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JP3181421B2 - 処理装置 - Google Patents

処理装置

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JP3181421B2
JP3181421B2 JP3265893A JP3265893A JP3181421B2 JP 3181421 B2 JP3181421 B2 JP 3181421B2 JP 3265893 A JP3265893 A JP 3265893A JP 3265893 A JP3265893 A JP 3265893A JP 3181421 B2 JP3181421 B2 JP 3181421B2
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JP
Japan
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shaped
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sealing member
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光明 小美野
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Tokyo Electron Ltd
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Tokyo Electron Ltd
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Publication date
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  • Container, Conveyance, Adherence, Positioning, Of Wafer (AREA)
  • ing And Chemical Polishing (AREA)
  • Drying Of Semiconductors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エッチング装置等の処
理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、半導体製造工程においては、被
処理体である例えば半導体ウエハにはエッチング処理等
が繰り返して施される。このエッチング処理は、一般的
には常温近傍の温度下にて行われているが、集積回路の
微細化、高集積化の要請のためにエッチング時における
下地との間における選択比の増大化及び異方性の確保が
一層強く望まれている。このような状況下において、最
近、ウエハを例えば液体窒素を用いて−150℃程度の
超低温に冷却しておき、この状態で減圧状態にてエッチ
ング処理を施す、いわゆる低温エッチング処理法が開発
されるに至っている。
【0003】この低温エッチング処理によれば、例えば
ポリシリコンやシリコン酸化膜のエッチングを行う場合
には下地との間の選択比を従来方法と比較して大幅に大
きくすることができ、しかも異方性も十分に確保できる
ことから例えばコンタクトホールを形成する場合にもホ
ール側壁の角度はなまりもない、90°に近いシャープ
なホールを形成することができる。このようなエッチン
グ処理を行う装置は、処理自体を低温で行うことから処
理室内部のシール性を確保することが非常に難しくな
り、従って、処理装置を構成する各部材間でシール性を
必要とする部分にはフッ素ゴムよりなるOリングやバネ
を内蔵したテフロン製リング等のシール部材を介在さ
せ、常温のエッチング処理では3〜5kgf/cm程度
の単位周長当たりの締付け力でシール性を確保できる
が、低温処理のために両部材を通常のエッチング処理装
置の場合と異なり、多数の締付けボルトを使用して例え
ば20〜100kgf/cmもの強い単位周長当たりの
締付け力で締結してシール性を確保することが試みられ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、エッチング
装置自体は、通常アルミニウム等の比較的柔らかい加工
性の良好な金属材料で構成されており、従って、上述の
