JP3035691U - 自動車用エアーバッグ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 事故発生時に急速膨張して、運転者等を保護
するためのエアーバッグであって、前方は勿論、左右方
向からの衝撃保護を図った新規のエアーバッグの提供を
図ったものである。 【構成】 エアーバック本体１の両側部に土手状部１
ａ，１ａを形成することに依り、人体頭部を前方及び左
右方向から包み込むように構成したことを特徴とする自
動車用エアーバッグ。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、事故発生時に急速膨張して、運転者等を保護するためのエアーバッ グに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来のエアーバッグは、球形風船状或いは円形クッション状等、正面からの衝 撃に対応するような形状のものであった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

自動車事故は真正面からの衝撃が加わる単純なものに限らない。 すなわち、 事故とは１回ぶつかって止まると言うような単純な事故もあれば、左前がぶつか り、転倒し右前と右横がクラッシュする場合、真正面からぶつかった後に斜め後 方より追突されて横転してしまうとか、出会い頭の事故により右横がクラッシュ し、その勢いで左横側が電柱に激突してしまったと言うような複合的事故等、色 々なケースの事故が発生する。

【０００４】 そして、上述したような複合的な事故の場合、身体や頭は前後左右、更には上 下方向に何回も振られる事と成り、しかもクラッシュにより運転席等の空間は原 形を殆ど留めることなく、実質的に半分以下のスペースに変形してしまうことも ある。

【０００５】 ところで従来のエアーバッグは、球形風船状或いは円形クッション状のもので あったため、正面からの衝撃には適しているが、左右両側部からの衝撃に対して は殆ど無力である。 従って、エアーバッグが作動したにも係らず、運転者、同 乗者の保護ができず、重大事故に直結してしまうケースが多々見られた。

【０００６】 本考案はこのような従来の問題を解決した新規の自動車用エアーバッグの提供 を図ったものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案の第１の考案は、エアーバッグ本体１の両側部に土手状部１ａ，１ａを 形成することに依り、人体頭部を前方及び左右方向から包み込むように構成した ことを特徴とする自動車用エアーバッグに係る。

【０００８】 そして、本考案の第２の考案は、エアーバッグ本体の両側部に土手状部１０ａ ，１０ａを形成することに依り、人体頭部を前方及び左右方向から包み込むよう に構成すると共に、当該エアーバッグ本体１０における土手状部１０ａ，１０ａ の間に補助エアーバッグ１１を設け、両エアーバッグはその膨出用ガスの吹き込 み口と排出口とは夫々別個の経路を辿り各独立したものとすることに依り、補助 エアーバッグ１１のガス排出を待ってエアーバッグ本体１０のガス排出が成され るように構成したことを特徴とする自動車用エアーバッグ係る。

【０００９】 本考案は上記のような構成の採用に基づき、事故発生時に、上半身特に頭部を 前方からの衝撃と同時に、左右方向からの衝撃からも保護されるようにし、これ に依り、前記したような従来の問題を解決した。

【００１０】

【作用】

第１の考案の場合、土手状部１ａ，１ａの存在に基づき、人体に対して正面及 び両側部から加わる衝撃を同時に防止し、二次的事故に際しても、その侭の状態 で保護作用が奏される。

【００１１】 第２の考案の場合は、最初の事故発生時、エアーバッグ本体１０及び補助エア ーバッグ１１の膨出に基づき、上半身特に頭部を前方からの衝撃と同時に、左右 方向からの衝撃からも保護される。 最初の事故発生後、エアーバッグ本体１０ に先行して、補助エアーバッグ１１のガスが抜ける。 これに依り、頭部特に顔 面に対する圧迫性が解消される。 従って、圧迫に基づく息苦しさ、及び、二次 的事故に対する適正なる判断及び対応を採ることができる。 なお、この状態に おいても、エアーバッグ本体１０とその土手状部１０ａ，１０ａの膨出継続に基 づき、二次的事故に対する保護状態を保つ。

