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JP3111586B2 - 液晶性樹脂組成物 - Google Patents

液晶性樹脂組成物

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JP3111586B2
JP3111586B2 JP04020123A JP2012392A JP3111586B2 JP 3111586 B2 JP3111586 B2 JP 3111586B2 JP 04020123 A JP04020123 A JP 04020123A JP 2012392 A JP2012392 A JP 2012392A JP 3111586 B2 JP3111586 B2 JP 3111586B2
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liquid crystal
acid
resin composition
structural unit
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清一 中村
典明 後藤
俊英 井上
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Publication date
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐熱性、寸法精度、耐摩
耗性、耐加水分解性、成形性および機械特性に優れた成
形品を与えうる液晶性樹脂組成物に関し、さらに詳しく
はウェルド強度が改善され高い限界PV値を有し、かつ
相手材とくにアルミニウム合金のような軟質金属の損傷
度を極めて小さくするすぐれた摺動性を有する液晶性樹
脂組成物に関し、たとえば電気・電子・電装関係部品、
自動車関係部品、精密機械関連部品、音響関係部品、光
ファイバー関係部品、OA機器関連部品、化学装置部品
などの用途に好適に使用される液晶性樹脂組成物に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年プラスチックの高性能化に対する要
求がますます高まり、種々の新規性能を有するポリマが
数多く開発され、市場に供されているが、中でも分子鎖
の平行な配列を特徴とする光学異方性の液晶ポリマは成
形のための溶融時に優れた流動性を示し、また成形品が
優れた機械的性質を有する点で注目されている。これら
異方性溶融相を形成するポリマとしては、例えばp−ヒ
ドロキシ安息香酸にポリエチレンテレフタレートを共重
合した液晶ポリエステル (特開昭49-72393号公報) 、p
−ヒドロキシ安息香酸と6−ヒドロキシ−2−ナフトエ
酸を共重合した液晶ポリエステル (特開昭54-77691号公
報) 、また、p−ヒドロキシ安息香酸に4, 4'−ジヒド
ロキシビフェニルとテレフタル酸、イソフタル酸を共重
合した液晶ポリエステル (特公昭57-24407号公報) など
が知られている。
【0003】しかしながらこれらの液晶ポリマは、機械
的異方性が大きく、流動方向に直角の方向の機械的強度
が低いこと、ウェルド部を有する成形品においてはウェ
ルド強度が低いことなどの問題点を有することが知られ
ている。これらの欠点を改良する方法としては例えばガ
ラス繊維などの強化剤や充填剤を添加することにより異
方性を小さくし、ウェルド強度を向上させることが知ら
れている (ラバーダイジェスト27巻, 8号, 7〜14頁、
1975) 。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
異方性減少に有効な充填剤として知られているものを液
晶ポリマに充填させた樹脂組成物は、多くの場合、衝撃
強度の低下や外観不良をきたし、ウェルド強度の改良効
果も必ずしも十分でなく、耐摩耗性も限界PV値はある
程度向上するものの相手材の損傷はかえって大きくなる
