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JP3206183B2 - 1,4−ブタンジオールの製造方法 - Google Patents

1,4−ブタンジオールの製造方法

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JP3206183B2
JP3206183B2 JP02801393A JP2801393A JP3206183B2 JP 3206183 B2 JP3206183 B2 JP 3206183B2 JP 02801393 A JP02801393 A JP 02801393A JP 2801393 A JP2801393 A JP 2801393A JP 3206183 B2 JP3206183 B2 JP 3206183B2
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JP
Japan
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butanediol
reaction
acid
producing
catalyst
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JP02801393A
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善則 原
浩悦 遠藤
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Mitsubishi Chemical Corp
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Mitsubishi Chemical Corp
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、無水マレイン酸、マレ
イン酸、無水コハク酸、コハク酸またはγ−ブチロラク
トンから選ばれる含酸素C4 炭化水素を接触水素化する
ことによる1,4−ブタンジオールの製造方法に関す
る。1,4−ブタンジオールは、主にポリブチレンテレ
フタレートやポリウレタン等のプラスチック原料として
使用されるほか、ピロリジン、アジピン酸等の製造中間
体等として使用されている。
【0002】
【従来の技術】従来、無水マレイン酸等の含酸素C4
化水素を水素化して1,4−ブタンジオールを製造する
方法は数多く報告されている。例えば、最も良く知られ
ている方法として銅系の触媒を用いる方法がある。しか
しながら、この方法では、マレイン酸等の有機カルボン
酸を直接還元することができず、カルボン酸を一旦エス
テルに転換後還元しなければならず、製造工程が高くな
る。また、この方法では、一般に200気圧以上の水素
圧下で反応を行うので、エネルギー的にも設備的にも不
経済な方法である。
【0003】一方、マレイン酸等のカルボン酸を直接還
元できる触媒もいくつか提案されている。例えば、特開
昭63−218636号あるいは米国特許4,659,
686号には、活性炭に担持したパラジウム−レニウム
触媒を用いてマレイン酸水溶液からテトラヒドロフラン
またはγ−ブチロラクトンを製造する方法が記載されて
いる。この方法では、1,4−ブタンジオールの選択率
が非常に低い。
【0004】また、米国特許4,827,001号には
ルテニウム−鉄酸化物を触媒としてマレイン酸を直接還
元する方法が提案されているが、該方法においては1,
4−ブタンジオールの選択率が十分でない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来、マ
レイン酸等の水素化反応の方法においては、反応性を高
めるために比較的に高水素圧の条件下での反応にする必
要があった。また、水素化による種々の反応生成物が生
じるため、1,4−ブタンジオールを高選択率で得るこ
とは困難であり、テトラヒドロフランの副生は不可避的
なものであった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題点
に鑑み鋭意検討を重ねた結果、マレイン酸などを触媒の
存在下で接触水素化反応を行う際に、触媒としてルテニ
ウムと錫の担持触媒を用い、かつ、特定物質の存在下で
反応を行った場合において、1,4−ブタンジオールの
生成が飛躍的に増大することを見い出し、本発明に到達
したものである。
【0007】即ち、本発明の要旨は、無水マレイン酸、
マレイン酸、無水コハク酸、コハク酸またはγ−ブチロ
ラクトンを接触水素化して1,4−ブタンジオールを製
造する方法において、該接触水素化を(1)ルテニウム
及び錫を担体に担持してなる担持触媒と(2)アルカリ
金属化合物、アルカリ土類金属化合物または窒素塩基化
合物の存在下で行うことを特徴とする1,4−ブタンジ
オールの製造方法、及び、無水マレイン酸、マレイン
酸、無水コハク酸、コハク酸またはγ−ブチロラクトン
を接触水素化して1,4−ブタンジオールを製造する方
