JP3049165B2 - 粉末合金の表面層の処理法 - Google Patents
粉末合金の表面層の処理法Info
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Description
ト、セラミックなどの粉末合金で成る工具類や機械部品
などの製品の表面層の処理法に関し、より詳しくは、サ
ンドブラストないしはショットピーニング加工において
ショット自体によって粉末合金の表面層の温度を上昇さ
せて、粉末合金を構成する各種圧粉体のうちの結合剤の
圧粉体を軟化させ且つショットの衝撃力により各種圧粉
体の結合の強化を図る粉末合金の表面層の処理方法に関
する。
物及び酸化物などの圧粉体を、それぞれの圧粉体の溶融
点以下の温度で圧縮成形し、焼結して製品に仕上げた合
金であり、高温に至るまで硬さ、強さが高く、耐摩耗性
に優れ、切削工具、塑性加工工具などに成形されてい
る。粉末合金の代表的なものとしては、超硬合金、サー
メット、セラミックなどがあり、合金鋼や高速度鋼に比
べて温度による硬さの低下が少ないので高速切削性に優
れた性能を発揮する。
ングステン(WC)の粉末の圧粉体を主成分とし、これ
にコバルト(Co)の粉末の圧粉体を結合剤として添加
し、圧縮成形したのち高温で焼結したものである。ま
た、前記主成分のWCのほかに、目的に応じて炭化チタ
ン(TiC),炭化タンタル(TaC)などの圧粉体を
配合し、これをTi,Co,C,TiNなどの結合剤で
焼結したものもある。
タル(金属)を合わせた名称で、セラミックと超硬合金
の両方の特性を持った中間的なものであり、TiC−N
i−Mo2C系サーメットやAl2O3系サーメットなど
がある。TiC−Ni−Mo2C系サーメットは、高温
強度に優れる炭化チタン(TiC)の圧粉体に、Mo−
Niの合金の圧粉体を添加して焼結したものと、これに
靭性や耐熱性を与えるために窒化チタン(TiN)を加
えて焼結したものとがあり、前記Mo−Niの圧粉体の
Niが結合剤となる。このTiC−Ni−Mo2C系サ
ーメットは切削工具材として用いられており、WC系超
硬合金より靭性は劣るが、硬さ、耐摩耗性が大きく、高
速切削用に適する。
どの製品には、CVDコーティング(化学蒸着)やPV
Dコーティング(物理蒸着)により、数μの硬質膜を前
記製品の表面に形成してより一層耐摩耗性の向上を図っ
ている。例えば、CVDコーティング又はPVDコーテ
ィングにより、アルミナ(Al2O3)と耐熱性に優れた
高強度特殊セラミックを主体とした複合セラミックの硬
質膜を粉末合金の表面に形成し、より一層炭化物相の微
細化を図った超微粒子合金が開発されている。この超微
粒子合金は低速域での切削やインコネルなどの難削材切
削において、前記CVDコーティングやPVDコーティ
ングをしない粉末合金より良好な耐摩耗性を有する。ま
た、粉末合金への前述のコーティングの他の例として、
粉末合金の表面に窒化チタン(TiN)の数μの硬質膜
を形成し、耐摩耗性、耐欠損性をより一層向上させてい
る。
600゜Cの低温コーティングで、CVDコーティング
は800〜1000゜Cの高温コーティングである。
工具類や機械部品などの製品においては、粉末合金自体
が各種の圧粉体を圧縮成形し高温で焼結したものである
ので、各圧粉体間に微小な空間が生じてしまう。例え
ば、超硬合金は、Ti,Co,C,TiNなどの結合剤
が完全に溶けてWCと結合しているのではなく、WCと
結合剤の接触部分が高温で圧着された状態であり、WC
と結合剤のそれぞれの比重と混合比と超硬合金の密度か
ら計算すると粉末合金全体の体積の約2〜5%はWCと
結合剤の個々の粒子間の微小な空間で占めている。粉末
合金の他の代表的なものであるサーメットも前述した超
硬合金と同様に各圧粉体間に微小な空間が生じる。この