など実用的に使用することが難かしいことがわかった。
また、さらに、充填剤と液晶ポリマの界面の親和性が必
ずしも十分でないため、例えば特開昭49-72393号公報に
開示されているようなエチレンジオキシ単位を含む液晶
ポリマの場合には、耐加水分解性が不良であるという問
題があることもわかった。
【0005】よって本発明は、上述の問題を解消し、耐
熱性、成形性および機械的特性を有し、とりわけ高いウ
ェルド強度を有し、かつ耐摩耗特性および耐加水分解性
に優れた成形品を与え得る液晶性樹脂組成物を得ること
を課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。すな
わち本発明は、 (A) 異方性溶融相を形成する液晶ポリ
エステルおよび/または液晶ポリエステルアミド100重
量部に対して、 (B) 無水硫酸カルシウムウィスカ2〜
200重量部を配合してなる液晶性樹脂組成物および、前
記 (A) の液晶ポリエステルが下記 (I)、 (II)、 (IV)
または (I)、 (II)、 (III)、 (IV)の構造単位からなる液
晶ポリエステルである前記の液晶性樹脂組成物を提供す
るものである。
【0007】 (ただし式中R1
【0008】 から選ばれた一種以上の基を示しR2
【0009】
【0010】から選ばれた一種以上の基を示す。また、
式中Xは水素原子または塩素原子を示し、構造単位(I
I)および(III)の合計と構造単位(IV)は実質
的に等モルである。)本発明において、液晶ポリエステ
ルおよび/または液晶ポリエステルアミドに対し、無水
硫酸カルシウムウィスカを配合することが重要であり、
これにより、高いウェルド強度、耐摩耗特性および耐加
水分解性に優れた樹脂組成物が得られるのである。
【0011】本発明でいう液晶ポリエステルとは、溶融
時に異方性を示す性質、すなわち異方性溶融相を形成す
るポリエステルであり、好ましくは芳香族オキシカルボ
ニル単位、芳香族ジオキシ単位、芳香族ジカルボニル単
位、エチレンジオキシ単位などから選ばれた構造単位か
らなるポリエステルである。また液晶ポリエステルアミ
ドとは、同様の性質を有し、好ましくは上記構造単位と
芳香族イミノカルボニル単位、芳香族ジイミノ単位、芳
香族イミノオキシ単位などから選ばれた構造単位からな
る異方性溶融相を形成するポリエステルアミドである。
【0012】液晶ポリエステルの好ましい例としては、
上記の (I)、 (II)、 (IV) または (I)、 (II)、 (III)、
(IV)の構造単位からなる液晶ポリエステルである。上記
構造単位 (I) はp−ヒドロキシ安息香酸から生成した
ポリエステルの構造単位であり、構造単位 (II) は4,
4'−ジヒドロキシビフェニル、3, 3'、5, 5'−テトラ
メチル−4, 4'−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキ
ノン、t−ブチルハイドロキノン、フェニルハイドロキ
ノン、2, 6−ジヒドロキシナフタレン、2, 7−ジヒ
ドロキシナフタレン、2, 2−ビス (4−ヒドロキシフ
ェニル) プロパンおよび4, 4'−ジヒドロキシジフェニ
ルエーテルから選ばれた芳香族ジヒドロキシ化合物から
生成した構造単位を、構造単位 (III)はエチレングリコ
ールから生成した構造単位を、構造単位 (IV) はテレフ
タル酸、イソフタル酸、4, 4'−ジフェニルカルボン
酸、2, 6−ナフタレンジカルボン酸、1, 2−ビス
(フェノキシ) エタン−4, 4'−ジカルボン酸、1, 2
−ビス (2−クロルフェノキシ) エタン−4, 4'−ジカ
ルボン酸およびジフェニルエーテルジカルボン酸から選
ばれた芳香族ジカルボン酸から生成した構造単位を各々
示す。これらのうちR1
【0013】 であり、R2
【0014】
【0015】であるものが特に好ましい。また、液晶ポ
リエステルアミドポリマとしては、たとえば6−ヒドロ
キシ−2−ナフトエ酸、p−アミノフェノールとテレフ
