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JP3296165B2 - ハイドロパーオキサイドの分解方法 - Google Patents

ハイドロパーオキサイドの分解方法

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JP3296165B2
JP3296165B2 JP30105595A JP30105595A JP3296165B2 JP 3296165 B2 JP3296165 B2 JP 3296165B2 JP 30105595 A JP30105595 A JP 30105595A JP 30105595 A JP30105595 A JP 30105595A JP 3296165 B2 JP3296165 B2 JP 3296165B2
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禎昭 伊藤
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C45/00Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds
    • C07C45/51Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by pyrolysis, rearrangement or decomposition
    • C07C45/53Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by pyrolysis, rearrangement or decomposition of hydroperoxides

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハイドロパーオキ
サイドの分解方法に関するものである。更に詳しくは、
本発明は、ジイソプロピルベンゼンジハイドロパーオキ
サイドを、液相中、酸触媒存在下に分解反応に付し、ジ
ヒドロキシベンゼン及びアセトンに変換するハイドロパ
ーオキサイドの分解方法であって、タールの副生を低レ
ベルに抑制し、かつ熱経済的にも有利なハイドロパーオ
キサイドの分解方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ジイソプロピルベンゼンを空気酸化して
ジイソプロピルベンゼンジハイドロパーオキサイドと
し、更に該ジイソプロピルベンゼンジハイドロパーオキ
サイドを酸触媒の存在下に分解することにより、ジヒド
ロキシベンゼン及びアセトンを得る方法は公知である。
ここで、ジヒドロキシベンゼンとしては、レゾルシン又
はハイドロキノンをあげることができる。ところで、上
記のジイソプロピルベンゼンジハイドロパーオキサイド
を分解する方法としては、ジイソプロピルベンゼンジハ
イドロパーオキサイドを酸触媒の存在下に分解すること
によりジヒドロキシベンゼン及びアセトンに変換し、そ
の後、該得られたジヒドロキシベンゼン及びアセトンの
混合液を精留に付すことによりジヒドロキシベンゼンと
アセトンに分離して回収するのが常法であった(たとえ
ば、特開昭53−95929号公報参照)。しかしなが
ら、この方法によると、分解反応時に相当量のタールが
副生するという問題があった。該タールの発生は、目的
物であるジヒドロキシベンゼン及びアセトンの損失を招
き、かつ生じたタールが反応装置や配管部に付着し、円
滑な運転を困難にし、しかも該タールを分離するための
付加的なコストを生じ、特に工業的実施の観点から、極
めて不都合であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】かかる状況の下、本発
明が解決しようとする課題は、ジイソプロピルベンゼン
ジハイドロパーオキサイドを、液相中、酸触媒存在下に
分解反応に付し、ジヒドロキシベンゼン及びアセトンに
変換するハイドロパーオキサイドの分解方法であって、
タールの副生を低レベルに抑制し、かつ熱経済的にも有
利なハイドロパーオキサイドの分解方法を提供する点に
存するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、ジ
イソプロピルベンゼンジハイドロパーオキサイドを、液
相中、酸触媒存在下に分解反応に付し、ジヒドロキシベ
ンゼン及びアセトンに変換するハイドロパーオキサイド
の分解方法であって、下記(A)及び(B)の特徴を有
するハイドロパーオキサイドの分解方法に係るものであ
