JP3256344B2 - ピルファープルーフキャップ - Google Patents
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Description
機能を備えているプラスチック製のキャップに関する。
プルーフ機能を備えたキャップは、例えば特開昭61−
11359号公報に見られるように、キャップ本体とバ
ンド部とを有し、両者を破断しやすい複数個のブリッジ
で一体化している。バンド部の内壁面には、十数個の係
止タブが斜下向きに突設してある。この係止タブは、キ
ャップ全体をびん口にねじ込む際に、びん口周面に膨出
したビード部と接当して斜上向きに反転屈曲し、屈曲し
た状態のままでビード部を乗り越えてその下面に掛止
し、開栓時にバンド部が上方移動するのを阻止する。係
止タブは屈曲基端で薄く、突端に近付くほど厚みが大き
い。
場合は、係止タブをバンド部の内壁面に、斜上向きに突
出する状態で形成している。この係止タブも、突出基端
から突端に近付くほど、面壁の厚みを増加している。係
止タブがビード部を乗り越える際の通過抵抗を小さくす
るためである。この通過抵抗が大きいと、キャップのね
じ込み途中にブリッジがねじ切れし易い。
きに係止タブを突設し、その面壁を横断面でく字形等に
屈曲したキャップを先に提案している(特開平1−18
2259号公報)。
で薄く突端に近付くほどぶ厚く形成した係止タブでは、
ビード部を乗り越える際の通過抵抗を小さくできるが、
開栓時におけるバンド部の保持力に問題がある。キャッ
プの開栓動作によってバンド部が上向きに引っ張られる
とき、係止タブの屈曲基端や突出先端が下方に撓み、こ
の変形量分だけバンド部が上方移動する。場合によって
は、バンド部がすっぽ抜けてしまうこともある。上記の
ように係止タブによる保持力が小さいと、陳列時にいた
ずらで開栓されても、これを判別することができない。
バンド部が上方移動すると、ブリッジがねじ切れるより
も前にキャップのシールがびん口から離れ、シール不良
を生じてしまう。炭酸飲料容器の場合には、炭酸ガスが
抜け出してしまう。ブリッジがねじ切られていないとそ
のことを知ることもできない。
たキャップの場合には、平板状の係止タブと比べて係止
タブの面壁における座屈強度が増すので、バンド部の保
持をより強固に行える。しかし、このキャップの場合
も、バンド部の内面に多数個の係止タブが独立して設け
てある点で、先の従来キャップと共通しており、開栓時
に多数個の係止タブが内方又は下方に撓み、ブリッジが
切れる前にシールが解除される等、開栓時の係止タブの
変形強度を向上するうえで限界があった。
ときの通過抵抗が小さく、キャップの開栓時にはバンド
部を強固に保持できるピルファープルーフ機能を備えた
キャップを得ることにある。この発明の他の目的は、開
栓時にキャップと一体になった状態でバンド部を除去で
きるピルファープルーフ機能を備えたキャップを得るこ
とにある。
部のキャップ本体1と下部のバンド部2とが、両者間に
設けた複数個のブリッジ3を介して一体にプラスチック
成形されており、バンド部2の内面に上向きに開口する
環状壁5がバンド部2と一体に設けられていること、環
状壁5の開口縁を径方向内側へ屈曲させて、環状壁5の
内面に複数個の係止タブ7が突設してあることを特徴と
する。より好ましくは、係止タブ7を環状壁5の開口縁
に沿って連続山形に形成する。キャップ本体1とバンド
部2を、複数個の小強度のブリッジ3と、大強度の1個
のブリッジ3aとで接続する。大強度のブリッジ3aの
形成個所に隣接するバンド部2に破断部10を設け、こ
の破断部10の破断強度を、小強度のブリッジ3の破断
強度より大きく、大強度のブリッジ3aの破断強度より
小さく設定する。
壁5の開口縁を径方向内側へ屈曲させて、係止タブ7を
環状壁5と一体に構成するので、開栓時にバンド部2に
作用する力を、環状壁5と係止タブ7とが協働して負担
できる。つまり、荷重負担断面積を増加し、さらに座屈
変形しにくい屈曲構造を採るので、バンド部2を強固に
保持できる。キャップをびん口に装着する場合、係止タ
ブ7はビード部13に沿って斜下向きに周回移動する。
このとき、係止タブ7はその屈曲突端のみがビード部1
3に外接して、径方向外向きの押圧反力を受けるので、
接触抵抗を小さくでき、さらに屈曲突端に押圧反力を集
中させて、屈曲形状を偏平化する向きに容易に変形で
き、全体としてキャップ装着時の通過抵抗を小さくでき