法において、該接触水素化を(1)ルテニウム及び錫、
並びに(2)アルカリ金属化合物またはアルカリ土類金
属化合物、を担体に担持してなる担持触媒の存在下で行
うことを特徴とする1,4−ブタンジオールの製造方法
に存する。
【0008】以下に本発明について詳細に説明する。本
発明の反応原料は、無水マレイン酸、マレイン酸、無水
コハク酸、コハク酸またはγ−ブチロラクトンあるいは
これらの混合物である。本発明の水素化反応では、反応
機構あるいは反応生成物の分析結果等からみて、(無
水)マレイン酸が水素化し、(無水)コハク酸となり、
次いで、γ−ブチロラクトンとなり、更に1,4−ブタ
ンジオールを生成するものと考えられるからである。従
って、本発明では、上記の化合物のいずれをも反応原料
として用いることができるし、2種以上の混合物であっ
てもよい。
【0009】本発明においては、触媒を構成する金属と
してルテニウムと錫を用いることが必須である。これら
金属成分を担体に担持してなる担持してなる担持触媒と
して使用する。
【0010】貴金属及び錫を担持させる担体としては活
性炭、けいそう土、シリカ、アルミナ、チタニア、ジル
コニア等を単独あるいは2種以上を組み合わせて用いる
ことができる。貴金属成分、錫成分の原料化合物をこれ
ら担体と接触させる方法は特に制限はないが、通常、浸
漬法が採用される。即ち、例えば、原料化合物を溶解可
能な溶媒、例えば、水に溶解して溶液とし、この溶液に
多孔質担体を浸漬して含浸担持させる。担持後は乾燥
し、必要に応じて焼成、還元を行う。焼成は、通常10
0〜600℃で行われる。また、還元処理としては、公
知の液相還元、気相還元が用いられ、気相還元の場合、
通常100〜500℃、好ましくは200〜350℃で
行われる。
【0011】ルテニウム及び錫の担持量はそれぞれ、担
体に対して、通常0.5〜50重量%、好ましくは1〜
20重量%である。また、錫の担持量は、ルテニウム
対して、通常0.1〜5重量%倍量共存させるのが、生
成物の選択性向上の面で好ましい。なお、ルテニウム
錫の原料化合物としてはそれらの金属の硝酸、硫酸、塩
酸等の鉱酸塩が一般的に使用されるが、酢酸等の有機酸
塩、水酸化物、酸化物あるいは錯塩も使用することもで
きる。
【0012】以上の触媒はそれのみを用いても前記の反
応原料の水素化活性を充分有するものであるが、1,4
−ブタンジオールを高選択率で得るためには、アルカリ
金属化合物、アルカリ土類金属化合物または窒素塩基化
合物を反応系に存在させる必要がある。アルカリ金属化
合物、アルカリ土類金属化合物とは、アルカリ金属また
はアルカリ土類金属の硝酸、塩酸、硫酸等との鉱酸塩、
酢酸、シュウ酸等の有機酸塩、水酸化物、酸化物等であ
り、LiNO3 、LiCl、LiOAc、NaOAc、
KOAc、CsOAc、Mg(OAc)2 、Ca(OA
c)2 、Sr(OAc) 2 、Ba(OAc)2 、LiO
H等が挙げられる。
【0013】また、窒素塩基化合物とは、アンモニア、
有機アミン、及びそれらの塩、あるいはピロール、ピロ
リジン、ピリジン、ピペリジン、インドール、キノリン
等の窒素含有複素環式化合物及びその塩であり、酢酸ア
ンモニウム、トリエチルアミン、ピリジン、ピロリン、
N−メチルピロリジン等が挙げられる。アルカリ金属化
合物、アルカリ土類金属化合物または窒素塩基化合物を
反応系に存在させる方法としては、特に制限はなく、反
応系にこれらの化合物を直接添加すればよい。添加量
は、触媒100重量部に対して、通常0.1〜100重
量部、好ましくは1〜50重量部である。
【0014】また、アルカリ金属化合物、アルカリ土類
金属化合物については、上記の反応系に直接添加する方
法の他、これらを金属成分として触媒成分とともに担体
に担持する方法も可能である。担体に担持させる方法
は、前述の触媒成分の担持方法と同じように、通常、ア
ルカリ金属化合物等の水溶液を担体に含浸させる方法が
採用される。担持後は乾燥し、必要に応じて、焼成、還
元を行う。アルカリ金属またはアルカリ土類金属の担持
量は、触媒100重量部に対して、通常0.1〜100
重量部、好ましくは1〜50重量部である。
【0015】本発明での接触水素化反応は、通常、温度
130〜350℃、好ましくは160〜300℃、水素
圧10〜300kg/cm2 、好ましくは50〜200
kg/cm2 の範囲で行われる。反応に使用される触媒
量は、無水マレイン酸等の反応原料100重量部に対し
0.1〜100重量部であることが望ましいが、反応温
度または反応圧力等の諸条件に応じ、実用的な反応速度
が得られる範囲内において任意に選択できる。
【0016】反応方式としては液相懸濁反応或いは固定
床反応のいずれも採用できる。また、反応は、無溶媒で
行っても良いし、必要に応じて、溶媒を用いても良い。
溶媒を用いる場合、溶媒としては、反応に悪影響を与え
ない物であれば良く、特に制限されないが、具体的に
は、水;メタノール、エタノール、オクタノール、ドデ
カノール等のアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオ
キサン、テトラエチレングリコールジメチルエーテル等
のエーテル類;その他、ヘキサン、シクロヘキサン、デ
カリン等の炭化水素類が例示される。
【0017】なお、反応で生成した1,4−ブタンジオ
ールは蒸留等の公知の方法により分離精製される。ま
た、該分離後に残る反応原料あるいは反応中間体として
のγ−ブチロラクトン等は反応原料として再度反応系に
循環して利用することができる。
【0018】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限
り以下の実施例に限定されるものではない、なお、以下
において「%」は「重量%」を示す。
【0019】実施例1〜8 塩化ルテニウム(III )と塩化錫(II)を5N−HCl
水溶液とエタノール(1/1容積比)に溶解し、担体と
してSiO2 (富士デビソン社製、比表面積609m2
/g、細孔容量0.37ml/g)を加え回転減圧乾燥
器で溶媒を除去した後、窒素雰囲気下150℃で2時間
焼成し、ついで水素雰囲気下、300℃で2時間還元し
て、7%Ru−5%Sn/SiO2 触媒を得た。無水マ
レイン酸0.5gを水9.5gに溶解し、上記方法で調
製した触媒0.2gと表−1に示す添加物0.3mmo
lと共に70mlスピンナー撹拌オートクレーブに仕込
み、室温下100kg/cm2 の水素を圧入し、200
℃で3時間反応を行った。反応物につきガスクロマトグ
ラフィーで分析を行った結果を表−1に示す。
【0020】比較例1 実施例1の触媒を用い、添加物を加えない以外は実施例
1と同様にして反応を行った結果を表−1に示す。
【0021】
【表1】 CML:無水マレイン酸 THF:テトラヒドロフラン GBL:γ−ブチロラクトン BDO:1,4−ブタンジオール
【0022】実施例9 LiOAcを水に溶解し、これに実施例1で得られた7
%Ru−5%Sn/SiO2 を加え、回転減圧乾燥器で
溶媒を除去した後、窒素雰囲気下150℃で2時間焼成
し、ついで水素雰囲気下、300℃で2時間還元して、
7%Ru−5%Sn−0.3%Li/SiO2 触媒を得
た。無水マレイン酸15gを水35gに溶解し、上記方
法で調製した触媒4gと共に200mlオートクレーブ
に仕込み、室温下20kg/cm2 の水素を圧入し、2
40℃まで昇温した。次に、240℃で水素を100k
g/cm2 まで加え2時間反応を行った。結果を表−2
に示す。
【0023】比較例2 実施例1の触媒を用い、添加物を加えず実施例9と同様
に反応を行った。結果を表−2に示す。
【0024】
【表2】 CML:無水マレイン酸 THF:テトラヒドロフラン GBL:γ−ブチロラクトン BDO:1,4−ブタンジオール
【0025】
【発明の効果】本発明の方法によれば、無水マレイン
酸、マレイン酸、無水コハク酸、コハク酸またはγ−ブ
チロラクトンを原料とする接触水素化反応により、比較
的温和な反応条件下で、テトラヒドロフラン等の副生が
極めて少なく、高選択率、高収率にて1,4−ブタンジ
オールを製造することができる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−168346(JP,A) 特開 昭64−15136(JP,A) 特開 昭58−216131(JP,A) 特開 昭61−56139(JP,A) 特開 昭61−243033(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 31/20 C07C 29/149 C07B 61/00 300

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無水マレイン酸、マレイン酸、無水コハ
    ク酸、コハク酸またはγ−ブチロラクトンを接触水素化
    して1,4−ブタンジオールを製造する方法において、
    該接触水素化を(1)ルテニウム及び錫を担体に担持し
    てなる担持触媒と(2)アルカリ金属化合物、アルカリ
    土類金属化合物または窒素塩基化合物の存在下で行うこ
    とを特徴とする1,4−ブタンジオールの製造方法。
  2. 【請求項2】 無水マレイン酸、マレイン酸、無水コハ
    ク酸、コハク酸またはγ−ブチロラクトンを接触水素化
    して1,4−ブタンジオールを製造する方法において、
    該接触水素化を(1)ルテニウム及び錫、並びに(2)
    アルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化合物、を
    担体に担持してなる担持触媒の存在下で行うことを特徴
    とする1,4−ブタンジオールの製造方法。
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WO2013005748A1 (ja) * 2011-07-04 2013-01-10 三菱化学株式会社 1,4-ブタンジオールの製造方法
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