JP3027116B2 - 太陽電池 - Google Patents
太陽電池Info
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- JP3027116B2 JP3027116B2 JP8041697A JP4169796A JP3027116B2 JP 3027116 B2 JP3027116 B2 JP 3027116B2 JP 8041697 A JP8041697 A JP 8041697A JP 4169796 A JP4169796 A JP 4169796A JP 3027116 B2 JP3027116 B2 JP 3027116B2
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- solar cell
- semiconductor layer
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E10/00—Energy generation through renewable energy sources
- Y02E10/50—Photovoltaic [PV] energy
Landscapes
- Photovoltaic Devices (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、太陽電池及びその
製造方法に関するものである。
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】太陽電池は半導体のpn接合を基本構造
とし、入射光によりpn接合領域に励起されたキャリア
が拡散して半導体内を伝導し内部電界領域に達した後、
その内部電界によって電子はn側の電極へ、正孔はp側
の電極へ到達し、そこから外部に取り出されることによ
り出力が得られる。
とし、入射光によりpn接合領域に励起されたキャリア
が拡散して半導体内を伝導し内部電界領域に達した後、
その内部電界によって電子はn側の電極へ、正孔はp側
の電極へ到達し、そこから外部に取り出されることによ
り出力が得られる。
【0003】図2は、現在製造されている砒化ガリウム
(GaAs)太陽電池の構造を示す略断面図である。そ
の基本構成はGaAsのエミッターn型層4とベースp
型層5より形成されるpn接合層であるが、キャリアの
再結合損失を低下させるため、GaAsと同じ格子定数
を持ち、良好な界面を形成するガリウムインジウム燐
(Ga0.5In0.5P)を導入したヘテロ構造となってい
る。図においてエミッター層4の上に積層されたGa
0.5In0.5P層3は一般に窓層と呼ばれている。この窓
層3は、光生成キャリアが表面に到達しないようにして
表面再結合損失を低減させるための層である。またベー
ス層5の下に積層されたGa0.5In0.5P層6は裏面電
界(BSF)層と呼ばれ、裏面に到達するキャリアを追
い返し裏面での再結合損失を低減させるための層であ
り、生成キャリアの収集効率を高めるためには不可欠な
層である。
(GaAs)太陽電池の構造を示す略断面図である。そ
の基本構成はGaAsのエミッターn型層4とベースp
型層5より形成されるpn接合層であるが、キャリアの
再結合損失を低下させるため、GaAsと同じ格子定数
を持ち、良好な界面を形成するガリウムインジウム燐
(Ga0.5In0.5P)を導入したヘテロ構造となってい
る。図においてエミッター層4の上に積層されたGa
0.5In0.5P層3は一般に窓層と呼ばれている。この窓
層3は、光生成キャリアが表面に到達しないようにして
表面再結合損失を低減させるための層である。またベー
ス層5の下に積層されたGa0.5In0.5P層6は裏面電
界(BSF)層と呼ばれ、裏面に到達するキャリアを追
い返し裏面での再結合損失を低減させるための層であ
り、生成キャリアの収集効率を高めるためには不可欠な
層である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、周期律
表のIII族元素及びV族元素から成る化合物半導体太陽
電池は、異種の半導体材料を積層するヘテロ構造で構成
されるのが一般的であり、その製造手段としては有機金
属化学気相成長(MOCVD)法あるいは分子線エピタ