る。 (A):上部に精留塔を備えた分解反応器を用い、該分
解反応器に分解原料液及び酸触媒を供給し、分解反応を
進行させつつ、かつ精留塔の上部から分解反応で生じる
アセトンの少なくとも一部を反応系外に除去すること (B):分解反応器に供給する分解原料液中のジイソプ
ロピルベンゼンジハイドロパーオキサイドの濃度が10
〜25重量%であること
【0005】
【発明の実施の形態】本発明は、ジイソプロピルベンゼ
ンジハイドロパーオキサイドを、液相中、酸触媒存在下
に分解反応に付し、ジヒドロキシベンゼン及びアセトン
に変換するハイドロパーオキサイドの分解方法である。
【0006】ジイソプロピルベンゼンジハイドロパーオ
キサイドとしては、メタジイソプロピルベンゼンジハイ
ドロパーオキサイド及びパラジイソプロピルベンゼンジ
ハイドロパーオキサイドを例示するこができる。これら
の化合物は、通常、対応するジイソプロピルベンゼンを
空気酸化することにより得られる。この際、ジイソプロ
ピルベンゼンジハイドロパーオキサイドは、通常、まず
該ジイソプロピルベンゼンの酸化反応液からアルカリで
水層に抽出され、更に該アルカリ水層を有機溶媒にて再
抽出することにより有機溶媒溶液として得られる。な
お、ジイソプロピルベンゼンジハイドロパーオキサイド
に少量混入している2−ヒドロキシ−2−プロピル基を
持つ化合物は、分解反応を妨害することがあるので、精
留や抽出などにより、事前に除去しておくことが好まし
い。
【0007】分解反応は液相中で行なわれる。反応時の
溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチル
−n−プロピルケトン、メチルイソプロピルケトン、メ
チル−n−ブチルケトン、メチルイソブチルケトンなど
のケトン類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル
類;メタノール、エタノール、プロパノールなどのアル
コール類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどのベンゼ
ン類;及びこれらの混合物が常用される。これらのう
ち、前記した再抽出に用いた有機溶媒を本分解反応時の
溶媒として用いるのが工業的観点から好ましい。また、
酸触媒を用いる分解反応条件下で安定な溶媒が好まし
い。これらの観点からケトン類が好ましく、特にメチル
イソブチルケトンが好ましい。
【0008】酸触媒としては、無水硫酸;p−トルエン
スルホン酸などのベンゼンスルホン酸類;メタンスルホ
ン酸、トリクロルメタンスルホン酸、トリフルオルメタ
ンスルホン酸、過塩素酸、リン酸、塩酸、フッ化水素、
トリクロル酢酸、トリフルオル酢酸、塩化アルミニュウ
ム、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素錯体、カチオン交
換樹脂などをあげることができ、更に硫黄原子などを含
む酸化防止剤としての特性を有する化合物を用いること
もできる。中でも、分解収率の観点から無水硫酸が好ま
しい。酸触媒の使用量は、分解原料液の0.005〜5
重量%の範囲が好ましい。該使用量が過少であると目的
とする分解反応が十分に進行しないことがあり、一方該
使用量が過多であると反応が進み、タールの生成が増す
ことがある。酸触媒として無水硫酸を用いる場合の使用
量は、分解原料液の50〜150重量ppmの範囲が好
ましい。無水硫酸は、通常アセトンに溶解された溶液状
態で分解反応器へ供給される。該アセトン溶液中の酸触
媒の濃度は、通常0.1〜10重量%である。
【0009】分解反応の好ましい温度及び圧力条件とし
ては、温度60〜100℃、圧力200〜700Tor
rをあげることができる。分解温度が低過ぎると目的と
する分解反応が十分に進行しないことがあり、一方分解
温度が高過ぎるとタールの生成が増すことがある。分解
圧力が低過ぎると反応温度を高く維持できなくなること
があり、一方分解圧力が高過ぎるとアセトンを留出させ
るのに必要な温度が高くなり、タールの生成が増すこと
がある。好ましい分解反応時間(分解反応域での滞留時
間)は1〜15分である。分解反応時間が短過ぎると目
的とする分解反応が十分に進行しないことがあり、一方
分解反応時間が長過ぎると反応が進行し、タールの生成
が増すことがある。なお、分解反応は多量の発熱を伴う
ので、上記の反応温度を維持するため、反応器に冷却器
を設け、冷却しつつ反応を行なう。
【0010】本発明は、上部に精留塔を備えた分解反応
器を用い、該分解反応器に分解原料液及び酸触媒を供給
し、分解反応を進行させつつ、かつ精留塔の上部から分
