JP3105028B2 - ファジイ制御装置 - Google Patents
ファジイ制御装置Info
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- JP3105028B2 JP3105028B2 JP03161818A JP16181891A JP3105028B2 JP 3105028 B2 JP3105028 B2 JP 3105028B2 JP 03161818 A JP03161818 A JP 03161818A JP 16181891 A JP16181891 A JP 16181891A JP 3105028 B2 JP3105028 B2 JP 3105028B2
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、制御対象の観測値およ
び制御量の目標値を用いて操作量を決定するファジィ制
御を過去の観測データをもとに実現するファジィ制御装
置に関する。
び制御量の目標値を用いて操作量を決定するファジィ制
御を過去の観測データをもとに実現するファジィ制御装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、システムの数式モデル化が困難な
制御対象に対してファジィ制御を取入れる試みが数多く
行われている。この場合、ファジィ制御において、ファ
ジィルールの設計方法としてはオペレータの経験則をル
ール化する方法が多く使われている。
制御対象に対してファジィ制御を取入れる試みが数多く
行われている。この場合、ファジィ制御において、ファ
ジィルールの設計方法としてはオペレータの経験則をル
ール化する方法が多く使われている。
【0003】この方法は、ルールの中にオペレータの大
局的な制御戦略までが含まれるため、それぞれのルール
が複雑な相互作用を及ぼしている。このため、ファジィ
ルールの設計に当り、ただ単にオペレータの経験より得
られた制御知識を並列に並べても、そのままでは有効に
機能しない場合が多い。例えば構築されたファジィルー
ルに対して一部のルールを変更すると、そのルールの変
更が他のルールにまで影響を及ぼすため、全体のルール
を設計し直さなくてはならなかったり、また制御対象の
目標値が変わると全面的にファジィルールを作り直さな
ければならない。
局的な制御戦略までが含まれるため、それぞれのルール
が複雑な相互作用を及ぼしている。このため、ファジィ
ルールの設計に当り、ただ単にオペレータの経験より得
られた制御知識を並列に並べても、そのままでは有効に
機能しない場合が多い。例えば構築されたファジィルー
ルに対して一部のルールを変更すると、そのルールの変
更が他のルールにまで影響を及ぼすため、全体のルール
を設計し直さなくてはならなかったり、また制御対象の
目標値が変わると全面的にファジィルールを作り直さな
ければならない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように従来のファ
ジィ制御においては、現状のファジィルールの設計や調
整に明確な指針がないため、オペレータの経験より得ら
れた制御知識をもとにファジィルールを構築しているの
が現状であり、このため一部のルールを変更した場合や
制御対象の目標値が変わった場合には何回も試行錯誤的
な調整を繰返さないと要求される性能を満足し得るファ
ジィルールが構築できないという問題があった。
ジィ制御においては、現状のファジィルールの設計や調
整に明確な指針がないため、オペレータの経験より得ら
れた制御知識をもとにファジィルールを構築しているの
が現状であり、このため一部のルールを変更した場合や
制御対象の目標値が変わった場合には何回も試行錯誤的
な調整を繰返さないと要求される性能を満足し得るファ
ジィルールが構築できないという問題があった。
【0005】本発明は、オペレータの経験則に頼らずに
制御対象の観測データを用いるだけで操作量を容易に決
定することができるファジィ制御装置を提供することを
目的とする。
制御対象の観測データを用いるだけで操作量を容易に決
定することができるファジィ制御装置を提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、制御対象の制御量の観測値から該制御対象に
与える操作量を求めて該制御対象を制御するファジィ制
御装置において、前記制御対象の制御前に該制御対象に
