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JP3274695B2 - 平面型トランス - Google Patents

平面型トランス

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JP3274695B2
JP3274695B2 JP30077291A JP30077291A JP3274695B2 JP 3274695 B2 JP3274695 B2 JP 3274695B2 JP 30077291 A JP30077291 A JP 30077291A JP 30077291 A JP30077291 A JP 30077291A JP 3274695 B2 JP3274695 B2 JP 3274695B2
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JP
Japan
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layer
magnetic
coil pattern
conductor
insulating
Prior art date
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JP30077291A
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English (en)
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JPH05135951A (ja
Inventor
嘉浩 谷川
正彦 天野
慶一 水口
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Publication date
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  • Coils Of Transformers For General Uses (AREA)
  • Coils Or Transformers For Communication (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主としてTV放送周波
数等の高周波領域において、バラン、分配回路、分岐回
路等に用いられる平面型トランスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、TV放送周波数等の高周波領
域において、伝送線路型トランス、バラン、分配トラン
ス、分岐トランスなど各種のトランスが用いられてい
る。
【0003】伝送線路型トランスT1は、図11に示す
ように、入力端子INから入力された信号を反転して出
力端子OUTから送出するものであって、図12(a)
(b)に示すように、ビーズ型、トロイダル型などと称
する円筒状のコア11に巻線12を挿通する形で巻装し
て構成されている。
【0004】バランは、不平衡線路と平衡線路とを接続
する装置であって、たとえば、75Ωの同軸ケーブルと
300Ωの平衡型ケーブルとを接続するバランは、図1
3に示すように、巻比が1:1のトランスT21,T2
2を2個用いて入出力間のインピーダンス比が1:4に
なるように構成される。このようなトランスT21,T
22は、図14に示すように、一対の貫通孔13を有す
るめがね型と称するコア11に巻線12を巻装して構成
される。
【0005】分配回路は、図15に示すように、入力端
子INより入力された信号を分配トランスT3によって
等分に分配し、2つの出力端子OUT1,OUT2から
それぞれ均等に出力を送出するものである。分配トラン
スT3は、図16に示すように伝送線路トランスと同様
のビーズ型と称するコア11に巻線12を巻装して構成
される。
【0006】分岐回路は、たとえば図17に示すよう
に、巻線n1,n2および巻線n3,n4の巻比がそれ
ぞれ1:3になるように構成された分岐トランスT4を
用いて、入力端子INから入力された信号を出力端子O
UTおよび分岐出力端子BOUTより送出するように構
成される。分岐トランスT4は、図18に示すようにバ
ランと同様のめがね型と称するコア11に巻線12を巻
装して構成される。
【0007】上述した各トランスは、いずれも貫通孔を
形成したコア11に巻線12を挿通する形で巻装して構
