JP3193227B2 - シリコーン樹脂それを含む組成物、ケイ酸ガラス系無機膜の形成方法 - Google Patents
シリコーン樹脂それを含む組成物、ケイ酸ガラス系無機膜の形成方法Info
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Description
どの製造で用いられるレジスト、エッチングマスク、絶
縁膜、モールドなどの形成材料として使用可能なシリコ
ーン樹脂これを含むシリコーン樹脂組成物並びにこれら
を用いたケイ酸ガラス系無機膜の形成方法に関するもの
である。
装置表面の保護のため絶縁膜が多用される。このような
絶縁膜を形成する場合、膜となる材料を含む溶液を基板
に回転塗布するのが良い。なぜなら、このような方法で
あると、良好な段差被覆性、高い平坦化能力、膜形成の
簡便さなどの優れた特徴が得られ易いからである。絶縁
膜としてケイ酸ガラス系の膜を得る従来方法の一例とし
て、SOG(スピンオングラス)を用いる方法がある。
これはケイ素化合物を有機溶剤に混合し構成した塗布液
を基板上に塗布し、さらに700 〜900 ℃の温度で焼成し
SiO2 膜を得る方法である(例えば文献I「超LSI
総合辞典」、(株)サイエンスフォーラム、昭和63年、
p.115 )。また、例えば文献II(Extended abstracts o
f the 20thConference on Solid State Devices and Ma
terials,Tokyo,1988,pp.609-610)には、SOGとして
ポリ(アルキルシロキサン)を基板上(実際はCVDに
より形成したSiO2 膜上)に塗布しその皮膜を形成
し、その後この皮膜を酸素プラズマにより処理しSiO
2 化する方法が開示されている。ポリ(アルキルシロキ
サン)のままでは、これが、半導体装置製造のため後に
行なわれるプラズマアッシングや、硫酸及び過酸化水素
水の混合液による洗浄に耐えられないのでこれを防止す
るためである。
成では、上述のごとく、塗膜を少なくとも700℃とい
うような高温で処理したり酸素プラズマで酸化する必要
があった。このような過酷な処理を行なわないと、SO
Gを構成しているポリ(アルキルシロキサン)からアル
キル基を取り除くことができないので所望のケイ酸系ガ
ラスが得られないからであった。しかし、上記のような
高温処理は、この熱により半導体装置中の例えばアルミ
ニウム配線にダメージを与え易いので、好ましいもので
はない。また、酸素プラズマによる後処理を行なう場
合、プロセスが複雑になるので好ましいものではない。
また、上記いずれの場合も、塗布膜の一部分のみを選択
的にケイ酸ガラス系の膜にすることはできないので、ケ
イ酸ガラス系膜のパターン形成はできなかった。
出願に係る発明者は鋭意研究を進め、その結果として、
ポリ(シロキサン)のケイ素にある種のアルコキシル基
がある場合(以下、これを「所定のアルコキシル基」と
もいう。)には、温和な条件の下で容易にそのアルキル
基がシリコン骨格から脱離することに着目した。この様
子を下記の(A)式に示した。また、その具体的な例と
して、例えば酸触媒存在下でこのような脱離反応が容易
に起こるアルコキシル基の構造的条件を考えた場合は、
脱離してできる中間体であるアルキル陽イオンが安定で
あることが挙げられる。この様子を下記(B)式に示し
た。
換基の全てが下記に示した所定のアルコキシル基のいず
れかであるポリ(シロキサン)、或は、置換基の一部が
下記に示した所定のアルコキシル基のいずれかであって
残りが水酸基であるポリ(シロキサン)を主張する。こ
こで、所定のアルコキシル基とは、第3級アルコキシル
基、α−置換アリールオキシル基、α,α−2置換アリ
ールオキシル基、無置換テトラヒドロピラニロキシル
基、置換テトラヒドロピラニロキシル基、無置換テトラ
ヒドロフラニロキシル基、置換テトラヒドロフラニロキ
シル基、2−アルコキシエトキシル基、2−アリールオ
キシエトキシル基、2−アルカノイロキシエトキシル基
である。なお、この発明において、ポリ(シロキサン)
中に導入(置換)されている所定のアルコキシル基は1
種類のものであっても良く、複数種類のものであっても
良いものとする。またここでいうポリ(シロキサン)と
は、ケイ素数2個以上のもの(ジシロキサン以上のも
の)、すなわちオリゴマーとして分類されるケイ素数の
少ないものをも含む意味である。高分子鎖に分岐構造を
含むものも含まれる。この第一発明でいうポリ(シロキ
サン)の一般式を下記(C)に示した。このポリ(シロ
キサン)の分子量は使用目的に応じ任意である。半導体
装置での絶縁膜として使用する場合は塗布法によりこの
ポリ(シロキサン)の皮膜を形成することとなる。その
場合、分子量が大きすぎては主に塗布溶液の調整が困難
になり、小さすぎては主に皮膜の形成が困難になるので
これらを考慮した好適な分子量のものとするのが良い。
第3級アルキル基の具体例としては、下記(1)式に示
した2−メチル−2−プロピル基(t−ブチル基)、下
記(2)式に示した2−メチル−2−ブチル基、下記
(3)式に示した3−メチル−3−ペンチル基、下記
(4)式に示した3−エチル−3−ペンチル基などを挙
げることができる。また、上記α−置換アリールオキシ
ル基を与えるα−置換アリール基の具体例としては、下
