JP3108506B2 - CuNiシース超電導線の製造方法 - Google Patents
CuNiシース超電導線の製造方法Info
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- Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
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- Metal Extraction Processes (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、交流送電用のCuNi
シース超電導線の製造方法に関する。
シース超電導線の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】超電導線は、銅マトリックス中に超電導
素線を多数本複合した構造のものであり、このような構
造の超電導線を交流的応用分野に用いると交流損失が生
じる。この交流損失の原因の一つは、例えば撚線にした
場合、交番磁場によって2本の超電導素線を結合するよ
うに素線間に結合電流が誘起される。この結合電流は安
定化材を通じて流れる為に熱が発生する。電流はマトリ
ックスの電気抵抗に反比例し、特に電気抵抗の小さい銅
では損失が大きい。この交流損失を低減するには、超電
導素線の銅マトリックスに極低温で電気抵抗の大きいC
uNi合金層を被覆して結合電流が流れ難いようにする
方法がとられている。又超電導素線の場合においてもフ
ィラメント間の結合電流を低減させる為に、例えば銅を
被覆したNbTi超電導線材をCuNi合金パイプ内に
充填している。而して、前述の超電導素線の銅マトリッ
クスにCuNi合金層を被覆した多芯超電導線の製造
は、CuNi合金製パイプ内に、例えば銅を被覆したN
bTi超電導線材を挿入して複合ビレットとなし、この
複合ビレットに押出し等の延伸加工を施してCuNiシ
ース超電導線を作製し、この超電導線の多数本をCuN
i合金を被覆した銅製パイプに充填し、これを延伸加工
してなされていた。
素線を多数本複合した構造のものであり、このような構
造の超電導線を交流的応用分野に用いると交流損失が生
じる。この交流損失の原因の一つは、例えば撚線にした
場合、交番磁場によって2本の超電導素線を結合するよ
うに素線間に結合電流が誘起される。この結合電流は安
定化材を通じて流れる為に熱が発生する。電流はマトリ
ックスの電気抵抗に反比例し、特に電気抵抗の小さい銅
では損失が大きい。この交流損失を低減するには、超電
導素線の銅マトリックスに極低温で電気抵抗の大きいC
uNi合金層を被覆して結合電流が流れ難いようにする
方法がとられている。又超電導素線の場合においてもフ
ィラメント間の結合電流を低減させる為に、例えば銅を
被覆したNbTi超電導線材をCuNi合金パイプ内に
充填している。而して、前述の超電導素線の銅マトリッ
クスにCuNi合金層を被覆した多芯超電導線の製造
は、CuNi合金製パイプ内に、例えば銅を被覆したN
bTi超電導線材を挿入して複合ビレットとなし、この
複合ビレットに押出し等の延伸加工を施してCuNiシ
ース超電導線を作製し、この超電導線の多数本をCuN
i合金を被覆した銅製パイプに充填し、これを延伸加工
してなされていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述のCu
Ni合金層は超電導素線間の結合電流の阻止には薄くて
よく、又CuNi合金層は超電導特性には寄与しないこ
とから、CuNi合金層の占積率は小さい程好ましく、
従って薄肉のCuNi合金製パイプを用いることが検討
されたが、パイプの厚さが薄くなると、複合ビレットは
押出し加工時に筍状に異常変形して所定の線径にまで加
工できないという問題があった。又厚肉のCuNi合金
製パイプを用い、押出し後にCuNi合金層を皮剥ダイ
スや旋盤で削除する方法は、前者はCuNi合金層を均
一な厚さに削除できず、後者は長尺材を製造できないと
いう問題があった。このようなことから、薄肉のCuN
i合金製パイプの外周に厚肉の銅製パイプを複合し、こ
の複合パイプ内に超電導線材を挿入して複合ビレットと
なし、この複合ビレットを所定形状の線素材に加工し、