キシー(MBE)法といった成長法が現在主流である。
この場合の膜成長過程は、蒸気圧の高いV族元素で覆わ
れた成長基板表面にIII族元素が到達し、結合すること
によって進行していく。
表のIII族元素及びV族元素から成る化合物半導体太陽
電池は、異種の半導体材料を積層するヘテロ構造で構成
されるのが一般的であり、その製造手段としては有機金
属化学気相成長(MOCVD)法あるいは分子線エピタ
キシー(MBE)法といった成長法が現在主流である。
この場合の膜成長過程は、蒸気圧の高いV族元素で覆わ
れた成長基板表面にIII族元素が到達し、結合すること
によって進行していく。
【0005】ここで、図2に示した従来の太陽電池製造
の際の成膜シーケンスを考えると、例えばBSF層6か
らベース層5へかけてのGa0.5In0.5P層からGaA
s層の成長の際には、V族元素である燐(P)から砒素
(As)への切替えが必要となる。前述したようにV族
元素であるPやAsは蒸気圧が高く、この場合、Pの供
給をシャッター操作等の方法で遮断したとしても、それ
が払拭されるまでにはある程度の時間がかかる。
の際の成膜シーケンスを考えると、例えばBSF層6か
らベース層5へかけてのGa0.5In0.5P層からGaA
s層の成長の際には、V族元素である燐(P)から砒素
(As)への切替えが必要となる。前述したようにV族
元素であるPやAsは蒸気圧が高く、この場合、Pの供
給をシャッター操作等の方法で遮断したとしても、それ
が払拭されるまでにはある程度の時間がかかる。
【0006】そこで、通常V族元素切替え時には元素供
給の無い、いわゆる中断時間を設けている。この中断時
間が短いと、次に供給されるAsとの反応でガリウムイ
ンジウム砒素燐(GaInAsP)といったV族元素が
入り交じった界面生成物が形成されてしまう。一方、中
断時間が長い場合には、その間にGa0.5In0.5P膜表
面からのPの再蒸発、いわゆるV族ぬけが顕著に起こ
り、次に供給されるAsとの反応でやはりGaInAs
Pが形成される。この層はGa0.5In0.5P及びGaA
sよりも狭い禁制帯幅を有するため、伝導キャリアの再
結合領域となり、その結果太陽電池の効率は低下してし
まう。エミッター層4から窓層3の成長に際しても同様
のことが言える。
給の無い、いわゆる中断時間を設けている。この中断時
間が短いと、次に供給されるAsとの反応でガリウムイ
ンジウム砒素燐(GaInAsP)といったV族元素が
入り交じった界面生成物が形成されてしまう。一方、中
断時間が長い場合には、その間にGa0.5In0.5P膜表
面からのPの再蒸発、いわゆるV族ぬけが顕著に起こ
り、次に供給されるAsとの反応でやはりGaInAs
Pが形成される。この層はGa0.5In0.5P及びGaA
sよりも狭い禁制帯幅を有するため、伝導キャリアの再
結合領域となり、その結果太陽電池の効率は低下してし
まう。エミッター層4から窓層3の成長に際しても同様
のことが言える。
【0007】以上のように周期律表のIII族元素及びV
族元素から成る第1の化合物半導体と、それとは異なる
V族元素を構成元素とする第2のIII−V族化合物半導
体とのヘテロ接合を構成要素とする太陽電池において、
膜成長時のV族元素の切替に起因する太陽電池の効率低
下は大きな問題である。本発明の目的は、上記従来技術
の問題を解決するため、ヘテロ界面での損失を低減する
に最適な太陽電池構造を提案することにある。
族元素から成る第1の化合物半導体と、それとは異なる
V族元素を構成元素とする第2のIII−V族化合物半導
体とのヘテロ接合を構成要素とする太陽電池において、
膜成長時のV族元素の切替に起因する太陽電池の効率低
下は大きな問題である。本発明の目的は、上記従来技術
の問題を解決するため、ヘテロ界面での損失を低減する
に最適な太陽電池構造を提案することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、周期律表のIII族元素及びV族元素から成
る第1の化合物半導体上に、それとは異なるV族元素を
構成元素とする第2のIII−V族化合物半導体を積層す
る構造を有する太陽電池において、その界面に第1及び
第2の化合物半導体の少なくとも一方より大きい禁制帯
幅を有し、かつ、それらを構成するV族元素の両方を構
成元素とする第3のIII−V族化合物半導体層を導入し
