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JP3068483B2 - パターン読み出し方法、および光学的信号読み取り装置 - Google Patents

パターン読み出し方法、および光学的信号読み取り装置

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Publication number
JP3068483B2
JP3068483B2 JP9019223A JP1922397A JP3068483B2 JP 3068483 B2 JP3068483 B2 JP 3068483B2 JP 9019223 A JP9019223 A JP 9019223A JP 1922397 A JP1922397 A JP 1922397A JP 3068483 B2 JP3068483 B2 JP 3068483B2
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JP
Japan
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infrared
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健二 佐野
妙子 石橋
秀之 西沢
三長 斉藤
顕司 都鳥
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06KGRAPHICAL DATA READING; PRESENTATION OF DATA; RECORD CARRIERS; HANDLING RECORD CARRIERS
    • G06K7/00Methods or arrangements for sensing record carriers, e.g. for reading patterns
    • G06K7/10Methods or arrangements for sensing record carriers, e.g. for reading patterns by electromagnetic radiation, e.g. optical sensing; by corpuscular radiation
    • G06K7/12Methods or arrangements for sensing record carriers, e.g. for reading patterns by electromagnetic radiation, e.g. optical sensing; by corpuscular radiation using a selected wavelength, e.g. to sense red marks and ignore blue marks

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は郵便事業、一般の物
流事業、秘密を要する書類や物品の管理などに利用でき
るバーコードなどのパターンを読み出す方法およびこの
ようなパターンを読み取るための光学的信号読み取り装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、種々の分野で、バーコードを利用
して情報を自動入力するシステムが検討されている。例
えば、はがきなどの郵便物の上に郵便番号および住所に
対応するバーコードを印刷し、このバーコードを読み取
って仕分け作業することにより、郵便業務の効率を上げ
ることが検討されている。また、病院において患者の診
察カードの表面にカルテ情報に対応するバーコードを印
刷し、これを機械的に読み取り、患者のカルテをファイ
ル倉庫から自動的に医師の手元まで搬送するシステムが
検討されている。さらに、官庁における公文書の自動検
索システム、ドライクリーニング業における入出庫管理
システム、自動車教習所における教習カードからの教習
簿の自動検索システム、各種商品の保管システムなどへ
のバーコードの応用も検討されている。
【0003】これらのシステムにおいて、従来の黒色イ
ンクでバーを印刷したバーコードを用いると種々の問題
が生じる。例えば、郵便物にはすでに宛先などの文字が
記入されているので、新たに印刷されるバーコード列と
すでに記入されている文字とが重なると、信号にノイズ
が入り、情報を正確に読み取れなくなる。この問題は、
多量の情報を表現するためにバーコード列の長さを長く
すると、より顕著になる。また、印刷された黒いバー
は、郵便物の外観を損ねるうえに、記入された文字の判
読を困難にすることもある。
【0004】黒色インクの代わりに、オレンジ色、また
は青色や茶色の色素を含有する着色インクを用いてバー
を印刷する場合にも、黒色インクを用いたバーコードと
同様に郵便物に記入されている文字との重なりによる問
題が生じる。また、色素には人体に有害なものがあり、
しかも光により劣化しやすいものが多いことも問題にな
る。
【0005】そこで、新たな材料からなるバーコードを
採用することにより、上記の問題点を解消することが考
えられている。例えば、紫外線を吸収し可視領域の蛍光
を発する蛍光体を用いた透明なバーコードを形成するこ
とが検討されている。この場合、励起光として紫外線を
照射し、可視領域の蛍光を検出することにより信号を読
み取る。そして、通常の状態ではバーコードが透明なの
で、郵便物に記入されている文字と重なっても、文字の
判読が困難になることはない。しかし、一般にはがきな
どの白い紙には蛍光増白剤が含まれているため、紫外線
を照射したときにバーコードからの信号に比較して紙か
らのノイズが大きく、S/N比が低下するという問題が
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、すでに記入
されている文字との重なりによりコード情報の読み取り
や文字の判読に問題が生じることのない透明なパターン
を形成し、このようなパターンから高いS/N比で情報
を読み出す方法およびパターンを読み取るための光学的
信号読み取り手段を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のパターン読み出
し方法は、特定波長の赤外線を吸収する材料を含有する
光透過性のパターンが形成された基材を加熱するかまた
は赤外線を照射し、前記パターンからの赤外線を検出す
ることを特徴とするものである。
【0008】本発明の光学的信号読み取り装置は、検出
感度波長に合った特定波長の赤外線を吸収する材料を含
有する光透過性のパターンが形成された基材を搬送する
手段と、基材上のパターン領域を加熱するかパターン領
域に赤外線を照射する手段と、基材上のパターン領域か
らの赤外線を検出する手段とを有することを特徴とする
ものである。
【0009】本発明の証明書類の偽造防止方法は、証明
を与えるための可視情報が形成された書類の表面に、特
定波長の赤外線を吸収する材料からなり、前記可視情報
に対応するパターンを形成し、パターン領域を加熱する
かまたはパターン領域に赤外線を照射し、パターン領域
からの赤外線を検出し、検出された情報と前記可視情報
とを照合することを特徴とするものである。
【0010】本発明のプリペイドカードの偽造防止方法
は、磁気情報が記録されたプリペイドカード上に使用度
数に相当する光透過性のパターンを複数形成し、使用に
応じて残存使用度数に対応するパターン領域にパンチ孔
をあけ、パターン領域に赤外線を照射し、パターン領域
からの赤外線を検出し、検出された情報と磁気情報とを
照合することを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のパターン読み出し方法
は、特定波長の赤外線を吸収する材料を含有する光透過
性のパターンが形成された基材のパターン領域を加熱す
るかまたはパターン領域に赤外線を照射し、パターン領
域から輻射または反射される赤外線を検出するものであ