微小な空間が粉末合金で成る工具類(例えば、バイトや
フライスのチップ)の刃先のへたりやチッピングの原因
となり粉末合金で成る製品の耐久性の低下をもたらすと
いう問題点があった。
高温のCVDコーティングを行うとき、前記製品の表面
層に低硬度の結合剤が析出して、CVDコーティングの
効果を減少させるという問題点があった。
1000゜Cの高温のCVDコーティングを行なうと
き、結合剤であるCoの融点(1495゜C)よりかな
り低い温度700゜C程度以上で、超硬合金の表面層で
WCの硬度に比して低硬度のCoが析出するという現象
が発生する。
Coの熱膨張係数がWCの熱膨張係数に対して2.4倍
と大きいために、700゜C程度の温度におけるCoの
体積の膨張が、下記に示すように、WCの体積の膨張よ
り大きくなるので、超硬合金の表面層付近で膨張したC
oが逃げ場のある超硬合金の表面から外部へ出てしまう
ためであると考えられる。
20゜C(t0゜C)に対する700゜C(t1゜C)お
よび1000゜C(t2゜C)におけるWCとCoのそ
れぞれの体積の膨張率を以下に示す。ただし、αは熱膨
張係数で、Coの熱膨張係数αは12.3/106、W
Cの熱膨張係数αは5.1/106である。
れぞれの体積に対して、700゜CではWCの体積が1
%膨張するが、Coの体積は2.5%膨張する。
れぞれの体積に対して、1000゜CではWCの体積が
1.5%膨張するが、Coの体積は3.7%膨張する。
いて、結合剤のCoの体積の膨張はWCの体積の膨張よ
り大きいために、超硬合金の表面に800〜1000゜
Cの高温のCVDコーティングを施すとき、WCの硬度
に比して低硬度のCoが超硬合金の表面に析出するの
で、超硬合金の表面層の硬度を低下させ、CVDコーテ
ィングによる本来の耐摩耗性を向上させる効果を減少さ
せてしまうという問題点があった。
サーメットに800〜1000゜Cの高温のCVDコー
ティングを行なう場合も、前述した超硬合金の場合と同
様に、TiCに比して低硬度の結合剤のNiがサーメッ
トの表面に析出する。
00゜C、熱膨張係数αが7.6/106であるのに対
して、結合剤のNiは、融点が1455゜C、熱膨張係
数αが13.3/106であるので、前述した超硬合金
の場合と同様の理由で、Niの融点(1455゜C)よ
りかなり低いCVDコーティングの温度範囲においてサ
ーメットの表面層でNiが析出するという現象が発生
し、サーメットの表面層の硬度を低下させ、CVDコー
ティングによる本来の耐摩耗性を向上させる効果を減少
させてしまうという問題点があった。
発されたもので、粉末合金の表面付近の組織を変化させ
且つ各圧粉体間の組織を微細化させて各圧粉体間の密着
性を高め、粉末合金の耐摩耗性及び耐久性をより一層向
上させることを目的とする。また、粉末合金にCVD又
はPVDコーティングを施すものにおいては、粉末合金
の表面層での結合剤の析出現象を低下せしめて、CVD
又はPVDコーティングによる本来の効果を向上させる
ことを目的とする。
に、本発明の粉末合金の表面層の処理法においては、サ
ンドブラストないしはショットピーニングにおいてショ
ットを高速に噴射させると、被加工物たる製品の噴射面
に発熱が生じ、製品の噴射表面温度がショットの噴射速
度の増加に伴って上昇することに基づいて為されたもの
で、複数の各種圧粉体から成る粉末合金の製品の表面
に、各種圧粉体のうち最高硬度の圧粉体の硬度と同等以
上の硬度を有する40〜200μのショットを噴射速度
50m/sec以上で噴射し、前記粉末合金の表面付近の温
度を、各種圧粉体のうち結合剤となる圧粉体の再結晶温
度以上に上昇させ、後続するショットの加圧力で粉末合
金の表面付近の前記高硬度の圧粉体の配置状態を変化さ
せることを特徴とする。次いでこの粉末合金の表面にP
