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JP3140194U - 歯ブラシ用のフィラメント及び歯ブラシ - Google Patents

歯ブラシ用のフィラメント及び歯ブラシ Download PDF

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Abstract

【課題】歯面のみならず歯間部の歯垢を効率よく刷掃できるとともに、着色汚れの原因となるステインを効率よく除去することが可能な歯ブラシを提供する。
【解決手段】植毛部12に複数の刷毛束13が植毛されてなり、刷毛束13は、複数の歯ブラシ用のフィラメント14が束ねられてなり、フィラメント14は、芯成分と鞘成分とからなる芯鞘構造を有しており、前記芯成分が熱可塑性エラストマーから構成され、フィラメント14の断面形状が多角形状とされ、フィラメント14の毛先部には扁平状のへら部が形成され、へら部において芯成分が鞘成分から露出されていることを特徴とする歯ブラシを採用する。
【選択図】図2

Description

本考案は、歯ブラシ用のフィラメント及び歯ブラシに関する。
例えば、口腔洗浄用のブラシである歯ブラシは、刷毛束を構成するフィラメントの先端形状の違いによって、その刷掃性や歯茎への負荷などが大きく異なるために、これまでにも様々な形状のものが提案されている。
例えば、特許文献1には、十分な歯垢除去力が得られるように、植毛部の中央部分に大径刷毛束を配設し、その外側に小径刷毛束を配設し、更に小径刷毛束の毛先高さを大径刷毛束よりも低くすることで、柔らかい感触と、十分な歯垢除去能力とが奏されるとした歯ブラシが開示されている。
また、特許文献2には、外側刷毛束のフィラメント長を内側刷毛束のフィラメント長よりも高低差で0.5〜1.0mm程度長くすることで、凹凸のある歯面、歯頸部または歯間部を効率よく刷掃できるとされた歯ブラシが開示されている。
特開2001−353025号公報 特開2000−14451号公報
しかし、従来の歯ブラシはいずれも、歯の表面に付着した食物残渣や細菌である歯垢の除去能力には優れる。しかし、歯の表面には、お茶、コーヒー、紅茶または赤ワインなどの飲食物やたばこに含まれるステインが着色汚れとして付着する場合があり、このステインは、従来の歯ブラシでは除去が不十分になるおそれがあった。
本考案は、上記事情に鑑みてなされたものであって、歯面のみならず歯間部の歯垢を効率よく刷掃できるとともに、着色汚れの原因となるステインを効率よく除去することが可能な歯ブラシ及び歯ブラシ用のフィラメントを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本考案は以下の構成を採用した。
本考案の歯ブラシ用のフィラメントは、芯成分と鞘成分とからなる芯鞘構造の歯ブラシ用のフィラメントであって、前記芯成分が熱可塑性エラストマーから構成されるとともに、前記鞘成分が硬質熱可塑性樹脂から構成され、また、前記フィラメントの断面形状が多角形状とされるとともに、前記フィラメントの毛先部には前記フィラメントの毛先に向かうに従って扁平となるへら部が形成され、更に、前記へら部において前記芯成分が前記鞘成分から露出されていることを特徴とする。
また、本考案の歯ブラシは、植毛部に複数の刷毛束が植毛されてなる歯ブラシであって、前記刷毛束は、複数の歯ブラシ用のフィラメントが束ねられてなり、前記フィラメントは、芯成分と鞘成分とからなる芯鞘構造を有しており、前記芯成分が熱可塑性エラストマーから構成されるとともに、前記鞘成分が硬質熱可塑性樹脂から構成され、また、前記フィラメントの断面形状が多角形状とされるとともに、前記フィラメントの毛先部には前記フィラメントの毛先に向かうに従って扁平となる扁平状のへら部が形成され、更に、前記へら部において前記芯成分が前記鞘成分から露出されていることを特徴とする。
