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JP3114369B2 - ヒートポンプ式空調システム - Google Patents

ヒートポンプ式空調システム

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JP3114369B2
JP3114369B2 JP04181376A JP18137692A JP3114369B2 JP 3114369 B2 JP3114369 B2 JP 3114369B2 JP 04181376 A JP04181376 A JP 04181376A JP 18137692 A JP18137692 A JP 18137692A JP 3114369 B2 JP3114369 B2 JP 3114369B2
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heat exchanger
heat
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temperature
vehicle
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孝充 松野
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両の空調システムと
して用いられるヒートポンプ式空調システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、車両用の空調システムとして
ヒートポンプ式のものがあり、その一例として実開平4
−1011号公報に開示された技術がある。
【0003】この公報に開示された技術は、電気自動車
用のヒートポンプ式空調システムであり、以下に図15
を用いてその構成を簡単に説明する。図15に示される
ように、送風ダクト100は並設された暖房用通路10
2及び冷房用通路104と連通されており、その境目に
は流路切り換え用のダンパ106が配設されている。こ
のダンパ106は、温度コントロールレバー108の操
作によって切り換えられるようになっている。
【0004】送風ダクト100の上流側には内外気取り
入れ口110、112が配設されていると共にこれらを
切り換えるための切り換えダンパ114が配設されてい
る。また、送風ダクト100には室内熱交換器116が
配置されており、この室内熱交換器116は図示しない
室外熱交換器、コンプレッサ、バイパス管等から成るヒ
ートポンプサイクルと繋がっている。室内熱交換器11
6の上流側には、ブロア118が配設されている。
【0005】暖房用通路102には補助ヒータ120が
配置されている。また、暖房用通路102及び冷房用通
路104の下流側には、各々切り換えダンパ122、1
24が配設されており、その下流側の通風ダクトを開閉
している。
【0006】上記構成によれば、暖房運転時には、温度
コントロールレバー108が実線図示状態とされること
により切り換えダンパ106が実線図示状態とされ、ダ
ンパ122、124も実線図示状態とされる。これによ
り、冷房用通路104が閉塞されると共に暖房用通路1
02が開放される。従って、室内熱交換器116で温め
られた空気はブロア118によって暖房用通路102へ
送給される。このとき、室外熱交換器への着霜防止のた
めに室外熱交換器への冷媒の一部をバイパス管に流入さ
せ、これによって熱効率の低下した室内熱交換器116
を補助すべく補助ヒータ120が用いられるようになっ
ている。
【0007】なお、冷房運転時には、温度コントロール
レバー108が二点鎖線図示状態とされることにより切
り換えダンパ106が点線図示状態とされ、ダンパ12
2、124も点線図示状態とされた上で冷風が送給され
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た構成による場合、暖房運転時において室外熱交換器へ
の着霜防止対策の弊害(暖房効率の低下)を防止するた
めに補助ヒータ120を用いているので、消費電力が増
加しバッテリの容量を増加しなければならないという問
題点が生じる。なお、この問題点は、上述したヒートポ
ンプ式空調システムが電気自動車に適用された場合に
は、走行距離の低下という問題点にも繋がる。
【0009】本発明は上記事実を考慮し、暖房運転時に