次いでこの線素材を酸性液中に浸漬して、外周の銅系材
料層を溶解除去してCuNi合金層を露出させる方法が
提案されたが、この方法では、線素材を酸性液中に浸漬
すると銅系材料層とともにCuNi合金層も溶解してし
まい、シース層を薄く均一に形成することが困難であっ
た。
Ni合金層は超電導素線間の結合電流の阻止には薄くて
よく、又CuNi合金層は超電導特性には寄与しないこ
とから、CuNi合金層の占積率は小さい程好ましく、
従って薄肉のCuNi合金製パイプを用いることが検討
されたが、パイプの厚さが薄くなると、複合ビレットは
押出し加工時に筍状に異常変形して所定の線径にまで加
工できないという問題があった。又厚肉のCuNi合金
製パイプを用い、押出し後にCuNi合金層を皮剥ダイ
スや旋盤で削除する方法は、前者はCuNi合金層を均
一な厚さに削除できず、後者は長尺材を製造できないと
いう問題があった。このようなことから、薄肉のCuN
i合金製パイプの外周に厚肉の銅製パイプを複合し、こ
の複合パイプ内に超電導線材を挿入して複合ビレットと
なし、この複合ビレットを所定形状の線素材に加工し、
次いでこの線素材を酸性液中に浸漬して、外周の銅系材
料層を溶解除去してCuNi合金層を露出させる方法が
提案されたが、この方法では、線素材を酸性液中に浸漬
すると銅系材料層とともにCuNi合金層も溶解してし
まい、シース層を薄く均一に形成することが困難であっ
た。
【0004】即ち、請求項1の発明方法は、CuNi合
金製パイプの外周に金属材料層を複合して複合パイプを
作製し、この複合パイプ内に銅及びCuNi合金を被覆
した超電導線材を挿入して複合ビレットとなし、次いで
この複合ビレットに延伸加工を施して線素材となしたの
ち、この線素材の外周の金属材料層を除去してCuNi
合金層を露出させるCuNiシース超電導線の製造方法
において、CuNi合金製パイプの外周に電解電位がC
uNi合金材料の電解電位より300mV以上卑な貴金属材
料層を4mm以上に厚く複合して複合パイプを作製し、又
線素材の外周の貴金属材料層を陽極電解して除去するこ
とを特徴とするものである。
金製パイプの外周に金属材料層を複合して複合パイプを
作製し、この複合パイプ内に銅及びCuNi合金を被覆
した超電導線材を挿入して複合ビレットとなし、次いで
この複合ビレットに延伸加工を施して線素材となしたの
ち、この線素材の外周の金属材料層を除去してCuNi
合金層を露出させるCuNiシース超電導線の製造方法
において、CuNi合金製パイプの外周に電解電位がC
uNi合金材料の電解電位より300mV以上卑な貴金属材
料層を4mm以上に厚く複合して複合パイプを作製し、又
線素材の外周の貴金属材料層を陽極電解して除去するこ
とを特徴とするものである。
【0005】この発明方法において、超電導線材を挿入
する為のCuNi合金製パイプのCuNi合金は、極低
温における電気抵抗が大きく、交流磁界中にて生じる結
合電流を減少させる作用を果たすもので、このCuNi
合金にはNiを10〜30%含有する銅合金(キュプロニッ
ケル)が用いられる。又CuNi合金の他、Siを1〜
3%含有する銅合金等の極低温で電気抵抗の高い金属材
料も同様の作用を果たすものである。この発明方法にお
いて、前記CuNi合金製パイプの外周に複合する貴金
属材料には、電解電位がCuNi合金の電解電位に比べ
て十分卑な貴金属材料が用いられ、銀,金又はそれらの
合金が好適である。前記貴金属材料の電解電位をCuN
i合金の電解電位より 300mV以上卑であるように限定し
た理由は、貴金属材料の電解電位の卑の程度が 300mV未
満ではCuNi合金が部分的に溶解する為である。前述
のCuNi合金製パイプ上に貴金属材料を複合する方法
は、貴金属製パイプをCuNi合金製パイプ上に焼バメ
て複合するのが、両者の加工が一体になされて好まし
い。又貴金属は高価な為その複合厚さはできるだけ薄く
するが、4mm以上の厚さにするのが、複合ビレットの加
工性を良好に保持できて好ましい。
する為のCuNi合金製パイプのCuNi合金は、極低
温における電気抵抗が大きく、交流磁界中にて生じる結
合電流を減少させる作用を果たすもので、このCuNi
合金にはNiを10〜30%含有する銅合金(キュプロニッ
ケル)が用いられる。又CuNi合金の他、Siを1〜
3%含有する銅合金等の極低温で電気抵抗の高い金属材
