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JP2931321B2 - カテーテル組立体 - Google Patents

カテーテル組立体

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JP2931321B2
JP2931321B2 JP1104783A JP10478389A JP2931321B2 JP 2931321 B2 JP2931321 B2 JP 2931321B2 JP 1104783 A JP1104783 A JP 1104783A JP 10478389 A JP10478389 A JP 10478389A JP 2931321 B2 JP2931321 B2 JP 2931321B2
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MENRO KEA Inc
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    • A61M25/00Catheters; Hollow probes
    • A61M25/01Introducing, guiding, advancing, emplacing or holding catheters
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    • A61M5/158Needles for infusions; Accessories therefor, e.g. for inserting infusion needles, or for holding them on the body
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Description

【発明の詳細な説明】 [技術分野] 本発明は、カテーテル組立体および栄養物および/ま
たは薬剤の対象生体中への導入または対象生体からの流
体の抜き出しに有用なカニューレを挿入する方法に関す
る。さらに詳しくは、このカテーテル組立体は、カニュ
ーレ,針並びにカニューレを選択された長さだけ挿入す
ることを可能にするカニューレ挿入体を包含する。ま
た、この方法は、特にカニューレを対象生体中に望まし
い長さだけ挿入する方法に関する。
[発明の背景] 流体の注入または抜き出しのための対象生体の静脈,
動脈あるいは体腔中に重合体カニューレを導入するため
のカテーテル組立体が数多く知られている。
一方法によれば、鋼製針をカニューレの流路内に収ま
るような寸法とし、該針をカニューレの基部端側端から
挿入し、針先がカニューレ末梢端側端から出るようにす
る。次に、針とカニューレを対象生体中に挿入し、その
後針をカニューレから除去し、カニューレの少なくとも
末梢端側端部が生体中に存在する形でカニューレを残
す。付加的なチューブ体をカニューレに取り付けてもよ
く、また、薬剤や栄養物をカニューレを通して生体中に
流し込んでもよい。
挿入に際してカニューレに対し相対的に針がずれるの
を防ぐため、カニューレ挿入者がかかるずれを避けるの
を補助するカテーテル挿入体がいくつか開発されてい
る。これはまた、カニューレの汚染を防ぎつつカニュー
レを制御する方法を提供する。ある種の公知の挿入体
は、一対の翼部材を有し位置的に固定された器具を包含
するもので、この翼部材が畳まれている時は針をつま
み、針がカニューレおよびカテーテル挿入体に対し相対
的に移動するのを防ぐものである。テフロン(デュポン
社の商標)等の材料よりなる生体中に挿入されるカニュ
ーレは比較的硬質であり、挿入体の末梢端側端部に固定
され、一方柔軟なチューブ体(例えば、ポリ塩化ビニル
製)が該挿入体の基部端側端部にカニューレと流動連通
状態に取り付けられているのが一般的である。
例えば、米国特許第4,194,504号には、カニューレに
固定された翼付カテーテル挿入体が記載されており、こ
れは、内穴を有する弾性チューブ状体と実質的に均一な
厚みの一対の翼体を包含するもので、翼体が畳まれると
前記内穴が変形し、その中の針をつかむ形となり、挿入
を容易にするようになっている。その他、米国特許第4,
198,973号,第4,192,304号,第4,192,305号,第4,300,5
53号,第4,388,074号,第4,445,893号,第4,353,369号
および第4,326,519号も参照されたい。
この種の翼付挿入体についての難点は、カニューレの
挿入長が制限されることである。この長さは、挿入体が
カニューレ材料に固定された位置によって決まってしま
うものである。この先行技術の翼付挿入体は種々の理由
からカニューレに取り付けられるものであり、かかる理
由としては例えば挿入体の一端にカニューレを、他端に
柔軟なチューブ体を固定する必要性とか、使用後の挿入
体の相対的移動を防ぐ必要性とかを挙げることができ
る。カニューレが比較的長いとこの種の挿入体と組み合
わせて用いることはできない。その理由はカニューレを
正確に制御するためには、挿入体をカニューレの末梢端
側端に比較的近い所に固定しなければならないことと、
カニューレの挿入に使用できる部分は挿入体の末梢端側
端から延び出ている部分のみであるということのためで
ある。固定翼付挿入体についてのもう1つの難点は、生
体中への挿入を容易化するためには、針およびカニュー
レの挿入長さを変えることができる方が望ましいという
観点から生ずる。看護婦や医師のようなカニューレ挿入
者は針およびカニューレ端に対する相対的な挿入体の位
置に関し、異なる好みを有しているということである。
このために、種々の末梢端側部分長さを有するいくつか
異なった寸法のカニューレを備えておく必要性が生ずる
のである。
長さ可変性のカニューレまたは比較的長いカニューレ
(約5mmを越える)を挿入する困難性を克服する一方法
として、カニューレ外径より大きな内径を有する針を選
択する方法がある。針を生体中に挿入してからカニュー
レを針中を通して生体中に望ましい長さだけ差し込む。
この技術はいくつか難点を伴う。第1に挿入用カニュー
レは硬質であるかおよび/または挿入の際その流路を通
る補強ワイヤ体を使用しなければならない。また、血管
等の領域にかかる器具を挿入し、針を除去しようとする
と、血液が挿入部位のまわりから逃げたり、カニューレ
より大きな挿入部位を通して感染が生ずる可能性もあ
る。カニューレを望ましい位置に位置させた後、針を取
り除くのが一般的である。血液が余計に逃げることな
く、また感染の機会が無いように針を取り除くのは困難
である。カニューレの基部端側端から針がすべり抜ける