また、本考案の歯ブラシにおいては、前記複数のフィラメントにおける前記扁平状のへら部が、相互に同一方向に配向されていることが好ましい。
更に、本考案の歯ブラシにおいては、前記フィラメントの前記へら部以外の部分において、前記芯成分となる前記熱可塑性エラストマーが、前記フィラメントの断面視多角形状を構成する端面の幅方向中央部に露出されていることが好ましい。
更にまた、本考案の歯ブラシにおいては、前記植毛部に植毛穴が設けられ、前記植毛穴に前記刷毛束の折り返し部が刷毛束固定用の平線を挟んだ状態で挿入され、前記平線の両端部が前記植毛穴の壁面に係止されていることが好ましい。
上記の歯ブラシ用のフィラメントによれば、フィラメントの毛先部にへら部が形成されるとともに、へら部において芯成分が鞘成分から露出されているので、歯ブラシの歯垢またはステインの除去能力を向上できる。特に、毛先部にへら部を形成することによって、毛先部の歯間侵入性を向上させて、歯垢及びステインの除去能力が高められる。また、へら部に芯成分が露出されることで、芯成分である熱可塑性エラストマーがステインに作用してステインの除去能力が大幅に高められる。
また、上記の歯ブラシによれば、フィラメントの毛先部にへら部が形成されるとともに、へら部において芯成分が鞘成分から露出されているので、歯ブラシの歯垢またはステインの除去能力を向上できる。特に、毛先部にへら部を形成することによって、毛先部の歯間侵入性を向上させて、歯垢及びステインの除去能力が高められる。また、へら部に芯成分が露出されることで、芯成分である熱可塑性エラストマーがステインに作用してステインの除去能力が大幅に高められる。
また、上記の歯ブラシによれば、扁平状のへら部が、相互に同一方向に配向されているので、芯成分である熱可塑性エラストマーの露出部が同一方向を向くことになり、これにより熱可塑性エラストマーによるステイン除去能力を大幅に高められる。
更に、上記の歯ブラシによれば、芯成分となる熱可塑性エラストマーが、フィラメントの断面視多角形状を構成する端面の幅方向中央部に露出されているので、へら部以外の部分においても、熱可塑性エラストマーの露出部が同一方向を向くことになり、これにより熱可塑性エラストマーによるステイン除去能力を大幅に高められる。
また、平線を用いて刷毛束を植毛穴に植え込むことで、植毛穴においてフィラメント14同士が稠密に束ねられ、これにより刷掃効果をより高めることができる。
本考案によれば、歯面のみならず歯間部の歯垢を効率よく刷掃できるとともに、着色汚れの原因となるステインを効率よく除去することが可能な歯ブラシ及び歯ブラシ用のフィラメントを提供できる。
以下、本考案の実施の形態を図面を参照して説明する。
(歯ブラシ)
先ず、本考案を適用した歯ブラシの一例について説明する。
図1は、本考案を適用した歯ブラシ1を示す側面図であり、図2は、図1に示す歯ブラシ1の要部を拡大して示す側面図である。
この歯ブラシ1は、図1に示すように、長尺状の柄部11と、この柄部11の先端に柄部11と一体に成形された植毛部12とを備えている。柄部11は、使用者が把持する部分であり、植毛部12には、複数の刷毛束13が植毛されている。
柄部11の材料としては、特に限定されないものの、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、飽和ポリエステル樹脂、ポリメタクリル酸メチル、プロピオン酸セルロース、ポリウレタン、ポリアミド、ABS(アクロル二トリル・ブタジエン・スチレン)などの合成樹脂材料を用いることができる。このうち、コストの点では、ポリプロピレンを用いることが好ましく、透明性の点では、飽和ポリエステル樹脂を用いることが好ましい。