る。
て、バンド部2に破断部10を設けたキャップにおいて
は、小強度のブリッジ3、破断部10、大強度のブリッ
ジ3aの順に破断強度を大きく設定するので、開栓時に
は小強度のブリッジ3と破断部10を順に破断できる。
破断部10が破断した後は、バンド部2がビード部13
から外れるので、バンド部2はキャップ本体1と一体に
なった状態でびん口から除去される。
13を乗り越えるときの通過抵抗が小さいので、従来の
この種のキャップに比べてブリッジ3の破断強度を小さ
くでき、その分開栓時の操作力を軽減できる。さらに、
バンド部2を係止タブ7および環状壁5で強固に保持し
て、その上方移動を確実に阻止できるので、ブリッジ3
の破断開始時期を早めることができ、いたずらによる商
品不良を解消し、全体としてピルファープルーフ機能を
適確に発揮できるキャップが得られる。
の実施例を示す。図1において、キャップは上部のキャ
ップ本体1と、下部のバンド部2とを有し、小さな隙間
を介して対向するキャップ本体1とバンド部2の開口縁
どうしを、8個のブリッジ3、3aで接続し一体にプラ
スチック成形してなる。キャップ本体1の内面にはねじ
山4が設けてある。ブリッジ3、3aは、周方向等間隔
に設けてあり、そのうちの7個は幅寸法が小さな小強度
のブリッジ3で形成し、残る1個は小強度のブリッジ3
より広幅の大強度のブリッジ3aからなる。
の内面下部に連続して上向きに開口する環状壁5を一体
に形成する。環状壁5は、V字状に屈曲する基部6を介
してバンド部2に連続しており、面壁全体が上すぼまり
状に傾斜する状態で突設してある。環状壁5の肉厚は、
基部6を含んで同じ厚みに設定する。
係止タブ7が、上記の環状壁5に設けてある。詳しく
は、環状壁5の開口縁を径方向内側へ連続山形に屈曲さ
せて、横断面がく字形に折れ曲がる係止タブ7の一群を
形成する。係止タブ7は、三角状の一対の面壁7a、7
aからなり、両面壁7a、7aの稜線と、環状壁5と各
面壁7a、7aの境界線を基部6側で収束させて、稜線
の上端が他の部位に比べて径方向内側へ突出するよう形
成する。図2に示すように、稜線部の肉厚T1は、面壁
7aの肉厚T2より僅かに小さく設定する。この理由は
後述する。
本体1を開栓操作すると、ブリッジ3がねじ切られてバ
ンド部2がびん口に残る。この種のキャップでは、開栓
後にキャップ本体1を再栓し、ブリッジ3を接合するこ
とにより、ブリッジ3が正常に繋がっているように見せ
かけることができる。こうしたキャップの悪用を避ける
ために、キャップ本体1が開栓操作されると、バンド部
2が破断されてびん口から除去できるようにするのが好
ましい。
3aの形成個所に隣接するバンド部2において、図2お
よび図3に示すように、環状壁5を溝8で分断し、さら
に溝8に連続する凹欠9をバンド部2に設けて、破断し
やすい破断部10を形成する。この破断部10の破断強
度は、小強度のブリッジ3の破断強度より大きく、大強
度のブリッジ3aの破断強度より小さく設定する。
口に装着される。図4中、符号12はびん口に設けたね
じ山、13はビ−ド部、14はパッキンである。キャッ
プをびん口に外嵌して、キャップ本体1をねじ込み操作
すると、バンド部2の内面に位置する係止タブ7がビー
ド部13と接当し、係止タブ7はビード部13から押圧
反力を受けながら、斜下向きに周回移動する。このと
き、一群の係止タブ7は、連続山形に屈曲しているの
で、蛇腹壁と同様に径方向外側へ容易に変形できる。し
かも、陵線部の肉厚T1が面壁7aの肉厚T2より小さ
いので、より小さな押圧反力で容易に変形できる。ま
た、ビード部13と接触するのは、係止タブ7の屈曲突
端の陵線のみであり、接触抵抗が小さいこと、さらに押
圧反力が屈曲突端に集中して、係止タブ7の変形が促進
されることも、ビード部13を乗り越える際の通過抵抗
を減らすのに役立つ。従って、キャップをびん口に装着
するときに、ブリッジ3に過大な引張り力が作用してね
じ切れてしまうことを、確実に防止できる。
自己の弾性で上り傾斜姿勢に復帰し、その屈曲上端縁が
ビード部13の下面基端に確実に係止する。このとき、
パッキン14はキャップ本体1の天井壁に押圧されて弾
性変形し、びん口の開口周縁壁に密着している。
ジ3、3aには周方向に沿う引張り力が作用し、バンド
部2には引き上げる向きの力が作用する。この力は係止
タブ7に対して座屈荷重として作用する。しかし、係止
タブ7は横断面く字状に屈曲してあって、座屈変形しに
