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JP3296126B2 - ポリプロピレン系フィルム - Google Patents

ポリプロピレン系フィルム

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JP3296126B2
JP3296126B2 JP05811395A JP5811395A JP3296126B2 JP 3296126 B2 JP3296126 B2 JP 3296126B2 JP 05811395 A JP05811395 A JP 05811395A JP 5811395 A JP5811395 A JP 5811395A JP 3296126 B2 JP3296126 B2 JP 3296126B2
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copolymer
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ethylene
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浩司 石川
俊文 中村
和寿 小玉
要 藤巻
徹 柴田
洋一 鴨志田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐衝撃性、柔軟性、ヒ
ートシール性のバランスに優れ、さらに成形加工性が良
好なポリプロピレン系フィルムに関し、より詳しくは、
ポリプロピレンと特定の水添ジエン系共重合体からな
る、種々の用途に好適な特性を有するポリプロピレン系
フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレンフィルムは、安価である
うえに、耐熱性、機械的特性に優れることから、各種用
途に好適に使用されている。しかしながら、特に低温で
の耐衝撃性が充分ではなく、さらに耐衝撃性と柔軟性と
ヒートシール性のバランスに限界があり、成形加工性も
充分とは言えないため、使用の際に種々の制約を受けて
いる。本発明は、かかる技術的課題を背景に開発された
ものであり、低温耐衝撃性が良好であり、耐衝撃性と柔
軟性とヒートシール性のバランスに優れ、かつ成形加工
性に優れたフィルムを見いだし、本発明を完成させた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
技術的課題を背景になされたものであり、優れた低温耐
衝撃性、良好な耐衝撃性と柔軟性とヒートシール性のバ
ランス、かつ良好な成形加工性を有する新規なポリプロ
ピレン系フィルムを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、(イ)ポリプ
ロピレン1〜98重量%、(ロ)1,2−ビニル結合含
量が25%以下であるポリブタジエン重合体ブロック
(A)と、共役ジエンを主体とする重合体であって共役
ジエン部分の1,2−および3,4−結合含量が50%
以上である重合体ブロック(B)とからなるブロック共
重合体であって、(A)−(B)ブロック共重合体、
(A)−(B)−(A)ブロック共重合体、または該ブ
ロック共重合体単位がカップリング剤残基を介して延長
または分岐されたブロック共重合体、の1種以上からな
るブロック共重合体を水素添加し、共役ジエン部分の二
重結合が70%以上飽和された、数平均分子量が4〜7
0万である水添ジエン系共重合体1〜98重量%、およ
び(ハ)エチレン−1−ブテン共重合体1〜98重量%
[ただし、(イ)+(ロ)+(ハ)=100重量%]か
らなることを特徴とするポリプロピレン系フィルムを提
供するものである。
【0005】まず、本発明に使用される(イ)ポリプロ
ピレンは、結晶性ポリプロピレンであり、プロピレンの
単独重合体あるいはエチレン、1−ブテン、1−ヘキセ
ンなどのα−オレフィンを15モル%以下、好ましくは
0.5〜10モル%含んだ重合体である。この共重合体
としては、ランダム共重合体、あるいは多段重合で得ら
れる単独重合体とのブレンド物、通常のブレンド物であ
ってもよい。また、ポリプロピレンの密度は0.885
〜0.915g/cm3であり、メルトフローレート
(MFR)は0.1〜50g/10分、好ましくは0.
