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JP2926432B2 - 養毛剤 - Google Patents

養毛剤

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JP2926432B2
JP2926432B2 JP2152319A JP15231990A JP2926432B2 JP 2926432 B2 JP2926432 B2 JP 2926432B2 JP 2152319 A JP2152319 A JP 2152319A JP 15231990 A JP15231990 A JP 15231990A JP 2926432 B2 JP2926432 B2 JP 2926432B2
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glycosyl
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glucosyl
rutin
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Hayashibara Seibutsu Kagaku Kenkyujo KK
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は養毛剤に関する 〔従来の技術〕 脱毛症には種々の要因が推定されているけれども、要
するに、何等かの原因で頭髪が正常なヘアサイクルを営
むことができなくなり、毛包が休止期(Telogen)に止
どまっていることが直接原因であるとされている。従っ
て、脱毛状態を改善し発育毛を促すには、休止期にある
毛包を正常な成長期(Anagen)に移行させなければなら
ない。
この目的のために従来より種々の養毛剤が考案されて
きたが、それらは、作用に基づいて i)脱毛部周辺の不要な角質や表皮を除去したり、脱毛
部周辺の炎症を抑えて発育毛を促すタイプ、 (ii)毛母細胞などを細胞レベルで賦活して発育毛を促
すタイプ、及び (iii)頭皮の新陳代謝を促進したり栄養補給して発育
毛を促すタイプ に大別できる。
有効性(発育毛効果)も然ることながら、一般に養毛
剤は長期連用され、使用回数、使用量に特段の規制がな
いことから、副作用のないことが重要である。前記
(i)の養毛剤は、例えば、サリチル酸、レゾルシン、
グリチルリチン酸などの角質溶解剤や殺菌剤、消炎剤を
使用することから、過度に適用すると皮膚の炎症を引き
起こしたり、場合によっては、却って脱毛を早めてしま
うという欠点がある。(ii)の養毛剤も、例えば、モノ
ニトログアヤコール、パントテン酸誘導体、女性ホルモ
ン、アミノ酸などの比較的薬理作用の強い成分を配合す
ることから、(i)の養毛剤と同様の欠点がある。
(iii)の養毛剤は、例えば、塩化カルプロニウム、
センブリ抽出物(スウェルチアマリン)、レイソーゲ
ン、ビタミンE、L−アスコルビン酸などの末梢血管拡
張剤・血行促進剤や栄養剤を使用することから、比較的
作用が穏やかで副作用が少なく、使い易いという利点が
あるものの、発育毛効果が低く、所期の治効が得られな
いか、治療に長期間を要するという欠点がある。
(iii)の養毛剤で、例えば、L−アスコルビン酸や
ビタミンEなどの、所謂、生理活性物質を配合した養毛
剤は、作用が穏やかで、自体必須栄養素であることから
副作用が全くないという大きな特徴がある。例えば、特
開昭62-142108号公報には、ビタミンEにL−アスコル
ビン酸や、例えば、L−アスコルビン酸モノステアレー
ト、L−アスコルビン酸イソパルミテート、L−アスコ
ルビン酸ジパルミテート、L−アスコルビン酸硫酸エス
テル、L−アスコルビン酸燐酸エステルなどの脂肪酸乃
至無機酸エステル誘導体を配合してなる養毛剤を調製
し、脱毛症を治療することが開示されている。
しかし、周知のようにL−アスコルビン酸は直接還元
性があるために著しく不安定で、酸化分解などにより生
理活性を失い易く、製品にすると長期間保存困難で、黄
色乃至赤褐色に着色するなどの欠点がある。そのため、
特開昭62-142108号公報には、その養毛剤をL−アスコ
ルビン酸、ビタンミンE及びそれらの誘導体が安定な温
度範囲で使用すべきことが明示されている。
加えて、L−アスコルビン酸やビタミンEは皮下への
滲透性が低く、外用剤として使用したのでは容易には所
期の発育毛効果を達成できないという問題や、L−アス
コルビン酸を配合する養毛剤の場合、L−アスコルビン
酸誘導体が安定であっても生体内ではもはやL−アスコ
ルビン酸として機能せず、異物として排出されてしまう
という問題もある。
頭髪を生涯豊かに保つことは人類共通の願いである。
斯かる願いは近年強まる一方であり、発育毛効果の高い
安全な養毛剤の開発が鶴首されている。
〔発明により解決すべき課題〕
本発明は、ヒト及び動物に適用して顕著良好な発育毛
作用を発揮する安全且つ安定な生理活性物質を有効成分
とする養毛剤を提供することを目的とする。
〔課題を解決すための手段〕
本発明者は上記課題を達成すべく、ビタミン類に着目
して鋭意研究した。
その結果、ビタミン類、とりわけ、L−アスコルビン
酸(ビタミンC)とバイオフラボノイド(Bioflavonoi
