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JP3179912B2 - インクジェット装置及びその使用方法 - Google Patents

インクジェット装置及びその使用方法

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JP3179912B2
JP3179912B2 JP34394992A JP34394992A JP3179912B2 JP 3179912 B2 JP3179912 B2 JP 3179912B2 JP 34394992 A JP34394992 A JP 34394992A JP 34394992 A JP34394992 A JP 34394992A JP 3179912 B2 JP3179912 B2 JP 3179912B2
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ink
cap
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Ricoh Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多数のインク吐出口が
記録紙の幅方向に沿って配列された記録ヘッドを有する
インクジェット装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ノンインパクトタイプのプリンタによる
記録方法は、記録時に発生する騒音が無視し得る程度に
小さい点でオフィス用等として注目されている。その
内、高速記録が可能で、いわゆる普通紙に特別な定着処
理を施すことなく記録することができるインクジェット
記録法は極めて有効な方法であり、従来から種々提案さ
れ、また、製品化されて実用化されている。
【0003】このようなインクジェット記録法は、いわ
ゆるインクと称される記録液体の小滴を吐出口から飛翔
させて記録紙に付着させることにより記録するもので、
記録液体の小滴の発生及び小滴の飛翔方向を制御するた
めの幾つかの制御方法があるが、基本的には数10μm
の微細な吐出口からインクを飛翔させる構成である。し
たがって、このような微細な吐出口からインクを飛翔さ
せる装置の宿命として、吐出口が目詰まりするという問
題を常に有している。
【0004】このような点に鑑み、従来より目詰まり防
止、或いは、一定時間停止状態にある装置のインクの飛
翔性を回復させるための対策が種々行われている。その
一例として特開昭62−77941号公報に記載された
ものがある。これは、小型の記録ヘッドが搭載されたキ
ャリッジを記録紙の幅方向に移動させ、その移動過程で
記録ヘッドを駆動して記録紙に記録するシリアルプリン
タにおいて、キャリッジのホームポジションにポンプ吸
引式の吸引装置を設けたものである。このような吸引装
置はシリアルプリンタにおいて発明、改良がなされ、技
術的には略確立されたとみなし得る状況にある。
【0005】一方、近年は、より高速で記録するため
に、記録紙の幅方向の全域に対応する長さにわたって多
数のインク吐出口を配列したラージアレイ型の記録ヘッ
ドを有するインクジェット装置の完成が要望されてい
る。いうまでもなく、このようなラージアレイ型の記録
ヘッドもインクの目詰まり或いは不吐出という問題を有
しており、その改善方法が種々検討されている。
【0006】その一例として、例えば、特公昭63−3
1390号公報に開示されているように、ラージアレイ
型の記録ヘッド全体にキャップを被せた状態で、キャッ
プの内部に洗浄液を流し、或いはインク吐出口からイン
クを飛翔させることにより、インク吐出口を洗浄すると
いうものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、ラー
ジアレイ型の記録ヘッドにキャップを被せて洗浄する方
法は、キャップが大きいために装置が大掛かりとなり、
また、全インク吐出口からインクを飛翔させるためにイ
ンクを浪費し、これにより、ランニングコストも高くな
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
多数のインク吐出口が記録紙の幅方向に沿って配列され
た記録ヘッドと、前記インク吐出口の配列方向に配置さ
れモータ駆動によって前記配列方向に前記吐出口面から
一定距離をおいて移動せしめられ、前記インク吐出口列
の一部分を覆うキャップと該キャップ内部に負圧発生部
を接続してなる信頼性回復機構を有するインクジェット
装置において、前記キャップはキャップ駆動手段によっ
て、前記吐出口面に密着・分離せしめられ、密着時に負