2〜40g/10分である。なお、これらポリプロピレ
ンを得る方法としては、チーグラー・ナッタ系触媒を用
いる方法や、カミンスキー系触媒を用いる方法などがあ
るが、本発明の(イ)成分としては、いずれの重合触媒
によるポリプロピレンも好適に用いられる。ただし、プ
ロピレンユニットの立体規則性は、アイソタクチックも
しくはシンジオタクチックのものが本発明の(イ)成分
として好ましい。
【0006】本発明に使用される(ロ)水添ジエン系共
重合体は、基本的に、共役ジエンにより構成される。こ
こで用いられる共役ジエンとしては、1,3−ブタジエ
ン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエ
ン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペン
タジエン、1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−
1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジ
エン、クロロプレンなどが挙げられるが、工業的に利用
でき、また物性の優れた水添ジエン系共重合体を得るに
は、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタ
ジエンが好ましく、1,3−ブタジエン、イソプレンが
特に好ましい。本発明の(ロ)水添ジエン系共重合体
は、ビニル結合含量が25%以下であるポリブタジエン
重合体ブロック(A)と、共役ジエンを主体とする重合
体ブロックであって、共役ジエン部分の1,2−結合含
量等が50%以上である重合体ブロック(B)からなる
(A)−(B)および/または(A)−(B)−(A)
ブロック共重合体からなる。
【0007】本発明の(ロ)成分中のブロック(A)
は、水素添加により通常の低密度ポリエチレンに類似の
構造を示す結晶性の重合体ブロックとなる。ブロック
(A)中の水素添加前のポリブタジエンの好ましい1,
2−ビニル結合含量は、通常25%以下であるが、より
好ましくは20%以下、さらに好ましくは15%以下で
ある。ブロック(A)中の水素添加前のポリブタジエン
の1,2−ビニル結合含量が25%を越えた場合には、
水素添加後の結晶融点の降下が著しく、耐衝撃性が劣
る。
【0008】(ロ)成分中のブロック(B)としては、
共役ジエン単独重合体あるいはビニル芳香族化合物−共
役ジエン共重合体が好ましい。すなわち、水素添加後の
構造としては、例えば共役ジエンがブタジエンの場合、
ゴム状のエチレン−1−ブテン共重合体ブロックあるい
はビニル芳香族化合物−エチレン−1−ブテン共重合体
と類似の構造を示す重合体ブロックが、ブロック(B)
としては好ましいものとなる。
【0009】なお、ブロック(B)に使用されるビニル
芳香族化合物としては、スチレン、α−メチルスチレ
ン、p−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、ジビニ
ルベンゼン、N,N−ジメチル−p−アミノエチルスチ
レン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、
ビニルピリジンなどが挙げられ、これらのなかでスチレ
ン、α−メチルスチレンが好ましく、スチレンが特に好
ましい。ブロック(B)中のビニル芳香族化合物の好ま
しい使用量は、ブロック(B)を構成するモノマーの3
5重量%以下、より好ましくは30重量%以下、もっと
も好ましくは25重量%以下であり、35重量%を超え
るとブロック(B)のガラス転移温度が上昇し、耐衝撃
性、柔軟性が劣るばかりではなく、透明性も低下する。
またブロック(B)の水素添加前の共役ジエン部分の好
ましい1,2−結合含量等は、50〜95%、より好ま
しくは60〜95%であり、50%未満あるいは95%
を超えると、水素添加により、例えば共役ジエンがブタ
ジエンの場合、それぞれポリエチレン連鎖、ポリブテン
−1連鎖に由来する結晶構造を示し、樹脂状の性状とな
り、柔軟性が劣る。
【0010】本発明の(ロ)成分中において、ブロック
(A)は好ましくは5〜90重量%、より好ましくは1
0〜80重量%、ブロック(B)は好ましくは10〜9
5重量%、より好ましくは20〜90重量%である。ブ
ロック(A)が5重量%未満および/または(B)ブロ
ックが95重量%を超える場合には、結晶性の重合体ブ
ロックが不足し、機械的強度が劣る。またブロック
(B)が10重量%未満および/またはブロック(A)
が90重量%を超える場合には、柔軟性が劣る。
【0011】なお、本発明で(ロ)成分として用いる水
添ジエン系共重合体は、カップリング剤を添加すること
により、下記一般式で表されるような、重合体分子鎖が
延長または分岐されたブロック共重合体であってもよ
い。 [(A)−(B)]n−Z、または [(A)−(B)−(A)]n−Z 〔式中、(A)、(B)は前記に同じ。nは2〜4の整
数、Zはカップリング剤残基を示す。〕 この際のカップリング剤としては、例えばアジピン酸ジ
エチル、ジビニルベンゼン、メチルジクロロシラン、テ
