JP3040378B2 - 含フッ素ランダム共重合体の製造方法 - Google Patents
含フッ素ランダム共重合体の製造方法Info
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Description
ダム共重合体の製造方法に関する。
薬品性、耐熱性、溶融成形性及び電気的特性の優れた含
フッ素樹脂としてテトラフルオロエチレン(以下、単に
TFEと省略する。)とパーフルオロプロピルビニルエ
ーテル(以下、単にPPVEと省略する。)の共重合体
(以下、PFAと省略する。)が製造されており、その
数々の優れた特性から広い産業分野で利用されている。
題点を持っている。まずコモノマーであるPPVEは、
現在ヘキサフルオロプロペンオキシドの二量体をアルカ
リ金属塩と反応させた後、熱分解して製造されている
が、製造工程が多く又収率が低い工程もあるため、PP
VEの全収率が低いものとなっている。さらにPPVE
はTFEとの重合性が悪いため、PPVEの利用率、即
ち、重合時に仕込んだPPVE量の割合が極めて低い。
例えば、特公昭48−2223号公報によればPPVE
の利用率はわずかに数〜30%に過ぎない。このため高
価なPPVEを回収する方法や工程が必要になる。さら
にこの工程でのPPVEの損失もあり、該共重合体を高
価なものとしている。
は、CF2=CF−OR(但し、Rはアルキルラジカル
又はフッ素化アルキルラジカル)で示されるモノマーの
単独重合体及びTFEとの共重合体が示されている。し
かしながら、この英国特許に記載されている上記CF2
=CF−ORとTFEとの共重合方法は、水を媒体とす
る乳化重合方法である。発明者らが確認したところによ
ると、CF2=CF−ORとTFEとの共重合を乳化重
合で行なった場合、得られた共重合体は、CF2=CF
−ORに基づく単量体単位が約6モル%導入されている
にもかかわらず、TFEの単独重合体と同じ融点(32
7℃)を示し、しかもこの共重合体から得られたシート
の引張強度は200kg/cm2という低いものであっ
た。
率が高く、耐薬品性、機械的強度、耐熱性等の特徴を有
した新規含フッ素共重合体の製造方法を提供することに
ある。
題点に鑑み、含フッ素オレフィン、とくにTFEと広い
組成において共重合性が良好で、且つ、利用率の高いよ
うな含フッ素ビニルエーテル化合物を探索するため多く
の化合物を合成し、共重合実験を繰返した結果、特定構
造の含フッ素ビニルエーテルがTFEと共重合性が良
く、短時間に且つ一回の重合でほとんどの含フッ素ビニ
ルエーテルが共重合することを見出した。そして溶液重
合により得られた共重合体が耐薬品性、機械的強度及び
耐熱性に優れ、また、溶融成形性にも優れたものである
ことを見出し、本発明を完成させるに至った。
と一般式 CF2=CFOCH2(CF2)nX [但し、Xは水素原子又はハロゲン原子であり、nは1
以上の整数である。]で示される含フッ素ビニルエーテ
ルとを有機溶媒に溶解して含フッ素ラジカル重合開始剤
の存在下に、該モノマー組成比をほぼ一定にコントロー
ルし、且つ得られる共重合体が(A)一般式[I]
%、及び(B)一般式[II]
あり、nは1以上の整数である。]で示される単量体単
位10〜0.5モル%よりなり、350℃で測定した溶
融粘度が102〜107ポアズであり、融点が290〜3
25℃であるように重合することを特徴とする含フッ素
ランダム共重合体の製造方法である。
中、Xは水素原子又はハロゲン原子であれば良く、フッ
素、塩素、臭素及びヨウ素の各ハロゲン原子が採用され
る。また、nは1以上の整数であれば良いが、本発明の
含フッ素ランダム共重合体の製造のしやすさ、即ち、重
合の容易さ等の理由から、nは1〜12、さらに1〜8
の範囲であることが好ましい。
単量体単位の組成は、前記一般式[I]で示される単量
体単位が90〜99.5モル%であり、前記一般式[I
I]で示される単量体単位が0.5〜10モル%であ
る。前記一般式[II]で示される単量体単位が0.5モ