同定用の操作量を一定時間与える同定信号発生手段と、
前記同定信号発生手段より与えられた操作量に対する前
記制御対象の制御量の観測値をそのときの操作量と共に
記憶するデータ記憶手段と、前記データ記憶手段に記憶
された観測値及び操作量を取込んで前記制御対象のある
時刻における観測値と該時刻より以前の観測値及び操作
量を要素とする特徴ベクトルを多数構成し、該特徴ベク
トルをあらかじめファジィクラスタリングにより複数の
クラスタに分類すると共に、各クラスタの中心ベクトル
を特徴量として求めるクラスタリング演算手段と、前記
クラスタリング演算手段で求められた各クラスタの特徴
量を記憶するクラスタ特徴量記憶手段と、前記観測値と
前記制御量の目標値のもとで操作量を一定範囲内で変化
させたときの該観測値、目標値及び操作量からなるベク
トルと前記クラスタ特徴量記憶手段に記憶された各クラ
スタの特徴量との距離に基づいてメンバーシップ関数を
計算により生成するメンバーシップ関数生成手段と、前
記メンバーシップ関数生成手段により前記各クラスタの
特徴量毎に生成されたメンバーシップ関数を合成して非
ファジイ化することにより前記制御対象に与えるべき操
作量を求める非ファジイ化演算手段とを備えたことを特
徴とする。
するため、制御対象の制御量の観測値から該制御対象に
与える操作量を求めて該制御対象を制御するファジィ制
御装置において、前記制御対象の制御前に該制御対象に
同定用の操作量を一定時間与える同定信号発生手段と、
前記同定信号発生手段より与えられた操作量に対する前
記制御対象の制御量の観測値をそのときの操作量と共に
記憶するデータ記憶手段と、前記データ記憶手段に記憶
された観測値及び操作量を取込んで前記制御対象のある
時刻における観測値と該時刻より以前の観測値及び操作
量を要素とする特徴ベクトルを多数構成し、該特徴ベク
トルをあらかじめファジィクラスタリングにより複数の
クラスタに分類すると共に、各クラスタの中心ベクトル
を特徴量として求めるクラスタリング演算手段と、前記
クラスタリング演算手段で求められた各クラスタの特徴
量を記憶するクラスタ特徴量記憶手段と、前記観測値と
前記制御量の目標値のもとで操作量を一定範囲内で変化
させたときの該観測値、目標値及び操作量からなるベク
トルと前記クラスタ特徴量記憶手段に記憶された各クラ
スタの特徴量との距離に基づいてメンバーシップ関数を
計算により生成するメンバーシップ関数生成手段と、前
記メンバーシップ関数生成手段により前記各クラスタの
特徴量毎に生成されたメンバーシップ関数を合成して非
ファジイ化することにより前記制御対象に与えるべき操
作量を求める非ファジイ化演算手段とを備えたことを特
徴とする。
【0007】
【0008】
【作用】このような構成のファジィ制御装置にあって
は、制御対象の入出力関係を表す多数の特徴ベクトルを
ファジィクラスタリングにより少数のクラスタ特徴量に
まとめ、該クラスタ特徴量を制御対象の近似モデルとし
ているので、これをファジィコントローラとして利用す
ることによりオペレータの経験則に頼らずに操作量を容
易に決定することができる。
は、制御対象の入出力関係を表す多数の特徴ベクトルを
ファジィクラスタリングにより少数のクラスタ特徴量に
まとめ、該クラスタ特徴量を制御対象の近似モデルとし
ているので、これをファジィコントローラとして利用す
ることによりオペレータの経験則に頼らずに操作量を容
易に決定することができる。
【0009】
【実施例】以下本発明の一実施例を図面を参照して説明
する。
する。
【0010】図1は本発明によるファジィ制御方法及び
装置を説明するためのファジィ制御系Aとファジィクラ
スタ演算系Bの構成例を示すブロック図である。図1に
おいて、ファジィ制御系Aはメンバーシップ関数生成部
1、ファジィクラスタ中心値記憶部2、非ファジィ化演
算部3及び制御対象4から構成されている。メンバーシ
ップ関数生成部1は、制御系の外部より制御量の目標値
と制御対象4の状態の観測値とがそれぞれ入力されると
共に、詳細を後述するファジィクラスタ中心値記憶部2
よりクラスタ中心値を取込み、これら目標値、観測値及
びクラスタ中心値をもとに出力すべき操作量のメンバー
シップ関数(ファジィ集合)を生成するものである。ま
た、非ファジィ化演算部3はメンバーシップ関数生成部
1で生成されたメンバーシップ関数が入力されると、こ
れを非ファジィ化して操作量を制御対象4に与えるもの