る。本発明においては、基材にはほとんど吸収されない
特異的な波長の赤外線を吸収する材料を用いてパターン
を形成する。また、検出器の感度波長範囲を上記材料の
特異的な吸収波長域に一致させる。
【0012】本発明において、基板上に形成されるパタ
ーンの形状は特に限定されず、通常のバーコードのよう
なバーとスペースからなるコードパターンでもよいし、
例えば2次元バーコードのようなその他の形状のパター
ンでもよい。本発明において、基材上に形成されるパタ
ーンは光透過性すなわち可視領域で無色透明の材料から
なっている。したがって、黒色インクまたは色素を含有
する着色インクからなるパターンを用いた場合のよう
に、すでに記入されている文字との重なりによりコード
情報の読み取りや文字の判読に問題が生じることがな
い。
【0013】本発明においては、基材上に形成されるパ
ターン、例えばバーコードのバーのパターンを構成する
材料として、シアノ基を有する化合物を含有する光透過
性の材料を用いることが好ましい。一般的にはポリマー
を主成分とする材料を用いてパターンを形成する。具体
的には、シアノ基を有するポリマー、または任意のベー
スポリマーとシアノ基を有するポリマーまたは低分子化
合物との混合物が用いられる。シアノ基を有するポリマ
ーとしては、例えばポリアクリロニトリルまたはアクリ
ロニトリル系コポリマーが挙げられる。シアノ基を有す
る低分子化合物としては、例えばシアノビフェニルが挙
げられる。
【0014】上記のような材料を適当な溶媒に溶解し、
適当な印刷方法で基材上に印刷して乾燥することにより
パターンを形成する。パターンの印刷方法は特に限定さ
れないが、高速な印刷方法を採用することが好ましい。
例えば、ポリマーを主成分とする溶液からなる透明イン
クを用い、インクジェット方式、バブルジェット方式も
しくは超音波インクジェット方式のプリンタにより印刷
する方法、ポリマー粒子を主成分とする透明トナーを用
いてカールソンプロセスによる電子写真方式のプリンタ
により印刷する方法、またはバーコード字輪により印刷
する方法などが挙げられる。具体的には、インクジェッ
トプリンターで印刷する場合、ポリビニルアルコールな
どの水溶性バインダーを溶解した水中に粉砕したポリア
クリロニトリルを分散させて調製した透明インクを用い
る。
【0015】シアノ基は2260〜2240cm-1の領
域に特有の吸収を持ち、他の置換基の吸収と容易に区別
することができる。一方、郵便物などの紙はシアノ基を
含まない。したがって、シアノ基を有する赤外線吸収剤
を用いればS/N比の向上に有利である。ただし、例え
ばバーパターンを構成する材料の熱伝導率が基材のそれ
に比べて極めて高い場合のように十分な検出感度を確保
できるのであれば、他の領域に赤外吸収を持つカルボニ
ル基や水酸基などの置換基を有する化合物を用いてもよ
い。
【0016】本発明においては、特定波長の赤外線を吸
収する材料を含有する光透過性のパターンが形成された
基材を搬送する手段と、基材上のパターン領域を加熱す
るかパターン領域に赤外線を照射する手段と、基材上の
パターン領域からの赤外線を検出する手段とを有する装
置を用いて、上記のような透明パターンを読み取る。
【0017】加熱手段または赤外線を照射する手段は特
に限定されず、例えば赤外線ランプを用いてもよいし、
基材に熱風を吹き付けたり、基材をヒートローラーやヒ
ートシンクなどの熱源に接触させることにより加熱して
もよい。加熱または赤外線が照射されたパターンから輻
射または反射する赤外線の検出手段としては、例えば電
子冷却式のHgCdTe検出器などが挙げられる。ま
た、熱画像解析システムを用いパターン自体を視覚化し
画像解析装置により画像解析を行ってもよい。なお、パ
ターン領域から反射する赤外線を検出する場合には、加
熱手段または赤外線照射手段と検出手段を、互いに対称
的な位置に配置することが好ましい。パターンから反射
する赤外線を検出する方法以外の場合には、パターン領
域から輻射される赤外線は指向性がないので、加熱手段
または赤外線照射手段と検出手段との配置は特に限定さ
れない。
【0018】以下、赤外線吸収剤としてシアノ基を有す
る材料を用いた場合を例にとり、本発明の方法によるパ
ターンの読み出し方法を図面を参照して説明する。図1
において、基材1上にはシアノ基を有する赤外線吸収剤
を含有するパターン2が形成されている。この基材1の
パターン領域に赤外線ランプ11からフィルター13を
通して赤外線を照射する。波長4〜5μmの赤外線を透
過するフィルター13を用いれば、シアノ基を有する赤
外線吸収剤を含有するパターン2が優先的に加熱され、
基材1はそれほど加熱されない。パターン2と基材1と
の間に十分な温度差が生じる程度の時間だけ経過した
後、基材1を搬送してパターン2から発する赤外線を赤
外線検出器12で検出することによりパターンを読み出
すことができる。
【0019】図2においては、赤外線ランプ11により
基材1全体を加熱し、パターン2と基材1との間に十分
な温度差が生じる程度の時間だけ経過した後、基材1を
搬送して赤外線をフィルター14を通すことによりパタ
ーン2から発する特定波長域の赤外線のみを赤外線検出
器12で検出することによりパターンを読み出す。な
お、基材1全体を加熱するには、パターン2および基材
1において十分な温度上昇が生じる程度の時間にわたっ
て、基材1に熱風を吹き付けたり、基材1をホットプレ
ートと接触させてもよい。
【0020】このように、特定波長域の赤外線を透過す
るフィルターを赤外線の照射側あるいは検出側に設けて
いるので、パターンを読み出す際のS/N比を一段と向
上させることができる。すなわち図1では、シアノ基を
含有する材料からなるパターンを優先的に加熱するため
に、加熱手段としての赤外線ランプ側に波長4〜5μm
の赤外線を透過するフィルターを設けている。また図2
では、パターンから発する赤外線のうち特定波長域の赤
外線を検出するために、検出器側に波長4〜5μmの赤
外線を透過する同様のフィルターを設けている。さら
に、赤外線ランプ側および検出器側の両者にフィルター
を設けてもよい。
【0021】図3に示すように、赤外線ランプ11と赤
外線検出器12を基材1のパターン領域を挟んで互いに
対称的に配置し、基材1のパターン領域に赤外線ランプ
11からフィルター13を通してシアノ基の吸収波長域
の赤外線を照射しながら、基材1を高速に搬送し、フィ
ルター14を通して赤外線検出器12でシアノ基の吸収
波長域の赤外線を検出することによりパターンを読み出
すようにしてもよい。この場合、赤外線の照射時間が極
めて短いため基材1とパターン2との間には十分な温度
差が生じない。しかし、シアノ基による吸収があるパタ
ーン2から反射される赤外光は少なく、基材1から反射
される赤外光は多いので、パターンを読み出すことがで
きる。ただし、検出される信号のON/OFFは、図1
または図2の場合と逆になる。
【0022】図4に示すように赤外光光源、赤外線検出
器、ビームスプリッタ21およびフィルター22を一体
化し、赤外光光源からの赤外線をビームスプリッタ21
で反射しフィルター22を通して基材1のパターン領域
に照射し、パターン2から発する赤外線をフィルター2
2およびビームスプリッタ21を通して赤外線検出器で
検出するようにした装置を用いてもよい。
【0023】図5に示すように加熱装置31と赤外線検
出器32とを一体化し、基材1のパターン領域を加熱装
置31で加熱した後、パターン2から発する赤外線を赤
外線検出器32で検出するようにした装置を用いてもよ
い。
【0024】図6に示すように、パターンが印刷された
複雑な形状の対象物41をコンベヤ42で搬送しながら
加熱装置51により加熱し、加熱されたパターンから発
する赤外線を熱画像解析システムの赤外線検出器52に
より検出してモニター53に表示してパターン自体を視
覚化するとともに、画像解析装置(コンピュータ)54
により画像解析を行ってもよい。
【0025】本発明においては、基材上に特定波長のラ
マン散乱光を生じる材料を含有する光透過性のパターン