圧発生による吸引動作を行うとともに、該吸引動作は、
前記記録ヘッドによって出力される一定のテスト記録パ
ターンをスキャナによって読み取り、あらかじめ記憶さ
れた前記テスト記録パターンのデータと比較することに
よって、検出される目詰まりあるいは空打ち等の不具合
が生じているインク吐出口領域において行われるように
した。
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【作用】請求項1記載の発明は、キャップを可動体と共
モータ駆動によってインク吐出口の配列方向に移動さ
せて目詰まり又は空打ち等の不具合が生じているインク
吐出口に被せ、負圧発生部を駆動することにより、不具
合が生じているインク吐出口からインクを吸い出すこと
が可能であり、スキャナで読み取ったテスト記録の結果
と、テスト記録パターンとを照合手段により照合するこ
とにより目詰まり等が生じているインク吐出口を自動的
に知ることができ、その結果に基づいて駆動手段によっ
てキャップを可動体と共に所望の位置に移動させてイン
クを吸い出すことができるため、操作性を極めて向上さ
せることができる。
【0013】
【0014】
【0015】
【実施例】発明の一実施例を図1ないし図5に基づい
て説明する。図1において、1は記録ヘッドである。こ
の記録ヘッド1は使用する用紙の最大幅に対応する長さ
を有し、基板2と溝付板3とを接合することにより形成
され、溝付板3にはその内部に形成されたインク溜めに
インクを供給するインク供給チューブ4が接続されてい
る。また、溝付板3の前縁端には数10μmの開口寸法
をもつインク吐出口5が数100ないし数1000個一
列に配列されている。
【0016】次に、記録ヘッド1の構造について述べ
る。図5は記録ヘッド1の一部を拡大した正面図、図6
は図5におけるA−A線部の縦断側面図、図7は図6に
おけるB−B線部の水平断面図である。図6に示すよう
に、溝付板3の下面には多数の溝6が平行に形成され、
これらの溝6の先端に前記インク吐出口5が開口されて
いる。また、溝付板3には各溝6の一部が接続されたイ
ンク溜め(図示せず)が形成されている。前記基板2の
上面には、それぞれ溝6の底面に位置する発熱抵抗層7
と、これらの発熱抵抗層7に電圧を印加するための電極
8,9と、保護層10とが積層状態で形成されている。
この保護層10は、使用する液体(インク)から化学的
及び物理的に発熱抵抗層7を保護すると共に、対をなす
電極8,9が液体を通じて短絡し、或いは、電極8,9
の間における電気的リークを防止するために形成されて
いる。電極8,9の端部が離反して対向する部分におけ
る発熱抵抗層7の上部は熱発生部11である。
【0017】しかして、図3及び図4に示すように、吸
引装置12が設けられている。この吸引装置12は、前
記記録ヘッド1のインク吐出口5に沿って架設されたガ
イドロッド13に摺動自在に案内された可動体としての
キャリッジ14と、このキャリッジ14にガイドロッド
13と直交する方向に摺動自在に嵌合されたスライダ1
5と、弾性部材により形成されてスライダ15の先端に
固定されたキャップ16と、このキャップ16の両側に
回転自在に保持されて前記記録ヘッド1の前縁端に接触
されたインク吸収ローラ17,18と、スライダ15の
後端に接続されたチューブジョイント19と、スライダ
15を前記インク吐出口5に対して接離させる接離機構
20とよりなる。この接離機構20は、キャリッジ14
に保持されたソレノイド21と、このソレノイド21の
プランジャ22とチューブジョイント19とを連結する
連結棒23とよりなる。また、スライダ15とキャップ
16とは内部が中空形状に形成されてチューブジョイン
ト19とチューブ24とを介して負圧発生部(図示せ
ず)に接続されている。インク吸収ローラ17,18は
スポンジのように液体を吸収し易い弾性材により形成さ
れている。また、前記キャップ16の幅寸法は、一部の
インク吐出口5に対応する程度の狭い幅に定められてい
る。
【0018】さらに、図1及び図2に示すように、前記
吸引装置12を前記記録ヘッド1に沿って往復駆動する
駆動機構25が設けられている。この駆動機構25は、
前記キャリッジ14が螺合された螺子棒26と、この螺
子棒26の一端が連結された正逆回転自在のモータ27
とよりなる。なお、図2に示すように、前記キャリッジ
14の上面には、前記キャップ16の中心を通る垂直線
上に位置する識別手段としてのマーク28が形成されて
いる。
【0019】このような構成において、記録ヘッド1の
前縁端に記録紙を供給した後に、任意のインク吐出口5
からインクを飛翔させ、そのインク滴を記録紙に付着さ
せることにより記録がなされる。本実施例におけるイン
