JP3073613B2 - 板取り方法 - Google Patents
板取り方法Info
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Description
くは金属等の複数のスラブから複数の注文を最適に取り
合わせる材料板取り方法に関するものである。
して板取り計画を作成するに際しては,計画作成担当者
が,与えられた複数のスラブと注文の情報から,これら
の組み合わせを試行錯誤的に求め,板取りをしていた。
人間が試行錯誤的に組み合わせを求めて板取り計画を作
成する板取り方法では,以下のような問題があった。 (1)板取り計画に用いる情報量が非常に多いため,ス
ラブと注文との組み合わせ数は膨大なものとなるが,人
手により求められる組み合わせ数には限度がある。 (2)また,板取りに対する制約条件も多く,上記求め
られた組み合わせの中からこの条件を満足するものを見
つけるに手間がかかる。 (3)更に,最終的な板取りの最適性を評価することが
困難である。 本発明は,このような従来の技術における課題を解決す
るために板取り方法を改良し,実用に耐えうる短かい時
間で最適な板取り計画を作成し得る板取り方法を提供す
ることを目的とするものである。
に本発明は,複数の板材の各々に1以上の注文を充当し
て板取り計画を作成するに際し,上記板材の使用順と該
板材への上記注文の充当順とを遺伝的アルゴリズムによ
り組み替えて各々の組み合わせについての板取り計画を
作成し,上記各板取り計画について該板取りに対する所
定の条件に基づく評価関数を適用して最適な板取り計画
を決定してなる板取り方法として構成されている。上記
所定の条件には,上記板材の廃却部分の面積が最小にな
ること,生産性,上記注文の納期,古い板材はなるべく
早く使うなどの条件が含まれる。
注文を充当して板取り計画を作成するに際し,上記板材
の使用順と該板材への上記注文の充当順とを遺伝的アル
ゴリズムにより組み替えて,各々の組み合わせについて
の板取り計画が作成される。そして,上記各板取り計画
について該板取りに対する所定の条件に基づく評価関数
を適用して最適な板取り計画が決定される。即ち,上記
板材の使用順と上記注文の充当順との組み合わせを迅速
に求めることができ,またこの組み合わせの中から上記
条件を満足するものを容易に見つけ出すことができる。
このため,歩留り等が向上し,組み合わせ作成時間を短
縮できる。更に,最終的な板取りの最適性を客観的に評
価することができる。その結果,実使用に耐えうる短か
い時間で最適な板取り計画を作成し得る板取り方法を得
ることができる。
た実施例につき説明し,本発明の理解に供する。尚,以
下の実施例は,本発明を具体化した一例であって,本発
明の技術的範囲を限定する性格のものではない。ここ
に,図1は本発明の一実施例に係る板取り方法による板
取り計画の作成手順を示すフローチャート(a),
(b),図2はスラブと注文との各仕様及びこれらの組
み合わせ内容を示す図表,図3は本実施例の板取り方法
による板取り計画図である。本実施例における板取り問
題とは,複数のスラブS(板材に相当)に複数の注文0
を最適に充当する問題である。ここで最適とは,板取り
計画の作成に際し,スラブSの廃却部分の面積が最小に
なるということに加え,生産性,注文0の納期,古いス
ラブSはなるべく早く使うなどの条件を最も満足させる
ことを意味する。また,この板取り問題は,以下の特徴
を持っている。 (1)注文0におけるスラブSの形状は同一(矩形)で
あるが,長さ×厚み×幅×鋼種の属性があり,種類がか
なり多い。 (2)1つの注文0に複数の鋼種のスラブSが充当可能
である。 (3)決まったサイズの材料から注文0を充当するので
はなく,スラブSを圧延して材料をつくるので材料のサ
イズは可変である。 (4)注文0の同一材料内での並び方には制約がある
(例えば,先頭の注文より幅の大きい注文は取れな
い)。 (5)同じ材料からは同じ厚みの注文0しかとれない。 (6)上記(2)の裏返しで,注文0がとれる材料は鋼
種により制限される。 このような問題は,スラブSに注文0を充当(スラブS
と注文0との組み合わせを決定)し,スラブS内での注
文0の配置を決定する組み合わせ最適問題であり,特に