おいて室外熱交換器への着霜を防止すると共に消費電力
を増加させることがないヒートポンプ式空調システムを
得ることが目的である。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、車両室外と車
両室内とを連通すると共に途中に第1の熱交換器が配置
されて車両室外から車両室内への空気の流入経路となる
第1の流路と、車両室外と車両室内とを連通すると共に
途中に第2の熱交換器が配置されて車両室外から車両室
内への空気の流入経路となり、更に第2の熱交換器と車
両室内との間の部位が車両室外とも連通されて前記第2
の熱交換器の下流側の流路の切り換えが可能とされた第
2の流路と、を有するヒートポンプ式空調システムであ
って、前記第1の流路における前記第1の熱交換器の上
流側及び前記第2の流路における前記第2の熱交換器の
上流側のそれぞれに、蓄熱槽で蓄えられた熱が伝達され
る第3の熱交換器を配置したことを特徴としている。
【0011】
【作用】上記構成によれば、暖房運転時においては、第
1の熱交換器及び第2の熱交換器に冷媒が送給される
と、第1の熱交換器が発熱作用をすると共に第2の熱交
換器が吸熱作用をする。従って、第1の熱交換器を通過
した後の温風を第1の流路を介して車両室内に取り込め
当該車両室内を暖房することができる。なお、この場
合には、第2の流路における第2の熱交換器の下流側の
流路が切り換えられて、第2の熱交換器を通過した後の
冷風は当該第2の流路を通って車両室外へと除去され
る。
【0012】ここで、第1の流路における第1の熱交換
器の上流側及び第2の流路における第2の熱交換器の上
流側のそれぞれに、蓄熱槽で蓄えられた熱が伝達される
第3の熱交換器を配置したので、蓄熱槽で蓄えられた熱
によって第3の熱交換器を発熱させることができる。こ
のため、第1の流路では、第1の熱交換器が発熱したこ
とにより生じる温風が得られるのに加え、その上流側に
配置された第3の熱交換器が発熱したことにより生じる
温風が得られ、両者を車両室内へ取り込むことができ
る。従って、暖房効率を向上させることができる。
【0013】また、第2の流路では、第3の熱交換器が
発熱したことにより生じる温風が、その下流側に配置さ
れた第2の熱交換器へと案内されるので、第2の熱交換
器への着霜が防止される。さらに、従来技術の項で説明
したような補助ヒータ等の別途電力を消費するものを用
いるわけではないので、消費電力が増加することはな
い。
【0014】
【実施例】以下に図1〜図11を用いて、本発明の一実
施例に係るヒートポンプ式空調システムを説明する。
【0015】図1には、本実施例に係るヒートポンプ式
空調システムの概略構成図が示されている。このシステ
ムは、概ねヒートポンプシステム10と、蓄熱システム
12と、から成り、以下この順に説明する。
【0016】ヒートポンプシステム10は、コンプレッ
サ14、四方弁16、第1熱交換器18、膨張弁20、
第2熱交換器22を備え、これらは冷媒管24によって
連通されることにより一つのサイクルを構成している。
なお、冷媒は、四方弁16を切り換えることによりその
送給方向を逆にすることができる。
【0017】四方弁16と第1熱交換器18との間及び
第1熱交換器18と膨張弁20との間には流路切り換え
バルブ26、28が配設されており、双方の流路切り換
えバルブ26、28は蓄冷用冷媒管30によって相互に
連通されている。この蓄冷用冷媒管30の途中には第5
熱交換器32が配置されており、この第5熱交換器32
については蓄熱システム12の説明の際に述べることに
する。
【0018】上述した第1熱交換器18は第1流路34
に配置されており、第2熱交換器22は第2流路36に
配置されている。第1流路34は、その一端が車両室内
空間38へ連通されている。また、第2流路36は、そ
の一端が途中で分岐されており車両室内空間38及び車
両室外空間40(例えば、エンジンルーム等)のそれぞ
れと連通されている。この第2流路36における分岐位
置には、流路切り換えダンパ42が配設されている。ダ
ンパ42が閉塞された状態(図1の実線図示状態)では
車両室外空間40側へのみ連通され、開放された状態
(図1の二点鎖線図示状態)では車両室内空間38側へ
のみ連通されるようになっている。また、第1熱交換器
18及び第2熱交換器22の下流側には各々ブロア4
4、46が配設されている。
