する
【0060】請求項5記載の発明は、請求項3記載の発
明において、熱エネルギー作用部を形成した単結晶シリ
コン基板上にフォトリソグラフィーによって溝を形成
し、前記シリコン基板上に前記溝の上部を覆う蓋基板を
積層して流路を形成したので、この溝を形成する際に
(111)面を露出させることによって生じた段差をフ
ォトレジストによってうめることができ、従って、溝の
上部を覆う蓋基板を単結晶シリコン基板上に積層するこ
とによって形成された流路は隣同士が連通するというこ
とがなく、従って、熱エネルギー作用部を発熱させて気
泡を発生させた際の圧力が隣の流路に逃げることを防止
することができると共にインク滴の吐出を効率良く行な
わせることができる等の効果を有する
【0061】請求項6記載の発明は、請求項1、2、
3、4又は5記載の発明において、(100)面に対し
て少なくとも10゜以上の角度をつけて切り出した単結
晶シリ コン基板を用いたので、この単結晶シリコン基板
に異方性エッチングによって凹部を形成したり(11
1)面を露出させたりした際に、凹部や(111)面に
おける単結晶シリコン基板の上面に対する傾斜角がなだ
らかになり、凹部や(111)面へのフォトリソグラフ
ィーによる熱エネルギー作用部の形成を高精度で行なう
ことができる等の効果を有する
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例における発熱体基板を示
した斜視図である。
【図2】図1におけるA−A線断面図である。
【図3】液体噴射記録ヘッドの製作工程図である。
【図4】使用する単結晶シリコン基板のインゴットから
の切り出し状態とこの単結晶シリコン基板に異方性エッ
チングによる形成された凹部とを示した側面図である。
【図5】単結晶シリコン基板の(100)面から異方性
エッチングを行なうことにより凹部を形成した状態を示
す斜視図であるる
【図6】単結晶シリコン基板の(100)面から異方性
エッチングを行なって凹部を形成する工程を示した工程
図である。
【図7】本発明の第二の実施例における凹部を形成した
状態の単結晶シリコン基板を示した斜視図である。
【図8】従来例の液体噴射記録ヘッドを示した斜視図で
ある。
【図9】従来例の液体噴射記録ヘッドを発熱体基板と蓋
基板とに分離した状態を示した斜視図である。
【図10】蓋基板を裏面側から見た状態を示した斜視図
である。
【図11】液体噴射記録ヘッドにおけるインク滴の吐出
原理を示した説明図である。
【符号の説明】
10 オリフィス 12 記録液体 13 気泡 14 記録液体小滴 15 単結晶シリコン基板 16、32 凹部 17 熱エネルギー作用部 20 酸化シリコン膜 24 溝 26 蓋基板 27 流路 28 液室

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録液体が導入される流路と、この流路
    の底面部に形成されると共に発熱によって前記記録液体
    中に気泡を発生させる熱エネルギー作用部と、前記流路
    に連絡されると共に前記気泡の発生に伴う圧力によって
    前記記録液体の一部を記録液体小滴として吐出させるオ
    リフィスと、前記流路に連絡されると共にこの流路に導
    入される前記記録液体を収容する液室と、前記液室に前
    記記録液体を供給する供給手段とを有する液体噴射記録
    ヘッドにおいて、前記流路を単結晶シリコン基板上に形
    成すると共にこの単結晶シリコン基板の一部に異方性エ
    ッチングにより凹部を形成し、この凹部に前記熱エネル
    ギー作用部を形成したことを特徴とする液体噴射記録ヘ
    ッド
  2. 【請求項2】 記録液体が導入される流路と、この流路
    の底面部に形成されると共に発熱によって前記記録液体
    中に気泡を発生させる熱エネルギー作用部と、前記流路
    に連絡されると共に前記気泡の発生に伴う圧力によって
    前記記録液体の一部を記録液体小滴として吐出させるオ
    リフィスと、前記流路に連絡されると共にこの流路に導
    入される前記記録液体を収容する液室と、前記液室に前
    記記録液体を供給する供給手段とを有する液体噴射記録
    ヘッドにおいて、前記流路を単結晶シリコン基板上に形
    成し、前記単結晶シリコン基板の一部に異方性エッチン
    グにより(111)面を露出させると共に露出した(1
    11)面を前記記録液体の吐出方向下流側に向け、前記
    記録液体の吐出方向下流側を向いた前記(111)面に
    前記熱エネルギー作用部を形成したことを特徴とする液
    体噴射記録ヘッド
  3. 【請求項3】 記録液体が導入される複数個の流路と、
    これらの流路の底面部に形成されると共に発熱によって
    前記記録液体中に気泡を発生させる熱エネルギー作用部
    と、前記流路に連絡されると共に前記気泡の発生に伴う
    圧力によって前記記録液体の一部を記録液体小滴として
    吐出させるオリフィスと、前記流路に連絡されると共に
    これらの流路に導入される前記記録液体を収容する液室
    と、前記液室に前記記録液体を供給する供給手段とを有
    する液体噴射記録ヘッドにおい て、前記流路を単結晶シ
    リコン基板上に形成し、前記単結晶シリコン基板の一部
    に前記複数個の流路が配列された幅全体に渡って異方性
    エッチングにより(111)面を連続して露出させ、連
    続して露出された前記(111)面に前記各流路に対応
    させて複数個の前記熱エネルギー作用部を形成したこと
    を特徴とする液体噴射記録ヘッド
  4. 【請求項4】 凹部の表面又は(111)面上に熱酸化
    によって酸化シリコン膜を形成し、この酸化シリコン膜
    上に熱エネルギー作用部を形成したことを特徴とする請
    求項1、2又は3記載の液体噴射記録ヘッド
  5. 【請求項5】 熱エネルギー作用部を形成した単結晶シ
    リコン基板上にフォトリソグラフィーによって流路を形
    成するための溝を形成し、前記シリコン基板上に前記溝
    の上部を覆う蓋基板を積層して流路を形成したことを特
    徴とする請求項3記載の液体噴射記録ヘッド
  6. 【請求項6】 (100)面に対して少なくとも10゜
    以上の角度をつけて切り出した単結晶シリコン基板を用
    いたことを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載
    の液体噴射記録ヘッド
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