【００１２】

【実施例】

図１乃至図５は第１実施例（第１の考案）を表したものである。 図１はエアーバッグが作動した状態を示すものであって、当該エアーバッグは 、通常、第２図に示すようにハンドル、ダッシュボート等に隠蔽状態で収納され ており、事故発生に伴う衝撃を検知して、図１に示すように急速膨張するもので ある。 本考案におけるこのようなエアーバッグとしての基本的機能構成は、従 来のエアーバッグシステムと同様である。 なお、図１に示す実施例においては 、運転席、助手席、後部座席の全てに設けられているが、例えば運転席のみ、ま たは運転席と助手席と言うように、部分的に設けてもよい。

【００１３】 そして、本考案に係るエアーバッグであるが、これは図１及び図３〜図５に示 すように、エアーバッグ本体１の正面を、中央部を凹部とすると共にその両側部 にいくに従って前方に迫り出すような形態、すなわち、両側部に土手状部１ａ， １ａを形成することに依り、人体の上半部全体、特に頭部を前方及び左右方向か ら包み込むような形状に構成してある。

【００１４】 上記したエアーバッグ本体の形状であるが、助手席用のものは同一形態とする が、後部座席のエアーバッグ本体２は、後部座席の左右両端に対応する部分に土 手状部２ａ，２ａを形成することによって、後部座席全体を一括して保護するよ うに構成してある。 然し乍、後部座席のものも、運転席及び助手席のエアーバ ッグ本体とと同様に、後部座席に座る人数分だけ個々に設けるように構成しても 良い。

【００１５】 上記した第１実施例において、事故発生に伴うエアーバッグ本体２の膨出に伴 い、上半部、特に頭部全体が前後左右から挾み込まれるように保護されるため、 正面からの衝撃は勿論、左右方向からの衝撃に対しても保護作用が奏される。

【００１６】 図６乃至図１１は第２実施例（第２の考案）を表したものである。 同図に示 す実施例は、全体的形状においては、上述した第一実施例の場合と同様な形状、 すなわち、運転席及び助手席のエアーバッグ本体１０は、両側部に土手状部１０ ａ，１０ａを形成することに依り、人体の上半部全体、特に頭部を包み込むよう な形状に構成してある。

【００１７】 そして、第２実施例の場合、エアーバッグ本体１０における土手状部１０ａ， １０ａの間に補助エアーバッグ１１を付設するように構成したものである。 そ して、当該エアーバッグ本体１０と補助エアーバッグ１１は図８に示すように、 その膨出用ガスの吹き込み口と排出口とは夫々別個の経路を辿り各独立したもの とするように構成してある。 図８において、１０ｂはエアーバッグ本体１０の ガス吹き込み口、１０ｃはその排出口、１１ａは補助エアーバッグ１１のガス吹 き込み口、１０ｃはその排出口を示す。

【００１８】 上記の構成に基づき、エアーバッグ本体１０と補助エアーバッグ１１は事故発 生時においては同時に膨出するも、事故後約３秒程度経過した後は、図９に示す ように補助エアーバッグ１１のガスが完全に抜け、事故後約７秒程度経過後は、 図１０に示すようにエアーバッグ本体１０のガスが４０％程度抜け、事故後約１ ５秒程度経過後は、図１１に示すようにエアーバッグ本体１０のガスが６０％程 度抜け、事故後約３０秒程度経過にエアーバッグ本体１０のガスが完全に抜ける ように構成してある。

【００１９】 本考案の第２実施例は、上記のような構成を採ることにより、事故発生時、エ アーバッグ本体１０と補助エアーバッグ１１の同じ膨出に基づき人体に対する保 護を図り、事故後短時間で補助エアーバッグ１１のガスが抜けることにより、人 体の頭部の動きを自由にする。

【００２０】 然し乍、この場合にあっても、エアーバッグ本体１０の完全膨張に基づき、人 体頭部の左右方向からの衝撃に対しては保護している。 従って、この状態にお いて二次的事故の発生、例えば最初の事故で方向を失い、電柱または他車との再 度の衝突が発生しても、エアーバッグ本体１０がその衝撃からの保護作用を奏す る。 そして、この状態においては、頭の動きは自由化されているため、適切な る事故対応を採ることができる。 すなわち、このような作動に基づき、特に側 方からの衝撃に対して、ほヾ完璧なる保護が成される。