刷毛束13は、図2に拡大して示すように、複数本の刷毛(フィラメント)14を束ねて二つ折りにし、その間に平線15と呼ばれる抜止め材を挟んで植毛部12の一面(植毛面)12aに設けられた植毛穴16に植設されている。平線15は、その長手方向の両端部が、植毛穴16の壁面に係止されて固定されている。なお、植毛穴16は、植毛部12の長さ方向と幅方向とに複数の列をなして設けられている。そして、この植毛穴16の1つ1つにフィラメント14からなる毛束13が植設されている。
また、植毛穴16の開口形状は、必ずしも限定されず、円形、長方形、正方形、六角形等の様々な形状が選択可能である。植毛穴16の径は、密毛仕様とする場合、1.0mm以上であることが好ましい。これにより、密毛仕様に求められるしっかりとした刷掃実感を担保することができる。なお、穴径の上限は、使用感や植毛部12の強度などの品質を担保されていれば特に限定されるものではない。
また、隣接する植毛穴16の間の間隔は、広くなり過ぎると、刷毛束13の挙動により生じる効果が低下することになる。したがって、隣接する植毛穴16の間の間隔(植毛穴間の最内距離)は、密毛仕様とする場合、植毛部12の強度を確保できる範囲で小さくすることが好ましく、具体的には0.6〜1.0mmの範囲とすることが好ましい。
刷毛束13は、各フィラメント14の毛丈が揃っていてもよく、不揃いであってもよい。また、刷毛束13の毛先輪郭形状(毛切り形状)も、いわゆる平切りにより刷毛束13の先端を平らに剪定した図2に示す形状以外にも、例えば、図3(a)〜(c)に示すように、いわゆる山切りにより刷毛束13の先端を凹凸に剪定した形状や、また、図3(d),(e)に示すように、刷毛束13を全体的に所定の曲率で凸状又は凹状に剪定した形状とすることもできる。
なお、植毛穴16に対する刷毛束13の固定方法としては、上述した図2に示す平線15を用いて固定する平線植毛法以外にも、毛束13の下端を植毛部12となる溶融樹脂中へ圧入して固定する熱融着法や、毛束13の下端を加熱して溶融塊を形成した後に、金型中に溶融樹脂を注入して植毛部12と一体に成形するインモールド法などを用いることができる。また、刷毛束13は、植毛部12の植毛面12aに対して必ずしも垂直に植設される必要はなく、例えば特定方向の歯垢の掻き取り効果を高める目的で、任意の角度に傾斜させて植設してもよい。
次に、上記の歯ブラシの刷毛束13を構成するフィラメント14について説明する。
本考案に係るフィラメント14は、芯成分と鞘成分とからなる芯鞘構造を有しており、芯成分が熱可塑性エラストマーから構成されるとともに、鞘成分が硬質熱可塑性樹脂から構成されている。また、本考案に係るフィラメント14は、断面形状が多角形状とされている。図4(a)に、フィラメントの一例を模式図で示す。図4(a)には、フィラメント14の正面図、側面図及び平面図を表している。
図4(a)に示すフィラメント14は、横断面視したときに四角形状を有している。そしてこのフィラメント14は、横断面の中心に位置する略十字形状の芯成分と、この芯成分を被覆する鞘成分とから構成されている。図4(a)において、黒で塗りつぶされている部分が芯成分である熱可塑性エラストマーであり、塗りつぶされていない部分が鞘成分である硬質熱可塑性樹脂である。
芯成分を構成する熱可塑性エラストマーとしては、ポリオレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリスチレン系エラストマーを例示できる。また、鞘成分を構成する硬質熱可塑性樹脂としては、6,6,−ナイロン,6,10−ナイロン,6,12−ナイロン等のポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート,ポリエチレンテレフタレート,ポリトリメチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂を例示できる。
これらの芯成分及び鞘成分によって芯鞘構造を形成するには、例えば、共押出等の手段を用いればよい。
