JP3154190U - フットカバー - Google Patents
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Abstract
【課題】コスト高を招来することなく製造でき、しかも歩行中に脱げ難いフットカバーを提供する。【解決手段】編み糸と弾性糸とによって編成され、爪先部、足底部及び踵部からなる浅船形状をなし、足首及び足甲に対応する部位に履口部が形成されたフットカバーにおいて、上記足底部は上記靴下底部23によって構成され、上記靴下甲部22には上記履口部が開口されており、該履口部の周縁には伸縮弾性を有する縁部が形成され、上記爪先部は上記靴下踵部24、靴下甲部22及び/又は靴下レッグ部25が円弧状に裁断されリンキング又はロッソによって縫製されるか又はリンキング又はロッソによって円弧状に縫製され裁断されることによって構成されている一方、上記踵部は上記靴下爪先部21によって構成され、靴下の爪先部21の立体形状と同一の立体形状となっている。【選択図】図3
Description
この考案はインナーソックスやルームソックスとして用いられるフットカバーに関し、特にコスト高を招来することなく製造でき、しかも歩行中に脱げ難いフットカバーに関する。
夏期に女性がパンプスやスニーカーを履く場合、ストッキングを着用すると汗や蒸れ等によって不快感を感じる一方、素足でパンプス等を履くとパンプスなどの素材が足の肌に直接触れることによる違和感を免れることはできない。
そこで、爪先部、足底部、踵部からなる浅船形状のフットカバーが提案されている(特許文献1)。この特許文献1記載のフットカバーは足底部、側辺部及び踵部からなる1枚裁断生地を製造し、これを縫製することにより足底部の継ぎ目をなくして優れた着用感を得るようにしているが、1枚裁断生地を製造してから縫合するようにしているので、製造作業が煩雑である。
他方、経編みによって筒状編み地を編成し、この生地を用いて浅船形状に形成した無縫製のフットカバーが提案されている(特許文献2)。しかし、経編みによる編み地を浅船形状に加工しているので、フットカバーの踵部が足の踵にピッタリとフィットし難く、歩行中に踵部が脱げやすかった。
これに対し、靴下編み機などで編成したフットカバーの踵部に滑止めを設けることが提案されている(特許文献3、特許文献4、特許文献5)。
他方、丸編み機によってフットカバーの踵部を足の踵に対応する立体形状に編成するか、又は伸縮弾性を調整したフットカバーを編成することが提案されている(特許文献6、特許文献7、特許文献8)。
しかし、特許文献4、5記載のフットカバーでは踵部の滑止めによって足の踵の皮膚が擦れることになるので、違和感があった。
他方、特許文献6〜8記載のフットカバーでは踵部を足の踵に対応した立体形状に編成するか又は伸縮弾性を調整することによって踵部を脱げ難くしているので、足の踵の皮膚が擦れず、違和感は少ないものの、複雑なプログラムを用いて丸編み機で編成しているので、靴下編み機を用いる場合に比して製造コストが高くなるという問題があった。
本考案はかかる問題点に鑑み、コスト高を招来することなく製造でき、しかも歩行中に踵部が脱げ難くしたフットカバーを提供することを課題とする。
そこで、本考案に係るフットカバーは、編み糸と弾性糸とによって編成され、爪先部、足底部及び踵部からなる浅船形状をなし、足首及び足甲に対応する部位に履口部が形成されたフットカバーにおいて、上記足底部は上記靴下底部によって構成され、上記靴下甲部には上記履口部が開口されており、該履口部の周縁には伸縮弾性を有する縁部が形成され、上記爪先部は上記靴下踵部、靴下甲部及び/又は靴下レッグ部が円弧状に裁断されリンキング又はロッソによって縫製されるか又はリンキング又はロッソによって円弧状に縫製され裁断されることによって構成されている一方、上記踵部は上記靴下爪先部によって構成され、靴下の爪先部の立体形状と同一の立体形状となっていることを特徴とする。