成されているものであって、コア11が筒状でありかさ
ばるものであるから、全体形状が比較的大きなものにな
るという問題が生じる。また、コア11内に巻線12を
挿通するから巻線12を巻く作業を機械化するのが難し
いという問題があり、さらに、巻線12のコア11に対
する位置ずれが生じやすく特性にばらつきが多いという
問題がある。
【0008】このような問題を解決するために、図19
に示すように、コアとして機能する3枚の磁性体層1
a,1b,1cを積層し、中央の磁性体層1cの表裏両
面に積層した導電体層2a,2bにそれぞれコイルパタ
ーンを形成することが考えられている。両コイルパター
ンは磁気的に結合されるように配置されており、このコ
イルパターンが巻線として機能するのである。このよう
に形成された平面型トランスは、コイルパターンが磁性
体層1cに固定され、かつ磁性体層1a,1b,1cが
積層されるから、コイルパターンと磁性体層1a,1
b,1cとの位置ずれがなく、また、コイルパターンの
磁性体層1cに対する位置や寸法は印刷配線技術などに
よって精密に管理することが可能であるから、特性が安
定するという利点を有している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
成の平面型トランスでは、両コイルパターンの対向部位
間に磁性体が存在するものであるから、各コイルパタ
ーンの周囲に生じる磁束の一部は相互に鎖交せずに両コ
イルパターンの対向部位の間で磁性体層1cの中を通る
ことになる。このような磁束が存在すると、結合係数が
小さくなり、伝送損失が大きくなるという問題が生じ
る。すなわち、図19に示した構成の従来の平面型トラ
ンスでは、伝送損失が大きく実用に向かないという問題
がある。
【0010】本発明は上記問題点の解決を目的とするも
のであり、小型かつ製造が容易であって、特性が安定し
ているのはもちろんのこと、結合係数を大きくとること
ができて伝送損失の少ない平面型トランスを提供しよう
とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、上記
目的を達成するために、一つの平面にコイルパターン
を形成した第1の導電体層と、他の一つの平面内に他の
コイルパターンを形成した第2の導電体層とを両コイル
パターンが対向して磁気的に結合するように配置した平
面型トランスにおいて、基板の上に積層した磁性体ペー
ストにより形成された第1の磁性体層と、第1の磁性体
層の上に積層した非磁性体の絶縁材料により形成された
絶縁層と、絶縁層の上に積層した磁性体ペーストにより
形成された第2の磁性体層とを備え、第1の導電体層は
第1の磁性体層の上に積層されるとともに絶縁層に埋設
され、第2の導電体層は絶縁層の上に積層されるととも
第2の磁性体層に埋設され、第1の導電体層および第
2の導電体層におけるコイルパターンの対向部位の間
は磁性体を設けていないことを特徴とする。
【0012】請求項2の発明は、一つの平面内にコイル
パターンを形成した第1の導電体層と、他の一つの平面
内に他のコイルパターンを形成した第2の導電体層とを
両コイルパターンが対向して磁気的に結合するように配
置した平面型トランスにおいて、第1の導電体層のコイ
ルパターンが一面に被着された板状の第1の磁性体層
と、第2の導電体層のコイルパターンが一面に被着され
た板状の第2の磁性体層と、第1の導電体層と第2の導
電体層との間に介装された非磁性体の絶縁材料よりなる
絶縁層とを備え、第1の導電体層および第2の導電体層
におけるコイルパターンの対向部位の間には磁性体を設
けていないことを特徴とする。
【0013】請求項3の発明は、一つの平面内にコイル
パターンを形成した第1の導電体層と、他の一つの平面
内に他のコイルパターンを形成した第2の導電体層とを
両コ イルパターンが対向して磁気的に結合するように配
置した平面型トランスにおいて、第1の導電体層のコイ
ルパターンが一面に被着された板状の第1の磁性体層
と、第1の磁性体層において第1の導電体層が形成され
た上記一面に第1の導電体層を埋設する形で積層した非
磁性体の絶縁材料により形成された絶縁層と、絶縁層の
上に積層された第2の導電体層を絶縁層との間に挟む第
2の磁性体層とを備え、第1の導電体層および第2の導
電体層のコイルパターンの対向部位の間には磁性体を設
けていないことを特徴とする。
【0014】請求項4の発明は、請求項1ないし請求項
3の発明において、第1の磁性体層と第2の磁性体層と
の少なくとも一方に形成した貫通孔を通して、第1の導
