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JP2916516B2 - 金属酸化物微粒子から液体金属を製造する方法およびこの方法を実施するための還元精錬炉 - Google Patents

金属酸化物微粒子から液体金属を製造する方法およびこの方法を実施するための還元精錬炉

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JP2916516B2
JP2916516B2 JP4505809A JP50580992A JP2916516B2 JP 2916516 B2 JP2916516 B2 JP 2916516B2 JP 4505809 A JP4505809 A JP 4505809A JP 50580992 A JP50580992 A JP 50580992A JP 2916516 B2 JP2916516 B2 JP 2916516B2
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space
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reduction
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は請求の範囲第1項の上位概念に記載のような
方法および請求の範囲第10項の上位概念に記載のような
還元精錬炉に関するものである。
背景技術 その種の方法はDE−A−2132150から公知である。そ
の方法では、予備還元サイクロン内で予備還元された粉
鉱は仕上げ還元サイクロン内で本質的に一酸化炭素から
なる精錬精製装置からの熱廃ガスにより仕上げ還元さ
れ、固形排出物として精錬精製装置に供給される。その
装置では固形排出物は溶解され、同時に、炭素過剰の不
完全燃焼により還元ガスを生成し、ついで酸素で生成さ
れる。
仕上げ還元サイクロン内での還元速度は本質的に温度
によって決る。粘着効果(Sticking−Effektes)として
知られる効果、すなわち、微粒ないし粉塵状の海綿鉄が
850℃を超える温度で相互に粘着する傾向により、仕上
げ還元サイクロンの最適還元条件を設定することができ
ず、850℃を超える温度の還元ガスにより粉鉱を高度に
金属化し、次いで精錬する、基本的に理想的な手順を達
成することは技術的にも経済的にも未だ不可能である。
粉鉱用精錬還元法として知られる方法においては、粉
鉱は溶融状態で還元される。その目的のために、EP−B1
−0063924に開示された方法は、高度に加熱された空気
または酸素富化空気が、コークス柱を収容した精錬還元
炉の下方領域に噴射されるように構成し、それによりノ
ズルの前に2000℃ないし2500℃の高温帯域が形成される
ようにしている。噴射ノズルの上方にはさらにノズルが
配置されており、それらを通って予備還元された熱い粉
鉱が熱空気または酸素により噴射される。その状況で
は、予備還元された粉鉱はまず酸化され、ついで反応熱
により溶融され、高温帯域からの上昇運動している熱ガ
スに対して向流でコークス床を通って沈降する間に仕上
げ還元されるとともに、液体状態で床の領域に集められ
る。炉の下方領域の熱供給は十分に行い、固体床で下降
運動する間に還元される際の液化酸素鉄が受け入れがた
い程に冷却されるのを防止しなければならない。
粉鉱の予備還元は別個の予備還元ステージで、または
精錬還元炉に一体化された予備還元ステージで起こり、
精錬炉からの廃ガスが還元ガスとして使用されている。
発明の開示 本発明の目的は本明細書の冒頭部分に記載されたよう
な種類の方法における効率のレベルを向上させること、
および粉鉱の固体還元を「粘着効果」が起きる温度より
高温で可能にすることである。
本発明は、さらに、エネルギーの全消費量が減少し、
余剰ガスが減少または無くなるようにすることを求めて
いる。
本発明は、さらに、上述した方法を実施するための、
炉のライニングのための耐火材料の消費が少ない還元精
錬炉を提供することを求めている。
本発明に従う方法は請求の範囲第1項の特徴を特徴と
し、本発明に従う装置は請求の範囲第10項の特徴を特徴
としている。本発明に従う方法および本発明に従う装置
の有利な構成は他の請求の範囲に記載されている。
本発明に従う方法において、熱還元ガスで仕上げ還元
スペースに吹き込まれる微粒ないし粉塵状金属酸化物粒