d、ビタミンP)とはヒト及び動物に適用して顕著良好
な発育毛効果を発揮することを見出した。
同時に、これらビタミンは皮膚への滲透性に難点があ
ることと、殊に、L−アスコルビン酸は、安定性が著し
く悪く、皮下に滲透したとしても既に酸化していて、も
はや生理活性を発揮できる状態にないことなどを見出し
た。従って、これらを有効成分とする養毛剤を実現する
には、安定性並びに皮下滲透性が改善された、安全な誘
導体の開発が不可欠であるという結論に達した。
本発明者が、これら要件を満足するL−アスコルビン
酸及びバイオフラボノイドの各種誘導体、とりわけ、糖
誘導体について鋭意検索したところ、例えば、α−グル
コシル−L−アスコルビン酸、α−マルトシル−L−ア
スコルビン酸などのα−グリコシル−L−アスコルビン
酸及び、例えば、α−グリコシル−ルチン、α−グリコ
シル−ヘスペリジン及びα−グリコシル−ナリンジンな
どのα−グリコシル−バイオフラボノイドは皮下への滲
透性に優れ、安定で、生体内では酵素により容易に元の
L−アスコルビン酸乃至バイオフラボノイドとグルコー
スとに加水分解され、全く副作用のないことが判明し
た。
これらのうち、α−グリコシル−ヘスペリジン及びα
−グリコシル−ナリンジンは、文献未記載の従来未知の
全く新規な物質である。
一方、α−グリコシル−L−アスコルビン酸は山本格
等、「ザ・ジャーナル・オブ・バイオケミストリー(Th
e Journal of Biochemistry)」、第107巻、第2号、第
222〜227頁(1990年)などから公知であるが、発育毛効
果を有することは知られていない。
また、α−グリコシル−ルチンは、特公昭54-32073号
公報及び特公昭58-54799号公報などから公知であるが、
これら公報には、α−グリコシル−ルチンが生体内でル
チンと同様の生理作用を発揮することは記載されている
けれども、α−グリコシル−ルチンが発育毛効果を有す
ることについては全く記載がない。
〔発明の作用〕
以下、本発明を詳細に説明すると、本発明で使用する
α−グリコシル−L−アスコルビン酸は、L−アスコル
ビン酸の2位の炭素のアルコール基に1個以上のα−D
−グルコシル基がα−1,4結合した構造を有している。
個々の物質としては、例えば、2−0−α−D−グルコ
シル−L−アスコルビン酸、2−0−α−マルトシル−
L−アスコルビン酸、2−0−α−マルトトリオシル−
L−アスコルビン酸、2−0−α−マルトテトラオシル
−L−アスコルビン酸、2−0−α−マルトペンタオシ
ル−L−アスコルビン酸、2−0−α−マルトヘキサオ
シル−L−アスコルビン酸、2−0−α−マルトヘプタ
オシル−L−アスコルビン酸などがあり、何れも直接還
元性を示さない。本発明で言うα−グリコシル−L−ア
スコルビン酸とは、特に不都合が生じない限り、遊離酸
のもののみならず、例えば、ナトリウムイオン、カルシ
ウムイオン、鉄イオンなどとの塩であっても構わない。
また、本発明でいう直接還元性を示さないとは、L−ア
スコルビン酸とは違って、そのままで2,6−ジクロロフ
ェノールインドールを還元脱色しないことを意味する。
一方、本発明でいうα−グリコシル−バイオフラボノ
イドとは、ルチン、ヘスペリジン、ナリンジンなどのバ
イオフラボノイドにD−グルコースが等モル以上α結合
したα−グリコシル−ルチン、α−グリコシル−ヘスペ
リジン、α−グリコシル−ナリンジンを含むものとす
る。
これらの中、α−グリコシル−ルチンは、ルチン(分
子式:3−[[6−0−(6−デオキシ−α−L−マンノ
ピラノシル)−β−D−グルコピラノシル]オキシ]−
2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−5,7−ジヒドロキ
シ−4H−1−ベンゾピラン−4−オン)に一個以上のα
−D−グルコシル基がα−1,4結合した構造を有してお
り、個々の物質としては、例えば、α−グルコシル−ル
チン、α−マルトシル−ルチン、α−マルトトリオシル
−ルチン、α−マルトテトラオシル−ルチン、α−マル
トペンタオシル−ルチンなどである。
また、α−グリコシル−ヘスペリジンは、ヘスペリジ
ン(分子式:7−[[6−0−(6−デオキシ−α−L−
マンノピラノシル)−β−D−グルコピラノシル]オキ
シ]−2,3−ジヒドロ−5−ヒドロキシ−2−(3−ヒ
ドロキシ−4−メトキシフェニル)−4H−1−ベンゾピ
ラン−4−オン)に一個以上α−D−グルコシル基がα
−1,4結合した構造を有しており、個々の物質として
は、例えば、α−グルコシル−ヘスペリジン、α−マル
トシル−ヘスペリジン、α−マルトトリオシル−ヘスペ
リジン、α−マルトテトラオシル−ヘスペリジン、α−
マルトペンタオシル−ヘスペリジンなどである。
α−グリコシル−ナリンジンは、ナリンジン(分子
式:7−[[2−0−(6−デオキシ−α−L−マンノピ
ラノシル)−β−D−グルコピラノシル]オキシ]−2,
3−ジヒドロ−5−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ
フェニル)−4H−1−ベンゾピラン−4−オン)に一個
以上のα−D−グルコシル基がα−1,4結合した構造を
有しており、個々の物質としては、例えば、α−グルコ
シル−ナリンジン、α−マルトシル−ナリンジン、α−
