JP3073548B2 - 表示装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、液晶表示装置などの
薄形保持構造を有する表示装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、テレビ表示やコンピュータ端末に
用いる表示装置に対し、薄型化、軽量化の要求が高まっ
ている。液晶表示装置は従来の表示装置に比較して大幅
な薄型化、軽量化が可能なため、その開発、実用化が盛
んである。以下に図５を用いて従来の液晶表示装置につ
いて説明する。

【０００３】一般に液晶表示装置は、複数の平板状の内
部部材が積層された構造からなり、内部部材の固定はク
リップ等の保持部材を用いて挟着固定することにより行
われる。内部部材はセル１６、回路基板１８及び必要に
応じてバックライト等の照明部を積層してなり、これら
の位置決めのために、周囲にはスペーサ１５が配設され
ている。

【０００４】内部部材の固定は、上述したように、クリ
ップ１４を用いて行う。まずクリップ１４の端部を、特
別の治工具を用いて固定される内部部材の厚み以上に開
き、このクリップ１４にスペーサによって位置決めされ
た内部部材を挿入する。そしてこの後治工具をはずし、
クリップの復元力を利用して内部部材を固定する。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところが、治工具をは
ずした弾みに、クリップ１４が急に復元して内部部材を
破損させるという問題が生じた。このため、クリップ１
４の開き幅を内部部材に衝撃を与えないように調節する
必要が生じ、生産効率が著しく低下した。また、厚さの
違う内部部材個々に対してこのような調節を行なう必要
があるため、さらに作業効率の著しい低下を招く。特に
セル１６に用いられるガラス基板などの内部部材は、上
述したように近年、液晶表示装置に対する要求に呼応し
て薄形化、軽量化がはかられていることから脆弱である
ため、生産効率の低下が懸念されている。

【０００６】この発明は、上述したような技術的背景を
考慮し、内部部材を挟着固定する際に、内部部材に衝撃
を与えることを容易に防ぎ、生産効率を向上させること
を目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するために、積層された複数の内部部材をクリッ
プ状の保持部材で狭着固定する保持構造を有する表示装
置において、内部部材の固定部は側端部厚みが保持部材
の開口幅より小さくかつ側端部より内側に向かって厚み
が増す形状であり、保持部材の開口側の上下端部面は、
狭着固定時に保持部材の開口側の上下端部面近傍にある
内部部材の上下面とほぼ平行である表示装置を用いる。
なお、本発明において、クリップ状の保持部材とは、保
持部材自体の弾力性を用いて狭着固定する機能を有する
ものである。

【０００８】

【作用】この発明は、内部部材の固定部は側端部厚みが
保持部材の開口幅より小さくかつ側端部より内側に向か
って厚みが増す形状であるから、内部部材を保持部材に
挿入するにつれて、保持部材は自動的に最適な開き幅に
調節されるため、特別の治工具を用いる必要がなく、内
部部材に衝撃を与える恐れを解消できる。また、保持部
材の開口側の上下端部面には出っ張りがないので、狭着
固定時に保持部材の開口側の上下端部面とその近傍にあ
る内部部材の上下面とがほぼ平行となり、保持部材の開
口側の上下端部面とその近傍にある内部部材の上下面で
密着固定できると共に、保持部材に出っ張った部分がな
いので表示装置の薄型化が図れる。

【０００９】

【実施例】以下に、この発明の一実施例を図面を参照し
て詳細に説明する。図１は、本実施例の表示装置を示す
断面図である。

【００１０】図に示すように、セル３、回路基板４、お
よび必要に応じてバックライト等の照明部５が積層され
ており、セル３は、２枚のガラス基板が平行に対向さ
れ、その間に液晶物質が封入されてなる。また図示しな
いが、ガラス基板の液晶層に接する面には、液晶層を制
御するための電極が複数配設されており、これらの電極
は、外部回路との接続のためにセル３端部に引き出され
ている。一方、回路基板４には液晶駆動用のＴＡＢ−Ｉ
Ｃ７が複数搭載され、セル３端部に引き出された電極に
例えば異方性導電フィルムを用いて接続されている。

