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JP3269751B2 - 内燃機関制御装置 - Google Patents

内燃機関制御装置

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JP3269751B2
JP3269751B2 JP15574795A JP15574795A JP3269751B2 JP 3269751 B2 JP3269751 B2 JP 3269751B2 JP 15574795 A JP15574795 A JP 15574795A JP 15574795 A JP15574795 A JP 15574795A JP 3269751 B2 JP3269751 B2 JP 3269751B2
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Japan
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combustion engine
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purge
fuel ratio
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正義 早坂
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Hitachi Automotive Systems Engineering Co Ltd
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Hitachi Ltd
Hitachi Car Engineering Co Ltd
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  • Supplying Secondary Fuel Or The Like To Fuel, Air Or Fuel-Air Mixtures (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関の制御装置に係
り、特に燃料蒸気を内燃機関の吸気系に供給する際に、
運転性や排気ガス成分の悪化を防止する制御装置を提供
するものである。
【0002】
【従来の技術】環境保護の見地から、車両の排気ガス成
分に対する規制が強化される一方、燃料蒸気を大気に排
出することなく内燃機関で燃焼させることが義務づけら
れている。一般的には、燃料タンクで発生した燃料蒸気
を活性炭に一旦吸着させ、その活性炭から離脱した燃料
蒸気を吸気系に供給することで対応している。ところ
が、実際の燃料蒸気の濃度は一定ではないため、内燃機
関の吸気系に供給される燃料蒸気量を制御することは困
難であり、その結果空燃比制御性が悪く、運転性や排気
ガス成分の悪化の一因ともなっていた。
【0003】そこで、燃料蒸気量を検出して、空燃比を
正確に制御する方法が提案されている。
【0004】例えば、特開平4−234553 号[従来の技術
(1)]では燃料タンクから蒸発して吸気系へ供給され
る燃料蒸気の重量を、キャニスタに供給される空気量
と、キャニスタからエンジンの吸気系に供給される空気
と燃料蒸気との合算量から算出することにより、空燃比
を正確に制御する方法が提案されている。
【0005】また、その燃料蒸気を吸気系に供給する際
にパージ制御弁の開度を適宜制御する方法が提案されて
いる。例えば、特開平4−358750 号[従来の技術
(2)]ではエンジンの運転状態に応じた目標燃料蒸気
流量と燃料蒸気流量検出値とを比較し、該比較結果に応
じてパージ制御弁の開度を制御し、かつ検出した燃料蒸
気濃度に応じてパージ制御弁の開閉速度を変更する方法
が提案されている。また、特開平2−245461 号[従来の
技術(3)]では、空燃比センサの検出空燃比が目標値
よりもリーンにある時パージ制御弁の開度を段階的に増
大させる方法が提案されている。
【0006】さらに、燃料蒸気を吸気系に供給する際に
空燃比制御を適宜制御する方法が提案されている。例え
ば、特開昭62−131962号[従来の技術(4)]では、予
め、空燃比変動の殆ど生じない程度のパージを行い、そ
れによる空燃比制御の補正係数からパージを多くした時
の該補正係数を予測して、実際のパージ量を多くした時
に同期してその予測値を前記補正係数に使用することに
よってパージ量が多くとも空燃比の変動を抑える方法が
提案されている。また、特開昭63−71536 号,特開昭62
−139941号,実開昭63−190541号[従来の技術(5)]
では、キャニスタからのパージ実行中又はパージ開始後
所定時間内は、空燃比フィードバック制御の制御ゲイン
を大きくする様にした方法が提案されている。
【0007】一方、いかにパージ制御を精密にしようと
も、その配管系に目詰まりや損傷があっては燃料蒸気を
正常に内燃機関に供給し、燃焼させることはできない。
そこで、例えば特表平6−502006号[従来の技術
(6)]や特開平5−272417号[従来の技術(7)]で
は配管系の一部を加圧し、その圧力状態によって配管系
の異常を検出する方法が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の技術(1)
に関しては実際の燃料蒸気流量を検出することによって
正確に制御しようという案である。しかしこれは、キャ
ニスタに供給される空気量と、キャニスタからエンジン
の吸気系に供給される空気と燃料蒸気との合算量とを求
めるために多数のセンサを追加しなければならず、コス
トアップを招き好ましくない。
【0009】従来の技術(2)に関しては、エンジンの
運転状態は時々刻々変化するものであり、過渡時におい
ては瞬時にして大きく変化するため目標燃料蒸気流量は
急変する一方、パージ流量はキャニスタと吸気系とを結
ぶ細管の通気抵抗や、キャニスタに蓄積された燃料蒸気
の離脱速度の関係からエンジン運転状態に比較して緩や
かに変化するため、一時的に前記目標値と前記検出値が
ずれてしまい、正確な制御ができないという問題があ
る。
【0010】従来の技術(3)に関しては、本提案によ
れば結果的に検出空燃比に応じてパージ制御弁の開弁速
度が変更されることになるが、あくまで検出空燃比に対
しての動きであるため、例えば燃料蒸気が殆ど発生して
いない場合においても検出空燃比の動きに応じてパージ
制御弁を徐々に開弁することになる。このため、パージ
制御弁の開度が少ない状態にある時間が平均的に増加す
ることになり、結果として平均パージ量は減少し、無用
に燃料蒸気をキャニスタに蓄える結果となる問題があ
る。
【0011】また燃料蒸気が多量に発生している場合、
空燃比センサ出力がリーンにある時もパージ制御弁を徐
々に開弁するので、その間中にも燃料蒸気がその濃度に
関わらず内燃機関の吸気系に供給されるため、空燃比は
リッチ側にオーバーシュートするという問題の解決には
触れられていない。
【0012】さらに、各気筒への空燃比分配の悪化等に
より空燃比センサの波形が高周波数に乱れた場合、目的
とする動きが得られないという問題がある。
【0013】一方、空燃比センサが常にリーンを示すよ
うに故障した場合、本方法では実空燃比とは無関係にパ
ージ制御弁を開弁制御してしまうため、好ましくない。
【0014】従来の技術(4)に関しては、運転状態や
エバポ蓄積残量が時々刻々変化するために、パージ量の
少ない時の空燃比制御の制御量からパージ量の多い時の
該係数を予測しても正確な制御値を得ることは困難であ
るという問題がある。
【0015】従来の技術(5)に関しては、燃料蒸気量
とは無関係に空燃比制御速度を上げているので、空燃比
を正確に制御することは困難であるという問題がある。
【0016】従来の技術(6)及び(7)に関しては、
加圧してパージ配管系の異常を検知する優れた案である
が、その加圧状態から復帰し、燃料蒸気を内燃機関に供
給し始めるとき加圧された燃料蒸気が一気に内燃機関に
供給され、その結果運転性や排気成分の悪化を招くとい
う問題の解決に関しては、触れられていない。
【0017】また、従来の技術(7)に関しては、加圧
されたパージ配管系の圧力の動向を圧力スイッチにて検
出する診断装置を提供する、簡素でかつ優れた案である
が、すなわち、該スイッチが正常に動作できる状態であ
ることが保証されていない限り正しく診断はできないと
いう問題がある。
【0018】例えばパージ配管系が加圧された状態のま
まエンジンを停止し、パージ制御弁も閉じられたままの
場合、正常な配管系では良好な機密性のために該正圧は
解放されることはない。その状態で次回診断を開始しよ
うとすると、残存正圧によって該スイッチは始動当初か
ら高圧側を示したままとなり、従ってスイッチが正常な
のかどうかの判断が不可能になり、パージ配管系の診断
も正常に行えないという問題がある。すなわち、通常の
診断手順は実行できないわけであり、診断手順等を変更
するか、或いは残存正圧を予め低減する必要がある。
【0019】また、その加圧を何時実行するか、という
問題がある。すなわち、前述のとおり前記パージ配管系
への加圧は前記パージ制御弁を閉弁した状態で行うた
め、通常にパージ制御を行っている間に加圧を行おうと
すると、わざわざそのためにパージ制御弁を閉じなけれ
ばならない。それでは、前記キャニスタに蓄えられた燃
料蒸気をパージする機会を減少させることになり好まし
くない、という問題がある。
【0020】一方、前記パージ制御弁を付勢して、その
際のパージ配管系内の圧力状態から前記パージ配管系の
導通状態を診断する際、閉弁時加圧状態にあった前記パ
ージ制御弁は燃料蒸気の成分付着により弁自体が粘着し
易くなり、付勢してもしばらく弁動作が妨げられ易いと
いう問題がある。また、パージ配管系の全長が長い場合
その通気抵抗のため、たとえパージ制御弁が正常に動作
を開始してもしばらくは正圧が残存し易いという問題が
ある。これらの問題のため、前記パージ弁を付勢してか
らしばらくの間は、導通状態がないものと誤判定し易い
という問題がある。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記各課題を解決するた
め手段のそれぞれの態様としては、次に示す通りであ
る。
【0022】燃料タンクと、燃料蒸気を蓄えるキャニス
タと、前記燃料タンクから前記キャニスタを経て内燃機
関の吸気系に通じるパージ配管系と、該パージ配管系中
に設置されたパージ制御弁に作用し、前記内燃機関に供
給される燃料蒸気の量を制御するパージ制御手段と、該
内燃機関の運転状態を検出する内燃機関運転状態検出手
段と、該運転状態に応じて内燃機関を制御する内燃機関
制御手段と、該内燃機関に供給される燃料混合気の空燃
比を検出する空燃比検出手段と、該空燃比検出結果に応
じて該空燃比を目標空燃比に制御する空燃比制御手段
と、を有する内燃機関の制御装置において、前記キャニ
スタに蓄積された燃料蒸気蓄積量、或いは前記キャニス
タから離脱し前記内燃機関に供給される供給燃料蒸気量
をパージ制御弁が開弁状態にあって、かつ、前記内燃機
関が所定の運転状態にある時に前記空燃比制御手段の制
御量の固定値からの偏差を用いて算出する、第一の算出
手段と、 前記所定の運転状態にない時には、前記燃料蒸
気蓄積量、或いは前記供給燃料蒸気量を、前記第一の算
出手段とは別に、前記パージ制御手段の制御量,内燃機
関運転状態検出値及び内燃機関の運転状態継続状態のう
ち、少なくともいずれか一つに応じて算出される第二の
算出手段と、 前記第一,第二の算出手段が機能不能の状
態である算出機能不能状態検出手段と、 該状態から復帰
して前記第一,第二の算出手段が機能する状態である算
出機能状態検出手段と、 前記算出機能不能状態に前記燃
料タンクと前記キャニスタと前記パージ配管系の環境状
況を推定、或いは検知する周囲状況検知手段と、 前記算
出機能状態の開始時に、前記算出機能不能状態における
前記環境状況に応じて、前記第一,第二の算出手段によ
る算出値、或いは燃料蒸気量の少なくと もいずれかを所
定値に設定するか、或いは補正することを特徴とする内
燃機関制御装置によって達成される。 また、燃料タンク
と、 燃料蒸気を蓄えるキャニスタと、 前記燃料タンクか
ら前記キャニスタを経て内燃機関の吸気系に通じるパー
ジ配管系と、 該パージ配管系中に設置されたパージ制御
弁に作用し、前記内燃機関に供給される燃料蒸気の量を
制御するパージ制御手段と、 該内燃機関の運転状態を検
出する内燃機関運転状態検出手段と、 該運転状態に応じ
