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JP3281107B2 - 投射型表示装置およびそれを用いた照明装置 - Google Patents

投射型表示装置およびそれを用いた照明装置

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JP3281107B2
JP3281107B2 JP11104393A JP11104393A JP3281107B2 JP 3281107 B2 JP3281107 B2 JP 3281107B2 JP 11104393 A JP11104393 A JP 11104393A JP 11104393 A JP11104393 A JP 11104393A JP 3281107 B2 JP3281107 B2 JP 3281107B2
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light
prism
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好晴 大井
常生 若林
成幸 芹澤
嘉之 尊田
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Asahi Glass Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透過散乱型表示素子を
用いた投射型表示装置およびそれを用いた照明装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】図6〜図8に、特開平4−142528
号に記載された発明を従来技術として示す。この発明
は、光源からの光の収束性を改善して光の有効利用を図
った投射型表示素子である。図6は、用いられたプリズ
ム5の各部の形状を示す模式図である。その特徴は、底
面(符号5aおよび5bの部位)の断面の面積が上面
(符号5eの部位)の断面の面積よりも大きく、長尺の
ほぼ円錐台の形状を有していることである。
【0003】図7は、光源系を構成するプリズム5、光
源11a、楕円鏡12、そして第1の絞り17の配置を
示す模式図である。図8はその1つの実施例で、光源系
に、集光用レンズ13、透過散乱型表示素子15、第2
の絞り18、第2の集光用レンズ16、そして投射用レ
ンズ19とが組み合わされて投射表示装置が構成され
た。
【0004】この投射型表示素子の中でプリズム5は、
ほぼ楕円鏡12の第2焦点位置に配置されていた。ま
た、このプリズム5は光軸上に対して細長い形状を有す
るほぼ円錐台状のものである。光源11から発した光
は、楕円鏡12で反射収束せしめられて、プリズム5の
底面から入射される。この場合、図6の符号5a、5b
が入射面にたる。プリズム5に入射した光は、プリズ
ム5の斜面5fで、プリズム5の内部へ全反射せしめら
れて内部に閉じ込められつつ、プリズム5の上面(図6
の符号5eが上面に当たる)に導かれて、上面から出射
されるものであった。
【0005】この発明では、光源11から発射された光
を楕円鏡12を用いて集光し、プリズム5の比較的大き
な面積の底面に入射せしめたため、光源からの集光効率
が高く、明るい表示が可能であった。そして、底面に対
して相対的に小さな面積を有する上面に光が導かれ集光
された後、出射するため、指向性の良い光が得やすくな
った。
【0006】また、楕円鏡12の第2焦点位置に特定の
形状のプリズム5を設けたことで、光源からの発散光を
去できた。つまり、光源が理想的点光源でなく有限の
発光長(フィラメントの長さ等)を有するために、楕円
鏡12の第2焦位置の近傍に到達できずに集光レンズ
13に進行する光、および楕円鏡12を反射せずかつ第
2焦点位置を通過せずに透過散乱型表示素子15に向か
う光を除去でき、投射画像の明暗のコントラスト比を向
上できた。
【0007】しかし、この投射型表示装置においては、
投射用光源系から透過散乱型表示素子15に照射される
光の強度分布の均一性が充分でなかった。なぜなら、プ
リズム5の側面である斜面(図6の符号5f)での全反
射回数が入射光の入射角に応じて異なり、その離散的全
反射回数を反映してプリズム5での出射角度分布が不均
一になりやすく、その結果、透過散乱型表示素子15の
面内の強度分布の不均一性を招たからである。
【0008】また、プリズム5の斜面での反射を積極的
に利用するために、特に斜面の形状の寸法精度を高めて
光学面としての形成を行わなければならなかった。さら
に、比較的長い形状を必要とするためプリズム5の容積
が大きくなってしまった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高輝度の画
面が得られる透過散乱型の表示素子を用いた投射型表示
装置および照明装置において、さらに光源11の光の使
用効率を改良し、また投射画像のコントラスト比と均一
性をさらに改良し、また長尺の形状のプリズムを用いず
に、小型でかつ堅牢な構造にせしめ、さらに投射画像の
部分的光量の調整を達成しようとする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、楕円鏡12の
第1焦点位近傍に光源11が配置されるとともに
円鏡12の第2焦点位近傍にプリズムが配置された
