JP3054379B2 - リチウム二次電池負極材用黒鉛を被覆した黒鉛質粉末とその製法 - Google Patents
リチウム二次電池負極材用黒鉛を被覆した黒鉛質粉末とその製法Info
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Description
係わり、詳しくは、負極材料として黒鉛を使用したリチ
ウム二次電池の高容量で容量ロスの少ない黒鉛質粉末を
提供する。
ムイオン二次電池用負極材には、大きく分けて結晶化の
進んだ黒鉛質系と結晶化度の低い炭素質系又は難黒鉛化
性炭素とがあり、これらを用いたものが、既に上市され
て久しい。
り、例えば実際の搭載機器を駆動させるときの放電曲線
で比較してみると、黒鉛質系は3.6V程度の高電位を
保って放電し続け、放電末期に急激に電位が降下する。
越える高電位から放電が始まり、放電時間と共に電位が
降下する。これから搭載される機器の要求諸元又は制御
回路等の設計思想の差などにより使い分けられている。
携帯電話、ノート型パソコン等長時間使用が可能になる
よう電池容量の増大が求められている。従来の黒鉛質系
材料は理論容量372mAh/gに対し容量ロスがあり
上市されているものは270〜310mAh/gであ
る。
巾に上回る400〜850mAh/gの容量のものが報
告されているが、初回充放電での容量ロスが140〜2
50mAh/gを越えること、容量のうち電池電位の低
い部分が主で駆動上高電位を必要とする機器には不向き
である。
持率が低下していくなどの欠点がある。黒鉛粉末の表面
に炭素材を被覆する従来特許には下記がある。特開平5
−121066では面間隔d002 が0.337nm未満
の黒鉛の表面に面間隔d002 が0.337nm以上の炭
素質炭素を被覆したもの。
回折による面間隔のd002 が3.354Å以上でC軸方
向の結晶子の大きさが200Å以上の黒鉛表面をアモル
ファスカーボン層又はX線回折による面間隔d002 が
3.43Å以上でC軸方向の結晶子の大きさが200Å
以下のコークス層で被覆したものがある。
が、放電末期に端子(電池)電圧が低下するため一定電
圧で使用可能な電池容量は充放電容量の80%以下に止
まる。 また特開平8−180903では黒鉛粉末の表
面を無定形炭素で被覆したものがある。
昇して電池電圧が急激に低下するのを緩やかにし、再充
電のタイミングを適正にし充放電のサイクル特性を維持
するもので、本質的に充放電容量をアップするものでは
ない。
緩やかにする目的であって、本発明の充放電容量を増大
させる目的とは異なり、利用可能な充放電容量は逆に低
下し80%以下になってしまう欠点があり、市場要求の
一定電圧で大容量のリチウムイオン二次電池には不向き
である。
本発明の負極材用炭素材料は、炭素質又は黒鉛質炭素粉
末を基材として表面に石炭系又は石油系ピッチをコーテ
ィングし、軽度の酸化熱処理をし、解砕し、炭化焼成、
黒鉛化し、粉体全体を黒鉛質とする。
部分にリチウムイオンをドープするポア部分が生成し充
放電容量を増せる。表層部分を容量ロスの少ないピッチ
ベースの黒鉛材とするため、放電時高い端子(電池)電
圧を放電終了まで続ける。
被覆するため比表面積が小さくマイクロポアーを抑えら
れることから電解液との反応が低くなり、電解液の分解
を抑えることが出来る。
ピッチベース黒鉛材の形態がリチウムイオンの直径より
も大きいポア径を多数包含するものとなるため、リチウ
ムイオンの脱着が容易となり、炭素材表面の反応容量が
増大するものと推定している。
容量ものが得られていないことから活性炭の極微細なマ
イクロポアはリチウムイオンの脱着には不適当で、むし
ろイオンの脱着は炭素材内部のポアでなく炭素材外表面
の脱着が主体と考えられる。
反発しながら炭素材外表面に存在するため炭素材内部の
マイクロポアには出入りできないと推定される。本発明
により、リチウムイオンの脱着に実際に寄与する炭素材
外表面積を増加させることにより電池容量を増大させ、
電解液の分解を促進させるマイクロポアや内部クラック
を減少させることが出来る。
る。
