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JP3295308B2 - 電解銅箔 - Google Patents

電解銅箔

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JP3295308B2
JP3295308B2 JP18696996A JP18696996A JP3295308B2 JP 3295308 B2 JP3295308 B2 JP 3295308B2 JP 18696996 A JP18696996 A JP 18696996A JP 18696996 A JP18696996 A JP 18696996A JP 3295308 B2 JP3295308 B2 JP 3295308B2
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copper
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electrolytic copper
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英太 新井
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Nikko Materials Co Ltd
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Publication date
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  • Parts Printed On Printed Circuit Boards (AREA)
  • Electroplating Methods And Accessories (AREA)
  • Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光沢面にCu−N
i合金又はCu−Co−Ni合金から成る粗化処理層を
設けたことを特徴とする電解銅箔に関するものであり、
特には多層プリント配線板の内層用電解銅箔としての使
用に適する電解銅箔に関する。
【0002】
【従来の技術】銅及び銅合金箔(以下銅箔と称する)
は、電気・電子関連産業の発展に大きく寄与しており、
特に印刷回路材として不可欠の存在となっている。印刷
回路用銅箔は一般に、合成樹脂ボード、フィルム等の基
材に接着剤を介して或いは接着剤を使用せずに高温高圧
下で積層接着して銅張積層板を製造し、その後目的とす
る回路を形成するべくレジスト塗布及び露光工程を経て
必要な回路を印刷した後、不要部を除去するエッチング
処理が施される。最終的に、所要の素子が半田付けされ
て、エレクトロニクスデバイス用の種々の印刷回路板を
形成する。印刷回路板用銅箔に関する品質要求は、樹脂
基材と接着される面と非接触面とで異なり、それぞれに
多くの方法が提唱されている。
【0003】銅箔には、電解銅箔と圧延銅箔とがある
が、プリント配線板用として使用される銅箔は、その接
着強度などの観点から、大部分が電解銅箔である。電解
銅箔は、電気銅あるいはそれと同等の純度を有する電線
スクラップを原料とし、それを硫酸酸性硫酸銅水溶液中
に溶解させて電解浴を調製し、通常ステンレス鋼、チタ
ン、クロムめっきなどで表面が構成されている陰極円筒
体を水平にし、この陰極と相対して配置された陽極との
間に電解液を流し、陰極を回転させながら陽極との間に
電流を流して、陰極の表面に銅を電着させた後、所定の
厚さとなった電着物を連続的に剥離して銅箔(生箔と呼
ばれる)を製造することを基本とする。銅箔の厚みは、
電流の大きさと、回転速度を調節することで行う。その
後、印刷回路板用銅箔に対する品質要求に応じて、樹脂
基材と接着される面(以下粗化面と呼ぶ)と非接着面
(以下光沢面と呼ぶ)とでそれぞれに多くの処理がなさ
れる。これは、トリート処理(表面処理)工程と呼ばれ
る。電解銅箔は製造時点で凹凸を有しているが、粗化面
には、基板との引き剥がし強度向上のため0.2〜3μ
m程度の銅粒子(粗化粒子とも呼ぶ)を付着させるのが
一般的である。銅粒子は、電解銅箔の凸部を増強して凹
凸を一層大きくする。銅粒子の脱落を防止するために、
銅粒子層を覆って薄い銅めっき層を形成する場合もあ
る。これを粗化処理と呼ぶ。
【0004】銅張積層板の製造方法としては、ホットプ
レス法や近時では連続法が採用されている。例えば、ホ
ットプレス法による紙基材フェノール樹脂銅張積層板の