子は、これらの粒子を担持したガスが通過する加熱され
た塊状材料フィルター層に保持され、そこを通過する還
元ガスにより仕上げ還元される。その状況では、「粘着
効果」はわざと黙視され、850℃を超える、好ましくは
還元反応がより迅速で起きる950℃程度、の温度の還元
ガスで操作が可能なようにしている。本発明において
は、最終還元スペース内に噴射される還元ガスは850℃
ないし950℃の温度であることが好ましい。フィルター
に堆積し付着し、ここで還元されて海綿鉄を形成する材
料によりフィルターでの圧力降下が増加する。従って、
好ましくは石炭粉塵と混合された酸素含有ガスをフィル
ター層に吹き付けることにより、該フィルター層に付着
した材料は溶融され、該フィルター層を液体状態で通過
し、該フィルター層の下に配置された液体金属受領スペ
ースに受領される。その手順では、フィルター層は金属
の液相温度を超えて加熱され、同時に浄化される。
最終還元スペース内に噴射される前に、金属酸化物粒
子が加熱され、予備還元ステージの予備還元スペース内
で流動床の熱還元ガスにより予備還元されるのが好まし
い。使用される還元ガスは、好ましくは、フィルター層
を通過した最終還元スペースからの廃ガスの少なくとも
一部および/または液体金属用受領スペースからの廃ガ
スの少なくとも一部である。予備還元ステージで金属酸
化物粒子を残存酸素含有量が40%ないし60%になるまで
還元することが好ましく、約50%まで金属酸化物粒子が
還元されれば十分であり、その場合は、温度は顕著な
「粘着効果」が起きる限度より下に維持される。金属酸
化物粒子は予備還元ステージで750℃ないし850℃の温度
に加熱されるのが好ましい。
受領スペース内の液体金属を湯出し温度にするため
に、酸素含有ガスおよび燃料、好ましくは粉塵状石炭、
が金属浴の上方に噴射されるのが有利である。燃料は金
属浴の上方に形成される石炭の流動床により形成されて
いてもよく、その際石炭は受領スペースの上方領域に供
給される。それにより、また、追加の還元ガスが得られ
る。
金属酸化物粒子を伴って最終還元スペース内に噴射さ
れる還元ガスとして改質器で生成されたガスを使用する
のが有利であることが見出された。この点に関して、DE
−A−4028853に記載されているような装置が改質器と
して特に好適である。ENOR法と呼ばれる手順では、CO2
/H2含有ガスの改質は、熱担体粒子により工程熱を供給
される反応器にガス化剤(石炭または炭化水素)を添加
することにより行われる。熱担体粒子はヒーターの閉じ
られた回路内で燃焼室で生成された燃焼ガスにより加熱
される。その目的で最終還元スペース、液体金属用受領
スペースまたは予備還元サイクロンからの廃ガスの一部
が燃焼室に供給され、そこで空気と燃焼される。
層厚が好ましくは20cmと50cmの間の塊状材料フィルタ
ー層はコークスのような固体炭素材料、セラミック片の
ような耐火材料、またはこれらの混合物から形成するこ
とができる。重要なのはフィルター層のガス透過能と耐
熱性である。フィルター層は支持グリッド上または間に
形成し、周期的または連続的に新しい材料を供給するこ
とによりフィルター層の消耗された材料が交換されるよ
うにしてもよい。
最終還元スペースは上方および下方領域の方方共にフ
ィルター層によって郭成されているのが好ましい。その
ような構成によって、一方において、海綿鉄を溶融する
際に還元精錬炉のライニングが高温火炎の直接作用から
保護され、他方において、単に、フィルター層の下方領
域の消費された材料をフィルター層の上方領域からの材
料によって補充し、上方領域には上方から代りに新しい
材料が補給されるようにすることが可能である。塊状炭
素材料を含有するフィルター層の場合、粗大粒または塊
状金属酸化物粒子もフィルター層に添加してもよい。そ
のような粒子は下方領域、すなわち高温火炎に曝されて
いる領域で還元され溶融される。
酸素含有ガスのフィルター層に対する送気はフィルタ
ー層を通過する液体金属と向流ならびに併流で行っても
よい。すなわち、高温火炎は下方からでも上方からでも
フィルター層に対して吹き付けることができる。高温火
炎の廃ガスは液化金属と同じ方向にフィルター層を通っ
て案内されるのが好ましい。すなわち、高温火炎はフィ
ルター層の頂部側に向けられ、廃ガスは還元ガスおよび
液体金属と同じ方向にフィルター層を流通する。その
際、酸素含有ガスは最終還元スペース内に、周期的に金
属酸化物粒子を装荷された還元ガスと交互にまたは連続
