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JP3146449B2 - マット性フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

マット性フィルムおよびその製造方法

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JP3146449B2
JP3146449B2 JP21915091A JP21915091A JP3146449B2 JP 3146449 B2 JP3146449 B2 JP 3146449B2 JP 21915091 A JP21915091 A JP 21915091A JP 21915091 A JP21915091 A JP 21915091A JP 3146449 B2 JP3146449 B2 JP 3146449B2
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JP
Japan
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weight
melt flow
ethylene
temperature
flow rate
Prior art date
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JP21915091A
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孝一 藤井
公一 小牧
茂樹 小森
稔 田嶋
Original Assignee
日本石油化学株式会社
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Publication date
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  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリオレフィン系マット
性フィルムおよびその製造方法に関し、更に詳しくは、
該フイルムはマット性、引張り弾性率、引裂き性、柔軟
性、耐衝撃性、耐熱性、貼合性、難白化性、耐傷付き性
などに優れ、高級感があり、粘着テープ基材、文具カバ
ーやケース、ファッションバッグ、建築内装材、自動車
内装材などのフィルムとして有効に利用されうるポリオ
レフィン系マット性フィルムおよびその製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、マット性フィルム(以下フィルム
と略す)には、ポリ塩化ビニル樹脂が主に使用されてい
るが、柔軟性を付与するために多量に用いられる可塑剤
が長期間使用されるとブルーミングし揮散されることに
よって、柔軟性が消失するという問題がある。また、ポ
リ塩化ビニル樹脂は燃焼時に有毒な塩化水素ガスその他
を多量に発生する問題も指摘され、昨今では、このよう
な問題のないポリオレフィン系重合体に代替されつつあ
る。
【0003】このようなポリオレフィン系重合体からな
るマット性フィルムの製造は、特定のポリエチレンを特
定の条件で成膜することによって直接製造する方法(特
開昭50−56451号公報)、また、エチレン・酢酸
ビニル共重合体(EVA)と低密度エチレン・α−オレ
フィン共重合体(LLDPE)とをブレンドする方法
(特開昭59−215343号公報)があるが、フィル
ムの腰(曲げ弾性率)、耐熱性やマット性が充分でない
という難点がある。さらに、プロピレンにppmオーダ
ーのビニルトリアルキルシランなどを共重合したポリプ
ロピレンが提案されている(特開平1−185306号
公報)が、耐熱性は改良されてもフィルムの柔軟性がな
く、マット性は改良されない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこれらの問題
点を解消し、高級感があり、しかも引張り弾性率(腰に
関係がある)、柔軟性、耐衝撃性、耐熱性、貼合性、難
白化性、マット性、耐傷付き性などに優れたポリオレフ
ィン系マット性フィルムおよびその製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の第1発明は、