料も同様の作用を果たすものである。この発明方法にお
いて、前記CuNi合金製パイプの外周に複合する貴金
属材料には、電解電位がCuNi合金の電解電位に比べ
て十分卑な貴金属材料が用いられ、銀,金又はそれらの
合金が好適である。前記貴金属材料の電解電位をCuN
i合金の電解電位より 300mV以上卑であるように限定し
た理由は、貴金属材料の電解電位の卑の程度が 300mV未
満ではCuNi合金が部分的に溶解する為である。前述
のCuNi合金製パイプ上に貴金属材料を複合する方法
は、貴金属製パイプをCuNi合金製パイプ上に焼バメ
て複合するのが、両者の加工が一体になされて好まし
い。又貴金属は高価な為その複合厚さはできるだけ薄く
するが、4mm以上の厚さにするのが、複合ビレットの加
工性を良好に保持できて好ましい。
【0006】CuNi合金製パイプ上に貴金属材料を複
合した複合パイプに挿入する超電導線材には、銅及びC
uNi合金を被覆したNbTi超電導線材の他、棒状N
bにCuSn合金を被覆したNb3 Sn素材等が適用さ
れる。この発明方法において、複合ビレットを延伸加工
する方法には、押出し,熱間圧延,スエージング,引抜
き,伸線等の任意の延伸加工法が用いられる。又複合ビ
レットを延伸加工して得られる線素材は、超電導線材の
上にCuNi合金層と貴金属材料層が順次形成されたも
ので、この線素材の最外層の貴金属材料層は電解浴中に
て陽極電解して除去される。前記陽極電解において、貴
金属材料の電解電位とその下層のCuNi合金の電解電
位とは 300mV以上離れている為、CuNi合金層を侵さ
ずに、貴金属材料のみを電解除去することが可能で、薄
いCuNi合金層が均一厚さに形成されたCuNiシー
ス超電導線が容易に製造される。
合した複合パイプに挿入する超電導線材には、銅及びC
uNi合金を被覆したNbTi超電導線材の他、棒状N
bにCuSn合金を被覆したNb3 Sn素材等が適用さ
れる。この発明方法において、複合ビレットを延伸加工
する方法には、押出し,熱間圧延,スエージング,引抜
き,伸線等の任意の延伸加工法が用いられる。又複合ビ
レットを延伸加工して得られる線素材は、超電導線材の
上にCuNi合金層と貴金属材料層が順次形成されたも
ので、この線素材の最外層の貴金属材料層は電解浴中に
て陽極電解して除去される。前記陽極電解において、貴
金属材料の電解電位とその下層のCuNi合金の電解電
位とは 300mV以上離れている為、CuNi合金層を侵さ
ずに、貴金属材料のみを電解除去することが可能で、薄
いCuNi合金層が均一厚さに形成されたCuNiシー
ス超電導線が容易に製造される。
【0007】請求項2の発明方法は、CuNi合金製パ
イプの外周に金属材料層を複合して複合パイプを作製
し、この複合パイプ内に銅及びCuNi合金を被覆した
超電導線材を挿入して複合ビレットとなし、次いでこの
複合ビレットに延伸加工を施して線素材となしたのち、
この線素材の外周の金属材料層を除去してCuNi合金
層を露出させるCuNiシ−ス超電導線の製造方法にお
いて、CuNi合金製パイプの外周に、溶銅性液に侵さ
れず、電解電位がCuNi合金材料の電解電位より300m
V以上卑な貴金属材料層を0.2〜O.5mmに薄く複合し、更
にその上に銅系材料層を4mm以上に厚く複合して複合パ
イプを作製し、又線素材の最外周の銅系材料層を溶銅性
液にて溶解除去して貴金属材料層を露出せしめ、次いで
前記露出した貴金属材料層を電解液中にて陽極電解して
除去することを特徴とするものである。
イプの外周に金属材料層を複合して複合パイプを作製
し、この複合パイプ内に銅及びCuNi合金を被覆した
超電導線材を挿入して複合ビレットとなし、次いでこの
複合ビレットに延伸加工を施して線素材となしたのち、
この線素材の外周の金属材料層を除去してCuNi合金
層を露出させるCuNiシ−ス超電導線の製造方法にお
いて、CuNi合金製パイプの外周に、溶銅性液に侵さ
れず、電解電位がCuNi合金材料の電解電位より300m
V以上卑な貴金属材料層を0.2〜O.5mmに薄く複合し、更
にその上に銅系材料層を4mm以上に厚く複合して複合パ
イプを作製し、又線素材の最外周の銅系材料層を溶銅性
液にて溶解除去して貴金属材料層を露出せしめ、次いで
前記露出した貴金属材料層を電解液中にて陽極電解して
除去することを特徴とするものである。