のを防ぐハブ部分(hub portion)にカニューレが取り
付けられている場合、特にそうである。針がカニューレ
上に残っていると、針の尖鋭端がさらに生体を突き刺し
たり、カニューレを突き刺したりするのを防ぐのは困難
であろう。この危険性を最小とするためかさばった抑制
機構が使用されるが、完全にこの危険性を無くすことは
できない。この種の方法に代わるものとして、所望の領
域にカニューレを直接外科的に差し込む方法があるが、
外傷を伴うと共に費用もかかるものである。
もっと最近になって、本出願人に共通に譲渡された19
86年2月5日出願のジャック・マクリーン・ウォーカー
(Jack McClean Walker)とネイル・ジェイ・シーネン
(Neil.J.Sheenen)の係属中の米国出願番号第826,439
号(米国特許第4,955,863号)においては、前述の問題
の数々を解決したカテーテル組立体が提供されている。
この組立体は、カニューレ,針,およびカテーテル挿入
体を包含し、この挿入体がカニューレに対して相対的に
スライド可能となっており、さらにこの挿入体または他
の器具が該挿入体に対して相対的に針がずれるのを選択
的に制限する構成となっている。前記出願は挿入体を利
用して対象生体中にカニューレを挿入する方法にも関し
ており、カニューレの望ましい初期挿入長さが該挿入体
の位置を越えることができるような方法である。前記出
願は、かかる初期挿入の後、さらに対象生体中にカニュ
ーレを挿入させる方法をも提供する。
カニューレの一部が体外に残るようなカテーテル組立
体について存するもう1つの問題点は、よじれの問題で
ある。このような場合においては、栄養物および/また
は薬剤の体中への流動および/または体液の流出をカニ
ューレを通して行うのが制限されたり、あるいは全く停
止してしまい、患者に重大な結果をもたらす可能性があ
る。カニューレ材料が比較的柔らかいか、場合によって
は対象生体中に挿入すると軟化するような場合に、特に
この問題は重大である。また、カニューレの長い部分を
対象生体中に挿入する場合は、挿入体の基部端側端から
基部端側方向に延びて最初位置していたカニューレの部
分についても無菌性を維持するように注意しなければな
らない。使用者の指等がカニューレに接触するとカニュ
ーレを汚染し、対象生体中でかかるカニューレを使用す
るのは不適当となる。この問題に対する一解決法は、カ
ニューレの取扱い部分を軸方向に折り重なり可能なカバ
ーで包むことであり、かかるカバーとして例えば非常に
柔軟なポリエチレン製バッグや、もっと硬質ではあるが
アコーディオン式に折り畳めて軸方向の折り重ねを行え
る重合体材料を挙げることができ、かかるカバーを操作
することによりカニューレの挿入をさらに進めることが
できる。
前記共係属中の米国出願番号第826,439号(米国特許
第4,955,863号)にさらに記載されているこの問題に対
するもう1つの解決法があり、これはカニューレの一部
分を軸方向非折り重なり性のさや状体で覆う性格のもの
である。軸方向非折り重なり性とは、カニューレをさら
に挿入させるためにさや状体を握りつつカニューレを押
した時に、さや状体が目立つ程度にゆがんだりしわがよ
ったり等しないことを意味する。しかし、さや状体は比
較的軟質の材料からなる壁部を有する。このさや状体は
末梢端側端部と基部端側端部の両方を有する。さらに、
さや状体の壁部に沿って少なくともその長さの一部に渡
って縦方向のスリットが在る。もう1つの実施態様にお
いては、このスリットはさや状体の除去前は該さや状体
の全長にわたって存在しているわけではなく、カニュー
レの保護のさらに一助となっている。カニューレは、そ
の保護されるべき領域においてさや状体の導通路内に位
置する。このさや状体は、縦方向スリットに沿って開く
ことができると共にカニューレから取り除くこともでき
る。一実施態様においては、この縦方向スリットを開く
のを補助する手段が備わっている。かかる手段は、挿入
体の一部であってカニューレの挿入中にさや状体を開く
ものであってもよく、また挿入中にさや状体を開く付加
的器具であってもよい。さや状体は重合体材料からなる
のが好ましい。好ましい重合体材料としては、ポリ塩化
ビニル(PVC),ポリウレタン,ポリエチレン,ポリフ
ルオロエチレン−プロピレン等を挙げることができる。
前記共係属中の出願番号第826,439号(米国特許第4,9
55,863号)に記載される性格の軸方向非折り重なり性さ
や状体は数々の利点を提供する。しかし、一旦カニュー
レを望ましい長さだけ挿入すると、さや状体の一部分あ
るいは全部が取り除かれるので、カニューレの長さ方向
に沿ったある領域でまだよじれが起こる可能性がある。
かかる領域は、挿入体と挿入体がハブに接触する位置の
間に在る。かかるさや状体についてのもう1つの問題点
は、さや状体の余りに大きな部分が取り除かれると(す
なわち、カニューレが幾分か余計に血管中に挿入される
と)、カニューレを後戻しし、挿入体より基部端側のカ
ニューレのまわりにさや状体を再び位置させるのが極め
て困難だということである。さらにもう1つの問題点
は、カニューレを挿入体を通して末梢端側方向に押し出
す際、カニューレをまっすぐ軸方向に押し出さないなら
ば、よじれが生ずる可能性があるということである。す
なわち、ある角度をもって力を加えるとよじれにつなが
る可能性があることである。さらに、カニューレが自由
に挿入体中をスライドできる場合には、カニューレを所
定位置に保持するものは何も無く、そのためカニューレ
が血管中に内向きに前進しなかったり、血管からはずれ
て前進したりすることになる。
本発明は、前述してきた問題点の1つ以上を克服せん
とするものである。
[発明の開示] 本発明の一形態に従えば、末梢端側部分,基部端側部
分および該末梢端側部分から該基部端側部分までの縦長
流路を有するカニューレを有するカテーテル組立体の改
良物が提供される。この組立体は、末梢端側部分,基部
端側部分および該末梢端側部分から該基部端側部分まで
の導通チャンネルを有する挿入体を有する。カニューレ
は導通チャンネル中にスライド可能に位置する。導通路
を有するハブ構造体が在り、カニューレの基部端側部分
が、その流路と上記導通路とが流動連通の状態でハブ構
造体に取り付けられている。この改良点は、末梢端側部
分,基部端側部分および該末梢端側部分から該基部端側
部分までの縦方向スリットを有するさや状体を包含し、
かつ前記挿入体と前記ハブ構造体間においてカニューレ
のまわりに該さや状体が位置する構成を有することにあ
る。さや状体剥離手段が挿入体により保持されており、
カニューレが導通チャンネルを通して末梢端側方向に移
動されるにつれて、末梢側端部分から始まってカニュー
レの周囲からさや状体を前記のさや状体剥離手段がはが