ル未満のときは、溶融成形性が悪くなる。他方、一般式
[II]で示される単量体単位が10モル%を超えると次
第に機械的強度が低下し、40モル%を超えるときは、
固体の共重合体は得られずオイル状となる。
重合体は、前記した一般式[I]及び[II]で示される
各単量単位がランダムに配列している。
重合体は、各種溶媒に不溶であるために通常の手段では
分子量を求めることができない。しかし、本発明により
得られる含フッ素ランダム共重合体の溶融粘度は、前記
一般式[II]で示される単量体単位の含量及び分子量に
左右されるため、溶融粘度によって分子量を推定するこ
とができる。
重合体の溶融粘度は、前記一般式[I]及び[II]で示
される各単量体単位の組成によって異なる。例えば、前
記一般式[II]で示される単量体単位が0.5モル%以
上10モル%以下の範囲のときには、350℃で測定し
た溶融粘度が102〜107ポアズの範囲となり、融点が
290〜325℃、好ましくは290〜320℃の範囲
にある。乳化重合により得られた共重合体の融点は32
7℃であるから、本発明により得られる含フッ素ランダ
ム共重合体は乳化重合により得られた共重合体と明確に
区別される。また、上記組成の本発明により得られる含
フッ素ランダム共重合体は、熱分解温度が370〜41
0℃の範囲である。
重合体は、赤外線吸収スペクトル(以下、IRとよ
ぶ。)において2990cm-1付近に−CH2−基、9
00cm-1付近に−CH2OCF2−基、及び1200c
m-1付近に−CF2−基に基づく吸収帯を有しており、
これ等の吸収帯を確認、定量することにより、本発明に
より 得られる含フッ素ランダム共重合体であること及び
前記一般式[II]で示される含フッ素ビニルエーテルに
基づく単量体単位の含量を求めることができる。
ダム共重合体のフィルム(厚み50μm)のIRを示し
た。
分析法(以下、Py−GC/MSとよぶ)から側鎖の分
解により生成したフラグメントから側鎖の構造を確認す
ることができる。例えば、実施例1で得られた含フッ素
ランダム共重合体に関しては、Py−GC/MSからペ
ンタフルオロプロピル基に起因するフラグメントを検出
することができる。
適に採用される。
[III] CF2=CFOCH2(CF2)nX [III] [但し、Xは水素原子又はハロゲン原子であり、nは1
以上の整数である。]で示される含フッ素ビニルエーテ
ルとを有機溶媒に溶解してラジカル重合開始剤の存在下
に共重合する方法である。
示される含フッ素ビニルエーテルを具体的に例示すると
次のとおりである。
CH2CF2CF3, CF2=CFOCH2CF2CF2H, CF2=CFOCH2(CF2)2CF3, CF2=CFOCH2(CF2)3CF3, CF2=CFOCH2(CF2)4CF3, CF2=CFOCH2(CF2)5CF3, CF2=CFOCH2(CF2)6CF3, CF2=CFOCH2(CF2)7CF3, CF2=CFOCH2CF2Cl,CF2=CFOCH2C
F2Br, CF2=CFOCH2CF2CF2Br,CF2=CFOC
H2CF2CF2Cl, CF2=CFOCH2(CF2)2CF2Br, CF2=CFOCH2(CF2)2CF2Cl, CF2=CFOCH2(CF2)3CF2Br, CF2=CFOCH2(CF2)3CF2Cl 等である。
FEとの共重合が行われる。共重合の方法としては、上
記した2種のモノマーを有機溶媒に溶解して行なう溶液
重合が採用される。
定にコントロールすることによって、得られる共重合体
中の各モノマーユニットの組成をモノマー組成とほぼ同
じにすることができる。重合中のモノマー組成をほぼ一
定にする方法としては、重合中にモノマーの供給を行な
わず、重合前に仕込んだモノマー組成で重合を行なう方
法、或いは、重合前に仕込んだモノマー組成と同じ組成
のモノマーを重合中に供給する方法が採用される。
ノマーを溶解した溶液に該溶液中の有機溶媒の0.3〜
10倍重量、好ましくは1〜5倍重量の水を共存させて
重合を行なうこともできる。勿論、TFEは通常気体で