電体層および第2の導電体層のコイルパターンの端末を
外部線路に接続可能とするように引き出している。
【0015】請求項5の発明は、請求項1ないし請求項
4の発明において、第1の導電体層および第2に導電体
層のコイルパターンの対向部位を除く少なくとも一部の
絶縁層は磁性体により形成されている。
【0016】請求項6の発明は、一つの平面にコイル
パターンを形成した第1の導電体層と、他の一つの平面
内に他のコイルパターンを形成した第2の導電体層とを
両コイルパターンが対向して磁気的に結合するように配
置した平面型トランスにおいて、第1の導電体層および
第2の導電体層のコイルパターンの対向部位の間を空隙
として磁性体を設けていないことを特徴とする。
【0017】請求項7の発明は、請求項6の発明におい
て、第1の導電体層のコイルパターンが一面に被着され
た板状の第1の磁性体層と、第2の導電体層のコイルパ
ターンが一面に被着された板状の第2の磁性体層とを、
第1の導電体層および第2の導電体層のコイルパターン
の対向部位とは異なる部位に設けたスペーサを介して対
向させ、第1の磁性体層と第2の磁性体層とは絶縁性を
有する磁性体材料により形成されている。
【0018】請求項8の発明は、請求項6の発明におい
て、表裏の一面に絶縁材料よりなる第1の絶縁層を介し
て第1の導電体層を積層し他面に絶縁材料よりなる第1
の基板を積層した第1の磁性体層と、表裏の一面に絶縁
材料よりなる第2の絶縁層を介して第2の導電体層を積
層し他面に絶縁材料よりなる第2の基板を積層した第2
の磁性体層とを、第1の導電体層および第2の導電体層
のコイルパターンの対向部位とは異なる部位に設けたス
ペーサを介して対向させている。
【0019】請求項9の発明では、請求項7または請求
項8の発明において、スペーサを磁性体としているので
ある
【0020】
【作用】上述した各請求項に係る発明に共通する構成と
して、第1の導電体層と第2の導電体層とを磁性体層の
間に配置するとともに、第1の導電体層と第2の導電体
層とのコイルパターンの対向部位の間には磁性体を設け
ていないので、平面型トランスとしては従来構成と同様
に、コイルパターンを印刷配線技術などによって精密に
形成することができて、高周波帯域での特性のばらつき
を少なくすることができるのはもちろんのこと、両コイ
ルパターンの対向部位の間を通る磁束が少なくなり、結
合係数が大きくなって伝送損失を低減できるのである。
しかも、両コイルパターンの対向部位の間には磁性体が
存在しないから、磁性体の内部でのコア損が少なく、こ
のことによっても伝送損失を低減できるのである
【0021】請求項1の構成によれば、磁性体層が磁性
体ペーストによって形成されているから、製造が容易に
なる。ここに、第1の導電体層を第1の磁性体層の上に
積層した形で絶縁層に埋設し、第2の導電体層を絶縁層
の上に積層した形で第2の磁性体層に埋設した構成を採
用したことにより、第1および第2の導電体層はそれぞ
れ第1および第2の磁性体層に隙間なく密着することと
なって自己インダクタンスが大きくターン数を少なくす
ることができるから、結果的に浮遊容量が少なく高周波
用に適したトランスを提供することが可能であり、かつ
トランスの小型化につながる。
【0022】請求項2の構成によれば、第1および第2
の第2の導電体層のコイルパターンがそれぞれ板状の第
1および第2の磁性体層の一面に被着されているので、
積層作業が容易になる。しかも、絶縁層としてシート状
の絶縁材料などを用いることができ、絶縁層の厚み寸法
の管理が容易になって、特性を一層安定化することがで
きる。
【0023】請求項3の構成によれば、第1の導電体層
のコイルパターンが板状の第1の磁性体層の一面に被着
され、第1の導電体層が第1の磁性体層に積層するよう
に形成された絶縁層に埋設され、絶縁層の上に積層され
た第2の導電体層を第2の磁性体層が絶縁層との間に挟
むから、両導電体層の位置関係を精密に管理する場合に
有利である。
【0024】請求項4の構成によれば、コイルパターン
を跨ぐ線路を用いることなく各コイルパターンの端末を
外部線路に接続することができる。
【0025】請求項5の構成によれば、第1の導電体層
および第2に導電体層のコイルパターンの対向部位を除
く少なくとも一部の絶縁層を磁性体により形成している
ので、第1の磁性体層と第2の磁性体層との間に磁性体
による磁路が形成されることになり磁気効率が高くなっ
て、伝送損失を一層低減できる。
【0026】請求項6の構成によれば、両導電体層のコ
