JP3035898U - カメラの収納ケース - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 携行性に優れ、レンズフィルターを使用した
撮影を手軽なものとするカメラの収納ケースを提供す
る。 【構成】 カメラの撮影レンズが臨む開口部を有し、該
カメラを収納して撮影を行うことが可能なカメラ収納部
と；上記開口部に、レンズフィルターを着脱可能にして
形成したレンズフィルター装着部と；を備えたことを特
徴とするカメラの収納ケース。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【技術分野】

本考案は、レンズフィルターを装着可能なカメラの収納ケースに関する。

【０００２】

【従来技術及びその問題点】

カメラは、撮影レンズ用フィルターを交換することによって様々な撮影効果を 得ることができる。ＵＶフィルター（紫外線吸収フィルター）やスカイライトフ ィルターなどが多く用いられるが、その他にもＮＤフィルター（中性濃度フィル ター）やＰＬフィルター（偏光フィルター）、ソフトフィルター、その他の特殊 効果フィルターなど、レンズフィルターの種類は多種多様である。こうしたレン ズフィルターはカメラや撮影レンズ本体と別に携行する必要があるため、使用し たいときに手許になかったり、レンズに装着して使用することが面倒であったり して、フィルターの効果を手軽に得ることが難しかった。さらに、個別に携行し ているとレンズフィルターを紛失するおそれがある。

【０００３】 また、コンパクトカメラのレンズ鏡筒は、レンズフィルターの装着を前提とし ない構造になっているものが多い。近年、コンパクトカメラが広く普及している にもかかわらず、レンズフィルターを手軽に使用することはできなかった。

【０００４】

【考案の目的】

本考案は以上の問題点に鑑みてなされたもので、携行性に優れ、レンズフィル ターを使用した撮影を手軽なものとするカメラの収納ケースを提供することを目 的とする。

【０００５】

【考案の概要】

本考案は、カメラの収納ケースをカメラの撮影機能の一部として利用すること に着目してなされたものである。本考案によるカメラの収納ケースは、 カメラの撮影レンズが臨む開口部を有し、該カメラを収納して撮影を行うこと が可能なカメラ収納部と； 上記開口部に、レンズフィルターを着脱可能にして形成したレンズフィルター 装着部と； を備えたことを特徴とする。

【０００６】 カメラ収納部は、カメラの挿脱部を解放した箱状体からなっていて、上記開口 部は、この箱状体の壁面一部をその解放端部から内方に一部切除して形成され、 上記レンズフィルター装着部は、この開口部の内周面に沿って形成されたフィル ター装着溝を備えることができる。これによれば、レンズフィルターは、カメラ 収納部の開口端面側からフィルター装着溝に挿入するのみでよいから装着が容易 である。

【０００７】 カメラが測光部を備えている場合、レンズフィルターは、この測光部と上記撮 影レンズを覆う大きさに形成されることが望ましい。レンズフィルターの位置が 測光部にも対応していると、フィルターの撮影効果をより正確に得ることができ る。

【０００８】 カメラ収納部にはさらに、交換用のレンズフィルターを収納するフィルター収 納手段を備えることができる。これにより、レンズフィルターの携行が容易にな り、撮影目的によって複数枚のレンズフィルターを手軽に使い分けることができ る。また、フィルターの紛失を防止できる。このフィルター収納手段は、カメラ 収納部内部に形成されたポケット型収納部や、該カメラ収納部の壁面内に形成さ れたスリット型収納部から形成することが好ましい。

【０００９】 以上の構成において、カメラの収納ケースは、カメラ収納部および該収納部に 収納したカメラを覆う、該収納部に対して着脱可能な上蓋部を有することが望ま しい。