ような大きな単位周長当たりの締付け力で部材を締付け
ると、材料自体が塑性変形し、その結果、シール性が劣
化するという改善点を有していた。また、フッ素ゴムや
テフロンよりなるシール部材が超低温のために劣化し、
これによりシール性も低下するという改善点を有してい
た。更には、多数の締付けボルトを使用することから、
メンテナンス時或いはトラブル時における部品交換のた
めに多くの時間を要するという改善点も有していた。本
発明は、以上のような問題点に着目し、これを有効に解
決すべく創案されたものである。本発明の目的は超低温
に適するシール部材を用いてシール性の向上を図ること
ができる処理装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題点を
解決するために、真空引き可能になされた処理容器内に
て、被処理体が載置されるサセプタと前記サセプタを支
持するサセプタ支持台とを貫通するガス通路を介して、
前記被処理体の裏面に熱伝達ガスを供給することによっ
て、前記被処理体を減圧下で且つ低温状態で処理する処
理装置において、前記サセプタと前記サセプタ支持台の
接合部に、高弾性材料よりなるシール母材の表面に高い
延性を有するコーティング膜を施してなるリング状のシ
ール部材を前記ガス通路の周囲にリング状に介在させる
ように構成すると共に、前記リング状のシール部材は、
互いに直径の異なる第1のリング状のシール部材と第2
のリング状のシール部材とからなり、前記第1及び第2
のリング状のシール部材は前記接合部の同一面上に2重
にして同心円状に配置されるように構成したものであ
る。
【0006】
【作用】本発明は、以上のように構成したので、処理装
置を構成する部材間の接合部には、高弾性材料よりなる
シール母材の表面に高い延性を有するコーティング膜を
施したシール部材を介在させているので、超低温時にお
いても所望の弾性を保持しつつ部材表面とこれに接する
シール部材のコーティング膜とのなじみ性が良好とな
り、高いシール性を確保することが可能となる。
【0007】
【実施例】以下に、本発明に係る処理装置の一実施例を
添付図面に基づいて詳述する。図1は本発明に係る処理
装置の一実施例を示す断面構成図、図2は図1中のシー
ル部近傍を示す拡大断面図、図3は図1の装置に用いら
れるシール部材を示す斜視図である。本実施例において
は処理装置として低温プラズマエッチング装置を例にと
って説明する。
【0008】図示するようにこのエッチング装置2は、
導電性材料、例えばアルミニウム等により円筒或いは矩
形状に成形された処理容器4を有しており、この容器4
の底部にはセラミック等の絶縁板6を介して、被処理
体、例えば半導体ウエハWを載置するための略円柱状の
載置台8が収容されている。この載置台8は、アルミニ
ウム等により形成された後述するごとき複数の部材をボ
ルト等により組み付けることにより構成される。具体的
には、この載置台8は、アルミニウム等により円柱状に
成形されたサセプタ支持台10と、この上にボルト12
により着脱自在に設けられたアルミニウム等よりなるサ
セプタ14とにより主に構成されている。
【0009】上記サセプタ支持台10には、冷却手段、
例えば冷却ジャケット16が設けられており、このジャ
ケット16には例えば液体窒素等の冷媒が冷媒導入管1
8を介して導入されてジャケット内を循環し、冷媒排出
管20より前記液体窒素の蒸発による気体を容器外へ排
出される。従って、この−196℃の液体窒素の冷熱が
冷却ジャケット16からサセプタ14を介してウエハW
に対して供給され、これを所望する温度まで冷却し得る
ように構成される。
【0010】上記サセプタ14は、上端中央部が突状に
なされた円板状に成形され、その中央のウエハ載置部に
は静電チャック22がウエハ面積と略同じ面積で形成さ
れている。この静電チャック22は、例えば2枚の高分
子ポリイミドフィルム間に銅箔等の導電膜24を絶縁状
態で挟み込むことにより形成され、この導電膜24は電
圧供給リード26により途中、高周波をカットするフィ
ルタ28例えばコイルを介して可変直流高電圧源30に
接続されている。従って、この導電膜24に高電圧を印
加することによって、チャック22の上面にウエハWを
クーロン力により吸引保持し得るように構成される。
【0011】そして、サセプタ支持台10及びサセプタ
14には、これらを貫通してHe等の熱伝達ガスをウエ
ハWの裏面、これらの接合部、サセプタ14を構成する