である。
装置を説明するためのファジィ制御系Aとファジィクラ
スタ演算系Bの構成例を示すブロック図である。図1に
おいて、ファジィ制御系Aはメンバーシップ関数生成部
1、ファジィクラスタ中心値記憶部2、非ファジィ化演
算部3及び制御対象4から構成されている。メンバーシ
ップ関数生成部1は、制御系の外部より制御量の目標値
と制御対象4の状態の観測値とがそれぞれ入力されると
共に、詳細を後述するファジィクラスタ中心値記憶部2
よりクラスタ中心値を取込み、これら目標値、観測値及
びクラスタ中心値をもとに出力すべき操作量のメンバー
シップ関数(ファジィ集合)を生成するものである。ま
た、非ファジィ化演算部3はメンバーシップ関数生成部
1で生成されたメンバーシップ関数が入力されると、こ
れを非ファジィ化して操作量を制御対象4に与えるもの
である。
【0011】一方、ファジィクラスタ演算系Bはデータ
記憶部5、同定信号発生部6、タイミング信号発生部7
及びクラスタリング演算部8から構成されている。デー
タ記憶部5は、制御系の制御開始前に制御対象4の状態
の観測値を過去の観測データとして記憶するものであ
る。同定信号発生部6はこのデータ記憶部5に観測デー
タを記憶させる際、制御対象4に対して同定用の操作量
を一定時間与えるものである。タイミング信号発生部6
は、同定信号発生部6が制御対象4に操作量を与え、制
御対象4より得られる観測データをデータ記憶部5に取
込むタイミング信号を発生するものである。また、クラ
スタリング演算部8はデータ記憶部5より観測データを
特徴ベクトルとして取込んでファジィクラスタリング手
法の1つであるファジィ C- means 法により特徴空間上
でのクラスタリングを行ってクラスタ中心値を求め、そ
のクラスタ中心値をクラスタ中心値記憶部2に記憶させ
るものである。ここで、クラスタリングとは、多変量解
析の一手法であり、データ群をお互いの類似度または非
類似度に基づいていくつかのグループ(クラスタ)に分
類する方法である。ファジィクラスタリングおよびファ
ジィC-means 法については、(1)「応用ファジィシス
テム入門」3章3.8節 オーム社(1989年)、(2)
「システム/制御/情報」Vol.34,No6,P347 〜P355(199
0 年)の「階層的クラスタ−分析の方法−VI」と題す
る文献等において解説されている。
記憶部5、同定信号発生部6、タイミング信号発生部7
及びクラスタリング演算部8から構成されている。デー
タ記憶部5は、制御系の制御開始前に制御対象4の状態
の観測値を過去の観測データとして記憶するものであ
る。同定信号発生部6はこのデータ記憶部5に観測デー
タを記憶させる際、制御対象4に対して同定用の操作量
を一定時間与えるものである。タイミング信号発生部6
は、同定信号発生部6が制御対象4に操作量を与え、制
御対象4より得られる観測データをデータ記憶部5に取
込むタイミング信号を発生するものである。また、クラ
スタリング演算部8はデータ記憶部5より観測データを
特徴ベクトルとして取込んでファジィクラスタリング手
法の1つであるファジィ C- means 法により特徴空間上
でのクラスタリングを行ってクラスタ中心値を求め、そ
のクラスタ中心値をクラスタ中心値記憶部2に記憶させ
るものである。ここで、クラスタリングとは、多変量解
析の一手法であり、データ群をお互いの類似度または非
類似度に基づいていくつかのグループ(クラスタ)に分
類する方法である。ファジィクラスタリングおよびファ
ジィC-means 法については、(1)「応用ファジィシス
テム入門」3章3.8節 オーム社(1989年)、(2)
「システム/制御/情報」Vol.34,No6,P347 〜P355(199
0 年)の「階層的クラスタ−分析の方法−VI」と題す
る文献等において解説されている。
【0012】なお、SW1,SW2は制御対象4の入出
力回路に設けられ、ファジィ制御系Aとファジィクラス
タ演算系Bとを切替えるスイッチであり、またSWCは
制御対象4の出力回路のスイッチSW2を介して得られ
る観測データをタイミング信号発生部7より発生するタ
イミング信号によりオンしてデータ記憶部5に入力する
制御スイッチである。
力回路に設けられ、ファジィ制御系Aとファジィクラス
タ演算系Bとを切替えるスイッチであり、またSWCは
制御対象4の出力回路のスイッチSW2を介して得られ