子径13μm、6〜32μmが全体の70vol%とな
るような粉末を得た。粒子の長径aと短径の比がa/b
=3である。
10μmに粉砕した軟化点300℃のメソフェーズピッ
チ粉末25重量部をブレンダーに仕込み均一に混合させ
た。次いでこの混合物を擂潰機に移し5時間メカノケミ
カル反応を行い、コークス粉末の周囲にメソフェーズピ
ッチをコーティングした。
80℃で処理し、コーティングされたメソフェーズピッ
チ部分を熱不溶融化した。
雰囲気下1000℃で焼成後、更に黒鉛化炉に移し、ア
ルゴン雰囲気下3000℃で処理して全体が黒鉛構造を
有する二層状黒鉛粉末を得た。
の長径aと短径bの比がa/b=1.6、平均粒子径1
2μm、6〜32μmが全体の60vol%となるよう
な粉末を得た。この粉末100重量部に対して実施例1
で用いたメソフェーズピッチを15重量部を使い、実施
例1と同様の処理を行った。
部に対して、軟化点260℃の光学的等方性ピッチの平
均粒径11μmとしたもの15重量部を用いた他は実施
例1と同様に行った。
部を、これの20重量部に相当する石炭系バインダーピ
ッチのキシレン可溶分をキシレンに溶解した溶液中に投
入撹拌した。次いでこれをスプレードライヤーにかけ基
材の周囲にバインダーピッチをコーティングした。
三塩化ヨウ素をガス化させたものを吹き込むことによっ
てコーティング層を不溶融化させた。あとは、実施例1
の方法に従って最終的に3000℃で処理して黒鉛粉末
を得た。
たが、コークス粉末100重量部に対して用いたメソフ
ェーズピッチが5重量部とした。
擂潰機に投入して5時間磨砕処理した。
部と平均粒径10μmのメソフェーズピッチ粉末を熱不
溶融化後最終的に3000℃で処理した粉末20重量部
をブレンダーに投入して混合した。
00℃とせず1000℃に留めて得た。
であるような天然黒鉛粉末(平均粒径18μm)を基材
とし、この基材100重量部に対して軟化点260℃の
光学的等方性ピッチ15重量部を用いて擂潰機で5時間
メカノケミカル反応を行った。a/bが大きすぎうまく
コーティングできなかった。
ス粉末100重量部に対して、メソフェーズピッチ粉を
40重量部加えて調製した他は実施例1と同様の処理を
行った。
けを空気酸化した後Ar中で3000℃で処理し、黒鉛
粉末を得た。
で3000℃で処理し黒鉛粉末を得た。
次の様にしてテストセルを作って充放電特性を評価し
た。炭素粉末90重量部とポリフッ化ビニリデン10重
量部にN−メチル−2−ピロリドンを併せて三本ロ−ル
で練り、ペ−スト化し、これをコ−タ−を用いて銅箔上
に塗布し、乾燥させた後、銅箔より剥離させ3cm2の面
積になるように円形に打ち抜き、ニッケル網と共に加圧
成形して作った。
て1MLiClO4−EC/DEC(体積比1:1)を
用いて二極式試験セルを構成し、定電流で充放電サイク
ル試験を行った。測定範囲は0〜1.5V、電流密度
0.1mA/cm2、温度30℃である。結果を表1に示
した。
340mAh/g以上、放電容量が320mAh/g以
上で充放電の効率が94%以上と高く、サイクル特性も
良好なものが得られた。
によって、リチウムイオンを脱着する実質的な表面積が
増大させ、高容量でサイクル特性も良好な負極材用炭素
材料が得られる。
Claims (2)
- 【請求項1】 粒子の長径aと短径bの比a/bが1≦
a/b≦3で、平均粒子径が1〜30μm、BET法に
よる比表面積が3m2/g以下でX線回折法による面間
隔d(002)が3.37Å以下のリチウム二次電池負極材
に用いる黒鉛を被覆した黒鉛質粉末。 - 【請求項2】 粒子の長径aと短径bの比a/bが1
≦a/b≦3で、平均粒子径1〜30μmの炭素又は黒
鉛粉末100重量部と石炭系ピッチ又は石油系ピッチ1
0〜25重量部を加熱混合しピッチを炭素又は黒鉛粉末
表面にコ−トし、酸化性雰囲気中で軽度の熱処理により
炭素又は黒鉛粉末表面のピッチを不融化し、解砕(軽度
の粉砕)し、 炭化焼成、黒鉛化する請求項1の黒鉛を被覆した黒鉛質
粉末の製法。
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