て内燃機関を制御する内燃機関制御手段と、 該内燃機関
に供給される燃料混合気の空燃比を検出する空燃比検出
手段と、 該空燃比検出結果に応じて該空燃比を目標空燃
比に制御する空燃比制御手段と、を有する内燃機関の制
御装置において、 前記キャニスタに蓄積された燃料蒸気
蓄積量、或いは前記キャニスタから離脱し前記内燃機関
に供給される供給燃料蒸気量をパージ制御弁が開弁状態
にあって、かつ、前記内燃機関が所定の運転状態にある
時に前記空燃比制御手段の制御量の固定値からの偏差を
用いて算出する、第一の算出手段と、 前記所定の運転状
態にない時には、前記燃料蒸気蓄積量、或いは前記供給
燃料蒸気量を、前記第一の算出手段とは別に、前記パー
ジ制御手段の制御量,内燃機関運転状態検出値及び内燃
機関の運転状態継続状態のうち、少なくともいずれか一
つに応じて算出される第二の算出手段と、 前記内燃機関
運転状態検出手段の故障,前記空燃比検出手段の故障の
いずれかを検出するセンサ類故障診断手段、 前記内燃機
関制御手段,前記空燃比制御手段のいずれかが制御可能
範囲の限界値に到達したことを検出する制御限界到達検
出手段のいずれかを少なくとも一つ以上持ち、 前記セン
サ類故障診断手段、或いは前記制御限界到達検出手段の
いずれかが、故障或いは制御限界であることを検出した
時、 前記第一,第二の算出手段の実行を停止し、 前記燃
料蒸気量を別に定める所定値に設定すること、を特徴と
する内燃機関制御装置によっても達成される。 また、燃
料タンクと、 燃料蒸気を蓄えるキャニスタと、 前記燃料
タンクから前記キャニスタを経て内燃機関の吸気系に通
じるパージ配管系と、 該パージ配管系中に設置されたパ
ージ制御弁に作用し、前記内燃機関に供給される燃料蒸
気の量を制御するパージ制御手段と、 該内燃機関の運転
状態を検出する内燃機関運転状態検出手段と、 該運転状
態に応じて内燃機関を制御する内燃機関制御手段と、
内燃機関に供給される燃料混合気の空燃比を検出する空
燃比検出手段と、 該空燃比検出結果に応じて該空燃比を
目標空燃比に制御する空燃比制御手段と、を有する内燃
機関の制御装置において、 前記キャニスタに蓄積された
燃料蒸気蓄積量、或いは前記キャニスタから離脱し前記
内燃機関に供給される供給燃料蒸気量をパージ制御弁が
開弁状態にあって、かつ、前記内燃機関が所定の運転状
態にある時に前記空燃比制御手段の制御量の固定値から
の偏差を用いて算出する、第一の算出手段と、 前記所定
の運転状態にない時には、前記燃料蒸気蓄積量、或いは
前記供給燃料蒸気量を、前記第一の算出手段とは別に、
前記パージ制御手段の制御量,内燃機関運転状態検出値
及び内燃機関の運転状態継続状態のうち、少なくともい
ずれか一つに応じて算出される第二の算出手段と、 燃料
蒸気の発生量に影響を及ぼす前記燃料タンク,前記キャ
ニスタ,前記パージ配管系の環境状況パラメータ及び燃
料状態パラメータ、のいずれかを少なくとも一つ以上を
検出する手段を持ち、該検出結果に応じて、 前記第一,
第二の算出手段の実行に制限を設けること、 或いは、
記第一,第二の算出結果、或いは前記燃料蒸気量の少な
くともいずれかに補 正を加えることを特徴とする内燃機
関制御装置によっても達成される。
【0023】
【0024】又は、燃料タンクと、燃料蒸気を蓄えるキ
ャニスタと、前記燃料タンクから前記キャニスタを経て
内燃機関の吸気系に通じるパージ配管系と、該パージ配
管系中に設置されたパージ制御弁に作用し、前記内燃機
関に供給される燃料蒸気の量を制御するパージ制御手段
と、該内燃機関の運転状態を検出する内燃機関運転状態
検出手段と、該運転状態に応じて内燃機関を制御する内
燃機関制御手段と、該内燃機関に供給される燃料混合気
の空燃比を検出する空燃比検出手段と、該空燃比検出結
果に応じて該空燃比を目標空燃比に制御する空燃比制御
手段と、を有する内燃機関の制御装置において、所定空
燃比よりもリッチ側かリーン側かを区別するリッチリー
ン判定手段とを持ち、前記パージ制御手段により前記パ
ージ制御弁を開弁方向に制御することにより、前記内燃
機関に供給する内部圧力を上昇させるパージ配管系加圧
手段をあわせて持ち、該パージ配管系加圧手段の作動状
態に応じて前記各算出手段,前記第一,第二の各算出結
果、或いは前記燃料蒸気量に所定の制限、或いは補正を
施すことにより達成される。
【0025】又は、燃料タンクと、燃料蒸気を蓄えるキ
ャニスタと、前記燃料タンクから前記キャニスタを経て
内燃機関の吸気系に通じるパージ配管系と、該パージ配
管系中に設置されたパージ制御弁に作用し、前記内燃機
関に供給される燃料蒸気の量を制御するパージ制御手段
と、該内燃機関の運転状態を検出する内燃機関運転状態
検出手段と、該運転状態に応じて内燃機関を制御する内
燃機関制御手段と、該内燃機関に供給される燃料混合気
の空燃比を検出する空燃比検出手段と、該空燃比検出結
果に応じて該空燃比を目標空燃比に制御する空燃比制御
手段と、前記パージ制御弁を遮断状態にしたまま、前記
パージ配管系の一部を通じて該パージ配管系の内部圧力
を上昇させるパージ配管系加圧手段と、を持つ内燃機関
制御装置において、前記パージ配管系への加圧を終了
し、前記パージ制御弁の遮断状態を解除するとき、前記
パージ制御弁の開度速度を遅くする手段、あるいは前記
空燃比制御の制御応答特性を速める手段を有する構成と
することにより達成される。
【0026】又は、燃料タンクと、燃料蒸気を蓄えるキ
ャニスタと、前記燃料タンクから前記キャニスタを経て
内燃機関の吸気系に通じるパージ配管系と、該パージ配
管系中に設置されたパージ制御弁に作用し、前記内燃機
関に供給される燃料蒸気の量を制御するパージ制御手段
と、該内燃機関の運転状態を検出する内燃機関運転状態
検出手段と、該運転状態に応じて内燃機関を制御する内
燃機関制御手段と、該内燃機関に供給される燃料混合気
の空燃比を検出する空燃比検出手段と、該空燃比検出結
果に応じて該空燃比を目標空燃比に制御する空燃比制御
手段と、前記パージ制御弁を遮断状態にしたまま、前記
パージ配管系の一部を通じて該パージ配管系の内部圧力
を上昇させるパージ配管系加圧手段と、を持つ内燃機関
制御装置において、前記パージ配管系への加圧は、前記
空燃比制御が開始される以前に行うことにより達成され
る。
【0027】又は、燃料タンクと、燃料蒸気を蓄えるキ
ャニスタと、前記燃料タンクから前記キャニスタを経て
内燃機関の吸気系に通じるパージ配管系と、該パージ配
管系中に設置されたパージ制御弁に作用し、前記内燃機
関に供給される燃料蒸気の量を制御するパージ制御手段
と、該内燃機関の運転状態を検出する内燃機関運転状態
検出手段と、該運転状態に応じて内燃機関を制御する内
燃機関制御手段と、該内燃機関に供給される燃料混合気
の空燃比を検出する空燃比検出手段と、該空燃比検出結
果に応じて該空燃比を目標空燃比に制御する空燃比制御
手段と、前記パージ制御弁を遮断状態にしたまま、前記
パージ配管系の一部を通じて該パージ配管系の内部圧力
を上昇させるパージ配管系加圧手段と、前記パージ配管
系の圧力を検出する圧力検出手段と、該圧力検出手段に
よる圧力検出結果によって前記パージ配管系の異常診断
を行うパージ配管系診断手段と、を有する内燃機関制御
装置において、該圧力検出結果が前記内燃機関の始動当
初から所定圧力以上であることを示している場合、前記
パージ配管系診断の手順を変更するか、診断結果、ある
いは診断実行来歴のいずれかを所定の状態に設定するこ
とにより達成される。
【0028】又は、燃料タンクと、燃料蒸気を蓄えるキ
ャニスタと、前記燃料タンクから前記キャニスタを経て
内燃機関の吸気系に通じるパージ配管系と、該パージ配
管系中に設置されたパージ制御弁に作用し、前記内燃機
関に供給される燃料蒸気の量を制御するパージ制御手段
と、該内燃機関の運転状態を検出する内燃機関運転状態
検出手段と、該運転状態に応じて内燃機関を制御する内
燃機関制御手段と、該内燃機関に供給される燃料混合気
の空燃比を検出する空燃比検出手段と、該空燃比検出結
果に応じて該空燃比を目標空燃比に制御する空燃比制御
手段と、前記パージ制御弁を遮断状態にしたまま、前記
パージ配管系の一部を通じて該パージ配管系の内部圧力
を上昇させるパージ配管系加圧手段と、前記パージ配管
系の圧力を検出する圧力検出手段と、該圧力検出手段に
よる圧力検出結果によって前記パージ配管系の異常診断
を行うパージ配管系診断手段と、を有する内燃機関制御
装置において、前記内燃機関の停止前,始動時、或いは
前記パージ配管系診断手順開始前のいずれかにおいて、
閉弁中の前記パージ制御弁を所定時間開弁することによ
り残留圧力を低下させることにより達成される。
【0029】又は、燃料タンクと、燃料蒸気を蓄えるキ
ャニスタと、前記燃料タンクから前記キャニスタを経て
内燃機関の吸気系に通じるパージ配管系と、該パージ配
管系中に設置されたパージ制御弁に作用し、前記内燃機
関に供給される燃料蒸気の量を制御するパージ制御手段
と、該内燃機関の運転状態を検出する内燃機関運転状態
検出手段と、該運転状態に応じて内燃機関を制御する内
燃機関制御手段と、該内燃機関に供給される燃料混合気
の空燃比を検出する空燃比検出手段と、該空燃比検出結
果に応じて該空燃比を目標空燃比に制御する空燃比制御
手段と、前記パージ制御弁を遮断状態にしたまま、前記
パージ配管系の一部を通じて該パージ配管系の内部圧力
を上昇させるパージ配管系加圧手段と、前記パージ配管
系の圧力を検出する圧力検出手段と、該圧力検出手段に
よる圧力検出結果によって前記パージ配管系の異常診断
を行うパージ配管系診断手段と、前記パージ弁を所定時
間開弁し、遮断状態から開弁した後に前記パージ配管系
の圧力状態から前記パージ制御弁を含めた前記パージ配
管系の導通状態を診断する導通状態診断手段と、を有す
る内燃機関制御装置において、前記パージ弁を駆動後、
所定の期間が経過してから前記導通状態診断手段により
パージ配管系導通状態を診断することにより達成され
る。
【0030】ここで上記の一例として、まず、次の構成
を一部に有するものが掲げられる。
【0031】(1)燃料タンクと、燃料蒸気を蓄えるキ
ャニスタと、前記燃料タンクから前記キャニスタを経て
内燃機関の吸気系に通じるパージ配管系と、該パージ配
管系中に設置されたパージ制御弁に作用し、前記内燃機
関に供給される燃料蒸気の量を制御するパージ制御手段
と、該内燃機関の運転状態を検出する内燃機関運転状態
検出手段と、該運転状態に応じて内燃機関を制御する内
燃機関制御手段と、該内燃機関に供給される燃料混合気
の空燃比を検出する空燃比検出手段と、該空燃比検出結
果に応じて該空燃比を目標空燃比に制御する空燃比制御
手段と、を有する内燃機関の制御装置において、前記キ
ャニスタに蓄積された燃料蒸気蓄積量、或いは前記キャ
ニスタから離脱し前記内燃機関に供給される供給燃料蒸
気量を、パージ制御弁が開弁状態にあって、かつ前記内
燃機関が所定の運転状態にある時に前記空燃比制御手段
の制御量の固定値から偏差を用いて算出する、第一の算
出手段を有するものである。
【0032】これは、例えば内燃機関が定常状態で運転
されている状況において、空燃比制御手段の制御量がパ
ージされた燃料蒸気濃度に対応していることから、空燃
比制御手段の制御量を用いてキャニスタに蓄積された燃
料蒸気量、或いはキャニスタから離脱し内燃機関に供給
される供給燃料蒸気量を算出するものである。
【0033】ただし、その空燃比制御手段の制御量がエ
ンジンのばらつきや経年変化に影響されない様に空燃比
制御量の学習がなされていることが必要である。
【0034】(2)さらに、前記所定の運転状態にない
時には、前記燃料蒸気蓄積量、或いは前記供給燃料蒸気
量を、前記第一の算出手段とは別に、前記パージ制御手
段の制御量,前記内燃機関運転状態検出値及び前記内燃
機関の運転状態継続状態のうち少なくとも、いずれか一
つに応じて算出される第二の算出手段を用いて算出する
ものである。
【0035】これは、前述の様に空燃比制御手段の制御
量を用いて前記燃料蒸気蓄積量、或いは前記供給燃料蒸
気量を算出するには、内燃機関が定常状態で運転されて
いることが必要であるが、それ以外の状態においても当
然燃料蒸気は発生し、また、パージされるものである。
従って、その間の燃料蒸気量の算出も継続して行わなけ
れば、正確に前記燃料蒸気蓄積量、或いは前記供給燃料
蒸気量を算出することはできない。そこで、空燃比制御
手段の制御量を用いて算出するのに適当でない状態下に
おいては、その制御量を用いずに他の手段で算出するも
のである。
【0036】すなわち、空燃比制御手段の制御量を用い
て算出するのに適当でない状態で燃料蒸気量を算出する