マルトトリオシル−ナリンジン、α−マルトテトラオシ
ル−ナリンジンなどである。
これらα−グリコシル−L−アスコルビン酸及びα−
グリコシル−バイオフラボノイドは、生化学的方法によ
っても有機化学的方法によっても製造することができ
る。一般的には、安全性、経済性の面から、L−アスコ
ルビン酸又はバイオフラボノイドと、例えば、マルトオ
リゴ糖、澱粉部分加水分解物、液化澱粉、糊化澱粉、溶
性澱粉などのα−グルコシル糖化合物とを含有する溶液
にシクロマルトデキストリン・グルカノトランスフェラ
ーゼ(EC2.4.1.19)、α−アミラーゼ(EC3.2.1.1)、
α−グルコシダーゼ(EC3.2.1.20)などの糖転移酵素を
作用させる生化学的方法が望ましい。本発明者等が、例
えば、特願平1-274518号明細書(特開平3-139288号公
報)(名称『α−グリコシル−L−アスコルビン酸とそ
の製造方法並びに用途』)、特願平1-274019号明細書
(特開平3-135992号公報)(名称『結晶2−0−α−D
−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸とその製造方
法並びに用途』)、特願平1-217893号明細書(特開平3-
27293号公報)(名称『α−グリコシルルチンの製造方
法とその用途』)、特願平1-142205号明細書(特開平3-
58790号公報)(名称『α−グリコシルルチンの製造法
とその用途』)、特願平1-253269号明細書(特開平3-11
5292号公報)(名称『4G−α−D−グルコピラノシルル
チンとその製造方法並びに用途』)、特願平1-141902号
明細書(特開平3-7593号公報)(名称『α−グリコシル
ヘスペリジンとその製造方法並びに用途』)、及び特願
平2-112665号明細書(特開平4-13691号公報)(名称
『α−グリコシルナリンジンとその製造方法並びに用
途』)に記載した方法で製造されるα−グリコシル−L
−アスコルビン酸及びα−グリコシル−バイオフラボノ
イドは、この発明の有効成分として好適である。
生化学的方法により調製されたα−グリコシル−L−
アスコルビン酸やα−グリコシル−バイオフラボノイド
は、通常、一個以上のα−D−グルコシル基がα−1,4
結合したα−グリコシル誘導体と未反応のL−アスコル
ビン酸又はバイオフラボノイド、更に、D−グルコー
ス、α−グルコシル糖化合物との混合物である。このよ
うな混合物は、それがα−グリコシル−L−アスコルビ
ン酸やα−グリコシル−バイオフラボノイドを含有する
限り、何れもこの発明の養毛剤に使用することができ
る。但し、例えば、医薬品や化粧品のように高純度且つ
均質な有効成分が必要とされる場合には、使用に先立っ
て、未反応のL−アスコルビン酸乃至バイオフラボノイ
ド、D−グルコース、α−グルコシル糖化合物などの夾
雑物を分子量、親和性などの違いを利用する分離手段、
例えば、膜分離、カラムクロマトグラフィー、高速液体
クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、イ
オン交換クロマトグラフィーなどの方法で分離精製すれ
ばよい。
本発明の養毛剤に於けるα−グリコシル−L−アスコ
ルビン酸及び/又はα−グリコシル−バイオフラボノイ
ドの配合量は、有効成分の種類、対象疾患、症状、個人
差などにも依るが、その総量が養毛剤の全重量に対し
て、通常、約0.001乃至10重量%、好ましくは、約0.01
乃至5重量%とするのがよい。
その際、α−グリコシル−L−アスコルビン酸と何れ
かのα−グリコシル−バイオフラボノイドを組合せて配
合すると、生体内で両者が協働作用し、それぞれ単独で
配合する場合と比較してより高い発育毛効果が達成され
る。α−グリコシル−L−アスコルビン酸とα−グリコ
シル−バイオフラボノイドとを組合せるときほどではな
いものの、これらの中の何れかとα−グリコシル化され
ていないL−アスコルビン酸やバイオフラボノイドとを
組合せても顕著良好な発育毛効果が達成される。
本発明の養毛剤は、常法に従って液状、ゼリー状、乳
状、エアゾル状、軟膏状などの適宜形態にして、例え
ば、養毛料、ヘアトニック、ヘアリキッド、ヘアローシ
ョン、ヘアクリーム、ヘアオイル、ヘアトリートメン
ト、ムース、シャンプー、リンスとして用いることがで
きる。
また、本発明の養毛剤には上記必須成分の他に、通常
養毛剤に用いられる、例えば、油性乃至水性基剤、エモ
リエント剤、乳化剤、ゲル化剤、香料、防腐剤、酸化防
止剤、着色剤、清涼剤、殺菌剤、湿潤剤を適宜配合する
ことができる。さらに、必要に応じて、ヒト及び動物に
対して発育毛効果のある他のビタミンEなどのビタミン
類、ローズマリーエキスなどのエキス類、ホルモン類、
シアニン色素、アミノ酸類、血管拡張剤、血行促進剤、
細胞賦活剤、消炎剤、殺菌剤、皮膚機能亢進剤、角質溶
解剤などの薬剤を併用することもできる。
殊に、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコ
ール、グリセリン、ソルビトール、ミリスチン酸オクチ
ルドデシル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン
グリコール、ラウリン酸ジエタノールアミンなどの湿潤