タル酸から生成した液晶ポリエステルアミド (特開昭 5
7-172921号公報) 、p−ヒドロキシ安息香酸、4, 4'−
ジヒドロキシビフェニルとテレフタル酸、p−アミノ安
息香酸およびポリエチレンテレフタレートから生成した
液晶ポリエステルアミド (特開昭64-33123号公報)など
が挙げられる。
【0016】本発明に好ましく使用できる液晶ポリエス
テルは上記構造単位(I)、(II)、(IV)または
(I)、(II)、(III)、(IV)からなる共重
合体であり、上記構造単位(I)、(II)、(II
I)および(IV)の共重合量は任意である。しかし、
流動性の点から次の共重合量であることが好ましい。す
なわち、上記構造単位(III)を含む場合は、耐熱
性、難燃性および機械的特性の点から上記構造単位
(I)および(II)の合計は構造単位(I)、(I
I)および(III)の合計に対して60〜95モル%
が好ましく、82〜93モル%がより好ましい。また、
構造単位(III)は構造単位(I)、(II)および
(III)の合計に対して40〜5モル%が好ましく、
I8〜7モル%がより好ましい。
【0017】また、構造単位(I)(II)のモル比
〔(I)/(II)〕は耐熱性と流動性のバランスの点
から好ましくは75/25〜95/5であり、より好ま
しくは78/22〜93/7である。また、構造単位
(IV)は構造単位(II)および(III)の合計
実質的に等モルである。一方、上記構造単位(III)
を含まない場合は流動性の点から上記構造単位(I)は
構造単位(I)および(II)の合計に対して40〜9
0モル%であることが好ましく、60〜88モル%であ
ることが特に好ましく、構造単位(IV)は構造単位
(II)と実質的に等モルである。
【0018】なお、本発明で好ましく使用できる上記液
晶ポリエステルを重縮合する際には上記構造単位 (I)
〜 (IV) を構成する成分以外に3, 3'−ジフェニルジカ
ルボン酸、2, 2'−ジフェニルジカルボン酸などの芳香
族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、ドデカンジオン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ヘキ
サヒドロテレフタル酸などの脂環式ジカルボン酸、クロ
ルハイドロキノン、メチルハイドロキノン、4, 4'−ジ
ヒドロキシジフェニルスルホン、4, 4'−ジヒドロキシ
ジフェニルスルフィド、4, 4'−ジヒドロキシベンゾフ
ェノン等の芳香族ジオール、1, 4−ブタンジオール、
1, 6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、
1, 4−シクロヘキサンジオール、1, 4−シクロヘキ
サンジメタノール等の脂肪族、脂環式ジオールおよびm
−ヒドロキシ安息香酸、2, 6−ヒドロキシナフトエ酸
などの芳香族ヒドロキシカルボン酸およびp−アミノフ
ェノール、p−アミノ安息香酸などを本発明の目的を損
なわない程度の少割合の範囲でさらに共重合せしめるこ
とができる。
【0019】本発明において好ましく使用できる上記液
晶ポリエステルおよび/または液晶ポリエステルアミド
の製造方法は、特に制限がなく、公知のポリエステルま
たはポリエステルアミドの重縮合法に準じて製造でき
る。例えば、上記好ましく用いられる液晶ポリエステル
の製造において、上記構造単位 (III)を含まない場合は
下記 (1) および (2) 、構造単位 (III)を含む場合は
下記 (3) の製造方法が好ましく挙げられる。
【0020】(1) p−アセトキシ安息香酸および4,
4'−ジアセトキシビフェニル、パラジアセトキシベンゼ
ンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物のジアシル化物とテ
レフタル酸などの芳香族ジカルボン酸から脱酢酸重縮合
反応によって製造する方法。 (2) p−ヒドロキシ安息香酸および4, 4'−ジヒドロ