場合、各制御量、或いは内燃機関の状態量から推定して
算出することが望ましい。例えば、パージ制御手段の制
御量が大きく、パージ量が大きい場合は内燃機関に吸入
される量は増大する一方、キャニスタ内に蓄積される量
は減少傾向となるので、パージ制御量を用いて算出する
ことが望ましい。また、パージ制御量が一定でもパージ
制御弁に加わる負圧によって実際のパージ量は異なる。
その負圧はすなわち内燃機関の負荷,吸入空気量,回転
数,スロットル弁開度によって変化するものであるか
ら、内燃機関の運転状態検出値を用いて算出するもので
ある。一方、内燃機関を高温高負荷で運転し続けると発
生する燃料蒸気量は増加する傾向を示すので、内燃機関
をどういう状態で制御しているかを示す制御量を用いて
算出することが必要である。
【0037】(3)またさらに、前記第二の算出手段に
よる第二の算出結果の初期値は、前記第一の算出結果と
するものである。
【0038】すなわち、一度、空燃比制御手段の制御量
を用いて算出するのに適当である状態から適当でない状
態に移行し、再度前記適当な状態に復帰した場合、定常
状態に空燃比制御手段の制御量を用いて算出した値が最
も信頼できるものであるから、算出値をその値に設定し
直したり、或いは補正をすることが望ましく、また、空
燃比制御手段の制御量を用いて算出するのに適当でない
状態になった時、その燃料蒸気量の計算をどの値から始
めるかが重要であり、定常状態に空燃比制御手段の制御
量を用いて算出した値が最も信頼できるものであるか
ら、それを初期値として計算を開始することにより計算
精度の向上がはかれる。
【0039】(4)前記第二の算出手段による第二の算
出を実行中に、前記所定の運転状態に移行し、前記第一
の算出手段による算出が行われた時、前記第二の算出値
を前記移行後に行われた、前記第一の算出手段による算
出結果に設定し直すようにするものである。
【0040】すなわち、前述のように所定以外の運転状
態にて第二の算出実行中に所定の運転状態に移行するよ
うな変動のはげしい場合、所定の運転における第一の算
出結果より安定した正確な値とすることができるもので
ある。
【0041】(5)さらに、前記第一の算出結果と前記
第二の算出結果とから一つの燃料蒸気量を導出するもの
である。
【0042】すなわち、前述のように空燃比制御手段の
制御量を用いて算出するのに適当である状態と不適当な
状態があり、各々適宜算出して結果を得ることが望まし
いが、算出すべき対象は前記燃料蒸気蓄積量、或いは前
記供給燃料蒸気量という単一のものであるから、前記第
一の算出結果と前記第二の算出結果とを別々のものとし
て扱わずに、相互で一つの燃料蒸気量として導出するこ
とが必要であり、これにより運転状態に係わらず、正確
な燃料蒸気量を算出できる。
【0043】(6)さらに、前記内燃機関の運転領域が
少なくともエンジン負荷,回転数およびスロットル開度
の複数に分割され、前記各算出手段は該複数の運転領域
の各々に対応して実行され、前記各運転領域に対応した
前記各算出結果、或いは前記燃料蒸気量の少なくともい
ずれかを得ることが望ましい。
【0044】すなわち、内燃機関に供給される燃料蒸気
量は、内燃機関の吸気系が発生する負圧と、燃料タンク
で発生する燃料蒸気により発生する正圧とのバランスに
影響される。吸気系に比較的大きな負圧が発生している
場合はその負圧に吸入される量が支配的であるが、逆の
場合は燃料蒸気による正圧で押し出される量が支配的で
あり、その両者の特性は必ずしも一致しない。特に、供
給燃料蒸気量は上述の領域間でのつながりが悪く、従っ
てその両者を同一の計算式や特性で算出することはでき
ないという問題がある。ゆえに、本来であれば前述のと
おり算出すべき対象は前記燃料蒸気蓄積量、或いは前記
供給燃料蒸気量という単一のものであるが、運転領域を
分割してそれぞれに対して算出することにより、運転領
域に応じた正確な燃料蒸気量を求めることができる。
【0045】(7)さらに、複数に分割された運転領域
の一つにおいて、前記各算出手段によって該運転領域に
対応した前記各算出結果、或いは前記燃料蒸気量を得た
とき、それらの値に応じて前記運転領域以外の運転領域
に対応した前記燃料蒸気蓄積量、或いは前記供給燃料蒸
気量に補正を行うものである。
【0046】すなわち、いずれかの運転領域に片寄った
運転の仕方、例えば長距離運転で殆どアイドル状態がな
い場合などでは、アイドル領域に対応した前記算出値を
得ることが殆ど不可能になる。そのような時に突然アイ
ドル状態になると、保持している古い算出値と実際の燃
料蒸気の状態とがかけ離れた状態になり、精密に空燃比
を制御することを期待することはできない。そこで、現
在算出している運転領域以外の燃料蒸気蓄積量、或いは
前記供給燃料蒸気量に対しても、現在算出している値に
基づいて補正を施すことにより、ある運転領域に片寄っ
た運転を続けた後、他の運転領域に移行しても正確な燃
料蒸気量を得ることができる。
【0047】(8)さらに、前記複数の運転領域に対応
して不揮発メモリ内に記憶領域が確保され、該各運転領
域において算出された前記各算出結果、或いは前記燃料
蒸気量を各運転領域に対応した前記記憶領域に保管する
とともに、該保管値を読み出した値を、前記各運転領域
での運転時に用いて前記第一,第二の各演算を実行し、
前記燃料蒸気量を得るものである。
【0048】すなわち、キャニスタ内に蓄積された燃料
蒸気量はエンジンを停止しても保持されるから、前述の
ように算出した燃料蒸気量はシステムの電源を遮断して
も保持されなければならない。但し前述のように運転領
域毎に燃料蒸気量を算出するので、運転領域毎にその算
出量を保持するとともに、動作する運転領域に対応する
その保管値をその後の演算を行うことによりエンジン停
止後の再始動にあたっても正確な燃料蒸気量を与えるこ
とができる。
【0049】(9)さらに、前記各算出手段が機能不能
の状態である算出機能不能状態と、該状態から復帰して
前記各算出手段が機能する状態である算出機能状態と、
前記算出機能不能状態における周囲状況を推定、或いは
検知する周囲状況検知手段と、を持ち、前記算出機能状
態の開始時に、前記算出機能不能状態における前記燃料
タンクと前記キャニスタと前記パージ配管系の環境状況
に応じて、前記各保管値,前記各算出値、或いは前記燃
料蒸気量の少なくともいずれかを所定値に設定するか、
或いは補正をするものである。
【0050】すなわち、前述のとおりキャニスタ内に蓄
積された燃料蒸気量はエンジンを停止しても保持される
が、気温や大気圧によってはさらに燃料蒸気は発生し、
燃料タンク部に充満,蓄積される。従って、システムの
電源が遮断されている間、前述のように算出した燃料蒸
気量を保管しているだけでは環境状況の変化に厳密に対
応することはできない。そこで、電源が遮断されている
時間や再始動後の水温,気温などから推測される電源遮
断中の状態に応じて、保管されている燃料蒸気量算出値
を所定値に設定したり、或いは補正したりすることによ
りエンジン停止中の環境状況に対応して、さらに厳密な
燃料蒸気量を与えることができる。
【0051】(10)さらに、前記内燃機関運転状態検
出手段の故障,前記空燃比検出手段の故障のいずれかを
検出するセンサ類故障診断手段,前記内燃機関制御手
段,前記空燃比制御手段のいずれかが制御可能範囲の限
界値に到達したことを検出する制御限界到達検出手段の
いずれかを少なくとも一つ以上持ち、前記センサ類故障
診断手段、或いは前記制御限界到達検出手段のいずれか
がそれぞれ、故障或いは制御限界であることを検出した
時、前記各算出手段の実行を停止し、前記燃料蒸気量を
別に定める所定値に設定するものである。
【0052】すなわち、燃料蒸気を算出する場合、前述
のように空燃比制御の制御量や内燃機関の運転状態検出
値などを使用するが、それらを検出するセンサや内燃機
関を制御するアクチュエータが故障していたり、或いは
何等かの原因によって制御の限界に達し制御不能の状態
になってしまった場合、もはや正確に燃料蒸気量を算出
することはできない。そこで、その算出を停止し燃料蒸
気量を所定値に設定する等のフェイルセーフを持つもの
である。
【0053】(11)さらに、前記各算出手段により前
記各算出結果を得る際、或いは前記燃料蒸気量を得る際
に、該算出結果或いは前記燃料蒸気量の変化幅を所定変
化幅以内に抑制する変化幅抑制手段を持つことである。
【0054】すなわち、吸気系に供給される燃料蒸気
は、キャニスタのドレーンからの新気とキャニスタに蓄
積された燃料蒸気,燃料タンクで発生した燃料蒸気との
混合気であるから、吸気系の負圧が急変すると新気量が
急変することによってその濃度が急変する。ところが、
実際の蓄積された燃料蒸気量は急変しないことから、燃
料蒸気濃度の変動によって算出値と実際の燃料蒸気量に
ずれが生じる。前述のように、ある程度以上の急激な負
荷の変動時に際しては算出を一時停止したりして対処で
きるが、そこまでに至らない程度の負荷の変動時にある
ときは、前記のずれの発生を防ぐことは非常に困難であ
る。従って、そのずれを少なくするために算出値の急変
を抑制することが必要でありこれにより、実際の燃料蒸
気量に則した値とすることができる。
【0055】(12)さらに、前記変化幅抑制手段によ
る抑制された変化幅は、前記第一,第二の各算出値,前
記燃料蒸気量,前記内燃機関の運転状態,前記空燃比制
御手段の制御量,前記パージ制御手段の制御量,前記燃
料蒸気の発生量に影響を及ぼす各種物理パラメータ、の
少なくともいずれかを算出要素として決定するものであ
る。
【0056】すなわち、前述のようにキャニスタのドレ
ーンからの新気量の変化に対して燃料蒸気量の変化は緩
慢であるものの、キャニスタに吸着された燃料蒸気の離
脱量は、その吸着量に応じて多くなるという傾向がある
ため、燃料蒸気の残留量に応じて前記算出値、或いは前
記燃料蒸気量の変更幅を適宜変更制御することが必要で
ある。さらに前記キャニスタ制御弁にかかる負圧やパー
ジ制御量に応じてパージされる量は多くなり、また、前
述のような燃料蒸気の発生に影響を及ぼす各種物理パラ
メータ、例えば大気圧,気温,冷却水温,燃料温度,燃
料性状,燃料残量,燃料タンクからキャニスタを通じ前
記内燃機関の吸気系に至る燃料蒸気通気路内の圧力など
によってキャニスタパージ配管系に残留する燃料蒸気量
は変化し、これに応じても前記変更幅を適宜変更制御す
ることが必要である。また、前記空燃比制御の制御量は
燃料蒸気量に対応することから、空燃比制御の制御量が
キャニスタ制御量に対して大きく変動する場合、多量の
燃料蒸気がキャニスタから離脱しているものと考えられ
るため、前記空燃比制御の制御量に応じて前記変更幅を
適宜変更制御することが必要である。
【0057】これにより上記吸着量,各種物理パラメー
タおよび空燃比制御の制御量の固定値からの偏差により
前記変更幅を変更制御することにより実際の燃料蒸気量
に則した値とすることができる。
【0058】(13)さらに、前記パージ制御弁を遮断
状態にしたまま、前記パージ配管系の一部を通じて該パ
ージ配管系の内部圧力を上昇させるパージ配管系加圧手
段をあわせて持ち、該パージ配管系加圧手段の作動状態
に応じて前記第一,第二の各算出手段,前記各算出結
果、或いは前記燃料蒸気量に所定の制限、或いは補正を
施すものである。
【0059】すなわち、パージ制御弁を閉じておいてパ
ージ配管系に正圧を加え、その正圧状況からパージ配管
系の漏れや機能の診断を行うシステムにおいて、燃料タ
ンクで発生する燃料蒸気量はその正圧の影響を受けるの
で、通常時と同様に燃料蒸気量を算出していては正確に
算出量を求めることはできない。そこで、正圧の印加に
応じて燃料蒸気量の算出に制限を設けるか、補正を施す
ものである。
【0060】(14)さらに、燃料蒸気の発生量に影響
を及ぼす前記燃料タンク,前記キャニスタ,前記パージ
配管系の環境パラメータ及び燃料状態パラメータのいず
れかを少なくとも一つ以上を検出する手段を持ち、該検
出結果に応じて、前記各算出手段の実行に制限を設ける
こと、或いは、前記各算出結果、或いは前記変数値の少
なくともいずれかに補正を加えることが望ましい。
【0061】すなわち、前述の通り、空燃比制御の制御
量を使用して燃料蒸気を算出するのが適切でない運転状
態にあるときは内燃機関の運転状態検出値を用いて算出
するのが望ましいが、それらでは検知し得ないが燃料蒸
気の発生に影響を及ぼす例えば大気圧,気温,冷却水
温,燃料温度,燃料性状,燃料残量、燃料タンクからキ
ャニスタを通じ前記内燃機関の吸気系に至る燃料蒸気通
気路内の圧力などの環境パラメータ及び燃料性状,燃料
残量などの燃料状態パラメータを直接的、或いは間接的
