JP3171455B2 - カラー受像管 - Google Patents
カラー受像管Info
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- JP3171455B2 JP3171455B2 JP15211291A JP15211291A JP3171455B2 JP 3171455 B2 JP3171455 B2 JP 3171455B2 JP 15211291 A JP15211291 A JP 15211291A JP 15211291 A JP15211291 A JP 15211291A JP 3171455 B2 JP3171455 B2 JP 3171455B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、カラー受像管に係
り、特に解像度を良好にし、フォーカス品位を均一にす
る電子銃を備えるカラー受像管に関する。
り、特に解像度を良好にし、フォーカス品位を均一にす
る電子銃を備えるカラー受像管に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にカラー受像管は、電子銃から放出
される3電子ビームを外囲器の外側に装着された偏向ヨ
ークの発生する磁界により偏向し、その3電子ビームを
シャドウマスクにより選別して、蛍光体スクリーンを水
平、垂直走査することにより、この蛍光体スクリーン上
にカラー画像を表示する構造に形成されている。
される3電子ビームを外囲器の外側に装着された偏向ヨ
ークの発生する磁界により偏向し、その3電子ビームを
シャドウマスクにより選別して、蛍光体スクリーンを水
平、垂直走査することにより、この蛍光体スクリーン上
にカラー画像を表示する構造に形成されている。
【0003】このようなカラー受像管において、特に電
子銃を同一水平面上を通るセンタービームおよび一対の
サイドビームからなる一列配置の3電子ビームを放出す
るインライン型電子銃とし、この電子銃と、図10
(a)に示すピンクッション形水平偏向磁界1Hおよび
同(b)に示すバレル形偏向磁界1Vからなる非斉一磁
界を発生する偏向ヨークとを組合せて、上記一列配置の
3電子ビームを自己集中するセルフコンバーゼンス方式
インライン型カラー受像管が広く使用されている。な
お、図10(a)および(b)において、2Gはセンタ
ービーム、2B、2Rは一対のサイドビームである。
子銃を同一水平面上を通るセンタービームおよび一対の
サイドビームからなる一列配置の3電子ビームを放出す
るインライン型電子銃とし、この電子銃と、図10
(a)に示すピンクッション形水平偏向磁界1Hおよび
同(b)に示すバレル形偏向磁界1Vからなる非斉一磁
界を発生する偏向ヨークとを組合せて、上記一列配置の
3電子ビームを自己集中するセルフコンバーゼンス方式
インライン型カラー受像管が広く使用されている。な
お、図10(a)および(b)において、2Gはセンタ
ービーム、2B、2Rは一対のサイドビームである。
【0004】しかし、このセルフコンバーゼンス方式イ
ンライン型カラー受像管は、偏向角の増大にともなって
電子ビームの断面形状が歪み(偏向歪)、画面周辺部の
解像度が劣化するという問題がある。すなわち、図11
に示すように、画面3中央部のビームスポット4aは、ほ
ぼ真円となるが、画面3周辺部のビームスポット4bは、
水平方向に長い楕円状の高輝度のコア部5のほかに、垂
直方向に長い低輝度のハロー部6を生じ、画面3周辺部
の解像度をいちじるしく劣化する。この画面3周辺部で
のビームスポットの歪みは、偏向磁界の非斉一性のため
に、図10(a)および(b)にサイドビーム2Rについ
て2R′で示したように、水平方向の集束が弱められ、垂
直方向の集束が強められることが原因となっている。
ンライン型カラー受像管は、偏向角の増大にともなって
電子ビームの断面形状が歪み(偏向歪)、画面周辺部の
解像度が劣化するという問題がある。すなわち、図11
に示すように、画面3中央部のビームスポット4aは、ほ
ぼ真円となるが、画面3周辺部のビームスポット4bは、
水平方向に長い楕円状の高輝度のコア部5のほかに、垂
直方向に長い低輝度のハロー部6を生じ、画面3周辺部
の解像度をいちじるしく劣化する。この画面3周辺部で
のビームスポットの歪みは、偏向磁界の非斉一性のため
に、図10(a)および(b)にサイドビーム2Rについ
て2R′で示したように、水平方向の集束が弱められ、垂
直方向の集束が強められることが原因となっている。
【0005】上記偏向歪に基づく解像度の劣化を改善す
る手段の一つとして、本発明者に係る特開昭64−38
947号公報には、図12に示す電子銃が示されてい
る。この電子銃は、一列配置の3個のカソードKB,KG,
KR、このカソードKB,KG,KR上に順次配列された一体構
造の第1乃至第6グリッドG1〜G6を有し、その第5グリ
ッドG5と第6グリッドG6との間に2個の中間電極Gm1 ,
Gm2 が配置された構造に形成されている。この電子銃で
は、3電子ビームを蛍光体スクリーンに向かって集束す
る主レンズ部は、集束電極としての第5グリッドG5、2
個の中間電極Gm1,Gm2 および最終加速電極としての第
6グリッドG6で構成され、2個の中間電極Gm1 ,Gm2 に
は、最終加速電極に供給される高電圧を、電子銃に沿っ
て配置された抵抗器8により所定の電圧に分割して供給
し、集束電極には、偏向ヨークの偏向に同期して、一定
の直流電圧にパラボラ状に変化する交流電圧成分を重畳
した集束電圧が供給される。
る手段の一つとして、本発明者に係る特開昭64−38
947号公報には、図12に示す電子銃が示されてい
る。この電子銃は、一列配置の3個のカソードKB,KG,
KR、このカソードKB,KG,KR上に順次配列された一体構
造の第1乃至第6グリッドG1〜G6を有し、その第5グリ
ッドG5と第6グリッドG6との間に2個の中間電極Gm1 ,
Gm2 が配置された構造に形成されている。この電子銃で
は、3電子ビームを蛍光体スクリーンに向かって集束す
る主レンズ部は、集束電極としての第5グリッドG5、2
個の中間電極Gm1,Gm2 および最終加速電極としての第
6グリッドG6で構成され、2個の中間電極Gm1 ,Gm2 に