た太陽電池構造を提案するものである。このような精密
な膜制御を必要とする素子構造の作製には分子線エピタ
キシー(MBE)法や有機金属化学気相成長(MOCV
D)法等の成長法が適している。
成するため、周期律表のIII族元素及びV族元素から成
る第1の化合物半導体上に、それとは異なるV族元素を
構成元素とする第2のIII−V族化合物半導体を積層す
る構造を有する太陽電池において、その界面に第1及び
第2の化合物半導体の少なくとも一方より大きい禁制帯
幅を有し、かつ、それらを構成するV族元素の両方を構
成元素とする第3のIII−V族化合物半導体層を導入し
た太陽電池構造を提案するものである。このような精密
な膜制御を必要とする素子構造の作製には分子線エピタ
キシー(MBE)法や有機金属化学気相成長(MOCV
D)法等の成長法が適している。
【0009】上記従来技術の問題点は膜成長時のV族元
素雰囲気の切替の困難さに起因しているため、それを逆
に利用し、第1及び第2の化合物半導体に含まれるV族
元素の両方を含む化合物半導体層をその界面に導入する
ことはたやすい。例えば、図2に示したようなGa0.5
In0.5Pを窓層3及びBSF層6とするGaAs太陽
電池の場合においては、第3のIII−V族化合物半導体
層9としてガリウム砒素燐(GaAsP)あるいはアル
ミニウムガリウム砒素燐(AlGaAsP)等が適して
おり、その導入部はGa0.5In0.5P層とGaAs層と
のヘテロ接合の3箇所であり、それを図1に示した。
素雰囲気の切替の困難さに起因しているため、それを逆
に利用し、第1及び第2の化合物半導体に含まれるV族
元素の両方を含む化合物半導体層をその界面に導入する
ことはたやすい。例えば、図2に示したようなGa0.5
In0.5Pを窓層3及びBSF層6とするGaAs太陽
電池の場合においては、第3のIII−V族化合物半導体
層9としてガリウム砒素燐(GaAsP)あるいはアル
ミニウムガリウム砒素燐(AlGaAsP)等が適して
おり、その導入部はGa0.5In0.5P層とGaAs層と
のヘテロ接合の3箇所であり、それを図1に示した。
【0010】本発明の太陽電池構造によると、膜成長時
のV族元素の切替に起因する効率低下の問題を解決する
ことが可能である。図1の断面構造を有する太陽電池を
例にとり、図3のエネルギーバンド図を参照してその作
用について説明する。図3において、(a)は図2に示
した従来構造における窓層3、エミッター層4、ベース
層5、BSF層6の理想状態のエネルギーバンド図、
(b)は実際に作製した素子におけるエネルギーバンド
図、(c)は本発明の構造におけるP原子の混晶比が大
きいGaAsP層導入の(第3の化合物半導体の禁制帯
幅が、第1の化合物半導体と第2の化合物半導体のどち
らよりも大きい)場合のエネルギーバンド図、(d)は
P原子の混晶比が小さいGaAsP層導入(第3の化合
物半導体の禁制帯幅が、第1の化合物半導体あるいは第
2の化合物半導体のどちらかより大きい)の場合のエネ
ルギーバンド図をそれぞれ示している。ただし、図にお
いてはヘテロ界面における禁制帯幅の差に起因するバン
ドの曲がりは省略し、実効的なエネルギー差のみを示し
た。
のV族元素の切替に起因する効率低下の問題を解決する
ことが可能である。図1の断面構造を有する太陽電池を
例にとり、図3のエネルギーバンド図を参照してその作
用について説明する。図3において、(a)は図2に示
した従来構造における窓層3、エミッター層4、ベース
層5、BSF層6の理想状態のエネルギーバンド図、
(b)は実際に作製した素子におけるエネルギーバンド
図、(c)は本発明の構造におけるP原子の混晶比が大
きいGaAsP層導入の(第3の化合物半導体の禁制帯
幅が、第1の化合物半導体と第2の化合物半導体のどち
らよりも大きい)場合のエネルギーバンド図、(d)は
P原子の混晶比が小さいGaAsP層導入(第3の化合
物半導体の禁制帯幅が、第1の化合物半導体あるいは第
2の化合物半導体のどちらかより大きい)の場合のエネ
ルギーバンド図をそれぞれ示している。ただし、図にお
いてはヘテロ界面における禁制帯幅の差に起因するバン
ドの曲がりは省略し、実効的なエネルギー差のみを示し
た。
【0011】理想状態では図3(a)のようになり、素
子の奥深くで生成された電子も裏面のBSF層6にはね