あるから、重合時、重合反応器の気相部に加圧、供給す
るのが好ましい。
されないが、一般にはクロロフルオロカーボン、パーフ
ルオロ化合物が好適に用いられる。
ジクロロテトラフルオロエタン、トリクロロフルオロメ
タン、ジクロロジフルオロメタン、パーフルオロシクロ
ヘキサン、パーフルオロシクロブタン、パーフルオロト
リブチルアミン、パーフルオロトリアミルアミン、パー
フルオロポリエーテル類等のフッ素系溶媒が好ましい。
重合方法を具体的に例示すると、撹拌機及び温度計を備
えた圧力容器に脱酸素した有機溶媒、及び含フッ素ビニ
ルエーテルを加える。これ等の添加の割合は重合の進行
に伴ない粘度が上昇して撹拌が困難となったり又撹拌が
不充分なため重合熱が除去できず重合の維持が難しくな
らないような範囲で選択される。通常は、有機溶媒10
0重量部に対して含フッ素ビニルエーテルを0.1〜3
0重量部、好ましくは1〜10重量部の範囲から選択す
ることが好ましい。さらに重合熱の除去、撹拌を容易に
するため水を共存させることもできる。
えば、反応容器内容物を冷却固化後、脱気する操作を繰
返す。その後、反応容器気相部にTFEを加える。重合
開始剤としてラジカル発生剤を有機溶媒に溶解して加
え、次にTFEを所定の圧力に昇圧し、温度を重合温度
に保ちつつ重合を行う。
によって重合時間は変化するが、数十分〜十数時間もあ
れば充分共重合体は生成する。
ッ素ラジカル重合開始剤であり、例えば、ジアルキルパ
ーオキサイド系、ジアシルパーオキサイド系、パーオキ
シジカーボネート系及びアゾ系のものがある。一般に得
られる共重合体の耐熱性等を考慮すると、パーフルオロ
系のラジカル発生剤が好ましい。例えば、下記式で示さ
れる含フッ素系のジアシルパーオキサイドが好適に用い
られる。
り、yは1〜5の整数である。]
qは0〜3の整数である。]本発明に於いて好適に使用
し得るラジカル発生剤を例示すると次のとおりである。
溶媒、重合条件、特に重合温度によって一概には決定で
きないが、通常重合に用いる含フッ素ビニルエーテルに
対し、0.5〜20モル%、好ましくは1〜10モル%
に相当するラジカル発生剤を仕込み時又は間歇的に添加
すればよい。又条件によっては重合が進み難い場合があ
るが、このような場合は重合の途中に再度ラジカル発生
剤を追加することは有効な手段である。
g/cm2Gの範囲であれば充分に重合反応は進行する
が、好ましい圧力は1kg/cm2G〜10kg/cm2
Gである。TFEの圧力が低い場合には一般的にTFE
の含量が低い共重合体が得られるし、逆に圧力が高いと
TFEの含量が高くなり、共重合体の生成速度も大とな
る。勿論、圧力の下限値、上限値を超えても重合は進行
するが、あまり高圧の場合装置的にかなり高価となる欠
点が生じてくる。重合時の温度は用いるラジカル発生剤
の分解速度を一つの目安として決められるが、通常0℃
〜100℃程度、好ましくは5℃〜80℃程度である。
特に低温においても分解速度が大きい含フッ素系又はパ
ーフルオロ系のジアシルパーオキサイドにおいては、5
℃〜60℃位が好ましい。
共重合を行なうことにより、得られる含フッ素ランダム
共重合体の引張強度が向上し、又溶融粘度が低下する。
この傾向は、前記一般式[II]で示される単量体単位が
0.5モル%以上10モル%以下の範囲である場合に著
しい。本発明において用いる連鎖移動剤は、例えばメタ
ノール、エタノール等のアルコール類;ジメチルエーテ
ル、メチルエチルエーテル、ジエチルエーテル等のエー
テル類;メタン、エタン、プロパン、ブタン等のアルカ
ン類が用いられるが、これ等のうち重合溶媒への溶解
性、生成した共重合体の安全性等の理由からアルコール
類及びアルカン類が好ましい。連鎖移動剤が気体であれ
ば重合の溶媒への必要な溶解量を維持できる圧力で圧入
すればよい。又、液体であれば必要量を予じめ又間歇的
に加えればよい。連鎖移動剤の使用量は種類、重合条件
によって若干の範囲で変動するが、通常、加えた全モノ
マーの量に対し0.05〜10モル%、好ましくは0.