に検知する手段を持ち、それらの検知結果に応じて、燃
料蒸気量を算出すること自体が不適切である場合は算出
をやめたり、或いは算出値に何等かの補正を設けること
が望ましい。そういう場合算出をやめたり、或いは算出
値に何等かの補正を設けることにより、誤った値の導出
を防ぐことができる。
【0062】(15)さらに、前記第一、第二の各算出
値、或いは前記燃料蒸気量に応じて、パージ制御弁速
度,パージ制御弁開度度合および空燃比制御速度、のい
ずれかの制御特性を変更する手段を持つことにより正確
な空燃比制御を実現するものである。
【0063】すなわち、前記前記第一,第二の各算出
値、或いは前記燃料蒸気量は、前述のとおり前記キャニ
スタに蓄積された燃料蒸気蓄積量、或いは前記キャニス
タから離脱し前記内燃機関に供給される供給燃料蒸気量
を示すものであり、これらは明らかに内燃機関に供給さ
れる空燃比に影響を及ぼすものであるが、センサ等によ
って計測されたものではない燃料蒸気であることから最
終的に機関に供給される混合気の空燃比を正確に制御す
るのが困難である。従って、前述の様な方法で正確に燃
料蒸気量を算出し、パージ制御,空燃比制御速度を算出
した燃料蒸気量に見合った特性に適宜変更して、より正
確に、空燃比制御できるようにするものである。
【0064】(16)さらに、減速時に前記内燃機関に
供給する燃料を遮断する減速時燃料遮断手段を持ち、該
燃料遮断手段は、減速を検知してから所定期間後に燃料
を遮断し、前記所定期間中に前記パージ制御量を調整
し、前記パージ制御弁をパージ遮断状態に設定するか否
かを前記第一,第二の各算出結果、或いは前記燃料蒸気
量の少なくともいずれかに応じて判定し、該判定結果に
従って前記パージ制御量のパージ遮断状態への設定を行
う手段を持つものである。
【0065】すなわち、減速時に内燃機関への供給燃料
を遮断する際に、突然燃料を遮断しては急激なトルク変
動によってショックが発生するため、ある猶予期間のあ
と全気筒に対する燃料供給を遮断するのが一般的である
が、逆に言えばその猶予期間中にパージ制御弁からの燃
料蒸気供給だけを停止すると空燃比に変動が出易い。従
ってパージ制御弁を閉じず、また空燃比制御の動きを保
持しておいた方が良いが、一方燃料蒸気が大量にキャニ
スタに蓄積されている状態においては、吸気管の負圧で
パージを行っているシステムでは燃料蒸気が供給され過
ぎ、逆に排気ガス成分を悪化させてしまう。そこで、そ
の猶予期間中にパージ制御弁の閉弁の実施をするかどう
かを燃料蒸気量に応じて判断しパージを実施するもので
ある。
【0066】(17)また、別の態様としては、燃料タ
ンクと、燃料蒸気を蓄えるキャニスタと、前記燃料タン
クから前記キャニスタを経て内燃機関の吸気系に通じる
パージ配管系と、該パージ配管系中に設置されたパージ
制御弁に作用し、前記内燃機関に供給される燃料蒸気の
量を制御するパージ制御手段と、該内燃機関の運転状態
を検出する内燃機関運転状態検出手段と、該運転状態に
応じて内燃機関を制御する内燃機関制御手段と、該内燃
機関に供給される燃料混合気の空燃比を検出する空燃比
検出手段と、該空燃比検出結果に応じて該空燃比を目標
空燃比に制御する空燃比制御手段と、を有する内燃機関
の制御装置において、所定空燃比よりもリッチ側かリー
ン側かを区別するリッチリーン判定手段とを持ち、前記
パージ制御手段により前記パージ制御弁を開弁方向に制
御することにより、前記内燃機関に供給する燃料蒸気量
を増加させるとき、前記リッチリーン判定結果がリッチ
側からリーン側に反転したとき、前記パージ制御量を所
定幅だけ増加方向に制御することとし、それ以外のとき
は前記制御量を保持することを特徴とする内燃機関制御
装置が提供される。
【0067】これは、パージ制御弁を開弁方向に制御す
る場合、空燃比制御が追従するのを待って徐々に開弁す
るようにするのが望ましいが、その具体的手法を提供す
るものである。すなわち、空燃比センサがリーンを示す
ということは空燃比制御が追従していると考えて良い
が、リーンを示している間も開弁方向に制御すると、空
燃比センサがリーンを示すモードで故障した場合実空燃
比と関わりなくパージ制御弁を開弁してしまうので、空
燃比センサがリッチからリーンに反転した時だけ少しだ
け開弁方向に制御するようにしたものである。
【0068】これにより内燃機関に過度に燃料蒸気を供
給するのを防止できるものである。 (18)前記リッチリーン判定は、前記空燃比検出手段
の検出結果をローパスフィルタにてろ過した信号をもと
に判定することとしている。
【0069】すなわち、供給混合気の気筒間ばらつきの
ために空燃比センサの出力値が高周波数に乱れた場合、
その信号を用いて上記のように制御すると過度に開弁し
てしまう。そこで、空燃比センサの出力値をローパスフ
ィルタにてろ過し、その値を用いることによりセンサ出
力値が高周波数に乱れた場合でも必要以上の過度な燃料
蒸気の供給を防止できる。
【0070】(19)さらに、前記内燃機関が多気筒内
燃機関であって、いくつかの気筒毎にグループを構成
し、該グループにそれぞれ前記空燃比検出手段を配置し
たものであり、該空燃比検出結果に応じて、該グループ
毎に前記内燃機関に供給される混合気の空燃比を目標空
燃比に制御するグループ毎空燃比制御手段と、該グルー
プ毎の空燃比検出手段の検出結果をそれぞれローパスフ
ィルタにてろ過するろ過手段と、該フィルタリング手段
により得られるろ過後空燃比検出値を、それぞれ所定空
燃比よりもリッチ側かリーン側かに区別するリッチリー
ン判定手段と、前記リッチリーン判定手段により結果が
リッチからリーンに反転したとき、前記パージ制御量を
所定幅だけ増加方向に制御することとし、それ以外のと
きは前記制御量を保持する手段とを持ち、前記リッチか
らリーンへの各グループ毎の該反転が交互に参照される
ものであることが望ましい。
【0071】すなわち、V型エンジンで各バンクに空燃
比センサを配し、それぞれにて空燃比制御を行うシステ
ムにおいて上記のようにパージ制御弁を開弁する場合、
空燃比センサは複数であるにもかかわらずパージ制御弁
は一つであるため、それぞれの空燃比センサ信号のリッ
チからリーンへの反転を交互に検知して開弁制御するこ
とにより各バンク毎により正確な空燃比制御を実現でき
る。この場合、前述のようにそれぞれの空燃比センサ信
号をローパスフィルタにてろ過するのが望ましいことは
言うまでもない。
【0072】(20)さらに、前記グループ毎の空燃比
検出手段が故障しているか否かを診断する空燃比検出手
段故障診断手段を持ち、該空燃比検出手段故障診断手段
が前記複数の空燃比検出手段のうちいずれかにおいて故
障を検出した場合、故障していない前記空燃比検出手段
の検出結果をローパスフィルタにてろ過した結果を用い
て、前記リッチからリーンへの反転を検知し、該反転に
応じて前記パージ制御量を増加方向に制御する。
【0073】すなわち、上記の様にV型エンジンにて空
燃比センサ信号を交互に参照してパージ制御弁を開弁制
御するようにした場合、一方の空燃比センサが故障した
時正常な方の空燃比センサ信号を用いて開弁制御するこ
とにより、ほぼ通常のパージ制御と同様の制御を行うこ
とができるものである。
【0074】(21)さらに、前記空燃比検出手段故障
診断手段が前記複数の空燃比検出手段のうちいずれかの
グループにおいて故障を検出した場合、該故障を検出し
たグループの前記グループ毎空燃比制御手段の動作を停
止すると共に、前記パージ制御手段の制御量を予め定め
られた所定値に設定するか、或いは前記制御量に制限を
設けるものである。
【0075】すなわち、空燃比センサが故障した場合も
はや空燃比制御は不可能なためその動作を停止するが、
一方の空燃比センサが故障した場合において前述のよう
にパージ制御弁を開弁すると、空燃比制御を停止してい
る側のバンクの空燃比は制御できず、空燃比過濃状態に
陥る。その場合、パージ制御弁の開弁量を少なめに制限
し、空燃比制御を停止している側のバンクの空燃比が過
濃状態にならないようにすることが必要である。
【0076】また、両方の空燃比センサが故障している
場合は下記のような処置を施すことが望ましい。すなわ
ち、前述のように一方の空燃比センサが故障している場
合はもう一歩の空燃比センサ信号を用いて補償制御が可
能であるが、両者が故障した場合はもはや制御不能であ
る。従ってパージ制御弁を安易に開弁することはできな
い。ただしパージ制御弁を閉弁状態のまま放置しては燃
料蒸気が内燃機関によって燃焼させられず、いずれキャ
ニスタがあふれて燃料蒸気を大気に放出することになり
好ましくない。そこで、空燃比が過濃状態にならぬ程度
にパージ制御弁の開度を所定値に設定するか所定値より
開弁せぬように制限(上限値)するものである。
【0077】(22)さらに、前述のような第一の算出
手段,第二の算出手段,該各算出手段による第一の算出
結果,第二の算出結果、及び該算出結果から導出される
燃料蒸発量のいずれかを少なくとも一つ以上持ち、前記
リッチからリーンへの反転を検知し、該反転に応じて前
記パージ制御量を増加方向に制御するときの制御量増加
幅は、前記第一,第二の各算出結果,前記燃料蒸発量,
前記空燃比制御手段の制御量の少なくともいずれかに応
じて変更制御されることが必要である。
【0078】すなわち、前述のようにパージ制御弁を開
弁方向に制御する場合、空燃比制御が追従するのを待っ
て徐々に開弁するようにするのが望ましいが、パージさ
れる燃料蒸気量に対して前記空燃比制御の制御速度が十
分に追従可能な状態にあるときは、パージ制御弁をより
速く,大きく開弁することが望ましい。こうすることに
よって、燃料蒸気がパージ配管系に残留することを予防
できるものである。
【0079】(23)さらに、前記パージ制御手段によ
り前記バージ制御弁を開弁方向に制御し、前記内燃機関
に供給する燃料蒸気量を増加させる際に、前記第一,第
二の各算出値、或いは前記燃料蒸気量の内のいずれかの
値に応じて、前記空燃比制御手段の特性を変更制御する
ものである。
【0080】すなわち、前記パージ制御手段の制御量,
前記第一,第二の各算出値、或いは前記燃料蒸気量の内
のいずれかの値を基に前記空燃比制御の制御速度がパー
ジされる燃料蒸気量に対して十分に追従可能な状態にあ
ると考えられる時は、パージ制御弁をより速く,大きく
開弁しても問題ないように、空燃比制御の制御速度を上
げておき、追従性を良くしておくことによってより効率
良く燃料蒸気のパージを行うことができ、燃料蒸気がパ
ージ配管系に残留することを予防できるようにしたもの
である。
【0081】(24)また、別の態様としては、燃料タ
ンクと、燃料蒸気を蓄えるキャニスタと、前記燃料タン
クから前記キャニスタを経て内燃機関の吸気系に通じる
パージ配管系と、該パージ配管系中に設置されたパージ
制御弁に作用し、前記内燃機関に供給される燃料蒸気の
量を制御するパージ制御手段と、該内燃機関の運転状態
を検出する内燃機関運転状態検出手段と、該運転状態に
応じて内燃機関を制御する内燃機関制御手段と、該内燃
機関に供給される燃料混合気の空燃比を検出する空燃比
検出手段と、該空燃比検出結果に応じて該空燃比を目標
空燃比に制御する空燃比制御手段と、前記パージ制御弁
を遮断状態にしたまま、前記パージ配管系の一部を通じ
て該パージ配管系の内部圧力を上昇させるパージ配管系
加圧手段と、を持つ内燃機関制御装置において、前記パ
ージ配管系への加圧を終了し、前記パージ制御弁の遮断
状態を解除するとき、前記パージ制御弁の開度速度を遅
くする手段、或いは前記空燃比制御の制御応答特性を速
める手段を有することを特徴とする内燃機関制御装置を
提供するものである。
【0082】これは、パージ制御弁を閉じたままパージ
配管系を加圧し、その診断を行うシステムを有する内燃
機関制御装置において、パージ制御弁を開弁する時にお
いても空燃比の変動を抑えるようにできる具体的手法を
提供するものである。すなわち、加圧が終了してパージ
制御弁を開弁する際、その印加された正圧によって燃料
蒸気が内燃機関の吸気系に押し出されるため、通常通り
制御を行っていると空燃比を制御しきれず、排気ガス成
分を悪化させるという問題がある。そこで、前記のシス
テムでのパージ配管系への加圧を終了しパージ制御弁を
開弁する時は、開弁速度を遅くし又は空燃比制御速度速
める補正をすることにより空燃比制御が燃料蒸気の増加
に追従できるように制御するものである。
【0083】(25)また、別の態様としては、燃料タ
ンクと、燃料蒸気を蓄えるキャニスタと、前記燃料タン
クから前記キャニスタを経て内燃機関の吸気系に通じる
パージ配管系と、該パージ配管系中に設置されたパージ
制御弁に作用し、前記内燃機関に供給される燃料蒸気の