的に噴射することができる。
上述した方法を実施するのに適した還元精錬炉は上方
還元スペースと隔壁を有する下方受領スペースとを備
え、隔壁は支持グリッドにより保持され塊状石炭、特に
コークス、および/またはセラミック片からなる塊状材
料フィルター層により部分的に形成されるとともに、ガ
スおよび材料通路を最終還元スペースと受領スペースと
の間に形成している。
これら2つのスペースの間の隔壁は下方に向って収束
する形状をしているのが好ましい。
本発明の別の態様に従えば、2つのスペースの間の隔
壁に上方に向って外套状隔壁が隣接しており、この外套
状隔壁は上述した還元スペースを環状ガススペースに対
して側方に限定しているとともに、支持グリッドにより
支持された塊状材料フィルター層で少なくとも一部が形
成されている。隔壁の上端の装入開口は上方領域ならび
に下方領域の塊状材料フィルター層用の材料の補充を可
能にしている。隔壁は最終還元スペースの領域において
炉容器の耐火ライニングを高温火炎に対して遮蔽する。
本発明は3つの図面を参照して2つの実施態様により
詳細に説明する。
図面の簡単な説明 第1図は循環操作される還元精錬工程における還元相
の工程図である。
第2図は上述した工程の精錬浄化相を示す。
第3図は別の構成を有する還元精錬炉を用いた連続工
程を示す。
発明を実施するための最良の形態 第1図および第2図に示される工程図において、還元
精錬炉1は上方最終還元スペース2と液体金属4用の下
方受領スペース3とを有する。上方最終還元スペース2
は入口5を有し、これを通って金属酸化物微粒子と還元
ガスが最終還元スペース2内に噴射される。その目的
で、上方管6と並んで同心軸の内管7があり、この内管
7は入口5に向って外管6の長さの一部分にわたっての
み延在しており、還元ガスは外管6と内管7との間の環
状スペースに供給され、金属酸化物微粒子は内管7に供
給される。
最終還元スペース2は受領スペース3から隔壁8によ
って分離されており、この隔壁8は塊または片の形状の
石炭、特にコークスおよび/またはセラミック片からな
る塊状材料フィルター層9により形成されており、最終
還元スペース2と受領スペース3との間のガス・材料通
路を形成している。塊状材料フィルター層の材料は流体
冷却された支持グリッド10により支持されている。この
グリッドは2つのスペースの間で下方に収束する形をし
ている。そのようにして、フィルター層の材料の安息角
により、支持グリッドにより上限を課されることなく、
ほぼ均一な厚さのフィルター層9を隔壁8の領域に形成
しかつ維持することができる。
受領スペース3は液体金属4用の湯出し口11と液体金
属4上に浮遊するスラグ13用の湯出し口12を有する。上
方領域において受領スペース3は複数のガス出口14を有
し、これらは周面に沿って分配配置され、捕集導管15内
に開いている。この捕集導管15により廃ガスを受領スペ
ース3から導管16を介して除去することができる。
微粒石炭を混合されていることがある酸素含有ガスを
噴射するためのノズル17の少なくとも1個が下方領域に
おいて浴の最高液面のすぐ上に開いている。その上方で
受領スペースの側壁に炭素材料用の装入開口18が設けら
れており、この開口により塊状の石炭を受領スペース内
に装入してそこに石炭の流動床19をスラグ層13の上方に
形成することができる。
第1図および第2図に示される還元精錬炉では、2つ
のスペース2および3の間の隔壁8に上方に向ってさら
なる外套状隔壁20が隣接し、この隔壁20は最終還元スペ
ース2を環状ガススペース21に対して制限している。下
方隔壁8と同様に隔壁20は塊状材料フィルター層9によ
り形成され、この層9は支持グリッド22により保持さ
れ、塊状石炭、特にコークス、および/またはセラミッ
ク片を含んでなり、隔壁8の塊状フィルター層9に切れ
目無く移行している。隔壁20は上方に収束する形をして
いるので、フィルター層9の材料の安息角が隔壁の上方
の円錐角と同じであれば、図示の実施態様では存在する
外側支持グリッド23がなくてもフィルター層9の所望の
厚さが維持される。
環状ガススペース21はその周面に沿って複数の開口24
が分配されており、これらの開口は捕集導管25に接続さ
れている。捕集導管25はガス導管26および27に連絡し、
それぞれガスを環状スペース21に導入およびそこからガ
スを除去している。環状スペース21は環状隔壁46により
受領スペース3から分離されている。この場合、閉鎖で