記(5)式に示したフェニルメチル基(ベンジル基)、
下記(6)式に示したp−トリルメチル基、下記(7)
式に示した1−ナフチルメチル基、下記(8)式に示し
た1−フェニルプロピル基、下記(9)式で示した2−
フリルメチル基、下記(10)式で示した1−フェニル
エチル基、下記(11)式で示したジフェニルメチル基
などを挙げることが出来る。また、上記α,α−2置換
アリールオキシル基を与えるα,α−2置換アリール基
の具体例としては、下記(12)式に示した2−フェニ
ル−2−プロピル基(α,α−ジメチルベンジル基)、
下記(13)式に示した2−(p−トリル)−2−プロ
ピル基、下記(14)式に示した2−(1−ナフチル)
−2−プロピル基、下記(15)式に示した2−(2−
フリル)−2−プロピル基、下記(16)式に示した2
−フェニル−2−ブチル基、下記(17)式に示した
1,1−ジフェニルエチル基などを挙げることが出来
る。また、無置換テトラヒドロピラニロキシル基を与え
る無置換テトラヒドロピラニル基の具体例として例えば
下記(18)式に示した2−テトラヒドロピラニル基
を、また、置換テトラヒドロピラニロキシル基を与える
置換テトラヒドロピラニル基の具体例として例えば下記
(19)式に示した2−(4−メチル)−テトラヒドロ
ピラニル基をそれぞれ挙げることが出来る。また、無置
換テトラヒドロフラニロキシル基を与える置換テトラヒ
ドロフラニロキシル基の具体例として例えば下記(2
0)式に示した2−テトラヒドロフラニル基を、また置
換テトラヒドロフラニロキシル基を与える置換テトラヒ
ドロフラニル基の具体例として例えば下記(21)式に
示した2−(4−メチル)−テトラヒドロフラニル基を
それぞれ挙げることが出来る。また、2−アルコキシエ
トキシル基を与える2−アルコキシエチル基の具体例と
しては下記(22)式に示した2−メトキシエチル基、
下記(23)式に示した2−エトキシエチル基、下記
(24)式に示した2−フェノキシエチル基、下記(2
5)式に示した2−アセトキシエチル基などを挙げるこ
とが出来る。
は、例えば以下の(a)〜(d)に示すシリコン化合物
の1種または2種以上の混合物を加水分解・縮合させる
ことによって得られる。
基で加水分解可能な置換基1個とを有するモノシラン。
基で加水分解可能な置換基2個とを有するモノシラン。
基で加水分解可能な置換基3個とを有するモノシラン。
有するモノシラン。
基で加水分解可能な置換基とは、例えば、アルカノイル
基、アリールカルボニル基或はハロゲノ基であることが
できる。アルカノイル基の具体例としては、例えば、下
記化学式10(ここで化学式10とはすみ付カッコで囲
う化10をいう。以下の化学式11〜26において同
様)の欄に示したアセチル基、プロピオニル基が挙げら
れる。アリールカルボニル基の具体例としては、例え
ば、下記化学式11の欄に示したベンゾイル基、p−ト
ルオイル基、ナフトイル基が挙げられる。ハロゲノ基の
具体例としては、例えば、クロロ(−Cl)、ブロモ
(−Br)、ヨード(−I)が挙げられる。
定のアルコキシル基で置換されているシリコン樹脂の構
成では、これに例えば酸やイオンが作用するとアルキル
基が脱離するので、このシリコーン樹脂の酸やイオンの
作用をうけた部分はシラノールを有するシリコーン樹脂
になる。同様に、第一発明の構成のうち置換基の一部が
所定のアルコキシル基で置換されているシリコン樹脂で
も例えば酸やイオンが作用するとアルキル基が脱離する
ので、このシリコーン樹脂の酸やイオンが作用した部分
はシラノールを有するシリコーン樹脂になる。またこの
シラノールは縮合するのでこのシリコーン樹脂はシラノ
ールのより少ないケイ酸系ガラスになる。また、このケ
イ酸系ガラス中には水素は残存してはいるものの炭素は
残存しない。これらのことから、第一発明のシリコーン
樹脂はケイ酸系ガラスであって無機のケイ酸系ガラスを
得る材料として用い得るものとなる。
発明のシリコーン樹脂と酸発生剤とから成るシリコーン
樹脂組成物、:第一発明のシリコーン樹脂と所定のホ
ウ酸エステル及びリン酸エステルの双方または一方とか
ら成るシリコーン樹脂、:第一発明のシリコーン樹脂
とシランの水素4個が上記所定のアルコキシル基のいず
れかに置換されたシラン(以下、「所定のシラン」とい
う。)とから成るシリコーン樹脂組成物、:このの
構成の樹脂組成物にさらに酸発生剤を含ませた構成のシ
リコーン樹脂組成物、:の構成の樹脂組成物にさら
に酸発生剤を含ませた構成のシリコーン樹脂組成物、
:の構成の樹脂組成物に、さらに所定のホウ酸エス
テル及びリン酸エステルの双方または一方と、所定のモ
ノシランとを含ませた構成のシリコーン樹脂組成物をそ
れぞれ主張する。
に当たっては、次の点に留意するのが好適である。露光
に用いるエネルギー線に効率よく感応する適正なものを
選ぶ。樹脂組成物の保存安定性を考えると室温で酸を発
生するようなものを用いることは避けるのが良い。ま
た、あまり高温で酸を発生するような酸発生物質を選択
することは低温で絶縁膜を得るという本願の目的を損ね
る。例えば、次の(i) 〜(X) に掲げる各物質から選ばれ
る1または複数のものは酸発生剤として用いて好適であ
る。
メタンスルホナート、ジフェニル(4−t−ブチルフェ
ニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、
ジフェニル(4−メトキシフェニル)スルホニウムトリ
フルオロメタンスルホナート、ジフェニル(4−フルオ
ロフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホナ
ート、ジフェニル(4−フェニルチオフェニル)スルホ
ニウムトリフルオロメタンスルホナート、トリフェニル
スルホニウムヘキサフルオロホスファート、ジフェニル
(4−t−ブチルフェニル)スルホニウムヘキサフルオ
ロホスファート、ジフェニル(4−メトキシフェニル)
スルホニウムヘキサフルオロホスファート、トリフェニ
ルスルホニウムヘキサフルオロアンチモナート、ジフェ
ニル(4−t−ブチルフェニル)スルホニウムヘキサフ
ルオロアンチモナート、ジフェニル(4−メトキシフェ
ニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモナート、ト
リフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセナート、
ジフェニル(4−t−ブチルフェニル)スルホニウムヘ
キサフルオロアルセナート、ジフェニル(4−メトキシ
フェニル)スルホニウムヘキサフルオロアルセナート、
ジフェイル(ナフト−2−イル)スルホニウムトリフル
オロメタンスルホナートなどのトリアリールスルホニウ
ム塩(下記の化学式12、化学式13、化学式14の欄
参照)。
ラニウムトリフロオロメタンスルホナートなどのアリー
ルアルキレンスルホニウム塩(下記の化学式15参照)
やアリールカルボニルメチルジアルキルスルホニウム
塩。
−2−イル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホナ
ート(下記の化学式16参照)等のアリールジアルキル
スルホニウム塩。
ロメタンスルホナート、ジ(4−t−ブチルフェニル)
ヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、ジ(4
−メトキシフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタン
スルホナート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロ
アンチモナート、ジ(4−t−ブチルフェニル)ヨード
ニウムヘキサフルオロアンチモナート、ジ(4−メトキ
シフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモナー
ト、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセナー
ト、ジ(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサ
フルオロアルセナート、ジ(4−メトキシフェニル)ヨ
ードニウムヘキサフルオロアルセナートなどのジアリー
ルヨードニウム塩(下記化学式17の欄参照)。
ト、ピロガロールトリエタンスルホナート、ピロガロー
ルトリ−4−トルエンスルホナートなどのピロガロール
のスルホン酸エステル(下記化学式18の欄参照)。
ト、2−ヒドロキシベンゾイン4−トルエンスルホナー
トなどの無置換あるいは置換ベンゾインのスルホン酸エ
ステル(下記化学式19の欄参照)。
キシベゾインフェノンの2−ジアゾナフトキノン−4−
スルホン酸エステルなどのポリヒドロキシベンゾフェノ
ンの2−ジアゾナフトキノン−4−スルホン酸エステル
(下記化学式20の欄参照)。
ル)エタンの2−ジアゾナフトキノンスルホン酸エステ
ル等のフェノール類の2−ジアゾナフトキノン−4−ス
ルホン酸エステル(下記化学式21の欄参照)。
エンスルホナート、2,4−ジニトロベンジル4−トル
エンスルホナート、2−ニトロ−4−フルオロベンジル
4−トルエンスルホナートなどの2−又は/及び6−の
位置にニトロ基を有するベンジルアルコールのスルホン
酸エステル(下記化学式22の欄参照)。
ン、ベンゼンスルホニルメチル(フェニル)スルホンな
どのβ−ジスルホン(下記化学式23の欄参照)。
考慮した適性量使用する。この際、この量が多すぎると
組成物の塗布膜が脆弱になったりするのでこの点をも考
慮して酸発生剤の量は決定するのが良い。
キルの具体例として下記の化学式24欄に示したホウ酸
トリ(2−プロピル)、ホウ酸トリ(2−メチル−2−
プロピル)が挙げられる。また、ホウ酸トリアリールの
具体例として同じく化学式24欄に示したホウ酸トリフ
ェニル、ホウ酸トリ(4−トリル)が挙げられる。ま
た、この第二発明でいうリン酸エステルとしてリン酸ト
リアルキル、リン酸トリアリールを挙げることが出来
る。リン酸トリアルキルの具体例として下記の化学式2
5欄に示したリン酸トリ(2−プロピル)、リン酸トリ
(2−メチル−2−プロピル)が挙げられる。また、リ
ン酸トリアリールの具体例として同じく化学式25欄に
示したリン酸トリフェニル、リン酸トリ(4−トリル)
が挙げられる。もちろんこれらは一例である。ホウ酸エ
ステル、リン酸エステルの添加量は主にBSG膜、PS
G膜、BPSG膜として要求される性能などを考慮して
決定する。