製造を例にとると、フェノール樹脂の合成、紙基材への
フェノール樹脂の含浸及び乾燥を行ってプリプレグを製
造し、最後に、所定数量のプリプレグと銅箔とを組合わ
せ、多段式プレス機により熱圧成形を行い、解板、耳切
りを行い、次工程へと送られる。連続法の場合、片面銅
張積層板及び両面銅張積層板が製造されている。例え
ば、紙基材ポリエステル樹脂銅張積層板の場合、複数個
のロール状原紙から原紙が繰り出され、それぞれ別個に
紙処理、樹脂含浸工程を経て、複数枚の樹脂含浸紙はロ
ール対によって積層される。次いで接着剤塗布工程を経
た銅箔、片面の場合は銅箔とキャリアがラミネートされ
る。この積層およびラミネート工程で製品厚みを制御す
る。次に硬化炉へ送り込まれ、樹脂の硬化反応が起り、
硬化する。硬化後定尺切断、アフターキュアおよび端面
の研磨工程を経て、さらに外観検査、特性検査を実施し
製品となる。片面と両面の相違点は、片面の場合には、
下方よりキャリアフィルムを繰り出し、樹脂硬化後この
キャリアを引き剥がし、巻き取るのに対し、両面の場合
には下方からも接着剤塗布工程を経た銅箔を繰り出す点
であり、他の工程は片面も両面も同等である。その他、
ガラス−エポキシ樹脂基板等に関しても同様の工程で製
造される。
【0005】更に、素子の高集積化につれて、入出力端
子数、すなわちピン数が著しく増加し、加えてデバイス
の小型化、コンパクト化への要求とシステムの高機能化
へのニーズからプリント配線板が多層化へと進展してい
る。多層プリント配線板を製造する場合には、片面及び
/又は両面に銅箔等で回路を形成した内層用の回路板に
プリプレグを介して外層用回路板もしくは銅箔を重ね、
これをプレスにより積層形成して内層用の回路板と外層
用の回路板もしくは銅箔とを樹脂含浸基材による絶縁層
を介して積層することにより製造するのが一般的であ
る。
【0006】多層成形による接着力を向上させるため
に、内層銅箔表面を物理的或いは化学的に処理して銅箔
表面とプリプレグとの接着強度を向上させるための表面
処理が行われ、これは内層粗化処理と呼ばれる。内層粗
化処理として、これまでは黒化処理が主として行われて
きた。黒化処理は、31g/リットルの亜塩酸ナトリウ
ム−15g/リットルの水酸化ナトリウム−12g/リ
ットルのりん酸三ナトリウム溶液もしくは60g/リッ
トルの亜塩酸ナトリウム−8g/リットルの水酸化ナト
リウム−10g/リットルのりん酸三ナトリウム溶液に
代表される黒化処理液を使用して、前者では95℃で2
分間そして後者では95〜98℃で1分間処理して、C
2 O(赤色)、CuO(黒色)を混合物として銅箔表
面に析出させるものである。黒化処理は、量産時の安定
性がよく、接着強度、耐熱性に優れるが、酸、ことに塩
酸によって侵されやすく、酸化膜が溶解される。これを
ハローイング現象といい、接着強度の低下を引き起こ
す。このため、黒化処理を行う場合、食塩タイプのプレ
ディップ・触媒を使用する必要がある。また、処理方法
が不適当であると、粗雑でスポンジ状の酸化膜を生じや
すい。黒化処理は、高温のアルカリ液での処理のため、
エポキシやポリイミド樹脂が膨潤し、内層材が薄い場
合、寸法安定性に影響を与えるので、液濃度、温度、浸
漬時間に注意を要する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】黒化処理の上述した欠
点に鑑み、別の方法として、近年、電解銅箔の両面を処
理したダブルトリート(DT)銅箔の使用が増加してい
る。前述したように、電解銅箔は製造時点で凹凸を有し
ているが、粗化面には、基板との引き剥がし強度向上の
ため電解銅箔の凸部を増強して凹凸を一層大きくする
0.2〜3μm程度の銅粒子を付着させるのが一般的で
あり、銅粒子の脱落を防止するために、銅粒子層を覆っ
て薄い銅めっき層を形成する粗化処理を行っている。ダ
ブルトリート銅箔は、光沢面にも粗化面とほぼ同様の粗
化処理を行ったものである。
【0008】しかしながら、現行のダブルトリート銅箔
は良好な耐熱性が得られず、またエージングにより著し
く変色するという問題が認識された。従って、本発明の
課題は、こうした耐熱性や変色といった問題点のないダ
ブルトリート銅箔、特に多層プリント配線板内層用銅箔
を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、ダブルトリ
ートされる電解銅箔(即ち、原箔)の光沢面にCu−N
i合金又はCu−Co−Ni合金から成る粗化処理層を
設けることにより耐熱性やエージングにおける変色とい
った問題点が著しく低減されうることを見いだした。C