を形成し、基材上のパターン領域に光を照射し、パター
ン領域からのラマン散乱光を検出することによりパター
ンを読み出してもよい。
【0026】この方法でも、ラマン散乱光を生じる材料
として、シアノ基を有する化合物を用いることが好まし
い。シアノ基は、2260〜2240cm-1の特異的な
領域でラマン散乱を起こすため、他の置換基からのラマ
ン散乱光と容易に区別できる。パターンの形成方法に関
しては、上述したのと同様な種々のプリンターを用いる
方法を適用できる。
【0027】なお、赤外吸収およびラマン散乱はいずれ
も、いくつかの結合の振動の組によるものである。結合
の振動形態のうち、赤外吸収で観測可能なものを赤外活
性、観測不能なものを赤外不活性という。同様に、ラマ
ン散乱に関してもラマン活性およびラマン不活性な振動
形態が存在する。ここで、反転操作を行うと振動変位の
向きが対称中心に対して対称になるか非対称になる振動
形態について、活性か不活性かが問題になる(パリテ
ィ)。ただし、赤外不活性のものはラマン活性であり、
ラマン不活性のものは赤外活性である場合が多い。例え
ば、C26 のCX伸縮運動(Eg 、ν7 )は約295
5cm-1に存在し、赤外不活性でラマン活性である。し
たがって、赤外吸収で観測できない分子振動であって
も、ラマン散乱では観測できることが多いので、赤外吸
収のみで観測できる材料よりも選択の幅が広がる。
【0028】この方法では、基材上のパターン領域に光
を照射し、パターンから発生するラマン散乱光を検出し
て信号として読み取る。入射光は単色光が好ましいた
め、光源としてレーザーを用いることが好ましい。CN
基からのラマン散乱光のみを検出するためには、分光器
で特定波長の光を選択する。検出器としては、ダイナミ
ックレンジは狭いが高感度な光電子増倍管を用いること
ができる。また、電荷結合素子(CCD)はバーコード
の画像イメージを取得できるので、特にこの方法に用い
る検出器として適している。過分散型ダブル分光器また
はトリプル分光器を用いると、良好な波長分解能が得ら
れる。ゼロ分散型ダブル分光器を用いると出射スリット
の像が入射スリットの像と同一になるので、CCDなど
で波長分解したイメージを得るのに都合がよい。ラマン
分光器を用いる場合、後方散乱配置を用いるのが一般的
である。この場合、パターンを形成するポリマー膜に厚
い部分があっても、十分な大きさの信号を検出できる。
また、基材を通さず検出するので、基材の材質によらず
に信号を検出できる。この方法によれば、CN基が存在
するバーの領域からのみ信号が得られ、他の領域からの
信号は0であるため、S/N比を向上できる。
【0029】この方法に用いられるパターン読み取り装
置を図7に示す。図7に示すように、パターン2が形成
された基材1にレーザー61から単色光を照射する。基
材1上のパターン領域から散乱されるラマン散乱光はレ
ンズ62で集光され、ミラー63および回折格子64を
備えたゼロ分散型ダブル分光器65を経由して受光器6
6で検出される。検出されたラマン散乱光をコンピュー
タ67で解析することにより、パターンを読み取ること
ができる。
【0030】以上においては、主に透明なバーコードパ
ターンを紙に印刷する場合について説明したが、本発明
は衣類などの布にも適用できる。例えば、衣類にシアノ
基を有する化合物を含有する材料からなる透明バーコー
ドを印刷する方法を適用できる。この場合、図8に示す
ようなバーコード字輪を用いて衣類に透明バーコードを
印刷することが好ましい。バーコード字輪は、バーパタ
ーンに対応するノズル71aが設けられた回転式のリン
グ71を多数組み合わせたものである。バーコード字輪
には供給管72から溶融ポリマーが供給され、溶融ポリ
マーはバーコード字輪内部で保温される。リングを回転
させてバーパターンの組み合わせを設定し、ノズルから
溶融ポリマーを押し出してホットメルトコーティングす
ることによりバーコードを形成できる。
【0031】また、衣類にシアノ基を有するポリマーの
繊維、例えばアクリル繊維からなる糸を縫い付けてバー
コードパターンを形成してもよい。衣類への糸の縫い付
けは、コンピュータ制御のミシンにバーコードのバーパ
ターンを記憶させることにより容易に実施できる。この
場合、衣類と同じ色に染色した糸を用いて目立たないよ
うにすることができる。アクリル繊維の糸は人体に安全
であり、人の汗によって変色や色落ちすることもない。
また、ドライクリーニングまたは水洗、乾燥および日光
乾燥を多数回繰り返しても、アクリル繊維の糸からなる
バーコードに変化が生じることはなく、バーコードを間
違いなく読み取ることができる。
【0032】バーコードの種類は特に限定されないが、
衣類のように表面が平坦でない基材上に形成するバーコ
ードとしては、Data CodeやVeri Cod
eのような二次元バーコードが好ましい。また、二次元
バーコードでは、より多くの情報を記録できる。
【0033】本発明の方法により、ドライクリーニング
・サービスを管理する場合について考える。この方法で
は、衣類を畳んだときに表面になる位置にバーコードパ
ターンを形成する。例えば、図9に示すように、ワイシ
ャツ81の包装袋82を通して見えるポケット83や背
中84の部分にバーコードパターンを形成する。また、
図10に示すように、シーツ85を折り畳んだときに表
面になる位置86(図の右上の位置)にバーコードパタ
ーンを形成する。このようなバーコードを読み取る場合
にも、図1〜図6に示したような読み取り装置を用いる
ことができる。
【0034】上記のように衣類に顧客および商品の情報
に対応するバーコードを形成しておくことにより、商品
の管理を効率的に行うことができる。また、クリーニン
グ店に持ち込まれた衣類のバーコードを店頭で機械的に
読み取ってコンピュータで処理し、商品情報に基づい
て、料金および納期を記載した受け取り伝票を迅速に発
行することができる。
【0035】以上で説明した本発明の方法では、形成さ
れる透明パターンが肉眼では見えないうえに、検出用の
赤外線ビームも肉眼では見えない。このため、透明バー
コードに赤外線ビームを照射することが困難になること
がある。この問題は、透明バーコードの領域を示すため
のマークを設けることにより解決できる。マークは、色
素を含む着色マークでもよいし、紫外線により励起され
可視光を発光する蛍光体を含有する透明マークでもよ
い。
【0036】具体的なマークの方法を図11(a)〜
(c)に示す。なお、これらの図では便宜上、透明バー
を黒いバーで示している。図11(a)では、透明バー
コード2の領域の周囲に枠線3aを印刷している。図1
1(b)および(c)では、透明バーコード2の開始位
置に記号3b、3cを印刷している。場合によっては、
透明バーコード領域を覆うように、蛍光体を含有する透
明マークまたは着色マークを形成してもよい。
【0037】透明バーコードの近傍に着色マークを印刷
した場合、可視光のガイドビーム光源を取り付けた読み
取り装置を用いる。このような読み取り装置(ハンディ
スキャナー)を図12に示す。このハンディスキャナー
91は、赤外光光源93および赤外線検出器94に加え
て、赤外光光源93の近傍に可視光のガイドビーム光源
95を平行して取り付けたものである。このハンディス
キャナー91には、光ファイバー97が接続されてい
る。可視光のガイドビームは直進性に優れていることが
好ましいので、レーザービームを用いることが好まし
い。このハンディスキャナーでは、着色マークからわか
る透明バーコードの開始位置にガイドビームを照射する
ことにより、赤外線ビームを透明バーコード領域に正確
に照射できる。
【0038】透明バーコードの近傍に蛍光体を含有する
透明マークを形成した場合には、可視光のガイドビーム
光源および紫外光光源を取り付けた読み取り装置を用い
る。このようなハンディスキャナーを図13に示す。こ
のハンディスキャナー92は図12のものにさらに紫外
光光源96を取り付けたものである。このハンディスキ
ャナーでは、紫外線を照射して透明マークを見えるよう