は、最終加速電極に供給される高電圧を、電子銃に沿っ
て配置された抵抗器8により所定の電圧に分割して供給
し、集束電極には、偏向ヨークの偏向に同期して、一定
の直流電圧にパラボラ状に変化する交流電圧成分を重畳
した集束電圧が供給される。
【0006】上記構成によりこの電子銃の主レンズ部
は、第5グリッドG5とこの第5グリッドG5に隣接する中
間電極Gm1 とで、電子ビームを相対的に垂直方向に強く
集束する第1の四極子レンズを形成し、中間電極Gm2 と
この中間電極Gm2 に隣接する第6グリッドG6とで、電子
ビームを相対的に垂直方向に強く発散させる第2の四極
子レンズを形成する。この第1および第2の四極子レン
ズは、電子ビームが画面中央部に向かうときは平衡し、
画面中央部では、ほぼ円形のビームスポットが得られ
る。これに対し画面周辺部に偏向されるときは、第5グ
リッドG5の集束電圧が上昇して、第5グリッドG5と中間
電極Gm1 との電位差が小さくなるため、第1の四極子レ
ンズは弱くなり、電子ビームは、相対的に第2の四極子
レンズの作用を強く受ける。その結果、垂直方向に強く
集束される偏向歪を相殺する。
は、第5グリッドG5とこの第5グリッドG5に隣接する中
間電極Gm1 とで、電子ビームを相対的に垂直方向に強く
集束する第1の四極子レンズを形成し、中間電極Gm2 と
この中間電極Gm2 に隣接する第6グリッドG6とで、電子
ビームを相対的に垂直方向に強く発散させる第2の四極
子レンズを形成する。この第1および第2の四極子レン
ズは、電子ビームが画面中央部に向かうときは平衡し、
画面中央部では、ほぼ円形のビームスポットが得られ
る。これに対し画面周辺部に偏向されるときは、第5グ
リッドG5の集束電圧が上昇して、第5グリッドG5と中間
電極Gm1 との電位差が小さくなるため、第1の四極子レ
ンズは弱くなり、電子ビームは、相対的に第2の四極子
レンズの作用を強く受ける。その結果、垂直方向に強く
集束される偏向歪を相殺する。
【0007】しかし、上記のように第5グリッドG5に、
一定の直流電圧にパラボラ状に変化する交流電圧成分を
重畳した集束電圧を印加すると、第5グリッドG5とこれ
に隣接する中間電極Gm1 との間、中間電極Gm1と中間電
極Gm2 との間および中間電極Gm2 とこれに隣接する第6
グリッドG6との間に静電容量が存在するため、第5グリ
ッドG5に印加される電圧のうち、パラボラ状に変化する
交流成分がこの静電容量を介して、中間電極Gm1 ,Gm2
に誘導され、中間電極Gm1 ,Gm2 の電位が偏向ヨークの
偏向に同期して変化するようになる。
一定の直流電圧にパラボラ状に変化する交流電圧成分を
重畳した集束電圧を印加すると、第5グリッドG5とこれ
に隣接する中間電極Gm1 との間、中間電極Gm1と中間電
極Gm2 との間および中間電極Gm2 とこれに隣接する第6
グリッドG6との間に静電容量が存在するため、第5グリ
ッドG5に印加される電圧のうち、パラボラ状に変化する
交流成分がこの静電容量を介して、中間電極Gm1 ,Gm2
に誘導され、中間電極Gm1 ,Gm2 の電位が偏向ヨークの
偏向に同期して変化するようになる。
【0008】しかし本来この電子銃は、中間電極Gm1 ,
Gm2 の電位を一定として、第1の四極子レンズと第2の
四極子レンズとが平衡する設計となっているため、上記
のように中間電極Gm1 ,Gm2 の電位が変化すると、第1
の四極子レンズと第2の四極子レンズとの平衡がくず
れ、画面中央部でのビームスポットが歪むようになる。
Gm2 の電位を一定として、第1の四極子レンズと第2の
四極子レンズとが平衡する設計となっているため、上記
のように中間電極Gm1 ,Gm2 の電位が変化すると、第1
の四極子レンズと第2の四極子レンズとの平衡がくず
れ、画面中央部でのビームスポットが歪むようになる。
【0009】図13は、上記現象を説明するために示し
た図であり、同(a)に示す集束電極である第5グリッ
ドG5にたとえば最終加速電極である第6グリッドG6
に印加される高電圧の約28%の直流電圧が、中間電極
Gm1に同じく約40%、中間電極Gm2に約65%の
直流電圧が印加され、その第5グリッドG5に偏向ヨー
クの偏向に同期してパラボラ状に変化する交流電圧成分
を重畳したとすると、たとえば各電極間の静電容量が同
一であるとすると、第5グリッドG5に重畳されるパラ
ボラ状に変化する交流電圧成分の2/3が中間電極Gm
1に、1/3が中間電極Gm2に誘導される。そして
(a)図に対応して同(b)に実線10a〜10dを所
定値として破線11a〜11cで示すように変化する。
すなわち、集束電圧(実線10a)は、破線11aで示
したように画面中央部で下がるが、この画面中央部での
集束電圧の低下は、実線12で示す直流成分により所定
値に調整することができる。これに対し、中間電極Gm
1,Gm2の電位も、それぞれ破線11b,11cで示
したように画面中央部で所定値よりも低下するが、この
中間電極Gm1,Gm2の電位は調整されない。その結
果、画面中央部において、第1の四極子レンズは弱く、
一方第2の四極子レンズは強くなる。そのため、図14
に示すように、画面中央部でのビームスポット4aは歪
み、画面中央部の解像度が劣化する。一方、画面周辺部
では、中間電極Gm1,Gm2の電位が共に上昇するの
で、第1の四極子レンズは設計値よりも強く、第2の四
極子レンズは弱くなる。その結果、図15に示すよう
に、画面3周辺部のビームスポット4bも歪み、解像度
が十分に改善されない。
た図であり、同(a)に示す集束電極である第5グリッ
ドG5にたとえば最終加速電極である第6グリッドG6
に印加される高電圧の約28%の直流電圧が、中間電極
Gm1に同じく約40%、中間電極Gm2に約65%の
直流電圧が印加され、その第5グリッドG5に偏向ヨー
クの偏向に同期してパラボラ状に変化する交流電圧成分
を重畳したとすると、たとえば各電極間の静電容量が同
一であるとすると、第5グリッドG5に重畳されるパラ
ボラ状に変化する交流電圧成分の2/3が中間電極Gm
1に、1/3が中間電極Gm2に誘導される。そして
(a)図に対応して同(b)に実線10a〜10dを所
定値として破線11a〜11cで示すように変化する。
すなわち、集束電圧(実線10a)は、破線11aで示