きるガス通路(図示せず)を隔壁46に設けて、環状ガス
スペース21と受領スペース3との間を連絡することがで
きる。制御可能なガス通路は上述した2つのスペースの
間に閉鎖できるバイパス導管により設けてもよい。
外套状隔壁20の頂部には塊状材料フィルター層9の材
料用の環状装入開口28が設けられている。材料はその装
入開口に中央取り込み開口30を介し複数の下降管29を通
して供給することができる。外套状隔壁20を貫通して周
面に沿って複数のノズル31が分布される、下方隔壁8の
内側に向けられている。これらのノズルは下方隔壁を貫
通していてもよい。酸素含有ガスと場合によって石炭と
はそれらのノズルを通って下方フィルター層9に吹き込
まれ、そこで高温火炎を発生するようにすることができ
る。
最終還元スペース2へ内管7により供給することがで
きる金属酸化物微粒子は予備還元されているのが好まし
い。その目的で、予備還元サイクロン32が設けられてお
り、このサイクロンへ導管27により環状ガススペース21
から除去される廃ガス(別のキャリヤガスでもよい)に
より金属酸化物微粒子、特に酸化鉄粒子が供給される。
金属酸化物粒子は、場合によって粉状石炭とともに、廃
ガス導管27に接続された供給導管33により供給される。
予備還元された金属酸化物粒子は導管34により内管7に
連絡する下方出口を介して予備還元サイクロン32を離れ
る。予備還元サイクロ32からの廃ガスは導管35を介して
ガス改質器36とまたは導管37を介して廃ガス煙突と連絡
する上方ガス出口により除去される。ガス改質器36は導
管35を介する予備還元サイクロン32からの廃ガスと導管
16を介する受領スペース3からの廃ガスを選択的にまた
は一緒に受領することができる。ガス改質操作に必要な
エネルギーも同様に予備還元サイクロン32からの廃ガス
または受領スペース3からの廃ガスのいずれかから得ら
れる。その目的で、導管35および/または導管16のガス
流の一部分を枝分かれさせ、改質器36の燃焼室内で空気
と燃焼させ、廃ガス煙突に通される。その構成は図面を
より見易くするために図示されていない。
ガス改質器で改質されるガスは選択的に導管38により
還元精錬炉1の外管6と内管7との間の環状スペースへ
または導管26により捕集導管25へ送ることができる。上
述した予備還元された金属酸化物粒子を内管7を介して
供給し、ガス改質器36で調製された熱還元ガス38を内管
7と外管6との間の環状スペースにより供給することに
より、還元ガスに含まれ、下方隔壁8のフィルター層9
に向けられる材料の流れが与えられるので最終還元スペ
ース2内のその領域に材料が好適に蓄積される。上述し
た材料用導管およびガス用導管は公知の遮蔽部材39ない
し45を備えている。さらに、この装置は粉塵除去装置、
ガススクラバ、ブロワ、熱交換器などの設備(図示せ
ず)を備えている。
第1図および第2図を参照しながら、循環工程の操作
について説明する。ここに、第1図は還元相を示し、第
2図は精錬浄化相を示す。作動状態に切り変えられた導
管はそれぞれ太線で示されている。
還元相では、石炭と混合された粉鉱が導管33により予
備還元サイクロン32へ供給され、最終還元スペース2か
らの廃ガスが導管27により供給される。粉鉱は予備還元
サイクロン32内で約850℃に予備加熱され、残存酸素含
有量が約55%になるまで予備還元される。予備還元サイ
クロン32の代りに複数のサイクロン、公知の循環流動床
その他の粉鉱予備還元用の公知の装置を使用することも
できる。
予備還元された粉鉱は内管7により新鮮な還元ガスと
ともに入口5を通って最終還元スペース2内に吹き込ま
れる。新鮮な還元ガスは導管38によりガス改質器36から
供給され、約950℃の温度であり、組成はCO+H2>90%
である。反応速度の理由からガス温度は最終還元スペー
ス内で実質的な「粘着効果」が生じる温度より高くなけ
ればならないが、この方法はより低いガス温度でも有利
に使用することができる。流動床またはサイクロンにお
ける粉鉱還元と比較して、フィルター層に堆積する微粒
子は同層を流通する熱還元ガスに対してより強くより長
い時間曝されることができる。
予備還元された粉鉱を装荷されたガスは支持グリッド
10上に支持された隔壁8の予め加熱されたフィルター層
9に衝突する。ガスはフィルター層を通過するが、微粒
子は粘着傾向により同層に吹くして残り、その結果、隔
壁8の下方フィルター層9を通って受領スペース3に、