解反応で生じるアセトンの少なくとも一部を反応系外に
除去することにより実施される。
【0011】上部に精留塔を備えた分解反応器とは、分
解反応を行なうための反応槽及びその上部に該反応槽に
直結する形で設置された精留塔を有する構造の反応器を
意味する。該反応槽には反応温度を維持するための冷却
手段が設けられている。精留塔としては棚段形式のもの
又は充填塔形式のものが用いられる。上記の反応器の構
造からも明らかなとおり、反応槽で発生した反応生成物
のうち、低沸点を有するアセトンの及び反応溶媒の一部
は精留塔を上昇し、該塔の頂部から留出される。そし
て、該留出された成分は、冷却器によって冷却・凝縮さ
れ、凝縮した液体成分の一部は精留塔へ還流として戻さ
れ、残部は後工程を送られるととにより反応系外に除去
される。ここで、系外に除去される分解反応で生じたア
セトン量は、分解反応で生じる全アセトン量の30%以
上とすることが好ましい。このことにより、分解反応に
伴うタールの副生を一層低い水準に維持することができ
る。
【0012】本発明においては、分解反応器に供給する
分解原料液中のジイソプロピルベンゼンジハイドロパー
オキサイドの濃度が10〜25重量%であることが必要
であり、更に好ましくは15〜20重量%であることが
必要である。該濃度が低過ぎると反応器容量あたりの目
的物の生産性がさがり、かつ後工程の溶媒分離に必要な
エネルギーが大となり工業的に不利となり、一方該濃度
が高過ぎるとタールの発生が増加する。ここで、分解原
料液とは、溶媒中にジイソプロピルベンゼンジハイドロ
パーオキサイドを含有する溶液であり、該溶媒として
は、前記の反応時の溶媒としてあげたものが用いられ
る。すなわち、分解原料液を構成する溶媒は分解反応時
の溶媒となる。なお、分解原料液中の水分は、酸触媒の
活性を低下させることがあるので、分解原料液を事前に
蒸留に付し、分解原料液中の水分を1重量%以下とする
ことが好ましい。
【0013】本発明においては、ジイソプロピルベンゼ
ンジハイドロパーオキサイド、溶媒及び酸触媒が、主た
る成分として分解反応器に供給される。そして、精留塔
の頂部からアセトンと一部の溶媒が回収され、ジヒドロ
キシベンゼン、タール、溶媒及び一部のアセトンからな
る混合液が回収される。
【0014】本発明は、通常、連続プロセスとして行な
われるが、定常状態における分解反応液全体中のジイソ
プロピルベンゼンジハイドロパーオキサイドの濃度を
0.5重量%以下に維持することが好ましい。このこと
により、タールの副生を一層低い水準に維持することが
でき、更にハイドロパーオキサイドの爆発に伴う安全性
の問題が回避される。
【0015】本発明によると、分解反応時のタールの副
生を低い水準に抑制することができる。その理由とし
て、本発明者らは検討の結果、次のように推定してい
る。すなわち、ジヒドロキシベンゼンとアセトンは、加
熱環境下において反応し、タールを生じるが、本発明に
おいては、分解原料液中のジイソプロピルベンゼンジハ
イドロパーオキサイドの濃度を比較的低いレベルに規定
することにより生成するジヒドロキシベンゼンとアセト
ンの濃度も低く維持し、タール化反応の機会を減少させ
たこと、及び、生成したアセトンを直ちに精留により系
外に除去することにより、やはりタール化反応の機会を
減少させたことにより、タールの副生を防止し得たもの
であろう。
【0016】更に、本発明は分解反応で発生する熱を精
留のための熱源として直接利用するものであり、熱経済
の観点からも有利な方法である。
【0017】
【実施例】
実施例1 反応槽としての100mlの球部及びその上部に精留塔
を具備する特殊反応フラスコに、メタジイソプロピルベ
ンゼンジハイドロパーオキサイド(m−DHPO)1
9.9重量%を含むメチルイソブチルケトン(MIB
K)溶液(反応原料液)80mlを仕込んだ。なお、該
反応原料液は、ジイソプロピルベンゼンを空気酸化して
得られたm−DHPOのMIBK溶液を用いた。該反応
原料液を攪拌しながら、更に別途反応原料液及び無水硫
酸のアセトン溶液(無水硫酸濃度0.4重量%)を、そ
れぞれ1407g/hr及び36.5g/hrで連続的
にフラスコに供給した。このときの反応原料液に対する
無水硫酸の量は101重量ppmである。反応液の温度
を90℃に保ち、圧力520Torrで分解反応を行っ
た。滞留時間は3分とした。生成したアセトンなどの軽
沸点成分は精留塔を上昇し、塔頂部から116. 8g/
hrで留出液として系外に抜き出し、一方レゾルシンな
どの反応槽内液成分は缶出液としてフラスコの溢流部よ
り1326. 4g/hrで抜き出した。アセトンの留出