したように画面中央部で下がるが、この画面中央部での
集束電圧の低下は、実線12で示す直流成分により所定
値に調整することができる。これに対し、中間電極Gm
1,Gm2の電位も、それぞれ破線11b,11cで示
したように画面中央部で所定値よりも低下するが、この
中間電極Gm1,Gm2の電位は調整されない。その結
果、画面中央部において、第1の四極子レンズは弱く、
一方第2の四極子レンズは強くなる。そのため、図14
に示すように、画面中央部でのビームスポット4aは歪
み、画面中央部の解像度が劣化する。一方、画面周辺部
では、中間電極Gm1,Gm2の電位が共に上昇するの
で、第1の四極子レンズは設計値よりも強く、第2の四
極子レンズは弱くなる。その結果、図15に示すよう
に、画面3周辺部のビームスポット4bも歪み、解像度
が十分に改善されない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、電子銃
から放出される同一水平面上を通る一列配置の3電子ビ
ームを、水平偏向磁界をピンクッション形、垂直偏向磁
界をバレル形とする非斉一磁界を発生する偏向ヨークの
磁界により偏向するセルフコンバーゼンス方式インライ
ン型カラー受像管は、偏向角の増大にともなって電子ビ
ームの断面形状が歪み、画面周辺部の解像度が劣化する
という問題がある。この偏向歪に基づく解像度の劣化を
改善する手段として、電子銃の主レンズ部を構成する集
束電極と最終加速電極との間に、2個の中間電極を配置
し、この中間電極に、最終加速電極に供給される高電圧
を分割して所定の電圧を供給し、かつ集束電極に偏向ヨ
ークの偏向に同期して、一定の直流電圧にパラボラ状に
変化する交流電圧成分を重畳した集束電圧を供給するよ
うにしたカラー受像管がある。
から放出される同一水平面上を通る一列配置の3電子ビ
ームを、水平偏向磁界をピンクッション形、垂直偏向磁
界をバレル形とする非斉一磁界を発生する偏向ヨークの
磁界により偏向するセルフコンバーゼンス方式インライ
ン型カラー受像管は、偏向角の増大にともなって電子ビ
ームの断面形状が歪み、画面周辺部の解像度が劣化する
という問題がある。この偏向歪に基づく解像度の劣化を
改善する手段として、電子銃の主レンズ部を構成する集
束電極と最終加速電極との間に、2個の中間電極を配置
し、この中間電極に、最終加速電極に供給される高電圧
を分割して所定の電圧を供給し、かつ集束電極に偏向ヨ
ークの偏向に同期して、一定の直流電圧にパラボラ状に
変化する交流電圧成分を重畳した集束電圧を供給するよ
うにしたカラー受像管がある。
【0011】しかし、上記のように電子銃を構成して
も、集束電極に印加される電圧のうち、パラボラ状に変
化する交流電圧成分が、主レンズ部を構成する各電極間
に介在する静電容量を介して2個の中間電極に誘導さ
れ、各中間電極の電位が偏向ヨークの偏向に同期して変
化するため、画面中央部のビームスポットが歪むばかり
でなく、画面周辺部のビームスポットも歪み、解像度が
十分に改善されないという問題がある。
も、集束電極に印加される電圧のうち、パラボラ状に変
化する交流電圧成分が、主レンズ部を構成する各電極間
に介在する静電容量を介して2個の中間電極に誘導さ
れ、各中間電極の電位が偏向ヨークの偏向に同期して変
化するため、画面中央部のビームスポットが歪むばかり
でなく、画面周辺部のビームスポットも歪み、解像度が
十分に改善されないという問題がある。
【0012】この発明は、上記問題点を解決するために
なされたものであり、画面中央部および周辺部で良好な
解像度が得られるカラー受像管を構成することを目的と
する。
なされたものであり、画面中央部および周辺部で良好な
解像度が得られるカラー受像管を構成することを目的と
する。
【0013】
【課題を解決するための手段】電子ビーム形成部から放
出される電子ビームを蛍光体スクリーン上に集束する主
レンズ部を有し、この主レンズ部が電子ビーム形成部か
ら蛍光体スクリーン方向に集束電極、1個または複数個
の中間電極および最終加速電極の順に配置されてなる電
子銃と、最終加速電極に供給される高電圧を分割して中
間電極に所定の電圧を供給するための抵抗器とを備え、
中間電極と最終加速電極以外の電極は受像管端部に設け
られたステム部を気密に貫通するステムリードを介して
各々の電圧が供給され、電子ビームを偏向して蛍光体ス
クリーン上を走査する偏向ヨークの偏向に同期して変化
する電圧が集束電極に印加されるカラー受像管におい
て、集束電極とこの集束電極に隣接する中間電極との間
に、この中間電極以外の電極のうち直流電圧が供給され
る電極と接続されるか、もしくは上記ステムリードを介
して直接接地されることにより交流的に接地される補助
電極を介挿した。
出される電子ビームを蛍光体スクリーン上に集束する主
レンズ部を有し、この主レンズ部が電子ビーム形成部か
ら蛍光体スクリーン方向に集束電極、1個または複数個
の中間電極および最終加速電極の順に配置されてなる電
子銃と、最終加速電極に供給される高電圧を分割して中
間電極に所定の電圧を供給するための抵抗器とを備え、
中間電極と最終加速電極以外の電極は受像管端部に設け
られたステム部を気密に貫通するステムリードを介して
各々の電圧が供給され、電子ビームを偏向して蛍光体ス
クリーン上を走査する偏向ヨークの偏向に同期して変化
する電圧が集束電極に印加されるカラー受像管におい
て、集束電極とこの集束電極に隣接する中間電極との間
に、この中間電極以外の電極のうち直流電圧が供給され
る電極と接続されるか、もしくは上記ステムリードを介
して直接接地されることにより交流的に接地される補助
電極を介挿した。
【0014】
【作用】上記のように、集束電極とこの集束電極に隣接
して配列された中間電極との間に交流的に接地される補
助電極を介挿すると、集束電極とこの補助電極との間に
静電容量が形成される。一方、補助電極の交流的接地手
段として、たとえばこの補助電極を最終加速電極に接続
すると、一般にカラー受像管は、ファンネルの内面に形
成された内部導電膜とファンネルの外面に形成された外
部導電膜との間に大きな静電容量が形成されるため、補
助電極は、最終加速電極−内部導電膜−外部導電膜−接
地の回路により交流的に接地されることになる。したが
って、集束電極に印加される偏向ヨークの偏向に同期し