u−Ni合金又はCu−Co−Ni合金から成る粗化処
理層は、圧延銅箔における粗化処理方法としては知られ
ているが、解銅箔の原箔の光沢面に適用されたことは
なかった。また、ダブルトリートされる電解銅箔の粗化
面には、公知の粗化処理がいずれも適用しうるが、Cu
−Zn合金から成る被覆層を設けることが好ましい。更
に、Cr系防錆層を少なくとも一面に更に設けることが
好ましい。
【0010】かくして、本発明は、(1)光沢面にCu
−Ni合金又はCu−Co−Ni合金から成る粗化処理
層を設けたことを特徴とする電解銅箔、(2)粗化面に
Cu−Zn合金から成る被覆層を設けたことを特徴とす
る(1)記載の電解銅箔、及び(3)Cr系防錆層を少
なくとも一面に更に有する(1)又は(2)記載の電解
銅箔を提供するものである。本発明の銅箔は、多層プリ
ント配線板の内層用電解銅箔としての使用に特に適す
る。光沢面の表面粗さが0.05〜0.2μmとするこ
とが好ましい。0.05μm未満では接着力が十分でな
く、0.2μmを超えるとファインパターンの回路が作
りにくくなる。
【0011】
【発明の実施の形態】前述した通り、ダブルトリート
(DT)電解銅箔は、電解銅箔の両面を粗化処理したも
のである。電解銅箔は製造時点でカソード側とは反対の
粗化面で凹凸を有しているが、粗化面には、基板との引
き剥がし強度向上のため電解銅箔の凸部を増強して凹凸
を一層大きくするべく0.2〜3μm程度の銅粒子を付
着させるのが一般的であり、銅粒子の脱落を防止するた
めに、銅粒子層を覆って薄い銅めっき層を形成する粗化
処理を行っている。ダブルトリート電解銅箔は、光沢面
にも粗化面とほぼ同様の粗化処理が行われているのが現
状である。本発明に従えば、電解銅箔の光沢面にCu−
Ni合金又はCu−Co−Ni合金から成る粗化処理層
が形成される。
【0012】本発明における電解銅箔光沢面の粗化処理
としてのCu−Ni合金を形成するための一般的浴は、
次の通りである: (銅−ニッケル合金めっき) Cu:5〜10g/リットル Ni:10〜20g/リットル pH:1〜4 温度:20〜40℃ 電流密度Dk :10〜30A/dm2 時間:2〜5秒 銅−ニッケル合金めっきは、電解めっきにより、付着量
が15〜40mg/dm2 銅−100〜900μg/d
2 ニッケルであるような2元系合金層を形成するよう
に実施される。Ni付着量が100μg/dm2 未満で
あると、耐熱性が悪くなる。他方、Ni付着量が900
μg/dm2 を超えると、エッチング残が多くなる。た
だし、Ni付着量が500μg/dm2 を超えると、エ
ッチング性が低下する傾向がある。すなわち、エッチン
グ残ができたり、エッチングできないというレベルでは
ないが、ファインパターン化が難しくなる。好ましいニ
ッケル付着量は200〜400μg/dm2 である。
【0013】3元系銅−コバルト−ニッケル合金めっき
を形成するための一般的浴及びめっき条件は次の通りで
ある: (銅−コバルト−ニッケル合金めっき) Cu:10〜20g/リットル Co:1〜10g/リットル Ni:1〜10g/リットル pH:1〜4 温度:40〜50℃ 電流密度Dk :20〜30A/dm2 時間:1〜5秒
【0014】銅−コバルト−ニッケル合金めっきは、電
解めっきにより、付着量が15〜40mg/dm2 銅−
100〜3000μg/dm2 コバルト−100〜90
0μg/dm2 ニッケルであるような3元系合金層を形
成するように実施される。Co付着量が100μg/d
2 未満では、耐熱性が悪化し、エッチング性が悪くな
る。Co付着量が3000μg/dm2 を超えると、磁
性の影響を考慮せねばならない場合には好ましくなく、
エッチングシミが生じ、また、耐酸性及び耐薬品性の悪
化が考慮されうる。Ni付着量が100μg/dm2
満であると、耐熱性が悪くなる。他方、Ni付着量が9
00μg/dm2 を超えると、エッチング残が多くな
る。ただし、Ni付着量が500μg/dm2 を超える
と、エッチング性が低下する傾向がある。すなわち、エ
ッチング残ができたり、エッチングできないというレベ
ルではないが、ファインパターン化が難しくなる。好ま
しいCo付着量は2000〜3000μg/dm2 であ
り、そして好ましいニッケル付着量は200〜400μ
g/dm2 である。ここで、エッチングシミとは、塩化
銅でエッチングした場合、Coが溶解せずに残ってしま
うことを意味しそしてエッチング残とは塩化アンモニウ
ムでアルカリエッチングした場合、Niが溶解せずに残
ってしまうことを意味するものである。
【0015】一方、通常、剥離強度を向上させることを
