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JP2970884B2 - 血管弾性率測定用プローブ装置 - Google Patents

血管弾性率測定用プローブ装置

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JP2970884B2
JP2970884B2 JP3100187A JP10018791A JP2970884B2 JP 2970884 B2 JP2970884 B2 JP 2970884B2 JP 3100187 A JP3100187 A JP 3100187A JP 10018791 A JP10018791 A JP 10018791A JP 2970884 B2 JP2970884 B2 JP 2970884B2
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JP
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blood vessel
ultrasonic
ultrasonic probe
diameter
wall
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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、血管の径方向へ送波す
る超音波の受信までの時間と脈圧に基づき血管弾性率を
測定する血管弾性率測定用プローブ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】動脈硬化は加齢とともに若年より進行
し、老年期に至って各種疾患を引き起こすが、動脈硬化
度に関する定量的診断技術は未だ確率されておらず、早
期に動脈硬化の進行の程度を把握できる手法の開発が
たれており、動脈硬化度を高精度に測定できる装置の開
発は極めて重要である。
【0003】動脈硬化度は血管の硬さ、すなわち血管弾
性率によって評価するのが最も的確な評価法とされてお
り、これまでに種々の血管弾性率が提案されている。生
体下の非摘出血管では、その計測法はいずれも拍動性血
管内圧変化すなわち脈圧に対する血管径の変化率を測定
することが基本となっており、動脈硬化度が進行すれば
同一の脈圧でも拍動性径変化は少なくなり、硬化性変化
を知ることができる。種々ある血管弾性率の中でも、非
摘出血管の動脈硬化度を評価しえるものとしては、下記
の血管弾性率が頻用されている。ひとつは圧力弾性率E
pであり、脈圧をΔP、血管径をD、拍動性径変化をΔ
Dとすると、 Ep =ΔP/(ΔD/D) ……(1) で定義されている。圧力弾性率Ep は血管壁の材質的硬
さのみならず、壁の厚みにも存在する弾性率であり、血
管自体の材質的硬さは評価できない。これを評価するに
は、さらに血管壁の厚みを測定しヤング率を求める必要
がある。ヤング率が分かれば動脈硬化による硬化性変化
が質的変化あるいは壁厚のいずれに起因するかを明らか
にできる。このような血管壁ヤング率を与える血管弾性
率として従来より増分弾性率が提案されており、増分弾
性率Einc は壁厚をhとして良好な精度で、 Einc =Ep ・(1−σ2 )/(2h/D) ……
(2) なる近似式で求められる。ここでσはポアソン比で血管
壁は0.5である。
【0004】従来より、圧力弾性率Ep を求めることを
目的として血管径D、拍動性径変化ΔDを超音波を用い
て測定する手段が種々提案されている。
【0005】例えば、特開平2−104340号公報で
は、図12〜図14に示すように、血管1内に挿入した
超音波プローブ2の先端周囲の対称な位置に配設した超
音波振動子3から周辺の血管壁へ超音波ビームを送波
し、血管内壁、血管外面からの反射波を受信するまでの
時間から上記超音波送受信手段3と上記血管内壁までの
距離χa,χc、血管外面までの距離を求め、この各距
離データから血管径D(D=χa+χc+χ χ:超
音波プローブの径)、拍動性径変化ΔD、および、血管
壁厚hを求める。
【0006】また、上記超音波プローブ2の先端面に設
けた圧力センサ4の動きをライトガイドファイバ5で検
出し、この検出値に基づき脈圧ΔPを算出する。
【0007】そして、上記(1)、(2)式に上記諸量
を代入し、圧力弾性率Ep ,増分弾性率Einc を求め、
この圧力弾性率Ep ,増分弾性率Einc から、血管弾性
率を算出する技術、および、図15に示すように、超音
波プローブ1の先端周囲に4個の超音波送受信手段3を
設け、血管径D、拍動性径変化ΔD、血管壁厚hを4方
向の距離測定により割出す技術が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記先行技術によれ
ば、図16に示すように超音波プローブ2が血管1内の