部材間の接合部等に供給するためのガス通路32が形成
されている。尚、上記静電チャック22にも熱伝達ガス
を通過させる多数の通気孔(図示せず)が形成される。
また、サセプタ14の上端周縁部には、ウエハWを囲む
ように環状のフォーカスリング34が配置されている。
このフォーカスリング34は反応性イオンを引き寄せな
い絶縁性の材質からなり、反応性イオンを内側の半導体
ウエハWにだけ効果的に入射せしめる。
【0012】そして、このサセプタ14には、中空に成
形された導体よりなるパイプリード36がサセプタ支持
台10を貫通して接続されており、このパイプリード3
6には配線38を介してマッチング用のコンデンサ40
及び例えば13.56MHzまたは40.68MHz等
のプラズマ発生用の高周波電源42が順次接続されてい
る。従って、上記サセプタ14は下部電極として構成さ
れることになる。上記サセプタ14の上方には、これよ
り約15〜20mm程度離間させて、接地された上部電
極44が配設されており、この上部電極44にはガス供
給管46を介してプロセスガス、例えばCF4 等のエッ
チングガスが供給され、上部電極44の電極表面に形成
された多数の小孔48よりエッチングガスを下方の処理
空間に吹き出すように構成されている。
【0013】また、処理容器4の下部側壁には、排気管
50が接続されて、処理容器4内の雰囲気を図示しない
排気ポンプにより排出し得るように構成されると共に中
央部側壁には図示しないゲートバルブが設けられ、これ
を介してウエハの搬入・搬出を行うように構成される。
【0014】そして、上記静電チャック22と冷却ジャ
ケット16との間のサセプタ下部には温度調整用ヒータ
52が設けられる。このヒータ52は、厚さ数mm程度
の板状のセラミックスヒータよりなり、このヒータ52
は、サセプタ支持台10の上面に図示しないボルト等に
より固定されるヒータ固定台54の上部にその上面を同
一レベルにして完全に収容される。ヒータ固定台54
は、熱伝導性の良好な材料例えばアルミニウムにより構
成される。このヒータ52の大きさは、好ましくはウエ
ハ面積と略同一面積か、それ以上になるように設定され
るのが良く、この下方に位置する冷却ジャケット16か
らの冷熱がウエハWに伝導するのを制御してウエハWの
温度調整を行い得るように構成される。尚、この温度調
整用ヒータ52やヒータ固定台54にはプッシャピン等
の貫通する貫通孔(図示せず)等が形成されている。ま
た、サセプタ14の下面には上記ヒータ固定台54全体
を収容するための収容凹部56が形成されると共に、こ
のヒータ固定台54には、ヒータ52の上面とサセプタ
14の収容凹部56の下面との境界部にHe等の熱伝達
媒体を供給するために、前記ガス通路32に接続された
分岐路58が形成される。そして、上記ヒータ52には
電力供給リード60が接続されると共に、このリード6
0には電力源62が接続されて、所定の電力をヒータ5
2に供給し得るように構成される。
【0015】また、前記静電チャック22には、ウエハ
温度を検出するための温度計、例えばフロロオプティッ
クサーモメータ(Fluoroptic Thermo
meter)や熱電対等よりなる温度検出器64が設け
られている。そして、この温度検出器64には、検出値
を伝達する温度検出リード66が接続される。この温度
検出リード66は、フロロオプティックサーモメータを
用いた場合には光ファイバにより構成されるが、熱電対
を用いた場合には通常の導体が使用され、温度測定部6
8へ接続される。
【0016】また、プラズマ発生用の高周波の影響を受
け易い各種配線、例えばヒータに接続される電力供給リ
ード60、静電チャック22に接続される電圧供給リー
ド26、温度検出器64に接続される温度検出リード6
6は全て、プラズマ用の高周波を供給するパイプリード
36内に収容されており、外部に対して高周波ノイズの
影響を与えないようになされている。上記パイプリード
36の処理容器底部の貫通部には絶縁体70が介設され
て、容器側との電気的絶縁を図っている。また、容器の
外方に延びるパイプリード36の外周にはアースされた
シールド72が設けられており、高周波が外部に洩れな
いように構成される。
【0017】そして、この装置を構成する部材間の接合
部であって、気密なシール性を必要とする部分には、本
発明の特長とするシール部材74が介在されており、処
理容器4内の気密性を保持している。このシール部材7
4は、ヘリウムを供給するガス通路32や大気と通じて