してゆくこととなる。第1ロック(lock)部材が挿入体
により保持されており、第2ロック部材が挿入体とハブ
構造体間のカニューレの回りに位置している。この第1
および第2ロック部材は互いにかみ合わせる(interloc
k)ことができる。
本発明のもう1つの形態によれば、カニューレを患者
の体中に挿入する方法が提供される。挿入尖頭を有する
針は、その挿入尖頭がカニューレ末梢端側部分から末梢
端側方向に延び出す状態で前述のようなカテーテル組立
体のカニューレ中に位置している。針は、カニューレ末
梢端側部分と共に、患者の体中に挿入される。カニュー
レを患者の体中に残したまま針を取り除く。挿入位置の
カニューレの周囲からさや状体をはぎつつ、カニューレ
を患者の体中へ望ましい距離だけ前進させる。カニュー
レの望ましい長さが患者の体中に入り込んだ後、第1お
よび第2ロック部材を共にロックする。
本発明による改良カテーテル組立体および挿入方法
は、挿入体とハブの間の全長にわたりカニューレがよじ
れるのを防ぐ。さらに本発明のある種の形態に従えば、
カニューレを選択された長さだけ挿入体を通して血管中
に差し込むことができる。さらにまた、さや状体がカニ
ューレからはがされすぎたとしても、本発明の一形態に
よれば、該さや状体を容易にカニューレ上に戻すことが
できる。本発明のある種の形態によれば、さや状体はカ
ニューレに縦方向の力を及ぼし、カニューレのよじれに
つながらない態様でカニューレを末梢端側方向に引く。
[実施例] 以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明す
る。
本発明のカテーテル組立体は、望ましいあるいは調節
可能な長さを有するカニューレ,カテーテル組立体のカ
ニューレを保護するためのさや状体,および該さや状体
を適所に位置させると共に、カニューレがよじれたり抜
け出る事故を防ぐべく該さや状体を所定位置にロックす
ることができるロック機構を包含する。好ましい実施態
様においては、望ましいあるいは調節可能の長さのカニ
ューレが、患者の体中に挿入時にその外周長が増大した
りおよび/または2.5%割線モジュラス(Secant Modulu
s)が減少する材料から作られている構成を有する。
本発明のカニューレは、対象生体中に導入するに適す
るものであれば、どのような材料から作られていてもよ
い。好ましくは、これらの材料は、重合体の性状で、挿
入のために充分硬質のものから選ばれ、その例としてポ
リフルオロエチレン−プロピレン(例えば、デュポン社
製FEPテフロン)等が挙げられる。一般に、カニューレ
は、生体中に挿入の際歪んだりしわが寄らないよう約2
0,000N/cm2より大きい、好ましくは約28,000N/cm2より
大きい2.5%割線モジュラスを有しなければならない。
もっと好ましいものは、例えば液体と接触するか、カニ
ューレの末梢端側部分を対象生体中に挿入しそのまま保
持するか、あるいは約20℃ないし約40℃の温度にさらさ
れると軟化または2.5%割線モジュラスが減少する組成
物である。特に、液体を吸収し(すなわち、水和す
る)、その後軟化し7,000N/cm2より小さい2.5%割線モ
ジュラスを有するようになる組成物が好ましく、かかる
2.5%割線モジュラスの減少により、生体の周囲組織に
対する外傷を小さくすることができる。ここで軟化比
(softening ratio)という用語は、チューブ状カニュ
ーレの形の選択された組成物の初期2.5%割線モジュラ
ス値の軟化後組成物の2.5%割線モジュラスに対する比
を指称する。かかる組成物の少なくとも一部分が親水性
であることが好ましい。また、少なくとも約2:1の軟化
比で軟化する組成物であることが好ましい。
本発明の実施に有用な軟化性重合体の例は、ここに参
考のために記載する1985年9月26日出願の本出願人に共
通して譲渡された共係属中の米国出願番号第780,543号
(米国特許第4,911,691号)に開示されるものである。
カニューレ用のその好ましい組成物は、(a)実質的に
非親水性の重合体成分を含む第1相と、(b)親水性重
合体成分を含む第2相とを包含し、かつ、かかる材料
が、(i)少なくとも約2:1の軟化比で軟化するか、お
よび/または少なくとも約1.3:1の膨潤比で膨潤する程
度に水を吸収することができると共に、(ii)ほぼ完全
に水和した時、少なくとも約700N−cm/cm3の対破壊エネ
ルギと約7,000N/cm2より小さい2.5%割線モジュラスと
を有するものである。
ここに参考のため記載するチンデール・プレインズ−
ハンター社(Tyndale Plains−Hunter Ltd.)の米国特
許第4,359h,558号,第4,424,305号,第4,454,309号およ
び第4,439,583号に開示される軟化性ポリマーも有用で
ある。この好ましいカニューレ組成物は、約90ないし約
65重量%の親水性ポリウレタン樹脂と約10ないし約35重
量%のジアクリレートからなるポリウレタン・ジアクリ
レート組成物を本質的に包含するものである。
カニューレ材料として利用できる材料に、軟化性およ
び/または形状記憶性を有する組成物がある。かかる重
合体組成物は、例えば次の文献に開示されている:「生
物医学用軟化性形状記憶性熱可塑性プラスチック(Slft
enable,Shape−Memory Thermoplastics for Biomedical
Use)」,ロバート・エス・ウォード(Robert S.War
d),エム・ディー・7・ディー(M.D.7 D),8月号,198
5年;および「形状記憶性を有する耐血栓性放射線不透
過性軟化性熱可塑性プラスチックカテーテルコンパウン
ド(Thromboresistant,Radioopaque,Softenable Thermo
plastics Catheter Compound With Shape−Memory Prop
erties)」,アール・エス・ウォード(R.S.Ward),ケ
イ・エー・ホワイト(K.A,White),ジェイ・エス・リ
ッフル(J.S.Riffle),セカンド・ワールド・コングレ
ス・オン・バイオマテリアルズ(Second World Gongree
s On Biomaterials),テンス・アニュアル・ミーティ
ング・オブ・ザ・ソサイエティー・フォー・バイオマテ
リアルズ(10th Annual Meeting Of the Society For B
iomaterials),ワシントン・ディー・シー(Washingto
n,D.C.),4月28日−5月1日、1984年。前述の熱可塑性
プラスチック組成物は、室温以上かつほぼ体温より低い
急激な有効ガラス転移温度(Tg)を有し、少なくとも一
種のブロックを有するブロック(block or segmented)