光源系、プリズムを通過した光を収束せしめる集光レ
ンズ13、集光レンズ13を通過した光が入射される
透過散乱型表示素子15、この透過散乱型表示素子1
5を通過した光を投射せしめる投射光学系とを備えた投
射型表示装置において、前記プリズムは、光の出射面の
頂角αが90゜〜175゜である凸錐体状プリズム1ま
たは頂角βが185゜〜270゜の凹錐体状プリズム2
であることを特徴とする第1の投射型表示装置を提供す
る。また、上記の第1の投射型表示装置において、頂角
αまたは頂角βが光軸を含む少なくとも2つの断面にお
いて異なる第2の投射型表示装置を提供する。また、上
記の第1または第2の投射型表示装置において、凸錐体
状プリズム1または凹錐体状プリズム2の光軸に垂直な
少なくとも1つの断面の形状が楕円または長方形であ
る第3の投射型表示装置を提供する。また、上記の第1
〜第3の投射型表示装置のいずれかにおいて、凸錐体状
プリズム1または凹錐体状プリズム2の有効面に対応し
た開口を有する第1の絞り17を備える第4の投射型表
示装置を提供する。また、上記の第1〜第4の投射型表
示装置のいずれかにおいて、投射光学系は、第2の集光
レンズ16と、この第2の集光レンズ16のほぼ焦点位
置に開口部を有する第2の絞り18とを備える第5の投
射型表示装置を提供する。また、上記の第1〜第5の投
射型表示装置のいずれかにおいて、透過散乱型表示素子
15は、電極付き基板間に誘電異方性が正であるネマチ
ック液晶が樹脂マトリクス中に分散保持された液晶樹脂
複合体を有し、かつ樹脂マトリクスの屈折率が用いられ
る液晶の常光屈折率(n0 )と一致せしめられた透過散
乱型表示素子15である第6の投射型表示装置を提供す
る。また、上記の第1〜第6の投射型表示装置のいずれ
かの投射型表示装置を用いたことを特徴とする照明装置
を提供する。
【0011】図1を参照して説明する。基本的な配置構
成は、上述した従来技術とほぼ同様である。本発明で
は、用いるプリズムの形状に最も特徴がある。本発明の
投射光源系は、楕円鏡12と光源11と光透過型の凸錐
体状プリズム1または凹錐体状プリズム2と集光用レン
ズ13とを有する。凸錐体状プリズム1の場合は、その
断面が90゜から175゜までの凸状頂角、凹錐体状
プリズム2の場合は185゜から270゜までの凹状の
頂角をなしている。つまり、光軸を含む断面での形状が
凸型または凹型のプリズムを構成している。その形状お
よび配置については後で詳述する。
【0012】楕円鏡12の第1焦点位置の近傍に光源1
1を配置し、光源11からの光を第2焦点位置近傍に
集光し、ここに配置された凸型または凹型の断面形状を
有する錐体状のプリズムに入射される。そして、このプ
リズムの透過散乱型表示素子15の方向に位置する凸面
または凹面から出射され、ほぼ平行光化された光束とな
る。この、プリズムから出射した光束を第2の集光用レ
ンズ16で集光して、透過散乱型の表示素子15に入射
させるように配置した。
【0013】なお、凸錐体状プリズム1または凹錐体状
プリズム2は、楕円鏡12の第2焦点位置に配置するこ
とが、最も効率が良いが、場合によってはその光軸方向
の前後にずれて配置されることもありうる。厳密には、
光源11の光の配向分布によって最適位置は決まる。
【0014】
【作用】本発明では、楕円鏡12で光源11のかなりの
部分を覆っているので、光源11から出た光の多くが楕
円鏡12の反射により利用でき効率が向上する。さら
に、集光用レンズ13を用いているので、小型の楕円鏡
12ですみ、表示素子の有効面に対応した高価な大型放
物面鏡を用いる必要はなく、投射光源系を小型化でき
る。
【0015】さらに、楕円鏡の第2焦点位置の近傍に、
凸型または凹型の錐体状プリズムを配置している。そし
て、これらの錐体状プリズムの前後に、錐体状プリズム
の有効面以外に到達した光が集光レンズ13に届かない
ように、錐体状プリズムの有効面に対応した開口を有す
る第1の絞り17を設置することが好ましい。実際に
は、錐体状プリズムを保持するホルダーが、絞りの機能
を果たすことになる。円形や、正方形や、楕円形や、長
方形などのように、透過散乱型表示素子15の光学的形
状に合った開口部を有する絞りが望ましい。
【0016】これにより、有限長の光源11と楕円鏡1
2から進行し、第2焦点位置近傍に集光されない光成分
および楕円鏡で反射しなくて第2焦点を通らず直接集光
レンズ13に向かう光成分を除去し、光束を揃えること
ができ、透過散乱型表示素子15が散乱状態のときスク
リーンに到達する不要な光を減少させ、コントラスト比
を向上させることができる。
【0017】特に、透過散乱型表示素子15とスクリー
ンとの間に、散乱光を除去する手段、具体的には第2の
絞り18を設けておくとこの効果は大きい。そして、楕
円鏡12を用いた場合に生じる第2焦点位置での光軸の
なす角度の小さな光成分の不足に起因した透過散乱型表
示素子15の面内光強度分布の不均一性が、光源11お
よび楕円鏡12の形状に応じて頂角αが90゜〜175
゜の凸錐体状プリズム1または頂角βが185゜〜27
0゜の凹錐体状プリズム2を使用することにより、大き
く改善され均一化される。
【0018】光の使用効率および投射スクリーン上での
輝度分布の点で、頂角αは、100゜〜140゜、頂角
βは220゜〜260゜の範囲がより好ましい。
【0019】さらに、凸錐体状プリズム1または凹錐体