【0019】一方、蓄熱システム12は、蓄熱槽48、
ウォータポンプ50、第3熱交換器52、第4熱交換器
54を備え、これらは管路56によって連通されること
により一つのサイクルを構成している。なお、第3熱交
換器52及び第4熱交換器54が、本発明における第3
の熱交換器に相当する。ウォータポンプ50と第3熱交
換器52との間及び第3熱交換器52と第4熱交換器5
4との間には、それぞれ流路切り換えバルブ58、60
が配設されている。
【0020】また、蓄熱槽48内には、ブライン62が
封入されており、このブライン62中には前述した第5
熱交換器32が浸漬された状態に配置されている。ま
た、ブライン62中には、所定の蓄熱温度に設定された
複数個の蓄熱カプセル64が配置されている。また、蓄
熱槽48内には、外部電源66、回生ブレーキ68、ヒ
ータ70、及びスイッチ72から成る回路の一部(ヒー
タ70部分)が配置されている。従って、スイッチ72
のON状態では、ヒータ70が加熱することによりブラ
イン62を介して複数個の蓄熱カプセル64が所定の蓄
熱温度で蓄熱されるようになっている。
【0021】上述したブライン62の温度、第1熱交換
器18の雰囲気温度、及び車両室内空間38の室温は、
温度検出センサ74、76、78によってそれぞれ検出
され、図示しない制御装置へ出力されている。制御装置
では、ブライン62の温度から、その温度でブライン6
2が第3熱交換器52に流れた場合の第3熱交換器52
の雰囲気温度が演算され、演算値T1 (第3熱交換器5
2の雰囲気温度)として記憶している。また、第1熱交
換器18の雰囲気温度はT2 として記憶している。さら
に、制御装置は、温度検出センサ78によって検出され
た車両室内空間38の室温を現在気温P1 として記憶し
ている他、乗員が設定した設定温度をP 2 として記憶し
ている。また、制御装置には、四方弁16、流路切り換
えバルブ26、28、58、60、ブロア44、46、
及び流路切り換えダンパ42とも接続されており、これ
らの作動を制御している。
【0022】以下に、図10、図11のフローチャート
に基づいて、図2〜図9を適宜用いながら、本実施例の
作用を説明する。なお、図3〜図5及び図7〜図9にお
いて、適宜示される実線の波形矢印は温風を示し、二点
鎖線の波形矢印は冷風を示している。
【0023】図10に示されるように、図示しないエア
コンスイッチがONされると、まずステップ196で温
度検出センサ78で検出された車両室内空間38の室内
温度(現在温度)P1 が制御装置に取り込まれる。次い
で、ステップ198で乗員が指定した設定温度P2 が制
御装置に取り込まれる。双方の温度P1 、P2 が取り込
まれると、ステップ200でその大小関係が判定され
る。ステップ200で肯定された場合には暖房運転が開
始され、否定された場合には冷房運転が開始される。
【0024】ステップ200で肯定された場合、即ち暖
房運転される場合、まずステップ202で回路スイッチ
72がONされる。これにより、図2に示されるよう
に、蓄熱が開始される。すなわち、外部電源66、回生
ブレーキ68によってヒータ70が発熱される。このた
め、蓄熱槽48内のブライン62を介して蓄熱カプセル
64が所定の蓄熱温度で蓄熱する。なお、このときのブ
ライン62の温度は温度検出センサ74で検出され制御
装置へと出力されている。制御装置では、このブライン
62の温度から、現時点でブライン62を流した場合に
おける第3熱交換器52の雰囲気温度T1 が演算され
る。
【0025】次に、ステップ204で所定の蓄熱温度に
到達したか否かが判断される。ステップ204で肯定さ
れると、ステップ206で設定温度P2 −現在温度P1
>Xか否かが判断される。なお、このXは例えば、5度
に設定される。つまり、設定温度P2 と現在温度P1
の間に5度以上の開きがあるか否かが判断され、開きが
ない場合には図3に示されるように蓄熱システム12の
みによる暖房運転とされる。
【0026】すなわち、ステップ222で流路切り換え
ダンパ42が開放された後、ステップ224でブロア4
6が作動される。次いで、ステップ226で流路切り換
えバルブ58、60が閉塞された後、ステップ228で
ウォータポンプ50が作動される。これにより、ブライ
ン62が管路56内を図3の矢印方向へと送給され、第
4熱交換器54が発熱する。従って、第4熱交換器54
で発生した温風がブロア46によって車両室内空間38