共重合体熱可塑性プラスチックであるベースポリマーを
包含するものである。かかるベースポリマーに含まれる
残りのブロックは、支配的な熱転移が実質的に体温より
高い温度で起こるような硬質ブロックである。カニュー
レは、また次のように拡張軟化させることができる。カ
ニューレを、最初その最終的に望ましい拡張内径を有す
るように作り、次にガラス転移温度(Tg)より高い温度
に加熱し、より長くより薄くなるように引き伸ばし、そ
の状態で保持したままガラス転移温度より低い温度まで
冷却する方法で作る。かかるより長くより薄いカニュー
レを室温より高くかつほぼ体温より低い温度に温める
と、すなわちカニューレをガラス転移温度に到達させる
と、その形状記憶性が作用しカニューレの内径および外
径は増加し、長さは短くなる。
かかる軟化性カニューレ材料を選択するに当たり、カ
ニューレを対象生体中に挿入しそのまま保持するかおよ
び/またはカニューレの流路内壁を該流路内断面および
/またはカニューレ外周長が拡大するに充分な時間だけ
液体と接触させる時、カニューレ流路内断面および/ま
たはカニューレ外周長の少なくとも一部が増大し、拡大
されたカニューレ流路内断面および/または拡大された
カニューレ外周長を形成するように膨潤もする材料を選
ぶこともまた好ましい。流路内断面が約25%ないし約40
0%増大するのが好ましい。
カニューレの組成物は、必要に応じて架橋してもよ
い。架橋すると組成物の強度が増し、架橋されていない
重合体成分の融点または軟化点を越える温度でかかる組
成物からなるカニューレを使用したカテーテル組立体を
殺菌することができるようになる。カニューレ用に選択
された材料の架橋は、また該組成物の2.5%割線モジュ
ラスを望ましい値に調整するために行うこともできる。
また、架橋は、材料が軟化した時の耐破壊引張りエネル
ギを増大することもできる。さらに、組成物の抽出可能
成分量を最小限にするために架橋を行うこともできる。
架橋は、適当な架橋剤を使用するか、好ましくはトリ
アリルイソシアヌレート(triallylisocyanourate)の
ような架橋促進剤の存在下に放射線照射することにより
行うことができる。また、高エネルギーガンマ線または
ベータ線照射により材料架橋を行うこともできる。
カニューレの材料は、安定剤,酸化防止剤,放射線不
透過性化剤(radioopacifiers),薬剤,充填剤等の付
加的な成分をさらに含んでもよい。ある種の用途に対し
ては、対象生体体液と接触すると材料からしみ出てくる
ような水溶性または水分散性薬剤を混入するのも有利で
ある。かかる薬剤としては、抗血栓剤,抗生物質,抗ビ
ールス剤,抗凝固剤,抗炎症剤等を挙げることができ
る。
膨潤性または軟化性の選ばれたカニューレは、該カニ
ューレを対象生体等中に挿入していく過程においては余
り目立って膨潤または軟化しないことが必要である。か
かるカニューレの膨潤または軟化の時間は、少なくとも
15秒であることが好ましく、さらに好ましくは少なくと
も60秒である。カニューレが膨潤することの利点がいく
つかある。カニューレが膨潤すると、流体の流量が同じ
としてもより小さな器具を挿入すればよいこととなる
し、および/または傷口の周囲の圧が上がることになり
出血量および傷中への殺菌の侵入量を低減すると共に時
期尚早にカテーテルを交換しなければならなくなる普通
の一原因であるカテーテルの抜け出しを防ぐことができ
る。また、カニューレ流路内断面が増大し、同一初期寸
法を有する類似の非膨潤性カニューレと比べてカニュー
レを通しての流量を増大させることができる。このこと
は、手足の静脈のようなより小さな領域に対して適用で
きるようになると共に選択された部位中への挿入も容易
となる。さらにカニューレが膨潤すると、挿入チャンネ
ルの直径と同程度にまで充分に外周長が増大することも
ある。カニューレ挿入後、このことは望ましいことであ
る。次に、挿入チャンネルに対するカニューレの圧のた
めに、カニューレおよび針に対して相対的な挿入体のス
ライド能が失われる。このことは、カニューレと挿入体
が相対的に移動することを防ぐ意味で有利である。生体
に挿入体を例えばテープ使用(taping)により固定する
と、カニューレがさらに生体中に入り込んだり抜け出た
りする移動が制限される。軟化性のカニューレも有利で
ある。カニューレが軟らかいと、内膜(静脈内膜)およ
び挿入部位に対する刺激が小さくなる傾向にあり、機械
的原因による静脈炎を起こすことも少なくなる。また、
カニューレが軟らかいと、挿入点に位置するというより
はむしろ静脈中で浮く形となり、その結果、液注入が均
一に施されるようになり、化学的原因による静脈炎を回
避するのに役立つ。
カニューレを選択してから、末梢端側端部,基部端側
端部および末梢端側端部に挿入尖頭を有する針を選択す
る。針は、中空のものを選択してもよいし中実のものを
選択してもよい。すなわち、「針」という名称は中空か
中実の縦長刺込部材を含めて広い意味で使われる。針
は、カニューレの縦長流路の末梢端側部分中に、その挿
入尖頭がカニューレ末梢端側端を越えて出る形で位置さ
せる。場合によっては、引き抜きワイヤ,棒等を針の基
部端側端部に取り付け、カニューレの基部端側端の外に
出るようにしてもよい。針の引き抜きは、引き抜きワイ
ヤを引っ張ることにより行うことができる。また、針の
基部端側端部を挿入体を越えてカニューレの基部端側端
の方へ延びるようにしてもよく、こうすると引き抜きが
容易となる。
さらに、末梢端側端部,基部端側端部およびその末梢
端側端からその基部端側端まで走るカニューレ導通チャ
ンネルを有するカテーテル挿入体の前記チャンネルを通
して、カニューレをスライド可能な関係で、かつ、カニ
ューレ末梢端側部分が該チャンネルの末梢端側端を越え
て出るように位置させることができる。カニューレと針
が該チャンネルに対し相対的にスライドするのを選択的
に制限するための手段を設ける。好ましい実施態様にお
いては、カテーテル挿入体は、一対の部材が突出してい
る本体(body)を包含し、該部材は可動でチャンネルに
対して相対的にカニューレと針がスライドするのを選択
的に制限する。かかる本体は、突出する一対の可撓性の
翼部材を有し、該翼体が共に上向きに折り重ねることが
でき、これにより該チャンネルに対して相対的にカニュ
ーレと針がスライドするのを選択的に制限する構成とな
っているのが好ましい。かかる部材はゆるんだ位置から
張りつめた位置に動かすことができ、こうすることによ
りチャンネルに対して相対的にカニューレと針がスライ
ドするのを選択的に制限する。カテーテル挿入体の本体
は、その末梢端側端から基部端側端まで延びる穴を有す
るのが好ましく、その穴が導通チャンネルとして働くの
である。導通チャンネルの直径はカニューレの外周と少