剤は、α−グリコシル−L−アスコルビン酸及びα−グ
リコシル−バイオフラボノイドの溶解を促進するととも
に、それらを皮膚によく馴染ませて皮下吸収を促進し、
且つ、非刺激性であり、この発明の有効成分と組合せる
ことにより、顕著良好な発育毛効果を達成することが出
来る。
また、シアニン色素としては、例えば、『感光素301
号(6−[2−[(5−ブロモ−2−ピリジル)アミ
ノ]ビニル]−1−エチル−2−ピコリニウム・アイオ
ダイド)』、『感光素401号(2−(2−アニリノビニ
ル)−3,4−ジメチル−オキサゾリニウム・アイオダイ
ド)』(何れも株式会社日本感光色素研究所販売)が好
適であり、本発明の有効成分と組合せて使用すると相乗
的に作用して顕著良好な発育毛効果を達成することがで
きる。その際、シアニン色素の配合量としては、通常、
約0.001乃至0.01%とする。
本発明の養毛剤は、ヒトや動物の皮膚に塗布して顕著
良好な発育毛効果を奏し、且つ、長期保存しても安定で
あって、その商品価値は極めて高い。従って、本発明の
養毛剤は、例えば、老人性脱毛症、壮年性脱毛症、若年
性脱毛症、円形脱毛症、機械性脱毛症、症候性脱毛症な
どの脱毛症による脱毛状態の改善並びに発育毛の促進に
加え、フケ、カユミ、抜毛、白髪の予防・治療に著効を
発揮する。また、緬羊、キツネ、アルパカ、アンゴラウ
サギ、ミンク、カシミア、山羊など、毛を採取するか毛
皮を利用する動物に適用して発育毛を促進し、毛の色艶
をよくし、製品の商品価値を高めたり、さらには、イ
ヌ、ネコ、インコ、カナリヤなどの愛玩動物の毛並みを
良くするという効果もある。
本発明の養毛剤は、通常、1日1乃至3回、毛髪部位
乃至その近傍に適用すればよい。また、水溶液中で解離
する性質のあるα−グリコシル−L−アスコルビン酸を
配合した養毛剤の場合、例えば、特公昭59-41747号公報
や特開平1-56060号公報に開示されている低周波治療器
を用いてイオン導入すればさらに顕著な発育毛効果を達
成することができる。
本発明の養毛剤がこのように顕著良好な発育毛効果な
どを発揮するのは、有効成分として配合されるα−グリ
コシル−L−アスコルビン酸或はα−グルコシル−バイ
オフラボノイドが安定で親水性に富み、ヒトや動物の皮
膚によく馴染んで高い滲透性を発揮し、滲透後は生体内
で容易に加水分解され、本来の血管拡張作用、血行促進
作用、栄養補給作用などの生理活性を充分に発揮するこ
とによるものと推定される。
また、従来の養毛剤の場合、顕著な発育毛作用を示す
有効成分であっても、その有効成分が油溶性又は水性で
あって油性基剤か水性基剤にしか溶解しない場合、現実
の養毛剤の形態が著しく限定されるという問題があっ
た。この発明の養毛剤の有効成分は、水性基剤にも油性
基剤にも有効量配合することが容易なことから、養毛剤
としての形態に於ける制限がより少ないという特徴があ
る。
以下、試験例及び実施例により本発明の養毛剤の発育
毛効果について説明するが、部とは重量部を、%とは重
量%を意味するものとする。
〔試験例〕
試験例 1 製造例1〜8の方法で調製したα−グリコシル−L−
アスコルビン酸及びα−グリコシル−バイオフラボノイ
ドの何れかをプロピレングリコール2%を含有する50%
エタノール水溶液に濃度1重量%になるよう溶解した
後、6規定苛性ソーダによりpH6.7に調整してローショ
ン・タイプの試験液を調製した。対照には、α−グリコ
シル−L−アスコルビン酸及びα−グリコシル−バイオ
フラボノイドの代りにα−グリコシル化されていないL
−アスコルビン酸、バイオフラボノイド又は精製水を配
合して同様にローション・タイプの対照液を調製した。
次に、家兎の背部を脊柱に対して左右対称に頭部側、
尾部側計4個所、約5cm2にシルバークリームを短時間
塗布して脱毛し、脱毛部を水で充分洗浄した後、右体側
に於ける頭部側の脱毛部には試験液1mLを、左体側に於
ける頭部側脱毛部には精製水を含有せしめた対照液1mL
を、そして、右体側に於ける尾部側脱毛部にはL−アス
コルビン酸又はバイオフラボノイドを含有する対照液1m
Lを毎日一回筆で塗布した。なお、左体側に於ける尾部
側脱毛部は無処置とした。
脱毛後2日目に塗布を開始し、塗布開始から10日目、
20日目、30日目に新生毛を抜毛計測した。毛伸長は、硬
毛のみを顕微鏡微動装置により各10本ずつ計測し、各群
に於ける投与部と無処置部との平均差値(mm)で表示し
た。
なお、家兎を使用する発育毛試験に於いては、一羽の
個体に於ける脊柱を中心とする左右対称部位の発育毛に
遅速を認めず、また、雌雄間で発育毛に差異のないこと
が知られている。
結果を第1表に示す。
第1表の結果から明らかなように、本発明のα−グリ
コシル−L−アスコルビン酸又はα−グリコシル−バイ
オフラボノイドを配合した養毛剤を塗布した群では顕著
良好な発育毛が見られたのに対して、α−グリコシル化
していないL−アスコルビン酸やバイオフラボノイドを
塗布した群または精製水を塗布した群の発育毛は無処置
の場合と有意差がなかった。
試験例 2 試験例1の結果に基づき、各種脱毛症患者から無作為
に抽出した20例(男女各10例)を試用対象として3ケ月
間臨床実験を行なった。対象者の年齢は15乃至66歳であ
った。
個々の脱毛症としては、若年性脱毛症、壮年性脱毛症