割合(系外に除去したアセトン/精留塔の塔頂から留出
する全アセトン×100)は45%であった。系内が安
定した40分に限り、缶出液と留出液を採取し分析した
結果、系全体の物質回収率は99.98%であり、分解
収率〔回収した全レゾルシン(モル)/供給したm−D
HPO(モル)×100〕は92.6%であり、タール
成分収率〔回収したタール(g)/供給したm−DHP
O(g)×100〕は5.18%であった。
【0018】分解収率、タール成分収率を計算するのに
用いたm−DHPO濃度は、チオ硫酸ナトリウム滴定法
と液体クロマトグラフィー法、レゾルシン濃度はガスク
ロマトグラフィー法、タール成分濃度はゲルパーミエイ
ションクロマトグラフィー(GPC)法で分析をおこな
い、得た値を使用した。
【0019】実施例2〜3及び比較例1〜4 表1の条件としたこと以外、実施例と同様に行なった。
結果を表1に示した。結果から次のことがわかる。本発
明の条件を満足するすべての実施例は、満足すべき結果
を示している。一方、メタジイソプロピルベンゼンジハ
イドロパーオキサイド濃度が過大な分解原料液を用いた
比較例1、比較例3及び比較例4並びにメタジイソプロ
ピルベンゼンジハイドロパーオキサイド濃度が過大な分
解原料液を用い、かつ精留塔の上部からのアセトンの除
去を行なわなかった比較例2は、いずれも分解収率が低
く、かつタール収率が高く、よってタールの副生が多い
ことを示している。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 比 較 例 1 2 3 4 条件 反応温度 ℃ 90 75 105 100 反応圧力 Torr 510 306 760 760 滞留時間 分 2.9 9.6 4.4 3.0 酸触媒量 wt ppm *1 102 57 35 103 m-DHPO濃度 wt % *2 27.1 28.3 27.8 27.5 ACT 留出割合 % *3 47 0 49 39 結果 分解収率 % *4 89.8 83.5 81.1 85.7 タール収率 % *5 6.43 6.58 8.86 8.98 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0022】*1 酸触媒量:分解原料液に対する割合 *2 m−DHPO濃度:分解原料液中のメタジイソプ
ロピルベンゼンジハイドロパーオキサイドの濃度 *3 ACT留出割合:系外に除去したアセトン/精留
塔の塔頂から留出する全アセトン×100 *4 分解収率:回収した全レゾルシン(モル)/供給
したm−DHPO(モル)×100 *5 タール収率:回収したタール(g)/供給したm
−DHPO(g)×100
【0023】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明により、ジ
イソプロピルベンゼンジハイドロパーオキサイドを、液
相中、酸触媒存在下に分解反応に付し、ジヒドロキシベ
ンゼン及びアセトンに変換するハイドロパーオキサイド
の分解方法であって、タールの副生を低レベルに抑制
し、かつ熱経済的にも有利なハイドロパーオキサイドの
分解方法を提供することができた。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C07C 45/53 C07C 45/53 49/08 49/08 A // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 39/00 C07C 37/00 C07C 45/00 C07C 49/00 C07C 27/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジイソプロピルベンゼンジハイドロパー
    オキサイドを、液相中、酸触媒存在下に分解反応に付
    し、ジヒドロキシベンゼン及びアセトンに変換するハイ
    ドロパーオキサイドの分解方法であって、下記(A)及
    び(B)の特徴を有するハイドロパーオキサイドの分解
    方法。 (A):上部に精留塔を備えた分解反応器を用い、該分
    解反応器に分解原料液及び酸触媒を供給し、分解反応を
    進行させつつ、かつ精留塔の上部から分解反応で生じる
    アセトンの少なくとも一部を反応系外に除去すること (B):分解反応器に供給する分解原料液中のジイソプ
    ロピルベンゼンジハイドロパーオキサイドの濃度が10
    〜25重量%であること
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