状プリズム2と第1の絞り17を通過した光のみが透過
散乱型表示素子15に入射するため光束の指向性がよく
揃うことになる。そして、透過散乱型表示素子15を通
過した透過光から高い効率で散乱光を除去でき、高コン
トラスト比の投射画像を得ることができる。
【0020】さらに、本発明では楕円鏡12の第2焦
位置の近傍に設置された凸錐体状プリズム1または凹錐
体状プリズム2のそれぞれの頂角に応じて、集光用レン
ズ13に入射する光の指向性が調整できるため、透過散
乱型表示素子15が非正方形の場合でも有効に表示素子
面に光を集光できる。
【0021】例えば、縦横比が3:4のNTSCおよび
9:16のハイビジョンに対しては、光軸を含むプリズ
ムの断面において、凸錐体状プリズム1を用いる場合は
縦方向の頂角が横方向(長手方向)の頂角より小さな角
度となるよう、凹錐体状プリズム2を用いる場合には、
縦方向の頂角が横方向の頂角より大きな角度になるよ
う、光軸に垂直な断面での形状が楕円形または長方形で
あるプリズムを用いることにより可能となった。
【0022】また、楕円鏡12の第2焦点位置近傍に
設置された第1の絞り17と散乱光を除去する手段とし
て設置された第2の絞り18との開口度を可変とすれ
、例えば、周囲が暗い際には、周囲からの光によるス
クリーンへの影響は少なく、投射型表示装置による暗い
点も判別できるので、2つの絞りを絞りこんで通過光量
は減っても、コントラスト比は高くなるように調整する
こともでき、コントラスト比が高く見やすい明るさの表
示画像が得られる。
【0023】また、逆に周囲が明るい際には、周囲から
の光がスクリーンに写り込むため、投射型表示装置によ
る投射像の暗部が、ある程度明るく見えてしまうため、
この際には2つの絞りを開けて、投射光量を上げ、スク
リーンを明るくすることにより、コントラスト比を高く
することができ、より見やすくすることができる。
【0024】
【実施例】(実施例1) 図1に、本発明の第1の実施例である投射型表示装置1
0を示す。本実施例では、光源11は楕円鏡12の第
位置に配置され、光源11からでた光は楕円鏡12
で反射され、ほぼ第2焦点位置に設けられた透過型の凸
錐体状プリズム1の入射面に入射し、その内部を光が進
行し、凸面から出射する際に、屈折して光束方位角が変
化し、集光用レンズ13に向かって進行せしめられた。
そして集光用レンズ13でほぼ平行にされた。また、凸
錐体状プリズム1とレンズ13との間に第1の絞り17
が設けられた。
【0025】さらに、光束が揃えられて平行となった光
は、透過散乱型表示素子15を通過して、第2の集光用
レンズ16で集光され、散乱光を除去する手段としての
第2の絞り18により散乱光を除去され、投射用レンズ
19により図示されていないスクリーンに投射された。
【0026】この図1の投射型表示装置10において、
光源11、楕円鏡12、凸錐体状プリズム1、第1の絞
り17で投射用光源系が構成された。そして第2の集光
用レンズ16、第2の絞り18、投射用レンズ19で投
射光学系が構成された。
【0027】光源11としては、放電発光型のメタルハ
ライドランプ、キセノンランプおよびフィラメント発光
型のハロゲンランプ等が通常使用される。これらはいず
れも光源11を構成する電極、管球ガラス、保温膜、フ
ィラメント等の遮光部が存在する。したがって、光源1
1から放出される光は、光軸と平行方位近傍の出射光が
少なくなるため、楕円鏡12からの反射光も光軸と平行
方位近傍の出射光成分が少なくなる
【0028】上述した従来技術では、楕円鏡12の第2
焦点における光軸とのなす角度が約10゜以下の光が不
足し、透過散乱型表示素子15の中心付近に影が生じた
が、凸錐体状プリズム1を用いた本実施例では、出射方
向での界面をなすその凸面での屈折により、出射後の光
束方位角が変化し、光軸とのなす角度が約10゜以下の
光の不足を補い、透過散乱型表示素子15の中心付近
(およそ光軸の近傍)の光強度不均一性が修正され、面
全体でも光強度が均一化された。
【0029】楕円鏡12の第2焦点位置付近において不
足する平行光近傍角度成分は、光源11の遮光部の形状
および楕円鏡12の形状に応じて変わる。したがって、
凸錐体状プリズム1の頂角αの形状は光源11の発光角
度分布、楕円鏡12の形状および必要とする透過散乱型
表示素子15における光強度分布に応じて最適値が存在
する。その原理については後に詳述する。また、本実施
例では、1個の透過散乱型表示素子15としているが、
各色毎に複数個の透過散乱型表示素子15を用いフルカ
ラー表示を行うこともできる。
【0030】本実施例を構成する各部についてさらに説
明する。透過散乱型表示素子15は液晶樹脂分散型の液
晶表示素子を用いたもので、その表示部は対角3. 4イ
ンチ、TFTの開口率は50%で、透過時の光の最大透
過率は38%であった。
【0031】投射用光源系としては、光源11(発光ア
ーク長5mm、250Wのメタルハライドランプ)、楕
円鏡12(第1焦点距離F1 =15mm、第2焦点距離
2=100mm、奥行全長H=50mm、開口直径D
=76.8mm)、凸錐体状プリズム1(頂角120
゜、底面断面直径30mm、高さ12mm、ただし錐体
状のプリズムの傾斜面の高さは8. 66mm)、そして
透過散乱型表示素子15の前に配置される集光用レンズ
13(焦点距離160mmの凸レンズ)を用いた。およ