いるパイプリード36が貫通する部分や供給ヘリウムの
容器内への洩れを防止すべき部分に介在されることにな
る。そのために、図示例にあっては、サセプタ支持台1
0の上面とサセプタ14の下面及びヒータ固定台54の
下面との接合部76にまず一対のシール部材74A、7
4Bがリング状に介在され、サセプタ14の収容凹部5
6の下面とヒータ固定台54の上面との接合部78に他
のシール部材74Cが介在され、そして、サセプタ14
の上面と静電チャック22の下面との接合部80に他の
一対のシール部材74D、74Eがリング状に介在され
る。サセプタ支持台10とサセプタ14との間に介在さ
れる一対のシール部材の内、直径の小さいシール部材7
4Bはガス通路32及びパイプリード36側からの漏洩
ガスを遮断するためにこれらを取り巻くようにして配置
されており、他方の直径の大きなシール部材74Aは、
サセプタ支持台とサセプタの周縁部に配置されて二重シ
ール構造になされている。
【0018】また、ヒータ固定台54と収容凹部56の
下面との間に介在されるシール部材74Cは温度調整用
ヒータ52の外周側に配置されており、この内側に供給
されることになる上下方向への熱伝達用のヘリウムガス
が処理容器4内へ漏出することを防止している。サセプ
タ14と静電チャック22との間に介在される一対のシ
ール部材の内、直径の小さいシール部材74Eは分岐さ
れたガス通路32の上端排出口の外周側に配置されてお
り、この内側に供給されることになる熱伝達用のヘリウ
ムガスが上述と同様に処理容器4内へ漏出することを防
止している。この直径の小さいシール部材74Eの外周
側には直径の大きなシール部材74Dが配置されて二重
シール構造になされている。
【0019】図2は各シール部材74が介在された状態
を拡大して示した図であり、図示例にあっては一例とし
て上下部材、例えばヒータ固定台54の上面と収容凹部
56の下面との間に介在されるシール部材74Dを示
し、これらの部材間には熱伝達用ガスを適度に滞留させ
るために幅が0.1mm程度の僅かな間隙Sが形成され
る。このシール部材74Dは、他のシール部材も同様で
あるが下側部材、すなわち図示例にあってはヒータ固定
台54の上面に形成した断面矩形のリング状のシール溝
82内に収容されており、その上下端が両部材と接する
ように溝寸法或いはシール部材の寸法が設定されてい
る。
【0020】各シール部材74は、図3に示すように構
成される。すなわち、断面がアルファベットの文字Cの
ように屈曲可能になされてリング状に形成されたシール
母材84を有し、この表面にはコーティング膜86が形
成されている。このシール母材84としては、処理ガス
が腐食性ガスであることから耐腐食性の高弾性材料、例
えばSUS316のようなSUS300番代の高級ステ
ンレス材やニッケル−コバルト合金、例えばインコネル
(商品名)、ハステロイ(商品名)などが使用される。
これらの材料以外としては低温においても高い弾性係数
を保証するために弾性係数及び降伏点が共に高い材料で
あるならば、どのような材料を用いてもよい。
【0021】また、コーティング膜86としては高い延
性または展性を有する材料、例えばインジウム(I
n)、金(Au)、銀(Ag)、亜鉛(Zn)、銅(C
u)等の金属材やテフロン、高分子ポリエチレンなどの
高分子材料を用いる。この種のコーティング膜86を形
成することにより部材表面とのなじみ性が良好となり−
150℃程度の超低温においてもそのシール性が劣化す
ることはない。このコーティング膜86は、少なくとも
介在時に部材表面と接する部分のみに施してあればよ
く、図示例にあってはシール母材84の外側面のみに施
してあり、内側面には施してない。
【0022】このようなシール部材74は、適当数のボ
ルトにより単位周長当たりの締付け力、例えば10kg
f/cm以下で締付けられ、この時シール溝82の平均
表面粗さRaは、0.2μm(0.8S)以下に設定さ
れ、アルミニウム部材の硬度はHv70以下に設定され
る。尚、図示例にあっては、説明の容易化のためにシー
ル部材を代表的な接合部のみに設けた場合について説明
したが、超低温に晒されてシール性が必要とされる接合
部には全て介在させるようにし、この種のエッチング装
置においては例えば20箇所程シール部材が設けられ
る。
【0023】次に、以上のように構成された本実施例の
動作について述べる。まず、図示しないロードロック室
より所定の圧力、例えば、1×10-4〜数Torr程度