る観測データをタイミング信号発生部7より発生するタ
イミング信号によりオンしてデータ記憶部5に入力する
制御スイッチである。
【0013】次に上記のように構成されたファジィ制御
系Aとファジィクラスタ演算系Bの作用について述べ
る。まず、ファジィクラスタ演算系Bにてファジィクラ
スタリングを行ってコントローラを構築する手順を図2
に示すフローチャートを参照しながら説明する。
系Aとファジィクラスタ演算系Bの作用について述べ
る。まず、ファジィクラスタ演算系Bにてファジィクラ
スタリングを行ってコントローラを構築する手順を図2
に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0014】図1において、スイッチSW1,SW2を
ファジィクラスタ演算系Bに接続した状態で、同定信号
発生部6より同定用の操作量を制御対象4に一定時間与
える(ST1)と同時に、タイミング信号発生部7より
発生するタイミング信号により制御スイッチSWCをオ
ン、オフ制御する。すると、制御対象4に与えられる操
作量に応答した観測値がデータ記憶部5に記憶される。
この場合、データ記憶部5にはそのときの操作量と観測
値が記憶される(ST2)。そして、このデータ記憶部
5に記憶された観測データが十分な量かどうかを判定し
(ST3)、十分な量であれば、データ記憶部5に記憶
されている多数の操作量と観測値とをクラスタリング演
算部8に取込んで、ファジィクラスタリング(ST4)
が次のように行われる。 (a)観測データから特徴ベクトルの作成
ファジィクラスタ演算系Bに接続した状態で、同定信号
発生部6より同定用の操作量を制御対象4に一定時間与
える(ST1)と同時に、タイミング信号発生部7より
発生するタイミング信号により制御スイッチSWCをオ
ン、オフ制御する。すると、制御対象4に与えられる操
作量に応答した観測値がデータ記憶部5に記憶される。
この場合、データ記憶部5にはそのときの操作量と観測
値が記憶される(ST2)。そして、このデータ記憶部
5に記憶された観測データが十分な量かどうかを判定し
(ST3)、十分な量であれば、データ記憶部5に記憶
されている多数の操作量と観測値とをクラスタリング演
算部8に取込んで、ファジィクラスタリング(ST4)
が次のように行われる。 (a)観測データから特徴ベクトルの作成
【0015】制御対象のある時刻tでの観測値をxt 、
一定時間dt前の観測値をxt-dt、その間に与えた操作量
をut-dtとすると、入出力関係の特徴を示す特徴ベクト
ルXXは以下のようにxt ,xt-dt、ut-dtの全てを要
素として持つベクトルとなる。 特徴ベクトルXX=(xt ,xt-dt、ut-dt)
一定時間dt前の観測値をxt-dt、その間に与えた操作量
をut-dtとすると、入出力関係の特徴を示す特徴ベクト
ルXXは以下のようにxt ,xt-dt、ut-dtの全てを要
素として持つベクトルとなる。 特徴ベクトルXX=(xt ,xt-dt、ut-dt)
【0016】この場合、xt ,xt-dt、ut-dtはそれぞ
れ複数の要素(ベクトル)であってもよい。この特徴ベ
クトルXXは、制御対象の状態がxt-dtの時に操作量を
ut-dtだけ与えると、応答がxt であったことを表して
いる。
れ複数の要素(ベクトル)であってもよい。この特徴ベ
クトルXXは、制御対象の状態がxt-dtの時に操作量を
ut-dtだけ与えると、応答がxt であったことを表して
いる。
【0017】制御対象が無駄時間を持つ場合、時刻t-1
以前の観測値や操作量も特徴ベクトルの要素として持つ
必要があるが、ここでは無駄時間等がない制御対象を例
としている。以下観測データからn個の特徴ベクトルを
作ったとする。 (b)特徴ベクトルXXのクラスタリング n個のXXi (i=1,2,……n )をファジィクラスタリン
グによりC個(C<n)のクラスタCk (k=1,2,……
c)に分類する。 (c)各クラスタの特徴量を求める クラスタの特徴量は、ファジィC-means 法においては各
クラスタの中心ベクトルvk である。クラスタCk (1
≦k≦c)の中心ベクトルを vk ={vx1k, vx2k, vuk } とする。vx1kが応答値、vx2kが観測値、vukがその間に
制御対象に与えられた操作量に対応する。
以前の観測値や操作量も特徴ベクトルの要素として持つ
必要があるが、ここでは無駄時間等がない制御対象を例