にし、このマークからわかる透明バーコードの開始位置
にガイドビームを照射することにより、赤外線ビームを
透明バーコード領域に正確に照射できる。
【0039】上記のような透明パターンから生じる赤外
線を検出する方法は、証明書類やプリペイドカードの偽
造防止方法としても応用できる。証明書類などの偽造防
止には、いくつかの方法が採用されているが、いまだ満
足できる方法はない。例えば、証明写真の上に強い圧力
でスタンプを押し付けてレリーフを形成することが古く
から行われている。しかし、この方法に対しては、粘土
などでレリーフの型を取ってスタンプを作製することに
より、真正のものとほぼ同一のレリーフを容易に形成す
ることができる。写真の上に印鑑で割り印を押すことも
古くから行われている。しかし、現在では電子的に割り
印の画像を偽造することはそれほど困難ではない。写真
の上に精密な図柄を印刷したシールやホログラムのシー
ルを貼り付けることも行われている。偽造者にとって
は、シールおよび真正な写真をはがして別な写真を貼り
付けることはできるが、精巧なシールを複製することは
困難である。これらの方法は、偽造コストを高くするこ
とにより、偽造を抑止するという考え方に基づくもので
ある。しかし、これらのシールを作製するには高度な技
術を要し、シール自体のコストが高いため、広く用いる
のには不適当である。
【0040】書類が真性であることを証明するための写
真、割り印、サインなどの可視情報に加えて、蛍光体を
含有する透明インクで可視情報に対応するパターンを印
刷し、可視情報と透明パターンから得られる情報とが一
致する場合に、真性であることを確認することが考えら
れる。しかし、この方法では、市販の安価なUVランプ
(ブラックライト)を用いて紫外線を照射することによ
り、バーコードの存在がわかる。また、偽造者が可視情
報を偽造した後、市販の蛍光塗料を用いてオリジナルの
パターンを偽造することも比較的容易である。
【0041】本発明では、証明を与えるための可視情報
が形成された書類表面に、特定波長の赤外線を吸収する
材料からなり、可視情報に対応する透明パターンを形成
し、このパターン領域を加熱するかまたはパターン領域
に赤外線を照射し、パターン領域からの赤外線を検出
し、可視情報と透明パターンから得られる情報とを照合
する。この場合、透明パターンは可視情報とは別の位置
に印刷してもよい。また、可視情報の上に透明フィルム
を形成し、この透明フィルムの上に透明パターンを形成
してもよい。透明パターンの形状はバーコードでもよい
し、可視情報に相当する画像でもよい。
【0042】具体的な例を以下に示す。例えば、申請者
が書類に印鑑を押印したときに、これを承認する者が透
明インクを用いてプリンターにより印鑑の画像のレプリ
カをその書類上に印刷する。透明パターンが存在するこ
とは目で見ただけではわからない。証明書類が真正であ
るか否かは以下のようにして判定する。印鑑の画像をイ
メージリーダーにより読み取る。また、透明パターンを
赤外光光源および赤外線検出器を有する読み取り装置で
読み取る。これらの情報をコンピュータで処理すると、
真正な書類では印鑑の画像と透明パターンの画像とが一
致する。偽造者が透明パターンの存在を知らずに印鑑の
みを偽造した場合、上記の読み取り方法で透明パターン
の情報が検出されないことから、その書類は偽造したも
のであることがわかる。このような書類を偽造するに
は、赤外線による読み取り装置、コンピュータ技術、プ
リンターが要求され、偽造コストが高くなるため、偽造
を抑止できる。また、透明パターンの表面を透明フィル
ムで覆ってもよい。このようにすれば、例えば水を滴下
して接触角を調べることにより透明パターンを見つける
ことが不可能になるので、より安全性が高まる。
【0043】次に、プリペイドカードの偽造防止方法に
ついて説明する。例えば、テレホンカードは磁気情報で
通話回数を記録し、パンチ孔によって使用者に残存通話
度数の目安を示している。このようなプリペイドカード
では、磁気情報とパンチ孔の位置に基づく情報とを比較
して、残存通話回数の整合性を調べることにより、偽造
を防止することが考えられる。しかし、偽造者はカード
の磁気情報を読み取り装置によって解読して新たに書き
換えるとともに、テープを貼ってパンチ孔を塞ぐことに
より、カードを比較的容易に偽造できる。
【0044】本発明のプリペイドカードの偽造防止方法
では、プリペイドカード上に使用度数に相当する光透過
性のパターンを複数形成し、使用に応じて残存使用度数
に対応するパターン領域にパンチ孔をあける。
【0045】具体的には、図14(a)に示すように、
例えば赤外線吸収剤を含有する材料を印刷して使用度数
に対応する透明バーコードパターンを形成する。この図
では、便宜上透明バーコードパターンを黒色で表示して
いるが、実際には目で見えない。なお、紫外線を吸収し
て可視領域の蛍光を発する蛍光体を用いて透明バーコー
ドパターンを形成してもよい。また、図の下の数字0,
1,2,…は残存使用度数が0%、10%、20%、…
であることを示している。図14(b)および(c)に
示すように、プリペイドカードの使用に応じて、残存使
用度数に対応する透明バーコード2の領域にパンチ孔4
をあける。
【0046】このプリペイドカードの残存使用度数を調
べるには、赤外光光源と赤外線検出器を有する読み取り
装置を用い、パンチ孔を通過するように透明バーコード
領域に赤外線を照射し、バーコード領域からの赤外線を
検出する。この際、パンチ孔4があけられたバーコード
パターンは読み取れなくなっている。読み取れなくなっ
たパターンのうち最小の数字が残存使用度数である。例
えば、図14(b)では1に相当するパターンを読み取
ることができないので、残存使用度数が10%以下であ
る。図14(c)では2および0に相当するパターンを
読み取ることができないので、残存使用度数が0%であ
る。
【0047】偽造者は、例えば図14(c)のカードの
磁気情報を読み取り装置によって解読して新たに残存使
用度数を100%に書き換えるとともに、テープを貼っ
てすべてのパンチ孔を塞ぐことはできるが、目に見えな
い透明バーコードを復元することは困難である。したが
って、透明バーコードを復元できていないプリペイドカ
ードでは、磁気情報から得られる残存使用度数は100
%であるにもかかわらず、透明バーコードから得られる
残存使用度数は0%であるので、両者の不一致から偽造
カードであることがわかる。
【0048】本発明においては、基材上に透明パターン
を形成し、しかも高いS/N比で情報を得る方法とし
て、赤外線を利用する以外の方法を用いることもでき
る。例えば、基材上に蛍光体を含有する光透過性のパタ
ーンおよび紫外線吸収剤を含有する光透過性のスペース
パターンを形成する。具体的には、図15に示すよう
に、基材1上に蛍光体を含有する光透過性のバーパター
ン5および紫外線吸収剤を含有する光透過性のスペース
パターン6を形成する。
【0049】このようなパターンを読み出すには、図1
6に示すようにバーパターン5およびスペースパターン
6が形成されている基材1の領域に紫外線を照射する光
源101と、バーパターン5から発光する蛍光を検出す
るフォトダイオードなどの検出手段102とを有する装
置が用いられる。なお、光源101および検出手段10
2の配置は特に限定されない。この場合、バーパターン
5からは蛍光が生じるが、スペースパターン6からは全
く蛍光が生じない。したがって、基材1が蛍光増白剤を
含有する白い紙の場合でも、パターン領域においてバー
パターン5以外がスペースパターン6で覆われて基材1
が露出していないので、バーパターン5からの信号に基
材1からの雑音信号が混入することがなく、高いS/N
比を得ることができる。
【0050】スペースパターンを形成するために用いら
れる紫外線吸収剤としては、酸化亜鉛、酸化チタンなど
の微粒子が挙げられる。これらの微粒子は化粧品など種
々の用途に用いられているものである。上記のような紫
外線吸収剤を用いた場合、溶媒としては、環境上水また