量を制御するパージ制御手段と、該内燃機関の運転状態
を検出する内燃機関運転状態検出手段と、該運転状態に
応じて内燃機関を制御する内燃機関制御手段と、該内燃
機関に供給される燃料混合気の空燃比を検出する空燃比
検出手段と、該空燃比検出結果に応じて該空燃比を目標
空燃比に制御する空燃比制御手段と、前記パージ制御弁
を遮断状態にしたまま、前記パージ配管系の一部を通じ
て該パージ配管系の内部圧力を上昇させるパージ配管系
加圧手段と、を持つ内燃機関制御装置において、前記パ
ージ配管系への加圧は、前記空燃比制御が開始される以
前に行うことを特徴とする内燃機関制御装置を提供する
ものである。
【0084】(26)さらに、前記内燃機関の排気系に
新気を導入する二次空気導入装置をあわせて持ち、前記
パージ配管系への加圧を行う期間の一部、或いはその全
部は該二次空気導入装置が作動している期間に含まれる
ことが望ましい。
【0085】前述のとおり前記パージ配管系への加圧は
前記パージ制御弁を閉弁した状態で行うため、通常にパ
ージ制御を行っている間に加圧を行おうとすると、わざ
わざそのためにパージ制御弁を閉じなければならない。
それでは、前記キャニスタに蓄えられた燃料蒸気をパー
ジする機会を減少させることになり望ましくない。パー
ジ制御は前述のように空燃比制御と深い関わり合いにあ
り、空燃比制御が動作していないときは基本的にパージ
制御は動作できない。すなわち、空燃比制御が開始され
る以前はパージ制御はもともと禁止されているのであ
り、パージ制御弁は閉弁状態にある。従って、パージ制
御弁を閉じる必要のある前記パージ配管系への加圧を空
燃比制御が開始される以前の状態又は前記二次空気導入
装置作動のあいだに行うことによって、パージ制御弁の
閉弁時間を節約し、燃料蒸気のパージが効率良くできる
ようにするものである。
【0086】(27)また、別の態様としては、燃料タ
ンクと、燃料蒸気を蓄えるキャニスタと、前記燃料タン
クから前記キャニスタを経て内燃機関の吸気系に通じる
パージ配管系と、該パージ配管系中に設置されたパージ
制御弁に作用し、前記内燃機関に供給される燃料蒸気の
量を制御するパージ制御手段と、該内燃機関の運転状態
を検出する内燃機関運転状態検出手段と、該運転状態に
応じて内燃機関を制御する内燃機関制御手段と、該内燃
機関に供給される燃料混合気の空燃比を検出する空燃比
検出手段と、該空燃比検出結果に応じて該空燃比を目標
空燃比に制御する空燃比制御手段と、前記パージ制御弁
を遮断状態にしたまま、前記パージ配管系の一部を通じ
て該パージ配管系の内部圧力を上昇させるパージ配管系
加圧手段と、前記パージ配管系の圧力を検出する圧力検
出手段と、該圧力検出手段による圧力検出結果によって
前記パージ配管系の異常診断を行うパージ配管系診断手
段と、を有する内燃機関制御装置において、該圧力検出
結果が前記内燃機関の始動当初から所定圧力以上である
ことを示している場合、前記パージ配管系診断の手順を
変更するか、診断結果、あるいは診断実行来歴のいずれ
かを所定の状態に設定することを特徴とする内燃機関制
御装置を提供するものである。
【0087】すなわち、前記パージ配管系を加圧して診
断するシステムでは、その圧力を検知する手段が必要と
なるが、例えばその手段が圧力スイッチであるような場
合、その動作は残存圧力に左右されてしまう。従って、
診断を開始する時すでに該検知手段が高圧側を示してい
ると、該検知手段自体が故障しているのかどうかの判別
がつかず、結果としてパージ配管系の診断ができない、
という事態に陥る。従ってそのような場合、前記パージ
配管系診断の手順を変更、診断結果、或いは診断実行来
歴のいずれかを所定の状態に設定する手段例えば、パー
ジ配管系に異常がないものとして、今回の診断を行わず
次回の診断を待つようにする等の手段を持つことによっ
て誤診断や、診断の不実行を防止するものである。
【0088】(28)また、別の態様としては、燃料タ
ンクと、燃料蒸気を蓄えるキャニスタと、前記燃料タン
クから前記キャニスタを経て内燃機関の吸気系に通じる
パージ配管系と、該パージ配管系中に設置されたパージ
制御弁に作用し、前記内燃機関に供給される燃料蒸気の
量を制御するパージ制御手段と、該内燃機関の運転状態
を検出する内燃機関運転状態検出手段と、該運転状態に
応じて内燃機関を制御する内燃機関制御手段と、該内燃
機関に供給される燃料混合気の空燃比を検出する空燃比
検出手段と、該空燃比検出結果に応じて該空燃比を目標
空燃比に制御する空燃比制御手段と、前記パージ制御弁
を遮断状態にしたまま、前記パージ配管系の一部を通じ
て該パージ配管系の内部圧力を上昇させるパージ配管系
加圧手段と、前記パージ配管系の圧力を検出する圧力検
出手段と、該圧力検出手段による圧力検出結果によって
前記パージ配管系の異常診断を行うパージ配管系診断手
段と、を有する内燃機関制御装置において、前記内燃機
関の停止前,始動時、或いは前記パージ配管系診断手順
開始前のいずれかにおいて、閉弁中の前記パージ制御弁
を所定時間開弁することにより残留圧力を低下させるこ
とを特徴とする内燃機関制御装置が提供される。
【0089】すなわち、前述のように前記パージ配管系
を加圧して診断するシステムでは、診断開始以前に正圧
が残存しているとその診断結果に悪影響を及ぼすので、
診断開始前にその圧力を低減するために、もし前記パー
ジ制御弁が閉弁状態にある場合はこれを所定時間開弁す
ることにより残留圧力を低下させるようにしたものであ
る。
【0090】(29)また、別の態様としては、燃料タ
ンクと、燃料蒸気を蓄えるキャニスタと、前記燃料タン
クから前記キャニスタを経て内燃機関の吸気系に通じる
パージ配管系と、該パージ配管系中に設置されたパージ
制御弁に作用し、前記内燃機関に供給される燃料蒸気の
量を制御するパージ制御手段と、該内燃機関の運転状態
を検出する内燃機関運転状態検出手段と、該運転状態に
応じて内燃機関を制御する内燃機関制御手段と、該内燃
機関に供給される燃料混合気の空燃比を検出する空燃比
検出手段と、該空燃比検出結果に応じて該空燃比を目標
空燃比に制御する空燃比制御手段と、前記パージ制御弁
を遮断状態にしたまま、前記パージ配管系の一部を通じ
て該パージ配管系の内部圧力を上昇させるパージ配管系
加圧手段と、前記パージ配管系の圧力を検出する圧力検
出手段と、該圧力検出手段による圧力検出結果によって
前記パージ配管系の異常診断を行うパージ配管系診断手
段と、前記パージ制御弁を所定時間開弁し、遮断状態か
ら開弁した後に前記パージ配管系の圧力状態から前記パ
ージ制御弁を含めた前記パージ配管系の導通状態を診断
する導通状態診断手段と、を有する内燃機関制御装置に
おいて、前記パージ制御弁を駆動後、所定の期間が経過
してから前記導通状態診断手段により導通状態を診断す
ることを特徴とする内燃期間制御装置が提供される。
【0091】すなわち、これは前述のように、前記パー
ジ制御弁を付勢して、その際のパージ配管系内の圧力状
態から前記パージ配管系の導通状態を診断する際、前記
パージ制御弁の粘着の問題と付勢後しばらく残存する正
圧との問題により誤判定し易いという問題があるため、
付勢後所定期間は前記パージ配管系の導通状態を診断し
ないようにしたものである。
【0092】以上本発明によれば、内燃機関の運転状態
およびエンジン負荷,回転,スロットル開度により定ま
る運転領域における燃料蒸気量の算出を正確に行うこと
ができる。また、空燃比のリッチ,リーン判定に対応し
たパージ制御弁の制御をすることにより空燃比制御が追
従できるため最適なパージ制御,内燃機関制御,空燃比
制御の各特性を得ることができる。また、パージ配管系
に加圧して該配管系の異常を診断する場合において、内
燃機関の制御性を悪化させることなく該診断を実行でき
るので、より空燃比変動を少なくして内燃機関を制御す
ることができるとともに、パージ配管系の異常を誤判定
なく検出することができるものである。
【0093】
【実施例】以下、本発明を実施例によって詳細に説明す
る。
【0094】図1は本発明の一実施例の構成を示す。内
燃機関1の運転状態を回転速度センサ2,冷却水温セン
サ3,吸入空気量センサ4,スロットル開度センサ5な
どによって検出し、さらに空燃比を空燃比センサ7によ
って検出する。それら検出結果を制御装置6に取り込
み、それらに応じてインジェクタ8,図示しない点火コ
イル,点火プラグ9,アイドル時空気流量調整バルブ1
0を制御し、内燃機関の動作を制御している。また、燃
料タンク11で発生した燃料蒸気はキャニスタ12に一
旦蓄積され、前記制御装置6に制御されるパージ制御弁
13を介して内燃機関1の吸気系に供給される。またさ
らに、パージ配管系は前記制御装置6に制御される正圧
印加装置14によって正圧が印加される。印加された圧
力は圧力検出装置20で検出され、これを制御装置6に
取り込む。
【0095】なお、制御装置6には、先の“パージ制御
手段”,“内燃機関制御手段”,“空燃比制御手段”,
“変化幅抑制手段”,“リッチリーン判定手段”,“減
速時燃料遮断手段”,“パージ配管系診断手段”,“導
通状態診断手段”であり、制御装置6は図18に示すと
おり、入力回路191,A/D変換部192,中央演算
部193,ROM194,RAM195,出力回路196を含んで構
成されている。入力回路191は、入力信号190(例
えば、冷却水温センサ3,吸入空気量センサ4,スロッ
トル開度センサ5,空燃比センサ7等からの信号)を受
け付けて、該信号からノイズ成分の除去等を行い、当該
信号をA/D変換部192に出力するためのものであ
る。A/D変換部192は、該信号をA/D変換し、中
央演算部193に出力するためのものである。中央演算
部93は、該A/D変換結果を取り込み、ROM194に記憶
された所定のプログラムを実行することによって、上記
した各制御や診断等を実行する機能を備えている。な
お、演算結果や、前記A/D変換結果は、RAM195に一時
保管される。また、該演算結果は、出力回路196を通
じて制御出力信号197として出力され、燃料インジェ
クタ8等の制御に用いられる構成となっている。但し、
制御装置6の構成はこれに限定されるものではない。
【0096】図2にパージ制御弁の構造の模式図を示
す。このパージ制御弁13は、弁機構13aと電磁ソレ
ノイド13bとからなり、該電磁ソレノイド13bに通
電すると弁機構13aは開弁し燃料蒸気通路を開く。逆
に該電磁ソレノイド13bの通電を停止すると弁機構1
3aは閉弁し燃料蒸気通路を閉じる。
【0097】図3に該電磁ソレノイド13bへの通電方
法を示す。電磁ソレノイドの一端は電源21に接続さ
れ、もう一方はオープンコレクタのトランジスタ回路6
aに接続される。無論これはFETなどで構成しても実
現可能であることは言うまでもない。該トランジスタ回
路6aはON−OFFデューティ制御信号6bにて駆動
される。このON−OFFデューティ比を変化させるこ
とにより開弁時間と閉弁時間の比率を変化させ、実質的
に燃料蒸気通路の開口面積を変化させることにより、パ
ージする燃料蒸気量を制御している。なお、上記パージ
制御弁13にはステッピングモータやDCサーボモー
タ,リニアソレノイドバルブなどを使用して実現可能で
あることは言うまでもないが、本実施例は他のものに対
して安価に実現できるという利点がある。
【0098】次に図4に従ってパージ制御手段につき説
明する。本手順は所定時間ごとに実行される。まず手順
41にて内燃機関1の運転状態を取り込む。これは、該
内燃機関1の回転数や負荷,冷却水温センサ3の信号,
スロットル開度センサ5の信号、空燃比センサ7の信号
などである。次に手順42aにて、手順41で取り込ん
だ運転状態の情報を元に、パージ制御を開始するか否か
を検証する。これは例えば、内燃機関1が始動し、暖気
状態にあり空燃比センサ7が活性化した状態にあって空
燃比制御が開始されている状態にあるかどうか、などに
よって行う。次に手順42bにて、手順42aの検証結
果を受けてパージ制御を開始しないと判定した場合は手
順46cに進む。そこでパージ制御弁13を閉じるよう
に実出力値を決定して手順49に進み、該実出力値をデ
ューティ値としてセットし、今回の手順を終了する。
【0099】一方、手順42bにてパージ制御を開始す
ると判定した場合は手順50aに進み、現在内燃機関1
が減速状態にあるかどうかを検出する。手順50aにて
減速状態であることを検出したら次の手順50bで、減
速時にパージ制御弁13を閉じるかどうかの検証を行
う。これは、燃料遮断中であるか否かと、燃料遮断猶予
期間中である場合は後で述べる燃料蒸気量算出値をもと
に行われる。該手順50bの検証結果を受けて、手順50