【0008】この発明方法では、CuNi合金製パイプ
の上に貴金属材料層を薄く、更にその上に銅系材料層を
厚く複合して、銅系材料層は延伸加工性を改善し、貴金
属材料層は前記銅系材料層を溶銅性液で溶解除去する際
に、CuNi合金層を溶銅性液から保護する作用を果た
すもので、その厚さは0.2 〜0.5 mm程度に薄くでき、材
料コストの低減が計れる。銅系材料層は、厚さを4mm以
上にするのが延伸加工性が良好に保持されて好ましい。
前述の銅系材料層を溶解除去する為の溶銅性液は、銅を
溶解し、銀を溶解しない溶液で、例えばH2 SO4 −H
2 O2 溶液,又はカルボン酸,硼酸,アンモニア化合物
にそれぞれH2 O2 等の過酸化物を含有させた溶液等が
好適である。又貴金属材料層は、請求項1の発明の場合
と同じ陽極電解法により除去する。この発明方法では、
貴金属層は薄く形成できるので、材料コストの節減と陽
極電解時間の短縮が計れる。本発明方法により製造され
るCuNiシース超電導線は、その多数本を銅製及びC
uNi製パイプ内に充填して多芯複合ビレットとなし、
この多芯複合ビレットを延伸加工して所定形状の多芯超
電導線となして用いられる。この多芯超電導線は超電導
フィラメントの1本1本の間の銅マトリックスにCuN
i合金層が挟み込まれた形状のものである。
の上に貴金属材料層を薄く、更にその上に銅系材料層を
厚く複合して、銅系材料層は延伸加工性を改善し、貴金
属材料層は前記銅系材料層を溶銅性液で溶解除去する際
に、CuNi合金層を溶銅性液から保護する作用を果た
すもので、その厚さは0.2 〜0.5 mm程度に薄くでき、材
料コストの低減が計れる。銅系材料層は、厚さを4mm以
上にするのが延伸加工性が良好に保持されて好ましい。
前述の銅系材料層を溶解除去する為の溶銅性液は、銅を
溶解し、銀を溶解しない溶液で、例えばH2 SO4 −H
2 O2 溶液,又はカルボン酸,硼酸,アンモニア化合物
にそれぞれH2 O2 等の過酸化物を含有させた溶液等が
好適である。又貴金属材料層は、請求項1の発明の場合
と同じ陽極電解法により除去する。この発明方法では、
貴金属層は薄く形成できるので、材料コストの節減と陽
極電解時間の短縮が計れる。本発明方法により製造され
るCuNiシース超電導線は、その多数本を銅製及びC
uNi製パイプ内に充填して多芯複合ビレットとなし、
この多芯複合ビレットを延伸加工して所定形状の多芯超
電導線となして用いられる。この多芯超電導線は超電導
フィラメントの1本1本の間の銅マトリックスにCuN
i合金層が挟み込まれた形状のものである。
【0009】
【作用】請求項1の発明では、CuNi合金製パイプの
外周に金属材料層を複合して複合パイプを作製し、この
複合パイプ内に銅及びCuNi合金を被覆した超電導線
材を挿入して複合ビレットとなし、次いでこの複合ビレ
ットに延伸加工を施して線素材となしたのち、この線素
材の外周の金属材料層を除去してCuNi合金層を露出
させるCuNiシ−ス超電導線の製造方法において、C
uNi合金製パイプの外周に加工性に優れた貴金属材料
層を4mm以上に厚く複合して複合パイプとなすので、前
記複合パイプを用いた複合ビレットは延伸加工性に優
れ、高品質の線素材が得られる。
外周に金属材料層を複合して複合パイプを作製し、この
複合パイプ内に銅及びCuNi合金を被覆した超電導線
材を挿入して複合ビレットとなし、次いでこの複合ビレ
ットに延伸加工を施して線素材となしたのち、この線素
材の外周の金属材料層を除去してCuNi合金層を露出
させるCuNiシ−ス超電導線の製造方法において、C
uNi合金製パイプの外周に加工性に優れた貴金属材料
層を4mm以上に厚く複合して複合パイプとなすので、前
記複合パイプを用いた複合ビレットは延伸加工性に優
れ、高品質の線素材が得られる。
【0010】又請求項2の発明では、CuNi合金製パ
イプの外周に金属材料層を複合して複合パイプを作製
し、この複合パイプ内に銅及びCuNi合金を被覆した
超電導線材を挿入して複合ビレットとなし、次いでこの
複合ビレットに延伸加工を施して線素材となしたのち、
この線素材の外周の金属材料層を除去してCuNi合金
層を露出させるCuNiシ−ス超電導線の製造方法にお
いて、CuNi合金製パイプの外周の貴金属材料層を
0.2〜0.5mmに薄く、更にその上に銅系材料層を4