かえされ、表面のn層側へ到達することができる。ま
た、正孔は裏面方向へ損失なく伝導する。よって、ヘテ
ロ構造導入の効果によりキャリアの収集効率は高くなる
ことが期待できる。しかし、実際に作製すると、ヘテロ
界面にGaInAsP等の生成物が形成されてしまう。
このときのエネルギーバンドは、禁制帯幅の狭い領域を
含んだ(b)に示すようになる。伝導するキャリアは電
極に到達する前にエネルギーの低い領域に捕らえられて
しまうので、再結合損失が増大し、太陽電池の性能は低
下する。
子の奥深くで生成された電子も裏面のBSF層6にはね
かえされ、表面のn層側へ到達することができる。ま
た、正孔は裏面方向へ損失なく伝導する。よって、ヘテ
ロ構造導入の効果によりキャリアの収集効率は高くなる
ことが期待できる。しかし、実際に作製すると、ヘテロ
界面にGaInAsP等の生成物が形成されてしまう。
このときのエネルギーバンドは、禁制帯幅の狭い領域を
含んだ(b)に示すようになる。伝導するキャリアは電
極に到達する前にエネルギーの低い領域に捕らえられて
しまうので、再結合損失が増大し、太陽電池の性能は低
下する。
【0012】一方、本発明の構造では第3の化合物半導
体層9を導入し、界面生成物が形成される領域を禁制帯
幅の大きい領域に置き換えることにより、従来構造にお
ける再結合損失を低減する。図3(c)、(d)に示し
たように、導入する第3の化合物半導体層としては2種
類が考えられる。まず、P原子の混晶比が大きいGaA
sPのように第3の化合物半導体の禁制帯幅が、第1の
化合物半導体と第2の半導体のそれのどちらよりも大き
い層を導入した場合には(c)にようになる。また、P
原子の混晶比が小さいGaAsPのように第3の化合物
半導体の禁制帯幅が、第1の化合物半導体あるいは第2
の化合物半導体のそれのどちらかより大きい層を導入し
た場合には(d)のようになる。いずれの場合にも再結
合領域が消滅し、従来構造における損失を低減すること
ができる。特に(c)においては、導入した第3の化合
物半導体層9が少数キャリアに対してより大きなBSF
効果を示す。AlGaAsP層導入の場合にも、その組
成比によって(c)と(d)の両方が可能である。
体層9を導入し、界面生成物が形成される領域を禁制帯
幅の大きい領域に置き換えることにより、従来構造にお
ける再結合損失を低減する。図3(c)、(d)に示し
たように、導入する第3の化合物半導体層としては2種
類が考えられる。まず、P原子の混晶比が大きいGaA
sPのように第3の化合物半導体の禁制帯幅が、第1の
化合物半導体と第2の半導体のそれのどちらよりも大き
い層を導入した場合には(c)にようになる。また、P
原子の混晶比が小さいGaAsPのように第3の化合物
半導体の禁制帯幅が、第1の化合物半導体あるいは第2
の化合物半導体のそれのどちらかより大きい層を導入し
た場合には(d)のようになる。いずれの場合にも再結
合領域が消滅し、従来構造における損失を低減すること
ができる。特に(c)においては、導入した第3の化合
物半導体層9が少数キャリアに対してより大きなBSF
効果を示す。AlGaAsP層導入の場合にも、その組
成比によって(c)と(d)の両方が可能である。
【0013】また、このとき第3の化合物半導体層を、
第1の化合物半導体層及び第2の化合物半導体層よりも
屈折率の小さい材料とすれば、従来構造よりヘテロ界面
における屈折率差を大きくして、光の閉じ込め効率を向
上させることができる。以上の作用により、本発明の構
造においては理想的な素子に近い高いキャリアの収集効
率が実現でき、高効率の太陽電池の作製が可能となる。
第1の化合物半導体層及び第2の化合物半導体層よりも
屈折率の小さい材料とすれば、従来構造よりヘテロ界面
における屈折率差を大きくして、光の閉じ込め効率を向
上させることができる。以上の作用により、本発明の構
造においては理想的な素子に近い高いキャリアの収集効
率が実現でき、高効率の太陽電池の作製が可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。 [実施の形態1]図2に示した従来構造の太陽電池にお
いて、Ga0.5In0.5PからGaAsへの切り替えの際
及びGaAsからGa0.5In0.5Pへの切り替えの際に
本発明を適用して図1に断面構造を略示する太陽電池を