としている。以下観測データからn個の特徴ベクトルを
作ったとする。 (b)特徴ベクトルXXのクラスタリング n個のXXi (i=1,2,……n )をファジィクラスタリン
グによりC個(C<n)のクラスタCk (k=1,2,……
c)に分類する。 (c)各クラスタの特徴量を求める クラスタの特徴量は、ファジィC-means 法においては各
クラスタの中心ベクトルvk である。クラスタCk (1
≦k≦c)の中心ベクトルを vk ={vx1k, vx2k, vuk } とする。vx1kが応答値、vx2kが観測値、vukがその間に
制御対象に与えられた操作量に対応する。
【0018】クラスタ中心vk は、以下のようなファジ
ィ制御のif-then のルールとして解釈することができ
る。ここで、Rは時間dt経過後に達しているべき目標値
であり、xは現在の観測値、uは現在出力すべき操作量
である。 ルールk :if R= vx1k and x=vx2k then u=vuk このようにして求められた各クラスタの中心ベクトル
は、ファジィ制御系Aのクラスタ中心値記憶部2に記憶
される(ST5)。
ィ制御のif-then のルールとして解釈することができ
る。ここで、Rは時間dt経過後に達しているべき目標値
であり、xは現在の観測値、uは現在出力すべき操作量
である。 ルールk :if R= vx1k and x=vx2k then u=vuk このようにして求められた各クラスタの中心ベクトル
は、ファジィ制御系Aのクラスタ中心値記憶部2に記憶
される(ST5)。
【0019】次にこのクラスタ中心値記憶部2に記憶さ
れたクラスタ中心値をもとにファジィ制御系Aによる制
御対象の制御について図3に示すフローチャートを参照
しながら説明する。図1において、スイッチSW1,S
W2をファジィクラスタ演算系Bからファジィ制御系A
に切替える。この状態でメンバーシップ関数生成部1に
制御対象4の状態の観測値と制御量の目標値を入力する
(ST6)と、メンバーシップ関数生成部1ではクラス
タ中心値記憶部2よりクラスタ中心値を取込み、1つの
クラスタに対する操作量のメンバーシップ関数を以下の
ようにして求める(ST7)。クラスタ中心vk を用い
て現在の観測値xおよび目標値Rから出力すべき操作量
uのメンバーシップ関数μk(u)は以下のように定義さ
れる。 μk(u)=f(u|x,R,v1 …vc )
れたクラスタ中心値をもとにファジィ制御系Aによる制
御対象の制御について図3に示すフローチャートを参照
しながら説明する。図1において、スイッチSW1,S
W2をファジィクラスタ演算系Bからファジィ制御系A
に切替える。この状態でメンバーシップ関数生成部1に
制御対象4の状態の観測値と制御量の目標値を入力する
(ST6)と、メンバーシップ関数生成部1ではクラス
タ中心値記憶部2よりクラスタ中心値を取込み、1つの
クラスタに対する操作量のメンバーシップ関数を以下の
ようにして求める(ST7)。クラスタ中心vk を用い
て現在の観測値xおよび目標値Rから出力すべき操作量
uのメンバーシップ関数μk(u)は以下のように定義さ
れる。 μk(u)=f(u|x,R,v1 …vc )
【0020】演算式f( ) は使用したファジィクラスタ
リング手法により異なり、ファジィC-means 法によれば
以下に示す(1)式になる。ここで、XX´は以下のよ
うにR,x,uよりなる特徴ベクトルである。rはファ
ジィ化の程度を表す次数で、r>1であり、‖ ‖はユ
ークリッド距離演算子である。 XX´=(R,x,u)
リング手法により異なり、ファジィC-means 法によれば
以下に示す(1)式になる。ここで、XX´は以下のよ
うにR,x,uよりなる特徴ベクトルである。rはファ
ジィ化の程度を表す次数で、r>1であり、‖ ‖はユ
ークリッド距離演算子である。 XX´=(R,x,u)
【0021】
【数1】
【0022】かくしてC個全てのクラスタのメンバーシ
ップ関数を演算したかどうかを判定し (ST8)、全
ての演算が行われたと判定されるとこれらを非ファジィ
化演算部3に受け渡す。
ップ関数を演算したかどうかを判定し (ST8)、全
ての演算が行われたと判定されるとこれらを非ファジィ
化演算部3に受け渡す。
【0023】この非ファジィ化演算部3では、全てのメ
ンバーシップ関数を例えば(2)式に示す方法によりO
R合成し(ST9)、操作量uのルール全体の推論結果
に相当するメンバーシップ関数μ(u)を求めた後、例