本考案の特徴はフットカバーの踵部を靴下爪先部と同一の立体形状に形成するようにした点にある。
本件考案者らが種々のフットカバーの試作を行い、その着用感とフィット性を確かめたところ、フットカバーの踵部を同一の大きさ又は少し大きめの靴下における爪先部と同一の立体形状にすると、フットカバーを着用したときにフットカバーの踵部のうち、足底部に近い部分はほとんど伸長しないか又は足の踵部の形状に対応して少し伸長するが、フットカバーの踵部のうち、足首に近い部分は足の踵部によって縦方向に持ち上げられるので、足首に近くなるほど横方向(踵部から爪先部に向かう方向)に大きく伸長される結果、フットカバーの踵部は足首に近くなるほど大きな伸縮弾性でもって足の踵部をスッポリと包み込み、フットカバーは優れたフィット性でもって着用でき、歩行中に踵を上下させてもフットカバーの踵部が脱げないことを確認したものである。
しかも、靴下の踵部、甲部及び/又はレッグ部を裁断し縫製するとともに、靴下の甲部に履口部を形成すればよいので、特許文献6〜8記載のフットカバーのように丸編み機を用いて複雑なプログラムによって立体的なフットカバーや伸縮弾性を調整したフットカバーを編成する必要がなく、製造のコスト高を招来することもない。
例えば、靴下を素材として用いて踵部の脱げ難いフットカバーが製造できる。つまり、靴下爪先部によってフットカバーの踵部を構成し、靴下底部によってフットカバーの足底部を構成し、靴下甲部に履口部を開口させ、履口部の周縁には伸縮弾性を有する縁部を形成する一方、爪先部は靴下踵部を裁断縫製又は縫製裁断することによって構成することができる。
履口部についてはフットカバーに適した大きさや形状の開口を形成すればよいのであるが、例えば靴下編成時における爪先部開口の縫製箇所近傍から靴下甲部にかけて履口部、例えば楕円形状の履口部を裁断し、履口部の周縁をゴム糸又は弾性糸を沿わせて折り返し縫合し又は折り返してゴム糸又は弾性糸で縫合することによって、伸縮弾性を有する縁部を形成することができる。
靴下踵部の裁断箇所はロッソによって縫合してもよいが、フットカバーの商品性(外観)上、靴下踵部の裁断箇所をリンキングによって縫製するのが好ましい。
ここで、靴下はコスト的には靴下編み機で編成したものが好ましいが、本考案におけるフットカバーの製造上、特別な靴下は必要ないので、シングルシリンダ又はダブルシリンダ式の丸編み機で編成した靴下であってもよい。また、靴下の大きさはフットカバーの大きさと同じサイズ又は少し大きいサイズが好ましい。例えば、24cmのフットカバーの場合、フットカバーの適度の伸縮性を考慮すると、24cm〜26cmの靴下を用いて製造するのが好ましい。
さらに、靴下の編み方は特に限定されず、平編み、メッシュ編み、パイル編みあるいはこれらを組合せた編み方などを採用することができる。
また、編み糸の材質については特に限定されず、綿糸、綿アクリル混紡糸、毛糸、毛アクリル混紡糸、絹糸、絹アクリル混紡糸、麻糸、麻アクリル混紡糸、ナイロン糸等、靴下に採用される編み糸を用いることができる。弾性糸にはナイロン糸、ポリエステル糸、ポリウレタンカバードヤーン、コアヤーンを用いることができる。
上記のフットカバーを製造する場合、編み糸と弾性糸とによって編成されたフットカバーを製造するにあたり、編み糸と弾性糸とによって編成された靴下の爪先部の先端を基準にして所定長さの位置で靴下踵部、靴下甲部及び/ 又は靴下レッグ部を裁断し、該裁断箇所を裏側から縫製する工程と、上記靴下の爪先部開口の縫製箇所近傍から上記裁断し縫製した箇所に向けて履口部を形成し、履口部の周縁に伸縮弾性を有する縁部を形成する工程、とによって製造することができる。
