JP3217499B2 - 低カロリー食品 - Google Patents
低カロリー食品Info
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Description
た低カロリー食品に関する。
の栄養素であるが、近年、食生活の変化とともに総摂取
カロリーに占める油脂由来のカロリーの比率が増加し、
結果として肥満を誘発している。肥満は様々な疾患に関
係しており、例えば、糖尿病、高脂血症、心血管障害、
呼吸器障害、脂肪肝、胆石症、痛風、卵巣機能不全など
を引き起こし、ガンのリスクを増大させるといわれてい
る。このため、日本では一般成人の食品からの総摂取カ
ロリーに占める油脂由来のカロリーの割合は25%が上
限として指導されている。しかし、国民栄養調査の結果
からもわかるように油脂由来のカロリー比率は依然25
%を上回っている。このような状況の中で、食品中の油
脂の減少が必要となってきている。
クスチャー、味、香り等が低下し、また、油脂を使用せ
ずに菓子類を作ると、歯に付着しやすい、硬い、かさつ
く、口溶けが悪い、風味が劣るなどの問題が生じる。こ
のように油脂を使わない、あるいは減量した場合の欠点
を補うものとして、例えば、マルトデキストリン、化工
澱粉等の糖質、シンプレス、ホエータンパク濃縮物等の
蛋白系のもの、化学合成された脂肪類似品、天然多糖類
のゲル状物等の油脂代替材料がすでに開発されている。
デキストリンは数ミクロン以下の微結晶を含み、食品製
造工程において該微結晶が、水懸濁液中、剪断応力下で
破壊され、油脂類が形成するのと同様のサブミクロンか
ら数ミクロン程度の微粒子からなる会合網目状構造(ミ
セル)を形成するため、得られた食品を口腔内に含んだ
際に油脂状のテクスチャーを呈すると考えられている。
しかしながら、マルトデキストリンは粘度が低く、粘度
を調整するためには多量に使用しなければならないが、
多量に使用すると食品の風味や食感を損なう。また、マ
ルトデキストリンの微結晶は水の存在下で温度安定性に
欠け、100℃付近においては略完全に溶解する。した
がって、製造工程で形成した油脂状ミセルは容易に凝集
破壊を起こし、油脂代替材料としての特性を消失する傾
向がある。
ると、製品に澱粉特有の糊状のテクスチャーが残存す
る。さらに、蛋白系のものは熱に弱く、天然多糖類のゲ
ル状物は特殊な多糖類を必要としたり、その用途が限ら
れていたり、製法が煩雑であり、化学合成品はその安全
性が未だ確認されておらず、使用に供することができな
いという問題があった。
替材料を配合した低カロリー食品におけるこれらの問題
を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、油脂の
一部または全部を湿熱処理澱粉に置き換えることによ
り、味質、風味、食感等を損なうことなしに低カロリー
食品が得られることを見い出し、本発明を完成するに至
った。
を油脂代替材料として使用してなることを特徴とする低
カロリー食品を提供するものである。
微結晶を有する湿熱処理澱粉を用いることにより、従来
の油脂代替材料と比較にならない程強い凝集力を有する
油脂状ミセルが形成され、それにより、安定した油脂状
性能を示すと共に風味および食感に優れた低カロリー食
品が得られる。
材料を水分の存在下に高温で処理したものであり、例え
ば、1967年にL.SAIRがシリアルケミストリー
(44巻、1月号、8〜26頁)に開示した方法、特開
平4−130102号に開示された減圧・加圧加熱法、
R.Stute,starch、44巻(6)、205−214
(1992年)に記載された20%の水分含量の澱粉
を、回転式オ−トクレ−ブ中、100℃以上で数時間処
理する方法等によって得られるが、特にこれらの方法に
限定されるものではない。
ンフラワー等の穀粉類、小麦澱粉、コーンスターチ、ワ
キシーコーンスターチ、ハイアミロースコーンスター
