JP3086630U - テーピング用テープ - Google Patents
テーピング用テープInfo
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Abstract
(57)【要約】
【課題】関節の複雑な動きに対応できるテーピング用テ
ープを提供することを課題とする。 【解決手段】ある一方向、これに垂直な方向、及び斜め
方向に伸縮力を持つ通気性素材と、接着層によって成
り、前記通気性素材が、ポリウレタンを用いた弾性繊維
のフィラメントを積層させた構造を有し、それぞれの方
向における100%伸長の応力が、40〜1,000g
/cmの範囲にあり、100%伸長の回復率が、80〜
100%の範囲にあり、破断の強力が、90〜3,00
0g/cmの範囲にあり、破断の伸度が、370〜1,
500%の範囲にあって、人体の一部を運動可能に保定
するテーピング用テープである。
ープを提供することを課題とする。 【解決手段】ある一方向、これに垂直な方向、及び斜め
方向に伸縮力を持つ通気性素材と、接着層によって成
り、前記通気性素材が、ポリウレタンを用いた弾性繊維
のフィラメントを積層させた構造を有し、それぞれの方
向における100%伸長の応力が、40〜1,000g
/cmの範囲にあり、100%伸長の回復率が、80〜
100%の範囲にあり、破断の強力が、90〜3,00
0g/cmの範囲にあり、破断の伸度が、370〜1,
500%の範囲にあって、人体の一部を運動可能に保定
するテーピング用テープである。
Description
【0001】
【考案の属する技術分野】本考案は、テーピング用テープの技術分野に属する 。
【0002】
【従来の技術】日本における初期のテーピング理論は、アメリカンフットボー ルやスポーツ競技において、関節部の予防、負傷による競技の続行や再発防止を 目的として発展した。現在では、外傷で負傷した時の応急処置、患部の固定及び 安静、経過後の再発防止・保護・予防を目的として、体育・スポーツや理学療法 ・鍼灸・柔道整復・カイロプラクティックなどの現場で応用され、新たなテーピ ング理論が考案され生まれている。
【0003】治療を目的としたスパイラルテーピング理論は、東洋医学とスパイ ラル理論を元に考案されたもので、非伸縮性テープの貼り方によって独自の理論 体系を確立した。非伸縮性テープは固定力という点で優れているから、スパイラ ルテーピング理論は、関節部の固定といった概念で活用できる。
【0004】ファンクショナルテーピング理論は、非伸縮性テープと伸縮性テー プとの組み合わせにより対応する方法である。テーピングの固定方法や強度は、 損傷部位の経過や損傷度合い、スポーツ競技の種目によって変わってくる。中に は、固定しながらもある程度の動きを必要とする場合もある。それらの要望に対 し考案されたのが、ファンクショナルテーピング理論といえる。ある程度の固定 が必要であり、かつ関節運動機能も必要という場合には、ファンクショナルテー ピング理論を活用できる。
【0005】ただし、ファンクショナルテーピング理論は、スポーツ競技を主に 考案されているので、治療で必要とされる固定の持続性というものがなく、日常 生活のケアとして機能していない。治療現場において重要なのは、固定の持続性 ・テープの厚差・粘着力・通気性・皮フのかぶれ具合などであり、身体へ貼った ときの体感性なども考慮されなければならない。
【0006】治療を目的として考案されたキネシオテーピング理論は、カイロプ ラクティックを元にしたテーピング理論である。キネシオテーピング理論では、 一方向伸縮性テープを使用し、本来の機能に支障を来した筋肉や、種々の障害が 生じてきている筋肉を正常に戻す。一方向性伸縮性テープを使用し、筋力低下を 起こしている筋肉の走行に貼り筋力をアップする。