製造した。成長方法はガスソースMBE(GS−MB
E)法とした。これはV族元素の供給に気体原料を用い
る方法である。ここではAsに関してアルシン(AsH
3)、Pに関してホスフィン(PH3)を熱クラッキング
して用いた。作製する半導体基板はp型のGaAs(1
00)基板である。
て説明する。 [実施の形態1]図2に示した従来構造の太陽電池にお
いて、Ga0.5In0.5PからGaAsへの切り替えの際
及びGaAsからGa0.5In0.5Pへの切り替えの際に
本発明を適用して図1に断面構造を略示する太陽電池を
製造した。成長方法はガスソースMBE(GS−MB
E)法とした。これはV族元素の供給に気体原料を用い
る方法である。ここではAsに関してアルシン(AsH
3)、Pに関してホスフィン(PH3)を熱クラッキング
して用いた。作製する半導体基板はp型のGaAs(1
00)基板である。
【0015】AsH3供給下のAs雰囲気において、G
aAs基板8の表面の酸化膜を580℃、10分の熱ク
リーニングにより除去した後、GaとBeのシャッター
を開き、同一温度にて基板8上にバッファー層7として
ベリリウム(Be)をドープしたp型GaAs層(ドー
プ濃度7×1018cm-3)を0.3μm成長させた。そ
の後、基板温度を500℃まで低下させ、GaとIn及
びBeのシャッターを同時に開き、BSF層6としてB
eをドープしたp型Ga0.5In0.5P層(ドープ濃度
4.5×1018cm-3)を0.1μm成長させた。BS
F層6の成長終了後、Inシャッターを先に閉じ、Ga
シャッターを開いたままPとAsを同時に供給し第3の
化合物半導体層9としてGaAsP層を形成した。この
ように第3の化合物半導体層9の導入は、シャッター操
作のみで非常に容易に実現できる。第3の化合物半導体
層9の膜厚は1nm程度で十分な効果が得られる。
aAs基板8の表面の酸化膜を580℃、10分の熱ク
リーニングにより除去した後、GaとBeのシャッター
を開き、同一温度にて基板8上にバッファー層7として
ベリリウム(Be)をドープしたp型GaAs層(ドー
プ濃度7×1018cm-3)を0.3μm成長させた。そ
の後、基板温度を500℃まで低下させ、GaとIn及
びBeのシャッターを同時に開き、BSF層6としてB
eをドープしたp型Ga0.5In0.5P層(ドープ濃度
4.5×1018cm-3)を0.1μm成長させた。BS
F層6の成長終了後、Inシャッターを先に閉じ、Ga
シャッターを開いたままPとAsを同時に供給し第3の
化合物半導体層9としてGaAsP層を形成した。この
ように第3の化合物半導体層9の導入は、シャッター操
作のみで非常に容易に実現できる。第3の化合物半導体
層9の膜厚は1nm程度で十分な効果が得られる。
【0016】次に基板温度を580℃とし、Beをドー
プしたp型GaAsベース層5(ドープ濃度2×1017
cm-3)を3.0μm、続いて珪素(Si)をドープし
たn型GaAsエミッター層4(ドープ濃度2×1018
cm-3)を0.1μm成長させた。その後、GaとAs
のシャッターと同時にPのシャッターを開き、再び第3
の化合物半導体層9としてGaAsP層を導入した。そ
して基板温度を再び500℃まで低下させ、温度安定
後、窓層3としてSiをドープしたn型Ga0.5In0.5
P層(ドープ濃度2×1018cm-3)を0.03μm成
長させた。窓層3の成長後にも同様にして第3の化合物
半導体層9を導入した。最後に、Siをドープしたn型
GaAsキャップ層2(ドープ濃度3×1018cm-3)
を0.5μm成長させた。
プしたp型GaAsベース層5(ドープ濃度2×1017
cm-3)を3.0μm、続いて珪素(Si)をドープし
たn型GaAsエミッター層4(ドープ濃度2×1018
cm-3)を0.1μm成長させた。その後、GaとAs
のシャッターと同時にPのシャッターを開き、再び第3
の化合物半導体層9としてGaAsP層を導入した。そ
して基板温度を再び500℃まで低下させ、温度安定
後、窓層3としてSiをドープしたn型Ga0.5In0.5
P層(ドープ濃度2×1018cm-3)を0.03μm成
長させた。窓層3の成長後にも同様にして第3の化合物
半導体層9を導入した。最後に、Siをドープしたn型
GaAsキャップ層2(ドープ濃度3×1018cm-3)
を0.5μm成長させた。