【００２１】 事故後約３０秒程度後には、エアーバッグ本体１０のガスが完全に抜けるため 、人体に対する保護は解消され、自動車から降りることができる。

【００２２】 結局、第１実施例の場合は人体に対して正面及び両側部から加わる衝撃を同時 に防止し、二次的事故に際しても、その侭の状態での保護が成されるが、第２実 施例の場合は、最初の事故発生後、先ず、頭部特に顔面に対する圧迫性が解消さ れるため、二次的事故に対する適正なる判断及び対応を採ることができる。

【００２３】

【考案の効果】

請求項１の考案は、エアーバッグ本体１の両側部に土手状部１ａ，１ａを形成 することに依り、人体頭部を前後左右から包み込むように構成したから、事故発 生に伴うエアーバッグ本体２の膨出に伴い、上半部、特に頭部全体が、前方及び 左右方向から挾み込まれるように保護されるため、正面からの衝撃は勿論、左右 方向からの衝撃に対しても保護作用が奏される。

【００２４】 請求項２の考案は、エアーバッグ本体の両側部に土手状部１０ａ，１０ａを形 成することに依り、人体頭部を前後左右から包み込むように構成すると共に、当 該エアーバッグ本体１０における土手状部１０ａ，１０ａの間に補助エアーバッ グ１１を設け、両エアーバッグはその膨出用ガスの吹き込み口と排出口とは夫々 別個の経路を辿り各独立したものとすることに依り、補助エアーバッグ１１のガ ス排出を待ってエアーバッグ本体１０のガス排出が成されるように構成したから 、二次的事故に対する適切なる対応を採ることが出来る。

【００２５】 すなわち、最初の事故発生時、エアーバッグ本体１０及び補助エアーバッグ１ １の膨出に基づき、上半身特に頭部を前方からの衝撃と同時に、左右方向からの 衝撃からも保護される。 そして、最初の事故発生後、エアーバッグ本体１０に 先行して、補助エアーバッグ１１のガスが抜けるため、顔面に対する圧迫性が解 消され、頭部の自由化が図られるから、エアーバッグ本体１０の圧迫に基づく息 苦しさの解消、及び頭を動かしてのて二次的事故に対する適正なる判断及び対応 を採ることが可能化される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の作動状態にある自動車内を表したの説
明用平面図である。

【図２】本考案の作動前の状態にある自動車内を表した
説明用平面図である。

【図３】本考案の作動状態にある自動車内を表したの説
明用側面図である。

【図４】本考案に係るエアーバッグを縦中心線で切断し
た縦断側面図である。

【図５】図４におけるＸ−Ｘ線断面図である。

【図６】本考案の第２の実施例を表し、その作動状態に
ある自動車内を表した説明用平面図である。

【図７】本考案の第２の実施例を表した平面図である。

【図８】本考案の第２の実施例の横断面図である。

【図９】本考案の第２の実施例において、補助エアーバ
ッグ１１のガス排出が完了した状態を表した平面図であ
る。

【図１０】本考案の第２の実施例において、エアーバッ
グ本体１０のガス排出が開始された状態を表した平面図
である。

【図１１】本考案の第２の実施例において、エアーバッ
グ本体１０のガス排出が６割程度なされた状態を表した
平面図である。

【符号の説明】

１ エアーバッグ本体 1a 土手状部 ２ 後部座席のエアーバッグ本体 2a 土手状部 10 エアーバッグ本体 10a土手状部 10b ガス吹き込み口 10c ガス排出口 11 補助エアーバッグ 11a ガス吹き込み口 11b ガス排出口

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 エアーバッグ本体(１)の両側部に土手状
   部(１ａ，１ａ)を形成することに依り、人体頭部を前方
   及び左右方向から包み込むように構成したことを特徴と
   する自動車用エアーバッグ。
2. 【請求項２】 エアーバッグ本体の両側部に土手状部
   (１０ａ，１０ａ)を形成することに依り、人体頭部を前
   方及び左右方向から包み込むように構成すると共に、当
   該エアーバッグ本体(１０)における土手状部(１０ａ，
   １０ａ)の間に補助エアーバッグ(１１)を設け、両エア
   ーバッグはその膨出用ガスの吹き込み口と排出口とは夫
   々別個の経路を辿り各独立したものとすることに依り、
   補助エアーバッグ(１１)のガス排出を待ってエアーバッ
   グ本体(１０)のガス排出が成されるように構成したこと
   を特徴とする自動車用エアーバッグ。