かつそこから捕集導管15に抜きとられる還元ガスとだけ
でなく、隔壁20の上方フィルター層9により環状ガスス
ペース21に、かつそこから捕集導管25に抜きとられる還
元ガスとも十分長い時間接触した状態に保持することが
できる。捕集導管15を通って抜きとられるガスはガス導
管16により改質器36へ移動し、そこで処理されて還元ガ
スとなり、導管38により供給される。捕集導管25により
抜きとられたガスはガス導管27により予備還元サイクロ
ンに移動する。サイクロンからの廃ガスはガス導管35に
よりガス改質器36へ追加的に供給するか、あるいは導管
37により廃ガス煙突に導いてもよい。
フィルター層9が完全に還元された粉鉱で目詰まりす
ることにより還元精錬炉からのガスの圧力降下が所定の
限界に達すると、還元相に続いて第2図の工程図に示さ
れる精錬浄化相が実施される。
この相では、冷たいまたは予備加熱された酸素含有ガ
スが、好ましくは石炭粉塵のような燃料と一緒に、ノズ
ル31を通って隔壁8のフィルター層9に対して吹き付け
られ、そのようにして2000℃ないし2500℃の間の高温火
炎が生成され、この高温火炎により、フィルター層上お
よび内に保持された金属化された粒子が溶融され、液体
状態でフィルター層を通り、受領スペース3内に移動す
る。同時にフィルター層は金属の液相温度を超えて加熱
され、浄化される。図示の実施態様では、この相の間、
予備還元材料の内管7への供給および導管38を通る還元
ガスの噴射は阻止され、その代りに、受領スペース3か
らのガスが導管16により供給し続けられるガス改質器36
からの還元ガスが導管26により環状ガススペース内に噴
射される。上方隔壁20のフィルター層9を通してガス流
を逆転させることによりその領域のフィルター層も浄化
される。換言すれば、依然として緩い状態にあり同層に
付着している予備還元された粉鉱は最終還元スペース2
を通って精錬領域に移動し、そこで下方隔壁8のフィル
ター層9を通してガスを放出する。
精錬操作は一部は高温火炎の放射により、一部は引き
続き起こるフィルター層を通る熱廃ガスの流れを伴う対
流により行われる。フィルター層の噴射された石炭およ
びコークスからの余剰の炭素で、この工程はCO2+H2Oか
らCO+H2への還元が盛んに起こり、捕集導管15により取
り出されるガスの温度が低下する。高温火炎からの当初
高温に加熱されフィルター層上で鉄の液化を実現するガ
スがフィルター層中のコークス中でブードアール反応の
結果再び冷却されるので、熱損失は低レベルに維持さ
れ、熱効率が高められる。
フィルター層の材料は隔壁の領域で消費される(フィ
ルター層中のコークスがブードアール反応により消費さ
れ、セラミック片は溶融される)のでフィルター層は隔
壁8の領域において周期的または連続的に交換されなけ
ればならない。図示の実施態様では、それは外套上隔壁
20の領域において上方に延在するフィルター層9により
行われ、下降管29により連続的に補給される。
第1図および第2図に示される還元精錬炉の特別の利
点は炉の耐火材料(図示せず)が溶融操作に必要な高い
火炎温度に対して、下方隔壁8および外套状隔壁20のフ
ィルター層により防御されていることである。精錬浄化
相において最終還元スペース2に生じる大量の熱はフィ
ルター層と水冷支持グリッド10および22によりそれぞれ
吸収され、その際、逆転相において環状ガススペース21
により上方隔壁20のフィルター層内に噴射される還元ガ
スによりさらなる冷却作用が生じる。精錬浄化相におい
て隔壁8のフィルター層を通過する液体鉄は受領スペー
ス2に滴下し、その底部に溶融浴4の形で捕集される。
溶融浴内の温度を十分高く維持したり、その温度を湯出
し温度まで上昇させるために、酸素含有ガスがノズル17
により噴射され、装入開口18を介して石炭を供給するこ
とにより石炭の流動床19が噴射帯域の上方に形成され
る。このようにして追加の還元ガスが生成され、捕集導
管15により除去されガス改質器36に供給される。
精錬浄化相の後、フィルター層9は浄化され、かつ、
加熱され、第1図を参照して説明された還元相が再び実
施される。その目的で、遮蔽部材39ないし45が対応して
切り変えられる。
還元相および精錬相を有する循環方法を第1図および
第2図を参照して説明したが、それら2つの相は適当に
適合させることにより結合して連続方法とすることもで
きる。その場合、酸素含有ガスと石炭はノズル31を通っ
て連続的にまたは短い中断を伴うだけで噴射され、下方