び、凸錐体状プリズム1の光出射側の凸面に近接して直
径17mmの開口部を有する第1の絞り17(アパーチ
ャ)を用いた。
【0032】投射用光源系の部分拡大図を図2に示す。
光源11aは、その構造のため全方位に光を出射するこ
とができず、特に光軸の方位の光が不足する。図2にお
いてハッチングで示す範囲が光の進行する主な光路であ
り、凸錐体状プリズム1から光源11a側においては光
軸付近に光路がないことが示されている。しかし、凸錐
体状プリズム1を出射した光は、光軸部分を含んでほぼ
一様な光束となって進行していく。
【0033】図1に戻り説明を続ける。凸錐体状プリズ
ム1、および第1の絞り17の開口部を通過した光は、
光軸上で凸錐体状プリズム1から160mm離れた位置
に設けられた集光用レンズ13で平行光化され液晶表示
素子からなる透過散乱型表示素子15に入射した。液晶
表示素子は、誘電異方性が正であるネマチック液晶をカ
プセルに封入したものが用いられた。
【0034】この透過散乱型表示素子15を透過した光
のうち、散乱光の除去のために配置された第2の集光用
レンズ16(焦点距離200mmの凸レンズ)とその焦
点位置に設置された第2の絞り18(開口直径21m
m)を通過した光のみが、投射レンズ19を通してスク
リーン上に液晶表示画像として結像された。
【0035】この投射型表示装置10を用いて、40イ
ンチスクリーンに表示を投射した。この際の暗い室内に
おけるスクリーン上の照度分布(中心、最大、周辺:l
ux)、光束(lm)およびコントラスト比は表1に示
すようになった。また、プリズムを用いずに絞りのみを
用いた投射用光源系の比較例1とプリズムと絞りの両方
を全く用いない投射用光源系の場合の比較例2も同時に
示す。
【0036】
【表1】
【0037】この結果からも明らかなように、本発明に
よれば、投射像の照度分布を均一化するとともに、スク
リーン面内の積算光量である光束をコントラスト比を劣
化させることなく増すことができた。特に、従来技術に
おけるスクリーン中心付近の著しい光量不足(前述した
光軸付近の光量不足)が改善され、スクリーン中心で最
大照度が得られ、大面積表示画面として明るく見やすい
表示となった。
【0038】図3に、凸錐体状プリズム1の拡大断面図
を示す。これは角錐円錐、または入射面に平行な断
面がほぼ楕円である楕円状円錐であり、その光軸に沿
って切った断面はほぼ三角形となる。これらに類似する
形状で光学的に同じ作用を果たすことができればよい。
図3は、楕円鏡12から放射されて進行してきた入射光
Aが、凸錐体状プリズム1の底面1cに入射角度γ1
入射し、出射面1aで主に屈折し(入射光Bは、入射角
度γ2 であり出射面1bで屈折する)、光軸とほぼ平行
化された後、集光用レンズ13へ出射光Cとして放出さ
れる状態を示す。
【0039】凸錐体状プリズム1の頂角αの角度は、光
源11の幾何学的な発光分布、楕円鏡12の形状、集光
レンズ13の焦点距離、透過散乱表示素子15の表示面
の大きさ、および投射光学系の有効Fナンバーなどで最
適の値があった。頂角αの頂点は光軸上に位置し、頂角
αの2等分線は光軸に一致している。
【0040】凸錐体状プリズム1の材質は透光性材料な
らばいずれでもよい。界面反射に伴う光量損失を低減す
るため光の入射面(底面1c)および出射面(凸面1
a、1b)に反射防止膜を形成することが好ましい。不
要な光を表示素子に照射しないために、光学研磨した光
学ガラスの表面に必要な波長域の光を透過し、不要な光
を反射したり吸収するような、例えば可視光を透過し熱
線を反射する赤外線カットフィルター、または紫外線カ
ットフィルターを形成することが好ましい。また、プリ
ズムホルダーが絞りとしての機能を有することがある。
【0041】図4は、凹錘体状プリズム2の拡大断面図
を示している。その頂角βが凹面によって形成される以
外は凸錐体状プリズム1と同様である。頂角βが185
゜から270゜までの範囲であり、凹円錐凹角錐
たは底面に平行な断面の切り口の形状がほぼ楕円とな
る楕円状の凹円錐である。凸錐体状プリズム1と同様
に、底面2cに入射光Dと入射光Eが斜めに入射し(入
射角度γ3 、γ4 )、出射面2a、2bの界面で主に屈
折した後、光軸とほぼ平行に出射光Fとして出射され
る。
【0042】なお、プリズムの錐体部は円錐または正
角錐が加工しやすいが、錐体部の頂角の光軸上での2等
分線に垂直なプリズムの断面は円形または正方形である
必要はなく、楕円形または長方形であってもよい。この
とき、錐体部の頂角の値は1つでなく複数または分布し
た値となるがその範囲は90゜から175゜まで、また
は185゜から270゜までである。また、錐体状プリ
ズムの側面は直線以外の曲面でもよい。つまり、錐体状
プリズムの形は曲面体であってもよい。
【0043】楕円鏡12の第2焦点位置の近傍に配置さ
れた凸錐体状プリズム1または凹錐体状プリズム2は、
2焦点位置近傍に集光された光のみを利用するとと
もに光軸とのなす角度が約10゜以下の光軸付近の光の
不足を補う。この結果、透過散乱型表示素子15の面内
光強度分布を均一化することができ。特に、この凸錐
体状プリズム1の有効面以外からの光集光レンズ13
に到達しないようにまたは遮光されようにすることが
好ましい。このためには黒色の絞りとなるものを配置し
ておくことが好ましい。
【0044】第2焦点位置近傍において、プリズムへ