【0007】テーピングは、スポーツ競技中や怪我をした時、関節を固定するこ と等により患部を安静にし、自然治癒力の促進等を狙ったものであり、患部の再 発防止や競技の続行又は怪我の予防を目的として医療等の中で発展してきた。現 在では、上記のようなテーピング理論が考案され、非伸縮性テープや一方向に伸 び縮みする一方向伸縮性テープが使用されている。実際、足関節内がえし捻挫の 固定を目的にした従来のテーピング理論でも、非伸縮性テープ若しくは一方向に 伸び縮みする伸縮性テープが用いられている。
【0008】
【考案が解決しようとする課題】足関節内がえし捻挫に対処するテーピング方 法は、患部が損傷初期なのか経過後なのか、あるいは損傷程度が軽度か重度かに よって異なり、使用テープも変わる。例えば、損傷の初期時や重度の損傷であれ ば腫脹が大きいため、一般的に、伸縮性テープは使用しない方が良い。テープの 伸縮力により患部を圧迫するおそれがあるからである。
【0009】ところで、捻挫によって関節を構成している骨と骨との骨間には、 大なり小なり引き離す力が働く。歩行時や体重移動時に足を踏ん張り、力を入れ ると足関節部に痛みが走るのは、負傷した関節内の骨間に離開力が働き、関節構 造に微妙な影響を及ぼすからである。その離開力に対抗するために、伸縮性テー プの利用が期待できる。伸縮力を持ったテープの力を利用して、離開している骨 間を引き寄せる働きをさせるのである。ただ、ここで考えなければならないのは 、伸縮力を持つテープであれば何でも良いのかという問題である。
【0010】関節機能構造を考えてみた場合、問題は単純ではない。ここで関節 構造を分類すると、運動様式により、平面関節、臼関節、球関節、顆状関節、 蝶番関節、車軸関節、鞍関節等と分類できる。また、運動軸により、一軸性関 節、二軸性関節、三軸性関節、多軸性関節と分類できる。
【0011】人間の体重軸、生体力学、運動機能学を考えると、足関節機能の場 合、運動方向として低屈、背屈、内転、外転、内がえし(外反、背屈、外転)、 外がえし(内反、低屈、内転)に見られるよう、内がえし、外がえし運動を行う には、一つの動作で三つの関節運動機能が必要となる。足関節の運動機能を考え ると、一つの動作において三つの関節機能が同時に働かなければならない。関節 運動とは単純に曲げたり伸ばしたり、回転したりするのではなく、一つの動作に おいて、屈伸、捻転、回施など、同時に複雑な動きをする。
【0012】例えば、物を食べるという動作では、箸を持って物を掴みそれを口 元に運んで来るという動作がある。そこには、指、肘、肩関節が働き、筋肉伸縮 性が屈曲、伸展、内転、外転、内施、外施、捻転し、これらの動作が複雑に機能 するのである。このように、関節の動きは単に曲げ伸ばしだけではなく複雑な動 きをする。それを考えると、従来の伸縮性テープでは、その複雑な動きに対応で きない。本考案の第一の課題は、関節等を単純に固定してしまうのではなく、複 雑な動きに対応して運動を可能にしつつ、所望の位置に回復保持して保定するこ とができるテーピング用テープを提供することである。
【0013】さて、ファンクショナルテーピング理論では、足関節を損傷した場 合に厚みのあるテープを多用する。関節の複雑な稼働機能を考慮した上で、一方 向伸縮性テープを用いてテーピングをすることは困難である。テープを多く貼る ことによってこれに対応するためには、関節の複雑な運動方向とテープの伸縮方 向を考慮し多方向に貼る手間を要する。それにも益して従来の一方向伸縮性テー プは厚みがあり過ぎるため、腫れた足関節周囲にテープを重ねて靴を履くなどす れば、かえって足の指やアキレス腱又は膝などに悪い影響を与えることになる。 厚みのあるテープを多用することにより、関節運動機能や身体重力などに微妙な 影響を与えてしまう。
【0014】また、テープが厚いと付着部分と例えば服などとの摩擦により、テ ープが剥がれ易くなる。さらに、足部へ厚みのあるテープを貼り過ぎると靴との 摩擦により足の障害の原因にもなり兼ねず、歩行時への影響も考えられる。この ように、テープの厚みにより幾多の弊害が生じる。本考案の第二の課題は、テー ピングの厚さが厚くならないテーピング用テープを提供することである。