(A)メルトフローレートが1〜20g/10min.のプロピ
レン(共)重合体10〜90重量%、(B)エチレンと
炭素数3〜12のαーオレフィンとを共重合させて得ら
れる下記(I )〜(IV)の性状を満足するエチレン・α
ーオレフィン共重合体90〜10重量%、 (I )密度0.860〜0.910g/cm3 (II)示差走査熱量測定法(DSC)による最大ピーク
温度(Tm)100℃以上 (III )沸騰nーヘキサン不溶分 10重量%以上 (IV)メルトフローレート 0.1〜2.0 g/10mi
n. からなり、かつ(A)、(B)成分のメルトフローレー
トの比が(A)/(B)=5〜20および/または結晶
化温度差が5℃以上である組成物を含むマット性フィル
ムである。
【0006】本発明の第2発明は、(A)メルトフロー
レートが1〜20g/10min.のプロピレン(共)重合体1
0〜90重量%、(B)エチレンと炭素数3〜12のα
ーオレフィンとを共重合させて得られる下記(I )〜
(IV)の性状を満足するエチレン・αーオレフィン共重
合体90〜10重量%、 (I )密度0.860〜0.910g/cm3 (II)示差走査熱量測定法(DSC)による最大ピーク
温度(Tm)100℃以上 (III )沸騰nーヘキサン不溶分 10重量%以上 (IV)メルトフローレート 0.1〜2.0 g/10mi
n. からなり、かつ(A)(B)成分のメルトフローレート
の比が(A)/(B)=5〜20および/または結晶化
温度差が5℃以上である組成物をTダイ法により、成形
温度200℃〜250℃で押出し、マットロールおよび
/またはタッチロールの表面温度を30℃以下に保ちな
がら成形することを特徴とするマット性フィルムの製造
方法である。
【0007】以下本発明の内容を詳述する。本発明で使
用する(A)プロピレン(共)重合体は、プロピレンの
単独重合体、プロピレンを主成分とする他のα−オレフ
ィンとのブロック共重合体あるいはランダム共重合体な
どの公知のポリプロピレン(共)重合体を使用すること
ができる。該ポリプロピレン(共)重合体のメルトフロ
ーレート(以下MFRと略す)1〜20g/10min.、好
ましくは4〜18g/10min.の範囲から選択するのがよ
い。上記(A)ポリプロピレン(共)重合体の配合量は
10〜90重量%である。90重量%より多いと柔軟性
に欠け、10重量%より少ないと耐熱性が劣るので、こ
の範囲から選択するのがよい。
【0008】本発明に使用する(B)エチレン・αーオ
レフィン重合体とは、密度が0.860〜0.910 g
/cm3 であり、示差走査熱量測定法(DSC)による最
大ピーク温度(Tm )100℃以上、かつ沸騰n−ヘキ
サン不溶分10重量%以上の性状を有し、直鎖状低密度
ポリエチレンとエチレン−α−オレフィン共重合体ゴム
との中間の性状を示すポリエチレン(VLDPEと称す
る)である。更に詳しくは、エチレンと炭素数3〜12
のαーオレフィンとの共重合体であって、このVLDP
EはLLDPEが示す高結晶部分とエチレン−α−オレ
フィン共重合体ゴムが示す非晶部分とを合わせ持つ樹脂
であって、前者の特徴である機械的強度、耐熱性など
と、後者の特徴である自己粘着性、ゴム状弾性、耐低温
衝撃性などがバランスよく共存しており、本発明に用い
るときは極めて有用である。
【0009】具体的なαーオレフィンとしては、プロピ
レン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1ーヘ
キセン、1−オクテン、1−ドデセンなどを挙げること
ができる。これらのうちとくに好ましいのは1−ブテ
ン、4−メチル−1−ペンテン、1ーヘキセン、1−オ
クテンである。エチレン共重合体中のαーオレフィン含
有量は5〜40モル%であることが好ましい。
【0010】該VLDPEは、少なくともマグネシウム
及びチタンを含有する固体触媒成分と有機アルミニウム
化合物とからなる触媒系を用いて製造することができ
る。該固体触媒成分としては、金属マグネシウム;水酸
化マグネシウム;酸化マグネシウム;塩化マグネシウム
などのマグネシウム塩;ケイ素、アルミニウム、カルシ
ウム;炭酸マグネシウムから選ばれる元素とマグネシウ
ム原子とを含有する複 塩、複酸化物、炭酸塩、塩化
物、あるいは水酸化物など;さらにはこれらの無機質固
体化合物を含酸素化合物、含硫黄化合物、芳香族炭化水