て変化する交流電圧成分は、補助電極を介して接地され
る。一方、補助電極とこれに隣接する中間電極との間の
静電容量および複数個の中間電極間の静電容量は、補助
電極と最終加速電極とを接続するリード線により短絡さ
れる。その結果、中間電極には、偏向ヨークの偏向に同
期して変化する交流電圧成分が重畳されなくなる。
して配列された中間電極との間に交流的に接地される補
助電極を介挿すると、集束電極とこの補助電極との間に
静電容量が形成される。一方、補助電極の交流的接地手
段として、たとえばこの補助電極を最終加速電極に接続
すると、一般にカラー受像管は、ファンネルの内面に形
成された内部導電膜とファンネルの外面に形成された外
部導電膜との間に大きな静電容量が形成されるため、補
助電極は、最終加速電極−内部導電膜−外部導電膜−接
地の回路により交流的に接地されることになる。したが
って、集束電極に印加される偏向ヨークの偏向に同期し
て変化する交流電圧成分は、補助電極を介して接地され
る。一方、補助電極とこれに隣接する中間電極との間の
静電容量および複数個の中間電極間の静電容量は、補助
電極と最終加速電極とを接続するリード線により短絡さ
れる。その結果、中間電極には、偏向ヨークの偏向に同
期して変化する交流電圧成分が重畳されなくなる。
【0015】また、補助電極を、たとえばステムリード
を介して接地しても、偏向ヨークの偏向に同期して変化
する交流電圧成分は、この補助電極を介して接地される
ので、中間電極には、偏向ヨークの偏向に同期して変化
する交流電圧成分が重畳されなくなる。
を介して接地しても、偏向ヨークの偏向に同期して変化
する交流電圧成分は、この補助電極を介して接地される
ので、中間電極には、偏向ヨークの偏向に同期して変化
する交流電圧成分が重畳されなくなる。
【0016】したがって、中間電極には、所定の直流電
圧のみが印加され、集束電極とこれに隣接する中間電極
とにより形成される第1の四極子レンズおよび最終加速
電極とこれに隣接する中間電極とにより形成される第2
の四極子レンズのレンズ作用を正常化することができ
る。
圧のみが印加され、集束電極とこれに隣接する中間電極
とにより形成される第1の四極子レンズおよび最終加速
電極とこれに隣接する中間電極とにより形成される第2
の四極子レンズのレンズ作用を正常化することができ
る。
【0017】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明を実施例に基
づいて説明する。
づいて説明する。
【0018】図2にその一実施例であるカラー受像管を
示す。このカラー受像管は、パネル20およびこのパネル
20に一体に接合されたファンネル21からなる外囲器を有
し、そのパネル20内面に、青、緑、赤に発光する3色蛍
光体層からなる蛍光体スクリーン22が形成され、この蛍
光体スクリーン22に対向して、その内側に多数の電子ビ
ーム通過孔の形成されたシャドウマスク23が配置されて
いる。またファンネル21のネック24内に、同一水平面上
を通るセンタービーム2Gおよび一対のサイドビーム2B,
2Rからなる一列配置の3電子ビーム2B,2G,2Rを放出す
る下記インライン型電子銃25、およびこの電子銃25の所
定の電極に所定の電圧を供給するための抵抗器8が電子
銃25に沿って配設されている。さらにファンネル21の径
大部内面からネック24内面の隣接部にかけて、内部導電
膜26が、またファンネル21の径大部外面に外部導電膜27
が塗布形成されている。
示す。このカラー受像管は、パネル20およびこのパネル
20に一体に接合されたファンネル21からなる外囲器を有
し、そのパネル20内面に、青、緑、赤に発光する3色蛍
光体層からなる蛍光体スクリーン22が形成され、この蛍
光体スクリーン22に対向して、その内側に多数の電子ビ
ーム通過孔の形成されたシャドウマスク23が配置されて
いる。またファンネル21のネック24内に、同一水平面上
を通るセンタービーム2Gおよび一対のサイドビーム2B,
2Rからなる一列配置の3電子ビーム2B,2G,2Rを放出す
る下記インライン型電子銃25、およびこの電子銃25の所
定の電極に所定の電圧を供給するための抵抗器8が電子
銃25に沿って配設されている。さらにファンネル21の径
大部内面からネック24内面の隣接部にかけて、内部導電
膜26が、またファンネル21の径大部外面に外部導電膜27
が塗布形成されている。
【0019】そして、上記電子銃25から放出される3電
子ビーム2B,2G,2Rを、ファンネル21の外側に装着され
たピンクッション形水平偏向磁界およびバレル形垂直偏
向磁界からなる非斉一磁界を発生する偏向ヨーク28によ
り偏向し、シャドウマスク23を介して蛍光体スクリーン
22を水平、垂直走査することにより、この蛍光体スクリ
ーン22上にカラー画像を表示する構造に形成されてい
る。
子ビーム2B,2G,2Rを、ファンネル21の外側に装着され
たピンクッション形水平偏向磁界およびバレル形垂直偏
向磁界からなる非斉一磁界を発生する偏向ヨーク28によ
り偏向し、シャドウマスク23を介して蛍光体スクリーン
22を水平、垂直走査することにより、この蛍光体スクリ
ーン22上にカラー画像を表示する構造に形成されてい
る。
【0020】上記電子銃25は、図1に示すように、水平
方向に一列配置された3個のカソードKB,KG,KR、この
3個のカソードKB,KG,KRを各別に加熱する3個のヒー
タ(図示せず)、上記カソードKB,KG,KR上に蛍光体ス
クリーンに向かって順次配列された第1乃至第6グリッ
ドG1〜G6、その第6グリッドG6に取付けられたシールド
カップ30、および第5グリッドG5と第6グリッドG6の間
に配置された2個の中間電極Gm1 ,Gm2 を有する。さら
にこの例の電子銃25では、第5グリッドG5とこれに隣接
する中間電極Gm1 との間に補助電極Gsが配置されてい
る。
方向に一列配置された3個のカソードKB,KG,KR、この
3個のカソードKB,KG,KRを各別に加熱する3個のヒー
タ(図示せず)、上記カソードKB,KG,KR上に蛍光体ス
クリーンに向かって順次配列された第1乃至第6グリッ
ドG1〜G6、その第6グリッドG6に取付けられたシールド
カップ30、および第5グリッドG5と第6グリッドG6の間