イルパターンの対向部位の間を空隙としているので、両
コイルパターンの間の比誘電率がほぼ1になり、両コイ
ルパターンの間が絶縁材料で満たされている場合に比較
して浮遊容量を低減でき、浮遊容量による高周波的な短
絡状態を防止できるのである。
【0027】請求項7、8の構成によれば、両導電体層
のコイルパターンの対向部位の間を除く部位にスペーサ
を配設しているので、両導電体層の間に空隙を形成する
支持 材を設けたことにより浮遊容量を低減できる効果が
得られる。
【0028】請求項9の構成によれば、両導電体層のコ
イルパターンの対向部位の間を除く部位に磁性体のスペ
ーサを配設しているので、コイルパターンの周囲に形成
される磁束を通す磁路の磁気抵抗が小さくなり、伝送損
失を低減できるのである。また、このスペーサは、両導
電体層の間に空隙を形成する支持材として兼用されてい
るから、少数の部品で磁気効率を高める効果と、浮遊容
量を低減できる効果とが得られるのである
【0029】
【実施例】(実施例1) 図1に示すように、ガラス基板である基板4の表面に磁
性体ペーストを塗布することにより第1の磁性体層1a
が形成される。第1の磁性体層1aの上には、コイルパ
ターンを形成した第1の導電体層2aが積層される。ま
た、第1の磁性体層1aの上には、絶縁材料よりなる絶
縁層3が積層され、絶縁層3の中に第1の導電体層2a
が埋設されることになる。絶縁層3の上には、コイルパ
ターンを形成した第2の導電体層2bが積層される。さ
らに、絶縁層3の上には磁性体ペーストを塗布すること
によって第2の磁性体層1bが積層され、第2の磁性体
層1bの中に第2の導電体層2bが埋設されることにな
る。第1の導電体層2aおよび第2の導電体層2bに形
成するコイルパターンの形状としてはリング状、渦巻き
状、蛇行状など各種形状が考えられるが、ここでは渦巻
き状を採用しているものとする。この場合、第1の導電
体層2aおよび第2の導電体層2bに形成された各コイ
ルパターンの一端は、第1の磁性体層1aまたは第2の
磁性体層1bと絶縁層3との間から基板4の上に引き出
され、コイルパーンの他端は、渦巻きの中心部付近で第
2の磁性体層1bおよび絶縁層3に貫通孔(図示せず)
を形成することによって、スルーホールメッキ法やワイ
ヤボンディング法を用いて外部に引き出される。
【0030】磁性体ペーストとしては、たとえば、絶縁
性を有するフェライトペーストを採用することによっ
て、第1の磁性体層1aと第1の導電体層2a、第2の
磁性体層1bと第2の導電体層2bがそれぞれ直接に接
触していても、コイルパターン内での短絡が生じないよ
うにしてある。絶縁層3は、たとえば、ポリイミドなど
の高分子コーティング材料を塗布したり、SiO2 等を
蒸着したりすることによって形成される。
【0031】以上の構成によれば、第1の導電体層2a
は第1の磁性体層1aに近接し、また、第2の導電体層
2bは第2の磁性体層1bに近接しているから、図2に
示すように、第1の導電体層2aおよび第2の導電体層
2bの周囲に生じる磁束φの磁束密度は、第1の磁性体
層1aおよび第2の磁性体層1bの中では高くなる。ま
た、第1の導電体層2aのコイルパターンと第2の導電
体層2bのコイルパターンとの対向部位の間には磁性体
が介在しないから、上記磁束φの大部分は、第1の導電
体層2aのコイルパターンと第2の導電体層2bのコイ
ルパターンとの対向部位の間を通ることなく他方の磁性
体層1a,1bに到達する。その結果、両コイルパター
ンに鎖交しない磁束φ1 はほとんど生じないのであり、
結合係数が大きくなるのであって、伝送損失を従来より
も低減することができるのである。とくに、自己インダ
クタンスが大きい場合には、上記磁束φのうちで両コイ
ルパターンを通らない磁束φ1 が磁性体層1a,1bの
複素透磁率の損失項(コア損)によって伝送損失を増大
させることになるが、従来構成に比較すればこのような
磁束φ1 が少ないとともに、磁性体層1a,1bの中を
通る長さが半分以下になっているから、コア損の影響が
少なくなって伝送損失を低減できるのである。
【0032】このような構造の平面型トランスは、伝送
線路トランス、フロートバラン、インピーダンス変換バ
ラン、分岐トランス、分配トランス、パルストランス等
として用いることができる。
【0033】(実施例2) 上記実施例では、第1の磁性体層1aと第2の磁性体層
1bとが絶縁材料よりなる絶縁層3を介して完全に分離
されていたが、本実施例では、図3に示すように、絶縁