えば次の(3)式に示す重心法により非ファジィ化して
操作量u´を求める(ST10)。
ンバーシップ関数を例えば(2)式に示す方法によりO
R合成し(ST9)、操作量uのルール全体の推論結果
に相当するメンバーシップ関数μ(u)を求めた後、例
えば次の(3)式に示す重心法により非ファジィ化して
操作量u´を求める(ST10)。
【0024】
【数2】
【0025】このようにして求められた重心値を操作量
として制御対象4に出力し(ST11)、該制御対象4
を制御する。そして、制御が終了しているかどうかを判
定し(ST12)、制御が終了するまで前述した処理が
繰返される。
として制御対象4に出力し(ST11)、該制御対象4
を制御する。そして、制御が終了しているかどうかを判
定し(ST12)、制御が終了するまで前述した処理が
繰返される。
【0026】ここで、上述したファジィC-means 法によ
る観測データの特徴ベクトルとクラスタ中心の一例を3
次元の簡略図として図4に示す。図中、黒い点はデータ
記憶部より取込んだデータから作った特徴ベクトルを示
し、これらの特徴ベクトルをお互いの距離に基づいてフ
ァジィC-means 法により3つのクラスタに分類した場合
の各クラスタの中心値をV1,V2,V3とした。また、円は各
クラスタの境界の様子を表すが、実際にはクラスタの境
界は複雑に重複し、境界面は単純な形状ではない。
る観測データの特徴ベクトルとクラスタ中心の一例を3
次元の簡略図として図4に示す。図中、黒い点はデータ
記憶部より取込んだデータから作った特徴ベクトルを示
し、これらの特徴ベクトルをお互いの距離に基づいてフ
ァジィC-means 法により3つのクラスタに分類した場合
の各クラスタの中心値をV1,V2,V3とした。また、円は各
クラスタの境界の様子を表すが、実際にはクラスタの境
界は複雑に重複し、境界面は単純な形状ではない。
【0027】図5は図4のクラスタ中心と現在の観測
値、目標値から操作量のメンバーシップ関数を演算する
際の動作を図として示したものである。図中、点線Aは
現在の観測値および目標値の座標を通る操作量の軸に平
行な線であり、この点線A上を演算対象の点XX´を移
動させ、各クラスタV1,V2,V3に対するメンバーシップ値
μ1 ,μ2 ,μ3 を(1)式に基づいて求めて行く。図
6は求められた各クラスタに対するメンバーシップ関数
である。このメンバーシップ関数の意味を以下に簡単に
説明する。
値、目標値から操作量のメンバーシップ関数を演算する
際の動作を図として示したものである。図中、点線Aは
現在の観測値および目標値の座標を通る操作量の軸に平
行な線であり、この点線A上を演算対象の点XX´を移
動させ、各クラスタV1,V2,V3に対するメンバーシップ値
μ1 ,μ2 ,μ3 を(1)式に基づいて求めて行く。図
6は求められた各クラスタに対するメンバーシップ関数
である。このメンバーシップ関数の意味を以下に簡単に
説明する。
【0028】制御の際には、現在の観測値および目標値
が与えられたもとで、目標値と同じ応答をする操作量を
求めればよい。各クラスタ中心はそれぞれがある操作量
に対する応答の代表例を示しているので、操作量の値を
点線Aに沿って変化させ、それぞれの代表例(クラス
タ)に当てはまる度合い(メンバーシップ関数値)を求
めて行けば、ある操作量の値に対し目標値と同じ応答を
する代表例が存在する確からしさの分布が導き出せる。
例えばメンバーシップ関数μ1(u)は、「目標値と同じ応
答をする代表例がクラスタ中心V1である確からしさ」の
分布と考えられる。 このように本実施例では、ファジ
ィ制御系Aでファジィ制御を行う前に制御対象4に操作
量を一定時間与えると共に、そのとき制御対象4より得
られる観測値をデータ記憶部5に記憶しておき、その観
測値をもとにクラスタリング演算部8により、制御対象
の入出力を表す多数の特徴ベクトルを作り、これらの特
徴ベクトルを互いの距離に基づいていくつかのクラスタ
に分類して各クラスタの中心値を求め、そのクラスタ中
心値をクラスタ中心値記憶部2に記憶して制御対象4の
入出力関係の近似モデルとするようにしたので、これを
ファジィ制御系Aのファジィコントローラとして利用す
ることができ、またクラスタ中心値を言語ルールとして
解釈することができる。
が与えられたもとで、目標値と同じ応答をする操作量を
求めればよい。各クラスタ中心はそれぞれがある操作量