【００１０】

【考案の実施の形態】 図１は、本考案を適用したレンズフィルター内蔵式の収納ケース１０を示し、 図２はこれに収納されるカメラ２０の外観を示している。 カメラ２０は、通常のコンパクトカメラであり、そのカメラボディ２１は横幅 Ｗ、奥行きＬおよび高さＨを有する箱状体である。カメラボディ２１の正面側に は、撮影レンズ２２、測光窓２３、ファインダ対物窓２４およびストロボ２５、 上面側にはレリーズ釦２６が設けられている。また、カメラボディ２１の両側面 の上端付近にはストラップ留め具２７が固設されていて、これにストラップ２８ が挿通されている。カメラボディ２１の背面側には、所定のファインダ光学系に よってファインダ対物窓２４と光学的に接続された不図示のファインダ接眼窓が 配されている。

【００１１】 収納ケース１０は、カメラ２０を収納するカメラ収納部１１と、これと一体に 形成されたケースカバー１２から構成されている。 箱状体のカメラ収納部１１は、その上面が解放されてカメラ挿脱部（解放端面 ）１１ａが形成されている。カメラ収納部１１の正面側壁面の一部は、このカメ ラ挿脱部１１ａから底面方向へ向けて切除されており、矩形開口部１３が形成さ れている。この矩形開口部１３は、カメラ２０を収納したときに上記撮影レンズ ２２、測光窓２３を露出させることが可能な開口面積を有している。カメラ収納 部１１の壁面は所定の厚さを有しているので、矩形開口部１３にはこの壁面の厚 さ分の幅を備えた内周面が形成されている。この内周面に沿ってフィルター装着 溝１４が穿設されている。

【００１２】 レンズフィルター１６は、従来からレンズフィルターに用いられているガラス やプラスチックなどの光学素子からなり、上記フィルター装着溝１４に挿脱可能 な厚みに統一されている。レンズフィルター１６の形状は、上記矩形開口部１３ に対応した略矩形であり、フィルター装着溝１４への嵌入分を考慮して該矩形開 口部１３よりも若干大きく形成されている。従って、カメラ収納部１１の上面（ 開口）側から、板状のレンズフィルター１６をフィルター装着溝１４に沿って挿 入すれば、矩形開口部１３を覆うことができる。このレンズフィルター１６は、 必要な撮影効果に応じて複数枚が用意される。

【００１３】 カメラ収納部１１の内周壁には、矩形開口部１３に対向する位置に、レンズフ ィルター１６を収納可能な収納ポケット１５が形成されている。この収納ポケッ ト１５はカメラ収納部１１と一体成形で得ることができる。

【００１４】 図４に示すように、カメラ収納部１１内部のサイズは、長手方向にはカメラボ ディ２１の横幅Ｗよりわずかに大きく形成されている。一方、短手方向には、カ メラボディ２１の奥行きＬと上記収納ポケット１５の厚さとの和よりわずかに大 きくされている。

【００１５】 また図３に示すように、カメラ収納部１１の深さは、上記カメラボディ２１の 高さＨよりも所定量浅くなっており、カメラ２０を収納するとその上部が突出す る。これは、収納ケース１０がカメラ２０を収納して撮影することを前提として おり、カメラ収納部１１の壁面がファインダ対物窓２４やストロボ２５に干渉し ないようにするためである。また、カメラ２０の上面がカメラ収納部１１内に埋 没しているとレリーズ釦２６の押込操作がしにくくなるが、カメラ２０の上部が 突出していることで、操作感の悪化を防ぐことができる。

【００１６】 ケースカバー１２は、カメラ収納部１１のカメラ挿脱部１１ａの一辺側から延 設され、可撓性を有している。このケースカバー１２は、カメラ収納部１１の上 面側を覆う基端部１２ａと同正面側を覆う先端部１２ｂとからなっており、先端 部１２ｂには、上記カメラ収納部１１の正面側下部に固設された一対のスタッド １８に係脱可能なスナップソケット１７が配置されている。このケースカバー１ ２とカメラ収納部１１は一体成形によって得ることができ、ケースカバー１２の 長さおよび幅は、上記カメラ収納部１１の上面側と正面側を覆うことが可能なサ イズである。