層3の一部を磁性体によって形成しているものである。
すなわち、絶縁層3のうちで第1の導電体層2aと第2
の導電体層2bとのコイルパターンの対向部位の間を除
く部位を磁性体によって形成しているのである。
【0034】絶縁層3をこのような形状に形成するに
は、実施例1と同様に絶縁材料によって絶縁層3を形成
した後に絶縁層3の所要箇所を除去したり、あらかじめ
所要箇所を除いて絶縁材料の絶縁層3を形成したりした
後に、磁性体ペーストを塗布して第2の磁性体層1bと
同時に絶縁層3の一部を磁性体とすればよい。このよう
に絶縁層3の一部を磁性体によって形成することによっ
て、第1の磁性体層1aと第2の磁性体層1bとが、絶
縁層3に入り込んだ磁性体を介して磁気的に結合される
ことになる。その結果、第1の導電体層2aおよび第2
の導電体層2bのコイルパターンの周囲に形成される磁
束に対して、閉磁路に近い磁路が形成されることにな
り、インダクタンスが増大するのである。他の構成は実
施例1と同様である。
【0035】(実施例3) 上記各実施例では、第1の磁性体層1aおよび第2の磁
性体層1bをそれぞれ磁性体ペーストによって形成して
いたが、本実施例では、図4に示すように、各磁性体層
1a,1bをそれぞれ絶縁性を有する磁性体材料の板材
によって形成し、また、絶縁層3をシート状の絶縁材料
によって形成する。
【0036】すなわち、板状である各磁性体層1a,1
bの一面にコイルパターンを形成した導電体層2a,2
bがそれぞれ被着されているのであって、両導電体層2
a,2bが絶縁層3を介して対向するようにして、両磁
性体層1a,1bを対向させているのである。各導電体
層2a,2bのコイルパターンは、実施例1と同様に印
刷やエッチングによって形成すればよい。各磁性体層1
a,1bとしては、フェライトの薄板やグリーンシート
が用いられる。各導電体層2a,2bのコイルパターン
の一端は、磁性体層1a,1bに貫通孔(図示せず)を
形成し、スルーホールメッキ法によって外部に引き出さ
れる。また、コイルパターンの他端は、磁性体層1a,
1bの側部に設けた端子に接続される。この構成では、
各磁性体層1a,1b、絶縁層3の厚み寸法を管理しや
すく、とくに安定した特性が得られるものである。他の
構成は実施例1と同様である。
【0037】(実施例4) 本実施例では、図5に示すように、コイルパターンを形
成した導電体層2a,2bを被着した板状の磁性体層1
a,1bを用いて形成されるものであって、第1の磁性
体層1aの上に第1の導電体層2aを埋設する形で絶縁
層3を形成した後に、第2の磁性体層1bを絶縁層3の
上に積層して形成される。絶縁層3は、ポリイミドなど
の高分子コーティング材を塗布したり、SiO2 を蒸着
したりすることによって形成される。他の構成は実施例
3と同様である。
【0038】(実施例5) 本実施例では、図6に示すように、コイルパターンを有
する第1の導電体層2aが一面に被着された板状の第1
の磁性体層1aに、第1の導電体層2aを埋設する形で
絶縁層3を積層し、この絶縁層3の上に第2の導電体層
2bを積層しているのであって、第2の導電体層2bを
絶縁層3との間に挟むように、板状の第2の磁性体層1
bが積層される。他の構成は実施例1と同様である。
【0039】(実施例6) 本実施例では、図7に示すように、実施例5の構成に対
して、両導電体層2a,2bのコイルパターンの対向
位の間を除く部位の絶縁層3を磁性体ペーストよりなる
磁性体部3′として形成したものである。
【0040】絶縁層3をこのような形状に形成するに
は、実施例5と同様に絶縁材料によって絶縁層3を形成
した後に絶縁層3の所要箇所を除去したり、あらかじめ
所要箇所を除いて絶縁材料の絶縁層3を形成したりした
後に、絶縁材料を設けていない部位に磁性体部3′を形
成すればよい。磁性体部3′を形成する方法としては、
磁性体材料をスパッタリングによって蒸着した後にエッ
チングを施して所要形状の磁性体部3′を形成したり、
所要形状のマスキングを施した状態でスパッタリングに
よって磁性体材料を被着すればよい。このように絶縁層
3の一部を磁性体によって形成することによって、第1
の磁性体層1aと第2の磁性体層1bとが、絶縁層3の
磁性体を介して磁気的に結合されることになる。その結
果、第1の導電体層2aおよび第2の導電体層2bのコ
イルパターンの周囲に形成される磁束に対して、閉磁路
に近い磁路が形成されることになり、インダクタンスが
増大するのである。他の構成は実施例5と同様である。