の入射光束の大きさを規定することとなるプリズム底面
の寸法および絞りの有効面積部の寸法は、光源11の大
きさ、所望の明るさ、コントラスト比等を考慮して定め
ればよい。通常は、図1のように、平行光にする場合に
は、第2焦点位置において光束の大きさを規定するプリ
ズムの有効面積の径または第1の絞り17の開口部の平
均径D1 と集光用レンズ13の焦点距離f1 との比D1
/f1 を0. 04〜0.21にしておくことが好まし
い。
【0045】次に他の構成部について説明する。投射光
源系には、本発明の効果を損しない範囲内でこのほか、
他の平面反射鏡、オプティカルファイバー、ファイバー
アレイプレト、レンズ、冷却系、赤外線カットフィル
ター、紫外線カットフィルター等を組み合わせても用い
てもよい。投射光学系は、従来からの公知のレンズ等の
投射光学系が使用できる。この投射光学系は、透過散乱
型表示素子15から出射してきた光のうち、非散乱透過
光のみをスクリーンに投射し、散乱透過光は除去される
ような構成を持っていればよい。
【0046】最も簡単な構成では、透過散乱型表示素子
15の後に投射用のレンズを設けるのみの構成があり、
必要に応じて集光用のレンズ、反射用の鏡等を併用して
もよい。しかし、このままでは透過散乱型表示素子15
と投射レンズとの距離を長くしないと散乱光を充分に除
去できなく、実用的でないので、散乱光を除去する手段
を設けることが好ましい。
【0047】具体的には、透過散乱型表示素子15を通
過後にいったん透過光を集光し、その焦点位置に第2の
絞り18を設ければよい。この第2の絞り18としても
前記した投射光源系の第1の絞り17と同様の穴の開い
たアパーチャや、小型の鏡等が使用できる。
【0048】アパーチャの場合には、その孔がその開口
部になり、直線透過光(画素部分が透明状態の部分を透
過する光)のみがその孔を透過することができ、小型の
鏡の場合には、その反射面がその開口部になり、直線透
過光のみがその反射面で反射されて通過でき、いずれも
散乱光(画素部分が散乱状態の部分で散乱される光)は
焦点位置にほとんど到達しないので、ほとんど除去さ
れ、本来の画像に必要な直線透過光のみが投射されるこ
とになる。
【0049】この第2の絞りの開口部の径D2 は、所望
の明るさ、コントラスト比等を考慮して定めればよい。
また、それを調整可能にできるように開口部の大きさを
変えれるようにしておくことも好ましい。通常は、図1
のように第2の集光用レンズ16(焦点距離f2 )と第
2の絞り18(開口部の平均径D2 )を用いた場合、そ
の比D2 /f2 は、前述の比D1/f1 に比べて等しい
または大きな値であることが好ましい。
【0050】複数の透過散乱型の表示素子を各色毎に設
けた場合には、図5のようにダイクロイックプリズムや
ダイクロイックミラー等で合成してから投射するように
構成してもよいし、個々に投射してスクリーン上で合成
されるようにしてもよいが、合成してから投射する方が
光軸が一本になるので、小型で携帯を必要とする用途に
おいては有利である。
【0051】なお、散乱光を除去する手段も、透過散乱
型表示素子47A、47B、47Cとスクリーンとの間
に配置されればよいので、図5のように合成後の光路中
に配置されてもよいし、個々の透過散乱型表示素子47
A、47B、47Cの直後に集光レンズとともに配置さ
れて、散乱光を除去した後合成され、投射されるように
されてもよい。
【0052】本発明に用いる透過散乱型の表示素子は、
電圧の印加状態により、透過状態と散乱状態とをとりう
る平面型の表示素子であれば使用できる。具体的には、
DSM(動的散乱モード)の液晶表示素子、液晶が樹脂
マトリクス中に分散保持され、その液晶の屈折率と樹脂
マトリクスの屈折率との一致不一致により透過散乱を制
御する液晶樹脂複合体を用いた液晶表示素子、微細な針
状粒子を溶液に分散さておき、電圧の印加状態により透
過散乱を制御する素子等がある。
【0053】中でも、液晶樹脂複合体を用いた液晶表示
素子は光学的な透過−散乱性能がよく、従来のTN型液
晶表示素子と類似の製造プロセスで製造でき、同じ駆動
用ICを用いて駆動可能なため、使用しやすい。
【0054】液晶樹脂複合体を用いた液晶表示素子の液
晶樹脂複合体は、細かな孔の多数形成された樹脂マトリ
クスとその孔の部分に充填された液晶とからなり、電圧
の印加状態により、液晶の屈折率と樹脂マトリクスの屈
折率が一致したときに光が透過し、一致しないときに散
乱される。
【0055】より好ましくは、誘電異方性が正のネマチ
ック液晶を用い樹脂マトリクスの屈折率が使用する液晶
の常光屈折率(no )とほぼ一致するようにされること
により、電圧を印加したときに高い透過性を示すこと、
および、電極のない画素間の部分が散乱状態になってい
る(スクリーンに投射した際に黒くなる)ため、画素間
に遮光膜を設けなくても投射画像のコントラスト比が高
くなるので好ましい。
【0056】この細かな孔の多数形成された樹脂マトリ
クスとその孔の部分に充填された液晶とからなる液晶樹
脂複合体は、マイクロカプセルのような液泡内に液晶が
封じ込められたような構造であるが、個々のマイクロカ
プセルが完全に独立していなくてもよく、多孔質体のよ
うに個々の液晶の液泡が細隙を介して連通していてもよ
い。
【0057】この液晶樹脂複合体は、液晶と樹脂マトリ