に配置された2個の中間電極Gm1 ,Gm2 を有する。さら
にこの例の電子銃25では、第5グリッドG5とこれに隣接
する中間電極Gm1 との間に補助電極Gsが配置されてい
る。
【0021】この電子銃25の各電極は、一体構造に形成
され、その第1および第2グリッドG1,G2は、それぞれ
比較的板厚の薄い板状電極からなり、これら電極には、
一列配置の3個のカソードKB,KG,KRに対応して円形の
開孔が設けられている。第3および第4グリッドG3,G4
は、それぞれ2個のカップ状電極を突合わせた筒状電極
からなり、これら電極には、同様に一列配置の3個のカ
ソードKB,KG,KRに対応して円形の開孔が設けられてい
る。第5グリッドG5は、各2個のカップ状電極を突合わ
せた一対の筒状電極からなり、この電極には、一列配置
の3個のカソードKB,KG,KRに対応して円形または非円
形の開孔が設けられている。補助電極Gsは、比較的板厚
の薄い板状電極からなり、図3に示すように、一列配置
の3個のカソードKB,KG,KRに対応して円形の開孔32
が、また2個の中間電極Gm1 ,Gm2は、それぞれ比較的
板厚の厚い板状電極からなり、これら電極には、一列配
置の3個のカソードKB,KG,KRに対応して円形の開孔が
設けられている。、さらに、第6グリッドG6は、2個の
カップ状電極を突合わせた筒状電極からなり、この電極
には、円形または非円形の開孔が設けられている。
され、その第1および第2グリッドG1,G2は、それぞれ
比較的板厚の薄い板状電極からなり、これら電極には、
一列配置の3個のカソードKB,KG,KRに対応して円形の
開孔が設けられている。第3および第4グリッドG3,G4
は、それぞれ2個のカップ状電極を突合わせた筒状電極
からなり、これら電極には、同様に一列配置の3個のカ
ソードKB,KG,KRに対応して円形の開孔が設けられてい
る。第5グリッドG5は、各2個のカップ状電極を突合わ
せた一対の筒状電極からなり、この電極には、一列配置
の3個のカソードKB,KG,KRに対応して円形または非円
形の開孔が設けられている。補助電極Gsは、比較的板厚
の薄い板状電極からなり、図3に示すように、一列配置
の3個のカソードKB,KG,KRに対応して円形の開孔32
が、また2個の中間電極Gm1 ,Gm2は、それぞれ比較的
板厚の厚い板状電極からなり、これら電極には、一列配
置の3個のカソードKB,KG,KRに対応して円形の開孔が
設けられている。、さらに、第6グリッドG6は、2個の
カップ状電極を突合わせた筒状電極からなり、この電極
には、円形または非円形の開孔が設けられている。
【0022】また、上記抵抗器8は、一端部に設けられ
た端子33が第6グリッドG6に接続され、他端部に設
けられた端子34がステム35を気密に貫通するステム
リード36(図2参照)を介して、直接または可変抵抗
器37を介して接地されている。そして中間部に設けら
れた端子38,39がそれぞれ中間電極Gm1,Gm2
に接続されている。
た端子33が第6グリッドG6に接続され、他端部に設
けられた端子34がステム35を気密に貫通するステム
リード36(図2参照)を介して、直接または可変抵抗
器37を介して接地されている。そして中間部に設けら
れた端子38,39がそれぞれ中間電極Gm1,Gm2
に接続されている。
【0023】上記電子銃25の各電極には、動作時、つぎ
の電圧が印加される。すなわち、カソードKB,KG,KRに
は、180Vの直流電圧にビデオ信号の重畳された電圧
が印加され、第1グリッドG1は接地され、第2グリッド
G2と第4グリッドG4とは、管内で接続されて約800V
の電圧が、第3グリッドG3と第5グリッドG5とは同じく
管内で接続されて8〜9kVの直流電圧に、偏向ヨークの
偏向に同期してパラボラ状に変化する交流電圧成分が重
畳された電圧が印加される。また補助電極Gsは、第6グ
リッドG6と管内で接続され、この第6グリッドG6に陽極
端子、内部導電膜、シールドカップ30に取付けられたバ
ルブスペーサなどを介して印加される約30kVの高電圧が
印加される。さらに中間電極Gm1 には、抵抗器8により
分割された上記高電圧(約30kV)の約40%の電圧が、
また中間電極Gm2 には、同じく約60%の電圧が印加さ
れる。
の電圧が印加される。すなわち、カソードKB,KG,KRに
は、180Vの直流電圧にビデオ信号の重畳された電圧
が印加され、第1グリッドG1は接地され、第2グリッド
G2と第4グリッドG4とは、管内で接続されて約800V
の電圧が、第3グリッドG3と第5グリッドG5とは同じく
管内で接続されて8〜9kVの直流電圧に、偏向ヨークの
偏向に同期してパラボラ状に変化する交流電圧成分が重
畳された電圧が印加される。また補助電極Gsは、第6グ
リッドG6と管内で接続され、この第6グリッドG6に陽極
端子、内部導電膜、シールドカップ30に取付けられたバ
ルブスペーサなどを介して印加される約30kVの高電圧が
印加される。さらに中間電極Gm1 には、抵抗器8により
分割された上記高電圧(約30kV)の約40%の電圧が、
また中間電極Gm2 には、同じく約60%の電圧が印加さ
れる。
【0024】このような電圧の印加により、各カソード
KB,KG,KRから放出される電子ビームは、第1、第2グ
リッドG1,G2の近傍でクロスオーバーを形成したのち発
散し、第2、第3グリッドG2,G3により形成されるプリ
フォーカスレンズにより、予備集束を受け、さらに第
3、第4、第5グリッドG2,G3,G5により形成されるユ
ニポテンシャル形レンズにより予備集束を受け、その
後、第5グリッドG5から第6グリッドG6の間で形成され
る主レンズ部により、最終的に集束されて蛍光体スクリ
ーン上にビームスポットを形成する。
KB,KG,KRから放出される電子ビームは、第1、第2グ
リッドG1,G2の近傍でクロスオーバーを形成したのち発
散し、第2、第3グリッドG2,G3により形成されるプリ
フォーカスレンズにより、予備集束を受け、さらに第
3、第4、第5グリッドG2,G3,G5により形成されるユ
ニポテンシャル形レンズにより予備集束を受け、その
後、第5グリッドG5から第6グリッドG6の間で形成され
る主レンズ部により、最終的に集束されて蛍光体スクリ
ーン上にビームスポットを形成する。