VDコーティング又はCVDコーティングを施すもので
ある。
して作用について以下に説明する。
層の温度が上昇して結晶剤の圧粉体たるCoの再結晶温
度に達すると、結合剤のCoが著しく軟化する。この軟
化したCoと共に混在する高硬度の圧粉体たるWCの個
々の粒子は、ショット粒径に比して相対的にはるかに小
さいので、ショットの衝撃力によりほとんど平滑な面で
加圧される状態になり、表面層のWCの個々の粒子の平
坦面が超硬合金の表面に揃えられると同時に、WCとC
oの個々の粒子間の空間が減少して密着性が向上すると
いう表面層の組織の変化が生じる。この理由で、WCの
個々の粒子は超硬合金の表面から剥離しにくくなる。
ピーニング加工した超硬合金の表面に、CVD又はPV
Dコーティングを行なっても、表面層のWCの個々の粒
子の表面が平滑化されWC同志の間の組織が密着してい
るために、膨張したCoは超硬合金の表面へ析出しな
い。
ついて図面を参照して説明し、サーメットなど他の粉末
合金については省略する。
「超硬チップ」という)の表面に、図5に示すような重
力式ブラスト加工装置30(以下、「重力式装置」とい
う)を用いてブラスト加工処理を行った。なお、ブラス
ト加工装置としては、直圧式ブラスト加工装置を用いて
もよい。
する出入口35を備えたキャビネット31内にショット
等の研磨材36を噴出するノズル32が設けられ、この
ノズル32には管44を連結し、この管44は図示せざ
る圧縮機に連通しており、この圧縮機から圧縮空気が供
給される。キャビネット31の下部にはホッパ38が設
けられ、ホッパ38の最下端は導管43を介してキャビ
ネット31の上方に設置された回収タンク33の上方側
面に連通し、回収タンク33の下端は管41を介して前
記ノズル32へ連通される。回収タンク33内の研磨材
は重力あるいは所定の圧力を受けて回収タンク33から
落下し、前記管44を介してノズル32へ供給された圧
縮空気と共にキャビネット31内へ噴射される。
被加工物Wたる超硬チップの母材の超硬合金のWCの圧
粉体の硬度より高い硬度HRC65を有し且つショット粒
径が44μの硬質ビーズで成るショットを投入する。な
お、本実施例ではショットはガラスとセラミックから成
る球状のセラミック入りビーズを使用しているが、超硬
合金の高硬度の圧粉体であるWC以上の硬度を有し且つ
球状のガラスビーズあるいはステンレスなどの他の材料
であっても良い。
らキャビネット31内へ投入し、前記ショットはノズル
32より噴射圧力6kg/cm2、噴射速度80m/sec、噴射
距離100mmで超硬チップの表面へ10〜20秒間噴射
される。特に前記超硬チップの先端のコーナ部には5〜
6秒間噴射される。
した粉塵は、キャビネット31の下部のホッパ38に落
下し、導管43内に生じている上昇気流によって上昇し
て回収タンク内に送られ、この回収タンク内研磨材36
が回収される。回収タンク33内の粉塵は回収タンク3
3内の気流によって回収タンク33の上端から管42を
介してダストコレクタ34へ導かれ、ダストコレクタ3
4の底部に集積され、清浄な空気がダストコレクタ34
の上部に設けられた排風機39から放出される。
下表のようになる。
表面付近の温度は上昇し、超硬合金の表面層の組織に変
化が生じ、より一層耐久性及び耐摩耗性に富む超硬チッ
プを得る結果に至ったのである。
工処理を施した後のフライス加工用の超硬チップの先端
のコーナ部を拡大した拡大図を示すものであり、図1に
示す従来の超硬チップすなわちブラスト加工処理前の超
硬チップの先端のコーナ部の拡大図と比較すると、本実
施例の超硬チップの先端のコーナ部の表面アラサは明ら
かに小さくなっており、従来の超硬チップに比して顕著
な差がみられる。なお、図1および図2において、各超
硬チップの先端付近の白い部分は顕微鏡写真を撮影する