cにおいて燃料蒸気量が多くパージ制御弁を閉じる必要
があると判定した場合は手順46cに進む。そこでパー
ジ制御弁13を閉じるように実出力値を決定して手順4
9に進み、該実出力値をデューティ値としてセットし、
今回の手順を終了する。
【0100】一方、手順50aで減速状態が検出されな
い場合や、手順50bで燃料遮断中でもなく、また燃料
遮断猶予期間中ではあるが燃料蒸気量が少なくパージ制
御弁を閉じなくても良いと判定した場合は手順43に進
む。ここでは、基本出力値を算出する。基本出力値は図
5に示すように、内燃機関の負荷と回転数の関数として
与えられる。ここで得た基本出力値を、手順44aで最
終の実出力値と比較することにより、後に述べるダイナ
ミックリミテーションを終了するか否かを検証する。こ
こで、実出力値が基本出力値に既に到達したことが手順
44aで検証された場合、手順44bでダイナミックリ
ミテーション終了と判定し手順46aに進み、実出力値
を基本出力値に一旦決定して手順47aに進む。
【0101】一方、手順44bでダイナミックリミテー
ションを継続すると判定した場合は、手順45に進み後
で述べるダイナミックリミテーションを実行し、手順4
6bで実出力値を該ダイナミックリミテーションで得ら
れた値に一旦決定し、手順47aに進む。手順47aで
は空燃比センサの信号が断線や短絡などの異常がないか
どうかを検証し、その結果異常なしと手順47bで判定
した場合は手順49に進んで該実出力値をデューティ値
としてセットし、今回の手順を終了する。一方、手順4
7bで異常ありと判定した場合は手順48で実出力値を
フェールセーフ値に設定し直し、手順49に進んで該実
出力値をデューティ値としてセットし、今回の手順を終
了する。なおこの場合、フェールセーフ値に設定する代
わりに、実出力値を所定値以下に制限したり、実出力値
が所定の割合で少なくなるように補正したり、或いはそ
れらの制限が起動されやすく特性変更することによっ
て、実質的に実出力値が小さい値に調整されるようにし
てもよい。
【0102】本実施例によれば、基本出力値は内燃機関
1の運転状態により設定されるため、パージ制御量をど
の運転領域においても最適に制御できるという利点があ
る。また、ダイナミックリミテーションは実出力値が該
基本出力値に達するまでの間だけ動作し、その後は基本
出力値の動きに従ってパージ制御量が推移するため、効
率の良いパージが実現できるとともに、空燃比制御に悪
影響を与えずにパージを開始することの両立が簡単な構
成で実現できるという利点がある。
【0103】次に、図6にダイナミックリミテーション
の手順につき説明する。本手順は所定時間ごとに実行さ
れる。手順60で空燃比センサ信号を取り込み、手順6
6でその信号に断線や短絡などの異常がないかどうかを
判定する。異常ありと判定した場合は手順65に進む。
この場合、空燃比センサ信号の反転を検出することはで
きず、従ってダイナミックリミテーションのステップを
進めることはできないので、その手順65で前回の実出
力値を保持してダイナミックリミテーションの処理を終
了する。
【0104】一方、手順66で異常なしと判定した場合
は手順61で該信号のフィルタリングを行う。これは、
数1に示されるような一次遅れ式によるローパスフィル
タで実現できるが、無論これに限られるわけではない。
【0105】なお、gfはフィルタリングゲイン(gf
≦1)、O2 は空燃比センサ信号、O2f はフィルタリ
ング後の該信号、添え字の(i)と(i−1)は各々今回値
であること、前回値であることを示す。
【0106】 O2(i)=gf×O2+(1−gf)×O2(i-1) …(数1) 手順62で、フィルタリング後の値O2f をリーン判定
値と比較し、O2f がリッチ側からリーン側に反転した
かを検証する。その検証結果から、手順63で反転した
と判定した場合、手順64aに進みダイナミックリミテ
ーションのステップ幅を後で述べる燃料蒸気量に応じて
決定する。燃料蒸気量とダイナミックリミテーションの
ステップ幅の関係を図9に示す。手順64aにて決定し
たステップ幅を用い、手順64bにて前回の実出力値に
該ステップ幅を加算してダイナミックリミテーションの
処理を終了する。
【0107】一方、手順63でO2f がリッチ側からリ
ーン側に反転しなかったと判定した場合、手順65に進
み前回の実出力値を保持して、ダイナミックリミテーシ
ョンの処理を終了する。
【0108】本実施例によれば、空燃比信号をフィルタ
リングした値を用いてリッチ側からリーン側に反転した
ことを判定しているので、ノイズや空燃比の気筒間ばら
つきに強いという利点がある。また、フィルタリングを
簡単な一次遅れ式で実現しており、また、ダイナミック
リミテーション部分のコンピュータプログラムをブロッ
ク化して実現できるので、コンピュータプログラミング
が容易であるという利点がある。
【0109】なお、上記ダイナミックリミテーションに
関し、フィルタリングの有無による動作の違いを図7に
示すため、フィルタリング後の空燃比センサ信号に基づ
いて行った場合を70に、フィルタリング前の空燃比セ
ンサ信号に基づいて行った場合を71に示す。
【0110】また、図8にはV型内燃機関などにおい
て、各バンク毎に空燃比センサを設けた場合のダイナミ
ックリミテーションにつき説明する。本手順は所定時間
ごとに実行される。手順60で図6と同じく空燃比セン
サ信号を取り込む。ただしこれは、両バンク用の両空燃
比センサにつき行う。次に手順66で各々の空燃比セン
サ信号自体について断線や短絡など、空燃比センサ信号
に異常があるかどうかの検証を行い、両方の信号に故障
ありと判定した場合は手順65に進む。この場合、空燃
比センサ信号の反転を検出することはできず、従ってダ
イナミックリミテーションのステップを進めることはで
きないので、その手順65で前回の実出力値を保持して
ダイナミックリミテーションの処理を終了する。
【0111】一方、手順66で少なくともいずれかの空
燃比センサ信号は問題ないと判定した場合は、次に手順
67で両者正常なのか、一方だけ正常なのかを判定す
る。両者正常であると判定した場合は手順61bに進
み、両空燃比センサ信号のフィルタリングを行う。次
に、各フィルタリング後の信号を交互に参照するため、
手順68で、どちらの信号を参照するかを選定する。一
方、手順67で一方だけ正常であると判定した場合は手
順61cに進み、正常な方の信号を選定し、フィルタリ
ングする。
【0112】また次の手順62から手順65では、選定
した信号を元に図6と同じ処理を行うものである。本実
施例によれば、両空燃比センサ信号の処理をまとめて行
うようにしているため、このダイナミックリミテーショ
ン部分のコンピュータプログラムをブロック化して実現
できるので、コンピュータプログラミングが容易である
という利点がある。
【0113】次に、図10に燃料噴射量の制御手順を示
す。本手順は所定時間ごとに実行される。まず手順81
で内燃機関の運転状態を取り込む。その運転状態に応じ
て、手順82にて基本燃料噴射量Tpを算出する。Tp
は数2のようにエンジン回転数Neと、吸入空気量Qa
との比により算出される。なお、Kは比例定数である。
【0114】 Tp=K×(Qa÷Ne) …(数2) 手順83で空燃比センサ信号を取り込む。その結果に応
じて空燃比制御の制御量αを求める。αと空燃比センサ
信号との関係を図11に示す。手順85で燃料噴射量T
iを算出する。Tiは数3のように上記Tpと上記αと
の積で求められる。なお、COEFは冷却水温などに応
じて設定される補正係数である。
【0115】Tsはインジェクタの特性補正項である。
【0116】 Ti=COEF×Tp×α+Ts …(数3) 次に、図12,図13,図14に従って燃料蒸気量の算
出手順につき説明する。本手順は所定時間毎に繰り返し
実行される。まず、手順100にて手順81と同様に内
燃機関1の運転状態を取り込む。ここで、次に手順10
1で初期状態か否かを判定する。これは例えば、初めて
本手順を実行したか否かで判定できる。手順101にて
初期状態である、と判定した時は図13の手順121に
進む。手順121では、システムの電源が遮断されてか
らどの程度の時間(Tdown)が経過したか、を取り込
む。Tdownの測定は、例えばシステムの電源で充電され
る積分回路の端子電圧をシステム電源が立ち上がるとき
に読み込むことで実現できるが、無論その方法に限定さ
れるものではない。次に手順122で始動時水温(TW
s)を取り込む。次に、手順123で燃料蒸気の不揮発
メモリ内保管値(EVPMEM(n))を読み出し、一旦燃料
蒸気量値(EVP(n))にセットする。EVPMEM
(n),EVP(n)のnは運転領域識別子を示す。な
お、前記手順121〜123の前後関係は重要ではな
く、必ずしも実際のコンピュータプログラムがその順番
に実行される必要はない。
【0117】さて、手順124にて初回始動時か否かの
確認を行う。それは、手順121にて得たTdownが十分
に長時間であるかどうかによって判断するが、例えば手
順122で得たTWsが十分に低温であるかどうかによ
っても判断は可能である。該手順124にて初回始動時
であると判断した場合は手順126に進み燃料蒸気量の
初期値選定を行う。これは、手順122で得た始動時水
温に対応して予め設定した値にEVP(n)を設定する
ものである。
【0118】すなわち、 EVP(n)=f(TWs) …(数4) に設定する。
【0119】一方、手順124にて初回始動時ではない
と判定した場合手順125に進み、エンジンが停止して
いた状態での燃料蒸気の状態を推定してEVP(n)の
初期値を設定するための補正系数を算出する。これは例
えば、TdownとTWsの関数としてEVP(n)を補正
する。すなわち、 EVP(n)=EVP(n)×f(Tdown)×f(TWs) …(数5) として算出し、手順127にて初期値として設定する。
【0120】さて、手順101で初期状態ではないと判
断した場合、手順102に進み内燃期間の運転状態を検
出するセンサ類、或いは内燃期間を制御するアクチュエ
ータ類に故障がないかどうかを検証する。次に手順10
3で空燃比制御の制御量α、或いは燃料噴射量Tiが制
御限界値にあるか、などを検証する。次に手順104で
大気圧の検出を行う。これは大気圧センサを備えてその
検出値から検知してもよいし、内部推定計算値などを使
用してもよい。なお、前記手順102〜104の前後関
係は重要ではなく、必ずしも実際のコンピュータプログ
ラムがその順番に実行される必要はない。
【0121】手順105で燃料蒸気を算出すべきかどう
かを判定する。これは、手順102〜104にて得られ
た各種故障状態,制御限界にあるかどうか、あるいは大
気圧が非常に低い状態であるかどうかで判定する。燃料
蒸気を算出すべきでないと判定した時は図14の手順1
35に進み、EVP(n)をフェールセーフ値(KEVPF
(n))に設定する。これは、領域毎に異なったフェー
ルセーフ値が選定できるようにしている。
【0122】さて、手順105で燃料蒸気量を算出する
と判定した場合、手順106に進み現在運転中の運転領
域の検索を行う。そして手順107で、その運転領域に
対応した、算出すべきEVP(n)を選定する。次に手
順108で、空燃比制御の制御量αを用いて燃料蒸気量
を計算できる運転状態にあるかどうか、を判定する。こ
れはすなわち、現在いる運転領域での安定度を検証する
ものであり、エンジン回転数,負荷,スロットル開度な
どの変動幅が所定値以内であるかどうか、を見る。同時
に、空燃比制御の学習制御が十分に行われているか、空
燃比センサがすでに活性化状態にあるかどうかも検証す
る。次に手順109で、前記手順107にて選定したE
VP(n)の値を読み出す。
【0123】さて手順110で、前記手順108での検
証結果に基づき燃料蒸気量を空燃比制御の制御量αで算
出するかどうかを判定する。αで算出すると判定した場
合は手順111に進み、まずαを読み出す。次に計算値
を平均化するためにαの平均値(αave)を算出する。こ
れは例えば、定時間毎にαをサンプリングしてそれらの
平均値を算出するようにしても良いし、古典制御でのP
I制御を空燃比制御に用いている場合はP分を発生させ
る時のピーク値同士の平均値を算出するようにしても良
い。そして、手順113でそのαave を用いてEVP
(n)を算出する。すなわちαaveが補正係数であっ
て、1.0を中心に動作する場合、その中心値からの偏
差を用いて下記数式のように求める。
【0124】 EVP(n)=1.0−αave≧0 …(数6) ここでは、燃料蒸気は空燃比をリッチ方向に推移させる