及び老年性脱毛症などの男性型脱毛症、及び多発性円形
脱毛症、悪性脱毛症などの円形脱毛症であり。何れの患
者も病院などの皮膚科に於いて薬物療法や物理療法を受
けていたものである。
なお、軽微な円形脱毛症には自然治癒を営む例が屡々
見られることから、初診時に顕著な脱毛が認められず、
脱毛部分が比較的小さく、臨床的に皮膚萎縮及び毛孔縮
小の認められない例は除いた。
治療法としては、常法により製造例2、4、6、8の
方法で調製した2−0−α−D−グルコシル−L−アス
コルビン酸又はα−グルコシル−バイオフラボノイドの
何れかを1.0部、エタノール45部、グリセリン2部及び
精製水55部を混和したものを6規定苛性ソーダによりpH
6.7に調整してローション・タイプの養毛剤を調製し、
受診時には患部に外用剤を薄く塗布し、よくマッサージ
した後太陽灯照射し、自宅にては1日3回塗布するよう
に指示した。
発育毛効果は、「治癒(毛髪が新生し、脱毛がみられ
ない)」、「軽快(毛髪の発育速度は遅いものの、再発
の見られないもの)」、「不変(毛髪の新生が全く見ら
れないもの)」及び「悪化(副作用や脱毛の促進が見ら
れたもの)」の四段階で判定した。
なお、対照には、2−0−α−D−グルコシル−L−
アスコルビン酸又はα−グルコシル−バイオフラボノイ
ドの代りにL−アスコルビン酸又はバイオフラボノイド
用いた。
結果を第2表に示す。
第2表の結果から明らかなように、この発明のα−グ
リコシル−L−アスコルビン酸及びα−グリコシル−バ
イオフラボノイドは、幅広い脱毛症に対して有効であ
り、殊に、壮年性脱毛症、老年性脱毛症などの男性型脱
毛症や円形脱毛症に著効を示した。また、その際、副作
用は全く認められなかった。
本試験例の結果に基づき、一群の全対象者に対する
「治癒」乃至「軽快」と回答した対象者の比を治癒率
(%)として有効性を評価したところ、2−0−α−D
−グルコシル−L−アスコルビン酸、α−グルコシル−
ルチン、α−グルコシル−ヘスペリジン、α−グルコシ
ル−ナリンジンを適用したとき、それぞれの治癒率は80
%、90%、75%、65%と計算された。
これに対して、L−アスコルビン酸又はバイオフラボ
ノイドを適用した群の治癒率は約15乃至25%程度と殆ど
治効が認められないばかりか、頭皮の炎症、カユミ、フ
ケ、不快感などを訴えるケースが多かった。
試験例 3 7週令のdd系マウスを使用し、製造例1〜8の方法に
より得られたα−グリコシル−L−アスコルビン酸及び
α−グリコシル−バイオフラボノイドを経口投与したと
きの急性毒性について試験した。その結果、何れの場合
も5gまで死亡例は認められず、また、それ以上の投与は
困難であった。
さらに、試験例1の各養毛剤をそれぞれ健常者30名に
対してクローズッド・バッチ方式により皮膚刺激性及び
遅延型アレルギーにつき試験したところ、結果は何れも
陰性であった(陽性率0%)。
これらは、本発明の有効成分が極めて安全性の高いこ
とを裏付けるものである。
次に、α−グリコシル−L−アスコルビン酸及びα−
グリコシル−バイオフラボノイドの製造例を2〜3示
す。
製造例 1 α−グリコシル−L−アスコルビン酸 DE約6のデキストリン40部を水50部に加熱溶解し、還
元下に保って、L−アスコルビン酸13部を加え、pH5.
6、65℃に維持しつつ、これに、シクロマルトデキスト
リン・グルカノトランスフェラーゼ(EC 2.4.1.19,株式
会社林原生物化学研究所販売)をデキストリングラム当
り270単位加えて、40時間反応させた。反応液を高速液
体クロマトグラフィーで分析したところ、L−アスコル
ビン酸の約65%がα−D−グルコシル−L−アスコルビ
ン酸、α−マルトシル−L−アスコルビン酸、α−マル
トトリオシル−L−アスコルビン酸、α−マルトテトラ
オシル−L−アスコルビン酸、α−マルトペンタオシル
−L−アスコルビン酸、α−マルトヘキサオシル−L−
アスコルビン酸などのα−グリコシル−L−アスコルビ
ン酸に変換していた。
次いで、反応液を加熱し酵素を失活させ、濾過し、濾
液を常法により活性炭で脱色精製し、濃縮してシラップ
状のα−グルコシル糖化合物を含有するα−グリコシル
−L−アスコルビン酸製品を原料に対して約90%の収率
で得た。
本品に含まれるα−グリコシル−L−アスコルビン酸
は直接還元性を示さず、安定性、生理活性も充分で、養
毛剤に有利に使用することができる。
製造例 2 2−0−α−D−グルコシル−L−アスコ
ルビン酸 製造例1の方法で調製したシラップ状のα−グルコシ
ル糖化合物を含有するα−グリコシル−L−アスコルビ
ン酸製品1部を水4部に溶解し、これにグルコアミラー
ゼ(EC 3.2.1.3,生化学工業株式会社販売)を前期製品
固形物グラム当り100単位加え、50℃、5時間反応させ
た。反応液を高速液体クロマトグラフィーで分析したと
ころ、各α−グリコシル−L−アスコルビン酸成分は2
−0−α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸に変換
していた。
反応液を加熱して酵素を失活させ、濾過し、濾液をBi
o-Rad社製造のゲル濾過剤(商品名『Bio-GelP-2』)を
用いて、水を溶出液としてゲル濾過クロマトグラフィー
を行ない、α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸高