【0041】(実施例7) 本実施例は、図8に示すように、導電体層2a,2bを
空隙を挟んで配置したものである。各導電体層2a,2
bは、それぞれ絶縁性を有する磁性体材料よりなる磁性
体層1a,1bに積層されている。各磁性体層1a,1
bは厚み寸法が比較的大きく十分な強度を有している。
両磁性体層1a,1bの間で、両導電体層2a,2bの
コイルパターンの対向部位の間を除く部位であって渦巻
きの内側と外側とには、それぞれ磁性体により形成され
たスペーサ5a,5bが配設される。ここにおいて、コ
イルパターンは図9のように渦巻き状に形成され、渦巻
きの中心部には上述した構成の積層体の厚み方向に貫通
する貫通孔6が形成されている。渦巻きの内側に配置さ
れる第1のスペーサ5aは略コ形に形成され、第1のス
ペーサ5aの開口部分を通して第1の導電体層2aおよ
び第2の導電体層2bの一端部が貫通孔6に臨み、貫通
孔6を通して外部線路に接続可能となっている。渦巻き
の外側に配置される第2のスペーサ5bは一部を切欠し
た矩形状に形成され、この切欠部分を通して第1の導電
体層2aおよび第2の導電体層2bの他端部が、積層体
の側部に引き出されて外部線路に接続可能となる。
【0042】上述のように、第1の導電体層2aと第2
の導電体層2bとの対向部位の間を空隙とすることによ
って、この部分の比誘電率をほぼ1にすることができ、
第1の導電体層2aと第2の導電体層2bとの間に存在
する浮遊容量を、比誘電率が1よりも大きい絶縁材料で
満たされている場合よりも小さくすることができる。ま
た、スペーサ5a,5bを磁性体によって形成している
ので、両磁性体層1a,1bの間の磁気抵抗が小さくな
り、各導電体層2a,2bのコイルパターンの周囲に形
成される磁束が閉磁路に近い経路を通ることになる。そ
の結果、結合係数を大きくすることができ、伝送損失を
低減できるのである。ここに、磁性体層1a,1b、ス
ペーサ5a,5bには、たとえばフェライトを用いるこ
とができるが、絶縁性を有する磁性体材料であれば他の
磁性体材料を用いてもよい。また、コイルパターンにつ
いても渦巻き状に限定されるものではない。
【0043】(実施例8) 本実施例は、図10に示すように、実施例7の構成に対
して、各磁性体層1a,1bと各導電体層2a,2bと
の間にそれぞれ絶縁材料よりなる絶縁層3a,3bを介
装し、また、各磁性体層1a,1bは絶縁材料よりなる
基板4a,4bによってそれぞれ裏打ちした点が相違し
ている。このような構成を採用することによって、磁性
体層1a,1bを形成する磁性体材料として絶縁性のな
い磁性体材料でも用いることができ、また、基板4a,
4bによって強度を確保することができる。したがっ
て、磁性体層1a,1bとしてパーマロイの薄板などを
用いることができ、スペーサ5a,5bにもパーマロイ
などを用いることができる。一方、絶縁層3a,3bや
基板4a,4bにはガラスなどを用いることができる。
ここに、磁性体層1a,1b、スペーサ5a,5bに
は、パーマロイ以外の磁性体材料を用いることができる
のはいうまでもない。他の構成は実施例7と同様であ
る。
【0044】
【発明の効果】請求項1の発明は、基板の上に積層した
磁性体ペーストにより形成された第1の磁性体層と、第
1の磁性体層の上に積層した非磁性体の絶縁材料により
形成された絶縁層と、絶縁層の上に積層した磁性体ペー
ストにより形成された第2の磁性体層とを備え、第1の
導電体層は第1の磁性体層の上に積層されるとともに
縁層に埋設され、第2の導電体層は絶縁層の上に積層
れるとともに第2の磁性体層に埋設され第1の導電体
層および第2の導電体層におけるコイルパターンの対向
部位の間には磁性体を設けていないので、磁性体層が磁
性体ペーストによって形成されていることにより、製
が容易になる。ここに、第1の導電体層を第1の磁性体
層の上に積層した形で絶縁層に埋設し、第2の導電体層
を絶縁層の上に積層した形で第2の磁性体層に埋設した
構成を採用したことにより、第1および第2の導電体層
はそれぞれ第1および第2の磁性体層に隙間なく密着す
ることとなって自己インダクタンスが大きくターン数を
少なくすることができるから、結果的に浮遊容量が少な
く高周波用に適したトランスを提供することが可能であ
り、かつトランスの小型化につながる。
【0045】請求項2の発明は、第1および第2の第2
の導電体層のコイルパターンがそれぞれ板状の第1およ
び第2の磁性体層の一面に被着されているので、積層作
業が容易になる。しかも、絶縁層としてシート状の絶縁