チ、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉等の澱粉類と、これらを
原料とし、食品に添加し得る加工を施した加工澱粉類か
ら選ばれる1種または2種以上の混合物が用いられる。
さらに、また、食品に添加可能な界面活性剤、塩類、糖
類、有機酸、蛋白、脂肪等を添加、処理したものを用い
てもよい。この処理により、澱粉質原料には強固な結晶
が形成され、アミログラムの最高粘度の低下が認められ
る。
の変化としては、X線回折図の変化、澱粉粒子の膨潤性
の変化、糊化開始温度の上昇、アミラ−ゼ消化性の増
大、示差走査熱量計による吸熱開始、最高、終了温度の
上昇、吸熱量の減少等が認められる。特に、湿熱処理澱
粉を油脂代替材料として使用するに際して重要な性質
は、X線回折図の変化に見られる澱粉分子鎖格子間隔の
減少の意味するもの、すなわち、従来の澱粉(例えば、
マルトデキストリン)と比べて澱粉の結晶化が極端にす
すんでいることである。その結果、澱粉粒子の膨潤性が
低下し、糊化開始温度が上昇することにより95℃程度
では糊化しない。更に驚くべきことには、十分に湿熱処
理された澱粉は、水懸濁液中で百数十℃に加熱されても
粒子は崩壊せず(すなわち、糊液は形成されない)、依
然として水中澱粉粒子の分散という形態をとる。この強
固な結晶が従来の澱粉と比較にならない程強い凝集力を
持つ油脂状ミセルを形成すると考えられる。
性能は食品の種類、加工工程によって異なるため、湿熱
処理条件を一義的に規定することは困難であるが、一般
的には、95℃に達した時に顕微鏡観察を行うことによ
り、澱粉粒子がその形状を明らかに留めるものが得られ
るような条件で湿熱処理を行うことが好ましい。
は、大豆油、菜種油、綿実油、ごま油、コーン油等の植
物油脂、牛脂、豚脂、牛酪脂(バター)、鯨油等の動物
油脂、およびこれらを加工(例えば、水添、エステル交
換)やブレンドすることによって得られるショートニン
グ、マーガリン、サラダ油、クリーム類(例えば、生ク
リーム、ホイップクリーム)等が例示されるが、これら
に限定されるものではない。
ず、通常油脂を使用する食品、例えば、フィリング、ド
レッシング、マーガリン、スプレッド、ムース、ディッ
プ、ベーカリー、畜肉加工品、チョコレート、キャンデ
ー、冷菓等が例示される。また、これら食品の製造に際
し、キサンタンガム、グアーガム、ローカストビーンガ
ム、ペクチン、カラギーナン等のガム質を併用してもよ
いし、他の脂肪代替材料を併用してもよい。
る食品の製造方法および配合処方は、いかなる方法でも
良いが、例えば、粉のままで他の原料と混合する方法、
水に分散したスラリーで添加する方法、スラリーを撹拌
下に加熱して添加する方法などが挙げられる。
く説明するが、本発明はこれら実施例により限定される
ものではない。調製例 湿熱処理澱粉の調製 約3kgの各種澱粉質材料を厚さ5cmになるように入れた
25×32cmのステンレスバットを、直径40cm、奥行
き80cmの円管型の耐内外圧性を有する容器(高温高圧
調理殺菌装置;日阪製作所製)に入れ、密閉後、まず真空
ラインを開放し、10分後に30トールに減圧した時、
2.4kg/cm3の加圧蒸気ラインを開放して蒸気を導入し
た。7分後に缶内温度は100℃に達し、圧力は常圧に
戻った。この時点で再び真空ラインに切り替えて減圧
し、9分後に30トールに達したので再び蒸気ラインに
切り替えて、所定温度で所定時間処理を行なった。処理
終了後、圧力を開放し、更に減圧冷却し、処理澱粉を取
り出し、粉砕して湿熱処理澱粉を得た。表1に各種湿熱
処理澱粉の処理条件と粘度(95℃)、および未処理澱
粉の粘度(95℃)を示す。
のようにして行なった。まず、7%濃度になるように澱
粉を常温の純水中に分散させ、これを所定の容器に入れ
てアミログラフ装置(ブラベンダー社製、形式:VS
型、測定用カートリッジ:700cmg、測定容器回転
数:75rpm)にセットし、50℃まで昇温した後、1.