【0015】更に、従来の伸縮性テープを見ると伸縮力が適当ではないという問 題点を指摘できる。伸縮力が弱いと、負傷した関節内の骨間に働く離開力を十分 に緩和させることができない。従来の伸縮性テープでは、関節部への固定力と、 関節内の骨間において働いている離開力に対する牽引力とが不足するから、靭帯 などの修復力を高めることができないのである。逆に伸縮力の強すぎるテープを 用いると、特定の方向に無理な収縮力が働き、かえって治癒に逆効果となる。本 考案の第三の課題は、骨間に働く離開力を十分に緩和でき、適当な保定力を有す るテーピング用テープを提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するための手段は、実用新案登 録請求の範囲に記載の通りである。すなわち、請求項1の考案は、ある一方向、 これに垂直な方向、及び斜め方向に伸縮力を持つ通気性素材と、接着層によって 成り、前記通気性素材が、ポリウレタンを用いた弾性繊維のフィラメントを積層 させた構造を有し、それぞれの方向における100%伸長の応力が、40〜1, 000g/cmの範囲にあり、100%伸長の回復率が、80〜100%の範囲 にあり、破断の強力が、90〜3,000g/cmの範囲にあり、破断の伸度が 、370〜1,500%の範囲にあって、人体の一部を運動可能に保定するテー ピング用テープである。
【0017】テープ素材を、交編織布ではなく、弾性繊維のフィラメントを積層 させた不織布としたものであるから、伸縮性に方向性が無い。また、ポリウレタ ン弾性繊維であるから、特有の高伸度をどの方向にも得ることができ、摩擦係数 の点でも極めて大きい滑り抵抗を示す。
【0018】ここで、100%伸張の応力とは、基材を100%伸ばした時に掛 かる力をいい、100%伸張の回復率とは、基材を100%伸ばして戻した時の 回復率のことをいう。例えば、回復率が90%のテープを10cm伸ばせば、9 cm戻ることになる。
【0019】また、破断の強力とは、基材が破れるまで伸ばした時に掛かる力を いい、破断の伸度とは、基材が破れるまで伸ばした時の伸長率をいう。
【0020】請求項2の考案は、前記テープが一つの動作において三つの関節運 動機能が同時に働く多方向伸縮性を備えるテーピング用テープである。
【0021】請求項3の考案は、前記テープが骨と骨とを引き寄せて、骨間に働 く離開力に対する牽引力を呈するテーピング用テープである。
【0022】
【考案の実施の形態】本考案によるテーピング用テープは、伸縮力等による刺 激により、皮下にある感覚受容器や自律神経に働きかけて、身体の新陳代謝を促 進し、血液の循環を良くする。テープの伸縮力を利用した治療効果が表われ、ま た、循環を良くして新陳代謝を促進する。これにより、皮下にある自律神経に働 きかけ感覚受容器や血管、筋などに影響を与える。
【0023】また、本考案によるテーピング用テープは、その強い伸縮力によっ て、テーピング部位を意識させることになる。よって、人間・動物が本能的に持 っている自然治癒力が活性化する。意識していない部位より意識している部位の 方が早く治るという理論からすると、皮内針・磁気に変わる新しい刺激療法の一 分野となる。多方向伸縮性テープを貼る事による意識化で、人間が本来持ってい る自然治療能力が高まる。これは、意識していない部分より早く治るという理論 から成り立っている。
【0024】また、本考案によるテーピング用テープは、損傷部位の早期治療、 予防、再発防止、若しくは保護筋や関節部に対する固定、保護、予防に加えて、 治療効果も考えられる。例えば、固定力と関節内で離開力が働いている骨間に対 する牽引力とで、靭帯などの修復力が高まる。
【0025】先程にも記述したように捻挫というのは関節を構成している骨と骨 との間に離開力が働き、靭帯に損傷を与えることである。その離開力が働いた関 節においては靭帯になんらかの損傷があり関節が不安定になっている。そこで、 関節構造と運動機能を考え合わせると、テーピング用テープに骨と骨とを引き寄 せるような牽引力があれば不安定な関節も安定する。多方向へ伸縮性がある本考 案によるテーピング用テープは、関節の運動を許し、その機能性を消失させず、 しかも関節を所望の位置に復旧させるように保定するから、靭帯への他の部位へ の悪影響も少なくて済む。さらに、ファンクショナルテーピング理論のように、 テープを多用しないで済むからテーピングの厚みを抑えることができる。