また、フィラメント14は、ほぼ均一な横断面形状を有することが好ましく、横断面形状が多角形状であることが好ましく、具体的には、三角形、四角形、六角形など必要に応じて任意の形状を選択できる。
フィラメント14の長さ(毛丈)は、植毛部12の植毛面12aから、大人用で8mm〜13mm、子供用で6mm〜9mmとすることが好ましい。フィラメント14の太さ(最大径)は、口腔内の使用性や使用感の点から、0.12mm〜0.26mmであることが好ましい。0.12mm以下の場合、腰が弱すぎ、0.26mm以上の場合、硬くなりすぎ、使用感が悪くなる。なお、フィラメント14は、太さが同じもの以外にも、太さが異なるものを混ぜて使用してもよい。すなわち、フィラメント14の太さが0.12mm〜0.26mmの範囲内であれば、使用性や使用感、清掃効果等を考慮して太さの異なるものを適宜選択して使用することができる。例えば、0.152mmと0.178mmの刷毛や、0.178mmと0.203mmのフィラメントといった組み合わせによる使用も可能である。
また、本考案を適用した歯ブラシ1は、例えば図4(a)に示すように、上述した植毛部12に植毛された複数の刷毛束13が、毛先に向かうに従って扁平となるヘラ状のフィラメント14からなる。具体的に、このフィラメント14は、その相対する側面を平坦化した一対のテーパー面14b,14bを有し、且つ、一対のテーパー面14b,14bが例えば、フィラメント14の先端部から全長Tの5〜90%の領域Sに亘って設けられている。また、フィラメント14の先端から0.1mmの位置における最小幅Wは、30μm以上、100μm以下である。このようにして本考案に係るフィラメント14の毛先部には、テーパー面14b,14bからなる扁平状のへら部14cが形成されている。
フィラメント14の毛先をへら状に加工するには、相対する研磨方向でへら加工し、表面を仕上げるといった公知の方法で加工すればよい。
ここで、一対のテーパー面14b,14bが形成される領域Sが刷毛14の先端部から全長Tの5%未満であると、毛先部分の毛腰だけが弱くなり、刷毛全体がしなやかに撓まず、歯茎への当たり心地が悪くなる。一方、一対のテーパー面14b,14bが形成される領域Sがフィラメント14の先端部から全長Tの90%以上であると、刷毛束13を構成するフィラメント14の全てに対して、このようなテーパー面14b,14bをフィラメント14の根元部分まで研磨加工により形成することが困難となる。
したがって、一対のテーパー面14b,14bは、フィラメント14の先端部から全長Tの5〜90%の領域Sに亘って設けられていることが好ましく、より好ましくは20〜70%である。また、一対のテーパー面14b,14bが形成される領域Sの下限については、フィラメント14の先端部から全長Tの50%以上とすることが更に好ましい。これにより、刷毛全体がしなやかに撓み、非常に歯茎への当たり心地に優れたものとなる。
また、図4(a)に示すフィラメント14は、上述のように、芯成分が鞘成分によってほぼ被覆されているが、へら部14cを構成するテーパー面14b,14bにおいては、芯成分である熱可塑性エラストマーが鞘成分から露出されている。
また、図4(a)の側面図及び平面図に示すように、フィラメント14のへら部14c以外の部分においては、芯成分となる熱可塑性エラストマーが、フィラメント14の断面視四角形状を構成する端面14dの幅方向中央部に露出されている。この芯成分の露出部は、各端面14dにおいて、フィラメント14の長手方向に沿って延在している。
なお、フィラメント14は、上述した図4(a)に示すものに限られず、例えば、図4(b)〜(i)に示すようなものでもよい。
図4(b)に示すフィラメントは、横断面視長方形であり、横断面視したときに長方形の長手方向に沿って芯成分が帯状に配置されている。鞘成分は、この帯状の芯成分を両側から挟むように配置されている。そしてこの帯状の芯成分が、毛先部においてテーパー面14b,14bから露出されている。また、へら部14c以外の部分において、横断視四角形のフィラメント14を構成する端面14dのうち、相互に対向する端面14dの幅方向中央部から帯状の芯成分が露出されている。
