JP3262052B2

JP3262052B2 - 光ファイバコードとフェルールとの連結方法

Info

Publication number: JP3262052B2
Application number: JP30408697A
Authority: JP
Inventors: 陽彦杉田; 英己谷川
Original assignee: Sumitomo Wiring Systems Ltd
Current assignee: Sumitomo Wiring Systems Ltd
Priority date: 1997-11-06
Filing date: 1997-11-06
Publication date: 2002-03-04
Anticipated expiration: 2017-11-06
Also published as: JPH11142684A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバコード
とフェルールとを互いに連結するための光ファイバコー
ドとフェルールとの連結方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】例えば、プラスチック光ファイバコード
を機器等に接続する場合には、一般に光ファイバコード
の端末部に取り付けられた光コネクタを利用して接続す
る方式が採用されている。

【０００３】そして、この光ファイバコードに光コネク
タを取り付ける場合に、光ファイバコードの位置決めや
軸ズレ防止を図るべく、通常、金属製フェルールが利用
されている。

【０００４】図５に示される如く、この種のフェルール
１は、筒状に形成されており、光ファイバコードの光フ
ァイバ心線部が嵌入される心線嵌入孔を有する心線保持
部２と、光ファイバコードの被覆部を有する部分が嵌入
される被覆嵌入孔３ａを有する被覆保持部３とを備えた
構造とされている。また、被覆保持部３の外周面には、
光コネクタとの位置決め用として、径方向外方に張り出
し形成されたフランジ部４が備えられている。

【０００５】そして、光ファイバコードにフェルール１
を連結固定する場合には、図６に示される如く、光ファ
イバコード６の端部における被覆部７を所定長さ剥取除
去し、光ファイバ心線部８を露出させる（被覆部剥取工
程）。なお、図において、９は光ファイバ心線部８近傍
位置で被覆部７に長さ方向に埋設された長さ方向補強用
の補強体としてのケブラーである。

【０００６】次に、図７に示されるように各ケブラー９
を被覆部７側に折り返し（ケブラー折り返し工程）、図
８に示される如く、所定量の接着剤１１を塗布した状態
で（接着剤塗布工程）、フェルール１の被覆保持部３側
より被覆嵌入孔３ａを通じて嵌入し、図９に示される如
く、心線保持部２の心線嵌入孔２ａに光ファイバ心線部
８が一部突出状として嵌入され、被覆部７を有する部分
が被覆保持部３の被覆嵌入孔３ａに嵌入された状態が得
られる（嵌入工程）。

【０００７】そして、図１０に示される如く、前記嵌入
状態で、被覆保持部３の所定位置を両側よりカシメ３ｂ
ることにより、光ファイバコード６とフェルール１とが
互いに連結固定された状態が得られる（カシメ工程）。
ここに、光ファイバコード６とフェルール１とは、前記
接着剤１１よる被覆部７、ケブラー９および光ファイバ
心線部８とフェルール１との相互間の接着力と、カシメ
３ｂによる被覆部７およびケブラー９に対する被覆保持
部３の挟圧力とにより、光ファイバコード６はフェルー
ル１より抜止状に保持される連結構造とされていた。

【０００８】また、前記カシメ加工は、例えば、図１１
に示される如く、上下対のカシメ治具１３、１４間にフ
ェルール１の被覆保持部３を位置させ、上下方向よりカ
シメ治具１３、１４により加圧すれば、図１２に示され
る如く、被覆保持部３のカシメ３ｂられた状態が得られ
る。なお、図１１および図１２に示される如く、光ファ
イバ心線部８は、中心部のファイバコア８ａとその外周
を被覆するクラッド８ｂとから構成されている。

【０００９】そして、カシメ加工後、図１３に示される
如く、加熱装置としてのホットプレート本体１６のホッ
トプレート鏡面板１６ａ上に、心線保持部２より突出す
る光ファイバ心線部８を押し当てて加熱溶融させ、図９
や図１０に示される心線保持部２の心線嵌入孔２ａ端部
側の漸次拡開するテーパ周面２ｂ側に溶着させ（溶着工
程）、その後、図１４に示される如く、研磨紙１７等に
より光ファイバ心線部８端面を研磨加工し、図１５に示
されるように光ファイバ心線部８端面をフェルール１端
面と面一状とした鏡面状態に仕上げている（鏡面加工工
程）。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来方
式の光ファイバコード６とフェルール１との連結構造に
よれば、高温状況下に長時間放置されると、フェルール
１の心線保持部２端面側で光ファイバコード６が収縮し
て陥没状態となり、光伝送損失が大きくなるという問題
があった。