素、ハロゲン含有物質で処理または反応させたものなど
マグネシウムを含む無機質固体化合物にチタン化合物を
公知の方法により担持させたものが挙げられる。
【0011】上記の含酸素化合物としては、たとえば
水;アルコール、フェノール、ケトン、アルデヒド、カ
ルボン酸、エステル、ポリシロキサン、酸アミドなどの
有機含酸素化合物;金属アルコキシド、金属のオキシ塩
化物などの無機系含酸素化合物を例示することができ
る。
【0012】含硫黄化合物としては、チオール、チオエ
ーテルのような有機、含硫黄化合物、二酸化硫黄、三酸
化硫黄、硫酸のような無機硫黄化合物を例示することが
できる。
【0013】芳香族炭化水素としては、ベンゼン、トル
エン、キシレン、アントラセン、フェナントレンのよう
な各種の単環および多環および多環の芳香族炭化水素化
合物を例示することができる。
【0014】ハロゲン含有物質としては、塩素、塩化水
素、金属塩化物、有機ハロゲン化物のような化合物を例
示することができる。
【0015】一方マグネシウムを含む無機質固体化合物
に担持させるチタン化合物としては、チタンのハロゲン
化物、アルコキシハロゲン化物、アルコキシド、ハロゲ
ン化酸化物などを挙げることができる。チタン化合物と
しては4価のチタン化合物と3価のチタン化合物が好適
であり、4価のチタン化合物としては具体的には一般式
Ti(OR)n4-n (ここでRは炭素数1〜20のアル
キル基、アリ−ル基またはアラルキル基を示し、Xはハ
ロゲン原子を示し、nは0≦n≦4の整数である)で示
されるものが好ましく、四塩化チタン、四臭化チタン、
四ヨウ化チタン、モノメトキシトリクロロチタン、ジメ
トキシジクロロチタン、トリメトキシモノクロロチタ
ン、テトラメトキシチタン、モノエトキシトリクロロチ
タン、ジエトキシジクロロチタン、トリエトキシモノク
ロロチタン、テトラエトキシチタン、モノイソプロポキ
シトリクロロチタン、ジイソプロポキシジクロロチタ
ン、トリイソプロポキシモノクロロチタン、テトライソ
プロポキシチタン、モノブトキシトリクロロチタン、ジ
ブトキシジクロロチタン、モノペントキシトリクロロチ
タン、モノフェノキシトリクロロチタン、テトラフェノ
キシチタンなどを挙げることができる。
【0016】3価のチタン化合物としては、四塩化チタ
ン、四臭化チタンなどの四ハロゲン化チタンを水素、ア
ルミニウム、チタンあるいは周期律表I 〜III 族金属の
有機金属化合物により還元して得られる三ハロゲン化チ
タンが挙げられる。また一般式Ti(OR)m4-m
(ここでRは炭素数1〜20のアルキル基、アリ−ル基
またはアラルキル基を示し、Xはハロゲン原子を示し、
mは0≦m≦4の整数である)で示される4価のハロゲ
ン化アルコキシチタンを周期律表I 〜III 族金属の有機
金属化合物により還元して得られる3価のチタン化合物
が挙げられる。これらのチタン化合物のうち、4価のチ
タン化合物がとくに好ましい。
【0017】他の触媒系の例としては、固体触媒成分と
していわゆるグリニャール化合物などの有機マグネシウ
ムとチタン化合物との反応生成物を用いることができ
る。また他の触媒系の例としては、固体触媒成分として
SiO2 、Al23 などの無機酸化物と前記の少なく
ともマグネシウム及びチタンを含有する固体触媒を接触
させて得られる固体物質を用いることもできる。
【0018】上記した固体触媒成分と組み合わせるべき
有機アルミニウム化合物の具体的な例としては、一般式
3 Al、R2 AlX、RAlX2 、R2 AlOR、R
Al(OR)X およびR3 Al23 の有機アルミニウ
ム化合物(ここでRは炭素数1〜20のアルキル基、ア
リ−ル基またはアラルキル基を示し、Xはハロゲン原子
を示し、Rは同一でもまた異なってもよい)で示される
化合物が好ましく、トリエチルアルミニウム、トリイソ
ブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリ
オクチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリ
ド、ジエチルアルミニウムエトキシド、エチルアルミニ
ウムセスキクロリドおよびこれらの混合物などが挙げら
れる。
【0019】有機アルミニウム化合物の使用量は特に制
限されないが、通常チタン化合物に対して0.1〜1,
000モル倍使用することができる。