5℃/分で定速昇温し、30分後に95℃に達した。そ
の後、更に30分間95℃に保持した。その間の粘度変
化を記録したチャート(アミログラム)より、95℃に
達した時の粘度を読み取った。また、測定終了直後の液
を顕微鏡で観察することにより、粒子の有無を確認し
た。
と水を加え、さらに混合した。これに、小麦粉とベーキ
ングパウダーの混合物を篩いを通して加え、混合した。
この種生地を焼型に移し入れ、約170℃のオーブンに
て焼成し、パウンドケーキを得た。得られたパウンドケ
ーキについて、カロリー比を求めると共に製品品質を評
価した。結果を表2に示す。
示した。 硬度:テクスチュロメーターを用いた。 試料;製品内相を30×30×12(mm)にスライス プランジャー;アルミ、直径13mm クリアランス;2mm 受皿;平皿 チャート速度;760mm 食感の総合評価:男女10人のパネラーにより、次の採
点で評価した。 +4…非常によい +3…かなりよい +2…よい +1…ややよい 0…規準(比較例1) −1…やや劣る −2…劣る −3…かなり劣る −1…非常に劣る
使用した以外は実施例1と同様の方法でパウンドケーキ
を得た。評価の結果を表2に示す。
用した以外は実施例1と同様の方法でパウンドケーキを
得た。評価の結果を表2に示す。
ストリン(DE=2〜3)を使用した以外は実施例1と
同様の方法でパウンドケーキを得た。評価の結果を表2
に示す。
ンスターチを使用した以外は実施例1と同様の方法でパ
ウンドケーキを得た。評価の結果を表2に示す。
は、バターを使用したものと同等の品質が得られたが、
マルトデキストリン、コーンスターチを用いたものは容
積が小さく、硬く、食感が悪かった。
と湿熱処理澱粉と水を加え、95℃に加熱しながらホモ
ミキサーを用いて良く混合した。次に脱脂粉乳と水を加
えてさらに加熱混合を行ない、バニラエッセンスを加
え、混合して10℃以下まで冷却した後、アイスクリー
マーを用いて冷菓を得た。得られたアイスクリームにつ
いて、カロリー比を求める共に製品品質を評価した。結
果を表3に示す。
重)/アイスクリームの比重 食感の総合評価:男女10人のパネラーにより、次の採
点で評価した。 +4…非常によい +3…かなりよい +2…よい +1…ややよい 0…規準(比較例4) −1…やや劣る −2…劣る −3…かなり劣る −1…非常に劣る
生クリームを使用する以外は実施例3と同様にして冷菓
を得た。評価の結果を表3に示す。
ンスターチを使用する以外は実施例3と同様にして冷菓
を得た。評価の結果を表3に示す。
は、カロリーが低く、しかも食感の優れたものであっ
た。コーンスターチを使用した比較例5はオーバーラン
が小さく、食感の劣るものであった。
び水をホモミキサーで良く混合しながら、95℃で10
分間加熱した。20℃まで冷却後、サラダ油と卵黄を加
え、混合してマヨネーズ様食品を得た。得られたマヨネ
ーズ様食品について、カロリー比を求めると共に、製品
品質を評価した。結果を表4に示す。
点で評価した。 +4…非常によい +3…かなりよい +2…よい +1…ややよい 0…規準(比較例3) −1…やや劣る −2…劣る −3…かなり劣る −1…非常に劣る
ーズを得た。評価の結果を表4に示す。
ストリン(DE=2〜3)を使用した以外は、実施例5
と同様にしてマヨネーズ様食品を得た。評価の結果を表
4に示す。
ラダ油の量を少なくしたもかかわらず、比較例6のマヨ
ネーズと同様の食感、味質を有するマヨネーズ様食品が
得られた。また、マルトデキストリンを用いた比較例7
は粘度が低く、使用に耐えないものであった。
た低カロリー食品が得られる。
Claims (1)
- 【請求項1】 湿熱処理澱粉を油脂代替材料として使用
してなることを特徴とする低カロリー食品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29496092A JP3217499B2 (ja) | 1992-11-04 | 1992-11-04 | 低カロリー食品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29496092A JP3217499B2 (ja) | 1992-11-04 | 1992-11-04 | 低カロリー食品 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06141820A JPH06141820A (ja) | 1994-05-24 |
JP3217499B2 true JP3217499B2 (ja) | 2001-10-09 |
Family
ID=17814529
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29496092A Expired - Fee Related JP3217499B2 (ja) | 1992-11-04 | 1992-11-04 | 低カロリー食品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3217499B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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AU2005238087B2 (en) * | 2004-04-28 | 2008-04-17 | Commonwealth Scientific & Industrial Research Organisation | Starch treatment process |
-
1992
- 1992-11-04 JP JP29496092A patent/JP3217499B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06141820A (ja) | 1994-05-24 |
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