【0017】このようにして作製した太陽電池の量子効
率を、図2に示した従来の太陽電池の量子効率を1とし
て相対的に比較した結果を図4に示す。図4から明らか
なように、本発明による太陽電池は、短波長側及び長波
長側の量子効率に顕著な向上が見られる。また、最近タ
ンデム型太陽電池のボトムセルとして注目を集めている
ガリウムインジウム砒素(Ga0.5In0.5As)太陽電
池においては、インジウム燐(InP)を窓層3及びB
SF層6として用いており、第3の化合物半導体層9と
して適正な組成比のインジウム砒素燐(InAsP)あ
るいはアルミニウムインジウム砒素燐(AlInAs
P)を導入することによって同様の効果が得られる。 [実施の形態2]界面損失低減とともに光閉じ込め効率
も向上させた太陽電池を作製した。光閉じ込め効率を向
上させるには、第3の化合物半導体として第1及び第2
の化合物半導体よりも屈折率の小さな材料を選択するこ
とが必要であり、その屈折率が小さいほど閉じこめ効率
は上がる。屈折率低下にはAlの導入が有効である。こ
こでは、第3の化合物半導体層としてGaAsP層に代
えてAlGaAsP層を用いた以外は実施の形態1と同
様の、図1に断面構造を略示する太陽電池を作製した。
率を、図2に示した従来の太陽電池の量子効率を1とし
て相対的に比較した結果を図4に示す。図4から明らか
なように、本発明による太陽電池は、短波長側及び長波
長側の量子効率に顕著な向上が見られる。また、最近タ
ンデム型太陽電池のボトムセルとして注目を集めている
ガリウムインジウム砒素(Ga0.5In0.5As)太陽電
池においては、インジウム燐(InP)を窓層3及びB
SF層6として用いており、第3の化合物半導体層9と
して適正な組成比のインジウム砒素燐(InAsP)あ
るいはアルミニウムインジウム砒素燐(AlInAs
P)を導入することによって同様の効果が得られる。 [実施の形態2]界面損失低減とともに光閉じ込め効率
も向上させた太陽電池を作製した。光閉じ込め効率を向
上させるには、第3の化合物半導体として第1及び第2
の化合物半導体よりも屈折率の小さな材料を選択するこ
とが必要であり、その屈折率が小さいほど閉じこめ効率
は上がる。屈折率低下にはAlの導入が有効である。こ
こでは、第3の化合物半導体層としてGaAsP層に代
えてAlGaAsP層を用いた以外は実施の形態1と同
様の、図1に断面構造を略示する太陽電池を作製した。
【0018】Beをドープしたp型Ga0.5In0.5P層
(ドープ濃度4.5×1018cm-3)からなるBSF層
6とBeをドープしたp型GaAsベース層5(ドープ
濃度2×1017cm-3)との界面へのAlGaAsP層
の導入は、BSF層6の成長終了後、Inシャッターを
先に閉じ、Gaシャッターを開いたままP,As及びA
lを同時に供給することで行った。Siをドープしたn
型GaAsエミッター層4(ドープ濃度2×1018cm
-3)とSiをドープしたn型Ga0.5In0.5P窓層3
(ドープ濃度2×1018cm-3)の界面へのAlGaA
sP層の導入は、エミッター層4の成長終了後、Gaシ
ャッター及びAsシャッターを開いたままP及びAlを
同時に供給することで行った。窓層3の成長後にも、同
様にして第3の化合物半導体層9としてAlGaAsP
層を導入した。第3の化合物半導体層9の膜厚はいずれ
も約1nmとした。
(ドープ濃度4.5×1018cm-3)からなるBSF層
6とBeをドープしたp型GaAsベース層5(ドープ
濃度2×1017cm-3)との界面へのAlGaAsP層
の導入は、BSF層6の成長終了後、Inシャッターを
先に閉じ、Gaシャッターを開いたままP,As及びA
lを同時に供給することで行った。Siをドープしたn
型GaAsエミッター層4(ドープ濃度2×1018cm
-3)とSiをドープしたn型Ga0.5In0.5P窓層3
(ドープ濃度2×1018cm-3)の界面へのAlGaA
sP層の導入は、エミッター層4の成長終了後、Gaシ
ャッター及びAsシャッターを開いたままP及びAlを
同時に供給することで行った。窓層3の成長後にも、同
様にして第3の化合物半導体層9としてAlGaAsP
層を導入した。第3の化合物半導体層9の膜厚はいずれ
も約1nmとした。
【0019】図1に示すように、このような3種類の半
導体層の組がエミッタ層4及びベース層5を挟んで2組