1〜5モル%が好ましい。連鎖移動剤の使用量がこの範
囲より少ないと引張強度の向上効果が得られず又は得ら
れたとしても溶融粘度低下が少ない。逆に多すぎた場合
には引張強度が却って低下する。
ンと一般式 CF2=CFOCH2(CF2)nX [但し、Xは水素原子又はハロゲン原子であり、nは1
以上の整数である。]で示される含フッ素ビニルエーテ
ルとを有機溶媒に溶解して含フッ素ラジカル重合開始剤
及び全モノマーの量に対し0.1〜5モル%の連鎖移動
剤の存在下に共重合し、一般式[II]で示される単量体
単位が0.5モル%以上10モル%以下の範囲とするこ
とを特徴とする含フッ素ランダム共重合体の製造方法を
も包含する。
質するためにTFEにヘキサフルオロプロピレン、クロ
ロトリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン等のフルオ
ロオレフィンを加えても良い。これらは一般にTFEに
対して5モル%以下用いるのが好ましい。
溶媒(及び水)を分離して回収される。この場合、水は
ロ過で簡単に共重合体から分離できるが、有機溶媒は共
重合体を高濃度に分散しておりロ過で回収できない場合
がある。このような時は遠心分離器を用いるとか、又は
減圧下に共重合体を溶媒から分離させることによって共
重合体を回収することができる。
は、TFEとよく共重合し、TFEの重合時の圧力が1
kg/cm2以上もあれば短時間に殆ど共重合し、転化
率を100%とすることもでき、このような場合、重合
に使用した有機溶媒中には含フッ素ビニルエーテルは殆
ど検出されない。従って、含フッ素ビニルエーテルの回
収工程は不要となる。従来のPPVEはTFEと共重合
を行った場合、共重合性が悪く、回収工程が必要である
ことは既に述べたが、これに較べたとき、このことは上
記の製造方法の大きな利点の一つである。
共重合体は0.5〜10モル%の一般式[II]で示され
る含フッ素ビニルエーテルに基づく単量体単位を含む。
該共重合体は分子内に水素原子を含んでいるため耐薬品
性が劣る懸念があったが実際には耐薬品性が意外にも極
めて良好で、PPVEとTFEの共重合体で市販されて
いるPFA及びその他のパーフルオロ樹脂に匹敵する。
このため耐薬品性を必要とする産業分野でフィルム、チ
ューブ、パッキン材、ライニング材、その他の成形品と
して使用することができる。又電気的特性も優れ、電
気、エレクトロニクス分野でもコネクター、基板材料、
絶縁材料その他に使用することができる。
ーテルに基づく単量体単位を0.5〜10モル%含む共
重合体は、従来のPPVEとTFEとの共重合体である
PFAより引張強度等の機械的性質において優れた成形
材料であり、成形品として広い分野で用いることができ
る。
ィルム、チューブ状等の成形品は、熱収縮性を有してお
り、熱収縮性チューブ、フィルムとして用いることもで
きる。さらに架橋を導入することにより高度にフッ素化
されたフッ素ゴムとして有用である。
共重合体をフッ素化剤、例えばF2でフッ素化すること
により従来の炭化水素重合体のフッ素化で認められる主
鎖の切断をおこすことなく、高収率でフッ素化すること
ができる。従って、本発明により得られる共重合体は、
パーフルオロ共重合体の原料としても有用である。
ため市販されているPFA粉末及びペレットを350℃
の温度下で加圧し、1〜2mm厚みのシートを作成し、
上記試験法に必要な試験片を作成した。
A:理学電機(株)製)を用いて昇温速度を5℃/mi
n、窒素気流下で測定した。
を用い50kg/cm2の荷重をかけて測定した。
め蒸留により精製した1,1,2−トリクロル−1,
2,2−トリフルオロエタン1l、CF2=CFOCH2
CF2CF3を10g、重合開始剤として(CF3CF2・
CO2)2を1g含む1,1,2−トリクロル−1,2,
2−トリフルオロエタンを10ccを添加した。オート
クレーブを液体酸素で冷却し、内容物を固化した後、真
空ポンプで脱気した。さらに窒素を3kg/cm2の圧
力まで導入し、圧力を維持しつつ内容物が溶解するまで
昇温(約−5℃)した。この操作を3回繰返し、オート