シリコーン樹脂+酸発生剤の構成)ではこのシリコーン
樹脂の皮膜に例えば電子線、紫外線、X線、イオン粒子
線などのエネルギー線を照射すると照射部分において酸
発生剤が分解して酸が生じる。この酸が触媒になってポ
リ(シロキサン)におけるエネルギー線照射部分中の所
定のアルコキシル基のアルキル基は脱離するので、エネ
ルギー線照射部分の皮膜はシラノールを有するポリ(シ
ロキサン)になる。このエネルギ線照射部分では、その
後は、シラノールの縮合などが第一発明同様に起こる。
のシリコーン樹脂+所定のホウ酸エステルやリン酸エス
テルの構成)では、ボロンを含むケイ酸系ガラス、リン
を含むケイ酸系ガラスの形成用材料が実現される。
のシリコーン樹脂+所定のモノシランの構成)では、所
定のシランの種類、使用量などを制御することによりシ
リコーン樹脂組成物の皮膜形成時の塗布性を制御でき
る。
は、上記〜の組み合わせに応じた作用が得られる。
膜の形成方法のうちの第一発明のシリコーン樹脂を用い
る構成の場合、このシリコーン樹脂の皮膜のイオン照射
された部分ではアルキル基の脱離、シラノールの生成そ
れの縮合がおこる。また、この出願の第三発明のケイ酸
ガラス系無機膜の形成方法のうちの第二発明のシリコー
ン樹脂組成物を用いる構成の場合、このシリコーン樹脂
の皮膜のエネルギー線が照射された部分ではアルキル基
の脱離、シラノールの生成それの縮合がおこる。この一
連の処理を下記(I)式に示した。これら一連の処理は
イオン照射後或はエネルギー線照射後の熱処理により加
速される。
明する。しかしながら、以下の説明中で挙げる使用材料
及びその量、処理時間、処理温度、膜厚などの数値的条
件は、これら発明の範囲内の好適例にすぎない。従っ
て、これらの発明は、これら条件にのみ限定されるもの
ではない。
酸ガラス系無機膜の形成例の説明 1−1.第1実施例のシリコーン樹脂 ジムロート、温度計、滴下ロート、攪拌機を装着した4
つ口反応器に、ジアセトキシジ−t−ブトキシシラン5
8.4g(0.20mol)とテトラアセトキシシラン
26.4g(0.10mol)とを入れ、さらにメチル
イソブチルケトン(MIBK)を600ml加えてこれ
らシランを溶解させる。これにトリエチルアミン80.
8g(0.80mol)を加え、次いでこの溶液を−2
0℃に冷却する。これに水144ml(8.0mol)
を30分間かけて加える。この溶液を30分間攪拌した
後、室温に昇温し、さらに30分間攪拌を続ける。次い
で、40℃に加熱しこのまま30分間反応を続ける。冷
却後、分液し、有機層をその水層が中性を示すまで水で
洗浄する。得られた溶液から減圧下で溶媒を留去する。
残分をメタノール/水で再沈殿し、得られた樹脂を40
℃で一夜真空乾燥する。得られたポリ(シロキサン)は
15gであった。ポリ(スチレン)換算によるゲルパー
ミエーションクロマトグラフィの結果、重量平均分子量
(MW )は24000であった。また、ベンゼン内部標
準を用いたNMR分析では、t−ブトキシル基の全ケイ
素に対する割合は118%であった。上記合成条件で得
られるポリ(シロキサン)において、全ケイ素原子の置
換基がt−ブトキシル基となったときの理論上の、上記
NMR数値は、2×0.2×100/(0.2+0.
1)=133%である。ただし、この式中の2という数
字は出発原料中のジアセトキシジ−t−ブトキシシラン
が2官能性であることによる。また、この式中の0.
2、0.1という各数字は、各シランのモル数である。
これら118%及び133%という数値から明らかなよ
うに、この第1実施例のシリコーン樹脂は、置換基の一
部がt−ブトキシル基であって残りが水酸基であるポリ
(シロキサン)に相当する。ただし、この第1実施例の
シリコーン樹脂を、これが熱分解してしまう温度(おお
よそ400℃程度)より低い比較的高温(例えば300
℃程度)で処理することによってシラノールを縮合させ
て水酸基部分をシリコン樹脂の骨格に変えることができ
る。こうすると、置換基の全部がt−ブトキシル基であ
るシリコーン樹脂を提供することも可能である。以下の
第2〜第4実施例の各シリコーン樹脂組成物も合成を終
えた時点のものは、置換基の一部がt−ブトキシル基で
あって残りが水酸基であるポリ(シロキサン)である
が、これについても、適当な熱処理によって、置換基の
全部がt−ブトキシル基であるポリ(シロキサン)に変
えることはできる。置換基の全部がt−ブトキシル基で
あるポリ(シロキサン)を得る例については後述の第5
実施例のシリコーン樹脂の項において説明する。
であったところを60分とする。それ以外は実施例1に
記載した手順で第2実施例のポリ(シロキサン)を合成
する。得られたポリ(シロキサン)は16gであった。
ポリ(スチレン)換算によるゲルパーミエーションクロ
マトグラフィの結果、重量平均分子量(MW )は660
00であった。また、ベンゼン内部標準を用いたNMR
分析では、t−ブトキシル基の全ケイ素に対する割合は
120%であった。
つ口反応器に、ジアセトキシジ−t−ブトキシシラン5
8.4g(0.20mol)とトリアセトキシ−t−ブ
トキシシラン36.4g(0.13mol)とを入れ、
さらにMIBKを650ml加えてこれらシランを溶解
させる。これにトリエチルアミン79.8g(0.79
mol)を加え、次いでこの溶液を−20℃に冷却す