また、図4(c)に示すフィラメント14は、横断面視長方形であり、横断面視したときに長方形の長手方向に沿って芯成分が略H形状に配置されている。鞘成分は、このH形状の芯成分を両側から挟んで被覆するように配置されている。そしてこの芯成分が、毛先部においてテーパー面14b,14bから露出されている。また、へら部14c以外の部分において、横断視長方形のフィラメント14を構成する端面14dから芯成分が露出されている。
また、図4(d)に示すフィラメントは、横断面視長方形であり、横断面視したときに長方形の長手方向及び短手方向に沿って芯成分が略十字状に配置されている。鞘成分は、この十字形状の芯成分を完全に被覆するように配置されている。そして芯成分が、毛先部においてテーパー面14b,14bから露出されている。
また、図4(e)に示すフィラメントは、横断面視長方形であり、横断面視したときに長方形の長手方向に沿って芯成分が帯状に配置されている。鞘成分は、この芯成分を完全に被覆するように配置されている。そして芯成分が、毛先部においてテーパー面14b,14bから露出されている。
また、図4(f)に示すフィラメントは、横断面視長方形であり、横断面視したときに長方形の長手方向に沿って芯成分が略H形状に配置されている。鞘成分は、このH形状の芯成分を完全に被覆するように配置されている。そしてこの芯成分が、毛先部においてテーパー面14b,14bから露出されている。
また、図4(g)に示すフィラメントは、横断面視正三角形であり、横断面視したときにこの正三角形を構成する各端面14dの中心部を結ぶように芯成分が逆三角形状に配置されている。鞘成分は、この逆三角形状の芯成分を被覆するように配置されている。そしてこの芯成分が、毛先部においてテーパー面14b,14bから露出されている。また、へら部14c以外の部分において、横断視三角形のフィラメント14を構成する各端面14dの幅方向中央部から帯状の芯成分が露出されている。
また、図4(h)に示すフィラメントは、横断面視正六角形であり、横断面視したときにこの正六角形を構成する各端面14dの中心部を結ぶように芯成分が星状に配置されている。鞘成分は、この芯成分を被覆するように配置されている。そしてこの芯成分が、毛先部においてテーパー面14b,14bから露出されている。また、へら部14c以外の部分において、横断視六角形のフィラメント14を構成する各端面14dの幅方向中央部から芯成分が露出されている。
また、図4(i)に示すフィラメントは、横断面視正六角形であり、横断面視したときにこの正六角形を構成する各端面14dの中心部を結ぶように芯成分が星状に配置されている。鞘成分は、この芯成分を完全に被覆するように配置されている。そしてこの芯成分が、毛先部においてテーパー面14b,14bから露出されている。
図5には、平線15によって植毛穴16に植毛された刷毛束13の断面模式図を示す。図5(a)に示す刷毛束13は、図4(g)に示した断面視三角形のフィラメント14を束ねて構成されている。図5(a)に示すように、断面視三角形のフィラメント14を束ねて平線15を用いて植毛穴16に植え込むことで、植毛穴16においてフィラメント14同士が稠密に束ねられる。特に、植毛穴16の開口形状が円形なので、刷毛束13の断面形状が、平線15を挟んでほぼ正六角形になる。植毛後に、フィラメント14の毛先部にへら加工を施すことで、各フィラメント14に形成されたへら部14cのテーパー面14bが同一方向に向けられて配向している。
また、図5(a)に示す刷毛束13が断面視正六角形状となるため、平線15を例えば60°回転させても、芯成分を構成する熱可塑性エラストマーの断面形態が回転前後でほぼ等価となる。従って、図6(a)に示すように、隣接する植毛穴16同士における平線15の角度を60°ずらせてもよい。刷毛束13は、平線15と平行な方向に撓みにくく、平線15と直交する方向には撓みやすいという特性があるので、一つの植毛部12において、異方性のある刷毛束13を同時に植毛することが可能になる。