なくとも等しいか、それよりいくらか大きいのが好まし
い。いずれにしても、カニューレとチャンネルは、カニ
ューレをチャンネルに対しスライド可能な関係に位置さ
せることができるようなものである。好ましいカニュー
レ挿入体は、先行技術の翼付挿入体と似ているが、比較
的大きな縦穴を有し、またその末梢端側端および基部端
側端の両方を越えてカニューレの連続体が延び出るよう
に構成され、カニューレとの関係でスライド可能とされ
ている。その他の挿入体としては、カニューレを位置さ
せる大きな穴と手操作で締めつけることができる領域を
含み、その領域上に取り付けられたホース締め具(hose
clamp)またはその領域上に締めつけられたチャンネル
に対して相対的にカニューレがスライドするのを制限す
る手段を有するものであってもよい。スライド可能な関
係を得る方法は、通常は閉じられてスライド可能関係を
妨害していて、スライド可能関係を確保する際に開くよ
うに構成されたスプリングのような挿入体を使用するこ
とである。
本発明のカテーテル組立体は、対象生体中にカニュー
レを挿入するために有用なものである。好ましくは、カ
ニューレは血管や体腔中に挿入される。静脈注射(IV)
の用途にカテーテル組立体を使用するのが好ましい。対
象生体とは、流体の注入または抜き取りが必要な哺乳
類,爬虫類,魚類等の生物体を意味する。特に、この組
立体は哺乳類に対して有用で、具体的には、馬,牛,
犬,猫,人間を挙げることができる。カテーテル組立体
は、液体を注入または抜き取るために使用できるだけで
なく、他の装置や器具を留めたり接続するために使用し
てもよく、さらにはセンサ等を位置させるために使用す
ることもできる。
カテーテル組立体は、さらにカニューレハブ部分(ca
nnula hub portion)を含む。このハブ部分は、その基
部端側端部から末梢端側端部までの導通路を有すると共
に、該導通路とカニューレの流路とをカニューレの基部
端側端部において流動連通状態でカニューレの基部端側
端部をハブの末梢端側端部に取り付けるための適当な取
付け手段を有する。このようなハブの多くが先行技術と
して知られており、本発明に適したものである。カニュ
ーレ材料が膨潤性材料である場合は、カニューレ中の流
動を制限することが無く、かつカニューレの拡張に都合
がよいハブ組立体であることが望ましい。このようなハ
ブの1つは、ここに参考のため記載する1985年10月17日
出願の本出願人に共通して譲渡された米国特許出願番号
第788,461号(米国特許4,781,703号)に開示されてい
る。
本発明の理解は、各図を論ずることにより、より良く
なるであろう。
第1図は、カニューレ末梢端側部分14と基部端側部分
16を有するカニューレ12を有するカテーテル組立体10を
示す。カニューレ12は針17の回りに在る。縦長流路18が
カニューレ末梢端側部分14からカニューレ基部端側部分
16までカニューレ12中を延びている。
カニューレ12は、挿入体末梢端側部分24と挿入体基部
端側部分26を有する挿入体22の導通チャンネル20にはま
り込んでいる。導通チャンネル20は挿入体末梢端側部分
24から挿入体基部端側部分26まで挿入体22中を延びてい
る。カニューレ12は、導通チャンネル20中にスライド可
能におさまっている。
ハブ構造体28は、ハブ末梢端側部分30とハブ基部端側
部分32を有している。ハブ構造体28もハブ末梢端側部分
30からハブ基部端側部分32まで延びる導通路34を有す
る。カニューレ流路18と前記導通路34とが流動連通状態
で、カニューレ基部端側部分16がハブ構造体28に取り付
けられている。
本発明によれば、さや状体末梢端側部分38とさや状体
基部端側部分40を有するさや状体36が設けられている。
さや状体36には末梢端側部分38から基部端側部分40まで
縦方向スリット41が延びている。スリット41は最初はさ
や状体36の全長にわたって存在している必要は無く、さ
や状体36を後述するようにはぐことができるに充分であ
ることを条件として必要に応じてさや状体36の一部にわ
たってのみ存在しているか、またはさや状体36が同様に
はぐことができることを条件として縦長の弱められた部
分を構成するものであってもよい。上記のようにはぐ
と、スリット41は事後的にさや状体36の全長にわたって
走ることとなる。さや状体36は、挿入体22とハブ構造体
28との間のカニューレ12の周りに位置する。
挿入体22により保持された、さや状体36をはぐための
さや状体剥離手段42が設けられており、これにより、カ
ニューレ12が導通チャンネル20を通して末梢端側方向に
スライドされるとさや状体36はその末梢端側部分38から
始まりカニューレ12の周りからはがされることとなる。
第1図および第2図に示される特定の実施例において
は、さや状体剥離手段42は第1ロック部材52により保持
された傾斜面(ramp)44の性質を有するものである。傾
斜面44の上方または傾斜面44の少し基部端側に第1ロッ
ク部材52を横切るようなブリッジ45(第1図に図示され
る実施例にはない)を、さや状体36が出ることができる
ような開口47を残して設けるのが好ましく、このブリッ
ジ45は、第1ロック部材52中に形成されている、導通チ
ャンネル20の延長部49にカニューレ12が入り込む所まで
さや状体36(およびカニューレ12)を縦方向に末梢端に
向って移動させるのに役立つ。
さや状体末梢端側部分38をその縦軸に対しある角度で
切り詰め、挿入体22に向かう末梢端側先端48とハブ構造
体28に向かう基部端側基端50とを有する切り詰め領域46
を形成することもできる。縦方向スリット41は該基端50
の位置で終り、こうすることにより適切な整列が確保さ
れる。さや状体剥離手段42は、さや状体36が末梢端側方
向に移動されると該切り詰め領域46に当たり、さや状体
末梢端側部分38をカニューレ12から外向きに方向づける
よう位置された傾斜面44を有する。
第1ロック部材52は挿入体22により保持されている。
これは、挿入体22と別個の構造体であってもよく、挿入
体22と一体であってもよい。第1ロック部材52は、ハブ
構造体28に向かって突出する一対の歯状体(tines)54,
56(第1図参照)を有する。図示の特定の実施例におい
ては、歯状体54,56にはそれぞれ突出部(ledges)58,60
が形成されており、これらの突出部により第2ロック部
材62とかみ合うことができるようになっている。第2ロ
ック部材62は、挿入体22とハブ構造体28との間のカニュ
ーレ12の周りに位置する。基本的には、歯状体54,56は
適度の弾性を有する材料から作られており、こうするこ
とによって、歯状体54,56が第2ロック部材62内に押し