【0020】重合反応は通常のチグラー型触媒によるオ
レフィンの重合反応と同様にして行われる。すなわち反
応はすべて実質的に酸素、水などを絶った状態で、気相
または不活性溶媒の存在かもしくはモノマー自体を溶媒
とする液相で行われるが、その中でも気相法が好まし
い。オレフィンの重合反応は温度20〜300℃、好ま
しくは40〜200℃であり、圧力は常圧ないし70k
g/cm2 G、好ましくは2kg/cm2 Gないし60
kg/cm2 Gである。分子量の調節は重合温度、触媒
のモル比などの重合条件を変えることによってもある程
度可能であるが、重合系中に水素を添加することにより
効果的に行われる。
【0021】水素濃度、重合温度などの重合条件の異な
った2段階またはそれ以上の多段階の重合反応もなんら
支障なく用いて製造することもできる。
【0022】本発明に用いる (B)エチレン・αーオレ
フィン共重合体であるVLDPEは、固体触媒成分とし
て従来のバナジウムを主体とする固体触媒成分あるいは
従来のチタンを主体とする固体触媒成分を使用して得ら
れるエチレン・αーオレフィン共重合体とは明確に区別
される。両者は共重合体を構成するモノマーが同一であ
り、かつ密度が同一であっても、DSCによるTm は本
発明の共重合体の方が高く、また沸騰C6 不溶分は本発
明の共重合体が10重量%以上であるのに対し、バナジ
ウム含有触媒や従来のチタン含有触媒を用いた場合は同
不溶分が存在しないか、または極めて少量である。
【0023】以上のようにして合成された本発明に用い
る (B)エチレン・αーオレフィン共重合体は、密度
が0.860〜0.910g/cm3 であることが肝要
であり、好ましくは0.880〜0.905g/cm3
である。またDSCによる最大ピーク温度(Tm )は1
00℃以上、沸騰n−ヘキサン不溶分(C6 不溶分)は
10重量%以上が必要であり、好ましくは20〜95重
量%である。MFRは0.1〜2.0g/10min.、好まし
くは0.3〜1.5g/10min.の範囲から選択するのがよ
い。
【0024】本発明に用いる (B)エチレン・αーオ
レフィン共重合体の配合量は90〜10重量%である。
90重量%より多いと引張弾性率の低下により腰が弱く
なり、10重量%より少ないと柔軟性に欠けるので、こ
の範囲から選択するのがよい。
【0025】本発明のマット性フィルムが優れたマット
性を有する理由は次のように推測されるが、この考え方
に限定されるものではない。通常、ポリプロピレンとエ
チレン−α−オレフィン共重合体などのような異なる2
種のポリオレフィンは溶融混和性は比較的良いが、本来
非相溶性であり、両者を均一に溶融混合した後、冷却し
て得られる固体状態ではそれぞれの相に分かれて結晶化
するが、その結晶構造の間には結晶同志が交錯した幅広
い界面成長が起こる。このように両者の結晶同志が交錯
した固体構造中を光が通過すると、光の散乱が起こるの
で不透明さを表す内部ヘイズ値が上昇してマット性が付
与されるが、未だ十分ではない。若し両者の結晶同志が
交錯せず、両者が明確に分離したミクロ相分離構造をと
るとすれば、両結晶間の屈折率の差異が大きくなるので
充分に大きな内部ヘイズ値が得られるものと考えられ
る。
【0026】本発明においても、上記(A)および
(B)成分はいずれもポリオレフィン系ポリマーであ
り、溶融混和性は比較的良いが本来非相溶性であり、両
者を均一に溶融混合した後、冷却して得られる固体状態
ではそれぞれの相に分かれて結晶化する。然し、本発明
においては、(A)と(B)両成分のMFRの比(A M
FR)/(B MFR)を5〜20の範囲として、溶融体に流
動性の差を持たせること、および両成分の結晶化温度を
5℃以上差を持たせることにより、両者を均一に溶融混
合した後の冷却過程において、(A)成分と(B)成分
との結晶は明確に分離したミクロ相分離構造となる。こ
のようなミクロ相分離構造においては、(A)成分と
(B)成分の内、配合量の多い成分が連続相になり、配
合量の少ない方の成分が分散相となり、連続相の中に適
度な大きさの粒径を持った分散相が介在する結晶の海・
島構造となっている。そして上記ミクロ相分離構造を有
することにより、両結晶間の屈折率の差異が大きくなる
ため優れたマット性を示すようになる。
【0027】この冷却過程における結晶化および上記ミ
クロ相分離構造の発生は、冷却を急速に行うことにより