キシビフェニル、ハイドロキノンなどの芳香族ジヒドロ
キシ化合物、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸に
無水酢酸を反応させて、フェノール性水酸基をアシル化
した後、脱酢酸重縮合反応によって製造する方法。
【0021】(3) ポリエチレンテレフタレートなどの
ポリエステルのポリマ、オリゴマまたはビス (β−ヒド
ロキシエチル) テレフタレートなど芳香族ジカルボン酸
のビス(β−ヒドロキシエチル) エステルの存在下で
(1) または (2) の方法により製造する方法。 これらの重縮合反応は無触媒でも進行するが、酢酸第一
錫、テトラブチルチタネート、酢酸カリウムおよび酢酸
ナトリウム、三酸化アンチモン、金属マグネシウムなど
の金属化合物を添加した方が好ましいときもある。
【0022】本発明における液晶ポリエステルおよび/
または液晶ポリエステルアミドは、ペンタフルオロフェ
ノール中で対数粘度を測定することが可能なものもあ
り、その際には0.1g/dlの濃度で60℃で測定した値で
0.5dl/g 以上が好ましく、特に上記構造単位 (III)を
含む場合は1.0〜3.0dl/g が好ましく、上記構造単位
(III)を含まない場合は2.0〜10.0dl/g が好ましい。
【0023】また、本発明における液晶ポリエステルお
よび/または液晶ポリエステルアミドの溶融粘度は10〜
20,000ポイズが好ましく、特に20〜10,000ポイズがより
好ましい。なお、この溶融粘度は上記構造単位 (III)を
含む場合には融点 (Tm) +10℃の条件で、上記構造単位
(III)を含まない場合には液晶開始温度+40℃で、いず
れもずり速度1,000 (1/秒) の条件下で高化式フロー
テスターによって測定した値である。
【0024】ここで、融点 (Tm) とは示差熱量測定にお
いて、重合を完了したポリマを室温から20℃/分の昇温
条件で測定した際に観察される吸熱ピーク温度 (Tm1)
の観測後、Tm1+20℃の温度で5分間保持した後、20℃
/分の降温条件で室温まで一旦冷却した後、再度20℃/
分の昇温条件で測定した際に観察される吸熱ピーク温度
(Tm2) を指す。
【0025】また、液晶開始温度は偏光顕微鏡の試料台
に乗せて、昇温加熱し、ずり応力下で乳白光を発する温
度である。本発明に必須成分として使用する無水硫酸カ
ルシウムウィスカとは、硫酸カルシウムの2水和物から
合成される無水の硫酸カルシウムウィスカである。無水
硫酸カルシウムウィスカの製造方法は特に限定されるも
のではないが、通常、硫酸カルシウム・2水和物を水熱
合成により微小なウィスカ状に調製するなどの方法で製
造される。硫酸カルシウムウィスカはその焼成温度によ
って半水塩型と無水塩型の2種類に分類されるが本発明
に使用されるウィスカは高温で焼成された無水硫酸カル
シウムウィスカであることが必須である。
【0026】半水塩型硫酸カルシウムウィスカは結晶水
を含有するが加工温度の低い例えばポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリ塩化ビニルのような汎用熱可塑性樹脂
や不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、
フェノール樹脂などの熱硬化樹脂の補強用充填剤として
有用にもちいることができる。しかしながら、本発明の
樹脂組成物は高い加工温度が必要なため、半水塩型硫酸
カルシウムウィスカを用いると加工時に結晶水の放出に
よる発泡、加水分解による成形品の外観不良や機械的特
性の低下のみならず液晶ポリマの異方性の減少効果が著
しく小さく、耐摩耗性が著しく大きくなるという欠点を
有し、使用することができない。
【0027】本発明に使用する無水硫酸カルシウムウィ
スカの配合量は異方性溶融相を形成する液晶ポリマ100
重量部に対し、2〜200重量部、特に、5〜100重量部
が好適である。配合量が2重量部未満では本発明の効果