次に、図5(b)には、図4(h)に示した断面視六角形のフィラメント14からなる刷毛束13の断面構造を示している。図5(b)に示すように、断面視六角形のフィラメント14を束ね、これを平線15を用いて円形の植毛穴16に植え込むことで、図5(a)の場合と同様に、植毛穴16においてフィラメント14同士が稠密に束ねられる。植毛した後に、フィラメント14の毛先部にへら加工を施すことで、各フィラメント14に形成されたへら部14cのテーパー面14bが同一方向に向けられて配向している。
次に、図5(c)には、図4(a)に示した断面視長方形のフィラメント14からなる刷毛束13の断面構造を示している。図5(c)に示すように、断面視長方形のフィラメント14を束ね、これを平線15を用いて円形の植毛穴16に植え込むことで、植毛穴16においてフィラメント14同士が稠密に束ねられる。植毛した後に、フィラメント14の毛先部にへら加工を施すことで、各フィラメント14に形成されたへら部14cのテーパー面14bが同一方向に向けられる。
また、図5(c)に示す刷毛束13は、平線15を挟んで断面視略長方形状となるため、平線15を例えば90°回転させても、芯成分を構成する熱可塑性エラストマーの断面形態が回転前後でほぼ等価となる。
従って、図6(b)に示すように、隣接する植毛穴16同士における平線15の角度を90°ずらせてもよい。刷毛束13は、平線15と平行な方向に撓みにくく、平線15と直交する方向には撓みやすいという特性があるので、一つの植毛部12において、異方性のある刷毛束13を同時に植毛することが可能になる。
次に、図5(d)には、図4(a)に示した断面視長方形のフィラメント14からなる刷毛束13の断面構造を示している。図5(d)では、植毛穴の開口形状が長方形とされ、この開口形状の長手方向に沿って平線15が挿入されている。図5(d)に示すように、断面視長方形のフィラメント14を束ね、これを平線15を用いて植毛穴16に植え込むことで、植毛穴16においてフィラメント14同士が稠密に束ねられる。特に、植毛穴16の開口形状が長方形なので、刷毛束13の断面形状が、平線15を挟んで長方形になる。植毛後に、フィラメント14の毛先部にへら加工を施すことで、各フィラメント14に形成されたへら部14cのテーパー面14bが同一方向に向けられる。
上記の歯ブラシ1によれば、フィラメント14の毛先部にへら部14cが形成されるとともに、へら部14cにおいて芯成分が鞘成分から露出されているので、歯ブラシの歯垢またはステインの除去能力を向上できる。特に、毛先部にへら部14cを形成することによって、毛先部の歯間侵入性を向上させて、歯垢及びステインの除去能力が高められる。また、へら部14cに芯成分が露出されることで、芯成分である熱可塑性エラストマーがステインに作用してステインの除去能力が大幅に高められる。
また、上記の歯ブラシ1によれば、扁平状のへら部14cが、相互に同一方向に配向されているので、芯成分である熱可塑性エラストマーの露出部が同一方向を向くことになり、これにより熱可塑性エラストマーによるステイン除去能力を大幅に高められる。
更に、上記の歯ブラシ1によれば、芯成分となる熱可塑性エラストマーが、フィラメント14の断面視多角形状を構成する端面14dの幅方向中央部に露出されているので、へら部14c以外の部分においても、熱可塑性エラストマーの露出部が同一方向を向くことになり、これにより熱可塑性エラストマーによるステイン除去能力を大幅に高められる。
また、上記の歯ブラシ1においては、刷毛束13を構成する複数のフィラメント14が、植毛穴16において隙間なく稠密に束ねられるので、刷毛束13のパッキングファクター(充填率)が、例えば60%〜100%程度となる。これにより、フィラメント14の先端が歯牙表面の歯垢や汚れを清掃する機能がより高められ、耐久性も向上できる。
なお、パッキングファクターとは、上述した平線植毛法又は熱融着法を用いて刷毛束13を植毛穴16に固定する場合に、固定される1本又は複数本のフィラメント14の断面積の総和を植毛穴16の断面積の総和で除した値を100倍して%で表したものをいう。但し、平線植毛法を用いた場合は、植毛穴16の断面積の総和から平線15の断面積の総和を引いた値を用いる。一方、インモールド法を用いて刷毛束13を植毛部12に固定する場合、固定される1本又は複数本のフィラメント14の断面積の総和を、金型内に設けられたフィラメント14を保持するための貫通孔の断面積の総和で除した値を100倍して%で表したものをパッキングファクターという。
また、上記の歯ブラシ1では、植毛部12に植毛されたフィラメント14の毛先がヘラ部14cとされると共に、へら部14cを構成する一対のテーパー面14b,14bをフィラメント14の先端から全長Tの30〜90%の領域Sに亘って設けることによって、歯の隙間や歯周ポケットへの進入性が高く、歯茎に負担をかけずに高い刷掃実感を得ることができる。
なお、本考案を適用した歯ブラシ1は、このような形状を有するフィラメント14が植毛部12に植毛された複数の刷毛束13の全てに形成された構成に限らず、少なくとも一部の刷毛束13に形成された構成とすることもできる。
また、一対のテーパー面14b,14bは、植毛部12の長さ方向に沿ってフィラメント14の相対する側面を平坦化したものであっても、植毛部12の幅方向に沿ってフィラメント14の相対する側面を平坦化したものであってもよく、テーパー面14b,14bの形成方向については任意である。
例えば、植毛部12の長さ方向に沿ってフィラメント14の相対する側面を平坦化した場合には、バス法で歯磨きを行なった際の歯頚部に毛先が入りやすく、且つ清掃力がある歯ブラシとなり、植毛部12の幅方向に沿ってフィラメント14の相対する側面を平坦化した場合には、スクラブ法や横磨き法で歯磨きを行なう際に歯間部に毛先が入りやすく、且つ清掃力がある歯ブラシとなり、何れの場合も刷毛束13の深部までテーパー面14b,14bが形成されているため、歯頭部を傷めることがない。
歯ブラシの実験例1〜12の詳細を図7に示す。図7には、フィラメントの断面形状、毛先形状、刷毛束の毛切り形状を示している。なお、図7の断面形状の欄には、芯成分の形状を黒く塗りつぶして示し、鞘成分の形状を白抜きで示している。
また、刷毛束は、植毛部に直径1.6mmの円形の植毛穴を28個形成し、そこに平線を用いて植毛した。また、植毛穴の配列は植毛部の短手方向に沿って4列、長手方向に沿って8列のマトリックス状とした。各植毛穴のピッチは1.0mmとした。一つの刷毛束は、約20本のフィラメントを束ね、これを折り曲げて形成した。フィラメントの長さ(植毛面から毛先の高さ)は12mmとした。また、フィラメントの太さは、断面視円形の場合に直径0.2mmとし、断面視長方形の場合は対角線の長さを0.3mmとした。
これら実験例1〜12について、歯間侵入性、歯間清掃力、当たり心地、総合評価を判定した。結果を図7に同時に示す。
なお、歯間侵入性、歯間清掃力、当たり心地及び総合評価は、下記のようにして判定した。
(歯間侵入性、当たり心地)
専門パネル(n=20名)が歯間の洗浄することによる官能評価を行い、歯間挿入性及び当たり心地について以下に示すような3段階の基準で評価し、各評価段階におけるパネルの人数に応じて判定した。
(1)○:良好と答えたパネラーが15名以上だった。
(2)△:良好と答えたパネラーが10〜15名だった。
(3)×:良好と答えたパネラーが10名未満だった。
(歯間清掃力)
顎模型の上顎6番、7番に赤色インクを均一になるように塗布し、該顎模型上を本考案を適用したブラシを使用して約300gの荷重でブラッシングを行った際の歯間部のインク除去率を画像解析した。