【００１１】これらの部品は、例えばプラスチックから
なる枠２によって位置決めされている。以上の部品から
内部部材が構成されている。この内部部材周辺の適当な
位置を、図２に示す例えばステンレスなどからなる保持
部材１を用いて固定する。この固定部の側端部厚み９は
保持部材１の開口幅１１よりも小さいために、内部部材
を保持部材１に挿入する時に、特別の治工具を用いる必
要がなく、内部部材を挿入するにつれて保持部材１の開
口幅は自動的に最適となる。従って、従来の表示装置の
ように内部部材に衝撃を与える恐れがない。このため、
従来の表示装置と比較して生産効率が飛躍的に向上す
る。

【００１２】内部部材の固定をより確実にするために、
保持部材１の固定部３０に嵌合部１０を、枠２に嵌合部
９を設けて、保持部材と内部部材固定部を嵌合固定して
も良い。

【００１３】また保持部材として、図３に示すような保
持部材を用いることによって、内部部材の側面全体を保
護することができる。固定部３０は、保持部材の両端に
限らず、例えば本実施例においては、各ＴＡＢ−ＩＣ同
士の間隙に対応するように形成すればよい。さらに、図
４に示すように保持部材１のＡで示した部分の断面形状
をコの字型に形成することによって、表示装置底部の保
護も可能である。特に、本実施例のようにＴＡＢ−ＩＣ
を用いた場合は、ＴＡＢ−ＩＣは極めて脆弱なため、こ
のように保持部材によって保護することは極めて有効な
手段である。

【００１４】なお、本実施例において、内部部材はその
基本的な構造を示すものであり、例えば内部部材の固定
をより確実にするために、図１に示すように各内部部材
間に弾性状のスペーサ６を配設しても良い。

【００１５】また、枠の形状は上述した本発明の主旨に
そうものであればよく、例えば本実施例のようにＴＡＢ
−ＩＣを用いた場合、各々のＴＡＢ−ＩＣを収納するた
めの孔を設けてもよい。

【００１６】

【発明の効果】本発明の表示装置においては、内部部材
の固定部は側端部厚みが保持部材の開口幅より小さくか
つ側端部より内側に向かって厚みが増す形状であるか
ら、内部部材を保持部材に挿入するにつれて、保持部材
は自動的に最適な開き幅に調節されるため、特別の治工
具を用いる必要がなく、内部部材に衝撃を与える恐れを
解消できる。また、保持部材の開口側の上下端部面は、
狭着固定時には保持部材の開口側の上下端部面近傍にあ
る内部部材の上下面とほぼ平行になるので、保持部材の
開口側の上下端部面とその近傍にある内部部材の上下面
で密着固定できると共に、保持部材に出っ張った部分が
ないので表示装置の薄型化が図れる。また、この構成に
することで、生産効率を飛躍的に向上させることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の表示装置の一実施例を示す断面図であ
る。

【図２】本発明の表示装置に用いる保持部材の一例を示
す斜視図である。

【図３】本発明の表示装置に用いる保持部材の別の例を
示す斜視図である。

【図４】本発明の表示装置に用いる保持部材のさらに別
の例を示す斜視図である。

【図５】従来の表示装置を示す断面図である。

【符号の説明】

１…保持部材 ２…枠 ３…セル ５…照明部 ６…回路基板

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) G02F 1/1333 G09F 9/00 349

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 積層された複数の内部部材をクリップ状
   の保持部材で狭着固定する保持構造を有する表示装置に
   おいて、前記内部部材の固定部は側端部厚みが前記保持
   部材の開口幅より小さくかつ側端部より内側に向かって
   厚みが増す形状であり、前記保持部材の開口側の上下端
   部面は、狭着固定時に前記保持部材の開口側の上下端部
   面近傍にある前記内部部材の上下面とほぼ平行であるこ
   とを特徴とする表示装置。