【0026】また、本考案によるテーピング用テープは、生体力学・構造学的に も多方向に伸縮力がある利点を生せる。たとえ捻挫をしてなくても、人体の構造 学的な問題から来る疾患に対する作用が考えられる。関節構造的特性と運動機能 学的見地から見ても有効である。例えば、足の変形(構造学的変化したもの)が 膝に影響し、さらに、それが腰や背部・肩・額など順番に影響し、大きな異常に つながることもある。それらを構成している脊椎には、各内蔵諸器官に分布して いる自律神経にも悪影響を及ぼすこととなり、内科的疾患に移行することも考え られる。このように考えると、身体のバランスを崩すことがいかに身体にとって 良くないのかが分かる。ゆえに、本考案によるテーピング用テープの多方向伸縮 性で、身体に負担がかかっている部分が矯正される。
【0027】
【実施例1】テープの素材は、第一に、テープの素材の材質にかかわらず、と にかく多くの方向に対して伸縮性を持つものであり、第二に、できる限り薄いも のであり、第三に、人体に対しカブレや害を与え難いものであり、第四に、通気 性が良好であり、第五に、粘着性があるものであるといった条件に適応したもの であればその素材を問わない。
【0028】表1は、各種のテープ性能を比較した図である。テープAは非伸縮 性テープであり、伸縮力が無いため固定力は最も強い。テープBは布地のキネシ オテープであり、伸縮力があり収縮力が弱いため固定力は少ない。テープCは布 地のエラストポアテープであり、伸縮力があり収縮力が弱いため固定力は少ない 。テープDはナイロン性のケミスポテープであり、伸縮力があるけれども収縮力 が強いためある程度の固定力がある。
【0029】テープEはウレタン不織布製の多方向伸縮性テープであり、伸縮力 があるけれども収縮力が非常に強いためかなりの程度の固定力がある。テープE の基材は、ポリウレタン弾性繊維で成り、エンボス加工がされている。この基材 は、それぞれの方向における100%伸長の応力が、40〜1,000g/cm の範囲にあり、100%伸長の回復率が、80〜100%の範囲にあり、それぞ れの方向における破断の強力が、90〜3,000g/cmの範囲にあり、破断 の伸度が、370〜1,500%の範囲にあるものであればよいが、それぞれの 方向における100%伸長の応力が40〜470g/cm、それぞれの方向にお ける100%伸長の回復率が88〜92%、破断の強力が0.09kg/cm〜 1.65kg/cm、破断の伸度が370%〜740%、剛軟度が11mm〜6 1mm程度のものが更に好ましい。この例の基材は、100%伸長の応力が19 0〜215g/cm、同回復率が89%、破断強力が0.50〜0.70kg/c m、破断伸度が460〜510%、剛軟度が30〜33mmのものを用い、これ に接着剤を塗布している。上記テープEは、糊厚が50μm、基材厚が168μ m〜188μmで、テープ厚は210μm〜240μmになる。
【0030】
【表1】
【0031】表1において、伸率・収縮力・回復力はそれぞれ約5〜10cm程 度のテープの部分だけの伸率・収縮力・回復力を算出した。ここで、収縮力とは テープが最大に伸びた時に掛かる力をいい、収縮力が強い方がテープを最大限に 伸ばさなくてもテープの牽引力を生かせる。また、回復力とはテープを最大伸し た後縮んだ率をいう。
【0032】多方向伸縮性テープ理論上、テープA,B,Cなど布地等を利用し たテープでは、一方向の伸縮能力しか無いのでこれらは問題外である。テープD はナイロン製で網目が蜂巣模様になっており、伸縮機能は多方向性である。ただ 、問題になるのは、人体へ装着した場合の牽引力(伸縮力)は関節機能や人体構 造に対して損傷状況等により変わる点である。テープの伸率は各方向に平均的に 平等である方がよく、収縮力も均等に掛かるテープが理想的である。また、テー プを最大伸展し付着した場合には人体の皮フ面での牽引力が増し、カブレどころ か皮フを剥すことになり、テープの最大伸展での使用は危険である。故に、テー プの伸度を最大に使用せず、それにもかかわらず伸縮力度の強いテープが最適と なるから、ウレタン使用の多方向伸縮性テープDが最も良い。