【0025】この場合、上記主レンズ部には、集束電極
としての第5グリッドG5とこの第5グリッドG5に隣接す
る中間電極Gm1 との間に電子ビームを主として垂直方向
に強く集束する第1の四極子レンズが、また中間電極Gm
2 と最終加速電極である第6グリッドG6との間に電子ビ
ームを主として垂直方向に強く発散する第2の四極子レ
ンズが形成される。
としての第5グリッドG5とこの第5グリッドG5に隣接す
る中間電極Gm1 との間に電子ビームを主として垂直方向
に強く集束する第1の四極子レンズが、また中間電極Gm
2 と最終加速電極である第6グリッドG6との間に電子ビ
ームを主として垂直方向に強く発散する第2の四極子レ
ンズが形成される。
【0026】ところで、このような電子銃25において、
その主レンズ部を形成する第5グリッドG5と中間電極Gm
1 との間に補助電極Gsを配置すると、つぎの作用効果が
得られる。
その主レンズ部を形成する第5グリッドG5と中間電極Gm
1 との間に補助電極Gsを配置すると、つぎの作用効果が
得られる。
【0027】すなわち、従来の第5グリッドG5とこの第
5グリッドG5に隣接する中間電極Gm1 との間に補助電極
の配置されていない電子銃(図12参照)の主レンズ部
は、図4に等価回路で示すように、交流的な等価回路と
なり、その第5グリッドG5、中間電極Gm1 ,Gm2 および
第6グリッドG6の各電極間にそれぞれ静電容量C5m、C
mm,Cm6が存在する。その結果、第5グリッドG5に印加
されるパラボラ状の交流電圧成分10a が交流源となり、
この交流電圧成分10a が静電容量C5m、Cmmを介して中
間電極Gm1 ,Gm2 に誘導される。
5グリッドG5に隣接する中間電極Gm1 との間に補助電極
の配置されていない電子銃(図12参照)の主レンズ部
は、図4に等価回路で示すように、交流的な等価回路と
なり、その第5グリッドG5、中間電極Gm1 ,Gm2 および
第6グリッドG6の各電極間にそれぞれ静電容量C5m、C
mm,Cm6が存在する。その結果、第5グリッドG5に印加
されるパラボラ状の交流電圧成分10a が交流源となり、
この交流電圧成分10a が静電容量C5m、Cmmを介して中
間電極Gm1 ,Gm2 に誘導される。
【0028】しかし、図5に等価回路で示すように、第
5グリッドG5と中間電極Gm1 との間に補助電極Gsを配置
すると、第5グリッドG5、補助電極Gs、中間電極Gm1 、
Gm2および、第6グリッドG6の各電極間にそれぞれ静電
容量C5s,Csm,Cmm,Cm6が形成され、特に第5グリ
ッドG5と補助電極Gsとの間の静電容量C5sがカラー受像
管の内部導電膜と外部導電膜とにより形成される管自体
の静電容量CCRT を介して接地される。一方、補助電極
Gsと中間電極Gm1 との間の静電容量Csmおよび中間電極
Gm1 、Gm2 間の静電容量Cmmは、補助電極Gsと第6グリ
ッドG6とを接続するリード線41により短絡される。その
結果、第5グリッドG5に印加されるパラボラ状の交流電
圧成分10a は、中間電極Gm1 、Gm2 に誘導されることは
なく、これら中間電極Gm1 、Gm2 には、所定の直流電圧
のみが印加された状態となり、第1および第2の四極子
レンズは所期のレンズ作用をするようになる。
5グリッドG5と中間電極Gm1 との間に補助電極Gsを配置
すると、第5グリッドG5、補助電極Gs、中間電極Gm1 、
Gm2および、第6グリッドG6の各電極間にそれぞれ静電
容量C5s,Csm,Cmm,Cm6が形成され、特に第5グリ
ッドG5と補助電極Gsとの間の静電容量C5sがカラー受像
管の内部導電膜と外部導電膜とにより形成される管自体
の静電容量CCRT を介して接地される。一方、補助電極
Gsと中間電極Gm1 との間の静電容量Csmおよび中間電極
Gm1 、Gm2 間の静電容量Cmmは、補助電極Gsと第6グリ
ッドG6とを接続するリード線41により短絡される。その
結果、第5グリッドG5に印加されるパラボラ状の交流電
圧成分10a は、中間電極Gm1 、Gm2 に誘導されることは
なく、これら中間電極Gm1 、Gm2 には、所定の直流電圧
のみが印加された状態となり、第1および第2の四極子
レンズは所期のレンズ作用をするようになる。
【0029】したがって、上記電子銃のように第5グリ
ッドG5とこれに隣接する中間電極Gm1 との間に補助電極
Gsを配置すると、図6に示すように、画面3中央部のビ
ームスポット4aを真円とし、かつ画面周辺部のビームス
ポット4bのハロー部をなくすことができ、画面全面の解
像度を向上させることができる。
ッドG5とこれに隣接する中間電極Gm1 との間に補助電極
Gsを配置すると、図6に示すように、画面3中央部のビ
ームスポット4aを真円とし、かつ画面周辺部のビームス
ポット4bのハロー部をなくすことができ、画面全面の解
像度を向上させることができる。
【0030】つぎに、他の実施例について説明する。
【0031】上記実施例では、第5グリッドとこれに隣
接する中間電極との間に配置された補助電極を最終加速
電極である第6グリッドに接続して交流的に接地した
が、図7に示す電子銃は、補助電極Gsをステムを気密に
貫通するステムリード36を介して管外で接地したもので
ある。その他構造は、上記電子銃と同じであるので、同
一番号を付して説明を省略する。
接する中間電極との間に配置された補助電極を最終加速
電極である第6グリッドに接続して交流的に接地した
が、図7に示す電子銃は、補助電極Gsをステムを気密に
貫通するステムリード36を介して管外で接地したもので
ある。その他構造は、上記電子銃と同じであるので、同
一番号を付して説明を省略する。
【0032】このように構成すると、この電子銃の主レ
ンズ部は、図8に等価回路で示すように、集束電極とし
ての第5グリッドG5に印加されるパラボラ状の交流電圧
成分10a は、第5グリッドG5と補助電極Gsとの間に形成
される静電容量C5sが補助電極Gsを介して接地され、中
間電極Gm1 、Gm2 に誘導される交流電圧成分を大幅に軽
減することができる。その結果、中間電極Gm1 、Gm2 は
所定の直流電圧を印加したとほぼ同じ状態となり、第1
および第2の四極子レンズに所期のレンズ作用をさせる
ことができる。