る。これに水142ml(7.9mol)を30分間か
けて加える。この溶液を30分間攪拌した後、室温に昇
温し、さらに30分間攪拌を続ける。次いで、40℃に
加熱しこのまま30分間反応を続ける。冷却後、分液
し、有機層をその水層が中性を示すまで水で洗浄する。
得られた溶液から減圧下で溶媒を留去する。残分をメタ
ノール/水で再沈殿し、得られた樹脂を40℃で一夜真
空乾燥する。得られたポリ(シロキサン)は12gであ
った。ポリ(スチレン)換算によるゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィの結果、重量平均分子量(MW )は
11000であった。また、ベンゼン内部標準を用いた
NMR分析では、t−ブトキシル基の全ケイ素に対する
割合は140%であった。
つ口反応器に、トリアセトキシ−t−ブトキシシラン9
6.8g(0.40mol)とテトラアセトキシシラン
79.2g(0.30mol)とを入れ、さらにMIB
Kを700ml加えてこれらシランを溶解させる。これ
にトリエチルアミン242g(2.4mol)を加え、
次いでこの溶液を−20℃に冷却する。これに水288
ml(2.4mol)を30分間かけて加える。この溶
液を30分間攪拌した後、室温に昇温し、さらに60分
間攪拌を続ける。次いで、これを分液し、有機層を水層
が中性を示すまで水で洗浄する。得られた溶液から減圧
下で溶媒を留去する。残分をメタノール/水で再沈殿
し、得られた樹脂を40℃で一夜真空乾燥する。得られ
たポリ(シロキサン)は11gであった。ポリ(スチレ
ン)換算によるゲルパーミエーションクロマトグラフィ
の結果、重量平均分子量(MW )は86000であっ
た。また、ベンゼン内部標準を用いたNMR分析では、
t−ブトキシル基の全ケイ素に対する割合は46%であ
った。
圧下、300℃の温度で8時間加熱する。得られた樹脂
はポリ(スチレン)換算によるゲルパーミエーションク
ロマトグラフィの結果、重量平均分子量(MW )は15
0,000であった。また、ベンゼン内部標準を用いた
NMR分析では、t−ブトキシル基の全ケイ素に対する
割合は113%であり本加熱処理をする前とほぼ同じで
あるが、FT−IRによる分析の結果では水酸基は全く
存在していないことが分かった。
ラス系無機膜の形成例 第3実施例のシリコーン樹脂1.0gをシクロヘキサノ
ン10mlに溶解して得たものをテフロン製メンブレン
フィルタを通して濾過し、第3実施例のシリコーン樹脂
の塗布溶液とする。これをシリコン基板上に塗布しホッ
トプレート上で80℃の温度で1分間プリベークを施
し、0.5μmの厚さの皮膜を形成する。この皮膜にス
テンシルマスクを密着させこれを通して加速電圧50K
Vの水素イオンを5.0×1015個/cm2 で照射す
る。イオン照射済み試料をホットプレート上で200℃
の温度で2分間ベーキングを施す。次いで、アニソール
で30秒間現像し、その後、キシレンで30秒間リンス
をする。この試料をSEMで観察したところ、0.5μ
mのラインアンドスペース(L/S)パターンを解像し
ていることが分かった。また、同じ試料中の50μm角
のパッドパターンを顕微FT−IRにより分析した結
果、t−ブチル基に基づく波数3000cm-1付近及び
1600cm-1付近のC−H伸縮振動、C−C伸縮振動
の吸収が完全に消失していることが観測された。この結
果より、露光部分はケイ酸ガラス系の無機膜に変化して
いることが分かる。炭素を含むケイ酸ガラス(つまり有
機分を含むケイ酸ガラス)を半導体装置の絶縁膜として
用いると、その後にもし高温熱処理工程が実施された場
合この絶縁膜中の有機成分が熱分解しガスを発生しこれ
により絶縁膜に損傷を引き起こす危険が高いが、この発
明のシリコーン樹脂ではケイ酸ガラス系無機膜となって
いるのでそのようなことが生じないと考えられる(以下
の第二発明のシリコーン樹脂組成物において同じ。)。
したがって、この第一発明のシリコーン樹脂で形成した
ケイ酸ガラス系無機膜は、CVD法、スパッタ法などで
形成されるSiO2 膜と同等の耐熱性、耐ドライエッチ
ング耐性及び化学安定性が期待出来る(第二発明におい
て同じ。)。
たケイ酸ガラス系無機膜の形成例の説明 2−1.第1実施例の組成物及び無機膜の形成 第一発明の第1実施例のポリ(シロキサン)1.0g
と、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスル
ホナート(上記化学式12の欄中の1つ)40mg(樹
脂重量に対する重量%で4%に相当)とをシクロヘキサ
ノン10mlに溶解して得たものをテフロン製メンブレ
ンフィルタを通して濾過し、第1実施例の樹脂組成物の
塗布溶液とする。これをシリコン基板上に塗布しホット
プレート上で80℃の温度で1分間プリベークを施し、
0.8μmの厚さの皮膜を形成する。この皮膜に対しエ
ネルギー線としてここでは電子線を用いた露光をする。
具体的には、加速電圧20KVで電子線描画を行なう。
露光量は10μC/cm2 である。露光済み試料をホッ
トプレート上で100℃の温度で2分間ベーキングを施
す。次いで、アニソールで30秒間現像し、その後、キ
シレンで30秒間リンスをする。この試料をSEMで観
察したところ、0.3μmのL/Sパターンを解像して