クを飛翔させる原理は、発熱抵抗層7に電極8,9を介
して電圧を印加し、熱発生部11で発生する熱によりイ
ンクに気泡を発生させ、その気泡の膨張による内圧の高
まりによりインクを飛翔させるサーマルインクジェット
方式である。
【0020】ここで、上述したようなインクジェット装
置の使用方法について述べる。記録紙に対して全インク
吐出口5からインクを飛翔させた結果を見ることによ
り、目詰まり又は空打ち等の不具合が生じているインク
吐出口5を検査することができる。不具合が生じている
場合には、モータ27を駆動してキャリッジ14を移動
させて該当するインク吐出口5に対してマーク28を位
置合わせし、ソレノイド21の吸引作用によってキャッ
プ16をインク吐出口5に接触させ、負圧発生部を駆動
する。これにより、不具合が生じているインク吐出口5
からインクを吸い出すことが可能である。このように、
マーク28を外部から見ながらキャップ16をキャリッ
ジ14と共に移動させることができるため、不具合が生
じている部分のインク吐出口5に対するキャップ16の
位置合わせを容易にすることが可能となる。また、キャ
リッジ14の移動により、記録ヘッド1の前縁端に付着
するインクや異物がインク吸収ローラ17,18により
払拭される。
【0021】以上のように、不具合が生じている一部の
インク吐出口5からのみインクを吸い出すことにより、
キャップ16を小型化し、負圧発生部の吸引力を小さく
することができ、さらに、インク吐出口5の目詰まり等
の不具合を回復するために、従来のように全てのインク
吐出口5からインクを吸い出す方式に比して、インクの
消費量を著しく節減することができる。これにより、イ
ニシアルコスト並びにランニングコストを低減すること
ができる。
【0022】前記実施例においてはサーマルインクジェ
ット方式の記録ヘッド1として説明したが、本発明はこ
のようなものに限られるものではない。例えば、米国特
許明細書(以下USPと称する)3683212号に記
載されたグールド方式、USP3747120号に記載
されたステム方式、USP3946398号に記載され
たサイロニクス方式のようなインク噴射の原動力とし
て、圧電素子を利用するドロップオンデマンド方式の記
録ヘッドにも適用される。また、USP3596275
号、同3298030号に記載されたスウィート方式と
して知られる荷電制御型の記録ヘッドにおいても、多数
のノズルを配列してラージアレイ型とする際に好適に利
用し得る。さらに、USP3060429号に記載され
たテレタイプ方式として知られる静電吸引型の記録ヘッ
ド、USP3416153号に記載されたハーツ方式と
して知られる記録ヘッドに対しても適用し得るものであ
る。
【0023】さらに、本実施例においては、発熱抵抗層
7に対して略平行な方向にインクを飛翔させるいわゆる
エッジシュータ型を例として説明したが、特開昭59−
95156号公報に記載されているように、発熱抵抗層
に対して略垂直な方向にインクを飛翔させるいわゆるサ
イドシュータ型の記録ヘッドに対しても適用し得るもの
である。
【0024】さらに、図8に示すように、一枚の基板2
の両面に、それぞれ限られた数のインク吐出口5を有す
る溝付板3を交互に千鳥状に配列してなるラージアレイ
型の記録ヘッド1に対しても本発明は適用される。もち
ろん、本実施例の記録ヘッド1を含む種々の記録ヘッド
を、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色毎に
複数個用いたカラープリンタに対しても本発明は適用し
得ることはいうまでもない。
【0025】次に、本発明の他の実施例を図9に基づい
て説明する。前記実施例と同一部分は同一符号を用い説
明も省略する。プリンタ本体29には、前記記録ヘッド
1と、前記吸引装置12と、ロール紙30を記録ヘッド
1に供給する搬送部31と、給紙カセット内のカット紙
32を記録ヘッド1に供給する搬送部33とが設けられ
ている。また、ロール紙30の搬送経路中にはこのロー
ル紙30を切断するカッタ34が設けられている。さら
に、記録ヘッド1の上下には供給されるロール紙30又
はカット紙32を緊張状態に保持して記録ヘッド1に対
向させるプラテンローラ35及び押えローラ36が設け
られている。
【0026】さらに、プリンタ本体29には、記録ヘッ
ド1によって出力される一定のテスト記録パターンが記
憶された記憶手段(図示せず)と、そのテスト記録パタ
ーンに基づいて記録された画像を光学的に読み取るスキ
ャナ37と、このスキャナ37による読み取り結果と前
記テスト記録パターンとを比較して目詰まり又は空打ち
等の不具合が生じているインク吐出口5を検出する照合
手段(図示せず)と、この照合手段の照合結果に基づい