上記(1)〜(3)の理由で大規模な解空間を持つ問題
であるといえる。
せ最適問題の解法として有力である遺伝的アルゴリズム
(Genetic Algorithms)(以下GAと略す)を用いる。
即ち,GAにより遺伝子にみたてた問題の解候補を進化
させて最適解を求める。 実際の問題に適用する場合,
スラブSの数が約200,注文0の数が約960と非常
に多く,同時にすべてのデータを用いて最適解を求める
のは計算時間の面で実用的ではない。従って,解空間を
狭めるために,データをある基準でグループ化し,それ
ぞれのグループに対し,GAを適用するものとした。以
下,本実施例に係る板取り方法による板取り計画の作成
手順について図1(a),(b)を参照してステップS
1,S2,…の順に説明する。図1(a)に示す如く,
本実施例では,まずスラブSと注文0の各データを入力
し(S1),グループ化する(S2)。グループ化の方
法としては,例えば以下の2つの方法,を適用す
る。 注文0を使用可能鋼種の共通なものでグループ化する
方法 上記の方法によるグループ化で分類したものをさら
に板取りグループ化する方法 上記の方法は注文0の数の少ないグループができるた
め計算時間は少なくなるが,探索空間を狭めすぎると最
適解を見逃す可能性がある。逆に,上記の方法は最適
解を見逃す可能性は少ないが,計算時間が上記の方法
よりはかかる。グループ番号i=1として初期設定(S
3)後,GAによるグループiの最適化を行う(S
4)。以下,このステップS4の内容を図1(b)を参
照して,より具体的に説明する。GAでは問題の解候補
を固定長の文字列で表すことが必要である。これをコー
ディングと呼ぶ。ここでは,次のようなコーディング方
法を試みた。即ち,コードCはスラブSの使用順を表す
前半コードと注文0の充当順を表す後半コードからなる
ものとした。例えば,図2(a),(b)に示すように
スラブSの数が6,注文0の数が7の場合,次のような
13桁のコードで解候補を表現する。 このコードCに対応するスラブSと注文0との組み合わ
せは図2(c)のようになる。このようなコードCを適
当数作り,これらを遺伝子にみたてて母集団である最初
の世代を発生する(S11)。
ラブSの使用順,注文0の充当順に対し,板厚の制約や
鋼種の制約,先頭の板幅を最大にするという制約を満た
す,スラブSと注文0との組み合わせを求める。このと
き材料の長さは,先頭の注文のサイズによって決定され
るので,これも考慮にいれてスラブSと注文0との組み
合わせを求める。そして,これらの組み合わせについて
図3に示すような板取り計画を作成する。図3では,ス
ラブSの幅方向について最大2枚取りとし,2枚取りと
するか否かは注文0の幅により決定している。このよう
な板取り計画の最適性を評価するために以下の評価関数
E1を求める(S12)。 E1=Σ(Cai+Cbi+Ai*Cci) …(1) ただし, E1:評価関数の総和 Ca:ブロック内の廃却分のロス量 Cb:切断に要する段取りに要するロス時間 Cc:ブロック外の廃却分のロス量 A :30/スラブの古さ(スラブS製造後の経過日
数) ここで,ブロックとは同じ幅の注文が続いて配置される
長さを表し,設備上の制約からブロックの最小値はあら
かじめ決られている。図3はブロック,Ca,Ccの関
係,及びCbの例を表している。また,係数Aはブロッ
ク外の廃却分Ccに対する重みの役割になっており,ブ
ロック外の廃却分Ccの面積が等しい場合は,古いスラ
ブSを用いる方が係数Aおよび評価関数E1は小さくな
ることがわかる。評価関数E1は各遺伝子のいわゆる適
用度の違いを表すものであり,ここでは評価関数E1の
小さいものが適用度が大きいものとなる(即ち,上記各
条件をより満足するものとなる)。この適用度の大きい
順に2つの遺伝子を選択し(S13),増殖させる(S
14)。即ち,同じ遺伝子を複数コピーする。次に,遺
伝子を掛け合せて確率的な交叉を行う(S15)。具体
的には任意の2つのコードC中のスラブSの使用順及び
/又は注文0の充当順の一部を互いに入れ換える。ま
た,確率的な突然変位を生じさせる(S16)。具体的
には任意の1つのコードC中のスラブSの使用順及び/
又は注文0の充当順の一部を不規則に入れ換える。
を母集団に含まれる全ての遺伝子について行い(S1