込まれる際、最初互いの方向にいくらか近寄るように力
がかかり、それから外方向にはね返り適当な空洞64,66
中にロックされる。このようにして、第1ロック部材52
と第2ロック部材62との結合がしっかりとなされる。
第1図に示される実施例によれば、第2ロック部材62
はさや状体36の回りにスライド可能に位置する。この実
施例においては、カニューレ12の第2ロック部材62より
基部端側の部分がよじれることが無いように、さや状体
36はハブ構造体28に適切に取り付けられている。また、
第1図の実施例に従えば、第2ロック部材62はハブ構造
体28とは接続していない。こうすることによって、第2
ロック部材62をスライドさせてさや状体36に沿って移動
させ第1ロック部材52とかみ合わせることができる。
実際は、カニューレ12を挿入体22中に望ましい長さだ
け通し、カニューレ12を挿入体22中の導通チャンネル20
を通して末梢端側方向にスライドさせると、さや状体36
はさや状体末梢端側部分38から始まりカニューレ12の周
囲からさや状体剥離手段42によりはがされてゆく。カニ
ューレ12を所望の長さだけ患者の体中に挿入してから、
第2ロック部材62を第1ロック部材52とかみ合わせる。
さや状体36の残りの部分、すなわち基部端側部分40は、
第2ロック部材62より基部端側方向に延び出ており、カ
ニューレ12がよじれるのを防ぎ続ける。さや状体末梢端
側部分38の余計な部分は、単に切り落としてもよい。
さらに、さや状体剥離手段42によりさや状体36の末梢
端側部分38をいくらか余計にカニューレ12からはぎ過ぎ
た場合は、第2ロック部材62を介してさや状体36を後戻
りさせる方向に引っ張れば、さや状体36の回りに第2ロ
ック部材62はぴったりだがスライド可能に設けられてい
るのでカニューレ12の後寄りの部分を再びさや状体36で
覆うことができる。ブリッジ45が在る場合は、これもま
たカニューレ12の後寄りの部分を再カバーするのに役立
つ。本質的には、かかる処置においてカニューレ12を縦
方向スリット41を通して単に押し込むことである。従っ
て、第2ロック部材62を挿入体22側の方向にスライドさ
せるか、カニューレ22とさや状体36を第2ロック部材62
に対して相対的に基部端側方向に移動させるにつれ、カ
ニューレ12の回りの第2ロック部材62より末梢端側のさ
や状体36の部分を元の位置に戻すことができるような構
造を、第2ロック部材62が有しておれば良い。一般に、
第2ロック部材62は、第1ロック部材52と所定位置にロ
ックされるとさや状体36がさらに移動するのを制限する
こととなるように設計されている。このことは、装置の
普通の使用法に従ってハブ構造体28を人が操作する際に
カニューレ12が抜ける事故を防ぐ作用を与える。
上記のことは、例えば傾斜面44に対して相対的な開口
47等における充分に精密な公差をもって実施することに
より達成することができる。
さや状体36のある長さ部分をカニューレ12の対応する
長さ部分の回りに戻すように第2ロック部材62に向って
相対的にカニューレ12とさや状体36を移動させると、カ
ニューレ12がさや状体36により完全に封入され、カニュ
ーレ12上に体液がついても医療関係者に体液が接触する
のを防ぐこととなることは注目に値する。このことは医
療関係者を伝染から保護する点で重要である。
第3図は第2ロック部材62がハブ構造体28と接続され
ている本発明の一実施態様を示す。本実施態様では、第
2ロック部材62とハブ構造体28との間のカニューレ12の
回りにスリーブ(sleeve)70が設けられている。スリー
ブ70は末梢端側部分72と基部端側部分74を有する。スリ
ーブ末梢端側部分72は第2ロック部材62に取り付けられ
ており、一方スリーブ基部端側部分74はハブ構造体28に
取り付けられている。こうして第2ロック部材をハブ構
造体28と接続している。
また、第4図に示されるように、第2ロック部材62を
ハブ構造体28に直接取付け、スリーブ70の必要性を無く
することも可能である。あるいは、第2ロック部材62が
ハブ構造体28の一部として構成されていてもよい。係合
用の簡単なスナップ(snap)が第4図に示されている。
しかし、その操作上、一般的にはスリーブ70を使用する
方がより便利である。
第5図および第6図は、傾斜面44とブリッジ45によっ
て画定される開口47を通って少なくともわずかの距離は
さや状体末梢端側部分38が延び出ているのが通常である
本発明の一実施態様を示す。さや状体36を末梢端側方向
に進めるためその末梢端側部分38を引っ張ってゆくと、
さや状体36は末梢端側方向に移動してゆき開口47を通っ
てますます延び出てゆくが、それと共に、カニューレ12
上に働くさや状体の縦方向の力により導通チャンネル20
の延長部分49に沿って末梢端側方向にカニューレ12が移
動される。このようにして、カニューレ12が末梢端側方
向に前進してゆく際にそのよじれを起こすかもしれない
軸方向外の力をカニューレ12が受けなくてすむ。さや状
体36の末梢端側部分38を引っ張ってゆくと第2ロック部
材62が末梢端側方向に引っ張られることに注目された
い。上述のことは、第2ロック部材62における開口76中
に横向きにさや状体基部端側部分40を通してゆくように
し、かつ停止部材(blocking member)78をさや状体基
部端側部分40に取り付けることにより達成される。停止
部材78の寸法は、さや状体基部端側部分40の全部が開口
76を通過してしまうのを防止するに充分なものとする。
または、異なった方法で第2ロック部材62を、さや状体
36と共に末梢端側方向に移動するように取り付けてもよ
い。
さや状体36が可能な限り末梢端側方向に移動された
後、第1図におけるロック部材52と62とがかみ合うのと
同様に、第2ロック部材62は第1ロック部材52とかみ合
う。かかるかみ合いが完了してから、使用者は停止部材
78を引っ張り続けると、さや状体36は開口47および76を
通って基部端側方向に引っ張られてゆき、最後にはさや
状体36は全部、開口76を通して取り除かれる。かかる全
手順によれば、患者の体中にカニューレを前進させる人
の指とカニューレ12が接触するのを防ぐことができる。
また、さや状体36が第2ロック部材62と直接接続されて
いる場合は、さや状体36を切り落としてもよい。また、
カニューレ12を末梢端側方向に移動させるためのカニュ
ーレ12に働く力を適当に調整することにより、かかる移
動の間カニューレ12がよじれないようにすることができ
る。さらに、停止部材78を利用してさや状体36を本質的
に自動的に引き戻すようにすると、さや状体36の突出部
分の無い非常に整った一対物(package)を最終的に与
えることができる。
第7図および第8図は、本発明のもう1つの実施態様