ンズ部は、図8に等価回路で示すように、集束電極とし
ての第5グリッドG5に印加されるパラボラ状の交流電圧
成分10a は、第5グリッドG5と補助電極Gsとの間に形成
される静電容量C5sが補助電極Gsを介して接地され、中
間電極Gm1 、Gm2 に誘導される交流電圧成分を大幅に軽
減することができる。その結果、中間電極Gm1 、Gm2 は
所定の直流電圧を印加したとほぼ同じ状態となり、第1
および第2の四極子レンズに所期のレンズ作用をさせる
ことができる。
【0033】なお、上記実施例では、補助電極を3個の
円形開孔を有する構造にしたが、この補助電極は、図9
に示すように、電子ビームの配列方向を長径とする長孔
42を有する構造としてもよい。なお、この補助電極
は、いずれの形状に開孔を形成するにしても、集束電極
としての第5グリッドとこれに隣接する中間電極との間
に形成される第1の四極子レンズのレンズ電界に与える
影響を極力少なくするために、板厚の薄い板状電極とす
るのが望ましい。即ち、補助電極の板厚が厚いと図9
(c)に示すように、補助電極内で電界の浸透が発生
し、電子レンズが形成され、電子ビームは集束作用を受
けるため、第1の四極子レンズが電子ビームに与えた作
用を変化させてしまう。 一方、補助電極が薄い場合は、
図9(d)に示すように補助電極内では電界の浸透がほ
とんどなく、電子レンズは形成されない。ただし、補助
電極が厚い場合も薄い場合も第1の四極子レンズの強さ
は、補助電極がない場合と異なるため、第2の四極子レ
ンズとの整合をとる必要はある。
円形開孔を有する構造にしたが、この補助電極は、図9
に示すように、電子ビームの配列方向を長径とする長孔
42を有する構造としてもよい。なお、この補助電極
は、いずれの形状に開孔を形成するにしても、集束電極
としての第5グリッドとこれに隣接する中間電極との間
に形成される第1の四極子レンズのレンズ電界に与える
影響を極力少なくするために、板厚の薄い板状電極とす
るのが望ましい。即ち、補助電極の板厚が厚いと図9
(c)に示すように、補助電極内で電界の浸透が発生
し、電子レンズが形成され、電子ビームは集束作用を受
けるため、第1の四極子レンズが電子ビームに与えた作
用を変化させてしまう。 一方、補助電極が薄い場合は、
図9(d)に示すように補助電極内では電界の浸透がほ
とんどなく、電子レンズは形成されない。ただし、補助
電極が厚い場合も薄い場合も第1の四極子レンズの強さ
は、補助電極がない場合と異なるため、第2の四極子レ
ンズとの整合をとる必要はある。
【0034】また、上記実施例では、主レンズ部に2個
の中間電極を配置した電子銃について説明したが、この
中間電極は1個あるいは3個の場合にも同様に適用でき
る。また、上記実施例では、複合型のクォドラポテンシ
ャル型電子銃について説明したが、この発明は、他の複
合型電子銃は勿論、バイポテンシャル型電子銃やユニポ
テンシャル型電子銃などにも適用できる。
の中間電極を配置した電子銃について説明したが、この
中間電極は1個あるいは3個の場合にも同様に適用でき
る。また、上記実施例では、複合型のクォドラポテンシ
ャル型電子銃について説明したが、この発明は、他の複
合型電子銃は勿論、バイポテンシャル型電子銃やユニポ
テンシャル型電子銃などにも適用できる。
【0035】さらに、上記実施例では、同一平面上を通
る一列配置の3電子ビームを放出する電子銃を有するカ
ラー受像管について説明したが、この発明は、単一電子
ビーム放出するカラー受像管や4個以上の電子ビームを
放出するカラー受像管についても同様に適用可能であ
る。
る一列配置の3電子ビームを放出する電子銃を有するカ
ラー受像管について説明したが、この発明は、単一電子
ビーム放出するカラー受像管や4個以上の電子ビームを
放出するカラー受像管についても同様に適用可能であ
る。
【0036】
【発明の効果】電子ビームを蛍光体スクリーン上に集束
する主レンズ部が電子ビーム形成部から蛍光体スクリー
ン方向に集束電極、1個または複数個の中間電極および
最終加速電極の順に配置されてなる電子銃を有し、その
集束電極に偏向ヨークの偏向に同期して変化する電圧が
印加されるカラー受像管において、その集束電極とこの
集束電極に隣接する中間電極との間に交流的に接地され
る補助電極を介挿すると、その交流的接地により、中間
電極に偏向ヨークの偏向に同期して変化する電圧の交流
成分が重畳されなくなり、画面全域にわたり解像度良好
なカラー受像管とすることができる。
する主レンズ部が電子ビーム形成部から蛍光体スクリー
ン方向に集束電極、1個または複数個の中間電極および
最終加速電極の順に配置されてなる電子銃を有し、その
集束電極に偏向ヨークの偏向に同期して変化する電圧が
印加されるカラー受像管において、その集束電極とこの
集束電極に隣接する中間電極との間に交流的に接地され
る補助電極を介挿すると、その交流的接地により、中間
電極に偏向ヨークの偏向に同期して変化する電圧の交流
成分が重畳されなくなり、画面全域にわたり解像度良好
なカラー受像管とすることができる。
【図1】図1(a)はこの発明の一実施例であるカラー
受像管の電子銃の構成を断面で示す正面図、図1(b)
は同じく断面で示す側面図である。
受像管の電子銃の構成を断面で示す正面図、図1(b)
は同じく断面で示す側面図である。
【図2】この発明の一実施例であるカラー受像管の構成
を示す断面図である。
を示す断面図である。
【図3】図3(a)はその電子銃の構成する補助電極の
平面図、図3(b)はそのB−B断面図である。
平面図、図3(b)はそのB−B断面図である。
【図4】図4(a)はこの発明の一実施例であるカラー
受像管の電子銃の主レンズ部と比較のために示した従来
の電子銃の集束電極に印加する電圧の波型図、図4
(b)はその主レンズ部の等価回路図である。
受像管の電子銃の主レンズ部と比較のために示した従来
の電子銃の集束電極に印加する電圧の波型図、図4
(b)はその主レンズ部の等価回路図である。
【図5】図5(a)はこの発明の一実施例であるカラー
受像管の電子銃の集束電極に印加する電圧の波型図、図
5(b)はその電子銃の主レンズ部の等価回路図であ
る。
受像管の電子銃の集束電極に印加する電圧の波型図、図
5(b)はその電子銃の主レンズ部の等価回路図であ
る。