クレーブ内の酸素を除去した。再度、液体酸素で冷却固
化して真空ポンプで脱気した後、昇温し、約15℃に到
達した時にTFEを3kg/cm2Gの圧力で導入し、
TFEを飽和溶解させた後、TFEの導入バルブを閉じ
た。オートクレーブの温度を20℃まであげ、重合を開
始した。5時間重合を続けたところオートクレーブの圧
力はほぼトリクロルトリフルオロエタンの蒸気圧程度ま
で低下したので重合を停止した。その後、オートクレー
ブに溶媒及び未重合のCF2=CFOCH2CF2CF3を
冷却捕集するトラップを介して真空ポンプにつなぎ、オ
ートクレーブ内を撹拌しつつ減圧し、用いた溶媒及び未
重合の含フッ素ビニルエーテルをトラップ内に回収し
た。溶媒を完全に除去した後、オートクレーブを開けて
みたところ白色粉状の共重合体が生成していた。得られ
た共重合体を150℃で10時間減圧乾燥を行ったとこ
ろ、約150gの共重合体が得られた。
分析を行ったところ未重合のCF2=CFOCH2CF2
CF3は検出されず、仕込んだCF2=CFOCH2CF2
CF3がほぼ100%の転化率で重合していることが判
った。TFEの転化率を圧力変化から計算したところ約
97%であった。熱分解ガスクロマトグラフィー質量分
析法(以下Py−GC/MSと略する)により400℃
での分解生成物を分析した結果、フラグメントとしてC
F3CF2CH及びCF3CF2CH3が検出されたことか
ら側鎖の構造は−OCH2CF2CF3であることが確認
できた。この結果とIRの測定結果より3.1モル%の
れており、仕込み時の組成3.0モル%に一致している
ことが判った。
ッ素共重合体を合成した。第1表に実施例1と変えた条
件、モノマーの転化率及び得られた共重合体の分析値
を、実施例1の値と共に示した。
F2)2CF34.1g,及び溶媒として、1,1,2−
トリクロル−1,2,2−トリフルオロエタン150m
lを加え実施例1と同じ脱酸素の操作を行った。その後
TFEを6kg/cm2Gの圧力で導入し、TFEが飽
和溶解した後TFEの供給バルブを閉じた。オートクレ
ーブの温度を20℃とした後、重合開始剤として(CF
3CF2CF2CO2)20.15gを含むトリクロルトリ
フルオロエタン溶液を5ml圧入した。
ーブ内の圧力がほぼ溶媒の蒸気圧程度まで低下した。実
施例1の操作に従い溶媒を減圧下に留去したところ、白
色の粉状の共重合体が得られた。
析したところCF2=CFOCH2(CF2)2・CF3は
殆んど検出されず、ほぼ100%の転化率であった。又
TFEも圧力変化からほぼ100%の転化率であること
が判った。
時間減圧乾燥したものをPy−GC/MS及びIRで分
析したところ、1.4モル%の
込時のモノマー組成1.45モル%に一致した。
2CF2Cl1.6g、溶媒として1,1,2−トリクロ
ル−1,2,2−トリフルオロエタン150ml、重合
開始剤として(CF3CF2・CO2)20.5gを加え、
実施例1で用いた操作で脱酸素を行い、TFEを3.0
kg/cm2Gで導入し、飽和溶解させた後、TFEの
供給を停止し20℃で5時間重合を行った。
C/MSおよびIRの分析より2.7モル%の
判った。これは仕込み時の単量体組成にほぼ一致した。
TFE・含フッ素ビニルエーテル共ほぼ98%であっ
た。
例1と同様にして重合を行った。4時間重合を行ったと
ころ殆んど重合は完了した。実施例1と同様含フッ素ア
ルキルビニルエーテル及びTFEの転化率を求めたとこ
ろ、いづれもほぼ98%であった。得られた共重合体を
減圧乾燥したところ約145gであった。
3.0モル%の
成と一致した。
分解温度、300℃で測定した溶融粘度、融点を測定
し、その結果を第2表に示した。また、各含フッ素ラン
ダム共重合体の降伏強度、引張強度及び伸びを測定し、
その結果も第2表に示した。
耐薬品性のテストを行った。その結果を第3表に示し
た。
ーテル及び連鎖移動剤を変えて共重合を行った。得られ
た共重合体の引張強度、融点、溶融粘度及び熱分解温度
を第4表に示した。尚、共重合体中の含フッ素ビニルエ