いることが分かった。また、同じ試料中の50μm角の
パッドパターンを顕微FT−IRにより分析した結果、
t−ブチル基に基づく波数3000cm-1付近及び16
00cm-1付近のC−H伸縮振動、C−C伸縮振動の吸
収が完全に消失していることが分かった。この結果よ
り、露光部分はケイ酸ガラスに変化していることが分か
った。なお、酸発生剤としてトリフェニルスルホニウム
トリフルオロメタンスルホナートを用いる場合、他の酸
発生剤を用いる場合よりエネルギー線に対し効率よく酸
が発生される。
形成 第一発明の第1実施例のポリ(シロキサン)1.0g
と、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェ
ノンのテトラキス(2−ジアゾナフトキノン−4−スル
ホナート)80mgとをシクロヘキサノン10mlに溶
解して得たものをテフロン製メンブレンフィルタを通し
て濾過し、第2実施例の樹脂組成物の塗布溶液とする。
これをシリコン基板上に塗布しホットプレート上で80
℃の温度で1分間プリベークを施し、0.8μmの厚さ
の皮膜を形成する。この皮膜に対しi線ステッパ(NA
0.45、1/5縮小露光するもの)を用い露光を行な
う。露光量は150mJ/cm2 である。露光済み試料
をホットプレート上で100℃の温度で2分間ベーキン
グを施す。次いで、アニソールで30秒間現像し、その
後、キシレンで30秒間リンスをする。この試料をSE
Mで観察したところ、0.5μmのL/Sパターンを解
像していることが分かった。また、同じ試料中の50μ
m角のパッドパターンを顕微FT−IRにより分析した
結果、t−ブチル基に基づく波数3000cm-1付近及
び1600cm-1付近のC−H伸縮振動、C−C伸縮振
動の吸収が完全に消失していることが分かった。この結
果より、露光部分はケイ酸ガラスに変化していることが
分かった。
形成 第一発明の第1実施例のポリ(シロキサン)1.0g
と、ホウ酸トリ−t−ブチル100mgと、リン酸トリ
−t−ブチル100mgと、2,2’,4,4’−テト
ラヒドロキシベンゾフェノンのテトラキス(2−ジアゾ
ナフトキノン−4−スルホナート)80mgとをシクロ
ヘキサノン10mlに溶解して得たものをテフロン製メ
ンブレンフィルタを通して濾過し、第3実施例の樹脂組
成物の塗布溶液とする。これをシリコン基板上に塗布し
ホットプレート上で80℃の温度で1分間プリベークを
施し、0.8μmの厚さの皮膜を形成する。この皮膜に
対しi線ステッパ(NA0.45、1/5縮小露光する
もの)を用い露光を行なう。露光量は180mJ/cm
2 である。露光済み試料をホットプレート上で100℃
の温度で2分間ベーキングを施す。次いで、アニソール
で30秒間現像し、その後、キシレンで30秒間リンス
をする。この試料をSEMで観察したところ、0.6μ
mのホールパターンを解像していることが分かった。ま
た、同じ試料中の50μm角のパッドパターンを顕微F
T−IRにより分析した結果、t−ブチル基に基づく波
数3000cm-1付近及び1600cm-1付近のC−H
伸縮振動、C−C伸縮振動の吸収が完全に消失し、一
方、波数1300-1付近にB−O伸縮振動、P=O伸縮
振動、波数1100cm-1付近にP−O伸縮振動がそれ
ぞれ観測された。この結果より、露光部分はホウ酸とリ
ン酸とがドープされたケイ酸ガラスいわゆるBPSG膜
に変化していることが分かった。なお、ホウ酸エステル
としてホウ酸トリ−t−ブチルを用い、リン酸エステル
としてリン酸トリ−t−ブチルを用いているのは、こう
すると酸の作用で、上記化学式2の欄に示した(B)式
の場合と同様に安定アルキル用イオンを生成するためエ
ステル中のブチル基が容易に脱離するので、炭素が残存
しないBSG膜、PSG膜、BPSG膜が得られ易いか
らである。
形成 第一発明の第3施例のポリ(シロキサン)1.0gと、
トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナ
ート40mgとをシクロヘキサノン10mlに溶解して
得たものをテフロン製メンブレンフィルタを通して濾過
し、第4実施例の樹脂組成物の塗布溶液とする。これを
シリコン基板上に塗布しホットプレート上で80℃の温
度で1分間プリベークを施し、0.8μmの厚さの皮膜
を形成する。この皮膜に対し加速電圧20KVで電子線
描画を行なう。露光量は15μC/cm2 である。露光
済み試料をホットプレート上で100℃の温度で2分間
ベーキングを施す。次いで、アニソールで30秒間現像
し、その後、キシレンで30秒間リンスをする。この試
料をSEMで観察したところ、0.3μmのL/Sパタ
ーンを解像していることが分かった。
形成 第一発明の第3施例のポリ(シロキサン)1.0gと、
トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナ
−ト80mg(樹脂重量に対する重量%で8%に相当)
とをシクロヘキサノン10mlに溶解して得たものをテ
フロン製メンブレンフィルタを通して濾過し、第5実施
例の樹脂組成物の塗布溶液とする。これをシリコン基板
上に塗布しホットプレート上で80℃の温度で1分間プ
リベークを施し、0.6μmの厚さの皮膜を形成する。
この皮膜に対しKrFエキシマステッパ(NA0.4