を示す。第7図および第8図の実施態様は、相当に異な
ったロック構造体を利用するものである。特に、第7図
と第8図は、図示のような第1ロック部材152と第2ロ
ック部材162の併用を示す。第1ロック部材152は、挿入
体22(第7図と第8図には図示されていない)に取り付
けられた末梢端側部分80を有する。第1ロック部材に
は、挿入体22中の導通チャンネル20の延長部分49があ
る。第1ロック部材152の基部端側部分82は、さや状体3
6の外径よりほんのわずか大きな直径を有する穴84を有
する。このような態様において、さや状体36を、穴84内
に拘束することなく穴84を通して前方(左方向)に引っ
張ることができる。
第7図は、末梢端部分38を引っ張ってゆくことによっ
てさや状体36が末梢端側方向に引っ張られていく様子を
図示している。このような状態では、カニューレ12もさ
や状体36と共に末梢端側方向に引っ張られ、導通チャン
ネル20の延長部分49中を進んでゆく。この操作の間、第
7図における左方向に第2ロック部材162は運ばれ、こ
の操作には関与しないことに注目されたい。
第2ロック部材162は中央穴86を有する中空リベット
(rivet)または中空アイレット(eyelet)の性格を有
するものである。中央穴86は、カニューレ12がその中を
自由にスライドできる充分の大きさを有する。アイレッ
ト162は、その末梢端側部分90から外向きに延びる外向
き張り出し環状フランジ88を有するのが好適であるが、
これはその操作において必ずしも必須のものではない。
アイレット162の外径は、さや状体36の内径より大き
く、さらにアイレット162の外径と穴84の直径との間の
分離距離はさや状体36の厚みより小さいのが一般的であ
る。このような態様では、第7図に示すようにさや状体
36を充分に前進させてから、第1ロック部材152に固着
したまま基部端側方向にさや状体36を引っ張ることがで
き、こうするとアイレット163はさや状体36の内径との
接触のために基部端側方向に移動され、最終的には穴84
にはまり込む。
基本的には、さや状体36がアイレット162と穴84との
間にはさまれ、実際はロック状態に圧縮されるのが一般
的である。好ましくは、フランジ88がこのロック状態に
役立ち、穴84とアイレット162との間のさや状体36の圧
縮にフランジ88と穴84との間で付加的な力を与える。こ
れは、フランジ88の外径が穴84の内径より小さい場合に
生じる。さや状体36の残余の部分、すなわち開口47を通
して末梢端側方向に出ている部分は単に切り落としても
よい。さや状体36を基部端側方向にさらに引っ張ろうと
しても、アイレット162を第1ロック部材152にもっとき
つい押し込み、すなわちロックすることになるだけであ
る。
使用に際しては、カテーテル組立体10を針17を所定位
置において準備する。針17をカニューレ12の末梢端側部
分14と共に、例えば血管等の患者の体中に挿入する。患
者の体中にカニューレ12を残したまま、[針17に取り付
けられたワイヤ91に取り付けられているノブ(knob)89
(第1図参照)を引っ張ることにより]針17をカテーテ
ル組立体10から取り除く。カニューレ12を望ましい長さ
だけ患者の体中を前進させてゆくと同時に、さや状体36
は挿入体22の所でカニューレ12の回りからその末梢端側
部分38がはがされてゆく。カニューレ12の望ましい長さ
が患者の体中を前進した後、第1ロック部材52(または
152)は第2ロック部材62(または162)とかみ合わされ
る。
[産業上の利用性] 本発明は、体外にあるカニューレ12の部分が挿入体22
より基部端側においてよじれることを防ぐように構成さ
れたカテーテル組立体10を提供する。さらに、本発明の
ある種の実施態様によれば、体中に挿入されたカニュー
レ12の長さを、例えば挿入過剰長さ分を引き抜くことに
よりある程度調節でき、この際カニューレの後戻しされ
た長さ部分が直ちにさや状体に納められ、医療関係者を
伝染から保護する。さらに、本発明のある種の実施態様
によれば、第1ロック部材52と第2ロック部材62とをロ
ックすることにより、カニューレが抜ける事故を防ぐ。
本発明を具体的な実施態様との関連で説明してきた
が、さらに変形が可能であり、一般に本発明の原理に従
い、かつ本発明の関与する当業界における公知慣用の範
囲内にあり、上述してきた必須要件に応用可能であり、
さらに本発明の範囲並びに特許請求の範囲内に入るよう
な本開示からはずれる態様を含めて、あらゆる変形例,
用途,改変例を本出願が包含することを意図しているの
が理解されよう。
【図面の簡単な説明】
本発明は、添付図面の各図を参照することにより、より
良く理解されよう。添付図面全体を通して同一数字は同
一部分を指す。 添付図面において、 第1図は本発明の一実施態様に従うカテーテル組立体の
一部断面平面図、 第2図は第1図に示される構造体の変形例の詳細一部断
面部分側面図、 第3図は本発明の別の実施態様の一部断面部分平面図、 第4図は本発明のまた別の実施態様の第3図に類似する
図、 第5図は本発明のさらに別の実施態様の部分平面図、 第6図は第5図の実施態様の一部断面部分側面図、 第7図は本発明のさらにまた別の実施態様の一部断面部
分側面図、 第8図は第7図の実施態様のロックされた状態の一部断
面部分側面図である。

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カニューレ末梢端側部分,カニューレ基部
    端側部分,および前記カニューレ末梢端側部分から前記
    カニューレ基部端側部分まで延びる縦長流路を有するカ
    ニューレ;挿入体末梢端側部分,挿入体基部端側部分,
    および前記挿入体末梢端側部分から前記挿入体基部端側
    部分まで延びており前記カニューレをスライド可能に納
    めている導通チャンネルを有する挿入体;およびハブ末
    梢端側部分,ハブ基部端側部分,および前記ハブ末梢端
    側部分から前記ハブ基部端側部分まで延びる導通路を有
    し、かつ前記導通路が前記流路と流動連通状態において
    前記カニューレ基部端側部分が取り付けられているハブ
    構造体を有するカテーテル組立体において: さや状体末梢端側部分,さや状体基部端側部分,および
    前記さや状体末梢端側部分から前記さや状体基部端側部
    分まで延びる縦方向スリットまたは弱体化部分を有し、
    かつ前記挿入体と前記ハブ構造体との間で前記カニュー
    レの回りに位置するさや状体; 前記カニューレが前記導通チャンネルを通って末梢端側
    方向にスライドされるに従って前記さや状体を前記さや
    状体末梢端側部分から始まって前記カニューレの回りか