mm以上に厚く複合して複合パイプを作製するので、前記
複合パイプを用いた複合ビレットは延伸加工に優れ、高
品質の線素材が得られる。
イプの外周に金属材料層を複合して複合パイプを作製
し、この複合パイプ内に銅及びCuNi合金を被覆した
超電導線材を挿入して複合ビレットとなし、次いでこの
複合ビレットに延伸加工を施して線素材となしたのち、
この線素材の外周の金属材料層を除去してCuNi合金
層を露出させるCuNiシ−ス超電導線の製造方法にお
いて、CuNi合金製パイプの外周の貴金属材料層を
0.2〜0.5mmに薄く、更にその上に銅系材料層を4
mm以上に厚く複合して複合パイプを作製するので、前記
複合パイプを用いた複合ビレットは延伸加工に優れ、高
品質の線素材が得られる。
【0011】
【実施例】以下に、本発明方法を実施例により詳細に説
明する。 実施例1 内径74.2mmφ, 外径76.8mmφのNi10%−Cu合金製パ
イプの外周に、外径90mmφのAg製パイプを焼バメて複
合パイプを作製し、この複合パイプの中に外径74.0mmφ
の銅を被覆したNbTi超電導線材を挿入し、これにH
IP成形処理を施して外径88mmφの複合ビレットとなし
た。次いでこの複合ビレットに熱間押出し、スエージン
グ加工及び伸線加工を順次施して 1.9mmφの線素材とな
した。次にこの線素材をコクール社製電解液R-48 を用
いて電解電圧を−700mV に設定して電解除去した。Cu
Ni合金の電解電圧は−300 mVと前記銀の電解電圧より
十分貴であった為、CuNi合金層が侵されるようなこ
とは全くなく、CuNi合金層が露出した、均一径の線
素材が得られた。この線素材を軽く伸線加工して 1.6mm
φのCuNiシース超電導線となした。尚、上記の陽極
電解は、長さ3.5 mの浴槽内に、線素材を 0.15m/min
の速度で走行させ、2A/dm2 の電流を通電して行っ
た。
明する。 実施例1 内径74.2mmφ, 外径76.8mmφのNi10%−Cu合金製パ
イプの外周に、外径90mmφのAg製パイプを焼バメて複
合パイプを作製し、この複合パイプの中に外径74.0mmφ
の銅を被覆したNbTi超電導線材を挿入し、これにH
IP成形処理を施して外径88mmφの複合ビレットとなし
た。次いでこの複合ビレットに熱間押出し、スエージン
グ加工及び伸線加工を順次施して 1.9mmφの線素材とな
した。次にこの線素材をコクール社製電解液R-48 を用
いて電解電圧を−700mV に設定して電解除去した。Cu
Ni合金の電解電圧は−300 mVと前記銀の電解電圧より
十分貴であった為、CuNi合金層が侵されるようなこ
とは全くなく、CuNi合金層が露出した、均一径の線
素材が得られた。この線素材を軽く伸線加工して 1.6mm
φのCuNiシース超電導線となした。尚、上記の陽極
電解は、長さ3.5 mの浴槽内に、線素材を 0.15m/min
の速度で走行させ、2A/dm2 の電流を通電して行っ
た。
【0012】実施例2 内径74.2mmφ, 外径76.8mmφのNi3%−Cu合金製パ
イプの外周に、外径77.5mmφのAg製パイプを焼バメ、
更にその上に外径90mmφの無酸素Cuパイプを焼バメて
複合パイプを作製し、この複合パイプの中に外径74.0mm
φの銅及びCuNi合金を被覆したNbTi超電導線材
を挿入し、これにHIP成形処理を施して外径88mmφの
複合ビレットとなした。次いでこの複合ビレットに熱間
押出し、スエージング加工及び伸線加工を順次施して
2.0mmφの線素材となした。次にこの線素材をH2 SO
4 −H2 O2 水溶液中に浸漬して銅材料層を溶解除去し
た。前記銅系材料層の下層の銀材料層は前記水溶液には
侵されず、線素材の表面には銀層が露出した。次にこの
銀層が露出した線素材をコクール社製電解液R-48 を用
いて電解電圧を−700mV に設定して電解除去した。Cu
Ni合金の電解電圧は−300 mVと前記銀の電解電圧より
十分貴であった為、CuNi合金層が侵されるようなこ
とは全くなかった。この線素材を軽く伸線加工して 1.6
mmφのCuNiシース超電導線となした。尚、上記の陽
極電解は、長さ3.5 mの浴槽内に、線素材を0.9m/min
の速度で走行させ、2A/dm2 の電流を通電して行っ
た。
イプの外周に、外径77.5mmφのAg製パイプを焼バメ、