【0033】表1から導かれる結論を言えば、第一に、布地を使用したキネシオ テープBやエラストポアテープCなどは、一方向に伸縮能力を持つのに対し、ウ レタン不織布を使用した多方向伸縮性テープEは、その名の通り、多くの方向に 対し伸縮能1力がある。第二に、ウレタン不織布を使用した多方向伸縮性テープ Eと同じように多方向に伸縮能力があるケミスポテープD(ナイロン製)と比べ た場合、まず素材自体違う。またケミスポテープDの場合、ウレタン使用のテー プEと違い、伸びる方向により伸率にばらつきがあるので、機能的にバランスが 悪くなる。第三に、テープの厚みにより、摩擦の抵抗値が高くなるか低くなるか により、剥がれ易いか剥がれ難くなるかなど変わって来るので、ウレタン使用の テープE以外、全て厚みがあるので剥がれ易い。第四に、多方向伸縮性テーピン グ理論でも述べているように、人体構造的機能を考慮した場合、薄くて、伸縮力 が強くて、そ1して、均等に伸率を有している多方向伸縮性テープE(ウレタン 不織布製)が人体構造機能学的に見て、理想的なテープであるといえる。
【0034】
【実施例2】図1は、痛点に対する実施例を説明する図である。本考案による 伸縮性テープ10,11を、体表面14,15に現われている痛点12,13に 貼る。その貼り方には、図1(a)のように痛みのある部分の中心から伸ばして 貼る方法と、図1(b)のように痛みのある部分の回りから引っ張るように貼る 方法とがある。それは、体表面に現われている皮フ、若しくは筋の緊張からくる 痛みと、弛緩からくる痛み(怠さや鈍い痛み)とがあるためである。これは、東 洋医学的な補と瀉の関係に似ているのであるが、「補」とは皮フや筋肉などに元 気が無く弱っているところを鍼や灸を用いてその部分を補うという考え方で、「 瀉」とはその逆で過緊張しているところを抑えたりする。
【0035】自律神経系の興奮により神経症状を引き起こした場合、例えば、内 臓に何らかの異常が生じた場合には、内臓体壁反射として関連痛が体表面に表わ れる(Heab帯)。この体表面の興奮状態を抑制するときや、また逆に促進し なければならないときがある。また皮フ・筋独自に起こる痛みなど、体表面に出 ている痛みに対し抑制したり、促進させる働きも考えられる。
【0036】
【実施例3】図2は、足関節内がえしに対する実施例を説明する図であり、本 考案によるテーピング用テープでテーピングする順序を〜の番号で示してい る。ところで足は、ヒトの体を支えて立つことのほか、歩く、走る、跳ぶ、蹴る などの動きをする。足部の関節は複合関節体であり、主に三つの運動軸を持って いる。足首の運動には、距腿関節で行われる背屈・低屈運動、距骨下関節と距踵 舟関節で行われる内反(内転・外転・底屈)と外反(外転・回内、背屈)がある 。捻挫というのはどんな軽度なものでも、関節を構成している骨と骨の間に離開 やその他何らかの障害を生じていると考えられる。従って、伸縮機能を持つテー プで離開している関節部を引き付けることは、大切なテープ機能の役割である。 上下・左右・斜めなど多くの方向に伸縮力を持ったテープを利用し皮膚表面から テープを貼ることにより、筋肉、骨(関節)、更には自律神経・感覚受容器など にも影響を与えることができる。同図に示すほか、巾広のテープを用いて関節部 の一部又は全体を包むように貼って関節部位を保定することができることは勿論 である。
【0037】