7),世代交替させる。そして,世代交替させた後の全
遺伝子(コードC′)について評価関数E1′を生成し
(S12),再び遺伝子操作を行い(S13〜S1
7),世代数が設定値となるまで世代交替を繰り返す
(S18)。このようなGAによるグループiの最適化
(S4)終了後,グループiにおける最適な板取り計画
結果を示すコードC″を評価関数E1″と共に出力する
(S5)。i=i+1とする(S6)。上記ステップS
4〜S6を全てのグループについて繰り返す(S7)。
以上のようにして全グループについて遺伝子にみたてた
スラブSの使用順と注文0の充当順とを表すコードCを
進化させることにより最適な板取り計画を決定すること
ができる。即ち,スラブSの使用順と注文0の充当順と
の組み合わせを迅速に求めることができ,またこの組み
合わせの中から条件を満足するものを容易に見つけ出す
ことができる。このため,歩留り等が向上し,組み合わ
せ作成時間を短縮できる。更に,最終的な板取りの最適
性を客観的に評価することができる。その結果,実用的
な時間の範囲内で最適な板取り計画を作成し得る板取り
方法を得ることができる。尚,上記実施例では,スラブ
Sの板取りについて適用したが,実使用に際してはスラ
ブSを圧延した材料の板取りについても同様に適用可能
である。尚,上記実施例では世代数が設定値となるまで
世代交替を行ったが,実使用に際しては,評価関数E1
の設定値によりGAの計算ループからぬけ出すようにし
ても良い。その場合はより短時間に最適化できる可能性
がある。尚,上記実施例で用いた評価関数E1に代え
て,状況に応じて例えば以下のような式で表される評価
関数E2,E3,E4を用いても良い。 (1)注文0の納期を考慮する必要がある場合 E2=(1+NP/TNO)Σ(Cai+Cbi+Ai*Cci) …(2) ここで,NP:製造しなかった納期の迫っている注文
(mustオーダ)の数 (mustオーダの設定は納期で設定可能) TNO:グループ内の総注文数 (2)スラブSの古いものから使用する必要がない場合 E3=Σ(Cai+Cbi+Cci) …(3) (3)納期と歩留のバランスを調整したい場合 E4=Σ(Cai+Cbi+Cci+NP) …(4) 更に,上記(1),(2),(3),(4)式の第1〜
第3項のCa,Cb,Ccに各々重みWa,Wb,Wc
を乗じても良い。
うに構成されているため,遺伝子にみたてたスラブの使
用順と注文の充当順とを表わすコードを進化させること
により最適な板取り計画を決定することができる。即
ち,スラブの使用順と注文の充当順との組み合わを迅速
に求めることができ,またこの組み合わせの中から条件
を満足するものを容易に見つけ出すことができる。この
ため,歩留り等が向上し,組み合わせ作成時間を短縮で
きる。更に,最終的な板取りの最適性を客観的に評価す
ることができる。その結果,実用に耐えうる短かい時間
で最適な板取り計画を作成し得る板取り方法を得ること
ができる。
取り計画の作成手順を示すフローチャート(a),
(b)。
わせ内容を示す図表。
Claims (1)
- 【請求項1】 複数の板材の各々に1以上の注文を充当
して板取り計画を作成するに際し,上記板材の使用順と
該板材への上記注文の充当順とを遺伝的アルゴリズムに
より組み替えて各々の組み合わせについての板取り計画
を作成し,上記各板取り計画について該板取りに対する
所定の条件に基づく評価関数を適用して最適な板取り計
画を決定してなる板取り方法。
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---|---|---|---|
JP29167292A JP3073613B2 (ja) | 1992-10-29 | 1992-10-29 | 板取り方法 |
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-
1992
- 1992-10-29 JP JP29167292A patent/JP3073613B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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