上記のフットカバーを製造する場合、編み糸と弾性糸とによって編成されたフットカバーを製造するにあたり、編み糸と弾性糸とによって編成された靴下の爪先部の開口の縫製箇所近傍から靴下甲部にかけて履口部を裁断し、履口部の周縁に伸縮弾性を有する縁部を形成する工程と、上記靴下爪先部の先端を基準にして所定長さの位置で靴下踵部、靴下甲部及び/又は靴下レッグ部を裁断し、該裁断箇所を裏側から縫製する工程と、とによって行うことができる。
靴下踵部の裁断縫製又は縫製裁断と、履口部の加工とはどちらを先に行っても得られるフットカバーは同じである。
靴下踵部の裁断は足爪先の平面形状に対応して平面円弧状に裁断するのがよい。靴下は平坦に畳み裁断した後、靴下を裏返しにしてもよいが、裏返しにしてから平坦に畳み裁断するようにしてもよい。裏返しにするのは裁断箇所を裏側から縫製するからである。
靴下踵部は裁断した後、その裁断箇所をリンキングやロッソによって裏側から縫製するが、靴下踵部をオーバーミシンで裏側から縫製した後、縫製箇所に沿って裁断するようにしてもよい。
以下、本考案を図面に示す具体例に基づいて詳細に説明する。図1ないし図5は本考案に係るフットカバーの好ましい実施形態を示す。フットカバー10は爪先部11、足底部12及び踵部13からなる浅船形状をなし、足首及び足甲に対応する部位には楕円形状の履口部14が形成されている。
フットカバー10の爪先部11は素材靴下20の踵部24、甲部22及び/又はレッグ部25を裁断し縫製して構成され、フットカバー10の足底部12は素材靴下20の底部23から構成され、履口部24は素材靴下20の足甲部22に裁断加工されている一方、フットカバー10の踵部13は素材靴下20の爪先部21から構成され、素材靴下20の爪先部21の立体形状と同一の立体形状になっている。なお、図中、15は靴下爪先開口縫製箇所、16はゴアライン、17は裁断縫製箇所である。
フットカバー10を製造する場合、素材靴下20を製造する。素材靴下20は編み糸と弾性糸を靴下編み機で平編み組織に編成するが、シングルシリンダ又はダブルシリンダの丸編み機でメッシュ編み、パイル編み、あるいはメッシュ編み、パイル編み、平編みの組合せにて編成することもできる。
また、編み糸には例えば綿糸を、弾性糸には例えばポリウレタン被覆ポリエステル糸を用いることができる。靴下編み機で編成する場合、素材靴下20の履口からレッグ部25、踵部24、足甲部分22及び足底部分23の先端側に向けて筒状に編成され、又爪先部分21が開口を残して編成される。
こうして素材靴下20の編成が済むと、靴下編み機から外され、爪先部21の開口が裏側からリンキングで縫製される。図3において、26が縫製箇所である。なお、リンキングに代え、ロッソによって縫製してもよい。
素材靴下20が得られると、図4に示されるように、裏返し、平坦に畳み、爪先21の先端を基準に所定の長さの箇所で円弧状に裁断する。裁断箇所30は素材靴下20のサイズによって靴下甲部22(靴下底部23を含む)、靴下踵部24、靴下レッグ部25のいずれかになる。裁断箇所30はリンキングによって縫製し、フットカバー10の爪先部11を構成する。
フットカバー10の踵部13の着用感及びフィット性(脱げ難さ)を考慮すると、素材靴下20はフットカバー10のサイズと同じサイズ、少し大きいサイズにするのがよい。例えば、フットカバー10が24cmの場合、素材靴下20は24cm〜26cm、フットカバー10が23cmの場合、素材靴下20は23cm〜24.5cm程度がよいが、勿論、これら以外のサイズの靴下を素材として用いることもできる。
また、靴下20の爪先部21の開口縫製箇所26の近傍、例えば1〜2cmだけ靴下甲部22側の位置から靴下20の甲部22にかけて開口31を楕円形状に裁断し、裁断箇所31の周縁はゴム糸又は弾性糸を沿わせて5mmの幅で折り返し縫合し、伸縮弾性を有する縁部14Aを形成すると、フットカバー10の履口部14と踵部13が得られ、本例のフットカバー10を製造することができる。