更にその上に外径90mmφの無酸素Cuパイプを焼バメて
複合パイプを作製し、この複合パイプの中に外径74.0mm
φの銅及びCuNi合金を被覆したNbTi超電導線材
を挿入し、これにHIP成形処理を施して外径88mmφの
複合ビレットとなした。次いでこの複合ビレットに熱間
押出し、スエージング加工及び伸線加工を順次施して
2.0mmφの線素材となした。次にこの線素材をH2 SO
4 −H2 O2 水溶液中に浸漬して銅材料層を溶解除去し
た。前記銅系材料層の下層の銀材料層は前記水溶液には
侵されず、線素材の表面には銀層が露出した。次にこの
銀層が露出した線素材をコクール社製電解液R-48 を用
いて電解電圧を−700mV に設定して電解除去した。Cu
Ni合金の電解電圧は−300 mVと前記銀の電解電圧より
十分貴であった為、CuNi合金層が侵されるようなこ
とは全くなかった。この線素材を軽く伸線加工して 1.6
mmφのCuNiシース超電導線となした。尚、上記の陽
極電解は、長さ3.5 mの浴槽内に、線素材を0.9m/min
の速度で走行させ、2A/dm2 の電流を通電して行っ
た。
【0013】比較例1 実施例2において、CuNi合金製パイプの外周に、外
径90mmφの無酸素Cuパイプを直接焼バメて複合パイプ
を作製し、この複合パイプの中に外径74.0mmφのNb−
Ti超電導線材を挿入し、これにHIP成形処理を施し
て外径88mmφの複合ビレットとなした。次いでこの複合
ビレットに熱間押出し、スエージング加工及び伸線加工
を順次施して 2.0mmφの線素材となした。次にこの線素
材をH2SO4 −H2 O2 水溶液中に浸漬して銅材料層
を溶解除去し、次いでこの線素材を軽く伸線加工して
1.6mmφのCuNiシース超電導線となした。銅材料層
の溶解除去では、CuNi合金層の溶解を防ぐ為、液管
理を十分に行い、又線素材の表面状態を頻繁にチェック
しながら行った。このようにして得られた種々のCuN
iシース超電導線について、CuNiシースの厚さを調
べた。結果を表1に示した。
径90mmφの無酸素Cuパイプを直接焼バメて複合パイプ
を作製し、この複合パイプの中に外径74.0mmφのNb−
Ti超電導線材を挿入し、これにHIP成形処理を施し
て外径88mmφの複合ビレットとなした。次いでこの複合
ビレットに熱間押出し、スエージング加工及び伸線加工
を順次施して 2.0mmφの線素材となした。次にこの線素
材をH2SO4 −H2 O2 水溶液中に浸漬して銅材料層
を溶解除去し、次いでこの線素材を軽く伸線加工して
1.6mmφのCuNiシース超電導線となした。銅材料層
の溶解除去では、CuNi合金層の溶解を防ぐ為、液管
理を十分に行い、又線素材の表面状態を頻繁にチェック
しながら行った。このようにして得られた種々のCuN
iシース超電導線について、CuNiシースの厚さを調
べた。結果を表1に示した。
【0014】
【表1】
【0015】表1より明らかなように、実施例1及び実
施例2で得られたCuNiシース超電導線は、シース厚
さが薄く又バラツキも小さかった。特に実施例2では、
複合パイプのAg層の厚さが薄く、材料コストが安い
上、陽極電解に要する時間も短く生産性に優れるもので
あった。これに対し、比較例1で得られたものは、Cu
Ni合金層が溶銅性液により侵された為シース厚さが全
体的に薄くなり、又場所により厚さが大きく変動した。
以上超電導線材にNbTi超電導線材を用いた場合につ
いて説明したが、本発明方法はNb3 Sn超電導線材を
用いた場合においても同様の効果を奏するものである。
又電解液としてコクール社製電解液R−48の例を示し
たが、これに限定されるものでなく、Ag等の金属がC
uNi合金より 300mV以上卑となる溶解であれば良い。
施例2で得られたCuNiシース超電導線は、シース厚
さが薄く又バラツキも小さかった。特に実施例2では、
複合パイプのAg層の厚さが薄く、材料コストが安い
上、陽極電解に要する時間も短く生産性に優れるもので
あった。これに対し、比較例1で得られたものは、Cu
Ni合金層が溶銅性液により侵された為シース厚さが全
体的に薄くなり、又場所により厚さが大きく変動した。
以上超電導線材にNbTi超電導線材を用いた場合につ
いて説明したが、本発明方法はNb3 Sn超電導線材を
用いた場合においても同様の効果を奏するものである。