てキャリッジ(可動体)14を記録ヘッド1の任意位置
に駆動する駆動手段としての駆動機構25とが設けられ
ている。
【0027】このような構成において、記録に先だっ
て、記憶手段に記憶されたテスト記録パターンが記録ヘ
ッド1によって出力される。続いて、スキャナ37で読
み取ってCCDイメージセンサから出力されたテスト記
録の結果と、記憶手段に記憶されたテスト記録パターン
とが照合手段により照合され、これにより、目詰まり等
が生じているインク吐出口5が自動的に認識される。そ
の結果に基づいて駆動手段によってキャップ16がキャ
リッジ14と共に所望の位置に移動され、前述した動作
に従つてインクが吸い出される。したがって、操作性を
極めて向上させることができる。
【0028】
【発明の効果】請求項1記載の発明は、上述のように、
一部分のインク吐出口を覆うキャップを有する可動体を
モータ駆動によってインク吐出口の配列方向に沿って摺
動自在に設け、キャップの内部に負圧発生部を接続した
ので、キャップを可動体と共に移動させて目詰まり又は
空打ち等の不具合が生じているインク吐出口に被せ、負
圧発生部を駆動することにより、不具合が生じているイ
ンク吐出口からインクを吸い出すことができ、したがっ
て、記録された画像品質を向上させることができ、ま
た、不具合が生じている一部のインク吐出口からのみイ
ンクを吸い出すことにより、キャップを小型化し、負圧
発生部の吸引力を小さくすることができ、さらに、イン
ク吐出口の目詰まり等を回復する場合に、インクの消費
量を著しく節減することができ、これにより、イニシア
ルコスト並びにランニングコストを低減することがで
き、また、記録ヘッドによって出力される一定のテスト
記録パターンが記憶された記憶手段と、前記テスト記録
パターンに基づいて記録された画像を光学的に読み取る
スキャナと、このスキャナによる読み取り結果と前記テ
スト記録パターンとを比較して目詰まり又は空打ち等の
不具合が生じているインク吐出口を検出する照合手段
と、この照合手段の照合結果に基づいて可動体を前記記
録ヘッドの任意位置に駆動する駆動手段とを設けたの
で、スキャナで読み取ったテスト記録の結果と、テスト
記録パターンとを照合手段により照合することにより目
詰まり等が生じているインク吐出口を自動的に知ること
ができ、その結果に基づいて駆動手段によってキャップ
を可動体とともに所望の位置に移動させてインクを吸い
出すことができるため、操作性を極めて向上させること
ができる等の効果を有する。
【0029】
【0030】
【0031】
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の一実施例を示す斜視図である。
【図2】吸引装置を示す斜視図である。
【図3】吸引装置を示す縦断側面図である。
【図4】吸引装置を示す水平断面図である。
【図5】記録ヘッドの一部を拡大した正面図である。
【図6】図5におけるA−A線部の縦断側面図である。
【図7】図6におけるB−B線部の水平断面図である。
【図8】記録ヘッドの他の例を示す正面図である。
【図9】本発明の他の実施例に係るもので、プリンタ及
びスキャナの概略を示す側面図である。
【符号の説明】
1 記録ヘッド 5 インク吐出口 14 可動体 16 キャップ 25 駆動手段 28 識別手段 37 スキャナ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/01 B41J 2/18 B41J 2/185

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数のインク吐出口が記録紙の幅方向に
    沿って配列された記録ヘッドと、前記インク吐出口の配
    列方向に配置されモータ駆動によって前記配列方向に前
    記吐出口面から一定距離をおいて移動せしめられ、前記
    インク吐出口列の一部分を覆うキャップと該キャップ内
    部に負圧発生部を接続してなる信頼性回復機構を有する
    インクジェット装置において、前記キャップはキャップ
    駆動手段によって、前記吐出口面に密着・分離せしめら
    れ、密着時に負圧発生による吸引動作を行うとともに、
    該吸引動作は、前記記録ヘッドによって出力される一定
    のテスト記録パターンをスキャナによって読み取り、あ
    らかじめ記憶された前記テスト記録パターンのデータと
    比較することによって、検出される目詰まりあるいは空
    打ち等の不具合が生じているインク吐出口領域において
    行われることを特徴とするインクジェット装置。
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