一層促進されるので、内部ヘイズ値を上昇せしめマット
性改善効果を高めることができる。
【0028】さらに、本発明においては上記(A)、
(B)成分に対して、各成分を混合溶融し、成形する
際、必要に応じて帯電防止剤、防曇剤、有機フィラー、
酸化防止剤、滑剤、有機あるいはは無機系顔料、紫外線
防止剤、分散剤、可塑剤、核剤などの公知の添加剤をマ
ット性フィルムの物性を阻害しない範囲で添加すること
ができる。
【0029】本発明のマット性フィルムの製造方法は、
(A)、(B)成分からなる組成物をTダイ法により、
成形温度200℃〜250℃で押出し、マットロールお
よび/またはタッチロールの表面温度を30℃以下に保
ちながら成形することによって製造することができる。
該成形温度が250℃以上であるとマット性が悪化する
おそれがあり、200℃未満であると溶融ムラ、表面荒
れなどの問題が生じる。また該冷却温度が30℃以上で
あるとグロス(60゜)が20%以上になるため好まし
くない。
【0030】マットロールはエンボスロールの一種であ
り、公知のものを用いることができるが、好ましくは金
属のチルロールにマット性を付与したものがよい。タッ
チロールも公知のものを用いることができるが、シリコ
ンゴム、NBRなどの合成ゴム製のものが好ましく、軟
らかいものが良いが、フィルムやシートが粘着したり、
摩耗するのでショアA硬度で70〜90の範囲から選択
することが望ましい。
【0031】
【実施例】次に実施例により本発明を更に詳しく説明す
るが、本発明はこれらによって限定されるものではな
い。実施例および比較例において使用する(A)、
(B)成分を以下に示す。
【0032】(A)成分: (a)ポリプロピレン [密度=0.905g/cm3、MFR=8g/10min.、結晶
化温度=117℃ 商品名:日石ポリプロ J150G、日本石油化学
(株)製] (b)ポリプロピレン [密度=0.905g/cm3、MFR=8g/10min.、結晶
化温度=110℃ 商品名:日石ポリプロ J350G、日本石油化学
(株)製] (c)ポリプロピレン [密度=0.905g/cm3、MFR=2g/10min.、結晶
化温度=104℃ 商品名:日石ポリプロ J420G、日本石油化学
(株)製]
【0033】(B)成分:エチレン・α-オレフィン共
重合体(VLDPE) 実質的に無水の塩化マグネシウム、1,2-ジクロロエタ
ンおよび四塩化チタンから得られた固体触媒とトリエチ
ルアルミニウムとからなる触媒を用いて、エチレンと1
-ブテンとを気相法により共重合させてエチレン・1-ブ
テン共重合体を得た。
【0034】 (d)VLDPE [密度=0.900g/cm3 、MFR=0.5g/10min.、
結晶化温度=102℃、Tm =118℃、1- ブテン含
量=10モル%、沸騰C6 不溶分=60重量%] (e)VLDPE [密度=0.905g/cm3 、MFR=1.0g/10min.、
結晶化温度=103℃、Tm =119℃、1- ブテン含
量=10モル%、沸騰C6 不溶分=62重量%] (f)L−LDPE [密度=0.922g/cm3 、MFR=2.0g/10min.結
晶化温度=108℃商品名:日石リニレックス AF3
310、日本石油化学(株)製] (g)L−LDPE [密度=0.920g/cm3 、MFR=2.0g/10min.結
晶化温度=106℃商品名:日石リニレックス AF1
210、日本石油化学(株)製]
【0035】VLDPEのTm およびC6 不溶分の測定
方法: (DSCによるTm の測定法) 熱プレス成形した厚さ100μmのフィルムから約5m
gの試料を精秤し、これをDSC装置にセットし、17
0℃に昇温して同温度で15min保持した後、降温速
度2.5℃/minで0℃まで冷却する。次にこの状態
から昇温速度10℃/minで170℃まで昇温を行
い、0℃から170℃まで昇温する間に現われたピーク
のうち最大のものの頂点の位置の温度をもってTm とす
る。
【0036】(沸騰nーC6 不溶分の測定法)熱プレス
を用いて厚さ200μmのシートを成形し、これから2
0mm×30mmのシートを3枚切り取り、それらにつ
いて二重管式ソックス レー抽出器を用い沸騰n−ヘキ
サンで5hr抽出を行う。n−ヘキサン不溶分を取り出
し、真空乾燥(7hr、50℃)後、次式によりC6 不