隔壁8のフィルター層9に付着する材料は連続的に溶融
される。
第3図も還元精錬炉の変形例を用いた連続工程を示
す。第1の実施態様の部品に相当する部品は同じ符号で
示し説明は省略する。
第3図に示される還元精錬炉100では、上方隔壁20は
円筒の形をしている。フィルター層9の材料は第1の実
施態様に関して説明したのと同様に環状装入開口28に供
給される。酸素含有ガスを最終還元スペース2内に噴射
するためのノズル31は中央管131に置き換えられ、その
下端は隔壁8のフィルター層9に向けられた複数のノズ
ル開口を有する。さらに、第1の実施態様の管6および
7から形成された、予備還元された粉鉱および熱還元ガ
ス用の複数の噴射装置がある。同心軸管6および7は環
状装入開口28内の内側に中央管131の周りに分配された
状態に配置されている。
第3図に示される実施態様では、予備還元された粉鉱
は熱還元ガスとともに最終還元スペース内に管6/7を通
して吹き込まれる。同時に、酸素含有ガスと場合によっ
て石炭とは中央管131により噴射され、それが起きる
と、高温火炎が隔壁8のフィルター層9のすぐ上の領域
に生成される。ガスは下方隔壁8および側方隔壁20のフ
ィルター層9により最終還元スペース2を離れ、ガス出
口14および24から導管16および26/47によりガス改質器3
6へリサイクルされる。上方フィルター層20はガス流を
導管26により逆転させることによりおりにふれて浄化す
ることができる。フィルター層9に付着する粒子は高温
火炎により連続的に溶融され、下方フィルター層を通っ
て受領スペース3内に移動する。
上述した還元精錬炉は装入開口28により供給されフィ
ルター層9の材料と混合された塊状鉱を追加的に還元精
錬するのにも適している。この場合、最後に説明した方
法の逆転時のように、改質器36からの熱還元ガスは管6
を通って吹き込まれるだけでなく、導管26により入口24
を通って環状ガススペース21内に、ついで外套状隔壁20
を通って最終還元スペース2内にも吹き込まれる。フィ
ルター層9のコークス含有材料はフィルター層の下方領
域で消費されるが、下方に移動するにつれて加熱され、
環状スペース21に供給された熱還元ガスにより還元され
る。フィルター層の燃焼により材料が外套状隔壁20の領
域から出て下方隔壁8の領域に移動すると、そこで高温
火炎により発生された熱により溶融され、最終還元スペ
ースからの還元された材料とともに受領スペース3内に
滴下する。
上述したそれぞれの実施態様では、フィルター層は下
方領域、すなわち隔壁8の領域、において20cmないし50
cmの間の厚さに調整されている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭49−110519(JP,A) 特開 昭63−118021(JP,A) 特開 昭60−59008(JP,A) 特開 昭62−56537(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C21B 11/00 - 13/14

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属酸化物粒子を熱還元ガスと共に最終還
    元ステージの最終還元スペース内に吹き込み、そこで仕
    上げ還元をし、ついで溶融して金属酸化物微粒子から液
    体金属を製造する方法において、塊状石炭からなる加熱
    された塊状材料フィルター層に前記粒子を担持する前記
    ガスを通し、前記粒子の大部分を前記フィルター層上お
    よび中に保持し前記還元ガスにより仕上げ還元するとと
    もに、前記フィルター層に対して吹き付けられる酸素含
    有ガスにより前記フィルター層の前面で高温火炎を発生
    させ、該火炎により前記フィルター層の上および中に保
    持された前記金属化された粒子を溶融し、前記フィルタ
    ー層を液体状態で通過して液体金属用の受領スペース内
    に移動し、同時に前記フィルター層は前記金属の液相温
    度より高い温度に加熱して浄化することを特徴とする液
    体金属製造方法。
  2. 【請求項2】最終還元スペース内に噴射される前に、前
    記金属酸化物粒子は予備還元ステージの予備還元スペー
    ス内で流動床の熱還元ガスにより加熱し予備還元するこ
    とを特徴とする請求の範囲第1項記載の方法。
  3. 【請求項3】金属浴の上方に噴射される酸素含有ガスお