へ取り込まれる。
【0027】一方、ステップ206で肯定された場合、
つまり設定温度P2 と現在温度P1との間に5度以上の
開きがあり蓄熱暖房のみでは出力不足である場合には、
図4に示されるように、ステップ208で四方弁16が
暖房モードとされる。なお、この時点では、既に温度検
出センサ76によって第1熱交換器18の雰囲気温度T
2 の検出が開始されている。
【0028】ステップ208で四方弁16が暖房モード
とされた後、ステップ210で流路切り換えダンパ42
が閉塞される。次いで、ステップ212でブロア44、
46が共に作動される。その後、ステップ213でヒー
トポンプがON(コンプレッサ14が駆動開始)され
る。これにより、第1熱交換器18で生じた温風はブロ
ア44によって車両室内空間38に取り込まれ、第2熱
交換器22で生じた冷風はブロア46によって車両室外
空間40へと排出される。
【0029】ここで、ステップ214で温度検出センサ
74で検出されたブライン62の温度から換算された第
3熱交換器52の雰囲気温度T1 と、温度検出センサ7
6で検出された第1熱交換器の雰囲気温度T2 の大小関
係が比較判断される。ステップ214で否定された場合
は、図4に図示される如く、流路切り換えバルブ58、
60が閉塞された後、ウォータポンプ50が作動され
る。これにより、ブライン62は図4の矢印で示された
方向へ管路56内を送給される。このため、第4熱交換
器54が発熱し、温風が第2流路36内を第2熱交換器
22側へと送給される。従って、第2熱交換器22への
着霜が防止される。
【0030】一方、ステップ214で否定されると、即
ち温度検出センサ74で検出されたブライン62の温度
から換算された第3熱交換器52の雰囲気温度T1 が、
温度検出センサ76で検出された第1熱交換器の雰囲気
温度T2 よりも高い場合には、図5に示されるようにヒ
ートポンプシステム10による暖房と蓄熱システム12
による暖房との双方が行われる。つまり、ステップ21
6で流路切り換えバルブ58、60が開放された後、ウ
ォータポンプ50が作動される。このため、ブライン6
2が図5の矢印方向へと送給され、第3熱交換器52を
通ってこれを発熱させた後、第4熱交換器54を通って
これを発熱させる。これにより、第1流路34を通って
車両室内空間38へ取り込まれる温風は、ヒートポンプ
システム10による第1熱交換器18で生じた温風と、
蓄熱システム12による第3熱交換器52で生じた温風
との双方となる。従って、暖房効率が向上される。ま
た、第4熱交換器54が発熱することにより生じた温風
は、第2熱交換器22側へと送給されるので、第2熱交
換器22への着霜が防止される。
【0031】図3〜図5に示されるいずれかの暖房運転
が選択されて、ステップ228、ステップ218、ステ
ップ232でウォータポンプ50が作動されると、ステ
ップ220で設定温度P2 =現在温度P1 か否か、つま
り現在温度が設定温度に到達したか否かが判断される。
ステップ220で否定された場合には、ステップ206
へ戻り、ステップ220で肯定された場合には終了す
る。なお、現在温度が目標温度に到達した場合、そのま
ま終了してもよいが、コンプレッサ14の出力を所定値
まで落としていくようにしてもよいし、車両室内空間3
8へ取り込まれる風量が減少されるようにしてもよい。
【0032】ところで、ステップ200で否定された場
合、即ち設定温度P2 の方が現在温度P1 以下の場合に
は、冷房運転が図11に示されるフローチャートに従っ
て開始される。
【0033】まず、図6に示される蓄冷時の運転が開始
される。すなわち、ステップ250で回路のスイッチ7
2がOFFにされる。次いで、ステップ252で四方弁
16が冷房モードに切り換えられ、ステップ254で流
路切り換えバルブ26、28が閉塞される。次いで、ス
テップ256で流路切り換えダンパ42が閉塞され、ス
テップ258でブロア46が作動される。その後、ステ
ップ260でヒートポンプがONされる。これにより、
冷媒は図6の矢印で示す方向へと流れ、蓄熱槽48内に
浸漬された第5熱交換器32が蒸発器として作動し吸熱
作用をする。このため、ブライン62を介して蓄熱カプ
セル64が冷却され所定の蓄冷温度で蓄冷される。ま
た、第2熱交換器22は凝縮器として機能するが、ブロ
ア46によってこのときの温風は第2流路36を通って
車両室外空間40へと排出される。