とき超硬チップの表面が光で反射したために生じたもの
である。
部の縦断面の金属組織図である図3と、本実施例の超硬
チップの先端のコーナ部の縦断面の金属組織図である図
4とを比較すると、表面層の表面アラサおよび組織に大
きな違いが見られる。本実施例の超硬チップでは従来の
超硬チップに比較して表面アラサは顕著に小さいもので
あり、表面層付近の組織は各粒子が微細化されしかも粒
子の配列が均一な状態になっている。
プを用いて、耐熱性および耐摩耗性に富み極めて硬く難
削材の代表的な金属材料とされているインコネルを被切
削物としてフライス加工を行なったところ、以下に示す
良好な結果を得た。
00mm/minで、切削長さを500mm、1往復10分間で
切削するフライス加工工程を1パスとすると、従来の超
硬チップでは、1パスで使用不可能になったが、本実施
例の超硬チップでは、5パスまで使用可能であった。
超硬チップに比して5倍の寿命が得られ、超硬チップ自
体の耐久性が大幅に向上した。
硬チップに比して切削性が良好であった。その結果、本
実施例の超硬チップにより切削加工した被切削物の加工
表面の表面アラサ及び寸法のバラツキは、従来の超硬チ
ップによる切削加工物に比して小さく、良好な品質の被
切削物を得られる。
た超硬バイトおよび従来の超硬チップを備えた超硬バイ
トをそれぞれ用いて、S45Cの材料でなる直径75〜
120の被切削物を旋盤により750rpm.で回転さ
せ、被切削物の外周より2mmの切削深さで同一の加工条
件で旋盤加工を行ったところ、以下に示すような顕著な
差がみられた。なお、この例は本実施例と従来の超硬チ
ップの切削性の差をみるために行った実験例である。被
切削物を30分間連続切削した後、被切削物の寸法を測
定すると、被切削物の寸法のバラツキは、従来の超硬バ
イトでは、15μであったが、本実施例の超硬バイトで
は、5μであった。
削物の寸法を測定すると、被切削物の寸法のバラツキ
は、従来の超硬バイトでは、38μであったが、本実施
例の超硬バイトでは、22μであった。
は、耐摩耗性、構成刃先の抑制効果、耐チッピング性な
どが向上し、超硬チップ自体の品質が全体的に向上した
ことにより、結果として本実施例の超硬チップによって
切削加工した被切削物の品質が向上するという優れた効
果が得られたものと考えられる。
好な結果が得られた理由を以下に説明する。先ず、金属
性物体でなる被加工物Wの表面に前記ショットを噴射し
たときの温度上昇について説明すると、ショットの衝突
前と衝突後の速度の変化は、被加工物W及びショットの
硬度により異なるが、衝突後の速度は低下する。この速
度の変化はエネルギー不変の法則により、音以外にその
大部分は熱エネルギーに変換される。熱エネルギーは衝
突時に衝突部が変形することによる内部摩擦と考えられ
るが、ショットの衝突した変形部分のみで熱交換が行な
われるので部分的には高温になる。
昇する部分の重量は、ショットの衝突前の速度に比例し
て大きくなるが、被加工物Wの全体重量に対する比率は
小さいものであるので、温度上昇は被加工物Wの表面付
近に局部的に生ずる。
が共に高い場合の衝突においては反発係数eは1に近い
が、この場合は変形部分が小さいため局部的にはより高
温になる。
に比例するので、ショットの噴射速度を高速にする必要
があり、ショット径を40μ〜200μと小さい方が5
0m/sec以上の高速で噴射でき、しかも被加工物Wの表
面の温度上昇を均一にできる。
ように焼入れ効果のある金属物体であれば、ショットの
衝撃力による温度上昇により、炭素工具鋼の母材の表面
層を局部的に焼入れて表面硬度を増加することができる
が、粉末合金などの高硬度でしかも焼入れ効果のない金
属物体に対しては必ずしも処理効果を期待できなかっ
た。しかし、本願発明者は、粉末合金の金属物体に対し