歯間清掃力は下記判定基準により評価した。
(1) ◎:除去率90%以上
(2) ○:除去率70%以上
(3) △:除去率50%以上
(4) ×:除去率50%未満
(総合評価)
総合評価については、歯間進入性、清掃力、当たり心地の評価において◎を4点、○を3点、△を2点、×を1点とした時、下記判定基準に従って評価した。
(1) ◎:11点以上
(2) ○:8点以上
(3) △:5点以上
(4) ×:5点未満
図7に示すように、毛先形状をへら状とし、熱可塑性エラストマーからなる芯成分を備えた実験例1及び2の歯ブラシは、すべての評価項目について良好な結果を示した。
実験例4〜12については、総合評価では実験例2と同等なものもあるが、歯間侵入性、歯間清掃力、当たり心地の何れかの評価項目を個別に見ると、(◎)は一つもなく、また、(△)または(×)の評価が多くなった。
図1は、本考案を適用した歯ブラシの一例を示す側面図である。 図2は、図1に示す歯ブラシの要部を拡大して示す側面図である。 図3は、毛束の形状の変形例を示す図である。 図4は、図1に示す歯ブラシのフィラメントの形状を拡大して示す図である。 図5は、植毛穴における刷毛束の断面を示す断面模式図である。 図6は、植毛部における平線の設置状態を説明する平面模式図である。 図7は、実験例1〜12の評価結果を示す図である。
符号の説明
1…歯ブラシ、12…植毛部、13…刷毛束、13a…折り返し部、14…フィラメント(歯ブラシ用のフィラメント)、14c…へら部、14d…端面、15…平線(刷毛束固定用の平線)、16…植毛穴。

Claims (5)

  1. 芯成分と鞘成分とからなる芯鞘構造の歯ブラシ用のフィラメントであって、
    前記芯成分が熱可塑性エラストマーから構成されるとともに、前記鞘成分が硬質熱可塑性樹脂から構成され、また、前記フィラメントの断面形状が多角形状とされるとともに、前記フィラメントの毛先部には前記フィラメントの毛先に向かうに従って扁平となるへら部が形成され、更に、前記へら部において前記芯成分が前記鞘成分から露出されていることを特徴とする歯ブラシ用のフィラメント。
  2. 植毛部に複数の刷毛束が植毛されてなる歯ブラシであって、
    前記刷毛束は、複数の歯ブラシ用のフィラメントが束ねられてなり、
    前記フィラメントは、芯成分と鞘成分とからなる芯鞘構造を有しており、前記芯成分が熱可塑性エラストマーから構成されるとともに、前記鞘成分が硬質熱可塑性樹脂から構成され、また、前記フィラメントの断面形状が多角形状とされるとともに、前記フィラメントの毛先部には前記フィラメントの毛先に向かうに従って扁平となる扁平状のへら部が形成され、更に、前記へら部において前記芯成分が前記鞘成分から露出されていることを特徴とする歯ブラシ。
  3. 前記複数のフィラメントにおける前記扁平状のへら部が、相互に同一方向に配向されていることを特徴とする請求項2に記載の歯ブラシ。
  4. 前記フィラメントの前記へら部以外の部分において、前記芯成分となる前記熱可塑性エラストマーが、前記フィラメントの断面視多角形状を構成する端面の幅方向中央部に露出されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の歯ブラシ。
  5. 前記植毛部に植毛穴が設けられ、前記植毛穴に前記刷毛束の折り返し部が刷毛束固定用の平線を挟んだ状態で挿入され、前記平線の両端部が前記植毛穴の壁面に係止されていることを特徴とする請求項2乃至請求項4の何れかに記載の歯ブラシ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017070740A (ja) * 2016-09-27 2017-04-13 株式会社レーベン販売 毛束群を有する歯ブラシ

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