に減圧された処理容器4内のサセプタ14の上部にウエ
ハWを載置し、これを静電チャック22によりクーロン
力によりサセプタ14側へ吸着保持する。そして、上部
電極44と下部電極(サセプタ)14との間にパイプリ
ード36を介して高周波を印加することによりプラズマ
を立て、これと同時に上部電極44側からプロセスガス
を処理空間に流し、エッチング処理を行う。
【0024】また、プラズマによる熱で、ウエハが所定
の設定温度よりも過度に加熱されるのでこれを冷却する
ためにサセプタ支持台10の冷却ジャケット16に冷
媒、例えば液体窒素を流通させてこの部分を−196℃
に維持し、これからの冷熱をこの上部のサセプタ14を
介してウエハWに供給し、これを冷却して所望の低温状
態に維持するようになっている。これにより、ウエハW
には低温エッチングが施されることになる。冷却ジャケ
ット16とウエハWとの間に設けられた温度調整用ヒー
タ52の発熱量を調整することによりウエハWを冷却す
る温度を調整し、ウエハWを所定の温度、例えば−15
0℃〜10℃程度に維持する。尚、ヒータの発熱量やジ
ャケット16内の冷媒の流量を制御することによりウエ
ハ温度を常温以上、例えば60℃まで上げることができ
る。
【0025】また、冷却ジャケット16における冷熱を
効率的にウエハW側へ伝導させるためにサセプタ支持台
10やサセプタ14の接合部或いはこれらを構成する部
材間の接合部に必要に応じて熱伝達用のヘリウムガスを
供給したり、これら部材に大気に通じるパイプリード3
6を貫通して設けていることから、各部材の接合部7
6、78、80に形成される僅かな間隙、例えば間隙S
等を介して減圧下の処理容器4内にヘリウムガスや大気
成分が漏出せんとする傾向にある。しかしながら、本実
施例にあっては、各接合部76、78、80には本発明
の特長とする図3に示す如きシール部材74が介在され
ているのでヘリウムガスや大気成分が接合部の間隙を介
して容器内に漏出することを防止することが可能とな
る。これらの接合部の温度は、例えば冷媒として液体窒
素を用いた場合には最高−196℃もの超低温まで冷却
されるため従来のテフロン製或いはフッ素ゴム製シール
部材では弾性を失ってシール性が劣化するが、本実施例
にあっては超低温においても高い弾性係数を有する材料
によりシール母材84を形成し、更にその表面にこれと
接触する部材とのなじみ性を高く維持するために延性ま
たは展性の大きな材料よりなるコーティング膜86を施
してある。従って、これらシール部材74が超低温に晒
されても、断面がC文字状のシール部材74が図示例に
おいては上下方向へ屈曲することでその弾発力が高く維
持され、また、部材(図2においてはヒータ固定台54
と収容凹部56を指す)との接点P1、P2においては
上記コーティング膜86が介在されることから部材表面
とのなじみ性が高く維持され、結果的にこの部分におけ
るシール性を高く維持することが可能となる。
【0026】本実施例において、各部材相互間を締付け
るためのボルト数を少なくしてシール部材74の単位周
長当たりの締付け力を従来の低温エッチング装置の場合
よりもかなり小さな締付け力である10kgf/cm程
度に設定し、シール溝の平均表面粗さRaを0.2μm
程度に設定し、更にアルミニウム部材のビッカース硬度
Hvを70程度に設定したところ(シール圧力は1kg
f/cm2 以上)、ヘリウムガスのリークレートは10
-6Torr・リットル/sec以下となって高いシール
性を確保することができることが判明した。このよう
に、従来の低温エッチング装置のシール部材に対する単
位周長当たりの締付け力よりも遥かに小さな単位周長当
たりの締付け力で超低温時においても十分なシール性を
確保することができ、従って、部材相互間を締付けるた
めに使用するボルト数を少なくすることができ、メンテ
ナンス性の向上を図ることが可能となる。
【0027】図2及び図3に示すシール部材74にあっ
ては、シール母材84の断面形状をアルファベットの文
字Cのような形状としたがこれに限定されず、例えば図
4に示すようにこのシール母材84の断面形状をいわゆ
る一端を切り欠いたまゆ形状に成形してもよい。これに
よれば、上下それぞれ2点で部材表面と接触することに
なりシール性を一層向上させることができる。また使用
する冷媒も液体窒素に限らず、他の冷媒、例えば液体ヘ
リウム、液体水素、液体酸素等も用いることができる。
尚、上記実施例にあっては、本発明を低温プラズマエッ
チング装置へ適用した場合について説明したが、これに