目的に、銅箔の粗化面には、例えば銅または銅酸化物の
瘤状の電着を行う粗化処理が施される。こうした瘤状の
電着はいわゆるヤケ電着により容易にもたらされる。粗
化面への粗化処理を行うための一般浴は次の通りであ
る: (銅−砒素合金めっき) Cu:10〜50g/リットル H2 SO4 :50〜150g/リットル As:1〜10g/リットル 温度:20〜40℃ 電流密度:10〜100A/dm2 時間:1〜5秒 上記の粗化処理を施された粗化面にCu−Zn合金(黄
銅)から成る被覆層を形成する。黄銅めっきの電解条件
は次の通りである: (銅−亜鉛合金めっき) NaCN:10〜30g/リットル NaOH:40〜100g/リットル Cu:60〜120g/リットル Zn:1〜10g/リットル 温度:60〜80℃ 電流密度:1〜10A/dm2 時間:1〜10秒 この場合、樹脂基材に積層した場合に樹脂層のシミがほ
とんどなく、高温加熱後の剥離強度の劣化が少ない等の
特性を低下させることなく、且つ回路浸食現象を完全に
防止するためには、亜鉛含有量が30%以下の黄銅から
なる被覆層を電気量30As/dm2 以上で形成するこ
とが肝要である。電気量が30As/dm2 以上でも亜
鉛含有量が30%を超える場合には回路浸食現象を回避
できず、そして電気量が30As/dm2 未満のときに
は亜鉛の含有量に関係なく、回路浸食現象を完全に防止
することはできない。すなわち、電気量30As/dm
2以上及び亜鉛含有量30%以下という両方の条件を満
足しなければ、回路浸食現象を完全に防止することがで
きない。また、電気量が30As/dm2 以上の場合、
亜鉛含有量の下限については特に制限はないが、回路浸
食現象防止以外の特性(例えば耐熱性等)を考慮に入れ
て総合的に判断すると、亜鉛含有量は15%以上、好ま
しくは20%以上であることが望ましい。
【0016】この後、必要に応じ、銅箔の少なくとも一
面に防錆処理が実施される。本発明において好ましい防
錆処理は、Cr系防錆処理であり、浸漬クロメート処理
や電解クロメート処理を含めてクロム酸化物単独の皮膜
処理或いはクロム酸化物と亜鉛/亜鉛酸化物との混合物
皮膜処理である。クロム酸化物と亜鉛/亜鉛酸化物との
混合物皮膜処理とは、亜鉛塩または酸化亜鉛とクロム酸
塩とを含むめっき浴を用いて電気めっきにより亜鉛また
は酸化亜鉛とクロム酸化物とより成る亜鉛−クロム基混
合物の防錆層を被覆する処理である。めっき浴として
は、代表的には、K2Cr2O7 、Na2Cr2O7等の重クロム酸塩
やCrO3等の少なくとも一種と、水溶性亜鉛塩、例えばZn
O 、ZnSO4 ・7H2O等少なくとも一種と、水酸化アルカリ
との混合水溶液が用いられる。代表的なCr系防錆処理
めっき浴組成と電解条件例は次の通りである: (クロム防錆処理1): K2 Cr27 (或いはNa2 Cr27 、CrO
3 ):0.2〜20g/l 酸:りん酸あるいは硫酸、有機酸 pH:1.0〜3.5 浴温度:20〜40℃ 電流密度:0.1〜0.5A/dm2 時間:10〜60秒 陽極:鉛板、Pt−Ti板、ステンレス鋼板 クロム酸化物付着量はクロム量として50μg /dm2
下で充分であり、好ましくは15〜30μg /dm2 とさ
れる。クロム量が30μg /dm2 を超えると防錆力は向
上するがエッチング性が低下する。 (クロム防錆処理2) K2Cr2O7 (Na2Cr2O7或いはCrO3):2〜10g/リットル NaOH或いはKOH :10〜50g/リットル ZnO 或いはZnSO4 ・7H2O:0.05〜10g/リットル pH:7〜13 浴温:20〜80℃ 電流密度Dk :0.05〜5A/dm2 時間:5〜30秒 アノード:Pt-Ti 板、ステンレス鋼板等 クロム酸化物はクロム量として15μg/dm2 以上そ
して亜鉛は30μg/dm2 以上の被覆量が要求され
る。
【0017】こうして得られた銅箔は、好ましくは、
0.05〜0.2μmの範囲の表面粗さを有するものと
される。0.2μmを超えると接着強度が大きくなるも
のの、エッチング残が発生する等ファインパターン用と
して好ましくない。0.05μm未満の場合には接着強
度が弱くなる。
【0018】本発明による電解銅箔は、優れた耐熱性剥
離強度、耐酸化性及び耐塩酸性を有し、色調は黒であ
る。しかも、銅−コバルト−ニッケル合金めっきの場合
は、CuCl2 エッチング液で150μmピッチ回路巾
以下の印刷回路をエッチングでき、しかもアルカリエッ
チングも可能とする。アルカリエッチング液としては、
例えば、NH4OH:6モル/リットル; NH4Cl:5モル/リッ