【００１１】これに対し、一定量の接着剤１１を増量す
ることにより光ファイバコード６の収縮率を減少させる
ことができるが、接着剤１１を増量すれば、フェルール
１先端部より接着剤１１が流出しやすくなり、前記溶着
や研磨を施してもフェルール１端面に接着剤１１が残り
やすく、光ファイバ心線部８と接着剤１１とが混ざり、
かえって光伝送損失が増加してしまうという欠点もあっ
た。

【００１２】また、接着剤１１が乾燥しない状態で溶着
や研磨を施そうとすれば、フェルール１先端を下向きと
して加工するため、接着剤１１がフェルール１先端側よ
り流出し、光伝送損失が増加するという欠点もあった。

【００１３】このため、接着剤１１量を適度な量に調整
し、かつ十分に接着剤１１が乾燥して硬化した後に溶着
や研磨加工を行う必要があり、非常に作業効率が悪いと
いう欠点があった。

【００１４】これに対し、光ファイバコード６とフェル
ール１との固定状態の保持力を高めるために、カシメ力
を高める方法もあるが、カシメ力を高める方法によれ
ば、カシメ力によって光ファイバコード６自体が圧縮さ
れて、光伝送損失が増加するという欠点があった。

【００１５】そこで、本発明は上記問題点に鑑み、光伝
送損失の増加を有効に防止すると共に作業効率に優れる
光ファイバコードとフェルールとの連結方法を提供する
ことを目的とする。

【００１６】

【００１７】

【００１８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の連結方法の技術的手段は、光ファイバ心線部の外周を
覆って被覆部が備えられてなる光ファイバコードにおけ
る端部の前記被覆部を剥取除去して光ファイバ心線部を
金属製フェルールの心線保持部に嵌入すると共に、被覆
部を有する部分を金属製フェルールの被覆保持部に嵌入
し、前記心線保持部の端部側で光ファイバ心線部を心線
保持部内周面側に溶着すると共に、嵌入された光ファイ
バ心線部および被覆部と金属製フェルールとを接着剤に
より接着し、かつ被覆保持部位置でカシメることにより
互いに連結固定する光ファイバコードとフェルールとの
連結方法において、前記心線保持部近傍に位置した前記
被覆保持部に内外貫通状の接着剤注入孔が形成された金
属製フェルールの心線保持部および被覆保持部に、それ
ぞれ光ファイバ心線部および被覆部を有する部分を嵌入
する嵌入工程と、前記嵌入工程後、被覆保持部位置をカ
シメるカシメ工程と、前記カシメ工程後、心線保持部の
端部側で光ファイバ心線部を心線保持部内周面側に溶着
する溶着工程と、前記溶着工程後、光ファイバ心線部端
面を鏡面状に加工する鏡面加工工程と、前記鏡面加工工
程後、前記接着剤注入孔より接着剤を注入する接着剤注
入工程と、を備えてなる点にある。

【００１９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。なお、前述と同様構成部分は同一符
号を付し、その説明を省略する。

【００２０】図１ないし図４に示される如く、金属製フ
ェルール１は前述同様、筒状に形成されており、光ファ
イバコード６の光ファイバ心線部８が嵌入される心線嵌
入孔２ａを有する心線保持部２と、光ファイバコード６
の被覆部７を有する部分が嵌入される被覆嵌入孔３ａを
有する被覆保持部３とを備えた構造とされている。ま
た、被覆保持部３の外周面には、光コネクタとの位置決
め用として、径方向外方に張り出し形成されたフランジ
部４が備えられている。

【００２１】さらに、本実施形態におけるフェルール１
の被覆保持部３には、心線保持部２近傍に位置して、内
外貫通状の接着剤注入孔が形成されている。

【００２２】また、光ファイバコード６も前述同様、光
ファイバ心線部８と、該光ファイバ心線部８の外周を覆
って備えられた被覆部７と、被覆部７に埋設された長さ
方向補強用の補強体としてのケブラー９とを備えた構造
とされている。

【００２３】そして、光ファイバコード６の端部にフェ
ルール１を連結固定する場合には、従来同様、図６に示
される如く、光ファイバコード６の端部における被覆部
７を所定長さ剥取除去し、光ファイバ心線部８を露出さ
せる（被覆部剥取工程）。

【００２４】次に、図７に示されるように各ケブラー９
を被覆部７側に折り返し（ケブラー折り返し工程）、従
来のような接着剤１１塗布を行わないで、フェルール１
の被覆保持部３側より被覆嵌入孔３ａを通じて嵌入し、
図２に示される如く、心線保持部２の心線嵌入孔２ａに
光ファイバ心線部８が一部突出状として嵌入され、被覆
部７を有する部分が被覆保持部３の被覆嵌入孔３ａに嵌
入された状態が得られる（嵌入工程）。