はエチルアルコールを使用することが望まれる。したが
って、パターンを構成するポリマーとしては、ポリビニ
ルアルコール、ポリビニルブチラールなどの合成高分子
材料、またはデンプンなどの天然高分子材料を用いるこ
とが好ましい。このようなポリマーに紫外線吸収剤を超
微粒子として分散させることが好ましい。
【0051】バーパターンを形成するために用いられる
蛍光体は紫外線を吸収して可視領域の蛍光を発するもの
であれば特に限定されない。例えばレーザー色素または
蛍光増白剤として知られているものの中から安全性の高
いものを選択することができる。このような蛍光体の例
を表1に示す。なお表中のλmax は吸収波長である。こ
の場合、パターンを構成するポリマーは特に限定されな
いが、スペースパターンに用いられるものと同様なポリ
マーを用いればよい。ここで蛍光体はポリマーに対して
1〜6wt%の比率で含有されていることが好ましい。
これは蛍光体の比率がこの範囲を逸脱すると、パターン
から発せられる蛍光強度が低下する傾向があるためであ
る。
【0052】
【表1】
【0053】この方法では、元のパターンに重ねて新た
なパターンを印刷し直す場合に、パターン領域の厚みの
増加を最小限に抑えることができる。ここで、従来のよ
うに蛍光体を含有するパターンのみを印刷する方法で、
パターンを印刷し直す場合について考える。この場合、
パターン領域の全面に紫外線吸収剤を塗布したり紫外線
吸収剤を混入させたシールを貼り付けた後、紫外線を吸
収する蛍光体を含有するパターンを再度形成しなければ
ならない。このため、何度も印刷を繰り返すとパターン
領域の厚みが厚くなるとともに平坦性が低下する。この
結果、紙を機械的に搬送する際に紙詰まりなどを起こし
やすい。これに対して、本発明の方法では、下層のバー
パターンおよびスペースパターンの上に直接バーパター
ンおよびスペースパターンを再度印刷することにより、
下層のパターンを隠すことができる。このため、パター
ン領域の厚みがそれほど厚くならず、表面の平坦性も維
持できる。この結果、紙の搬送時に問題が生じにくい。
【0054】他の方法として、基材上に形成された光透
過性のパターンに対し、パターンへの入射光の入射角お
よびパターンからの反射光の反射角がブルースター角と
略一致するように設定してパターンからの反射光を検出
することにより、パターンを読み出すこともできる。
【0055】このようなパターンを読み取るには、パタ
ーンが形成された基材を保持するための保持手段と、基
材上のパターン領域に50〜60°の入射角で入射光を
照射する光源と、光源に対して対称的に配置され基材表
面のパターンからの反射光を検出する検出手段とを有す
る読み取り装置を用いる。
【0056】パターンを構成する材料としては、ポリマ
ーが最適である。例えばポリスチレン、ポリエステル、
ポリカーボネート、ナイロン、ビニロン、メチルメタク
リレート、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリビニル
アルコール、ポリビニルブチラール、ポリエチレン、ポ
リプロピレンなどの合成高分子材料、またはデンプンな
どの天然高分子材料が挙げられる。その他の材料とし
て、二酸化ケイ素などのセラミックスの膜、低分子化合
物の混合物であるワックスなどを用いることもできる。
【0057】この方法ではパターン表面からの反射光を
検出するので、パターン表面が平滑であることが好まし
い。このようにパターンの表面を平滑化するには、例え
ばポリマーからなる透明トナーを用いて電子写真方式の
レーザービームプリンタでパターンを形成する際に、定
着工程を工夫すればよい。すなわち図17に示すよう
に、レーザービームプリンタを用いる場合には、感光ド
ラム201表面の感光体を帯電器202で帯電させ、レ
ーザー203で露光し、現像機204から透明トナーを
感光体に付着させることにより現像し、ローラー205
と感光ドラム201との間を搬送されている基材1の表
面に透明トナーを転写してパターンを形成する。その
後、感光ドラム201はクリーニング装置206でクリ
ーニングされ、除電器207で除電される。パターンが
形成された基材1はさらに搬送されてパターンの定着が
行われるが、この際に加熱装置208を基材1に非接触
に配置すれば、パターンを加熱溶融して基材1に定着さ
せるとともにその表面を平滑化することができる。ま
た、図18に示すように、定着工程においてローラー2
09およびヒートローラー210を用いる場合でも、上
部のヒートローラー210上にワックス添加装置211
を設けてワックスを供給し、パターンの表面にワックス
を塗布すれば、パターンを加熱溶融して基材1に定着さ
せるとともにその表面を平滑化することができる。
【0058】上記の方法により形成されたパターンを読
み取るには、図19に示すように、パターンの読み取り
位置に基材1を保持するとともに、基材1上に形成され
た光透過性のパターン10の領域にパターン10を構成
する材料に対応するブルースター角にほぼ相当する50
〜60°の入射角θで入射光を照射する光源103と、
光源103に対して対称的に配置され基材1表面のパタ
ーン10からの反射光を検出する検出手段104とを有
する光学的信号読み取り装置を用いる。光源103から
照射される入射光は可視光でもよいし赤外光でもよい。
【0059】ブルースター角θは、パターンを構成する
材料の屈折率をnとしてtanθ=nで決定される。上
記のような高分子材料の屈折率は多くの場合1.5前後
であるので、対応するブルースター角は50〜60°の
範囲となる。この角度にほぼ一致するように光源103
および検出手段104を配置すると、入射光はパターン
10上で全反射モードで反射される。一方、紙などの基
材1上では光散乱が生じる。このため、高いS/Nを得
ることができる。
【0060】より具体的には、図20に示すような装置
を用いることができる。図20において、ヘッド111
には、光源光学系112および読み取り光学系113が
対称的な位置にそれぞれ回動自在に取付けられている。
したがって、光源光学系112からの入射光の入射角を
パターン10を構成する材料に応じたブルースター角に
調整でき、パターン10から反射する反射光を読み取る
ことができるように読み取り光学系113の角度を調整
できるようになっている。こうして光源光学系112お
よび読み取り光学系113の配置を調整したうえで、図
示しない光源から光ファイバー114を通して光が伝送
され、光源光学系112から基材1表面へ入射される。
基材1表面のパターン10で反射され、読み取り光学系
113で検出された反射光は光ファイバー115を通し
て図示しない検出器へ伝送され、例えばオシロスコープ
に表示される。このヘッド111は基材1を水平に支持
する基材1の保持手段としての支持台116の上方に配
置されており、基材1は搬送ローラー117、118に
より支持台116上へ搬送され、排出ローラー119、
120により支持台116上から排出されるようになっ
ている。
【0061】なお、上記のようにパターンに対して斜め
から入射光を入射し、反射光を斜め方向で検出するの
で、検出器にはパターンの幅の正弦(sin)に相当す
る長さ成分に対応する信号が入力されることになる。例
えば高速で搬送される郵便物のバーコード形状のパター
ンを読み取る場合、上記長さ成分が通過する時間に応じ
て検出器への信号の入力時間が決定されるので、この信
号の入力時間が検出器の応答時間より十分長い必要があ
る。したがって、搬送速度をr[m/sec]、フォト
ダイオードの応答時間をt[sec]とすると、バーコ
ードの幅wをw>tr/sin(90−θ)という式を
満足するように設定することが好ましい。
【0062】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。 実施例1 5wt%ポリビニルアルコール水溶液に、赤外線吸収剤
としてポリアクリロニトリル粉末を、ポリビニルアルコ
ールに対して2wt%の割合で分散させた。これをイン
クジェットプリンタのインクとして用い、印刷済みの普