含有画分を採取し、次いで、島津製作所社製造のカラム
(商品名『Shim-pack ODS』)を用いて、0.3%酢酸を溶
出液として高速液体クロマトグラフィーを行ない、α−
D−グルコシル−L−アスコルビン酸高含有画分を採取
し、減圧濃縮し、凍結乾燥し粉末化して、純度99.0%以
上の高純度2−0−α−D−グルコシル−L−アスコル
ビン酸を原料L−アスコルビン酸に対して約80%の収率
で得た。
高度に精製された2−0−α−D−グルコシル−L−
アスコルビン酸を含有する本品は、直接還元性を示さ
ず、安定性、生理活性も充分で、養毛剤に有利に使用す
ることができる。
また、本品は、そのまま又は、必要に応じて、電解質
やシアニン色素と適宜併用してイオン導入用養毛剤とし
ても有利に使用することができる。
製造例 3 α−グリコシル−ルチン ルチン3部及びデキストリン(DE18)15部を80℃の熱
水97部に混合して懸濁状のルチン高含有液とし、これに
バチルス・ステアロサーモフィラス由来のシクロマルト
デキストリン・グルカノトランスフェラーゼをデキスト
リングラム当り20単位加え、pH6.0、75℃に維持し撹拌
しつつ64時間反応させた。反応液をペーパークロマトグ
ラフィーで分析したところ、ルチンの約85%がα−グル
コシル−ルチン−、α−マルトシル−ルチン、α−マル
トトリオシル−ルチン、α−マルトテトラオシル−ルチ
ン、α−マルトペンタオシル−ルチンなどのα−グリコ
シル−ルチンに転換していた。
次いで、反応液を加熱して酵素を失活させ、濾過し、
濾液を濃縮してシラップ状の澱粉質を含有するα−グリ
コシル−ルチン製品を原料に対して約90%の収率で得
た。
本品は、安全性、水溶性高く、生理活性も充分で、養
毛剤に有利に使用することができる。
製造例 4 α−グルコシル−ルチン 製造例3の方法で調製したシラップ状の澱粉質を含有
するα−グリコシル−ルチン製品1部を水4部に溶解
し、これにグルコアミラーゼをα−グリコシル−ルチン
製品固形物グラム当り100単位加え、50℃、5時間反応
させた。反応液をペーパークロマトグラフィーで分析し
たところ、α−グリコシル−ルチンはα−グルコシル−
ルチンに転換していた。
反応液を加熱して酵素を失活させ、濾過し、濾液を多
孔性合成吸着剤(商品名『ダイヤイオンHP-10』三菱化
成工業株式会社販売)のカラムにSV2で通液した。その
結果、溶液中のα−グルコシル−ルチンと未反応ルチン
とが多孔性合成吸着剤に吸着し、グルコース、塩類など
は吸着することなく流出した。次いで、カラムに水を通
液して洗浄した後、エタノール水溶液濃度を段階的に高
めながら通液し、α−グルコシル−ルチン画分を採取
し、減圧濃縮し、粉末化して粉末状のα−グルコシル−
ルチンを原料ルチンに対して約80%の収率で得た。
このα−グルコシル−ルチンを酸で加水分解したとこ
ろ、ケルセチン1モルに対し、L−ラムノース1モル、
D−グルコース2モルを生成した。また、α−グルコシ
ル−ルチンに、ブタの肝臓から抽出し部分精製したα−
グルコシダーゼを作用させると、ルチンとD−グルコー
スとに加水分解されることが判明した。
高度に精製されたα−グルコシル−ルチンを含有する
本品は、安全性、水溶性高く、生理活性も充分で、養毛
剤に有利に使用することができる。
製造例 5 α−グリコシル−ヘスペリジン ヘスペリジン1部を1規定苛性ソーダ溶液4部に溶解
し、これに0.01規定塩酸溶液を加えて中和するとともに
デキストリン(DE10)4部を加え、直ちにバチルス・ス
テアロサーモフィラス由来のシクロデキストリン・グル
カノトランスフェラーゼをデキストリングラム当り20単
位加え、pH6.0、75℃に維持し撹拌しつつ24時間反応さ
せた。反応液を薄層クロマトグラフィーで分析したとこ
ろ、ヘスペリジンの約70%がα−グルコシル−ヘスペリ
ジン、α−マルトシル−ヘスペリジン、α−マルトトリ
オシル−ヘスペリジン、α−マルトテトラオシル−ヘス
ペリジン、α−マルトペンタオシル−ヘスペリジンなど
のα−グリコシル−ヘスペリジンに転換していた。
次いで、反応液を加熱して酵素を失活させ、濾過し、
常法に従って濾液をイオン交換樹脂(H型及びOH型)で
脱塩精製し、濃縮してシラップ状のα−グルコシル糖化
合物を含有するα−グリコシル−ヘスペリジンを原料に
対して約90%の収率で得た。
本品は、安全性、水溶性高く、生理活性も充分で、養
毛剤に有利に使用することができる。
製造例 6 α−グルコシル−ヘスペリジン 製造例5の方法に準じて調製したシラップ状のα−グ
ルコシル糖化合物を含有するα−グリコシル−ヘスペリ
ジン製品1部を水4部に溶解し、これにグルコアミラー
ゼをα−グリコシル−ヘスペリジン製品固形物グラム当
り100単位加え、50℃、5時間反応させた。反応液を薄
層クロマトグラフィーで分析したところ、α−グリコシ
ル−ヘスペリジンはα−グルコシル−ヘスペリジンに転
換していた。
反応液を加熱して酵素を失活させ、濾過し、濾液を多
孔性合成吸着剤『ダイヤイオンHP−10』のカラムにSV2
で通液した。その結果、溶液中のα−グルコシル−ヘス
ペリジンと未反応ヘスペリジンとが多孔性合成吸着剤に
吸着し、グルコース、塩類などは吸着することなく溶出
した。次いで、カラムに水を通液して洗浄した後、エタ