【００２５】そして、図３に示される如く、前記嵌入状
態で、被覆保持部３の所定位置を両側よりカシメ３ｂる
ことにより、光ファイバコード６とフェルール１とが互
いに連結固定された状態が得られる（カシメ工程）。こ
こに、光ファイバコード６はフェルール１より抜止状に
保持される。

【００２６】なお、このカシメ加工は、図１１に示され
るように従来と同様の方法で行えばよい。

【００２７】そして、カシメ加工後、図１３に示される
如く、加熱装置としてのホットプレート本体１６のホッ
トプレート鏡面板１６ａ上に、心線保持部２より突出す
る光ファイバ心線部８を押し当てて加熱溶融させ、心線
保持部２の心線嵌入孔２ａ先端部側の漸次拡開するテー
パ周面２ｂ側に溶着させ（溶着工程）、その後、図１４
に示される如く、研磨紙１７等により光ファイバ心線部
８端面を研磨加工し、図４に示されるように光ファイバ
心線部８端面をフェルール１端面と面一状とした鏡面状
態に仕上げる（鏡面加工工程）。

【００２８】その後、接着剤注入孔２０よりフェルール
１内に接着剤１１を注入する（接着剤注入工程）。この
場合、注入された接着剤１１はフェルール１内面側と光
ファイバコード６外面側との間隙部分に浸透していく。

【００２９】ここに、光ファイバコード６とフェルール
１とは、接着剤１１よる被覆部７、ケブラー９および光
ファイバ心線部８とフェルール１との相互間の接着力
と、カシメ３ｂによる被覆部７およびケブラー９に対す
る被覆保持部３の挟圧力とにより、光ファイバコード６
はフェルール１より抜止状に保持される連結構造とされ
る。

【００３０】以上のように、本実施形態の連結方法によ
れば、フェルール１の心線保持部２先端部側において
は、光ファイバ心線部８がテーパ周面２ｂに溶着されて
おり、被覆保持部３の他端部側においては、カシメ３ｂ
によって図１２にも示される如く、被覆保持部３内周面
と被覆部７外周面とが密着状とされており、接着剤注入
孔２０からの接着剤１１注入に際して、接着剤１１のフ
ェルール１端部から外部への流出が有効に防止でき、こ
こに、接着剤１１を流出させることなく、接着剤１１の
注入量を効率よく増加させることができ、フェルール１
内における光ファイバ心線部８部分や被覆部７部分にも
十分に接着剤１１を充填することができ、フェルール１
内における光ファイバコード６の保持力が向上するた
め、高温状況下に長時間放置された場合であっても、光
ファイバコード６の収縮によるフェルール１先端面側で
の光ファイバ心線部８端面の陥没が有効に防止でき、光
伝送損失の増加を有効に防止できる。

【００３１】また、接着剤１１の充填量の増加により、
光ファイバコード６とフェルール１との保持力が向上す
るため、カシメ３ｂ力をより低く設定することが可能と
なり、この点からも光伝送損失の増加を有効に抑制する
ことができる。

【００３２】さらに、生産工程において、従来のように
接着剤１１が乾燥して硬化するのを待つ必要がなく、作
業効率の向上が図れ、生産時間の短縮化が図れる。

【００３３】また、接着剤注入孔２０を心線保持部２近
傍に位置して形成しているため、心線嵌入孔２ａ側およ
び被覆嵌入孔３ａ側の双方の間隙部分に対する接着剤１
１の充填がより効率よく行える利点もある。