一方へ偏倚した位置に挿通された場合、例えば、4方向
の距離測定により血管径Dなどの諸量を割出そうとして
も、上記超音波プローブ2が血管1の中心に挿通されな
い限り正確な測定値を得ることはできず、この諸量に基
づいて算出した血管弾性率にも誤差が生じやすい。
【0009】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、血管内のどの位置に超音波プローブがあっても、血
管径を正確に測定し、精度良く血管弾性率を求めること
のできる血管弾性率測定用プローブ装置を提供すること
を目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明による血管弾性率
測定用プローブ装置は、血管に挿入する超音波プローブ
の周囲の少なくとも3箇所の各々が異なる方向へ指向す
る超音波送受信手段と、上記超音波プローブに配置して
脈圧を検出する脈圧検出手段と、上記各超音波送受信手
段から送波された超音波ビームの反射波を受信するまで
の時間に基づき血管径を正弦法則を用いて算出する血管
径算出手段と、上記脈圧と上記血管径とに基づき血管弾
性率を算出する血管弾性率算出手段とを備えるものであ
る。
【0011】
【作用】上記構成において、血管に挿入した超音波プロ
ーブの周囲の少なくとも3箇所の超音波送受信手段から
上記血管の壁面方向へ超音波を送波すると、血管径算出
手段では上記超音波の上記血管からの反射波を受信する
までの時間から血管径を正弦法則を用いて算出する。
【0012】そして、上記超音波プローブに配置した脈
圧検出手段で検出した脈と上記血管径とに基づき、血管
弾性率算出手段で血管弾性率を算出する。
【0013】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。
【0014】図1〜図5は本発明の第1実施例を示し、
図1は、血管弾性率測定用プローブ装置の機能ブロック
図、図2は血管に超音波プローブを挿入した状態の正面
図、図3は血管弾性率測定用プローブ装置の構成図、図
4は図3の左正面図、図5は血管径の算出状態を示す概
念図である。
【0015】(構成)血管弾性率測定用プローブ装置
は、超音波プローブ11と観測装置12とからなり、こ
の超音波プローブ11の先端面に、脈圧検出手段の一例
でダイヤフラムなどからなる圧力センサ13が設けられ
ている。
【0016】また、上記超音波プローブ11の先端部1
1aの外周に、超音波送受信手段の一例である3個の超
音波振動子14が各々異なる指向方向(θ1 ,θ2 ,θ
3 )を有して取付けられており、この各超音波振動子1
4が信号線15を介して上記観測装置12に接続されて
いる。
【0017】さらに、上記圧力センサ13の動きがライ
トファイバケーブルなどの伝達手段16を介して上記観
測装置12に伝達される。
【0018】図1に示すように、上記観測装置12が、
上記各超音波プローブ11に接続する送受信回路21
と、この各送受信回路21の出力を入力する血管壁検出
部22と、この血管壁検出部22の出力を入力する距離
算出部23と、この各距離算出部23の出力を入力する
血管径算出部24と、上記圧力センサ13に接続する脈
圧算出部25、上記各回路21、各算出部22、23、
24を制御する制御回路26、および上記血管径算出部
24の出力を入力する血管弾性率算出部27で構成され
ている。
【0019】なお、図2の符号28は血管壁である。
【0020】(作用)次に上記構成による実施例の作用
について説明する。
【0021】観測装置12に設けた各送受信回路21か
ら出力する励振パルスにより各超音波振動子14から血
管壁28の三方向へ向けて超音波ビームを送波する。
【0022】すると、この超音波ビームの上記血管壁2
8からの反射波が上記各超音波振動子14で受波され、
信号線15を介して上記送受信回路21に出力される。
【0023】そして、血管壁検出部22で上記送受信回
路21に入力された反射波の受信波形に基づき血管壁2
からの反射波を検出し、距離算出部23で超音波が送
波されてから上記血管壁検出部22で算出した血管壁2
8からの反射波を受信するまでの時間に基づき、上記超
音波振動子14の表面から上記血管壁28の各点A,
B,Cまでの距離を算出するとともに、この値に超音波
プローブ11の中心0から上記超音波振動子14までの
長さを加算して、この超音波プローブ11の中心から血
管壁28の各点A,B,Cまでの長さLOA,LOB,LOC
を求める。
【0024】その後、血管径算出部24で、上記各長さ
L0A,L0B,L0Cに基づき正弦法則を利用して上記血管
壁28の血管径D、拍動性径変化D、壁厚Dを算出す
る。
【0025】すなわち、図5に示すように、上記各超音
波振動子14の挾み角θ1 ,θ2 ,θ3 が予め定められ
ているため、余弦法則により、三角形ABCの各変の長
さAB,BC,CA,および、挾み角θA ,θB ,θc