が顕著でなく、200重量部を越えると成形品の外観が損
なわれるばかりか機械的特性が低下し好ましくない。本
発明に用いる無水硫酸カルシウムウィスカの平均繊維径
(D) は0.2〜8μm、好ましくは0.5〜5μm、より
好ましくは0.1〜4μmの範囲であり、平均繊維長
(L) は3〜300μm、好ましくは10〜100μm、より
好ましくは30〜80μmの範囲である。
【0028】また平均のアスペクト比 (L/D) は5〜
500、好ましくは10〜200の範囲のものを用いることが
有効である。平均繊維径 (D) が0.2μm未満または平
均繊維長 (L) が3μm未満では液晶ポリマ樹脂組成物
の異方性改良効果が乏しく好ましくない。平均繊維径
(D) が8μmを越える場合は成形品の外観が損なわ
れ、平均繊維長 (L) が300μmを越える場合は成形時
の流動性が不良になり、いずれも好ましくない。
【0029】また、平均アスペクト比 (L/D) が5未
満では本発明の効果が顕著でなく、平均アスペクト比
(L/D) が500を越えると液晶ポリマに該ウィスカを
配合することが極めて困難となり、いずれも好ましくな
い。なお、本発明に使用する上記無水硫酸カルシウムウ
ィスカはその表面を公知のカップリング剤 (例えば、シ
ラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤)
などで処理して用いることもでき、カップリング剤処理
をすることにより、本発明の効果がより効率よく達成で
きる。
【0030】なお、本発明の樹脂組成物には、本発明の
効果を損なわない範囲で他の強化剤、充填剤を併用する
こともできる。他の充填剤、強化剤の例としては、ガラ
ス繊維、炭素繊維、芳香族ポリアミド繊維、チタン酸カ
リウム繊維、黄銅繊維、ステンレス繊維、スチール繊
維、セラミック繊維、ボロンウィスカー繊維、マイカ、
タルク、シリカ、炭酸カルシウム、ガラスビーズ、ガラ
スフレーク、ガラスマイクロバルーン、クレー、ワラス
テナイト、酸化チタン等の繊維状、粉状、粒状あるいは
板状の無機フィラーが挙げられる。又、これらの充填
剤、強化剤についてもシラン系、チタネート系などのカ
ップリング剤、その他の表面処理剤で処理されたものを
用いてもよい。
【0031】また、本発明の樹脂組成物には、本発明の
目的を損なわない程度の範囲で、酸化防止剤および熱安
定剤 (たとえばヒンダードフェノール、ヒドロキノン、
ホスファイト類およびこれらの置換体など) 、紫外線吸
収剤 (たとえばレゾルシノール、サリシレート、ベンゾ
トリアゾール、ベンゾフェノンなど) 、滑剤および離型
剤 (モンタン酸およびその塩、そのエステル、そのハー
フエステル、ステアリルアルコール、ステアラミドおよ
びポリエチレンワックスなど) 、染料 (たとえばニグロ
シンなど) および顔料 (たとえば硫化カドミウム、フタ
ロシアニン、カーボンブラックなど) を含む着色剤、可
塑剤、難燃剤、難燃助剤、帯電防止剤などの通常の添加
剤や他の熱可塑性樹脂を添加して、所定の特性を付与す
ることができる。
【0032】本発明の樹脂組成物の製造方法は特に限定
されるものではないが溶融混練により製造することが好
ましく、溶融混練には公知の方法を用いることができ
る。たとえば、バンバリーミキサー、ゴムロール機、ニ
ーダー、単軸もしくは二軸押出機などを用い、200〜4
00℃の温度で溶融混練して組成物とすることが推奨され
る。
【0033】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに説明す
る。 参考例1 p−ヒドロキシ安息香酸 994重量部、4,4'−ジヒドロ
キシビフェニル 126重量部、テレフタル酸 112重量部お
よび固有粘度が約0.6dl/g のポリエチレンテレフタレ
ート 216重量部を攪拌翼、留出管を備えた反応容器に仕
込み、次の条件で脱酢酸重縮合を行った。まず、窒素ガ
ス雰囲気下に 100〜250℃で5時間、 250〜300℃で1.5