に対する応答の代表例を示しているので、操作量の値を
点線Aに沿って変化させ、それぞれの代表例(クラス
タ)に当てはまる度合い(メンバーシップ関数値)を求
めて行けば、ある操作量の値に対し目標値と同じ応答を
する代表例が存在する確からしさの分布が導き出せる。
例えばメンバーシップ関数μ1(u)は、「目標値と同じ応
答をする代表例がクラスタ中心V1である確からしさ」の
分布と考えられる。 このように本実施例では、ファジ
ィ制御系Aでファジィ制御を行う前に制御対象4に操作
量を一定時間与えると共に、そのとき制御対象4より得
られる観測値をデータ記憶部5に記憶しておき、その観
測値をもとにクラスタリング演算部8により、制御対象
の入出力を表す多数の特徴ベクトルを作り、これらの特
徴ベクトルを互いの距離に基づいていくつかのクラスタ
に分類して各クラスタの中心値を求め、そのクラスタ中
心値をクラスタ中心値記憶部2に記憶して制御対象4の
入出力関係の近似モデルとするようにしたので、これを
ファジィ制御系Aのファジィコントローラとして利用す
ることができ、またクラスタ中心値を言語ルールとして
解釈することができる。
【0029】また、本方式によれば、観測値、操作量の
数、性質に関わらず、過去の観測データからファジィ制
御を容易に実現することができ、さらに制御時の演算に
使用されるデータはクラスタ中心値のみであるため、通
常のファジィコントローラに比べて使用する記憶容量も
少なくてすみ、経済的にも有利である。
数、性質に関わらず、過去の観測データからファジィ制
御を容易に実現することができ、さらに制御時の演算に
使用されるデータはクラスタ中心値のみであるため、通
常のファジィコントローラに比べて使用する記憶容量も
少なくてすみ、経済的にも有利である。
【0030】なお、上記実施例ではクラスタリングの方
法としてC-means 法を使用する場合について述べたが、
ファジィISODATA 法等他の方法を用いてもよく、いずれ
のファジィクラスタリング手法を用いた場合でも基本的
な処理手順は前述と同様にして行われるものである。
法としてC-means 法を使用する場合について述べたが、
ファジィISODATA 法等他の方法を用いてもよく、いずれ
のファジィクラスタリング手法を用いた場合でも基本的
な処理手順は前述と同様にして行われるものである。
【0031】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、オペ
レータの経験則に頼らずに制御対象の観測値および操作
量を用いるだけで最も確からしい操作量を容易に決定す
ることができるファジィ制御装置を提供できる。
レータの経験則に頼らずに制御対象の観測値および操作
量を用いるだけで最も確からしい操作量を容易に決定す
ることができるファジィ制御装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるファジィ制御方法及び装置を説明
するための一実施例を示すブロック回路図。
するための一実施例を示すブロック回路図。
【図2】同実施例のクラスタリング演算系の作用を説明
するためのフローチャート。
するためのフローチャート。
【図3】同実施例のファジィ制御系の作用を説明するた
めのフローチャート。
めのフローチャート。
【図4】同実施例において、ファジィクラスタリングさ
れた特徴ベクトルの一例を簡略化して示す図。
れた特徴ベクトルの一例を簡略化して示す図。
【図5】同実施例において、クラスタ中心値をもとにメ
ンバーシップ関数を演算する際の動きを簡略化して示す
図。
ンバーシップ関数を演算する際の動きを簡略化して示す
図。
【図6】同実施例において、メンバーシップ関数生成部
より出力されるメンバーシップ関数の一例を示した図。
より出力されるメンバーシップ関数の一例を示した図。
1……メンバーシップ関数生成部、2……クラスタ中心
値記憶部、3……非ファジィ化演算部、4……制御対
象、5……データ記憶部、6……同定信号発生部、7…
…タイミング信号発生部、8……クラスタリング演算
部。
値記憶部、3……非ファジィ化演算部、4……制御対
象、5……データ記憶部、6……同定信号発生部、7…
…タイミング信号発生部、8……クラスタリング演算