通紙上に幅4mm、長さ20mmのバーを4mm間隔で
10本印刷してバーパターンを形成した。この紙を正面
から見て、先に印刷されていた文字を全く問題なく読む
ことができた。
【0063】この紙を加熱して電子冷却式のHgCdT
e検出器によりバーパターンを読み取る実験を行った。
この検出器の仕様は、測定温度範囲0〜250℃、測定
波長領域3〜5.3μm、最小検知寸法85μm、作動
距離13mmである。具体的には、紙から3cm離して
100W赤外線ランプを配置して紙の全体を加熱した
後、直ちに検出器の窓を紙面と平行に配置し、3m/s
ecの速度でスキャンして信号のON/OFFを検出し
た。その結果、バーパターンからの発熱が多く、ON信
号を得ることができた。また、検出器側に波長4〜5μ
mの赤外線を透過するフィルターを設け、上記と同様に
モニターしたところ、S/N比は上記の10倍となっ
た。
【0064】次に、この紙を80℃に熱したホットプレ
ート上に置いて加熱し、熱画像解析システム(東陽テク
ニカ製、サーモビジョン900)でモニターした。その
結果、モニターテレビ上でバーパターンを判読すること
ができた。同様に、この紙を赤外線ランプで波長4〜5
μmの赤外線を透過するフィルターを通して加熱し、上
記と同一の熱画像解析システムでモニターした。その結
果、モニターテレビ上でバーパターンが優先的に加熱さ
れていることが確認できた。このようにスキャンなしに
バーパターンを読み取ることができるので、画像として
コンピュータに取り込み、画像解析することができる。
【0065】実施例2 5wt%ポリビニルアルコール水溶液に、赤外線吸収剤
としてシアノビフェニルを界面活性剤であるステアリン
酸ナトリウムを用いて分散させた。なお、シアノビフェ
ニルの割合はポリマーに対して1wt%とした。これを
インクジェットプリンタのインクとして用い、普通紙上
に幅4mm、長さ20mmのバーを4mm間隔で10本
印刷してバーパターンを形成した。この紙を正面から見
て、先に印刷されていた文字を全く問題なく読むことが
できる。
【0066】この紙全体をヘアドライヤーで加熱した
後、直ちに電子冷却式のHgCdTe検出器の窓を紙面
と平行に配置し、3m/secの速度でスキャンして、
信号のON/OFFを検出する。この場合、バーパター
ンからの発熱が多く、ON信号を得ることができる。
【0067】実施例3 ポリエステルおよびポリアクリロニトリルのペレットを
それぞれ平均粒径11μmに粉砕した粉末を用いて、顔
料を含まないトナーを調製した。なおここで、ポリエス
テルとポリアクリロニトリルとの比率は、重量換算で
1:1とした。これをレーザービームプリンタのトナー
として用い、普通紙上に幅4mm、長さ20mmのバー
を4mm間隔で10本印刷してバーパターンを形成し
た。この紙を正面から見て、先に印刷されていた文字を
全く問題なく読むことができた。
【0068】紙から3cm離して100W赤外線ランプ
を配置して紙の全体を加熱した後、直ちに電子冷却式の
HgCdTe検出器の窓を紙面と平行に配置し、3m/
secの速度でスキャンして、信号のON/OFFを検
出する。この場合、バーパターンからの発熱が多く、O
N信号を得ることができる。
【0069】実施例4 5wt%のポリビニルアルコールを溶解した水溶液に、
粉砕したポリアクリロニトリルを分散させた。これをイ
ンクジェットプリンターのインクとして使用し、印刷さ
れた普通紙上に4mm×20mmのバーパターンを4m
m間隔で印刷して透明バーコードを形成した。この状態
で、正面から見て、予め印刷されていた文字を全く問題
なく読むことができる。
【0070】図7に示すように、透明バーコードが形成
された普通紙を読み取り装置にセットした。紙の上のバ
ーコード領域にレーザービームを照射し、バーコード領
域からのラマン散乱光をレンズで集光し、分光器を通し
てCCDで観測した。分光器の波数を2250cm-1
設定すると、CCDによりバーコードのイメージが得ら
れた。このイメージをコンピュータにより解析すること
により、バーコード情報を得ることができる。
【0071】実施例5 ポリアクリロニトリル(三井東圧製、ザクロン)繊維の
糸を、ナイロン、ポリエステル、木綿、絹のそれぞれの
布地にミシンで縫い付けて、バーコードを形成した。バ
ーコードとしてはCODE39を用い、ナローバーの幅
2mm、ワイドバーの幅6mm、0〜9の数字とa〜g
のアルファベットを表記した。
【0072】アクリル繊維の糸からなるバーコードを形
成した布地に、シリコニット発熱体から、2225cm
-1付近の赤外線を透過するフィルターを通して、赤外線
を照射してバーコードパターンを選択的に加熱した。こ
のバーコードをサーモビジョン900(東陽テクニカ
社)で撮影し、画像として確認した。CRT面上では、
糸の部分が白く、糸のない部分が黒く見えるが、画像を
反転させることにより通常のバーコードと同様に表示さ
せることができる。そして、コンピュータによる画像処
理により、バーコード情報を読み出すことができる。
【0073】また、2225cm-1付近の赤外線を透過
するフィルターを備えたMCT検出器をスキャンさせて
も、バーコードパターンから発する赤外線を検出するこ
とができる。
【0074】アクリル繊維の糸は水にも塩素系有機溶剤
にも溶解しないので、洗濯機で水洗し脱水し太陽光で3
時間乾燥した場合も、ドライクリーナーでドライクリー
ニングした場合でも、上記と同様にしてバーコード情報
を読み出すことができる。
【0075】実際に、2cm×5cmの布地にアクリル
繊維の糸を縫い付けてバーコードを形成したものをワイ
シャツに縫い付けて、ワイシャツのドライクリーニング
およびアイロン掛けを10回繰り返した。この後、バー
コードをまったく問題なく読取ることができた。
【0076】また、布地サンプルを高圧水銀ランプのU
V光に30日間さらし、読み出しテストを行った場合に
も、すべてのサンプルから情報を間違いなく読み取るこ
とができた。
【0077】また、可塑剤として10wt%のリン酸ト
リブチルを含有するポリアクリロニトリル(三井東圧
製、ザクロン)を、200℃まで加熱可能なバーコード
字輪に仕込み、CODE39に基づくバーコードを印刷
した場合にも上記と同様な結果が得られた。
【0078】実施例6 ポリスチレンからなる厚さ1.9mmのプラスチックカ
ード上に、TOSHIBA96110という文字を黒色
インクで印刷した。このプラスチックカード上に、厚さ
8μmのポリエチレンフィルムを載せ、170℃で加熱
接着した。1wt%のスチレン−アクリロニトリル共重
合体(重量比7:3、アルドリッチ社製)を1,1,2
−トリクロロエチレンに溶解した溶液を調製した。この
溶液をインクジェットプリンターのインクとして用い、
CODE39でTOSHIBA96110を表すよう
に、透明バーコードを印刷した。
【0079】このカードを目で見ると、バーコードが存
在することはわからない。このカードにフィルターを用
いて2225cm-1の赤外線を2cmの距離で30秒間
照射し、バーパターンを選択的に加熱した。このバーコ
ードから輻射される赤外線をフィルターを通してMCT
検出器で検出した。このときMCT検出器のスキャン速
度は1cm/secとした。この結果、オシロスコープ
で赤外線信号が存在する領域と存在しない領域とを区別
してバーコードを読み取ることができた。この信号をデ
コードしてTOSHIBA96110という情報を得
た。同じカードの黒色インクによる文字をコンピュータ
に接続されたイメージリーダーで読み取り、TOSHI
BA96110という情報を得た。このように、透明バ
ーコードによる情報が印刷文字と一致するので、このカ
ードが真正のものであることがわかる。一方、偽造によ
り透明バーコードがなくなったカードでは透明バーコー
ドによる情報が得られないので、偽造を判定できる。ま
た、透明バーコードによる情報と印刷文字とが1文字で
も違う場合にも、偽造を判定できる。
【0080】実施例7 紙の上に印鑑を捺印した。この紙の上に厚さ8μmのポ