ノール水溶液濃度を段階的に高めながら通液し、α−グ
ルコシル−ヘスペリジン画分を採取し、減圧濃縮し、粉
末化して粉末状のα−グルコシル−ヘスペリジンを原料
ヘスペリジンに対して約60%の収率で得た。
このα−グルコシル−ヘスペリジンを酸で加水分解し
たところ、ヘスペリジン1モルに対し、L−ラムノース
1モル、D−グルコース2モルを生成した。また、α−
グルコシル−ヘスペリジンに、ブタの肝臓から抽出し部
分精製したα−グルコシダーゼを作用させると、ヘスペ
リジンとD−グルコースとに加水分解されることが判明
した。
高度に精製されたα−グルコシル−ヘスペリジンを含
有する本品は、安全性、水溶性高く、生理活性も充分
で、養毛剤に有利に使用することができる。
製造例 7 α−グリコシル−ナリンジン ナリンジン1部及びデキストリン(DE10)4部を水10
部に加熱溶解し、75℃に冷却後直ちにバチルス・ステア
ロサーモフィラス由来のシクロマルトデキストリン・グ
ルカノトランスフェラーゼをデキストリングラム当り20
単位加え、pH5.5、75℃に維持し撹拌しつつ24時間反応
させた。反応液を薄層クロマトグラフィーで分析したと
ころ、ナリンジンの約65%が、α−グルコシル−ナリン
ジン、α−マルトシル−ナリンジン、α−マルトトリオ
シル−ナリンジン、α−マルトテトラオシル−ナリンジ
ンなどのα−グリコシル−ナリンジンに転換していた。
次いで、反応液を加熱して酵素を失活させ、濾過し、
常法に従って濾液をイオン交換樹脂(H型及びOH型)で
脱塩精製し、濃縮してシラップ状のα−グルコシル糖化
合物を含有するα−グリコシル−ナリンジン製品を原料
に対して約85%の収率で得た。
本品は、安全性、水溶性高く、生理活性も充分で、養
毛剤に有利に使用することができる。
製造例 8 α−グルコシル−ナリンジン 製造例7の方法に準じて調製したシラップ状のα−グ
ルコシル糖化合物を含有するα−グリコシル−ナリンジ
ン製品1部を水4部に溶解し、これにグルコアミラーゼ
をα−グリコシル−ナリンジン製品固形物グラム当り10
0単位加え、50℃で5時間反応させた。反応液を薄層ク
ロマトグラフィーで分析したところ、α−グリコシル−
ナリンジンは、α−グルコシル−ナリンジンに転換して
いた。
反応液を加熱して酵素を失活させ、濾過し、濾液を
『ダイヤイオンHP-10』のカラムにSV2で通液した。その
結果、溶液中のα−グルコシル−ナリンジンと未反応ナ
リンジンとが多孔性合成吸着剤に吸着し、グルコース、
塩類などは吸着することなく流出した。次いで、カラム
を水で通液、洗浄した後、エタノール水溶液濃度を段階
的に高めながら通液し、α−グルコシル−ナリンジン画
分を採取し、減圧濃縮し、粉末化して粉末状のα−グル
コシル−ナリンジンを原料ナリンジンに対して約55%の
収率で得た。
このα−グルコシル−ナリンジンを酸で加水分解した
ところ、ナリンゲニン1モルに対しL−ラムノース1モ
ル、D−グルコース2モルを生成した。また、ブタの肝
臓から抽出し部分精製したα−グルコシダーゼを作用さ
せると、ナリンジンとD−グルコースとに加水分解され
ることが判明した。
高度に精製されたα−グルコシル−ナリンジンを含有
する本品は、安全性、水溶性高く、生理活性も充分で、
養毛剤に有利に使用することができる。
次に、本発明の実施例を2〜3示す。
〔実施例〕
実施例 1 養毛剤 エタノール55.0部、ポリオキシエチレン(8)オレイ
ルアルコールエーテル2.0部、精製水43.0部、製造例4
の方法で調製したα−グルコシル−ルチン2.0部及びビ
タミンE1.0部に適量の香料、ヒノキチオール及び染料を
常法に従って配合し、ヘアトニック・タイプの養毛剤を
調製した。
本品は、α−グルコシル−ルチン及びビタミンEとを
配合した養毛剤であり、ヒト及び動物の発育毛促進やフ
ケ、カユミ、抜毛の治療、予防に有利に使用することが
できる。
本品には香気や清涼感を与える作用があることから、
ヘアトニックに好適である。また、α−グルコシル−ル
チンが紫外線吸収剤として作用することから、本品は頭
皮の保護剤や外傷治療剤としても好適である。
実施例 2 養毛剤 実施例1の養毛剤に於いて、α−グルコシル−ルチン
2.0部の代えて製造例2の方法で調製した2−0−α−
D−グルコシル−L−アスコルビン酸3.0部を配合して
同様にヘアトニック・タイプの養毛剤を調製した。
本品は、2−0−α−D−グルコシル−L−アスコル
ビン酸を配合した養毛剤であり、ヒト及び動物の発育毛
促進やフケ、カユミ、抜毛の治療、予防に有利に使用す
ることができる。
本品には香気や清涼感を与える作用があることから、
ヘアトニックに好適である。また、2−0−α−D−グ
ルコシル−L−アスコルビン酸が紫外線吸収剤として作
用したり、皮膚に吸収されてコラーゲン合成を促進する
ことから、本品は頭皮の保護剤や外傷治療剤としても好
適である。
実施例 3 養毛剤 ポリオキシプロピレン(40)ブチルエーテル20.0部、
製造例6の方法で調製したα−グルコシル−ヘスペリジ
ン3.0部、エタノール55.0部及び精製水23.0部に適量の
香料、染料及び防腐剤を常法に従って配合し、ヘアリキ
ッド・タイプの養毛剤を調製した。
本品は、α−グルコシル−ヘスペリジンを配合した養
毛剤であり、ヒト及び動物の発育毛促進やフケ、カユ