【0034】次に、ステップ262で所定の蓄冷温度に
到達したか否かが温度検出センサ74によって検出され
る。ステップ262で否定された場合はステップ260
に戻ってヒートポンプシステム12の作動が継続され
る。また、ステップ262で肯定された場合は、ステッ
プ264で現在温度P1 −設定温度P2 >Xか否か、即
ち現在温度P1 と設定温度P2 との差がXよりも大きい
か否かが判断される。なお、このXは、例えば、5度に
設定される。
【0035】ステップ264で否定されると、図7に示
されるように蓄熱(蓄冷)システム12のみによる冷房
運転が開始される。すなわち、ステップ277でヒート
ポンプがOFF(コンプレッサ14が停止)された後、
ステップ278で流路切り換えダンパ42が開放され
る。次いで、ステップ280で流路切り換えバルブ5
8、60が閉塞された後、ステップ282でウォータポ
ンプ50が作動される。これにより、ブライン62は管
路56内を図7の矢印で示す方向へと送給される。従っ
て、ブライン62は第3熱交換器52へは流れずに第4
熱交換器54へのみ流れる。第4熱交換器54で冷却さ
れた冷風は、ブロア46で車両室内空間38へと取り込
まれ、室内を冷房する。
【0036】一方、ステップ264で肯定された場合、
即ち現在温度P1 と設定温度P2 との差が5度よりも大
きい場合には、ステップ266で流路切り換えバルブ2
6、28が開放された後、ステップ268でブロア44
が作動される。これにより、冷媒が図8に矢印で示され
る方向へと流れ、第1熱交換器18では冷風が生じ、第
2熱交換器22では温風が生じる。
【0037】ここで、ステップ270で温度検出センサ
74で検出されたブライン62の温度から換算された第
3熱交換器52の雰囲気温度T1 と、温度検出センサ7
6で検出された第1熱交換器の雰囲気温度T2 とが比較
判断される。
【0038】ステップ270で否定されると、即ち温度
検出センサ74で検出されたブライン62の温度から換
算された第3熱交換器52の雰囲気温度T1 が、温度検
出センサ76で検出された第1熱交換器の雰囲気温度T
2 よりも高い場合には、図8に示すヒートポンプシステ
ム10のみによる冷房運転が開始される。
【0039】つまり、ステップ284で流路切り換えバ
ルブ58、60が閉塞された後、ステップ286でウォ
ータポンプ50が作動される。これにより、ブライン6
2が管路56内を図8の矢印で示す方向へと送給され
る。このため、第4熱交換器54で生じた冷風は、第2
流路36を通って第2熱交換器22側へと送給され、こ
れを冷却する。従って、発熱している第2熱交換器22
が第4熱交換器54で生じた冷風によって冷却されるこ
とにより、逆に第1熱交換器18の冷房効率が向上され
ることになる。
【0040】一方、ステップ270で肯定されると、即
ち温度検出センサ74で検出されたブライン62の温度
から換算された第3熱交換器52の雰囲気温度T1 が、
温度検出センサ76で検出された第1熱交換器の雰囲気
温度T2 よりも低い場合には、図9に示すヒートポンプ
システム10及び蓄熱(蓄冷)システム12の双方によ
る冷房運転が開始される。
【0041】つまり、ステップ272で流路切り換えバ
ルブ58、60が開放された後、ステップ274でウォ
ータポンプ50が作動される。これにより、ヒートポン
プシステム10の方は前述した場合(図8:ヒートポン
プシステム10のみによる冷房運転時)と同様である
が、蓄熱(蓄冷)システム12が変更され、ブライン6
2が第3熱交換器52及び第4熱交換器54の双方を流
れる。このため、第3熱交換器52及び第4熱交換器5
4の双方で冷風が発生する。これにより、第1流路34
を通って車両室内空間38へ取り込まれる冷風は、ヒー
トポンプシステム10による第1熱交換器18で生じた
冷風と、蓄熱システム12による第3熱交換器52で生
じた冷風との双方となる。従って、冷房効率が向上され
る。また、第4熱交換器54が吸熱することにより生じ
た冷風は、第2熱交換器22側へと送給されるので、発
熱している第2熱交換器22を冷却することができるの
で、逆に第1熱交換器18の冷房効率を向上させること
ができ、前記冷風が倍増することと相まって冷房効率を
向上させることができる。
【0042】図7〜図9に示されるいずれかの冷房運転
が選択されて、ステップ282、ステップ274、ステ
ップ286でウォータポンプ50が作動されると、ステ