    よび石炭の供給により前記液体金属用の前記受領スペー
    スに石炭の流動床を形成することを特徴とする請求の範
    囲第1項または第2項に記載の方法。
  4. 【請求項4】前記液体金属用の受領スペースからの熱廃
    ガスを前記予備還元スペースおよび/または還元ガス生
    成用のガス改質器に供給することを特徴とする請求の範
    囲第1項ないし第3項の1つに記載の方法。
  5. 【請求項5】前記予備還元スペースの前記廃ガスを前記
    還元ガス生成用にガス改質器に供給することを特徴とす
    る請求の範囲第2項ないし第4項の1つに記載の方法。
  6. 【請求項6】前記最終還元スペースを上方および下方領
    域の双方においてフィルター層により限定し、還元ガス
    を前記最終還元スペース内に少なくともときどき前記上
    方領域において前記フィルター層を通して導入し、予備
    還元された金属酸化物粒子を装荷した前記還元ガスと前
    記高温火炎からの熱廃ガスを前記下方領域の前記フィル
    ター層を通して搬出することを特徴とする請求の範囲第
    1項ないし第5項の1つに記載の方法。
  7. 【請求項7】予備還元された金属酸化物粒子を装荷され
    た還元ガスと酸素含有ガスとを周期的に交互に最終還元
    スペース内に噴射することを特徴とする請求の範囲第1
    項ないし第6項の1つに記載の方法。
  8. 【請求項8】前記塊状材料フィルター層を支持グリッド
    上または間に形成し、フィルター層の消費された材料を
    新しい材料に周期的または連続的に置き換えることを特
    徴とする請求の範囲第1項ないし第7項の1つに記載の
    方法。
  9. 【請求項9】粗粒または塊状金属酸化物粒子を前記フィ
    ルター層に供給することを特徴とする請求の範囲第1項
    ないし第8項の1つに記載の方法。
  10. 【請求項10】粒子状固体材料およびガスのための入口
    (5,31)とガス出口(8)とを有する金属酸化物微粒子
    の還元のための最終還元スペース;および 前記最終還元スペースからの廃ガス用の材料およびガス
    入口(8)とガス出口および液体金属とスラグ用の湯出
    し口を有する、前記金属酸化物粒子から製造される液体
    金属を受領するための受領スペースを備えた還元精錬炉
    において、 前記最終還元スペースおよび前記受領スペースは、隔壁
    により相互に分離されており、該隔壁は、支持グリッド
    (10)により保持された塊状石炭を包含する塊状材料フ
    ィルター層により少なくとも一部分が形成されていると
    ともに、ガスおよび材料通路を前記最終還元スペースと
    前記受領スペースとの間に形成していることを特徴とす
    る還元精錬炉。
  11. 【請求項11】前記最終還元スペースと前記受領スペー
    スとの間の前記隔壁は下方に収束する形をしていること
    を特徴とする請求の範囲第10項記載の炉。
  12. 【請求項12】外套状隔壁が前記最終還元スペースと前
    記受領スペースとの間の前記隔壁に上向きに隣接し、前
    記最終還元スペースを環状ガススペースに関して制限
    し、 前記外套状隔壁も支持グリッドにより保持され塊状石炭
    を包含してなる塊状材料フィルター層により少なくとも
    一部分が形成され、かつ、 前記環状ガススペースは前記環状ガススペースにガスを
    導入しおよび/またはそこから排出するための少なくと
    も1つの開口を有することを特徴とする請求の範囲第10
    項または第11項記載の炉。
  13. 【請求項13】前記外套状隔壁は頂部に前記塊状材料フ
    ィルター層の材料のための装入開口を備えたことを特徴
    とする請求の範囲第10項ないし第12項の1つに記載の
    炉。
  14. 【請求項14】ノズル(31)が前記隔壁および前記外套
    状隔壁を貫通し、前記隔壁の内側に向けられていること
    を特徴とする請求の範囲第10項ないし第13項の1つに記
    載の炉。
  15. 【請求項15】支持グリッド(10,22,23)は冷却流体の
    ためのダクトを有することを特徴とする請求の範囲第10
    項ないし第14項の1つに記載の炉。
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