クスを構成する材料とを混ぜ合わせて溶液状またはラテ
ックス状にしておいて、これを光硬化、熱硬化、溶媒除
去による硬化、反応硬化等させて樹脂マトリクスを分離
し、樹脂マトリクス中に液晶が分散した状態をとるよう
にすればよい。
【0058】特に、使用する樹脂、光硬化タイプまた
は熱硬化タイプにする、密閉系内で硬化できるため好
ましく、さらに中でも、光硬化タイプの樹脂が、熱によ
る影響を受けなく、短時間で硬化させることができ好ま
しい。
【0059】より具体的には、光硬化ビニル系樹脂の使
用が好ましく、光硬化性アクリル系樹脂が例示され、特
に、光照射によって重合硬化するアクリルオリゴマーを
含有するものが好ましい。具体的な製法としては、従来
の通常のTN型液晶表示素子と同様にシール材を用いて
セルを形成し、注入口から液と樹脂マトリクスとの
硬化混合物を注入し、注入口を封止して後に、光照射を
するか加熱して硬化させることもできる。
【0060】また、電極付基板上に液晶と樹脂マトリ
クスとの未硬化混合物を供給し、その後、もう一枚の電
極付基板を重ねて、光照射等により硬化させることも
できる。この未硬化混合物に、基板間隙制御用のセラミ
ック粒子、プラスチック粒子、ガラス繊維等のスペーサ
ー、顔料、色素、粘度調整剤、その他本発明の性能に悪
影響を与えない添加剤を添加してもよい。
【0061】このような素子の場合、この硬化工程の際
に特定の部分のみに充分高い電圧を印加した状態で硬化
させることにより、その部分を常に光透過状態にするこ
とができるので、固定表示したいものがある場合には、
そのような常透過部分を形成してもよい。
【0062】このような液晶樹脂複合体を使用した液晶
表示素子の応答時間は、電圧印加の立ち上りが3〜50
msec程度、電圧除去の立ち下がり10〜80mse
c程度であり、従来のTN型液晶表示素子よりも速く、
その電圧−透過率の電気光学特性も階調表示のための駆
動に好適である。液晶樹脂複合体中の動作可能な液晶の
体積分率ξは、無電界時の散乱性の点からξ>20%が
好ましく、ξ>35%がより好ましい。一方ξがあまり
大きくなると、液晶樹脂複合体の構造安定性が悪くなる
ため、ξ<70%が好ましい。
【0063】このような液晶樹脂複合体を電極付基板
で挟持して用いる。この液晶樹脂複合体を用いた液晶表
示素子は、マルチプレックス駆動特性はよくないので、
画素数の多い液晶表示素子とする場合には、各画素に能
動素子を配置する。の透過散乱型表示素子の場合に
も、必要に応じて能動素子を配置する。この能動素子と
してTFT(薄膜トランジスタ)等の3端子素子を使用
する場合、他方の電極付基板は全画素共通のベタ電
極を設ければよいが、MIM素子、PINダイオード等
の2端子素子を用いる場合には、他方の電極付基板は
ストライプ状のパターニングをされる。
【0064】また、能動素子として、TFTを用いる場
合には、半導体材料としてはシリコンが好適である。特
に多結晶シリコンは、非結晶シリコンのように感光性が
ないため、光源からの光を遮光膜により遮光しなくても
誤動作しなく、好ましい。非結晶シリコンを用いる場合
には、遮光膜を併用する。
【0065】また、電極は通常は透明電極とされるが、
反射型の液晶表示素子として使用する場合には、クロ
ム、アルミニウム等の反射電極としてもよい。投射型表
示装置は、通常は前述のように透過散乱型表示素子を透
過型として使用し、別置したスクリーンに投射するよう
にされる。この場合、前面投射型(観察者が投射型表示
装置側に位置して見る)であっても、背面投射型(観察
者が投射型表示装置と反対側に位置して見る)であって
もよい。
【0066】また、反射電極を用いたまたは素子の裏側
に反射層を設けた反射型の液晶表示素子を用い、出射光
を入射側に導き出して投射する反射型の投射型表示装置
とすることもできる。この透過散乱型表示素子として、
全面ベタ電極の透過散乱型表示素子簡単な電極パター
ニングをした透過散乱型表示素子を用いることにより
本発明の投射型表示装置照明装置として用いることが
できる。
【0067】例えば、図1の装置自体をそのような構成
とし、壁、天井等に埋め込んで配置しておくことによ
り、高速で色を変化させずに調光することができる。ま
た、図1または図5の装置自体をそのような構成とし、
壁、天井等に埋め込んで配置しておくことにより、高速
で色を変化させずに調光したり、または、色を変化させ
つつ調光したりすることができる。
【0068】(実施例2) 図5のように、ダイクロイックミラー51、53、5
4、56と金属ミラー52,55を用いて、光源系から
の光をRGB3色に分離し、各色毎に実施例1と同様の
液晶表示素子からなる透過散乱型表示素子47A、47
B、47Cを配置して、さらに透過散乱型示素子の前
は後に集光用のレンズ46A、46B、46Cを配置
して、集光しつつダイクロイックミラーで合成して、そ
の焦点位置に配置した絞りと投射用のレンズ(図示を省
略してある)によりスクリーンに投射した。
【0069】ただし、液晶からなる透過散乱型表示素子
47A、47B、47Cの表示部の形状は縦横比がハイ
ビジョン仕様である9:16の長方形とし、凸錐体状プ
リズム1はその底面形状が縦横比9:16の楕円形で横
方向の頂角が120゜となるようにした。また、PS偏
光による色純度の劣化を低減するために、液晶表示素子
である透過散乱型表示素子47A、47B、47Cにカ