【００１７】 なお、図示しないが、カメラ２０の底面には三脚固定用のねじ受け孔が設けら れ、カメラ収納部１１の底面にはこのねじ受け孔と一致する挿通孔が設けられて いる。そして、カメラ２０側のねじ受け孔に螺合可能な固定ねじ部材を、カメラ 収納部１１の底面側から挿通孔を通して螺合させることによって、カメラ２０を 収納ケース１０に保持させることができる。

【００１８】 この収納ケース１０を用いた撮影操作について説明する。 カメラ２０を携行するときは、収納ケース１０に該カメラ２０を収納し、スナ ップソケット１７とスタッド１８を留めて図５の携行状態にする。この携行状態 では、ケースカバー１２の基端部１２ａがカメラ収納部１１の上面を覆って、カ メラ２０とレンズフィルター１６の脱落を防ぐ。また、ケースカバー１２の先端 部１２ｂが、矩形開口部１３および装着されたレンズフィルター１６を覆ってこ れを保護している。スナップソケット１７とスタッド１８は十分な強度で係合さ れているので、ストラップ２８から吊り下げた状態でカメラ２０および収納ケー ス１０を持ち運ぶことができる。

【００１９】 撮影に際しては、まず、スナップソケット１７とスタッド１８の係合を解き、 ケースカバー１２を開いて図３の撮影状態にする。続いて、収納ポケット１５か ら所望のレンズフィルター１６を取り出して矩形開口部１３に装着する。この装 着はフィルター装着溝１４にレンズフィルター１６を差し込むだけでよいので容 易に行える。あらかじめ所望のレンズフィルター１６が装着されていれば、この 装着作業は必要ない。このとき、撮影レンズ２２および測光窓２３がレンズフィ ルター１６を通して矩形開口部１３に臨んでいる。また、ファインダ対物窓２４ 、ストロボ２５あるいは不図示のファインダ接眼窓を有するカメラ上部は、カメ ラ収納部１１から突出されている。

【００２０】 撮影者はケースカバー１２を開いた状態に保ちつつ、カメラ収納部１１を保持 して被写体に向けて構える。ファインダ対物窓２４およびファインダ接眼窓（不 図示）は、カメラ収納部１１に干渉されないので、通常通りにファインダを介し て被写体を捉えることができる。なお、カメラ２０と収納ケース１０は、上記ね じ受け孔（不図示）と固定ねじ部材（同）によって保持されているため、ケース カバー１２が開かれていてもカメラ２０が脱落するおそれがない。

【００２１】 被写体が決定したら、レリーズ釦２６を押し込んで撮影をする。撮影レンズ２ ２および測光窓２３の光軸前方には、矩形開口部１３に装着されたレンズフィル ター１６が直面しているため、レリーズ釦２６を押し込むと該レンズフィルター １６に応じた測光および撮影が行われ、レンズフィルター１６の効果を得ること ができる。ファインダと同様に、ストロボ２５もカメラ収納部１１から突出して いるので、ストロボ２５使用時にその発光が妨げられることがない。撮影終了後 には、ケースカバー１２を閉めてスナップソケット１７とスタッド１８を留め、 再び図５の携行状態に戻す。

【００２２】 本考案は収納ケースにレンズフィルターを装着して撮影可能としたことを特徴 とするものであり、要旨を逸脱しない限りにおいて、以上の実施形態以外にも種 々の変更が可能である。 例えば図６に示すように、カメラ収納部３１の壁面内に、複数枚のレンズフィ ルターを収納可能な収納スリット３３を設けることができる。上記収納ポケット １５を省略できるので、カメラ収納部３１の前後方向の幅を短くして収納ケース を小型化できる。この収納ケースは、カメラ収納部３１にかぶせて保護する上蓋 ３４を備えている。 図示しないがさらに異なる形態としては、一定の厚みを有するケースカバー内 に図６と同様の収納スリットを設けてもよい。これらの場合、当該収納スリット の周囲を硬質ゴムで形成したり、周知の衝撃吸収材を装着してレンズフィルター を保護することが望ましい。また、ケースカバーを閉じる方法としては、スナッ プボタンの代わりに面ファスナー（マジックテープ）などを用いてもよい。