溶分(重量%)を算出する。 表1に示す配合の組成物を用いてフィルムを作りその
性能を測定して行った。フィルムの成形装置ならびに条
件および物性試験方法の詳細は下記のとおりである。
【0037】(成形装置および条件)押出機[田辺機械
製50mmФ押出機、スクリューL/D=22フルフラ
イトタイプ、ダイス=600mm巾コートハンガーダイ
(リップギャップ1.0mm)、冷却=ロール冷却法] 押出温度 230℃(シリンダー温度230℃、T
ダイ温度230℃) 金属マットロール タッチロール:シリコンラバーロール(硬度ショアA
80度) 冷却温度 20〜25℃(金属マットロール) 製膜速度 5m/min フィルム厚み 100μm
【0038】(物性試験方法) 密度 : JIS K6758 MFR : 〃 結晶化温度 : JIS K7121 ヘイズ : ASTM D1003 グロス : JIS Z8741 引張破断強度: JIS K6758 引張破断伸び: 〃 引裂強度 : ASTM D1922−61T 引張弾性率 : 日石化学試験法 実施例1〜5、比較例1〜3の試験結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】本発明のポリオレフィン系マット性フィ
ルムは、(A)プロピレン(共)重合体(PP)と
(B)特定のエチレン・αーオレフィン共重合体(超低
密度ポリエチレン:VLDPE)とを特定量配合した組
成物を用いることにより、高級感があり、マット性、引
張弾性率、柔軟性、耐衝撃性、耐熱性、貼合性、難白化
性、耐傷付き性などに優れており、このため粘着テープ
基材、文具カバーやケース、ファッションバッグ、建築
内装材、自動車内装材、などのフィルムとして有効に利
用される。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 23:08 23:10 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 5/18 CES C08L 23/08 C08L 23/10

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)メルトフローレートが1〜20g/10
    min.のプロピレン(共)重合体10〜90重量%、 (B)エチレンと炭素数3〜12のαーオレフィンとを
    共重合させて得られる下記(I )〜(IV)の性状を満足
    するエチレン・αーオレフィン共重合体90〜10重量
    %、 (I )密度0.860〜0.910g/cm3 (II)示差走査熱量測定法(DSC)による最大ピーク
    温度(Tm)100℃以上 (III )沸騰nーヘキサン不溶分 10重量%以上 (IV)メルトフローレート 0.1〜2.0 g/10mi
    n. からなり、かつ(A)、(B)成分のメルトフローレー
    トの比が(A)/(B)=5〜20および/または結晶
    化温度差が5℃以上である組成物を含むマット性フィル
    ム。
  2. 【請求項2】 上記マット性フィルムがグロス(60
    °)で20%以下である請求項1に記載のマット性フィ
    ルム。
  3. 【請求項3】(A)メルトフローレートが1〜20g/10
    min.のプロピレン(共)重合体10〜90重量%、 (B)エチレンと炭素数3〜12のαーオレフィンとを
    共重合させて得られる下記(I )〜(IV)の性状を満足
    するエチレン・αーオレフィン共重合体90〜10重量
    %、 (I )密度0.860〜0.910g/cm3 (II)示差走査熱量測定法(DSC)による最大ピーク
    温度(Tm)100℃以上 (III )沸騰nーヘキサン不溶分 10重量%以上 (IV)メルトフローレート 0.1〜2.0 g/10mi
    n. からなり、かつ(A)(B)成分のメルトフローレート
    の比が(A)/(B)=5〜20および/または結晶化
    温度差が5℃以上である組成物をTダイ法により、成形
    温度200℃〜250℃で押出し、マットロールおよび
    /またはタッチロールの表面温度を30℃以下に保ちな
    がら成形することを特徴とするマット性フィルムの製造
    方法。
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