リプロピレンフィルムを載せ、170℃で加熱接着し
た。この印鑑の画像をスキャナーでコンピュータに読み
取り、実施例6と同じ透明インクとインクジェットプリ
ンターを用いて、印鑑の画像に対応する透明画像を印刷
した。
【0081】このカードを目で見ると、透明インクによ
る画像が存在することはわからない。このカードにフィ
ルターを用いて2225cm-1の赤外線を2cmの距離
で30秒間照射し、透明インクによる印鑑画像部分を選
択的に加熱した。透明インクの画像から輻射される赤外
線をフィルターを通してサーモビジョン900(東陽テ
クニカ)で画像として検出した。この画像を2値化し、
周辺のぼけを除いた後、画像反転してコンピュータディ
スプレイに表示した。同じカードをスキャナーで読み取
り、印鑑画像を読み取った。この場合、透明インクの画
像と印鑑画像との一致により、書類が真正であることが
わかる。一方、偽造により透明画像がなくなった書類で
は透明画像による情報が得られないので、偽造を判定で
きる。
【0082】なお、印鑑の上にポリプロピレンフィルム
を載せずに直接透明インクによる透明画像を形成した場
合にも上記と同様な結果が得られた。 実施例8 5wt%ポリビニルアルコール水溶液10ccに、紫外
線吸収剤として超微粒子の酸化亜鉛(住友セメント製)
を、ポリマーと酸化亜鉛との比率が重量換算で10:5
となるように混合して超音波分散した。この溶液を用い
てシルクスクリーン印刷により、白色はがきの上に幅3
mm、長さ20mmのラインを3mm間隔で10本印刷
して乾燥しスペースパターンを形成した。
【0083】一方、5wt%ポリビニルアルコール/エ
チルアルコール溶液に、レーザー色素であるスチルベン
3(ラムダフィジク製)を、ポリマーに対して2wt%
の割合で溶解した。この溶液を用いてシルクスクリーン
印刷により、上記で形成したスペースパターンに重なら
ずに隣接するように位置合わせして、幅3mm、長さ2
0mmのラインを3mm間隔で10本印刷して乾燥しバ
ーパターンを形成した。
【0084】このはがきを暗所に設置し、ブラックライ
トを用いて波長360nmの紫外線を照射したところ、
バーパターンから400nm付近の蛍光を検出できた。
バーパターンとスペースパターンとのコントラスト比は
10:1以上であった。
【0085】次に、上記の2種の溶液を用いてインクジ
ェットプリンタにより白色はがき上に上記と同様なパタ
ーンを印刷した。検出波長を400nm付近に設定した
フォトダイオードを有するバーコードリーダーを用い、
紫外線を照射して読み取りを行ったところ、バーコード
パターンを読み取ることができた。また、宛先を記入済
みの種々のはがきに上記と同様にしてバーコードパター
ンを印刷し、それぞれのはがきを4m/secの速度で
搬送した場合にも、バーコードリーダーによるバーコー
ドパターンの読み取りが可能であった。
【0086】さらに、はがき上に印刷された元のバーコ
ードパターン上に内容の異なる新たなバーコードパター
ンを印刷する工程を10回繰り返した。このはがきをバ
ーコードリーダーで読み取ったところ、最終的に印刷し
たバーコードパターンの情報を読み取ることができた。
【0087】実施例9 厚さ5μmのポリカーボネートフィルムに粘着剤を塗布
した。このフィルムを幅4mm、長さ20mmの寸法に
切断し、文字が印刷された紙の上に4mm間隔で10本
貼り付けてバーパターンを形成した。この状態で最初の
印刷文字を完全に見ることができた。このフィルムの屈
折率は1.58であり、ブルースター角は57.7°で
ある。
【0088】光源からの入射光の入射角を上記ブルース
ター角に設定し、バーパターンから反射する反射光を検
出できるようにフォトダイオードを光源と対称的に配置
して、紙を手動でスキャンしながら、検出結果をオシロ
スコープに表示させた。その結果、バーパターンからの
反射光を一定間隔の矩形波からなる信号電圧として得る
ことができ、バーパターンの有無を読み取ることができ
た。
【0089】なお、フォトダイオードの位置をブルース
ター角から変化させると、信号電圧の強度は極端に減少
した。 実施例10 5wt%ポリビニルアルコール水溶液をインクジェット
プリンタのインクとして用い、印刷済みの普通紙上に幅
4mm、長さ20mmのラインを4mm間隔で10本印
刷してバーパターンを形成した。この紙を正面から見
て、先に印刷されていた文字を全く問題なく読むことが
できた。ポリビニルアルコールの屈折率は1.49〜
1.53であることが知られており、これに対応するブ
ルースター角は56.1〜56.8°である。
【0090】図20に示す装置を用い、入射角および反
射角が56.5°となるように光源光学系112および
読み取り光学系113の角度を調整し、上記の紙をスキ
ャンしながらバーパターンの読み取りを試みたところ、
バーパターンに対応する信号電圧を得ることができた。
【0091】実施例11 通常の感熱インクリボンに用いられるワックスに顔料を
添加せずにテープに塗布して乾燥し、透明インクが印字
される感熱インクリボンを作製した。この感熱インクリ
ボンを用い感熱プリンタ付きのワードプロセッサによ
り、印刷済みの普通紙上に幅4mm、長さ20mmのラ
インを4mm間隔で10本印刷してバーパターンを形成
した。
【0092】使用したワックスは種々の材料の混合物で
あるので屈折率は不明であるが、図20に示す装置を用
い、紙を静止した状態で光源光学系112および読み取
り光学系113の角度を同時に変化させながらオシロス
コープにより検出感度を測定したところ、55°で最高
の感度が得られた。この状態で各光学系を固定し、紙を
スキャンしながらバーパターンの読み取りを試みたとこ
ろ、バーパターンに対応する信号電圧を得ることができ
た。
【0093】実施例12 ポリエステルのペレットを平均粒径11μmに粉砕した
粉末を用いて顔料を含まないトナーを調製した。これを
レーザービームプリンタのトナーとして用い、普通紙上
に幅4mm、長さ20mmのラインを4mm間隔で10
本印刷してバーパターンを形成した。このプリンタでは
赤外線加熱によりトナーを定着してバーパターン表面を
平滑にする。
【0094】ポリエステルの屈折率は1.54なので、
これに対応するブルースター角は57°となる。図20
に示す装置を用い、入射角および反射角が57°となる
ように光源光学系112および読み取り光学系113の
角度を調整し、上記の紙をスキャンしながらバーパター
ンの読み取りを試みたところ、バーパターンに対応する
信号電圧を得ることができた。
【0095】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、す
でに記入されている文字との重なりによりコード情報の
読み取りや文字の判読に問題が生じることのない透明な
パターンを形成し、このようなパターンから高いS/N
比で情報を読み出す方法およびパターンを読み取るため
の光学的信号読み取り手段を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により形成されたパターンを読み取る装
置の原理を説明する図。
【図2】本発明により形成されたパターンを読み取る装
置の他の原理を説明する図。
【図3】本発明により形成されたパターンを読み取る装
置のさらに他の原理を説明する図。
【図4】本発明により形成されたパターンの光学的信号
読み取り装置の一例の構成を示す図。
【図5】本発明により形成されたパターンの光学的信号
読み取り装置の他の例の構成を示す図。
【図6】本発明により形成されたパターンの光学的信号
読み取り装置のさらに他の例の構成を示す図。
【図7】本発明により形成されたパターンの光学的信号
読み取り装置のさらに他の例の構成を示す図。
【図8】バーコード字輪の斜視図。
【図9】透明バーコードパターンのワイシャツへの印刷
位置を示す図。
【図10】透明バーコードパターンのシーツへの印刷位
置を示す図。
【図11】透明バーコードの近傍に設けられるマークを
示す図。
【図12】近傍に着色マークが形成された透明パターン