ことから、本計算式を使用する限りにおいてEVP
(n)が負の値にはなり得ない。従って計算値が負の値
にならないように0で最低値制限をかけている。次に数
6で得られた値に対して前回値との変動が大きくなり過
ぎないように、変動幅抑制を行う。まず、手順114a
にて変動抑制値を求める。これは例えば前回のEVP
(n)の値に応じて、図15のように決めることができ
るが、これは例えばαの中心値からの偏差やパージ制御
量,大気圧等の燃料蒸気発生に影響を及ぼすパラメータ
等に応じても決めることも可能である。手順113で今
回得られた算出値(1)と、前回値であるEVP(n)
とを比較し、その差が手順114aにて決定した抑制値
よりも大きい場合、その差が抑制値に収まるように手順
114bで変動幅の抑制を行う。このようにして算出し
た値を手順115にて、EVP(n)として保持する。
この手順によって、手順125,126で得た初期値、
或いは後述する内燃機関の運転状態から算出した燃料蒸
気量をαで算出した値に書き換えることができる。
【0125】さて手順110で空燃比制御量αで算出す
ると判定しなかった場合は手順131に進み、燃料蒸気量
を内燃機関の状態量に応じて算出する。これは、パージ
制御量と吸気系の負圧とが大きければパージ量は増え、
キャニスタに蓄積している燃料蒸気量は低減されること
から、下記数式のようにαの偏差をそれらのパラメータ
で補正するようにする。
【0126】 EVP(n)=EVP(n)(i-1)+(1.0−α)×Kf …(数7) Kf=f(Qa,CPD) …(数8) なお、CPD:パージ制御量 EVP(n)(i-1):EVP(n)の前回値 前述のようにEVP(n)の前回値を用いているので、
前回はαで算出し(手順110の判定:Yes)、今回
はαで算出しない(手順110の判定:No)というよ
うに状態が変化しても、算出値EVP(n)(i-1)には必
然的に前回までαで算出していた値がその初期値として
使用されるので、EVP(n)の値の連続性が妨げられ
ることはない。
【0127】そして、手順114a,114bで上記と
同様に変動幅抑制処理を行い、このようにして算出した
値を手順133にて、EVP(n)として保持する。
【0128】なお、次の手順134では、今回算出の対
象となっていない運転領域(m)のEVP(m)に対し
ても補正を行うようにしている。こうすることによっ
て、運転領域が変化しても、読み出すEVP(n)の値
に大きな段差が発生する問題を予防することができる。
該補正の一例としては、下記のように今回算出対象とな
った領域(n)のEVP(n)の変化分の所定係数倍
(Kc)分を、今回算出の対象となっていない運転領域
(m)のEVP(m)に反映することにより実現可能で
あるが、無論この方法に限られるものではない。
【0129】 EVP(m)(i)=EVP(m)(i-1)+Kc×{EVP(n)(i) −EVP(n)(i-1)} …(数9) 次に手順116で、パージ配管系の診断用に正圧を印加
しているか、或いは印加後所定時間以内か、すなわちパ
ージ配管系に正圧が残っている状態にあるかどうか、を
判定する。正圧が残っていると判定した場合は手順11
7に進み、所定値KEVP(n)に設定する。このよう
に、例えば強制的に燃料蒸気量を大きな量に設定するこ
とによって、この値を参照して制御特性を適宜調整する
制御において、大量の燃料蒸気が発生している状態に予
め設定し、パージ再開に対して準備することができる。
【0130】手順135,117の後、上記手順で算出
したEVP(n),EVP(m)をそれぞれの不揮発メ
モリEVPMEM(n),EVPMEM(m)に格納し燃料蒸気量算
出手順を終了する。
【0131】次に図16で空燃比制御について説明す
る。本手順は所定時間ごとに実行される。まず手順15
0で、前述の手順41,81,100と同様に内燃機関
の運転状態を取り込む。次に手順151で空燃比センサ
信号を取り込み、前記手順66と同じようにその信号に
断線や短絡などの異常がないかどうかを手順152aで
判定する。そこで空燃比センサ信号に異常があると判定
するか、手順152bで前記空燃比センサは活性化して
いないと判定した場合は手順159に進み、空燃比制御
の制御量αを1.0 に設定し、空燃比制御処理を終了す
る。
【0132】本明細書中、空燃比制御手段の“停止”と
は、前記空燃比センサ7の出力信号に応じて、逐次、空
燃比制御の制御量αを補正する動作を行わないことを意
味し、空燃比制御の制御量αの設定を行わず、混合気の
空燃比を全く制御しない状態を意味するものではない。
【0133】さて、手順152bでその空燃比センサが
活性化しているかどうかを検証するが、要するに空燃比
制御を開始しても良いかどうかを判定しているので、例
えば空燃比センサ自身の他に内燃機関の冷却水温や始動
後経過時間でもよい。
【0134】手順152aで空燃比センサに異常はない
と判定され、手順152bで空燃比センサは活性化して
いると判定した場合、手順153に移行して空燃比制御
を開始する。
【0135】手順153では基準となる空燃比制御速度
値(P,I)をまず決定する。次に手順154で、前述
の図12〜図14で算出したEVP(n)を読み出す。
次に手順155aでは,前述のパージ制御においてダイ
ナミックリミテーションが動作中であって、空燃比制御
の制御特性を変更すべきかどうかを判定する。また、手
順155bでは前述のパージ制御の制御量が所定値の範
囲内にあって、空燃比制御の制御特性を変更すべきかど
うかを判定する。また、手順155cでは前述の燃料蒸
気量EVP(n)が所定値範囲内にあって、燃料蒸気量
が空燃比制御に影響を及ぼすため空燃比制御の制御特性
を変更すべきかどうかを判定する。
【0136】上記手順155a,155b或いは155
cのいずれかにおいて空燃比制御の制御特性を変更すべ
きと判定した場合は、手順156に進み各々の場合に応
じて空燃比制御速度のP,I分をどの程度補正すべきか
を決定する。そして、手順157でその補正値を用いて
P,I分を補正し、その値に応じて手順158で空燃比
制御の制御量αを設定し、空燃比制御処理を終了する。
【0137】一方、上記手順155a,155b或いは
155cのいずれにおいても空燃比制御の制御特性を変
更すべきと判定しなかった場合、何も補正せずに手順1
58で空燃比制御の制御量αを設定し、空燃比制御処理
を終了する。
【0138】次に、図17に従ってパージ配管系の診断
手順につき説明する。ここで示す手順は該診断を行う上
での一連の手順,操作の流れを示すものであり、必ずし
もコンピュータプログラムの流れ自体がこの通りに作成
されている必要はない。
【0139】まず、手順170で前述の手順41,8
1,100,150と同様に内燃機関の運転状態を取り
込む。次に、手順171でパージ配管系の圧力を示す信
号を取り込む。これは例えば、圧力値を示す圧力センサ
の信号でもよいし、所定圧力で反転するスイッチ信号で
もよい。次に手順172で、内燃機関1の始動直後か停
止直前かを判定し、そうである場合は手順186に進み
パージ制御弁13を所定分だけ開弁する。これによっ
て、パージ配管系内部の残留正圧を内燃機関1に解放す
るとともに、大気に直接燃料蒸気が放出されるのを防止
するものである。
【0140】一方、手順172で、内燃機関1の始動直
後でも停止直前でもないと判定した場合、手順173に
進み、前記手順171で取り込んだ配管系圧力信号が内
燃機関1の始動当初から高圧力側を示しているものと、
手順173で判定した場合には、手順181に進み配管
系の漏れの診断を飛ばすようにしている。こうすること
によって、残留圧力による配管系漏れ診断の誤診断を防
止できる。
【0141】手順173で始動当初から高圧力側を示し
ていないと判定した場合は手順174に進み、パージ配管
系の診断条件が満足されているかどうかを判定する。こ
れは例えば、内燃機関1の負荷や回転数,スロットル開
度,冷却水温が所定値内にあるか等で判定する。そこ
で、診断条件を満足していないと判定した場合は、その
まま診断を終了する。逆に診断条件を満足していると判
定した場合は手順175に進み、配管系圧力計20に異
常がないかどうかを診断する。これは例えば、配管系圧
力計20が圧力値を示す圧力センサである場合は、出力
信号が断線や短絡状態を示しているかどうかで診断で
き、また該圧力計が所定圧力で反転するスイッチ信号で
ある場合は、正しくONとOFFを示すかどうかを検証
することで診断できる。その診断結果をもとに手順17
6で、該圧力計に異常があるものと判定した場合は手順
185に進む。
【0142】一方、手順176で配管系圧力計20に異
常がないものと判定した場合は手順177に進み、パー
ジ制御弁13を閉弁する。すでに別の理由でパージ制御
弁13が閉弁されていることが確実に保証されている場
合、例えば二次空気ポンプ18が動作しており空燃比制
御を停止しているためにパージ制御も開始しておらず、
従ってパージ制御弁13が必ず閉じられている場合に
は、この手順177は必ずしも必要ではない。次に手順
178aで、配管系を所定分加圧する。これは、加圧ポ
ンプ14を所定時間だけ動作させてもよいし、配管系圧
力計20が所定圧力を示すまで動作させてもよい。その
後、すなわち加圧を停止してから、手順179aで該圧
力の降下の仕方を検証する。これは例えば、該圧力が所
定分降下するのに要する時間を測定して検証しても良い
し、所定時間の内に降下する圧力分から検証してもよ
い。ここで、圧力の降下の仕方が所定値よりも大きい場
合、手順180で配管系に漏れがあるものと判定して手
順185に進む。
【0143】一方、手順180で配管系に漏れがないと
判定した場合は手順181に進み、パージ制御弁が開弁
可能であるかどうか、判定する。すなわちパージ制御弁
がすでに別の理由、例えば二次空気ポンプ18が動作し
ており空燃比制御を停止しているためにパージ制御も開
始していない、等の理由によってパージ制御弁13が閉
じられていた場合には、それらの理由が解除されパージ
制御弁13を開弁しても良い状態にあるかどうかを判定
する。まだ開弁しても良い状態にないときは、その状態
で待機する。
【0144】さて、手順181でパージ制御弁13を開
弁しても良いと判定した場合、手順182に進みパージ
制御弁13を付勢する。その後手順183で設けられた
所定の待ち時間の後、配管系目詰まり試験に移行する。
該目詰まり試験はまず、手順178bにて前記手順17
8aと同様に配管系を加圧する。次に手順179bにて
前記手順179aと同様に該圧力の降下の仕方を検証す
る。ここで、該圧力の降下の仕方が所定値よりも小さい
場合、手順184で配管系に目詰まりがあるものと判定
して手順185に進む。
【0145】手順185では前記手順176,180、
或いは184にて各診断の結果異常と判定された結果に
基づき、異常である旨の表示を異常警報ランプ19で行
う。手順184で配管系に目詰まりがないものと判定さ
れた場合は、そのまま一連の手順を終了する。
【0146】本実施例によれば、配管系圧力計20の診
断を配管系診断条件が満足されている状態において手順
175にて実施しているので、該診断を高い信頼性のも
とで実施することができる。
【0147】
【発明の効果】本発明によれば、キャニスタに蓄積され
た燃料蒸気蓄積量、或いはキャニスタから離脱し内燃機
関に供給される供給燃料蒸気量を正確に算出し、その値
に応じて最適なパージ制御,内燃機関制御,空燃比制御
の各特性を得ることができる。また、パージ配管系に加
圧して該配管系の異常を診断する場合において、内燃機
関の制御性を悪化させることなく該診断を実行できるの
で、より空燃比変動を少なくして内燃機関を制御するこ
とができるとともに、パージ配管系の異常を誤判定なく
検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のシステム構成を示す図であ
る。
【図2】パージ制御弁の構造の模式図である。
【図3】パージ制御弁の駆動回路を示す図である。
【図4】パージ制御の処理内容を示す図である。
【図5】パージ制御の基本出力値を示す図である。
【図6】パージ制御のダイナミックリミテーション処理
内容を示す図である。
【図7】空燃比センサ信号の動きとダイナミックリミテ
ーションの動きとの関係を示す図である。
【図8】パージ制御のダイナミックリミテーション処理
内容を示す図である。
【図9】燃料蒸気量とパージ制御のダイナミックリミテ
ーションのステップ幅との関係を示す図である。
【図10】燃料噴射制御の処理内容を示す図である。
【図11】空燃比センサ信号と空燃比制御の制御量αと
の関係を示す図である。