くい補強された構造になっているうえ、環状壁5と一体
化されて、座屈荷重を係止タブ7と環状壁5が協働して
負担する構造になっている。加えて、基部6の厚みを面
壁7aの厚みとほぼ同じにして、基部6の変形強度を大
きくしている。従って、キャップ本体1の開栓動作によ
ってバンド部2が上方移動することはなく、バンド部2
を強固に保持固定して、ブリッジ3の早期破断を促進で
きる(図5参照)。
のブリッジ3aはつながった状態にある。そのため、キ
ャップ本体1に作用する開栓力は、大強度のブリッジ3
aに集中する。一方、このブリッジ3aに隣接してバン
ド部2側の破断部10が位置しており、破断部10の破
断強度はブリッジ3aのそれに比べて小さい。従って、
大強度のブリッジ3aの隣接部に端を発した破断線は、
破断部10へ向って成長し、図6に示すようにバンド部
2を破断部10において分断する。先に述べた溝8は、
この分断を促進することに役立っている。分断されたバ
ンド部2は、全体が弛んで係止タブ7がビード部13か
ら外れてしまうので、キャップ本体1と一体になった状
態のままでびん口から取り外される。この後、このキャ
ップをびん口に再栓しても、バンド部2が破断されてい
るため、開封されたキャップであることを明確に知るこ
とができる。この再栓に際し、バンド部を切り離した状
態で再栓できる様に予め大強度のブリッジ3aにミシン
目、薄肉部等の弱め線を設けておいてもよい。
7の配置形態を変更した実施例を示す。この実施例で
は、環状壁5の開口縁が円弧として残る状態で、この円
弧部5aと係止タブ7とを交互に形成し、係止タブ7の
形成個数を減らした点が実施例1と異る。他は実施例1
と同じ構造とした。
の平面視形状を変更した実施例を示す。図9では、実施
例2と同様に係止タブ7を間欠的に形成したうえで、一
対の面壁7a、7aの隣接部に溝7bを設けて肉厚を小
さくし、係止タブ7の径方向外側への変形を容易化し
た。当然ながら、実施例1の係止タブ7に溝7bを設け
てもよい。図10及び図11の実施例は、環状壁5の開
口縁を径方向内側へ環状壁に対してほぼ垂直に屈曲させ
て形成された第1の平面7d、7eとこの第1の平面7
d、7eから屈曲形成された第2の面7c、7fを有す
る複数個の係止タブ7を環状壁5の内面に突設したピル
ファープルーフキャップである。更に詳しくは、図10
では、キャップをびん口にねじ込み操作するときに、閉
栓回転方向上手側に位置して緩やかに傾斜する面壁(第
2の面)7cと、環状壁に対してほぼ垂直な短い面壁
(第1の面)7dとで、係止タブ7を鋸刃状に形成し
た。図10の例では実施例2と同様に係止タブ7間に円
弧部5aを設けたが、実施例1と同様に係止タブ7を連
続的に設けてもよい。図11では、環状壁5の開口縁に
連続し、環状壁に対してほぼ垂直な一対の面壁(第1の
面)7e、7eと、これらの先端どうしを接続する部分
円弧状の面壁(第2の面)7fの三者で、係止タブ7を
コ字状に形成し、係止タブ7間を円弧部5aとした。
に、凹欠9あるいは溝を設けて薄肉化する以外に、ミシ
ン目状の脆弱部をバンド部2に設けて破断部10とする
ことができる。環状壁5はバンド部2の内壁面の上下方
向中途部から上向きに突設してあってもよい。
ある。
る。
る。
リッジ、5………環状壁、7………係止タブ、10……
…破断部、13………ビード部。
Claims (2)
- 【請求項1】 上部のキャップ本体1と下部のバンド部
2とが、両者間に設けた複数個のブリッジ3を介して一
体にプラスチック成形されており、 バンド部2の内面に上向きに開口する環状壁5がバンド
部2と一体に設けられており、 環状壁5の開口縁を径方向内側へ環状壁に対してほぼ垂
直に屈曲させて形成された第1の平面7d、7eとこの
第1の平面7d、7eから屈曲形成された第2の面7
c、7fを有する複数個の係止タブ7を環状壁5の内面
に突設したピルファープルーフキャップ。 - 【請求項2】 キャップ本体1とバンド部2が、複数個
の小強度のブリッジ3と、大強度の1個のブリッジ3a
とで接続されており、 大強度のブリッジ3aの形成個所に隣接するバンド部2
に破断部10が設けられており、 破断部10の破断強度が、小強度のブリッジ3の破断強
度より大きく、大強度のブリッジ3aの破断強度より小
さく設定されている請求項1記載のピルファープルーフ
キャップ。
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