【図6】この発明の一実施例であるカラー受像管の画面
全域でのビームスポット形状を示す図である。
全域でのビームスポット形状を示す図である。
【図7】この発明の他の実施例であるカラー受像管の電
子銃の構成を断面で示す正面図である。
子銃の構成を断面で示す正面図である。
【図8】図8(a)はその電子銃の集束電極に印加する
電圧の波型図、図8(b)はその電子銃の主レンズ部の
等価回路図である。
電圧の波型図、図8(b)はその電子銃の主レンズ部の
等価回路図である。
【図9】図9(a)は補助電極の異なる他の構造を示す
平面図、図9(b)はそのB−B断面図、図9(c)は
補助電極の板厚が厚い場合の電界の発生状況を示す説明
図、図9(d)は補助電極の板厚が薄い場合の電界の発
生状況を示す説明図である。
平面図、図9(b)はそのB−B断面図、図9(c)は
補助電極の板厚が厚い場合の電界の発生状況を示す説明
図、図9(d)は補助電極の板厚が薄い場合の電界の発
生状況を示す説明図である。
【図10】図10(a)はセルフコンバーゼンス方式イ
ンライン型カラー受像管用偏向ヨークの発生する水平偏
向磁界の図、図10(b)は同じくその垂直偏向磁界の
図である。
ンライン型カラー受像管用偏向ヨークの発生する水平偏
向磁界の図、図10(b)は同じくその垂直偏向磁界の
図である。
【図11】従来のセルフコンバーゼンス方式インライン
型カラー受像管の画面全域でのビームスポット形状を示
す図である。
型カラー受像管の画面全域でのビームスポット形状を示
す図である。
【図12】図12(a)は従来のセルフコンバーゼンス
方式インライン型の電子銃の構成を断面で示す正面図、
図12(b)は同じく断面で示す側面図である。
方式インライン型の電子銃の構成を断面で示す正面図、
図12(b)は同じく断面で示す側面図である。
【図13】図13(a)はその電子銃の主レンズ部の構
成を示す図、図13(b)はその主レンズ部の各電極の
電位を示す図である。
成を示す図、図13(b)はその主レンズ部の各電極の
電位を示す図である。
【図14】上記従来のセルフコンバーゼンス方式インラ
イン型カラー受像管の画面中央部でのビームスポット形
状を示す図である。
イン型カラー受像管の画面中央部でのビームスポット形
状を示す図である。
【図15】上記従来のセルフコンバーゼンス方式インラ
イン型の画面全域でのビームスポット形状を示す図であ
る。
イン型の画面全域でのビームスポット形状を示す図であ
る。
【符号の説明】 2B,2R…一対のサイドビーム 2G…センタービーム 8…抵抗器 22…蛍光体スクリーン 25…電子銃 26…内部導電膜 27…外部導電膜 32…開孔 36…ステムリード 42…開孔 KB,KG,KR…カソード G1…第1グリッド G2…第2グリッド G3…第3グリッド G4…第4グリッド G5…第5グリッド(集束電極) G6…第6グリッド(最終加速電極) Gm1 …中間電極 Gm2 …中間電極 Gs…補助電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−95446(JP,A) 特開 平1−95444(JP,A) 特開 平1−220341(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 29/48 - 29/50
Claims (1)
- 【請求項1】電子ビーム形成部から放出される電子ビー
ムを蛍光体スクリーン上に集束する主レンズ部を有し、
この主レンズ部が上記電子ビーム形成部から上記蛍光体
スクリーン方向に集束電極、1個または複数個の中間電
極および最終加速電極の順に配置されてなる電子銃と、
上記最終加速電極に供給される高電圧を分割して上記中
間電極に所定の電圧を供給するための抵抗器とを備え、
上記中間電極と最終加速電極以外の電極は受像管端部に
設けられたステム部を気密に貫通するステムリードを介
して各々の電圧が供給され、電子ビームを偏向して蛍光
体スクリーン上を走査する偏向ヨークの偏向に同期して
変化する電圧が上記集束電極に印加されるカラー受像管
において、上記集束電極とこの集束電極に隣接する中間
電極との間に、この中間電極以外の電極のうち直流電圧
が供給される電極と接続されるか、もしくは上記ステム
リードを介して直接接地されることにより交流的に接地
される補助電極が介挿された事を特徴とするカラ−受像
管。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15211291A JP3171455B2 (ja) | 1991-06-25 | 1991-06-25 | カラー受像管 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15211291A JP3171455B2 (ja) | 1991-06-25 | 1991-06-25 | カラー受像管 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH052999A JPH052999A (ja) | 1993-01-08 |
JP3171455B2 true JP3171455B2 (ja) | 2001-05-28 |
Family
ID=15533324
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---|---|---|---|
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---|---|
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---|---|---|---|---|
JP3599765B2 (ja) * | 1993-04-20 | 2004-12-08 | 株式会社東芝 | 陰極線管装置 |
TW272299B (ja) * | 1994-08-01 | 1996-03-11 | Toshiba Co Ltd | |
JP2000156178A (ja) * | 1998-11-20 | 2000-06-06 | Toshiba Corp | 陰極線管 |
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