5、1/5縮小露光するもの)を用いて露光を行なう。
露光量は40mJ/cm2 である。露光済み試料をホッ
トプレート上で100℃の温度で2分間ベーキングを施
す。次いで、アニソールで30秒間現像し、その後、キ
シレンで30秒間リンスをする。この試料をSEMで観
察したところ、0.28μmのL/Sパターンを解像し
ていることが分かった。
形成 第一発明の第3実施例のポリ(シロキサン)1.0g
と、ホウ酸トリ−t−ブチル100mgと、リン酸トリ
−t−ブチル100mgと、ピロガロールトリメタンス
ルホナート(化学式18の欄中の1つ)100mgとを
シクロヘキサノン10mlに溶解して得たものをテフロ
ン製メンブレンフィルタを通して濾過し、第6実施例の
樹脂組成物の塗布溶液とする。これをシリコン基板上に
塗布しホットプレート上で80℃の温度で1分間プリベ
ークを施し、0.4μmの厚さの皮膜を形成する。この
皮膜に対しKrFエキシマステッパ(NA0.45,1
/5縮小露光するもの)を用いて露光を行なう。露光量
は60mJ/cm2 である。露光済み試料をホットプレ
ート上で100℃の温度で2分間ベーキングを施す。次
いで、アニソールで30秒間現像し、その後、キシレン
で30秒間リンスをする。この試料をSEMで観察した
ところ、0.34μmのホールパターンを解像している
ことが分かった。また、同じ試料中の50μm角のパッ
ドパターンを顕微FT−IRにより分析した結果、t−
ブチル基に基づく波数3000cm-1付近及び1600
cm-1付近のC−H伸縮振動、C−C伸縮振動の吸収が
完全に消失し、一方、波数1300-1付近にB−O伸縮
振動、P=O伸縮振動、波数1100cm-1付近にP−
O伸縮振動がそれぞれ観測された。この結果より、露光
部分はホウ酸とリン酸とがドープされたケイ酸ガラスい
わゆるBPSG膜に変化していることが分かった。
形成 第一発明の第3実施例のシリコーン樹脂1.0gと、所
定のモノシランの一例としてのジ−t−ブトキシビス
(2−メトキシエトキシ)シラン0.2gと、酸発生剤
としてのトリフェニルスルホニウムトリフルオロメタン
スルホナ−ト80mgとをシクロヘキサノン10mlに
溶解して得たものをテフロン製メンブレンフィルタを通
して濾過し、第7実施例の樹脂組成物の塗布溶液とす
る。これをシリコン基板上に塗布しホットプレート上で
80℃の温度で1分間プリベークを施し、0.9μmの
厚さの皮膜を形成する。この皮膜に対しKrFエキシマ
ステッパ(NA0.45,1/5縮小露光するもの)を
用いて露光を行なう。露光量は30mJ/cm2 であ
る。露光済み試料をホットプレート上で100℃の温度
で2分間ベーキングを施す。次いで、アニソールで30
秒間現像し、その後、キシレンで30秒間リンスをす
る。この試料をSEMで観察したところ、0.35μm
のL/Sパターンを解像していることが分かった。この
第7実施例の場合所定のモノシランを含有させた分膜厚
の厚い皮膜(ここでは0.9μmの皮膜)が形成できる
ことが分かる。
形成 第一発明の第5実施例のシリコーン樹脂(水酸基を除去
したもの)1.0gと、酸発生剤としてのトリフェニル
スルホニウムトリフルオロメタンスルホナ−ト80mg
とをテトラヒドロフラン20mlに溶解して得たものを
テフロン製メンブレンフィルタを通して濾過し、第8実
施例の樹脂組成物の塗布溶液とする。これをシリコン基
板上に塗布しホットプレート上で80℃の温度で1分間
プリベークを施し、0.5μmの厚さの皮膜を形成す
る。この皮膜に対しKrFエキシマステッパ(NA0.
45,1/5縮小露光するもの)を用いて露光を行な
う。露光量は8mJ/cm2 である。露光済み試料をホ
ットプレート上で100℃の温度で2分間ベーキングを
施す。次いで、アニソール/テトラヒドロフランの1/
1混合液で30秒間現像し、その後、キシレンで30秒
間リンスをする。この試料をSEMで観察したところ、
0.25μmのL/Sパターンを解像していることが分
かった。
用を想定してシリコン基板上に膜を形成する例を説明し
たが、ケイ酸ガラス軽無機膜を必要とする各種の分野、
例えば、TFT液晶ディスプレイの保護膜や光導波路の
導波路自身にも適用出来る。
の出願の第一発明のシリコーン樹脂は、置換基の全部が
所定のアルコキシル基であるポリ(シロキサン)或いは
置換基の一部が所定のアルコキシル基で残りが水酸基で
あるポリ(シロキサン)で構成してある。このシリコー
ン樹脂及びこれと酸発生剤とを含む組成物では、所定の
アルコキシル基のアルキル基部分はイオンの作用やエネ
ルギー線照射で生じる酸の作用で脱離する。アルキル基
の脱離のために従来は少なくとも700℃の温度が必要
であったのに対し、この発明のシリコーン樹脂や組成物
では大幅に低い温度(高くとも200℃程度の温度)で
アルキル基の脱離が行なわれる。アルキル基が脱離した
部分はシラノールを有するポリ(シロキサン)になりこ
れは縮合するのでケイ酸系無機膜が得られる。このよう
にこの発明のシリコーン樹脂及びこれを含むシリコーン
樹脂組成物では、温和な成膜条件でケイ酸ガラス系無機
膜が得られる。また、イオンやエネルギ−線を選択的に
照射することで、所望の形状のケイ酸ガラス系無機膜パ
ターンのパターニングが行なえる。
む組成物で形成されるケイ酸ガラス系無機膜は、炭素