ップ276で設定温度P2 =現在温度P1 か否か、即ち
現在温度が設定温度に達したか否かが判断される。ステ
ップ276で否定されるとステップ200へ戻り、肯定
されると終了する。なお、現在温度が目標温度に到達し
た場合、そのまま終了してもよいが、コンプレッサ14
の出力を所定値まで落としていくようにしてもよいし、
車両室内空間38へ取り込まれる風量が減少されるよう
にしてもよい。
【0043】このように本実施例では、暖房運転時にお
いては、図2に示される蓄熱時の運転が終了すると、図
3〜図5に示される3タイプの暖房モードのいずれかが
選択されて車両室内空間38を暖房し、また冷房運転時
においては、図6に示される蓄冷時の運転が終了する
と、図7〜図9に示される3タイプの冷房モードのいず
れかが選択されて車両室内空間38を冷房することがで
きるので、最適な冷暖房効果が得られる。
【0044】また、本実施例では、ヒートポンプシステ
ム10による空調に加え、蓄熱(蓄冷)システム12に
よる空調を組み合わせ、蓄熱(蓄冷)システム12の第
3熱交換器52、第4熱交換器54をヒートポンプシス
テム10の第1熱交換器18、第2熱交換器22の上流
側にそれぞれ配置したので、暖房運転時には消費電力を
増加させることなく室外熱交換器となる第2熱交換器2
2への着霜を防止し、かつ暖房効率を向上させることが
でき、冷房運転時には消費電力を増加させることなく冷
房効率を向上させることができる。また、消費電力が増
加することがないことから、このヒートポンプ式空調シ
ステムを電気自動車に適用した場合には、走行距離が短
くなることを防止することができる。
【0045】なお、本実施例では、本発明に係るヒート
ポンプ式空調システムを電気自動車に適用したが、これ
に限らず、通常の車両に本発明を適用することも可能で
ある。
【0046】また、本実施例では、冷暖房の双方が最適
にできる構成として上述したようなヒートポンプ式空調
システムを示したが、暖房時における室外熱交換器への
着霜防止を図った上で消費電力を増加させないという効
果が得られればよいのであれば、蓄冷システムを削除し
てもよい。
【0047】さらに、本実施例では、第1流路34は車
両室内空間38へのみ連通し、第2流路36は流路切り
換えダンパ42により車両室内空間38及び車両室外空
間40のいずれへも連通するように構成したが、これに
限らず、第1流路34も流路切り換えダンパを設けて第
2流路36と同一構成にしてもよい。この場合、四方弁
16の切り換え操作は蓄冷時のみ行い、冷媒の流れは常
に一定にしておき、必要に応じてダンパを開閉して温風
又は冷風を車両室内空間38へ取り込めばよい。なお、
この場合、蓄熱システム12については、流路切り換え
バルブ58、60の切り換え操作を適宜変更すればよ
い。
【0048】また、図8に示されるヒートポンプシステ
ム10による冷房時において、蓄冷システム12をも用
いて第2熱交換器22を冷却した方が第1熱交換器18
の冷却効率が向上するが、その必要がない場合には蓄冷
システム12を停止させておいてもよい。
【0049】なお、本実施例では、二つの流路(第1流
路34及び第2流路36)を用いる構成であったが、こ
れに限らず、図12に示されるように第1流路34と第
2流路36とを連通する第3流路78を新たに設けても
よく、以下この場合の構成及び作用について簡単に説明
する。
【0050】第3流路78における第2流路36側には
流路切り換えダンパ80が開閉可能に設けられており、
必要に応じて開閉量が制御されている。図13に示され
るように、ヒートポンプシステム10及び蓄熱システム
12の双方による暖房が行われる場合には、流路切り換
えダンパ80の開閉位置が図13図示の如くとされる。
これにより、第4熱交換器54によって温められた温風
の例えば半分以上が第3流路78側へ送給され、残りが
第2熱交換器22側へ送給される。従って、車両室内空
間38へは、第1熱交換器18による温風、第3熱交換
器52による温風に加え、第4熱交換器54による温風
も送給されることになる。このため、図5に示される場
合よりも、暖房効率を一層向上させることができる。な
お、第4熱交換器54による温風はある程度は第2熱交
換器22側へも送給されるので、着霜防止の効果はこの
構成においても得られる。
【0051】一方、図14に示されるように、ヒートポ
ンプシステム10及び蓄熱システム12の双方による冷
房が行われる場合にも、流路切り換えダンパ80の位置