トラクロロシラン、ブチルトリクロロシラン、テトラク
ロロスズ、ブチルトリクロロスズ、ジメチルクロロシラ
ン、テトラクロロゲルマニウム、1,2−ジブロモエタ
ン、1,4−クロロメチルベンゼン、ビス(トリクロロ
シリル)エタン、エポキシ化アマニ油、トリレンジイソ
シアネート、1,2,4−ベンゼントリイソシアネート
などが挙げられる。また、本発明で(ロ)成分として用
いる水添ジエン系重合体は、官能基で変性してもよく、
酸無水物基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ
基、イソシアネート基およびエポキシ基から選ばれた少
なくとも1種の官能基を有する不飽和化合物を用いて、
ニーダー、ミキサー、押出機などで変性することができ
る。
【0012】本発明で使用される(ロ)水添ジエン系共
重合体は、ブロック(A)およびブロック(B)中の共
役ジエン部分の二重結合の少なくとも70%、好ましく
は80%以上、さらに好ましくは90%以上が水素添加
されて飽和されていることが必要であり、70%未満で
は得られるフィルムの透明性、ヒートシール性、成形加
工性が不十分なものとなり好ましくない。
【0013】本発明の(ロ)水添ジエン系共重合体の好
ましい数平均分子量は、4〜70万、より好ましくは1
0〜60万であり、4万未満では、得られるフィルムの
耐衝撃性が劣り、一方70万を越えると、成形加工性が
劣るものとなる。また、2種またはそれ以上の水添ジエ
ン系重合体のブレンド物も、本発明の(ロ)成分として
好適に用いられる。なお、本発明に使用される(ロ)水
添ジエン系共重合体は、例えば特開平3−74409号
公報および特開平3−128957号公報などに開示さ
れている方法によって得ることができる。
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】本発明で用いられる(ハ)成分は、エチレ
ン−1−ブテン共重合体である。この(ハ)成分の添加
により、低温耐衝撃性に優れ、柔軟性と耐衝撃性とヒー
トシール性のバランスが良好なフィルムを得ることが可
能となる。本発明のフィルムにおいて、(イ)成分は1
〜98重量%、好ましくは10〜98重量%、より好ま
しくは30〜98重量%、さらに好ましくは40〜98
重量%、特に好ましくは50〜98重量%、(ロ)成分
は1〜98重量%、好ましくは1〜90重量%、より好
ましくは1〜70重量%、さらに好ましくは1〜60重
量%、特に好ましくは1〜50重量%、(ハ)成分は1
〜98重量%、好ましくは1〜90重量%、より好まし
くは1〜70重量%、さらに好ましくは1〜60重量
%、特に好ましくは1〜50重量%[ただし、(イ)+
(ロ)+(ハ)=100重量%]である。(イ)成分が
1重量%未満の場合、および/または(ロ)成分もしく
は(ハ)成分が98重量%を越える場合、成形加工性が
低下する。また、(ロ)成分もしくは(ハ)成分が1重
量%未満、および/または(イ)成分が98重量%を越
える場合、透明性、耐衝撃性が劣るものとなる。
【0019】本発明のポリプロピレン系軟質フィルムに
は、通常の熱可塑性材料に用いられる添加剤を必要に応
じて添加することができる。例えば、フタル酸エステル
などの可塑剤または補強剤、パラフィン系オイルなどの
ゴム用充填材、シリカやタルクや炭酸カルシウムなどの
フィラー、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑
剤、抗菌剤、難燃剤、発泡剤、着色剤、顔料、炭素繊
維、金属繊維、ガラスビーズ、架橋剤、架橋助剤など、
またはこれらの混合物を添加することができる。
【0020】また、本発明のフィルムを構成する成分と
して、前記(イ)〜(ハ)成分以外の熱可塑性材料およ
びゴム状重合体、例えば低密度ポリエチレン、高密度ポ
リエチレン、エチレン−プロピレン共重合ゴム、エチレ
ン−プロピレン−非共役ジエン共重合体、エチレン−1
−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、
エチレン−1−オクテン共重合体などのエチレン−α−
オレフィン系共重合体類、ポリブテン、プロピレン−1
−ブテン共重合体、ポリ−4−メチル−1−ペンテンな
どのポリメチルペンテン類、エチレン−ノルボルネン共
重合体などのエチレン−環状オレフィン共重合体類、水
添テルペン樹脂、石油樹脂、ポリイソブチレン、ポリス
チレン、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル
などのポリアクリル酸アルキルエステル、ポリメタクリ
ル酸メチル、ポリメタクリル酸エチルなどのポリメタク
リル酸アルキルエステル、ポリブタジエン重合体および
/またはその水添物、スチレン−ブタジエン共重合体、
スチレン−イソプレン共重合体、ブタジエン−イソプレ
ン共重合体および/またはその水添物、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合
体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタク
リル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合
体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン
−アクリル酸エチル共重合体、アクリルゴム、エチレン
系アイオノマーなどを配合することもでき、また本発明
のフィルムの特性を損ねない範囲であれば、熱硬化性重
合体、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコン
樹脂などを配合することも可能である。
【0021】本発明のフィルムは、Tダイ成形、インフ
レーション成形、カレンダー成形などの従来公知の方法
で容易に成形可能である。また本発明のフィルムには、
延伸処理を施すことも可能である。延伸処理を施す方法
としては、ロール延伸やロール圧延、テンター横1軸延
伸などの公知の1軸延伸方法ならびに、テンター2軸延
伸やチューブラー2軸延伸などの公知の2軸延伸方法が
採用できる。延伸処理を施す場合の延伸温度は常温〜ポ
リプロピレンの融点以下、延伸倍率は2〜10倍が好ま
しい。ただしMD、TDの延伸倍率については、必ずし
もバランスさせる必要はなく、それぞれの用途に応じて
任意に選択することができる。なお、目的に応じて本発
明のフィルム同士や、本発明のフィルムとポリオレフィ
ン系樹脂やエチレン−α−オレフィン系樹脂やこれらの
混合物によるフィルムとを積層することにより、更に優
れた特性を有するフィルムを得ることが可能である。ま
た、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−不飽和
カルボン酸共重合体またはその誘導体共重合体、エチレ
ン−ビニルアルコール共重合体などの材料と積層するこ
とも可能であり、これらのフィルムと本発明のフィルム
との積層により、各種の目的に応じたフィルムを得るこ
とが可能である。なお、これら積層体を得る方法として
は、共押出Tダイ成形法、共押出インフレーション成形
法などが例示されるが、特に限定されるものではない。
【0022】本発明のフィルムは、透明性、柔軟性、耐
衝撃性に優れることから、例えばシャツやストッキング
などの各種衣類の包装、布団や枕などの寝具等の包装、
各種食品の包装、日用雑貨包装、工業資材包装、各種ゴ
ム製品・樹脂製品・皮革製品などのラミネート、紙おむ
つなどに用いられる伸縮テープ、ダイシングフィルムな
どの工業用品、建材や鋼板の保護に用いられるプロテク
トフィルム、食肉鮮魚用トレー、青果物パック、冷菓食
品容器などのシート用途、テレビ、ステレオ、掃除機な
どの家電用品用途、バンパー部品、ボディーパネル、サ
イドシールなどの自動車内外装部品用途、道路舗装材、
防水・遮水シート、土木パッキン、その他日用品、レジ
ャー用品、玩具、工業用品、ファーニチャー用品、筆記
用具、医療用具などの幅広い用途に用いることができ
る。
【0023】
【実施例】以下に実施例を挙げ、本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明の主旨を越えない限り、本発明はか
かる実施例に限定されるものではない。なお、実施例中
において部および%は、特に断らない限り重量基準であ
る。また、実施例中における各種物性の評価は次の方法
で行った。共役ジエンのビニル結合含量 赤外分析法を用い、ハンプトン法により算出した。水添率 四塩化エチレンを溶媒に用い、100MHz、1H−N
MRスペクトルから算出した。水添ジエン系共重合体の数平均分子量 トリクロルベンゼンを溶媒に用い、135℃におけるゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用
いてポリスチレン換算で求めた。成形加工性 フィルム成形時の作業性を以下のように評価した。 ○:成形時の作業性が良好である ×:押出不良、引取り不良など、成形時の作業性が劣る耐衝撃性 JIS Z1707に準拠してフィルム打ち抜き強度を
測定し、耐衝撃性の指標とした。柔軟性 JIS K7127に準拠してヤング率を測定し、柔軟
性の指標とした。ヒートシール性 JIS Z1707に準拠してヒートシール部の剥離強
度を測定し、ヒートシール性の指標とした。透明性 JIS K6782に準拠して全ヘイズを測定し、透明
性の指標とした。
【0024】参考例 実施例および比較例に示す配合に用いられる各種の成分
は、以下の通りである。 ポリプロピレン PP−1〔チッソ石油化学(株)製 FM821〕 密度0.9g/cm、MFR 7g/10分 PP−2〔三井東圧化学(株)製 EFL−200〕 密度0.9g/cm、MFR 6g/10分 PP−〔チッソ石油化学(株)製 FM831−B〕 密度0.9g/cm、MFR 6.5g/10分 水添ジエン系共重合体 表1に示すミクロ構造、数平均分子量、水添率の水添ジ
エン系共重合体(Q−1〜Q−)。
【0025】
【表1】
【0026】エチレンを主体とするオレフィン系重合体 R−1〔1−ブテン含量が20%、MFRが6.6g/
10分であるエチレン−1−ブテン共重合体〕 R−2〔1−ブテン含量が20%、MFRが0.9g/