てブラスト加工を施す実験を重ね、前述したような良好
な結果を得たのである。
を行うと、ショットの衝撃力によって超硬合金の表面層
の温度が上昇して結合剤のCoが著しく軟化する温度す
なわちCoの再結晶温度以上の700℃に達し、このC
oが軟化した状態になって始めてショットの衝撃力はさ
らに表面層のWCとCoのそれぞれの圧粉体の配置状態
を変化させることになり、超硬合金の表面層の温度上昇
以外の他の効果を発揮する。
〜2μ以下であり、ショット粒径44μに比して相対的
にはるかに小さいので、軟化したCoと共に混在するW
Cはほとんど平滑な面で加圧される状態と同様になる。
すなわち、WCに対して1万倍以上の体積のショットが
WCに高速で衝突するので、個々のWCの粒子に対する
単位面積当たりの衝撃力は非常に大きくなり、そのため
に超硬合金の表面層の温度が上昇してCoの再結晶温度
に達しCoが軟化した状態では、前記ショットの衝撃力
により表面層のWCの個々の粒子の向きが変化して各W
Cの粒子の平坦面が超硬合金の表面に揃えられる。と同
時に、WCの個々の粒子は相対的に大きな体積のショッ
トにより大きな衝撃力(単位面積当たりの)を受け、結
合剤が微細化することになるので、各圧粉体間の微小な
空間が減少し、WCとCoの個々の粒子間の組織が密着
する。
したようにWCの粒子の表面が平滑化され、各圧粉体W
CとCoの個々の粒子間の組織が密着して、WCの個々
の粒子は超硬合金の表面から剥離しにくくなるので、切
削加工中に脱落するWCが減少し、超硬合チップの耐久
性が増大することになったものと考えられる。
参照して従来と本実施例の超硬チップの表面層の組織の
状態を比較すると、結合剤が微細化して各圧粉体の粒子
間の組織が密着していることが認められる。
金に、800〜1000゜Cの高温のCVDコーティン
グを行なったところ、超硬合金の表面層にCoの析出現
象はほとんど認められなかった。そのため、従来の超硬
合金にCVDコーティングを施したものとは異なり、本
実施例の超硬チップはCVDコーティングの本来の効果
すなわちCVDコーティングにより粉末合金の耐摩耗性
を向上させるという効果を減少させることがないという
良好な結果を得た。
ップに、TiCとTiNをそれぞれ3μの厚みのCVD
コーティングを施した後、これらの超硬チップをそれぞ
れ用いて自動車部品のクランクシャフトを切削加工した
ところ、従来の超硬チップでは、60個のクランクシャ
フトを生産可能であったが、本実施例の超硬チップで
は、120個のクランクシャフトを生産可能であった。
アラサおよび寸法精度においても、本実施例の超硬チッ
プでは従来の超硬チップより良好な品質の被切削物を得
られた。
た本実施例の超硬チップに良好な結果が得られた理由
は、前述したように、ショットの衝撃力により超硬チッ
プの表面層の温度が結合剤Coの再結晶温度に達する
と、表面層のWCの個々の粒子の表面が平滑化されWC
同志の間の組織が密着すると共にCoが微細化するの
で、この超硬チップの表面にCVDコーティングを施し
て表面層のWC間に介在するCoが膨張しても、超硬合
金の表面へのCoの析出を抑制する効果が得られたため
であると考えられる。
などの製品に上記条件でショットピーニングした場合
も、前述の超硬合金と同様の理由で同様の効果が認めら
れる。
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。
化するよう変化させ且つ各圧粉体間の微小な空間を減少
させて各圧粉体間の組織の密着性を高めることができ、
粉末合金の耐摩耗性及び耐久性をより一層向上させるこ
とができた。
圧粉体の表面を精密に平滑化して高硬度の圧粉体の平坦
面を粉末合金の表面に揃えることにより、切削加工中に
おける前記高硬度の圧粉体の脱落の可能性を減少せし