時間反応させた後、 315℃、1時間で0.5mmHgに減圧
し、さらに2.25時間反応させ、重縮合を完結させたとこ
ろ、ほぼ理論量の酢酸が留出し、下記の理論構造式を有
する樹脂 (a) を得た。
【0034】
【0035】k/l/m/n=80/7.5/12.5/20 また、このポリエステルを偏光顕微鏡の試料台にのせ、
昇温して、光学異方性の確認を行なった結果、液晶開始
温度は 293℃であり、良好な光学異方性を示した。ま
た、融点 (Tm) は 314℃であった。このポリエステルの
対数粘度 (0.1g/dlの濃度でペンタフルオロフェノー
ル中、60℃で測定) は1.98dl/g であり、324℃、ずり
速度1000/秒での溶融粘度は 780ポイズであった。 参考例2 p−ヒドロキシ安息香酸 994重量部、4, 4'−ジヒドロ
キシビフェニル 222重量部、2, 6−ジアセトキシナフ
タレン 147重量部、無水酢酸1078重量部およびテレフタ
ル酸 299重量部を攪拌翼、留出管を備えた反応容器に仕
込み、窒素ガス雰囲気下に 100〜250℃で5時間、 250
〜330℃で2.5時間反応させた後、 330℃、1.5時間で
1.0mmHgに減圧し、さらに0.75時間反応させ、重縮合を
完結させたところ、ほぼ理論量の酢酸が留出し、下記の
理論構造式を有する樹脂 (b) を得た。
【0036】
【0037】k/l/m/n=80/13.3/6.7/20 また、このポリエステルを偏光顕微鏡の試料台にのせ、
昇温して光学異方性の確認を行なったところ、液晶開始
温度は 296℃であり、良好な光学異方性を示した。この
ポリエステルの対数粘度 (参考例1と同一の条件で測
定) は5.8であった。また、 336℃、ずり速度1000/秒
での溶融粘度は 920ポイズであった。 参考例3 特開昭54-77691号公報に従って、p−アセトキシ安息香
酸 921重量部と6−アセトキシ−ナフトエ酸 435重量部
を反応容器に仕込み重縮合を行い、下記理論構造式を有
する樹脂 (C) を得た。
【0038】
【0039】m/n=73/27 実施例1〜7、比較例1〜8 参考例1〜3で得た液晶ポリマ、無水硫酸カルシウムウ
ィスカおよびその他添加剤を表1の割合でドライブレン
ドした後、30mmφの2軸押出機を用いて29.0〜330℃で
溶融混練してペレットとした。このペレットを住友ネス
タール射出成形機プロマット40/25 (住友重機械工業
(株) 製) に供し、シリンダー温度 290〜340℃、金型温
度90℃で、ASTM 4号ダンベル成形品 (ダンベルI:
ゲートがダンベル成形品の一端にある通常のダンベル)
、ウェルド付きASTM 4号ダンベル成形品 (ダンベ
ルII:ゲートがダンベル成形品の両端にあり、成形品に
ウェルド部が形成されるウェルド付きダンベル) 、AS
TM 1号ダンベル成形品および30mm×30mm×3.2mmtの角
板成形品を成形した。 ダンベルI、ダンベルIIの引張強度を測定し、ダンベル
Iに対するダンベルIIの引張強度の比率
【0040】 をウェルド強度保持率 (%) として求めウェルド強度を
評価した。また、30mm×30mm×3.2mmtの角板成形品を下
記条件においてスラスト摩耗試験機 (鈴木式摩耗試験
機) に供して摩耗試験を実施し、摩耗特性を評価した。
【0041】P=5kgf/cm2 V=20m/min 相手材:鋼S−45Cまたはアルミニウム合金5056 また、ASTM 1号ダンベル成形品をイオン交換水の入
った3m3 耐圧容器に入れ、100℃に保ったオーブン中
で60日間処理した後引張強度を測定し、処理前の引張強
度に対する保持率 (%) を求め耐加水分解性を評価し
た。
【0042】評価結果を表1に示した。
【0043】液晶ポリマに無水硫酸カルシウムウィスカ
を配合した本発明の組成物から得られる樹脂成形品はウ
ェルド強度、耐加水分解性、耐摩耗性が比較例に比較し
て均衡してすぐれていることが表1より明らかである。
【0044】
【発明の効果】本発明の液晶ポリマ樹脂組成物は耐熱