材料などを用いることができ、絶縁層の厚み寸法の管理
が容易になって、特性を一層安定化することができる。
【0046】請求項3の発明は、第1の導電体層のコイ
ルパターンが板状の第1の磁性体層の一面に被着され、
第1の導電体層が第1の磁性体層に積層するように形成
された絶縁層に埋設され、絶縁層の上に積層された第2
の導電体層を第2の磁性体層が絶縁層との間に挟むか
ら、両導電体層の位置関係を精密に管理する場合に有利
である。
【0047】請求項4の発明は、コイルパターンを跨ぐ
線路を用いることなく各コイルパターンの端末を外部線
路に接続することができる。
【0048】請求項5の発明は、第1の導電体層および
第2に導電体層のコイルパターンの対向部位を除く少な
くとも一部の絶縁層を磁性体により形成しているので、
第1の磁性体層と第2の磁性体層との間に磁性体による
磁路が形成されることになり磁気効率が高くなって、伝
送損失を一層低減できる。
【0049】請求項6の発明は、両導電体層のコイルパ
ターンの対向部位の間を空隙としているので、両コイル
パターンの間の比誘電率がほぼ1になり、両コイルパタ
ーンの間が絶縁材料で満たされている場合に比較して浮
遊容量を低減でき、浮遊容量による高周波的な短絡状態
を防止できるのである。
【0050】請求項7、8の発明は、両導電体層のコイ
ルパターンの対向部位の間を除く部位にスペーサを配設
しているので、両導電体層の間に空隙を形成する支持材
を設けたことにより浮遊容量を低減できる効果が得られ
る。
【0051】請求項9の発明は、両導電体層のコイルパ
ターンの対向部位の間を除く部位に磁性体のスペーサを
配設しているので、コイルパターンの周囲に形成される
磁束を通す磁路の磁気抵抗が小さくなり、伝送損失を低
減できるのである。また、このスペーサは、両導電体層
の間に空隙を形成する支持材として兼用されているか
ら、少数の部品で磁気効率を高める効果と、浮遊容量を
低減できる効果とが得られるという利点を有するのであ
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1を示す断面図である。
【図2】実施例1の動作説明図である。
【図3】実施例2を示す断面図である。
【図4】実施例3を示す分解断面図である。
【図5】実施例4を示す分解断面図である。
【図6】実施例5を示す分解断面図である。
【図7】実施例6を示す断面図である。
【図8】実施例7を示す断面図である。
【図9】実施例7を示す平面図である。
【図10】実施例8を示す断面図である。
【図11】伝送線路トランスを示す回路図である。
【図12】(a)(b)はそれぞれ従来の伝送線路トラ
ンスを示す斜視図である。
【図13】バランを示す回路図である。
【図14】従来のバランを示す斜視図である。
【図15】分配回路を示す回路図である。
【図16】従来の分配トランスを示す斜視図である。
【図17】分岐回路を示す回路図である。
【図18】従来の分岐トランスを示す斜視図である。
【図19】従来の平面型トランスを示す分解斜視図であ
る。
【符号の説明】
1a 磁性体層 1b 磁性体層 2a 導電体層 2b 導電体層 3 絶縁層3′ 磁性体部 3a 絶縁層 3b 絶縁層 4 基板 4a 基板 4b 基板 5a スペーサ 5b スペーサ 6 貫通孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−171705(JP,A) 特開 平1−151212(JP,A) 実開 昭49−68621(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 19/00 H01F 17/00 H01F 27/28

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一つの平面にコイルパターンを形成し
    た第1の導電体層と、他の一つの平面内に他のコイルパ
    ターンを形成した第2の導電体層とを両コイルパターン
    が対向して磁気的に結合するように配置した平面型トラ
    ンスにおいて、板の上に積層した磁性体ペーストによ
    り形成された第1の磁性体層と、第1の磁性体層の上に
    積層した非磁性体の絶縁材料により形成された絶縁層
    と、絶縁層の上に積層した磁性体ペーストにより形成さ
    れた第2の磁性体層とを備え、第1の導電体層は第1の
    磁性体層の上に積層されるとともに絶縁層に埋設され、
    第2の導電体層は絶縁層の上に積層されるとともに第2