存在するダブルヘテロ構造では、光の閉じこめ効率がよ
り高くなりキャリアの収集効率が上がる。ここで作製し
た太陽電池は、第3の化合物半導体層9としてAlGa
AsP層を用いたことにより、GaAsP層を用いた実
施の形態1の太陽電池に比較して量子効率が全体的に数
%向上した。同様の効果はGa0.5In0.5As太陽電池
において第3の半導体層としてAlInAsP層を用い
た場合にも得られる。
導体層の組がエミッタ層4及びベース層5を挟んで2組
存在するダブルヘテロ構造では、光の閉じこめ効率がよ
り高くなりキャリアの収集効率が上がる。ここで作製し
た太陽電池は、第3の化合物半導体層9としてAlGa
AsP層を用いたことにより、GaAsP層を用いた実
施の形態1の太陽電池に比較して量子効率が全体的に数
%向上した。同様の効果はGa0.5In0.5As太陽電池
において第3の半導体層としてAlInAsP層を用い
た場合にも得られる。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、成長時のV族元素切替
えに起因する界面生成物による再結合損失を低減し、高
効率の太陽電池を作製することができる。
えに起因する界面生成物による再結合損失を低減し、高
効率の太陽電池を作製することができる。
【図1】本発明による太陽電池の断面構造図。
【図2】従来の太陽電池の断面構造図。
【図3】各素子のエネルギーバンドの説明図であり、
(a)は理想構造の場合、(b)は実際の素子の場合、
(c)はP原子の混晶比が大きいGaAsP層導入の場
合、(d)はP原子の混晶比が小さいGaAsP層導入
の場合を示す。
(a)は理想構造の場合、(b)は実際の素子の場合、
(c)はP原子の混晶比が大きいGaAsP層導入の場
合、(d)はP原子の混晶比が小さいGaAsP層導入
の場合を示す。
【図4】本発明による太陽電池の相対量子効率を従来例
を1として示した図。
を1として示した図。
1…表面電極、2…キャップ層、3…窓層、4…エミッ
ター層、5…ベース層、6…BSF、7…バッファー
層、8…半導体基板、9…第3の化合物半導体層
ター層、5…ベース層、6…BSF、7…バッファー
層、8…半導体基板、9…第3の化合物半導体層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田村 克 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地 株式会社 日立製作所 中央研究所内 (72)発明者 峯邑 純子 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地 株式会社 日立製作所 中央研究所内 (56)参考文献 特開 昭60−218881(JP,A) 特開 昭63−261882(JP,A) 特開 平2−36536(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 31/04 - 31/078
Claims (7)
- 【請求項1】周期律表のIII−V族元素から成る第1の
化合物半導体層と、それとは異なるV族元素を構成元素
とする第2のIII−V族化合物半導体層とを積層する構
造を有し、前記第1の化合物半導体層と前記第2の化合
物半導体層の格子定数が同じである太陽電池において、
前記第1の化合物半導体層と第2の化合物半導体層との
界面に前記第1及び第2の化合物半導体の少なくとも一
方より大きい禁制帯幅を有し、前記第1及び第2の化合
物半導体層を構成するV族元素の両方を構成元素とする
第3のIII−V族化合物半導体層を導入したことを特徴
とする太陽電池。 - 【請求項2】前記第3の化合物半導体層は、前記第1の
化合物半導体層及び第2の化合物半導体層より小さい屈
折率を有することを特徴とする請求項1記載の太陽電
池。 - 【請求項3】前記第1、第2、第3の化合物半導体層の
組をpn接合層を挟んで2組有することを特徴とする請
求項2記載の太陽電池。 - 【請求項4】前記第1の化合物半導体がガリウムインジ
ウム燐であり、前記第2の化合物半導体がガリウム砒素
であり、前記第3の化合物半導体がガリウム砒素燐であ
ることを特徴とする請求項1、2又は3記載の太陽電
池。 - 【請求項5】前記第1の化合物半導体がガリウムインジ