10分であるエチレン−1−ブテン共重合体〕 R−3〔1−ブテン含量が21%、MFRが6.5g/
10分であるエチレン−1−ブテン共重合体〕 R−4〔プロピレン含量が22%、MFRが3.5g/
10分であるエチレン−プロピレン共重合体〕
【0027】実施例1〜および比較例1〜7 表2〜3に示す配合の組成物を口径50mm、L/D3
6の押出機を用いて180〜240℃で混練し、Tダイ
に供給して、ダイ温度210〜230℃、厚み50μm
のポリプロピレン系フィルムを作製した。フィルム作製
時の成形加工性および得られたフィルムの物性の評価結
果を併せて表2〜3に示す。
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】実施例1〜の結果から明かなように、本
発明のフィルムは、低温耐衝撃性に優れ、かつ柔軟性と
ヒートシール性も良好であり、さらに成形加工性、透明
にも優れていることがわかる。これに対して、比較例
1は(イ)成分のみを使用した例であるが、本発明のフ
ィルムと比較して、透明性と耐衝撃性が劣り、柔軟性や
ヒートシール性や成形加工性も不十分であることがわか
る。また比較例2〜4は水添ジエン系共重合体の構造が
本発明の範囲から外れており、かつ、(ハ)成分を含ま
ない例である。これらの中で比較例2および比較例4
は、透明性および耐衝撃性のいずれもが劣り、また特に
比較例2は柔軟性が、比較例4は成形加工性が劣るもの
であることがわかる。また、比較例3は、透明性および
柔軟性は良好だが、ヒートシール性が不十分であり、さ
らに耐衝撃性に劣ることがわかる。比較例5〜7は
(ロ)成分を使用せず(イ)成分と(ハ)成分のみによ
るものである。いずれも低温耐衝撃性と成形加工性が劣
り、かつ柔軟性およびヒートシール性が不十分であるこ
とがわかる。
【0031】
【発明の効果】本発明は、ポリプロピレン、特定の水添
ジエン系共重合体、およびエチレン−1−ブテン共重合
体とからなるフィルムを提供するものであり、従来のフ
ィルムと比較して、低温耐衝撃性、柔軟性などに優れた
特性を有するフィルムを提供することが可能である。本
発明のフィルムは、上記の優れた特性により、産業界か
ら寄せられる様々な要求に幅広く対応できるものであ
る。具体的には、シャツやストッキングなどの各種衣類
の包装、布団や枕などの寝具等の包装、各種食品の包
装、日用雑貨包装、工業資材包装、各種ゴム製品・樹脂
製品・皮革製品などのラミネート、紙おむつなどに用い
られる伸縮テープ、ダンシングフィルムなどのフィルム
用途、食肉鮮魚用トレー、青果物パック、冷菓食品容器
などのシート用途、家電用品用途、自動車内外装部品用
途、防水シート、レジャー用品、玩具、工業用品、ファ
ーニチャー用品、筆記用具、医療用具などの幅広い用途
に用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤巻 要 東京都中央区築地二丁目11番24号 日本 合成ゴム株式会社内 (72)発明者 柴田 徹 東京都中央区築地二丁目11番24号 日本 合成ゴム株式会社内 (72)発明者 鴨志田 洋一 東京都中央区築地二丁目11番24号 日本 合成ゴム株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−128957(JP,A) 特開 平3−74409(JP,A) 特開 平6−306220(JP,A) 特開 平7−252390(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 23/00 - 23/36 C08L 53/00 - 53/02 C08J 5/18

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (イ)ポリプロピレン1〜98重量%、 (ロ)1,2−ビニル結合含量が25%以下であるポリ
    ブタジエン重合体ブロック(A)と、共役ジエンを主体
    とする重合体であって共役ジエン部分の1,2−および
    3,4−結合含量が50%以上である重合体ブロック
    (B)とからなるブロック共重合体であって、(A)−
    (B)ブロック共重合体、(A)−(B)−(A)ブロ
    ック共重合体、または該ブロック共重合体単位がカップ
    リング剤残基を介して延長または分岐されたブロック共
    重合体、の1種以上からなるブロック共重合体を水素添
    加し、共役ジエン部分の二重結合が70%以上飽和され
    た、数平均分子量が4〜70万である水添ジエン系共重
    合体1〜98重量%、および (ハ)エチレン−1−ブテン共重合体1〜98重量%
    [ただし、(イ)+(ロ)+(ハ)=100重量%]か
    らなることを特徴とするポリプロピレン系フィルム。
JP05811395A 1995-02-22 1995-02-22 ポリプロピレン系フィルム Expired - Lifetime JP3296126B2 (ja)

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