ラーフィルターを併用することが好ましかった。
【0070】この結果、表示部の形状は縦横比がハイビ
ジョン仕様である9:16の長方形の場合でも、周辺で
の光損失は抑えられて、かつ実施例1と同程度のスクリ
ーン面内照度分布均一性が得られた。次に、本発明の特
徴である凸錐体状プリズム1または凹錐体状プリズム2
の形状と角度についてさらに説明する。
【0071】実際の錐体状プリズムは、3次元構造体で
あるが、錐体状プリズムの回転中心軸(通常は、投射表
示装置の光軸と一致する)を含む平面内で光の進行を考
えればよい。図9に、光が左方からプリズム体に入射さ
れ、入射面と出射面で屈折して透過出射される様子を示
す。この場合、入射角γの入射光がプリズム体で屈折さ
れ透過後、光路Lを進行するが、光路Lは光軸に平行で
あるものとする。
【0072】図9において、γ:プリズム体への入射
角、x:入射面側での屈折角、y:出射面側での出射面
に対するプリズム内部での入射角、α:凸部の頂角(α
の2等分線は、光軸と平行とする、理想的には一致す
る。)、β:凹部の頂角(α+β=360°であ
る。)、n:プリズム体の屈折率を示す。
【0073】このとき、スネルの法則等により、つぎの
ようになる。
【0074】
【数1】
【0075】そして、数2の関係が成立する。
【0076】
【数2】
【0077】この数2中で、物理的な特性値は用いる材
料によって決まる。表2はホウケイ酸ガラス、プラスチ
ックの場合のデータ、表3はフリントガラスの場合のデ
ータを示す。γは入射角度であり、αはプリズム体の凸
部の頂角の角度を示す。
【0078】
【表2】
【0079】
【表3】
【0080】楕円鏡12を集光源とし、その第1焦点
に光源11を設け、楕円鏡12の反射面で収束せしめ
られ第2焦点位の近傍に集光させられた光は、そこに
配置された錐体状プリズムに入射される。この場合図1
0に示すように光源系において、数3の関係にあり、実
用的な光源の発光管球径は=10〜30mmであり図中
に示すDの値も近似した範囲にある。
【0081】
【数3】
【0082】また、実用的な楕円鏡12の第2焦点距離
2 は、50〜200mm程度である。したがって、数
3からγは、およそ3°〜30°となる。実用的には、
γの値は小さく抑えた方が好ましいとともに、D=30
mmとF2 =50mmの組み合わせでも決まるγ=30
°の場合は実際的ではない。
【0083】表2と表3に示す、入射角γとαの関係か
ら、凸錐体状プリズム1の場合の頂角αの値90°〜
175°の範囲が適切であることがわかる。凹錐体状プ
リズム2の場合の頂角βの値は185°〜270°の範
囲が適切であることがわかる。
【0084】(実施例3) 実施例1の投射用光源系の代わりに、楕円鏡12(第
点距離F1 =20mm、第2焦点距離F2 =105m
m、奥行全長H=50mm、開口直径D=90mm、ラ
ンプ導入用穴径11mm)、凸錐体状プリズム1(頂角
114°、底面の断面直径30mm、高さ12mm、た
だし錐体状のプリズムの傾斜面の高さは9.74m
m)、そして透過散乱型表示素子15の前に配置される
集光用レンズ13(焦点距離169mmの両凸レンズ)
を用いた。
【0085】凸錐体状プリズム1の底面および凸面には
可視光の波長帯域用の反射防止膜を形成した。また、集
光用レンズ13は、BK7をガラス材とする焦点距離1
000mmの平凸レンズと焦点距離200mmの平凸レ
ンズとを用意し、有機材質の紫外線吸収フィルムを2種
の平凸レンズの平坦面側を対向させてその間に挟み、光
学接着剤で接着して作製し、焦点距離1000mmの平
凸レンズを光入射側に、焦点距離200mmの平凸レン
ズを光出射側に配置した。
【0086】このような構成および配置とすることによ
り、球面単レンズの収差が低減されるとともに、紫外線
吸収フィルムと空気との界面がなくなり界面反射に伴う
光利用効率の低下(約8%)が解消された。さらに、凸
錐体状プリズム1の光出射側の凸面に近接して直径1
7.7mmの開口部を有する第1の絞り17(アパーチ
ャ)を用いた。他の構成は実施例1と同様とした。
【0087】その結果、実施例1の場合に比較して、ス
クリーン投射光束が約10%増大した。このとき、25
0W、発光長5mmのメタルハライドランプの発光分布
測定に基づいて3次元発光体モデルを作成し、液晶表示
素子が透明状態の場合において、光線追跡法により、ス
クリーンに到達する光束およびスクリーン上での光量分
布を計算した。変数として、楕円鏡12の形状(第1焦
点距離F1 と第2焦点距離F2 の比F2 /F1 )、凸錐
体状プリズム1の頂角αおよび集光レンズ13の焦点距
離F L を選んだ。
【0088】また、楕円鏡12の第1焦点距離F1 は1
0〜30mm程度とし、奥行全長HをH=2・(F1
2 )とした。液晶表示素子の表示部が縦横比3:4の
場合について、各表示部の対角寸法に対して計算した結
果、表4に示す範囲において良好なスクリーン光束が得
られることがわかった。ただし、表示部の対角10イン
チの液晶表示素子については、F L =400mmの場合
についての結果を示す。
【0089】
【表4】
【0090】
【発明の効果】本発明の投射型表示装置では、光源11
から出射された光を楕円鏡12を用いて集光しているた
め、集光効率が高く、明るい表示ができる。また、その
2焦点位置の近傍に特定の形状の凸錐体状プリズム1