ウム燐であり、前記第2の化合物半導体がガリウム砒素
であり、前記第3の化合物半導体がアルミニウムガリウ
ム砒素燐であることを特徴とする請求項1、2又は3記
載の太陽電池。 - 【請求項6】前記第1の化合物半導体がガリウムインジ
ウム砒素であり、前記第2の化合物半導体がインジウム
燐であり、前記第3の化合物半導体がインジウム砒素燐
であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の太陽
電池。 - 【請求項7】前記第1の化合物半導体がガリウムインジ
ウム砒素であり、前記第2の化合物半導体がインジウム
燐であり、前記第3の化合物半導体がアルミニウムイン
ジウム砒素燐であることを特徴とする請求項1、2又は
3記載の太陽電池。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP8041697A JP3027116B2 (ja) | 1996-02-28 | 1996-02-28 | 太陽電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8041697A JP3027116B2 (ja) | 1996-02-28 | 1996-02-28 | 太陽電池 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09283778A JPH09283778A (ja) | 1997-10-31 |
JP3027116B2 true JP3027116B2 (ja) | 2000-03-27 |
Family
ID=12615622
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8041697A Expired - Fee Related JP3027116B2 (ja) | 1996-02-28 | 1996-02-28 | 太陽電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3027116B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015159613A (ja) * | 2015-05-01 | 2015-09-03 | 富士通株式会社 | 携帯装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2969985B1 (fr) * | 2010-12-30 | 2016-09-09 | Thales Sa | Générateur solaire plan deroulable |
US9178098B2 (en) * | 2012-02-29 | 2015-11-03 | The Boeing Company | Solar cell with delta doping layer |
JP2019110192A (ja) * | 2017-12-18 | 2019-07-04 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 | 太陽電池 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2856323B2 (ja) * | 1988-07-27 | 1999-02-10 | 株式会社日立製作所 | 半導体装置 |
-
1996
- 1996-02-28 JP JP8041697A patent/JP3027116B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015159613A (ja) * | 2015-05-01 | 2015-09-03 | 富士通株式会社 | 携帯装置 |
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Publication number | Publication date |
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JPH09283778A (ja) | 1997-10-31 |
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