限定されず、低温減圧下にて被処理体を処理する装置、
例えばウエハやLCD等の電気的特性を低温で検査する
プローバ装置や、低温真空下で試料を観察するための電
子顕微鏡等にも適用することができる。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の処理装置
によれば次のように優れた作用効果を発揮することがで
きる。低温においても弾性を失わないシール部材を用い
たので、サセプタ支持台からサセプタに向けて冷熱を効
率的に伝達しつつ、且つシール性を低下させることなく
被処理体に対して所望の処理を施すことができる。ま
た、従来の低温処理装置と比較して単位周長当たりの締
付け力も小さくすることができるので、締付けに必要と
するボルト数も少なくでき、メンテナンス性の向上を図
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る処理装置の一実施例を示す断面構
成図である。
【図2】図1中のシール部近傍を示す拡大断面図であ
る。
【図3】図1の装置に用いられるシール部材を示す斜視
図である。
【図4】本発明に用いる他のシール部材を示す拡大断面
図である。
【符号の説明】
2 エッチング装置 4 処理容器 10 サセプタ支持台 14 サセプタ 16 冷却ジャケット 22 静電チャック 42 高周波電源 44 上部電極 74 シール部材 76、78、80 接合部 82 シール溝 84 シール母材 86 コーティング膜 S 間隙 W 半導体ウエハ(被処理体)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/3065 B01J 3/02 H01L 21/68

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空引き可能になされた処理容器内に
    て、被処理体が載置されるサセプタと前記サセプタを支
    持するサセプタ支持台とを貫通するガス通路を介して、
    前記被処理体の裏面に熱伝達ガスを供給することによっ
    て、前記被処理体を減圧下で且つ低温状態で処理する処
    理装置において、 前記サセプタと前記サセプタ支持台の接合部に、高弾性
    材料よりなるシール母材の表面に高い延性を有するコー
    ティング膜を施してなるリング状のシール部材を前記ガ
    ス通路の周囲にリング状に介在させるように構成すると
    共に、前記リング状のシール部材は、互いに直径の異な
    る第1のリング状のシール部材と第2のリング状のシー
    ル部材とからなり、前記第1及び第2のリング状のシー
    ル部材は前記接合部の同一面上に2重にして同心円状に
    配置されることを特徴とする処理装置。
  2. 【請求項2】 真空引き可能になされた処理容器内に
    て、載置される被処理体を吸着する静電チャックを上面
    に設置したサセプタと前記サセプタを支持するサセプタ
    支持台とを貫通するガス通路を介して、前記被処理体の
    裏面に熱伝達ガスを供給することによって、前記被処理
    体を減圧下で且つ低温状態で処理する処理装置におい
    て、 前記サセプタと前記静電チャックの接合部に、高弾性材
    料よりなるシール母材の表面に高い延性を有するコーテ
    ィング膜を施してなるリング状のシール部材を前記ガス
    通路の上端排出口の周囲にリング状に介在させるように
    構成すると共に前記リング状のシール部材は、互いに
    直径の異なる第1のリング状のシール部材と第2のリン
    グ状のシール部材とからなり、前記第1及び第2のリン
    グ状のシール部材は前記接合部の同一面上に2重にして
    同心円状に配置されることを特徴とする処理装置。
  3. 【請求項3】 前記サセプタ支持台には、前記被処理体
    を冷却する冷却ジャケットが設けられることを特徴とす
    る請求項1または2に記載の処理装置。
  4. 【請求項4】 前記冷却ジャケットには、液体窒素が流
    されることを特徴とする請求項3に記載の処理装置。
  5. 【請求項5】 前記シール部材は、屈曲性を高めるため
    に、その断面形状の一部が切り欠かれていることを特徴
    とする請求項1乃至のいずれかに記載の処理装置。
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