又電解液としてコクール社製電解液R−48の例を示し
たが、これに限定されるものでなく、Ag等の金属がC
uNi合金より 300mV以上卑となる溶解であれば良い。
【0016】
【効果】以上述べたように、本発明方法によれば、シー
ス厚さが薄く均一なCuNiシース超電導線を効率よく
製造することができ、工業上顕著な効果を奏する。
ス厚さが薄く均一なCuNiシース超電導線を効率よく
製造することができ、工業上顕著な効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−168919(JP,A) 特開 平1−283713(JP,A) 特開 平1−157010(JP,A) 特開 平1−206518(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01B 12/00 - 13/00 B21C 1/00 B21F 19/00
Claims (2)
- 【請求項1】CuNi合金製パイプの外周に金属材料層
を複合して複合パイプを作製し、この複合パイプ内に銅
及びCuNi合金を被覆した超電導線材を挿入して複合
ビレットとなし、次いでこの複合ビレットに延伸加工を
施して線素材となしたのち、この線素材の外周の金属材
料層を除去してCuNi合金層を露出させるCuNiシ
−ス超電導線の製造方法において、CuNi合金製パイ
プの外周に電解電位がCuNi合金材料の電解電位より
300mV以上卑な貴金属材料層を4mm以上に厚く複合し
て複合パイプを作製し、又線素材の外周の貴金属材料層
を陽極電解して除去することを特徴とするCuNiシ−
ス超電導線の製造方法。 - 【請求項2】CuNi合金製パイプの外周に金属材料層
を複合して複合パイプを作製し、この複合パイプ内に銅
及びCuNi合金を被覆した超電導線材を挿入して複合
ビレットとなし、次いでこの複合ビレットに延伸加工を
施して線素材となしたのち、この線素材の外周の金属材
料層を除去してCuNi合金層を露出させるCuNiシ
−ス超電導線の製造方法において、CuNi合金製パイ
プの外周に、溶銅性液に侵されず、電解電位がCuNi
合金材料の電解電位より300mV以上卑な貴金属材料層
を0.2〜0.5mmに薄く複合し、更にその上に銅系材料層を
4mm以上に厚く複合して複合パイプを作製し、又線素材
の最外周の銅系材料層を溶銅性液にて溶解除去して貴金
属材料層を露出せしめ、次いで前記露出した貴金属材料
層を電解液中にて陽極電解して除去することを特徴とす
るCuNiシ−ス超電導線の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04061432A JP3108506B2 (ja) | 1992-02-14 | 1992-02-14 | CuNiシース超電導線の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04061432A JP3108506B2 (ja) | 1992-02-14 | 1992-02-14 | CuNiシース超電導線の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05325676A JPH05325676A (ja) | 1993-12-10 |
JP3108506B2 true JP3108506B2 (ja) | 2000-11-13 |
Family
ID=13170906
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04061432A Expired - Fee Related JP3108506B2 (ja) | 1992-02-14 | 1992-02-14 | CuNiシース超電導線の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3108506B2 (ja) |
-
1992
- 1992-02-14 JP JP04061432A patent/JP3108506B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05325676A (ja) | 1993-12-10 |
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