の光学的信号読み取り装置の構成を示す図。
【図13】近傍に透明マークが形成された透明パターン
の光学的信号読み取り装置の他の例の構成を示す図。
【図14】プリペイドカード上に形成されるバーコード
パターンおよびパンチ孔を示す図。
【図15】本発明により形成されたパターンの平面図。
【図16】本発明により形成されたパターンを読み取る
装置の原理を説明する図。
【図17】本発明におけるパターンを形成する際に用い
られるレーザービームプリンタの構成を示す図。
【図18】本発明におけるパターンを形成する際に用い
られる他のレーザービームプリンタの構成を示す図。
【図19】本発明におけるパターンを読み取る装置の原
理を説明する図。
【図20】本発明におけるパターンの光学的信号読み取
り装置の一例の構成を示す図。
【符号の説明】
1…基材 2…赤外線吸収剤を含有するパターン 3a、3b、3c…マーク 4…パンチ孔 5…蛍光体を含有する光透過性のバーパターン 6…紫外線吸収剤を含有する光透過性のスペースパター
ン 10…光透過性のパターン 11…赤外線ランプ 12…赤外線検出器 13、14…フィルター 21…ビームスプリッタ 22…フィルター 31…加熱装置 32…赤外線検出器 41…対象物 42…コンベア 51…加熱装置 52…赤外線検出器 53…モニター 54…画像解析装置(コンピュータ) 61…レーザー 62…レンズ 63…ミラー 64…回折格子 65…ゼロ分散型ダブル分光器 66…検出器 67…コンピュータ 91、92…ハンディスキャナー 93…赤外光光源 94…赤外線検出器 95…ガイドビーム光源 96…紫外光光源 97…光ファイバー 101…光源 102…検出手段 103…光源 104…検出手段 111…ヘッド 112…光源光学系 113…読み取り光学系 114、115…光ファイバー 116…支持台 117、118…搬送ローラー 119、120…排出ローラー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G06K 17/00 G06K 17/00 T (72)発明者 斉藤 三長 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 都鳥 顕司 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝研究開発センター内 (56)参考文献 特開 平7−282184(JP,A) 特開 平7−57065(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06K 7/12 B42D 15/10 501 G06K 1/12 G06K 7/00 G06K 7/10 G06K 17/00

Claims (20)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シアノ基またはカルボニル基を有するポ
    リマーまたは低分子化合物を含有するパターンが形成さ
    れた基材を加熱するかまたは赤外線を照射し、前記パタ
    ーンからの赤外線を検出することを特徴とするパターン
    読み出し方法。
  2. 【請求項2】 前記パターンがバーコードを形成するこ
    とを特徴とする請求項1記載のパターン読み出し方法。
  3. 【請求項3】 シアノ基を有するポリマーが、ポリアク
    リロニトリルまたはアクリロニトリル系コポリマーであ
    ることを特徴とする請求項1記載のパターン読み出し方
    法。
  4. 【請求項4】 布からなる基材に、ポリアクリロニトリ
    ルまたはアクリロニトリル系コポリマーの繊維を含有す
    る糸を付けてパターンを形成することを特徴とする請求
    項1記載のパターン読み出し方法。
  5. 【請求項5】 前記パターンを構成する材料の熱伝導率
    が、基材のそれよりも高いことを特徴とする請求項1記
    載のパターン読み出し方法。
  6. 【請求項6】 基材上のパターン領域の近傍に、着色マ
    ークを形成することを特徴とする請求項1記載のパター
    ン読み出し方法。
  7. 【請求項7】 基材上のパターン領域の近傍に、紫外線
    を吸収して可視光を発光する蛍光体を含有するマークを
    形成することを特徴とする請求項1記載のパターン読み
    出し方法。
  8. 【請求項8】 前記パターンが可視領域で無色透明であ
    ることを特徴とする請求項1記載のパターン読み出し方
    法。
  9. 【請求項9】 シアノ基またはカルボニル基を有するポ
    リマーまたは低分子化合物を含有するパターンが形成さ
    れた基材上のパターン領域を加熱するかパターン領域に
    赤外線を照射する手段と、基材上のパターン領域からの
    赤外線を検出する手段とを有することを特徴とする光学
    的信号読み取り装置。
  10. 【請求項10】 前記基材を搬送する手段を有すること
    を特徴とする請求項9記載の光学的信号読み取り装置。
  11. 【請求項11】 前記赤外線を照射する手段および赤外
    線を検出する手段のうち少なくともいずれか一方に特定
    波長域の赤外線を選択するフィルターを設けることを特
    徴とする請求項9記載の光学的信号読み取り装置。
  12. 【請求項12】 前記パターンが可視領域で無色透明で
    あることを特徴とする請求項9記載の光学的信号読み取
    り装置。
  13. 【請求項13】 証明を与えるための可視情報が形成さ
    れた書類・カード等の表面に、シアノ基またはカルボニ
    ル基を有するポリマーまたは低分子化合物を含有する材
    料からなり、前記可視情報に対応するパターンを形成
    し、パターン領域を加熱するかまたはパターン領域に赤
    外線を照射し、パターン領域からの赤外線を検出し、検
    出された情報と前記可視情報とを照合することを特徴と
    する証明書類の偽造防止方法。
  14. 【請求項14】 前記パターン領域が透明フィルムで覆
    われていることを特徴とする請求項13記載の証明書類
    の偽造防止方法。
  15. 【請求項15】 磁気情報が記録されたプリペイドカー
    ド上に残額に相当する、シアノ基またはカルボニル基を
    有するポリマーまたは低分子化合物を含有するパターン
    を複数形成し、使用に応じて残額に対応するパターン領
    域にパンチ孔をあけ、パターン領域に赤外線を照射し、
    パターン領域からの赤外線を検出し、検出された情報と
    磁気情報とを照合することを特徴とするプリペイドカー
    ドの偽造防止方法。
  16. 【請求項16】 ポリアクリロニトリルおよびアクリロ
    ニトリル系コポリマーからなる群より選択されたポリマ
    ーを含有するパターンが形成された基材を加熱する工程
    と、前記パターンから発する赤外線を検出する工程とを
    具備したことを特徴とするパターン読み出し方法。
  17. 【請求項17】 検出感度波長に合った特定波長の赤外
    線を吸収する材料を含有するパターンが形成された基材
    上のパターン領域を加熱する手段と、基材上のパターン
    領域から発する3〜5.3μmの波長領域の赤外線を検
    出する手段とを有することを特徴とする光学的信号読み
    取り装置。
  18. 【請求項18】 前記基材を搬送する手段を有すること
    を特徴とする請求項17記載の光学的信号読み取り装
    置。
  19. 【請求項19】 前記検出手段が、HgCdTe検出器
    からなることを特徴とする請求項17記載の光学的信号
    読み取り装置。
  20. 【請求項20】 前記フィルターが波長4〜5μmの赤
    外光を選択的に透過することを特徴とする請求項17記
    載の光学的信号読み取り装置。
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