性、成形性、流動性、機械的特性に優れ、特に高いウェ
ルド強度、耐加水分解性およびすぐれた耐摩耗性を有す
るので、センサー、LEDランプ、コネクター、ソケッ
ト、抵抗器、リレーケーススイッチ、コイルボビン、コ
ンデンサー、バリコンケース、光ピックアップ、発振
子、各種端子板、変成器、プラグ、プリント基板、チュ
ーナー、スピーカー、マイクロフォン、ヘッドフォン、
小型モーター、磁気ヘッドベース、パワーモジュール、
半導体、液晶、FDDキャリッジ、FDDシャーシ、モ
ーターブラッシュホルダー、パラボラアンテナ、コンピ
ューター関連部品等に代表される電気・電子部品;VT
R部品、テレビ部品、アイロン、ヘアードライヤー、炊
飯器部品、電子レンジの部品、音響部品、オーディオ・
レーザーディスク・コンパクトディスク等の音声機器部
品、照明部品、冷蔵庫部品、エアコン部品、タイプライ
ター部品、ワードプロセッサー部品等に代表される家
庭、事務電気製品部品;オフィスコンピューター関連部
品、電話器関連部品、ファクシミリ関連部品、複写機関
連部品、洗浄用治具、モーター部品、ライター、タイプ
ライターなどに代表される機械関連部品;顕微鏡、双眼
鏡、カメラ、時計等に代表される光学機器、精密機械関
連部品;オルタネーターターミナル、オルタネーターコ
ネクター、ICレギュレーター、ライトディヤー用ポテ
ンシオメーターベース、排気ガスバルブ等の各種バル
ブ、燃料関係・排気系・吸気系各種パイプ、エアーイン
テークノズルスノーケル、インテークマニホールド、燃
料ポンプ、エンジン冷却水ジョイント、キャブレターメ
インボディー、キャブレタースペーサー、排気ガスセン
サー、冷却水センサー、油温センサー、ブレーキバット
ウェアーセンサー、スロットルポジジョンセンサー、ク
ランクシャフトポジションセンサー、エアーフローメー
ター、ブレーキパッド摩耗センサー、エアコン用サーモ
スタットベース、暖房温風フローコントロールバルブ、
ラジエーターモーター用ブラッシュホルダー、ウォータ
ーポンプインペラー、タービンベイン、ワイパーモータ
ー関係部品、デュストリビューター、スタータースイッ
チ、スターターリレー、トランスミッション用ワイヤー
ハーネス、ウィンドウォッシャーノズル、エアコンパネ
ルスイッチ基板、燃料関係電磁気弁用コイル、ヒューズ
用コネクター、ホーンターミナル、電装部品絶縁板、ス
テップモーターローター、ランプソケット、ランプリフ
レクター、ランプハウジング、ブレーキピストン、ソレ
ノイドボビン、エンジンオイルフィルター、点火装置ケ
ース等の自動車・車両関連部品、その他各種用途に有用
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−285249(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 67/00 - 67/04 C08L 77/12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A) 異方性溶融相を形成する液晶ポリエ
    ステルおよび/または液晶ポリエステルアミド100重量
    部に対して、(B) 無水硫酸カルシウムウィスカ2〜20
    0重量部を配合してなる液晶性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (A)の液晶ポリエステルが下記
    (I)、(II)、(IV)または(I)、(II)、
    (III)、(IV)の構造単位からなる液晶ポリエス
    テルである請求項1記載の液晶性樹脂組成物。 (ただし、式中Rから選ばれた一種以上の基を示し、Rから選ばれた一種以上の基を示す。また、式中Xは水素
    原子または塩素原子を示し、構造単位(II)および
    (III)の合計と構造単位(IV)は実質的に等モル
    である。)
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