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JP3068392B2 - 合金化溶融亜鉛メッキ鋼板の製造方法 - Google Patents

合金化溶融亜鉛メッキ鋼板の製造方法

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JP3068392B2
JP3068392B2 JP5289556A JP28955693A JP3068392B2 JP 3068392 B2 JP3068392 B2 JP 3068392B2 JP 5289556 A JP5289556 A JP 5289556A JP 28955693 A JP28955693 A JP 28955693A JP 3068392 B2 JP3068392 B2 JP 3068392B2
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Japan
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steel sheet
plating
zinc
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melting point
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正則 星野
靖博 秋田
博之 吉野
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、合金化溶融亜鉛メッキ
鋼板の製造方法に関するものであり、更に詳しくは、N
iプレメッキを施した鋼板に対し、均一で高品位な合金
化溶融亜鉛メッキ鋼板を高い生産性で製造する方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】鋼板を溶融亜鉛浴に浸した後、ガスワイ
ピング装置を用いて目的とする付着量に亜鉛付着量を制
御し、合金化炉で鋼板を加熱することにより合金化溶融
亜鉛メッキを製造する方法は、現在広く工業的に行われ
ている。また、溶融金属をスプレーにより微粒化し、こ
れを連続的に送られてくる帯状鋼板の表面に付着させて
めっきする、スプレーメッキ方法及び装置は、従来から
特開昭53−99047号公報、特開平1−20145
6号公報に示すように、前処理として鋼板を、還元性雰
囲気で連続的に加熱し清浄化した後、鋼板温度をメッキ
金属の融点以上に保持した状態でスプレーメッキを行う
技術がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術であるガスワイピング法によりメッキ付着量を制御す
る溶融メッキ方法では、鋼板の通板速度を上げるに従
い、ワイピングガスの圧力を高くする必要がある。ワイ
ピングガス圧が高くなると、亜鉛が飛び散るスプラッシ
ュと呼ばれる現象が起こる。スプラッシュが起こると、
飛び散った亜鉛が鋼板あるいはガスワイピング装置に付
着し、メッキ品質の劣化あるいは最悪の場合はメッキ不
可能という事態に至る。従って、従来のガスワイピング
法による亜鉛メッキラインは、スプラッシュが発生しな
いラインスピード180mpm 以下でしか生産ができな
い。
【0004】一方、スプレーメッキ方法では、スプラッ
シュ発生によるラインスピードの制約は発生しない。し
かし、特開昭53−99047号公報、特開平1−20
1456号公報によるスプレーメッキ方法では、メッキ
時の鋼板温度が高いため、メッキ実施中に亜鉛と鋼板の
合金化反応が起こる。
【0005】そのため、鋼板と亜鉛との濡れ性が鋼板表
面内で不均一となり、亜鉛の不規則な流動が起こるため
均一なメッキ外観を得る事が極めて困難となる。このよ
うな不均一外観の亜鉛メッキ鋼板を合金化処理しても、
外観不均一はそのまま残存する事となり、高品質な合金
化溶融メッキ鋼板は得られない。また、合金化溶融亜鉛
メッキ鋼板を得るための再加熱条件については、従来の
溶融メッキ法の場合と異なっており、スプレーメッキ後
の再加熱条件にそのまま適用しても、高品位な合金化溶
融亜鉛メッキ鋼板は得られない。
【0006】本発明は、従来のガスワイピング法やスプ
レーメッキ方法による合金化溶融亜鉛メッキ製造方法と
は異なる方法により均一で高品位な合金化溶融亜鉛メッ
キ鋼板を高い生産性で製造する方法を提供する事を目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記のような
従来法の欠点を有利に排除しうる合金化溶融亜鉛メッキ
鋼板の製造方法であり、その要旨とするところは、 (1)亜鉛微粒子を吹き付けることによりメッキするス
プレーメッキ方法において、メッキする鋼板の表面に、
前処理として付着量0.2 g/m2 ・片面以上2.0 g/m
2 ・片面以下のNiプレメッキを施し、非酸化性雰囲気
下でAlを0.08wt%超0.50wt%以下含む亜鉛微
粒子を、メッキ金属の融点未満の帯状鋼板に吹き付けメ
ッキし、メッキ後帯状鋼板をメッキ金属の融点以上に再
加熱する事を特徴する合金化溶融亜鉛メッキ鋼板の製造
方法。
【0008】(2)メッキ付着量が100 g/m2 ・片面
以下、かつ再加熱条件が次式に示される鋼板温度と加熱
時間の条件範囲内であることを特徴とする上記(1)記
載の合金化溶融亜鉛メッキ鋼板の製造方法にある。 −1.2(t+Δt)+510≦T≦−0.63(t+
Δt)+580 Δt=0.011 exp(15+WAl) ただし、T:鋼板温度(℃)、t:再加熱時間(s)、
Al:亜鉛中Al濃度(wt%)
【0009】
【作用】以下に本発明について詳細に説明する。本発明
において、Niプレメッキ量を0.2 g/m2 ・片面以上
としているのは、Niプレメッキ量0.2 g/m2 ・片面
未満では、亜鉛と濡れ性の悪い酸化物が鋼板表面に生成
しているため、スプレーされた亜鉛が鋼板表面に付着し
ないためである。Niプレメッキを実施することによ
り、亜鉛と鋼板の濡れ性を改善する事が可能であるが、