【図12】燃料蒸気量の算出処理内容を示す図である。
【図13】燃料蒸気量の算出処理内容を示す図である。
【図14】燃料蒸気量の算出処理内容を示す図である。
【図15】燃料蒸気量と、燃料蒸気量変動抑制幅との関
係を示す図である。
【図16】空燃比制御の処理内容を示す図である。
【図17】パージ配管系診断の処理内容を示す図であ
る。
【図18】制御装置6の内部構成を示すブロック図であ
る。
【符号の説明】
1…内燃機関、6…制御装置、11…燃料タンク、12
…キャニスタ、13…パージ制御弁。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F02D 45/00 376 F02D 45/00 376B (72)発明者 早坂 正義 茨城県ひたちなか市大字高場字鹿島谷津 2477番地3日立オートモティブエンジニ アリング株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−223021(JP,A) 特開 平6−280687(JP,A) 特開 平6−346801(JP,A) 特開 平7−83124(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02M 25/08 301 F02M 25/08 F02D 41/02 301 F02D 41/14 310 F02D 41/22 301 F02D 45/00 376

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃料タンクと、 燃料蒸気を蓄えるキャニスタと、 前記燃料タンクから前記キャニスタを経て内燃機関の吸
    気系に通じるパージ配管系と、 該パージ配管系中に設置されたパージ制御弁に作用し、
    前記内燃機関に供給される燃料蒸気の量を制御するパー
    ジ制御手段と、 該内燃機関の運転状態を検出する内燃機関運転状態検出
    手段と、 該運転状態に応じて内燃機関を制御する内燃機関制御手
    段と、 該内燃機関に供給される燃料混合気の空燃比を検出する
    空燃比検出手段と、 該空燃比検出結果に応じて該空燃比を目標空燃比に制御
    する空燃比制御手段と、 を有する内燃機関の制御装置において、 前記キャニスタに蓄積された燃料蒸気蓄積量、或いは前
    記キャニスタから離脱し前記内燃機関に供給される供給
    燃料蒸気量をパージ制御弁が開弁状態にあって、かつ、
    前記内燃機関が所定の運転状態にある時に前記空燃比制
    御手段の制御量の固定値からの偏差を用いて算出する、
    第一の算出手段と、 前記所定の運転状態にない時には、前記燃料蒸気蓄積
    量、或いは前記供給燃料蒸気量を、前記第一の算出手段
    とは別に、前記パージ制御手段の制御量,内燃機関運転
    状態検出値及び内燃機関の運転状態継続状態のうち、少
    なくともいずれか一つに応じて算出される第二の算出手
    段と、 前記第一,第二の算出手段が機能不能の状態である算出
    機能不能状態検出手段と、 該状態から復帰して前記第一,第二の算出手段が機能す
    る状態である算出機能状態検出手段と、 前記算出機能不能状態に前記燃料タンクと前記キャニス
    タと前記パージ配管系の環境状況を推定、或いは検知す
    る周囲状況検知手段と、 を持ち、 前記算出機能状態の開始時に、前記算出機能不能状態に
    おける前記環境状況に応じて、前記第一,第二の算出手
    段による算出値、或いは燃料蒸気量の少なくともいずれ
    かを所定値に設定するか、或いは補正することを特徴と
    する内燃機関制御装置。
  2. 【請求項2】 燃料タンクと、 燃料蒸気を蓄えるキャニスタと、 前記燃料タンクから前記キャニスタを経て内燃機関の吸
    気系に通じるパージ配管系と、 該パージ配管系中に設置されたパージ制御弁に作用し、
    前記内燃機関に供給される燃料蒸気の量を制御するパー
    ジ制御手段と、 該内燃機関の運転状態を検出する内燃機関運転状態検出
    手段と、 該運転状態に応じて内燃機関を制御する内燃機関制御手
    段と、 該内燃機関に供給される燃料混合気の空燃比を検出する
    空燃比検出手段と、 該空燃比検出結果に応じて該空燃比を目標空燃比に制御
    する空燃比制御手段と、 を有する内燃機関の制御装置において、 前記キャニスタに蓄積された燃料蒸気蓄積量、或いは前
    記キャニスタから離脱し前記内燃機関に供給される供給
    燃料蒸気量をパージ制御弁が開弁状態にあって、かつ、
    前記内燃機関が所定の運転状態にある時に前記空燃比制
    御手段の制御量の固定値からの偏差を用いて算出する、
    第一の算出手段と、 前記所定の運転状態にない時には、前記燃料蒸気蓄積
    量、或いは前記供給燃料蒸気量を、前記第一の算出手段
    とは別に、前記パージ制御手段の制御量,内燃機関運転
    状態検出値及び内燃機関の運転状態継続状態のうち、少
    なくともいずれか一つに応じて算出される第二の算出手
    段と、 前記内燃機関運転状態検出手段の故障,前記空燃比検出
    手段の故障のいずれかを検出するセンサ類故障診断手
    段、 前記内燃機関制御手段,前記空燃比制御手段のいずれか
    が制御可能範囲の限界値に到達したことを検出する制御
    限界到達検出手段のいずれかを少なくとも一つ以上持
    ち、 前記センサ類故障診断手段、或いは前記制御限界到達検
    出手段のいずれかが、故障或いは制御限界であることを
    検出した時、 前記第一,第二の算出手段の実行を停止し、 前記燃料蒸気量を別に定める所定値に設定すること、を
    特徴とする内燃機関制御装置。
  3. 【請求項3】 燃料タンクと、 燃料蒸気を蓄えるキャニスタと、 前記燃料タンクから前記キャニスタを経て内燃機関の吸
    気系に通じるパージ配管系と、 該パージ配管系中に設置されたパージ制御弁に作用し、
    前記内燃機関に供給される燃料蒸気の量を制御するパー
    ジ制御手段と、 該内燃機関の運転状態を検出する内燃機関運転状態検出
    手段と、 該運転状態に応じて内燃機関を制御する内燃機関制御手
    段と、 該内燃機関に供給される燃料混合気の空燃比を検出する
    空燃比検出手段と、 該空燃比検出結果に応じて該空燃比を目標空燃比に制御
    する空燃比制御手段と、 を有する内燃機関の制御装置において、 前記キャニスタに蓄積された燃料蒸気蓄積量、或いは前
    記キャニスタから離脱し前記内燃機関に供給される供給
    燃料蒸気量をパージ制御弁が開弁状態にあって、かつ、
    前記内燃機関が所定の運転状態にある時に前記空燃比制
    御手段の制御量の固定値からの偏差を用いて算出する、
    第一の算出手段と、 前記所定の運転状態にない時には、前記燃料蒸気蓄積
    量、或いは前記供給燃料蒸気量を、前記第一の算出手段
    とは別に、前記パージ制御手段の制御量,内燃機関運転
    状態検出値及び内燃機関の運転状態継続状態のうち、少
    なくともいずれか一つに応じて算出される第二の算出手
    段と、 燃料蒸気の発生量に影響を及ぼす前記燃料タンク,前記
    キャニスタ,前記パージ配管系の環境状況パラメータ及
    び燃料状態パラメータ、 のいずれかを少なくとも一つ以上を検出する手段を持
    ち、該検出結果に応じて、 前記第一,第二の算出手段の実行に制限を設けること、 或いは、 前記第一,第二の算出結果、或いは前記燃料蒸気量の少
    なくともいずれかに補正を加えることを特徴とする内燃
    機関制御装置。
  4. 【請求項4】燃料タンクと、 燃料蒸気を蓄えるキャニスタと、 前記燃料タンクから前記キャニスタを経て内燃機関の吸
    気系に通じるパージ配管系と、 該パージ配管系中に設置されたパージ制御弁に作用し、
    前記内燃機関に供給される燃料蒸気の量を制御するパー
    ジ制御手段と、 該内燃機関の運転状態を検出する内燃機関運転状態検出
    手段と、 該運転状態に応じて内燃機関を制御する内燃機関制御手
    段と、 該内燃機関に供給される燃料混合気の空燃比を検出する
    空燃比検出手段と、 該空燃比検出結果に応じて該空燃比を目標空燃比に制御
    する空燃比制御手段と、 前記パージ制御弁を遮断状態にしたまま、前記パージ配
    管系の一部を通じて該パージ配管系の内部圧力を上昇さ
    せるパージ配管系加圧手段と、 を持つ内燃機関制御装置において、 前記パージ配管系への加圧を終了し、前記パージ制御弁
    の遮断状態を解除するとき、 前記パージ制御弁の開度速度を遅くする手段、あるいは
    前記空燃比制御の制御応答特性を速める手段を有するこ
    とを特徴とする内燃機関制御装置。
  5. 【請求項5】燃料タンクと、 燃料蒸気を蓄えるキャニスタと、 前記燃料タンクから前記キャニスタを経て内燃機関の吸
    気系に通じるパージ配管系と、 該パージ配管系中に設置されたパージ制御弁に作用し、
    前記内燃機関に供給される燃料蒸気の量を制御するパー
    ジ制御手段と、 該内燃機関の運転状態を検出する内燃機関運転状態検出
    手段と、 該運転状態に応じて内燃機関を制御する内燃機関制御手
    段と、 該内燃機関に供給される燃料混合気の空燃比を検出する
    空燃比検出手段と、 該空燃比検出結果に応じて該空燃比を目標空燃比に制御
    する空燃比制御手段と、 前記パージ制御弁を遮断状態にしたまま、前記パージ配
    管系の一部を通じて該パージ配管系の内部圧力を上昇さ
    せるパージ配管系加圧手段と、 を持つ内燃機関制御装置において、 前記パージ配管系への加圧は、前記空燃比制御が開始さ
    れる以前に行うことを特徴とする内燃機関制御装置。
  6. 【請求項6】燃料タンクと、 燃料蒸気を蓄えるキャニスタと、 前記燃料タンクから前記キャニスタを経て内燃機関の吸
    気系に通じるパージ配管系と、 該パージ配管系中に設置されたパージ制御弁に作用し、
    前記内燃機関に供給される燃料蒸気の量を制御するパー
    ジ制御手段と、 該内燃機関の運転状態を検出する内燃機関運転状態検出
    手段と、 該運転状態に応じて内燃機関を制御する内燃機関制御手
    段と、 該内燃機関に供給される燃料混合気の空燃比を検出する
    空燃比検出手段と、 該空燃比検出結果に応じて該空燃比を目標空燃比に制御
    する空燃比制御手段と、 前記パージ制御弁を遮断状態にしたまま、前記パージ配
    管系の一部を通じて該パージ配管系の内部圧力を上昇さ
    せるパージ配管系加圧手段と、 前記パージ配管系の圧力を検出する圧力検出手段と、 該圧力検出手段による圧力検出結果によって前記パージ
    配管系の異常診断を行うパージ配管系診断手段と、 を有する内燃機関制御装置において、 該圧力検出結果が前記内燃機関の始動当初から所定圧力
    以上であることを示している場合、前記パージ配管系診
    断の手順を変更するか、診断結果、あるいは診断実行来
    歴のいずれかを所定の状態に設定することを特徴とする
    内燃機関制御装置。
  7. 【請求項7】燃料タンクと、 燃料蒸気を蓄えるキャニスタと、 前記燃料タンクから前記キャニスタを経て内燃機関の吸
    気系に通じるパージ配管系と、 該パージ配管系中に設置されたパージ制御弁に作用し、
    前記内燃機関に供給される燃料蒸気の量を制御するパー
    ジ制御手段と、 該内燃機関の運転状態を検出する内燃機関運転状態検出
    手段と、 該運転状態に応じて内燃機関を制御する内燃機関制御手
    段と、 該内燃機関に供給される燃料混合気の空燃比を検出する
    空燃比検出手段と、 該空燃比検出結果に応じて該空燃比を目標空燃比に制御
    する空燃比制御手段と、 前記パージ制御弁を遮断状態にしたまま、前記パージ配
    管系の一部を通じて該パージ配管系の内部圧力を上昇さ
    せるパージ配管系加圧手段と、 前記パージ配管系の圧力を検出する圧力検出手段と、 該圧力検出手段による圧力検出結果によって前記パージ
    配管系の異常診断を行うパージ配管系診断手段と、を有
    する内燃機関制御装置において、 前記内燃機関の停止前,始動時、或いは前記パージ配管
    系診断手順開始前のいずれかにおいて、閉弁中の前記パ
    ージ制御弁を所定時間開弁することにより残留圧力を低
    下させることを特徴とする内燃機関制御装置。
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