    の磁性体層に埋設され第1の導電体層および第2の導
    電体層におけるコイルパターンの対向部位の間には磁性
    体を設けていないことを特徴とする平面型トランス。
  2. 【請求項2】 一つの平面内にコイルパターンを形成し
    た第1の導電体層と、他の一つの平面内に他のコイルパ
    ターンを形成した第2の導電体層とを両コイルパターン
    が対向して磁気的に結合するように配置した平面型トラ
    ンスにおいて、第1の導電体層のコイルパターンが一面
    に被着された板状の第1の磁性体層と、第2の導電体層
    のコイルパターンが一面に被着された板状の第2の磁性
    体層と、第1の導電体層と第2の導電体層との間に介装
    された非磁性体の絶縁材料よりなる絶縁層とを備え、第
    1の導電体層および第2の導電体層におけるコイルパタ
    ーンの対向部位の間には磁性体を設けていないことを特
    徴とする平面型トランス。
  3. 【請求項3】 一つの平面内にコイルパターンを形成し
    た第1の導電体層と、他の一つの平面内に他のコイルパ
    ターンを形成した第2の導電体層とを両コイルパターン
    が対向して磁気的に結合するように配置した平面型トラ
    ンスにおいて、第1の導電体層のコイルパターンが一面
    に被着された板状の第1の磁性体層と、第1の磁性体層
    において第1の導電体層が形成された上記一面に第1の
    導電体層を埋設する形で積層した非磁性体の絶縁材料に
    より形成された絶縁層と、絶縁層の上に積層された第2
    の導電体層を絶縁層との間に挟む第2の磁性体層とを備
    え、第1の導電体層および第2の導電体層のコイルパタ
    ーンの対向部位の間には磁性体を設けていないことを特
    徴とする平面型トランス。
  4. 【請求項4】 第1の磁性体層と第2の磁性体層との少
    なくとも一方に形成した貫通孔を通して、第1の導電体
    層および第2の導電体層のコイルパターンの端末を外部
    線路に接続可能とするように引き出すことを特徴とする
    請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の平面型
    トランス。
  5. 【請求項5】 第1の導電体層および第2に導電体層の
    コイルパターンの対向部位を除く少なくとも一部の絶縁
    層は磁性体により形成されていることを特徴とする請求
    項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の平面型トラ
    ンス。
  6. 【請求項6】 一つの平面にコイルパターンを形成し
    た第1の導電体層と、他の一つの平面内に他のコイルパ
    ターンを形成した第2の導電体層とを両コイルパターン
    が対向して磁気的に結合するように配置した平面型トラ
    ンスにおいて、第1の導電体層および第2の導電体層
    コイルパターンの対向部位の間を空隙として磁性体を設
    けていないことを特徴とする平面型トランス。
  7. 【請求項7】 第1の導電体層のコイルパターンが一面
    に被着された板状の第1の磁性体層と、第2の導電体層
    のコイルパターンが一面に被着された板状の第2の磁性
    体層とを、第1の導電体層および第2の導電体層のコイ
    ルパターンの対向部位とは異なる部位に設けたスペーサ
    を介して対向させ、第1の磁性体層と第2の磁性体層と
    は絶縁性を有する磁性体材料により形成されていること
    を特徴とする請求項6記載の平面型トランス。
  8. 【請求項8】 表裏の一面に絶縁材料よりなる第1の絶
    縁層を介して第1の導電体層を積層し他面に絶縁材料よ
    りなる第1の基板を積層した第1の磁性体層と、表裏の
    一面に絶縁材料よりなる第2の絶縁層を介して第2の導
    電体層を積層し他面に絶縁材料よりなる第2の基板を積
    層した第2の磁性体層とを、第1の導電体層および第2
    の導電体層のコイルパターンの対向部位とは異なる部位
    に設けたスペーサを介して対向させたことを特徴とする
    請求項6記載の平面型トランス。
  9. 【請求項9】 スペーサが磁性体であることを特徴とす
    る請求項7または請求項8記載の平面型トランス。
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