部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−306364(JP,A) 廣田薫、外1名、「ファジィクラスタ リングを用いたファジィ制御規則の同 定」、第5回ファジィシステムシンポジ ウム講演論文集、国際ファジィシステム 学会(IFSA)日本支部、平成元年6 月2日、P.253−258 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G05B 13/00 - 13/02 G06F 9/44 554 G06F 9/44 580 JICSTファイル(JOIS)
Claims (1)
- 【請求項1】 制御対象の制御量の観測値から該制御対
象に与える操作量を求めて該制御対象を制御するファジ
ィ制御装置において、 前記制御対象の制御前に該制御対象に同定用の操作量を
一定時間与える同定信号発生手段と、 前記同定信号発生手段より与えられた操作量に対する前
記制御対象の制御量の観測値をそのときの操作量と共に
記憶するデータ記憶手段と、 前記データ記憶手段に記憶された観測値及び操作量を取
込んで前記制御対象のある時刻における観測値と該時刻
より以前の観測値及び操作量を要素とする特徴ベクトル
を多数構成し、該特徴ベクトルをあらかじめファジィク
ラスタリングにより複数のクラスタに分類すると共に、
各クラスタの中心ベクトルを特徴量として求めるクラス
タリング演算手段と、 前記クラスタリング演算手段で求められた各クラスタの
特徴量を記憶するクラスタ特徴量記憶手段と、 前記観測値と前記制御量の目標値のもとで操作量を一定
範囲内で変化させたときの該観測値、目標値及び操作量
からなるベクトルと前記クラスタ特徴量記憶手段に記憶
された各クラスタの特徴量との距離に基づいてメンバー
シップ関数を計算により生成するメンバーシップ関数生
成手段と、 前記メンバーシップ関数生成手段により前記各クラスタ
の特徴量毎に生成されたメンバーシップ関数を合成して
非ファジイ化することにより前記制御対象に与えるべき
操作量を求める非ファジイ化演算手段とを備えたことを
特徴とするファジィ制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03161818A JP3105028B2 (ja) | 1991-07-02 | 1991-07-02 | ファジイ制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03161818A JP3105028B2 (ja) | 1991-07-02 | 1991-07-02 | ファジイ制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0511809A JPH0511809A (ja) | 1993-01-22 |
JP3105028B2 true JP3105028B2 (ja) | 2000-10-30 |
Family
ID=15742495
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03161818A Expired - Fee Related JP3105028B2 (ja) | 1991-07-02 | 1991-07-02 | ファジイ制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3105028B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE4439505A1 (de) * | 1994-11-08 | 1996-05-09 | Siemens Ag | Verfahren zum Entwurf eines Fuzzy-Reglers |
-
1991
- 1991-07-02 JP JP03161818A patent/JP3105028B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
廣田薫、外1名、「ファジィクラスタリングを用いたファジィ制御規則の同定」、第5回ファジィシステムシンポジウム講演論文集、国際ファジィシステム学会(IFSA)日本支部、平成元年6月2日、P.253−258 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0511809A (ja) | 1993-01-22 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |