JP3036783B2 - ポリプロピレンの成形物 - Google Patents
ポリプロピレンの成形物Info
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- JP3036783B2 JP3036783B2 JP9230490A JP9230490A JP3036783B2 JP 3036783 B2 JP3036783 B2 JP 3036783B2 JP 9230490 A JP9230490 A JP 9230490A JP 9230490 A JP9230490 A JP 9230490A JP 3036783 B2 JP3036783 B2 JP 3036783B2
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- Japan
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- polypropylene
- trans
- molded article
- zigzag
- syndiotactic
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はポリプロピレンの成形物に関する。詳しく
は、トランスジグザグ構造の結晶構造からなるポリプロ
ピレンの成形物に関する。
は、トランスジグザグ構造の結晶構造からなるポリプロ
ピレンの成形物に関する。
ポリプロピレンは軽量で安価なポリマーであり種々の
用途に利用されているが、特に延伸したものは強度にも
優れており種々の用途に利用されている。
用途に利用されているが、特に延伸したものは強度にも
優れており種々の用途に利用されている。
ポリプロピレンの結晶構造としてはアイソタクチック
ポリプロピレンではラセン構造であるが、シンジオタク
チックポリプロピレンではトランスジグザグ構造をとり
うることが示されている(G.NATTAらMakromol.Chem.,vo
l75,215(1964)。しかしながら従来のシンジオタクチ
ックポリプロピレンは室温の炭化水素化合物に可溶であ
り、結晶性のポリプロピレンの成形物として利用するこ
とは考え難くまた結晶構造として完全なトランスジグザ
ク構造が結晶学的に同定されたものはなかった。
ポリプロピレンではラセン構造であるが、シンジオタク
チックポリプロピレンではトランスジグザグ構造をとり
うることが示されている(G.NATTAらMakromol.Chem.,vo
l75,215(1964)。しかしながら従来のシンジオタクチ
ックポリプロピレンは室温の炭化水素化合物に可溶であ
り、結晶性のポリプロピレンの成形物として利用するこ
とは考え難くまた結晶構造として完全なトランスジグザ
ク構造が結晶学的に同定されたものはなかった。
本発明者らは上記課題を解決して物性に優れた完全に
トランスジグザグ構造を有するポリプロピレン成形物に
ついて鋭意探索し本発明を完成した。
トランスジグザグ構造を有するポリプロピレン成形物に
ついて鋭意探索し本発明を完成した。
即ち、本発明は1,2,4−トリクロロトルエン溶液で測
定した13C−NMRで20.2ppmに観測されるピークの吸収強
度がプロピレンのメチル基に帰属される全ピークの吸収
強度の総和の0.3以上であるシンジオタクチック構造を
有するポリプロピレンを成形してなるトランスジグザグ
構造の結晶構造からなるポリプロピレンの成形物であ
る。
定した13C−NMRで20.2ppmに観測されるピークの吸収強
度がプロピレンのメチル基に帰属される全ピークの吸収
強度の総和の0.3以上であるシンジオタクチック構造を
有するポリプロピレンを成形してなるトランスジグザグ
構造の結晶構造からなるポリプロピレンの成形物であ
る。
本発明についてその製造方法の一例を示すことでさら
に説明する。最も簡便には後述の方法で合成できる高立
体規則性のシンジオタクチック構造のポリプロピレンを
溶融成形した後、急冷して成形物とし、ついで延伸する
ことでトランスジグザグ構造の結晶構造のみからなるポ
リプロピレンの成形物とすることができる。また別の方
法としては比較的高分子量(例えば、後述のηで1.0以
上。)のシンジオタクチックポリプロピレンを比較的高
度(例えば3倍以上に延伸する。)に延伸することでも
トランスジグザグ構造のみとするこもできる。
に説明する。最も簡便には後述の方法で合成できる高立
体規則性のシンジオタクチック構造のポリプロピレンを
溶融成形した後、急冷して成形物とし、ついで延伸する
ことでトランスジグザグ構造の結晶構造のみからなるポ
リプロピレンの成形物とすることができる。また別の方
法としては比較的高分子量(例えば、後述のηで1.0以
上。)のシンジオタクチックポリプロピレンを比較的高
度(例えば3倍以上に延伸する。)に延伸することでも
トランスジグザグ構造のみとするこもできる。
シンジオタクチックポリプロピレンとしては古くより
その存在は知られている従来のバナジウム化合物とエー
テルおよび有機アルミニウムからなる触媒で低温重合し
て得た物を精製して用いたのでは充分な性能の成形物を
得ることができず、これらの方法によるものは後述の高
立体規則性のシンジオタクチックポリプロピレンとは異
なり常温の炭化水素可溶分として精製される。従ってこ
のようなものは本発明の成形物に用いられない。J.A.EW
ENらにより初めて発見された(J.Am.Chem.Soc.,1988,11
0,6255−6256)非対称な配位子を有する遷移金属化合物
とアルミノキサンからなる触媒によって得られるシンジ
オタクチックペンタッド分率が0.7を越えるようなタク
ティシティーの良好なポリプロピレンが好ましく利用さ
れる。
その存在は知られている従来のバナジウム化合物とエー
テルおよび有機アルミニウムからなる触媒で低温重合し
て得た物を精製して用いたのでは充分な性能の成形物を
得ることができず、これらの方法によるものは後述の高
立体規則性のシンジオタクチックポリプロピレンとは異
なり常温の炭化水素可溶分として精製される。従ってこ
のようなものは本発明の成形物に用いられない。J.A.EW
ENらにより初めて発見された(J.Am.Chem.Soc.,1988,11
0,6255−6256)非対称な配位子を有する遷移金属化合物
とアルミノキサンからなる触媒によって得られるシンジ
オタクチックペンタッド分率が0.7を越えるようなタク
ティシティーの良好なポリプロピレンが好ましく利用さ
れる。
本発明においてシンジオタクチック構造であるポリプ
ロピレンを製造するための触媒としては、上記文献に記
載された化合物が例示できるが、異なる構造の触媒であ
っても、プロピレンの単独重合を行ったときシンジオタ
クチックペンタッド分率が0.7以上のポリプロピレンを
製造することができる触媒系であれば利用できる。
ロピレンを製造するための触媒としては、上記文献に記
載された化合物が例示できるが、異なる構造の触媒であ
っても、プロピレンの単独重合を行ったときシンジオタ
クチックペンタッド分率が0.7以上のポリプロピレンを
製造することができる触媒系であれば利用できる。
非対称な配位子を有する遷移金属化合物としては上記
文献に記載されたイソプロピル(シクロペンタジエニル
−1−フルオレニル)ハフニウムジクロリド、あるいは
イソプロピル(シクロペンタジエニル−1−フルオレニ
ル)ジルコニウムジクロリドなどが例示され、またアル
ミノキサンとしては、一般式、 あるいは (式中Rは炭素数1〜3の炭化水素残基。)で表される
化合物が例示でき、特にRがメチル基であるメチルアル
ミノキサンでnが5以上、好ましくは10以上のものが利
用される。上記遷移金属化合物に対するアルミノキサン
の使用割合としては10〜1000000モル倍、通常50〜5000
モル倍である。また重合条件については特に制限はなく
不活性媒体を用いる溶媒重合法、或いは実質的に不活性
媒体の存在しない塊状重合法、気相重合法も利用でき
る。重合温度としては−100〜200℃、重合圧力としては
常圧〜100kg/cm2で行うのが一般的である。好ましくは
−100〜100℃、常圧〜50kg/cm2である。またシンジオタ
クチック構造が実質的に失われない程度に少量の他のオ
レフィンとの共重合体も利用できる。
文献に記載されたイソプロピル(シクロペンタジエニル
−1−フルオレニル)ハフニウムジクロリド、あるいは
イソプロピル(シクロペンタジエニル−1−フルオレニ
ル)ジルコニウムジクロリドなどが例示され、またアル
ミノキサンとしては、一般式、 あるいは (式中Rは炭素数1〜3の炭化水素残基。)で表される
化合物が例示でき、特にRがメチル基であるメチルアル
ミノキサンでnが5以上、好ましくは10以上のものが利
用される。上記遷移金属化合物に対するアルミノキサン
の使用割合としては10〜1000000モル倍、通常50〜5000
モル倍である。また重合条件については特に制限はなく
不活性媒体を用いる溶媒重合法、或いは実質的に不活性
媒体の存在しない塊状重合法、気相重合法も利用でき
る。重合温度としては−100〜200℃、重合圧力としては
常圧〜100kg/cm2で行うのが一般的である。好ましくは
−100〜100℃、常圧〜50kg/cm2である。またシンジオタ
クチック構造が実質的に失われない程度に少量の他のオ
レフィンとの共重合体も利用できる。
ここで共重合に用いる他のオレフィンとしてはエチレ
ンあるいは炭素数4〜20のα−オレフィンが例示でき具
体的にはブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、オ
クテン−1、4−メチルペンテン−1などが例示され
る。プロピレンに対する重合の割合としては通常20wt%
以下、より好ましくは10wt%以下の他のオレフィンが共
重合する条件で重合される。
ンあるいは炭素数4〜20のα−オレフィンが例示でき具
体的にはブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、オ
クテン−1、4−メチルペンテン−1などが例示され
る。プロピレンに対する重合の割合としては通常20wt%
以下、より好ましくは10wt%以下の他のオレフィンが共
重合する条件で重合される。
成形物として利用するためにはプロピレンの単独重合
体ではシンジオタクチックペンタッド分率(A.Zambelli
ら Macromolecules vol 6 687(1973),同vol 8 925
(1975))が0.7以上であるのが好ましく、0.7より小さ
いと完全なトランスジグザグ構造の結晶構造を有するポ
リプロピレン成形物とすることができず、より好ましく
は0.75以上である。また共重合体を用いる場合には、13
C−NMRでテトラメチルシランを基準として20.2ppmに観
測されるピーク強度が19〜22ppmに観測されるプロピレ
ンの全メチル基の強度の0.3以上、より好ましくは0.5以
上である。
体ではシンジオタクチックペンタッド分率(A.Zambelli
ら Macromolecules vol 6 687(1973),同vol 8 925
(1975))が0.7以上であるのが好ましく、0.7より小さ
いと完全なトランスジグザグ構造の結晶構造を有するポ
リプロピレン成形物とすることができず、より好ましく
は0.75以上である。また共重合体を用いる場合には、13
C−NMRでテトラメチルシランを基準として20.2ppmに観
測されるピーク強度が19〜22ppmに観測されるプロピレ
ンの全メチル基の強度の0.3以上、より好ましくは0.5以
上である。
この13C−NMRで測定する連鎖分布は短周期での構造の
乱れの尺度であるが物性を良好にするためには長周期で
の構造の乱れも少ないことが必要であり、そのための尺
度として沸騰n−ペンタン可溶分があり、その値として
10wt%以下であることが好ましい。ここで沸騰n−ペン
タン可溶分は、パウダー状のポリマーをソックスレー抽
出器に入れ沸騰n−ペンタンで6時間抽出し抽出された
ポリマーの抽出前のポリマーに対する割合として算出さ
れる。
乱れの尺度であるが物性を良好にするためには長周期で
の構造の乱れも少ないことが必要であり、そのための尺
度として沸騰n−ペンタン可溶分があり、その値として
10wt%以下であることが好ましい。ここで沸騰n−ペン
タン可溶分は、パウダー状のポリマーをソックスレー抽
出器に入れ沸騰n−ペンタンで6時間抽出し抽出された
ポリマーの抽出前のポリマーに対する割合として算出さ
れる。
また上記触媒系での重合に際して実質的に一段重合で
行うことで分子量分布が狭く135℃でゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフィーで測定した重量平均分子量と数
平均分子量の比(以下、MW/MNと略記する)が通常1.5〜
3.5程度であるポリマーが得られるが、2種の遷移金属
化合物(金属として例えばジルコニウムとハフニウムな
ど2種類のものを用いると効果的である。)を用いた
り、分子量の異なるものを2種以上混合するなどして3.
5以上であるような広い分子量分布のものを製造するこ
とができ、どの様な分子量分布を有するものも本発明に
利用することができる。好ましい分子量としては、135
℃テトラリン溶液で測定した極限粘度として0.5〜20.0d
l/g程度であるのが一般的である。
行うことで分子量分布が狭く135℃でゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフィーで測定した重量平均分子量と数
平均分子量の比(以下、MW/MNと略記する)が通常1.5〜
3.5程度であるポリマーが得られるが、2種の遷移金属
化合物(金属として例えばジルコニウムとハフニウムな
ど2種類のものを用いると効果的である。)を用いた
り、分子量の異なるものを2種以上混合するなどして3.
5以上であるような広い分子量分布のものを製造するこ
とができ、どの様な分子量分布を有するものも本発明に
利用することができる。好ましい分子量としては、135
℃テトラリン溶液で測定した極限粘度として0.5〜20.0d
l/g程度であるのが一般的である。
上記シンジオタクチック構造のポリプロピレンは、加
熱溶融し特定の形状に成形される。成形方法としては特
に制限は無く、押出成形法、射出成形法などが採用でき
る。
熱溶融し特定の形状に成形される。成形方法としては特
に制限は無く、押出成形法、射出成形法などが採用でき
る。
本発明において好ましくは成形体を溶融した状態から
100℃/min以上の速度で急冷することが行われ、このよ
うなものを用いることで延伸により簡単にトランスジグ
ザグ構造とするこができる。延伸は100℃以下の比較的
低温で行うことが好ましく、100℃を越える温度で行う
と結晶構造が変化し好ましくない。また冷却をゆっくり
行うと他の結晶形が生じ、高度の延伸を行わないとトラ
ンスジグザグ構造とすることが困難となる。
100℃/min以上の速度で急冷することが行われ、このよ
うなものを用いることで延伸により簡単にトランスジグ
ザグ構造とするこができる。延伸は100℃以下の比較的
低温で行うことが好ましく、100℃を越える温度で行う
と結晶構造が変化し好ましくない。また冷却をゆっくり
行うと他の結晶形が生じ、高度の延伸を行わないとトラ
ンスジグザグ構造とすることが困難となる。
本発明においてトランスジグザグ構造とはX線で結晶
を観察した時、実質的に他の結晶構造が観測できないと
いう意味であり、例えば強度比としてトランスジグザグ
構造に起因する回折強度の約1/10以下の強度でしか他の
結晶構造に起因する回折像が観察されないということで
あり結晶化度が高いことを意味しない。
を観察した時、実質的に他の結晶構造が観測できないと
いう意味であり、例えば強度比としてトランスジグザグ
構造に起因する回折強度の約1/10以下の強度でしか他の
結晶構造に起因する回折像が観察されないということで
あり結晶化度が高いことを意味しない。
成形に際して結晶化核剤を利用することも勿論可能で
ある。ついで成形物は延伸されるが延伸方法としても特
に制限はなく通常の1軸あるいは2軸の延伸が採用で
き、他にロール延伸のような方法であってもよい。延伸
倍率としては好ましくは3.0倍以上であり、通常3.0〜10
0倍程度である。延伸温度としては比較的低温で行わ
れ、高温ではシートの結晶化が進行して延伸してもトラ
ンスジグザク構造のみとすることが困難となる。通常−
10〜100℃で行うのが一般的である。こうして製造され
たトランスジグザク構造のみからなる成形物(実施例
1)のX線回折のワイゼンベルグカメラで撮影した繊維
写真を第1図に示す。X線回折の測定結果から決定した
結晶構造を第2図に示す。
ある。ついで成形物は延伸されるが延伸方法としても特
に制限はなく通常の1軸あるいは2軸の延伸が採用で
き、他にロール延伸のような方法であってもよい。延伸
倍率としては好ましくは3.0倍以上であり、通常3.0〜10
0倍程度である。延伸温度としては比較的低温で行わ
れ、高温ではシートの結晶化が進行して延伸してもトラ
ンスジグザク構造のみとすることが困難となる。通常−
10〜100℃で行うのが一般的である。こうして製造され
たトランスジグザク構造のみからなる成形物(実施例
1)のX線回折のワイゼンベルグカメラで撮影した繊維
写真を第1図に示す。X線回折の測定結果から決定した
結晶構造を第2図に示す。
本発明のポリプロピレンの成形物の結晶構造はa=5.
22、b=11.17、c=5.06Åである斜方晶系の結晶であ
る。
22、b=11.17、c=5.06Åである斜方晶系の結晶であ
る。
以下に実施例を示しさらに本発明を説明する。
実施例1 常法にしたがって合成したイソプロピルシクロペンタ
ジエニル−1−フルオレンをリチウム化し、四塩化ジル
コニウムと反応し再結晶することで得たイソプロピル
(シクロペンタジエニル−1−フルオレニル)ジルコニ
ウムジクロリド0.2gと東洋アクゾ(株)製メチルアルミ
ノキサン(重合度16.1)30gを用い、内容積200のオー
トクレーブでトルエン80加え、重合圧力3kg/cm2−
G、20℃で22時間重合し、ついでメタノールとアセト酢
酸メチルで脱灰処理し塩酸水溶液で洗浄し、ついで濾過
して5.6kgのシンジオタクチックポリプロピレンを得
た。このポリプロピレンは13C−NMRによればシンジオタ
クチックペンタッド分率は0.935であり、135℃テトラリ
ン溶液で測定した極限粘度ηは1.45dl/g、1,2,4−トリ
クロロベンゼンで測定したMW/MNは2.2であった。このポ
リプロピレンにステアリン酸カルシウムと2,6−ジ−t
−ブチルフェノールをそれぞれ10/10000と、10/10000の
タルクを加え造粒した後、40mmの押出機で14本穴のダイ
で温度220℃、スクリュー回転数64rpmで紡糸した。ダイ
からでたストランドは−10℃のブラインに導入して急冷
した。得られた繊維の太さは370 D/14本であり引張試験
をしたところ最高強度は480g、伸びは680%であった。
また25℃で10倍に延伸したものの最高強度は780g、伸び
は25%であり極めて透明性の良好なものであった。これ
に対して120℃で延伸したもの(6倍では糸切れを起こ
すので5倍延伸とした。)は最高強度は680g、伸びは20
%であった。延伸前と延伸後の繊維写真(それぞれ第3
図、第1図、第4図(120℃で延伸))を、延伸前はほ
とんど非晶性であり、25℃で延伸したものはトランスジ
グザグ構造であるが、120℃で延伸したものはトランス
ジグザグ構造以外の回折像が観察される。
ジエニル−1−フルオレンをリチウム化し、四塩化ジル
コニウムと反応し再結晶することで得たイソプロピル
(シクロペンタジエニル−1−フルオレニル)ジルコニ
ウムジクロリド0.2gと東洋アクゾ(株)製メチルアルミ
ノキサン(重合度16.1)30gを用い、内容積200のオー
トクレーブでトルエン80加え、重合圧力3kg/cm2−
G、20℃で22時間重合し、ついでメタノールとアセト酢
酸メチルで脱灰処理し塩酸水溶液で洗浄し、ついで濾過
して5.6kgのシンジオタクチックポリプロピレンを得
た。このポリプロピレンは13C−NMRによればシンジオタ
クチックペンタッド分率は0.935であり、135℃テトラリ
ン溶液で測定した極限粘度ηは1.45dl/g、1,2,4−トリ
クロロベンゼンで測定したMW/MNは2.2であった。このポ
リプロピレンにステアリン酸カルシウムと2,6−ジ−t
−ブチルフェノールをそれぞれ10/10000と、10/10000の
タルクを加え造粒した後、40mmの押出機で14本穴のダイ
で温度220℃、スクリュー回転数64rpmで紡糸した。ダイ
からでたストランドは−10℃のブラインに導入して急冷
した。得られた繊維の太さは370 D/14本であり引張試験
をしたところ最高強度は480g、伸びは680%であった。
また25℃で10倍に延伸したものの最高強度は780g、伸び
は25%であり極めて透明性の良好なものであった。これ
に対して120℃で延伸したもの(6倍では糸切れを起こ
すので5倍延伸とした。)は最高強度は680g、伸びは20
%であった。延伸前と延伸後の繊維写真(それぞれ第3
図、第1図、第4図(120℃で延伸))を、延伸前はほ
とんど非晶性であり、25℃で延伸したものはトランスジ
グザグ構造であるが、120℃で延伸したものはトランス
ジグザグ構造以外の回折像が観察される。
本発明の成形体は強度にすぐれまた透明性も良好であ
り工業的に極めて価値がある。
り工業的に極めて価値がある。
第1図は本発明の成形物の1例である実施例1の25℃で
10倍に延伸した繊維のワイゼンベルグX線回折像(写
真)であり、第2図は第1図のX線回折の結果より求め
た繊維の結晶構造を示す図である。また、第3図は実施
例1の延伸前の繊維のワイゼンベルグX線回折像(写
真)であり、第4図は第3図の測定に用いた繊維を120
℃で5倍延伸したもののワイゼンベルグX線回折像(写
真)である。
10倍に延伸した繊維のワイゼンベルグX線回折像(写
真)であり、第2図は第1図のX線回折の結果より求め
た繊維の結晶構造を示す図である。また、第3図は実施
例1の延伸前の繊維のワイゼンベルグX線回折像(写
真)であり、第4図は第3図の測定に用いた繊維を120
℃で5倍延伸したもののワイゼンベルグX線回折像(写
真)である。
Claims (3)
- 【請求項1】1,2,4−トリクロロトルエン溶液で測定し
た13C−NMRで20.2ppmに観測されるピークの吸収強度が
プロピレンのメチル基に帰属される全ピークの吸収強度
の総和の0.3以上であるシンジオタクチック構造を有す
るポリプロピレンを成形してなるトランスジグザグ構造
の結晶構造からなるポリプロピレンの成形物。 - 【請求項2】シンジオタクチック構造を有するポリプロ
ピレンが沸騰n−ペンタン可溶分の割合が10wt%以下で
ある請求項1記載の成形物。 - 【請求項3】トランスジグザグ構造の格子定数がa=5.
22、b=11.17、c=5.06Åである斜方晶である請求項
1記載の成形物。
Priority Applications (9)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9230490A JP3036783B2 (ja) | 1990-04-09 | 1990-04-09 | ポリプロピレンの成形物 |
US07/679,522 US5200131A (en) | 1990-04-09 | 1991-04-02 | Method for molding syndiotactic polypropylene |
EP91105489A EP0451743B1 (en) | 1990-04-09 | 1991-04-07 | Method for molding syndiotactic polypropylene and molded article |
DE69120454T DE69120454T2 (de) | 1990-04-09 | 1991-04-07 | Formgebungsverfahren von syndiotaktischem Polypropylen und geformte Gegenstände |
CA002040008A CA2040008C (en) | 1990-04-09 | 1991-04-08 | Method for molding syndiotactic polypropylene and molded article |
CN 91102948 CN1033961C (zh) | 1990-04-09 | 1991-04-09 | 间同立构聚丙烯模制法及模制品 |
KR1019910005658A KR950001313B1 (ko) | 1990-04-09 | 1991-04-09 | 신디오탁틱 폴리프로필렌의 성형방법 및 성형물 |
US07/928,062 US5260395A (en) | 1990-04-09 | 1992-08-11 | Method for molding syndiotactic polypropylene and molded article |
CN95121332A CN1059384C (zh) | 1990-01-14 | 1995-12-15 | 间同立构聚丙烯模制法及模制品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9230490A JP3036783B2 (ja) | 1990-04-09 | 1990-04-09 | ポリプロピレンの成形物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03290438A JPH03290438A (ja) | 1991-12-20 |
JP3036783B2 true JP3036783B2 (ja) | 2000-04-24 |
Family
ID=14050674
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9230490A Expired - Lifetime JP3036783B2 (ja) | 1990-01-14 | 1990-04-09 | ポリプロピレンの成形物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3036783B2 (ja) |
-
1990
- 1990-04-09 JP JP9230490A patent/JP3036783B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03290438A (ja) | 1991-12-20 |
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