【実施例4】本考案によるテーピング用テープは、その他、抗重力筋や身体重 力軸に対して影響を与えることができるから、姿勢バランスの修正を可能とする 。筋肉・軟部組織・自律神経に対してや生体力学・構造力学的な問題に対しても 対処できるのである。構造力学的に考えてみると、骨を動かすためにはまず神経 の命令で伸ばすとか屈げるとか指示が出されそれが筋肉に伝わり、収縮し、その 時収縮筋と弛緩筋が拮抗し、動き始めで骨が動くのである。これを踏まえて考え ると、テープの伸縮力を生かした使用方法が可能なのである。すなわち、身体に 負担が掛かっている部分に使用するのである。
【0038】なお、本考案によるテーピング用テープを生体に使用する場合は、 テープの伸縮力を最大にすべきではない。伸縮力を最大にすると、皮フ面での摩 擦が生じ、ショックリやカブレの原因となるからである。例えば、テーピング用 テープの最大応力が420g/cmあったとしてもそれを最大に使用するのでは なく、個人別に皮膚の強度や症状又は環境に応じて、対応していかなければいけ ないのである。
【0039】
【考案の効果】本考案によるテーピング用テープを使用すれば、なんらかの原 因により筋力が低下しているか緊張している場合には、筋肉のバランスを取るこ とができる。また、関節内損傷により機能障害を起こし関節可動異常がある場合 には、関節機能を改善することができ、靭帯・腱等の軟部組織を損傷から保護し 及び安静にさせることができる。さらに、治療によって改善された関節機能を保 持し、運動可能に保定することにより患部の早期治療に役立たせることができる 。
【図1】痛点に対する実施例を説明する図である。
【図2】足関節内がえしに対する実施例を説明する図で
ある。
ある。
10,11 多方向伸縮性テープ 12,13 痛点 14,15 体表面
Claims (3)
- 【請求項1】ある一方向、これに垂直な方向、及び斜め
方向に伸縮力を持つ通気性素材と、接着層によって成
り、前記通気性素材が、ポリウレタンを用いた弾性繊維
のフィラメントを積層させた構造を有し、それぞれの方
向における100%伸長の応力が、40〜1,000g
/cmの範囲にあり、100%伸長の回復率が、80〜
100%の範囲にあり、破断の強力が、90〜3,00
0g/cmの範囲にあり、破断の伸度が、370〜1,
500%の範囲にあって、人体の一部を運動可能に保定
するテーピング用テープ。 - 【請求項2】前記テープが一つの動作において三つの関
節運動機能が同時に働く多方向伸縮性を備える請求項1
記載のテーピング用テープ。 - 【請求項3】前記テープが骨と骨とを引き寄せて、骨間
に働く離開力に対する牽引力を呈する請求項1記載のテ
ーピング用テープ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001008056U JP3086630U (ja) | 2001-12-11 | 2001-12-11 | テーピング用テープ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publication Number | Publication Date |
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ID=43238014
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JP (1) | JP3086630U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011246672A (ja) * | 2010-05-31 | 2011-12-08 | Lintec Corp | 皮膚貼付用粘着シート |
-
2001
- 2001-12-11 JP JP2001008056U patent/JP3086630U/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011246672A (ja) * | 2010-05-31 | 2011-12-08 | Lintec Corp | 皮膚貼付用粘着シート |
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