トル;CuCl2:2モル/リットル(温度50℃)等の液が
知られている。
【0019】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を呈示する。粗化
面に銅−砒素による粗化処理後、黄銅めっきを施した電
解銅箔(JTC:日鉱グールド・フォイル株式会社製)
の光沢面に対して下記に示す条件範囲で粗化処理を施し
た: (サンプル1:比較例)従来からの砒素を含む例とし
て、硫酸銅(5水塩)100g/l、硫酸100g/l
及び砒酸3g/lを含む水溶液を30℃で電解浴として
使用し、厚さ70μmの電解銅箔の光沢面に電流密度2
0A/dm2 で10秒間めっきした。 (サンプル2:比較例)次の条件で銅めっきを行った: Cu:15g/リットル H2 SO4 :50g/リットル pH:3 温度:30℃ 電流密度Dk :50A/dm2 時間:3秒 (サンプル3:実施例)次の条件でCu−Co−Niめ
っきを行った: Cu:15g/リットル Co:5g/リットル Ni:5g/リットル pH:3 温度:45℃ 電流密度Dk :25A/dm2 時間:3秒 (サンプル4:実施例)次の条件でCu−Niめっきを
行った: Cu:7g/リットル Ni:15g/リットル pH:3 温度:32℃ 電流密度Dk :20A/dm2 時間:3秒
【0020】これらサンプルについて、クロメート防錆
処理後、サンプルをガラスクロス基材エポキシ樹脂板に
積層接着し、剥離強度(kg/cm)、耐熱剥離強度劣
化率(%):180℃×2日間、耐塩酸性劣化率
(%):18容積%塩酸水溶液に室温で1時間浸漬、表
面粗さ、色調、耐酸化性:180℃×30分ベーキング
(目視にて判定)、及び付着量を調べた。
【0021】結果を表1、表2及び表3に示す。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】サンプル1は、粗化作用が強いため剥離強
度が高かったが、耐塩酸性が他に比べて悪い結果となっ
た。また、砒素の使用は環境上好ましくない。サンプル
1及び2は良好な耐熱性は得られず、またエージングに
より著しく変色した。耐熱性の低下は銅が界面に移行
し、エポキシ接着剤を分解するためと推定される。サン
プル3及び4は良好な耐熱性及び耐酸化性を示した。こ
れは、合金化により銅の拡散が抑えられているためと考
えられる。
【0026】
【発明の効果】粗化面側を通常処理した電解銅箔の光沢
面にCu−Ni合金又はCu−Co−Ni合金から成る
粗化処理層を設けることにより、耐熱性及び耐酸化性に
優れた印刷回路用銅箔、特には多層プリント配線板の内
層用電解銅箔としての使用に適した電解銅箔が得られ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−284690(JP,A) 特開 平7−243088(JP,A) 特開 平2−292894(JP,A) 特開 平5−167243(JP,A) 特開 平4−41696(JP,A) 特開 平2−292895(JP,A) 特開 昭54−13971(JP,A) 実開 昭62−70117(JP,U) 特公 昭56−9028(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C25D 1/04 C25D 7/06 H05K 1/09 H05K 3/38 H05K 3/46

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電解銅箔の光沢面にCu−Ni合金又は
    Cu−Co−Ni合金から成る粗化処理層を設けたこと
    を特徴とする電解銅箔であって、該Cu−Ni合金又は
    Cu−Co−Ni合金の層がCu−Ni合金又はCu−
    Co−Ni合金めっき浴から10〜30A/dm 2 の電
    流密度で且つCu−Ni合金めっきの層では15〜40
    mg/dm 2 銅−100〜900μg/dm 2 ニッケル
    の付着量で又はCu−Co−Ni合金めっきの層では1
    5〜40mg/dm 2 銅−100〜3000μg/dm
    2 コバルト−100〜900μg/dm 2 ニッケルの付
    着量でめっきされている電解銅箔。
  2. 【請求項2】 粗化面にCu−Zn合金から成る被覆層
    を設けたことを特徴とする請求項1記載の電解銅箔。
  3. 【請求項3】 Cr系防錆層を少なくとも一面に更に有
    する請求項1又は2記載の電解銅箔。
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