め、粉末合金の耐摩耗性及び耐久性をより一層向上させ
ることができた。
ブラスト加工処理を施した粉末合金の切削工具において
は、耐摩耗性、構成刃先の抑制効果、耐チッピング性な
どの機械的特性が全体的に向上するので、前記切削工具
によって切削加工した被切削物の寸法精度や表面アラサ
などの品質特性を向上することを可能にした。
金の表面層の高硬度の圧粉体同志間の組織を密着させた
ので、粉末合金の表面に高温のCVDコーティングを施
しても、高硬度の圧粉体間に介在する結合剤の粉末合金
の表面への析出現象を低下せしめることができ、CVD
コーティングの効果を損なうことなく粉末合金の耐摩耗
性及び耐久性をより一層向上させることができた。
端のコーナ部の表面の顕微鏡写真(×105)を基にし
た拡大図である。
端のコーナ部の表面の顕微鏡写真(×105)を基にし
た拡大図である。
端のコーナ部の表面付近の縦断面の金属組織の顕微鏡写
真(×1400)を基にした組織図である。
端のコーナ部の表面付近の縦断面の金属組織の顕微鏡写
真(×1400)を基にした組織図である。
装置の全体図を示すものである。
Claims (6)
- 【請求項1】 複数の各種圧粉体から成る粉末合金の製
品の表面に、各種圧粉体のうち最高硬度の圧粉体の硬度
と同等以上の硬度を有する40〜200μのショットを
噴射速度50m/sec以上で噴射し、前記粉末合金の表面
付近の温度を、各種圧粉体のうち結合剤となる圧粉体の
再結晶温度以上に上昇させることを特徴とする粉末合金
の表面層の処理法。 - 【請求項2】 高硬度の圧粉体と結合剤の圧粉体とから
成る粉末合金の製品の表面に、前記高硬度の圧粉体の硬
度以上の硬度を有する40〜200μのショットを噴射
速度50m/sec以上で噴射し、前記粉末合金の表面付近
の温度を前記結合剤の圧粉体の再結晶温度以上に上昇さ
せ、後続するショットの加圧力で粉末合金の表面付近の
前記高硬度の圧粉体の配置状態を変化させることを特徴
とする粉末合金の表面層の処理法。 - 【請求項3】 前記噴射速度が好ましくは80m/sec以
上で、前記ショットが、ショット粒径44μ、ショット
硬度HRC65である請求項1又は2記載の粉末合金の表
面層の処理法。 - 【請求項4】 前記粉末合金が、超硬合金又はサーメッ
トである請求項1、2又は3記載の粉末合金の表面層の
処理法。 - 【請求項5】 複数の各種圧粉体から成る粉末合金の製
品の表面に、各種圧粉体のうち最高硬度の圧粉体の硬度
と同等以上の硬度を有する40〜200μのショットを
噴射速度50m/sec以上で噴射し、前記粉末合金の表面
付近の温度を、各種圧粉体のうち結合剤となる圧粉体の
再結晶温度以上に上昇させ、次いでこの粉末合金の表面
にPVDコーティング又はCVDコーティングを施すこ
とを特徴とする粉末合金の表面層の処理法。 - 【請求項6】 高硬度の圧粉体と結合剤の圧粉体とから
成る粉末合金の製品の表面に、前記高硬度の圧粉体の硬
度以上の硬度を有する40〜200μのショットを噴射
速度50m/sec以上で噴射し、前記粉末合金の表面付近
の温度を前記結合剤の圧粉体の再結晶温度以上に上昇さ
せ、後続するショットの加圧力で粉末合金の表面付近の
前記高硬度の圧粉体の配置状態を変化させ、次いでこの
粉末合金の表面にPVDコーティング又はCVDコーテ
ィングを施すことを特徴とする粉末合金の表面層の処理
法。
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JP5025619A Expired - Lifetime JP3049165B2 (ja) | 1993-02-15 | 1993-02-15 | 粉末合金の表面層の処理法 |
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