    らはいでいくための前記挿入体に保持されたさや状体剥
    離手段; 前記挿入体に保持された第1ロック手段;および前記挿
    入体と前記ハブ構造体との間のカニューレの回りに位置
    する、前記第1ロック部材とかみ合い可能の第2ロック
    部材を包含することを特徴とするカテーテル組立体。
  2. 【請求項2】前記第2ロック部材が、前記ハブ構造体に
    保持されていることを特徴とする請求項1記載のカテー
    テル組立体。
  3. 【請求項3】スリーブ末梢端側部分およびスリーブ基部
    端側部分を有し、前記第2ロック部材と前記ハブ構造体
    との間の前記カニューレの回りに位置するスリーブをさ
    らに包含し;かつ前記スリーブ末梢端側部分が前記第2
    ロック部材に取り付けられ、前記スリーブ基部端側部分
    が前記ハブ構造体に取り付けられている構成を有するこ
    とを特徴とする請求項2記載のカテーテル組立体。
  4. 【請求項4】前記第2ロック部材が、前記ハブ構造体に
    直接取り付けられていることを特徴とする請求項2記載
    のカテーテル組立体。
  5. 【請求項5】前記さや状体末梢端側部分がその縦軸に対
    してある角度で切り詰められ、前記挿入体に向かう先端
    と前記ハブ構造体に向かう基端を有する切り詰め領域を
    形成し、かつ前記縦方向スリットまたは弱体化部分が前
    記基端で終わっており;さらに、 前記さや状体剥離手段が、前記さや状体を末梢端側方向
    に移動するにつれて前記切り詰め領域にスライドするよ
    うに当たると共に前記さや状体末梢端側部分を前記カニ
    ューレから離して外向きに方向づけるように位置する傾
    斜面を包含することを特徴とする請求項1記載のカテー
    テル組立体。
  6. 【請求項6】前記第2ロック部材が、スライド可能に前
    記さや状体の回りに位置することを特徴とする請求項1
    記載のカテーテル組立体。
  7. 【請求項7】前記第2ロック部材が前記さや状体および
    前記カニューレに対して相対的に末梢端側方向に移動す
    ると、前記カニューレの回りの前記第2ロック部材より
    末梢端側にある前記さや状体の部分を元の位置に戻すこ
    とができるような構造を、前記第2ロック部材が有する
    ことを特徴とする請求項6記載のカテーテル組立体。
  8. 【請求項8】前記さや状体末梢端側部分がその縦軸に対
    してある角度で切り詰められ、前記挿入体に向かう先端
    と前記ハブ構造体に向かう基端を有する切り詰め領域を
    形成し、かつ前記縦方向スリットまたは弱体化部分が前
    記基端で終っており;さらに、 前記さや状体剥離手段が、前記さや状体を末梢端側方向
    に移動するにつれて前記切り詰め領域にスライドするよ
    うに当たると共に前記さや状体末梢端側部分を前記カニ
    ューレから離して外向きに方向づけるように位置する傾
    斜面を包含することを特徴とする請求項6記載のカテー
    テル組立体。
  9. 【請求項9】前記第2ロック部材が、前記ハブ構造体と
    接続されていないことを特徴とする請求項6記載のカテ
    ーテル組立体。
  10. 【請求項10】前記第2ロック部材が前記さや状体およ
    び前記カニューレに対して相対的に末梢端側方向に移動
    すると、前記カニューレの回りの前記第2ロック部材よ
    り末梢端側にある前記さや状体の部分を元の位置に戻す
    ことができるような構造を、前記第2ロック部材が有す
    ることを特徴とする請求項9記載のカテーテル組立体。
  11. 【請求項11】前記さや状体末梢端側部分がその縦軸に
    対してある角度で切り詰められ、前記挿入体に向かう先
    端と前記ハブ構造体に向かう基端を有する切り詰め領域
    を形成し、かつ前記縦方向スリットまたは弱体化部分が
    前記基端で終っており;さらに、 前記さや状体剥離手段が、前記さや状体を末梢端側方向
    に移動するにつれて前記切り詰め領域にスライドするよ
    うに当たると共に前記さや状体末梢端側部分を前記カニ
    ューレから離して外向きに方向づけるように位置する傾
    斜面を包含することを特徴とする請求項10記載のカテー
    テル組立体。
  12. 【請求項12】前記第1ロック部材と前記第2ロック部
    材がかみ合うとさや状体が抜けるのを防ぐための手段を
    さらに含むことを特徴とする請求項9記載のカテーテル
    組立体。
  13. 【請求項13】前記さや状体剥離手段は、前記さや状体
    が末梢端側方向に移動するにつれて前記さや状体末梢端
    側部分をスライドするように受けると共に前記さや状体
    末梢端側部分を前記カニューレから離して外向きに方向
    づけるように位置する傾斜面を包含し;さらに、 前記傾斜面の上方またはわずかに基部端側に位置し、か
    つ前記傾斜面との間に前記さや状体が通過できる開口を
    画定するブリッジを包含することを特徴とする請求項1
    記載のカテーテル組立体。
  14. 【請求項14】前記第2ロック部材が、前記ハブ構造体
    に保持され、かつ前記さや状体基部端側部分が通過でき
    る開口を有し;さらに、 前記さや状体が末梢端側方向に移動されるとき、前記さ
    や状体基部端側部分が前記開口を通って移動するのを阻
    止する阻止手段を包含することを特徴とする請求項13記
    載のカテーテル組立体。
  15. 【請求項15】前記阻止手段が、前記さや状体基部端側
    部分に取り付けられた部材を包含し、かつ該部材が前記
    開口より大きいことを特徴とする請求項14記載のカテー
    テル組立体。
  16. 【請求項16】前記第1ロック部材が前記さや状体に密
    接しているがスライド可能な状態にはめ込まれる穴を有
    し、かつ前記穴が前記傾斜面のわずかに基部端側に位置
    するブリッジにより画定されており;さらに、 前記第2ロック部材が前記さや状体の内径より大きく前
    記穴の直径より小さい外径を有するアイレットを包含
    し、かつ前記第2ロック部材が前記第1ロック部材中の
    前記カニューレの回りに位置することを特徴とする請求
    項1記載のカテーテル組立体。
  17. 【請求項17】前記アイレットがその末梢端側部分に外
    向きに突出するフランジを有し、かつ前記フランジの外
    径が前記穴の内径より小さいことを特徴とする請求項16
    記載のカテーテル組立体。
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