以上のように、フットカバー10の踵部13を靴下20の爪先部21と同一の立体形状に形成するようにしたので、フットカバー10の踵部12が足の踵を適切な伸縮弾性でもってスッポリと包み込んでフィット性に優れ、歩行中に踵を上下させてもフットカバー10の踵部13が脱げることはほとんどない。
しかも、素材靴下20の踵部24、甲部22及び/又はレッグ部25を裁断し縫製するとともに、素材靴下20の甲部22に履口部14を裁断すればよいので、特許文献6〜8記載のフットカバーのように丸編み機を用いて複雑なプログラムによって立体的なフットカバーや伸縮断弾性を調整したフットカバーを編成する必要がなく、製造のコスト高を招来することもない。その結果、足にピッタリにフィットし、しかも踵部の脱げ難い安価なフットカバーが得られる。
得られたフットカバー10の特性を求めた。図6において、置寸(型紙40にセットした状態)では実サイズAが20.0cm、総丈Bが4.5cm、口ゴム丈Cが0.5cm、口ゴム幅Dが13.5cm、爪先幅Eが8.0cm、底幅Fが6.0cm、爪先丈Gが4.5cmであった。伸寸では実サイズAが36.0cm、総丈Bが8.0cm、口ゴム幅Dが26.0cm、爪先幅Eが14.0cmであり、適切な伸縮弾性のフットカバーが得られることが確認された。
上記では円弧状に裁断し縫製するようにしたが、円弧状に縫製し裁断してもよい。
10 フットカバー
11 爪先部
12 足底部
13 踵部
14 履口部
14A 縁部
15 開口縫製箇所
17 裁断縫製箇所
20 素材靴下
21 爪先部
22 甲部
23 底部
24 踵部
25 レッグ部
26 開口縫製箇所
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Claims (2)
- 編み糸と弾性糸とによって編成され、爪先部、足底部及び踵部からなる浅船形状をなし、足首及び足甲に対応する部位に履口部が形成されたフットカバーにおいて、上記足底部(12)は上記靴下底部(23)によって構成され、上記靴下甲部(22)には上記履口部(14)が開口されており、該履口部(14)の周縁には伸縮弾性を有する縁部(14A)が形成され、上記爪先部(11)は上記靴下踵部(24)、靴下甲部(22)及び/又は靴下レッグ部(25)が円弧状に裁断されリンキング又はロッソによって縫製されるか又はリンキング又はロッソによって円弧状に縫製され裁断されることによって構成されている一方、
上記踵部(13)は上記靴下爪先部(21)によって構成され、靴下の爪先部(21)の立体形状と同一の立体形状となっていることを特徴とするフットカバー。 - 靴下(20)の爪先部(21)の開口縫製箇所(26)近傍から靴下甲部(22)に向けて履口部(14)が裁断され、該履口部(14)の周縁がゴム糸又は弾性糸を沿わせて折り返され、縫合されることによって、上記伸縮弾性を有する縁部(14A)が形成されている請求項1記載のフットカバー。
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JP2016166433A (ja) * | 2015-03-09 | 2016-09-15 | 吉谷靴下株式会社 | 靴下における爪先部の形成方法 |
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- 2009-07-22 JP JP2009005099U patent/JP3154190U/ja not_active Expired - Fee Related
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