(有機分)が残存しない膜であるのでその後の熱処理で
も有機分に起因するガス発生は生じないから、このガス
発生が原因の膜損傷を防止出来る。また、形成されたケ
イ酸ガラス系無機膜は有機分を含まないため実質的にS
iO2 膜である(酸素プラズマ処理をせずとも実質的に
SiO2 膜である。)から、従来技術(上記文献IIの技
術)で必要であったプラズマ処理をせずに済む。したが
って、膜形成工程の簡略ができると考えられる。これ
は、製造設備、廃液処理設備などを削減できることも意
味するのでデバイスの製造コスト削減も期待出来る。
Claims (6)
- 【請求項1】 置換基の全てが下記に示した置換基のい
ずれかであるポリ(シロキサン)、或は、置換基の一部
が下記に示した置換基のいずれかであって残りが水酸基
であるポリ(シロキサン)で構成され、かつ不規則性構
造を有するポリ(シロキサン)で構成されたことを特徴
とする、下記(C)で示されるシリコーン樹脂。第3級
アルコキシル基、α−置換アリールオキシル基、α,α
−2置換アリールオキシル基、無置換テトラヒドロピラ
ニロキシル基、置換テトラヒドロピラニロキシル基、無
置換テトラヒドロフラニロキシル基、置換テトラヒドロ
フラニロキシル基、2−アルコキシエトキシル基、2−
アリールオキシエトキシル基、2−アルカノイロキシエ
トキシル基。 【化27】 - 【請求項2】 置換基の全てが下記に示した置換基のい
ずれかであるポリ(シロキサン)、或は、置換基の一部
が下記に示した置換基のいずれかであって残りが水酸基
であるポリ(シロキサン)で構成され、かつケイ素数2
個以上のものおよび高分子鎖に分岐構造を含むもののう
ち、一方あるいは双方を含むポリ(シロキサン)で構成
されたことを特徴とする、下記(C)で示されるシリコ
ーン樹脂。第3級アルコキシル基、α−置換アリールオ
キシル基、α,α−2置換アリールオキシル基、無置換
テトラヒドロピラニロキシル基、置換テトラヒドロピラ
ニロキシル基、無置換テトラヒドロフラニロキシル基、
置換テトラヒドロフラニロキシル基、2−アルコキシエ
トキシル基、2−アリールオキシエトキシル基、2−ア
ルカノイロキシエトキシル基。 【化28】 - 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載のシリコ
ーン樹脂と、酸発生剤とから成るシリコーン樹脂組成物
であって、前記酸発生剤の量は、露光に用いるエネルギ
ー線に対する目的の感度が得られる量および前記組成物
の塗膜が脆弱にならないような量を考慮して決定される
ことを特徴とするシリコーン樹脂組成物。 - 【請求項4】 請求項1または請求項2に記載のシリコ
ーン樹脂と、ホウ酸エステル及びリン酸エステルの一方
または双方とから成るシリコーン樹脂組成物であって、 前記ホウ酸エステルがホウ酸トリアルキル及びホウ酸ト
リアリールの一方または双方であり、 前記リン酸エステルがリン酸トリアルキル及びリン酸ト
リアリールの一方または双方であり、 前記ホウ酸エステルまたはリン酸エステルの添加量は、
前記シリコーン樹脂組成物からなるBSG膜、PSG
膜、またはBPSG膜として要求される性能を考慮して
決定されるを特徴とするシリコーン樹脂組成物。 - 【請求項5】 請求項1または請求項2に記載のシリコ
ーン樹脂と、シランの水素4個が下記に示した置換基の
いずれかに置換されたシランとから成るシリコーン樹脂
組成物であって、 前記シランの種類および使用量は、前記シリコーン樹脂
組成物の皮膜形成時の塗布性を考慮して決定されること
を特徴とするシリコーン樹脂組成物。第3級アルコキシ
ル基、α−置換アリールオキシル基、α,α−2置換ア
リールオキシル基、置換テトラヒドロピラニロキシル
基、無置換テトラヒドロピラニロキシル基、置換テトラ
ヒドロフラニロキシル基、無置換テトラヒドロフラニロ
キシル基、2−アルコキシエトキシル基、2−アリール
オキシエトキシル基、2−アルカノイロキシエトキシル
基。 - 【請求項6】 請求項1または請求項2に記載のシリコ
ーン樹脂を基板上に塗布する工程と、 該基板に塗布されたシリコーン樹脂の皮膜の全面または
一部の領域にイオンを照射する工程と、 イオン照射済みの試料を加熱する工程と、 該加熱済みの試料の前記皮膜を溶剤によって現像する工
程とを含むことを特徴とするケイ酸ガラス系無機膜の形
成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05422494A JP3193227B2 (ja) | 1994-03-24 | 1994-03-24 | シリコーン樹脂それを含む組成物、ケイ酸ガラス系無機膜の形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05422494A JP3193227B2 (ja) | 1994-03-24 | 1994-03-24 | シリコーン樹脂それを含む組成物、ケイ酸ガラス系無機膜の形成方法 |
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JPH07258414A JPH07258414A (ja) | 1995-10-09 |
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