【００２３】 なお、収納ケースに用いられるレンズフィルターの種類やその組み合わせは任 意である。例えば、ストロボが蛍光灯の光に負ける場合には、画像のグリーンか ぶりを防ぐＬ−Ｗフィルター（白色蛍光灯用カラー補正フィルター）を装着すれ ばよいし、水面やガラスに向けて撮影するときは写り込み防止用のＰＬフィルタ ー（偏光フィルター）を準備しておけばよい。

【００２４】

【考案の効果】

以上のように本考案によれば、携行性に優れ、レンズフィルターを使用した撮 影を手軽なものとするカメラの収納ケースを提供することができる。 （注）考案の詳細な説明中マジックテープは登録商標である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案を適用したカメラ収納ケースの一実施形
態を表す斜視図である。

【図２】図１の収納ケースに収納されるコンパクトカメ
ラの斜視図である。

【図３】撮影可能状態の収納ケースとカメラを表す斜視
図である。

【図４】図３の平面図である。

【図５】携行状態を表す図である。

【図６】レンズフィルター収納手段の異なる形態を表す
斜視図である。

【符号の説明】

１０ 収納ケース １１ カメラ収納部 １２ ケースカバー １３ 矩形開口部 １４ フィルター装着溝 １５ 収納ポケット １６ レンズフィルター ２０ カメラ ２２ 撮影レンズ ２３ 測光窓

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 矢澤 一樹 東京都板橋区前野町２丁目36番９号 旭光 学工業株式会社内 (72)考案者 大森 俊行 東京都板橋区前野町２丁目36番９号 旭光 学工業株式会社内 (72)考案者 藤▲崎▼ 義文 東京都板橋区前野町２丁目36番９号 旭光 学工業株式会社内 (72)考案者 中村 綾子 東京都板橋区前野町２丁目36番９号 旭光 学工業株式会社内

Claims (7)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 カメラの撮影レンズが臨む開口部を有
   し、該カメラを収納して撮影を行うことが可能なカメラ
   収納部と；上記開口部に、レンズフィルターを着脱可能
   にして形成したレンズフィルター装着部と；を備えたこ
   とを特徴とするカメラの収納ケース。
2. 【請求項２】 請求項１において、上記カメラ収納部
   は、カメラの挿脱部を解放した箱状体からなっていて、
   上記開口部は、この箱状体の壁面一部をその解放端部か
   ら内方に一部切除して形成され、上記レンズフィルター
   装着部は、この開口部の内周面に沿って形成されたフィ
   ルター装着溝を備えているカメラの収納ケース。
3. 【請求項３】 請求項１または２において、カメラは測
   光部を備え、レンズフィルターは、この測光部と上記撮
   影レンズを覆う大きさに形成されているカメラの収納ケ
   ース。
4. 【請求項４】 請求項１ないし３において、カメラ収納
   部にはさらに、交換用のレンズフィルターを収納するフ
   ィルター収納手段が備えられているカメラの収納ケー
   ス。
5. 【請求項５】 請求項４において、上記フィルター収納
   手段は、カメラ収納部内部に形成されたポケット型収納
   部からなるカメラの収納ケース。
6. 【請求項６】 請求項４において、上記フィルター収納
   手段は、上記カメラ収納部の壁面内に形成されたスリッ
   ト型収納部からなるカメラの収納ケース。
7. 【請求項７】 請求項１ないし６のいずれか１項におい
   て、上記カメラ収納部および該収納部に収納したカメラ
   を覆う、カメラ収納部に対して着脱可能な上蓋部を有す
   るカメラの収納ケース。