ーテル単位の含量は、いずれの場合も約3モル%であっ
た。
転化率を85%とした以外は、実施例1の装置方法等を
用いて共重合体を合成し、得られた共重合体の引張強
度、溶融粘度及び融点を測定した。尚、共重合体中の含
フッ素ビニルエーテル単位の含量はいずれも約3モル%
であった。
てエタンを用いた共重合を行い、得られた共重合体の引
張強度及び溶融粘度を測定した。得られた結果を第7表
に示した。共重合体中の含フッ素ビニルエーテル単位の
含量はいずれも約3モル%であった。
と2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルトリフ
ルオロビニルエーテルの共重合を行った。フロン113
を溶媒とし、重合開始剤として(C2F5・COO)2を
用いた。重合開始剤濃度0.3〜1モル%(全モノマー
に対し)、テトラフルオロエチレンの圧力1〜3kg/
cm2G、重合温度20℃、モノマーの転化率5〜20
モル%で重合実験を行った。ファインマン−ロス(Fi
neman−Ross)法に従い共重合組成曲線を求め
た。得られた結果を第1図に示した。又、比較のために
パーフルオロプロピルビニルエーテルとテトラフルオロ
エチレンの共重合組成曲線を「ズルナール・プリクラド
・ヒーミヤ,1984,57(5),1126−8」に
記載の共重合性比を用いて計算した。その結果を第2図
に示した。
行なった水150ml、CF2=CFOCH2CF2CF3
4.2g、乳化剤としてパーフルオロオクタン酸アンモ
ニウム0.1g、重合開始剤として(NH4)2S2O
80.2gを加えた。系内を脱酸素を行った後、テトラ
フルオロエチレンを6kg/cm2圧入した。オートク
レーブの温度を60℃とし、テトラフルオロエチレンの
圧を6kg/cm2に保ち8時間重合を行った。重合
後、ロ過乾燥したところ29gの白色粉末が得られた。
熱プレスによりフィルムをつくり赤外線吸収スペクトル
を測定したところ、約6モル%の CF2=CFOCH2
CF2CF3 が含まれていた。得られた共重合体中の融
点は327℃であり、引張強度は200kg/cm2で
あった。又、溶融粘度は7×106ポアズであり、ガラ
ス転位温度は130℃であった。
トリフルオロビニルエーテルとテトラフルオロエチレン
の共重合における共重合組成曲線
フルオロエチレンの共重合組成曲線
の赤外吸収スペクトル
Claims (2)
- 【請求項1】テトラフルオロエチレンと、一般式 CF2=CFOCH2(CF2)nX [但し、Xは水素原子又はハロゲン原子であり、nは1
以上の整数である。]で示される含フッ素ビニルエーテ
ルとを有機溶媒に溶解して含フッ素ラジカル重合開始剤
の存在下に、該モノマー組成比をほぼ一定にコントロー
ルし、且つ得られる共重合体が (A)一般式[I] 【化1】 [I] で示される単量体単位90〜99.5モル%、及び (B)一般式[II] 【化2】 [II] [但し、Xは水素原子又はハロゲン原子であり、nは1
以上の整数である。]で示される単量体単位10〜0.
5モル%よりなり、350℃で測定した溶融粘度が10
2〜107ポアズであり、融点が290〜325℃である
ように重合することを特徴とする含フッ素ランダム共重
合体の製造方法。 - 【請求項2】テトラフルオロエチレンと一般式 CF2=CFOCH2(CF2)nX [但し、Xは水素原子又はハロゲン原子であり、nは1
以上の整数である。]で示される含フッ素ビニルエーテ
ルとを有機溶媒に溶解して含フッ素ラジカル重合開始剤
及び全モノマーの量に対し0.1〜5モル%の連鎖移動
剤の存在下に共重合することを特徴とする請求項1記載
の含フッ素ランダム共重合体の製造方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63-333801 | 1988-12-29 | ||
JP33380188 | 1988-12-29 |
Related Parent Applications (1)
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