Niは高価な金属であるため、プレメッキ量0.2 g/m
2 ・片面より多くすることは経済的でない。
【0010】帯状鋼板にスプレーメッキ方法で亜鉛メッ
キを実施する場合、鋼板温度が亜鉛融点より高いと、メ
ッキ実施中に亜鉛と鋼板の合金化反応が起こる。そのた
め、鋼板と亜鉛との濡れ性が鋼板表面内で不均一とな
り、亜鉛の不規則な流動が起こるため、均一なメッキ外
観を得る事が極めて困難となる。このような不均一外観
の亜鉛メッキ鋼板を合金化処理しても、外観不均一はそ
のまま残存する事となり、均一な合金化溶融亜鉛メッキ
鋼板は得られない。均一な合金化溶融亜鉛メッキ鋼板を
スプレーメッキで製造するための条件として、第一にメ
ッキ時の帯状鋼板温度を亜鉛の融点以下とすること、第
二にスプレーメッキ後に再加熱を実施する事が必要であ
る。
【0011】第一の条件、すなわちメッキ時の帯状鋼板
温度を亜鉛の融点以下とすることで、スプレーされた亜
鉛は鋼板上でただちに凝固し、鋼板上での流動化や合金
化反応を起こさない。そのため、むらのない均一外観を
有するメッキ鋼板を得る事ができる。本発明では、Al
を0.08wt%超0.50wt%以下を含む溶融亜鉛を非
酸化性雰囲気下でスプレーする事が必要である。これ
は、Al濃度が0.08wt%以下の場合、鋼板温度が亜
鉛融点以下でも溶融亜鉛の含熱により、鋼板との間で合
金化反応が起こるからである。Al濃度が0.5wt%よ
り多いと、溶融亜鉛の表面張力が大きくなり、亜鉛同士
が鋼板表面で凝縮し、メッキ外観にむらを生ずるからで
ある。
【0012】第二の条件については、第一の鋼板温度条
件にてスプレーメッキをした場合、メッキ層内に空隙部
が数多く、表面も微小な凹凸を有し、合金化反応もほと
んど起こっておらず、メッキ層の平滑化及び合金化を起
こさせることが必要であり、そのためには、鋼板温度を
メッキ金属の融点以上に再加熱することを見出したもの
である。本発明では、再加熱条件は、次式で示される鋼
板温度と加熱時間の関係範囲内で行う事が必要である。 −1.2(t+Δt)+510≦T≦−0.63(t+
Δt)+580 Δt=0.011 exp(15+WAl) ただし、T:鋼板温度(℃)、t:再加熱時間(s)、
Al:亜鉛中Al濃度(wt%)
【0013】これは、図1に示すように、上式左辺の温
度以上では、メッキ層中のFe濃度が16wt%より多く
なり、JIS G 3302に定められた合金化溶融亜
鉛メッキ鋼板の範囲を越えてしまうからである。上式右
辺の温度以下では、凝固亜鉛の再溶解が不十分となり、
未溶解亜鉛が残留して均一な合金化溶融亜鉛めっき鋼板
を得ることができない。従って、最も望ましい再加熱条
件は上式で示される鋼板温度と加熱時間の関係範囲内で
ある。
【0014】亜鉛目付量は、100 g/m2 ・片面に抑え
ることが望ましい。これは、合金化溶融亜鉛メッキ鋼板
は、メッキ鋼板加工時にメッキが粉状に剥離するパウダ
リング剥離が起こる。付着量が100 g/m・片面より多
いとパウダリング剥離量が顕著になり、プレス加工傷が
多発し実用的でないためである。
【0015】
【実施例】
(実施例1)Al−K鋼板を表1に示す条件にてメッキ
を行い、メッキ後鋼板の品質を調査した。その結果、従
来のガスワイピングを用いて製造した合金化溶融亜鉛メ
ッキ鋼板は、スプラッシュが多数発生した。一方、本発
明法によれば、均一な外観の合金化溶融亜鉛メッキ鋼板
が得られた。
【0016】
【表1】
【0017】(実施例2)IF鋼板を表2に示す条件に
てメッキを行い、メッキ後鋼板の品質を調査した。その
結果、従来のガスワイピングを用いて製造した合金化溶
融亜鉛メッキ鋼板は、過合金となった。一方、本発明法
によれば、均一で良好な合金化溶融亜鉛メッキ鋼板が得
られた。
【0018】
【表2】
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、スプレーメッキ方法に
よって、均一で高品位な合金化溶融亜鉛メッキ鋼板を高
い生産性で製造する事が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】付着量0.2 g/m2 ・片面以上2.0 g/m2
片面以下のNiプレメッキが施された帯状鋼板に、非酸
化性雰囲気下でAlを0.08wt%超0.50wt%以下
含むZn微粒子をメッキ時帯状鋼板温度を亜鉛融点未満
で100 g/m2 ・片面以下スプレーメッキした後、再加
熱する際の再加熱条件と合金溶融メッキ鋼板品質の関係
を示す説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 4/02 - 4/14 C23C 28/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亜鉛微粒子を吹き付けることによりメッ
    キするスプレーメッキ方法において、メッキする鋼板の
    表面に、前処理として付着量0.2 g/m2 ・片面以上
    2.0 g/m2 ・片面以下のNiプレメッキを施し、非酸
    化性雰囲気下でAlを0.08wt%超0.50wt%以下
    含む亜鉛微粒子を、メッキ金属の融点未満の帯状鋼板に
    吹き付けメッキし、メッキ後帯状鋼板をメッキ金属の融
    点以上に再加熱する事を特徴とする合金化溶融亜鉛メッ
    キ鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】 メッキ付着量が100 g/m2 ・片面以
    下、かつ再加熱条件が次式に示される鋼板温度と加熱時
    間の条件範囲内であることを特徴とする請求項1記載の
    合金化溶融亜鉛メッキ鋼板の製造方法。 −1.2(t+Δt)+510≦T≦−0.63(t+
    Δt)+580 Δt=0.011 exp(15+WAl) ただし、T:鋼板温度(℃)、t:再加熱時間(s)、
    Al:亜鉛中Al濃度(wt%)
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