または凹錐体状プリズム2を設けて、発散光を除去して
いるため、楕円鏡12で反射して第2の焦点位置を通過
せずに透過散乱型表示素子15に向かう光を除去でき、
投射画像のコントラスト比を向上できた。
【0091】また、頂角αが90゜から175゜まで
凸錐体状プリズム1または頂角βが185゜から270
までの凹錐体状プリズム2としたので、遮光部を有す
る光源11と楕円鏡12を用いた場合に生じる楕円鏡1
2の第2焦点位置における光軸と平行な光成分の不足に
起因した透過散乱型表示素子15の面内光強度分布の不
均一性が著しく改善され、投射像の光量を多く取りなが
ら、特に中心部の照度均一性が優れた、明るく、高コン
トラスト比の投射表示装置を得ることができた。また、
高性能の照明装置として用いることができた。
【0092】本発明では、楕円鏡12の第2焦点位置
近傍に設置された凸錐体状プリズム1または凹錐体状プ
リズム2のそれぞれの頂角に応じて、集光用レンズ13
に入射する光の指向性が調整できるため、透過散乱型表
示素子15が非正方形の場合でも有効に表示素子面に光
を集光できた。
【0093】本発明は、このほか、本発明の効果を損し
ない範囲内で種々の応用が可能である。例えば、線光源
と、これに対応して光の出射方向に平行な断面が楕円
である長尺の形状を有する反射鏡を用い、さらに一方向
に長尺である凹凸面を備えた錐体状プリズムと透過散乱
型表示素子を組み合わせることによって光プリンタ用の
シャッタアレイが構成できる。この場合には、高コント
ラストのプリント像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の投射型表示装置の実施例1の構成を示
すブロック図。
【図2】本発明の光源系および透過型プリズムの構成を
示すブロック図。
【図3】本発明の凸錐体状プリズムを示す概念図。
【図4】本発明の凹錐体状プリズムを示す概念図。
【図5】実施例2を示すブロック図。
【図6】従来例におけるプリズムの概念図。
【図7】従来例における光源系を示す部分ブロック図。
【図8】従来例における投射表示装置を示すブロック
図。
【図9】プリズム体への光の入射、屈折、出射を示す模
式図。
【図10】本発明における光源系での幾何学的関係を示
す模式図。
【符号の説明】
1:凸錐体状プリズム 2:凹錐体状プリズム 11:光源 12:楕円鏡 15:透過散乱型表示素子 13:集光レンズ 19:投射用レンズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 審査官 藤岡 善行 (56)参考文献 特開 平4−142528(JP,A) 特開 平4−249234(JP,A) 特開 平3−266824(JP,A) 特開 昭63−298217(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/13357 G02F 1/13 G02F 1/1334

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】楕円鏡(12)の第1焦点位近傍に光
    源(11)が配置されるとともに楕円鏡(12)の第2
    点位近傍にプリズムが配置された光源系、プリ
    ズムを通過した光を収束せしめる集光レンズ(13)
    、集光レンズ(13)を通過した光が入射される透過
    散乱型表示素子(15)、この透過散乱型表示素子
    (15)を通過した光を投射せしめる投射光学系とを備
    えた投射型表示装置において、 前記プリズムは、光の出射面の頂角αが90゜〜175
    ゜である凸錐体状プリズム(1)または頂角βが185
    ゜〜270゜の凹錐体状プリズム(2)であることを特
    徴とする投射型表示装置。
  2. 【請求項2】角αまたは頂角βが光軸を含む少なくと
    も2つの断面において異なる請求項1記載の投射型表示
    装置。
  3. 【請求項3】錐体状プリズム(1)または凹錐体状プ
    リズム(2)の光軸に垂直な少なくとも1つの断面の形
    状が楕円または長方形である請求項1または2記載の
    投射型表示装置。
  4. 【請求項4】錐体状プリズム(1)または凹錐体状プ
    リズム(2)の有効面に対応した開口を有する第1の絞
    り(17)を備える請求項1〜3いずれか1項記載の
    射型表示装置。
  5. 【請求項5】射光学系は、第2の集光レンズ(16)
    と、この第2の集光レンズ(16)のほぼ焦点位置に開
    口部を有する第2の絞り(18)とを備える請求項1〜
    4いずれか1項記載の投射型表示装置。
  6. 【請求項6】過散乱型表示素子(15)は、電極付き
    基板間に誘電異方性が正であるネマチック液晶が樹脂マ
    トリクス中に分散保持された液晶樹脂複合体を有し、か
    つ樹脂マトリクスの屈折率が用いられる液晶の常光屈折
    率(n0 )と一致せしめられた透過散乱型表示素子(1
    5)である請求項1〜5いずれか1項記載の投射型表示
    装置。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれか1項記載の投射型
    表示装置を用いたことを特徴とする照明装置。
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