ミ、抜毛の治療、予防に有利に使用することができる。
本品には整髪作用や清涼感を与える作用があることか
ら、ヘアリキッドに好適である。また、α−グルコシル
−ヘスペリジンが紫外線吸収剤として作用すことから、
本品は頭皮の保護剤や外傷治療剤としても好適である。
実施例 4 養毛剤 常法により、流動パラフィン80.0部、オリーブ油18.0
部、製造例8の方法で調製したα−グルコシル−ナリン
ジン2.5部及び香料1.0部を配合してヘアオイル・タイプ
の養毛剤を調製した。
本品は、α−グルコシル−ナリンジンを配合した養毛
剤であり、ヒト及び動物の発育毛促進やフケ、カユミ、
抜毛の治療、予防に有利に使用することができる。
本品には毛髪の艶出しや、皮膚に対する消炎作用があ
り、ヘアオイルに好適である。
実施例 5 養毛剤 常法により、ミツロウ3.0部、製造例3の方法で調製
したα−グリコシル−ルチン3.0部、ワセリン15.0部、
流動パラフィン42.0部、ポリオキシエチレン(5)ステ
アリン酸エステル3.0部、ポリオキシエチレン(6)オ
レイルアルコールエーテル2.0部、ポリオキシエチレン
(6)セチルアルコールエーテル1.0部及び精製水34.0
部に適量の香料及び防腐剤を配合してヘアクリーム・タ
イプの養毛剤を調製した。
本品は、α−グリコシル−ルチンを配合した養毛剤で
あり、ヒト及び動物の発育毛促進やフケ、カユミ、抜毛
の治療、予防に有利に使用することができる。
本品には毛髪の艶出し作用や、皮膚に対する栄養補給
並びに消炎作用があり、ヘアクリームに好適である。
実施例 6 養毛剤 常法により製造例1の方法で調製したα−グリコシル
−L−アスコルビン酸1.5部、製造例5の方法で調製し
たα−グリコシル−ヘスペリジン1.0部、塩酸アルキル
ジアミノエチルグリシン液0.2部、ラウリルジメチルア
ミノ酢酸ベタイン20.0部、ラウリルメチルタウリド25.0
部及び精製水に適量の防腐剤と香料を加熱溶解してシャ
ンプー・タイプの養毛剤を調製した。
本品は、α−グリコシル−L−アスコルビン酸及びα
−グリコシル−ヘスペリジンを配合した養毛剤であり、
ヒト及び動物の発育毛促進やフケ、カユミ、抜毛の治
療、予防に有利に使用することができる。
本品は毛髪の洗浄能に優れ、毛髪を傷めないシャンプ
ーにも好適である。
実施例 7 養毛剤 製造例1の方法で調製したα−グリコシル−L−アス
コルビン酸2.0部、製造例3の方法で調製したα−グリ
コシル−ルチン2.0部、塩化ジステアリルメチルアンモ
ニウム2.0部、セタノール2.0部、シリコンオイル2.0部
及びポリオキシエチレンオレイルアルコールエーテル1.
0部及び適量の香料を加熱溶解し、これに1,3−ブチレン
グリコール3.0部、精製水89.0部及び適量の防腐剤から
なる混合物を撹拌しながら加え、冷却した後、放置して
リンス・タイプの養毛剤を得た。
本品は、α−グリコシル−L−アスコルビン酸とα−
グリコシル−ルチンとを配合した養毛剤であり、ヒト及
び動物の発育毛促進やフケ、カユミ、抜毛の治療、予防
に有利に使用することができる。
本品は毛髪のリンス効果に優れており、ヘアリンスに
好適である。
〔発明の効果〕
叙上のように、本発明の養毛剤は、α−グリコシル−
L−アスコルビン酸及び/又はα−グリシコル−バイオ
フラボノイドを配合したので、ヒト及び動物に適用して
副作用なく、頭髪、眉毛、口髭、顎髭などの毛髪に対し
て顕著良好な発育毛効果を発揮する。
また、本発明の養毛剤は、フケ、カユミ、切毛、抜毛
の治療・予防や、頭皮の紫外線からの保護や、頭皮の外
傷治療に著効を発揮する。
従って、本発明の養毛剤は、ヒトに於ける各種脱毛症
の治療・予防の他、毛を採取するか毛皮を利用する動物
の商品価値を高めたり、愛玩動物などの毛並みを良くす
るという実益がある。
本発明の養毛剤がこのように顕著な作用効果を発揮す
るのは、有効成分であるα−グリコシル−L−アスコル
ビン酸やα−グリコシル−バイオフラボノイドが安定
で、ヒトや動物の皮膚に対して顕著に高い親和性を発揮
して容易に皮下滲透し、本来のビタミンC或はビタミン
Pとしての作用を発揮するからであると考えられる。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】α−グリコシル−L−アスコルビン酸、α
    −グリコシル−ルチン、α−グリコシル−ヘスペリジン
    及びα−グリコシル−ナリンジンからなる群から選ばれ
    る少なくとも一種を有効成分として含有せしめたことを
    特徴とする養毛剤。
  2. 【請求項2】α−グリコシル−L−アスコルビン酸が2
    −O−α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸である
    ことを特徴とする請求項1記載の養毛剤。
  3. 【請求項3】有効成分としてのα−グリコシル−L−ア
    スコルビン酸、α−グリコシル−ルチン、α−グリコシ
    ル−ヘスペリジン及びα−グリコシル−ナリンジンから
    なる群から選ばれる少なくとも一種を0.001乃至10重量
    %含有せしめたことを特徴とする請求項1又は2記載の
    養毛剤
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