は前記場合と同様である。従って、この場合には、第4
熱交換器54によって冷却された冷風の一部が第1熱交
換器18側へ送給され、残りの一部が第2熱交換器22
側へ送給されるので、図9に示される場合よりも冷房効
率を向上させることができる。
【0052】双方のシステムを用いた暖房及び冷房が行
われる場合以外の態様では、流路切り換えダンパ80を
閉塞状態にしておけばよい。また、この構成において、
流路切り換えダンパ80を第3流路78の両端部に設け
て開閉を制御してもよい。また、この構成の場合、第2
熱交換器22への着霜防止の観点だけを考慮するなら
ば、第1流路34に配置された第3熱交換器52を廃止
してもよい。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係るヒート
ポンプ式空調システムは、第1の流路における第1の熱
交換器の上流側及び第2の流路における第2の熱交換器
の上流側のそれぞれに、蓄熱槽で蓄えられた熱が伝達さ
れる第3の熱交換器を配置したので、暖房運転時におい
て室外熱交換器への着霜を防止すると共に消費電力を増
加させることがないという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るヒートポンプ式空調シ
ステムを説明するための概略構成図である。
【図2】蓄熱時の状態を説明するための図1に対応する
作動説明図である。
【図3】蓄熱システムによる暖房運転時の状態を説明す
るための図1に対応する作動説明図である。
【図4】ヒートポンプシステムによる暖房運転時の状態
を説明するための図1に対応する作動説明図である。
【図5】ヒートポンプシステム及び蓄熱システムの双方
による暖房運転時の状態を説明するための図1に対応す
る作動説明図である。
【図6】蓄冷時の状態を説明するための図2に対応する
作動説明図である。
【図7】蓄冷システムによる冷房運転時の状態を説明す
るための図3に対応する作動説明図である。
【図8】ヒートポンプシステムによる冷房運転時の状態
を説明するための図4に対応する作動説明図である。
【図9】ヒートポンプシステム及び蓄冷システムの双方
による冷房運転時の状態を説明するための図5に対応す
る作動説明図である。
【図10】暖房運転時の作動の流れを示すフローチャー
トである。
【図11】冷房運転時の作動の流れを示すフローチャー
トである。
【図12】本実施例の変形例に係り、第1流路と第2流
路とを連通する第3流路を新たに設けた構成を示す図1
に対応する概略構成図である。
【図13】図12の構成による場合のヒートポンプシス
テム及び蓄熱システムの双方による暖房運転時の状態を
説明するための図5に対応する作動説明図である。
【図14】図12の構成による場合のヒートポンプシス
テム及び蓄冷システムの双方による冷房運転時の状態を
説明するための図9に対応する作動説明図である。
【図15】従来例に係るヒートポンプ式の空調システム
を示す概略構成図である。
【符号の説明】
10 ヒートポンプシステム 12 蓄熱システム 18 第1熱交換器(第1の熱交換器) 22 第2熱交換器(第2の熱交換器) 34 第1流路 36 第2流路 38 車両室内空間 40 車両室外空間 48 蓄熱槽 52 第3熱交換器(第3の熱交換器) 54 第4熱交換器(第3の熱交換器)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両室外と車両室内とを連通すると共に
    途中に第1の熱交換器が配置されて車両室外から車両室
    内への空気の流入経路となる第1の流路と、 車両室外と
    車両室内とを連通すると共に途中に第2の熱交換器が配
    置されて車両室外から車両室内への空気の流入経路とな
    り、更に第2の熱交換器と車両室内との間の部位が車両
    室外とも連通されて前記第2の熱交換器の下流側の流路
    の切り換えが可能とされた第2の流路と、 を有するヒートポンプ式空調システムであって、 前記第1の流路における前記第1の熱交換器の上流側及
    び前記第2の流路における前記第2の熱交換器の上流側
    のそれぞれに、蓄熱槽で蓄えられた熱が伝達される第3
    の熱交換器を配置したことを特徴とするヒートポンプ式
    空調システム。
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