【００３４】なお、光ファイバコード６はプラスチック
光ファイバコード６に限られず、ガラス（石英）光ファ
イバコード６等であってもよい。

【００３５】

【発明の効果】以上のように、本発明の光ファイバコー
ドとフェルールとの連結方法によれば、金属製フェルー
ルの被覆保持部に、カシメ位置より心線保持部側寄りに
位置して、内外貫通状の接着剤注入孔が形成され、金属
製フェルールの心線保持部および被覆保持部に、それぞ
れ光ファイバ心線部および被覆部を有する部分を嵌入す
る嵌入工程と、前記嵌入工程後、被覆保持部位置をカシ
メるカシメ工程と、前記カシメ工程後、心線保持部の端
部側で光ファイバ心線部を心線保持部内周面側に溶着す
る溶着工程と、前記溶着工程後、光ファイバ心線部端面
を鏡面状に加工する鏡面加工工程と、前記鏡面加工工程
後、前記接着剤注入孔より接着剤を注入する接着剤注入
工程と、を備えてなるものであり、フェルールの心線保
持部先端部側においては光ファイバ心線部が溶着され、
被覆保持部の他端部側においてはカシメによって密着状
とされており、接着剤注入孔からの接着剤注入に際し
て、接着剤の流出が有効に防止できるため、接着剤の注
入量を効率よく増加させることができ、フェルール内に
おける光ファイバコードの保持力が向上するため、光フ
ァイバコードの収縮によるフェルール先端面側での光フ
ァイバ心線部端面の陥没が有効に防止でき、光伝送損失
の増加を有効に防止できるという利点がある。

【００３６】また、接着剤の充填量の増加により、光フ
ァイバコードとフェルールとの保持力が向上するため、
カシメ力をより低く設定することが可能となり、この点
からも光伝送損失の増加を有効に抑制することができる
という利点がある。

【００３７】さらに、生産工程において、従来のように
接着剤が乾燥して硬化するのを待つ必要がなく、作業効
率の向上が図れ、生産時間の短縮化が図れるという利点
もある。

【００３８】また、接着剤注入孔を、心線保持部近傍に
位置して形成しているため、接着剤の充填がより効率よ
く行えるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態におけるフェルールの斜視図
である。

【図２】光ファイバコードとフェルールとの連結過程を
示す断面側面図である。

【図３】光ファイバコードとフェルールとの連結過程を
示す断面側面図である。

【図４】光ファイバコードとフェルールとの連結過程を
示す断面側面図である。

【図５】従来のフェルールを示す斜視図である。

【図６】光ファイバコードとフェルールとの連結過程を
示す側面図である。

【図７】光ファイバコードとフェルールとの連結過程を
示す側面図である。

【図８】光ファイバコードとフェルールとの連結過程を
示す側面図である。

【図９】光ファイバコードとフェルールとの連結過程を
示す断面側面図である。

【図１０】光ファイバコードとフェルールとの連結過程
を示す断面側面図である。

【図１１】光ファイバコードとフェルールとの連結過程
を示す断面側面図である。

【図１２】光ファイバコードとフェルールとの連結過程
を示す断面側面図である。

【図１３】光ファイバコードとフェルールとの連結過程
を示す斜視図である。

【図１４】光ファイバコードとフェルールとの連結過程
を示す斜視図である。

【図１５】光ファイバコードとフェルールとの連結過程
を示す断面側面図である。

【符号の説明】

１フェルール２心線保持部２ａ心線嵌入孔２ｂテーパ周面３被覆保持部３ａ被覆嵌入孔３ｂカシメ６光ファイバコード７被覆部８光ファイバ心線部１１接着剤１６ホットプレート本体１６ａホットプレート鏡面板１７研磨紙２０接着剤注入孔

フロントページの続き (56)参考文献特開昭58−172610（ＪＰ，Ａ) 特開平３−209407（ＪＰ，Ａ) 実開昭60−104805（ＪＰ，Ｕ) 実開平１−62509（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) G02B 6/36

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】光ファイバ心線部の外周を覆って被覆部
が備えられてなる光ファイバコードにおける端部の前記
被覆部を剥取除去して光ファイバ心線部を金属製フェル
ールの心線保持部に嵌入すると共に、被覆部を有する部
分を金属製フェルールの被覆保持部に嵌入し、前記心線
保持部の端部側で光ファイバ心線部を心線保持部内周面
側に溶着すると共に、嵌入された光ファイバ心線部およ
び被覆部と金属製フェルールとを接着剤により接着し、
かつ被覆保持部位置でカシメることにより互いに連結固
定する光ファイバコードとフェルールとの連結方法にお
いて、前記心線保持部近傍に位置した前記被覆保持部に内外貫
通状の接着剤注入孔が形成された金属製フェルールの心
線保持部および被覆保持部に、それぞれ光ファイバ心線
部および被覆部を有する部分を嵌入する嵌入工程と、前記嵌入工程後、被覆保持部位置をカシメるカシメ工程
と、前記カシメ工程後、心線保持部の端部側で光ファイバ心
線部を心線保持部内周面側に溶着する溶着工程と、前記溶着工程後、光ファイバ心線部端面を鏡面状に加工
する鏡面加工工程と、前記鏡面加工工程後、前記接着剤注入孔より接着剤を注
入する接着剤注入工程と、を備えてなることを特徴とする光ファイバコードとフェ
ルールとの連結方法。