を求め、次いで、この長さAB,BC,CA,挾み角θ
A ,θB ,θc に基づき正弦法則から上記三角形ABC
の外接面、すなわち、血管断面の直径Dを下式から求め
る。
【0026】
【0027】この測定を上記血管壁28の内壁、外壁に
対して行い、血管壁28の血管径D(内径と外径)、拍
動性径変化ΔD、壁厚hを算出する。
【0028】一方、脈圧算出部25では、圧力センサ1
3の血管内圧に応じた変動をライトファイバケーブルな
どの伝達手段16を介して入力し、この血管内圧の変動
から脈圧ΔPを算出する。
【0029】そして、血管弾性率算出部27で、上記血
管径D、拍動性径変化ΔD、壁圧h、および、脈圧ΔP
を前記(1),(2)に代入して圧力弾性率Ep 、増分
弾性率Einc を求め、この各弾性率Ep 、Einc に基づ
き血管弾性率を算出する。
【0030】この実施例によれば、超音波プローブ11
が血管壁28内のどの位置に挿通されていても、血管径
Dを正確に求めることが可能となり、血管弾性率を測定
する精度が向上する。
【0031】(第二実施例)図6〜図11は本発明の第
二実施例を示し、図6は超音波プローブの要部展開図、
図7は図6のVII-VII 断面図、図8は血管弾性率測定用
プローブ装置の構成図、図9は血管に超音波プローブを
挿入した状態の正面図、図10は血管弾性率測定用プロ
ーブ装置の機能ブロック図、図11はメカニカルラジア
ルスキャン方式の超音波プローブの(a)は側面図、
(b)は正面図、(c)は背面図である。
【0032】この実施例では、超音波プローブ31を構
成する本体部分を、複数の内部導体33を高分子圧電体
34で被覆して形成したものである。
【0033】すなわち、まず、所定間隔ごとに配置した
複数の内部導体33の周囲に高分子圧電体34を配置
し、この内部導体33、高分子圧電体34が一体となる
ように、フラケットケーブル状に形成する。
【0034】次いで、フラットケーブル状に形成した上
記高分子圧電体34の一方の端部の片面側に金、銅など
の導体35を蒸着し、この導体35に信号線36を接続
する。なお、この端部が超音波振動子37の集合部を構
成する。
【0035】その後、上記高分子圧電体34を上記導体
35が外側に露呈するようにして円筒状に形成し、内部
圧力センサ13とライトファイバケーブルなどの伝達手
段(図示せず)を設けて、超音波プローブ31を形成す
る。
【0036】血管壁28に上記超音波プローブ31を挿
入した後、上記複数の内部導体33の中から3群を選択
し、この選択した内部導体33と導体35との間に、観
測装置38に設けた送受信回路39から励振パルスを印
加する。
【0037】すると、この内部導体33と導体35とに
挾まれた高分子圧電体34から超音波が放射される。
【0038】そして、上記超音波の上記血管壁28から
の反射波を上記送受信回路39で受信し、境界検出部4
0で血管壁28の境界(内壁、あるいは、外壁)を検出
する。
【0039】位相制御部41では、上記境界検出部40
で検出した境界に上記超音波ビームの焦点が合うよう
に、上記送受信回路39から内部導体33の各群へ出力
する励振パルスの位相差を制御する。
【0040】そして、上記フォーカス点を順次移動し、
血管壁全体の断層像をDSC(デジタルスキャンコンバ
ータ)42にて画像信号に変換した後、モニタ43に表
示する。 上記超音波プローブ31が血管壁28に対
し、中心より偏倚した位置にある場合、この血管壁28
の境界(内壁、外壁)に超音波ビームの焦点がくるよう
に内部導体33の各群の各超音波振動子37の位相差を
制御し、三角形ABCの外接円を前記第一実施例と同様
に求めれば、血管弾性率を測定することができる。
【0041】この実施例によれば、超音波ビーム径を小
さくすることができるので、血管弾性率の測定精度を向
上させることができる。
【0042】また、血管壁28の境界に超音波ビームの
焦点を合せる手段は、図11に示すメカニカルラジアル
スキャン方式の超音波プローブ41においても実現する
ことができる。
【0043】この超音波プローブ41は全体像を作成す
る振動子(単一フォーカス)41aの背面にアニュラア
レイ振動子41bを取付けたもので、単一フォーカスの
振動子41aで得た像から境界を検出し、この境界に超
音波ビームの焦点を合せるべくアニュラアレイ振動子4
1bの位相差を制御し断層像を作成する。
【0044】そして、ある角度ごとに検出した血管壁2
8の境界点A,B,C(図9参照)から三角形ABCの
外接円を求め、上述と同様の手順で血管弾性率を求め
る。
【0045】このメカニカルラジアルスキャン方式の超
音波プローブ41によれば、血管弾性率を短時間で計算
することができる。
【0046】
【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば、
血管内のどの位置に超音波プローブがあっても、血管径
を正確に測定し、精度良く血管弾性率を求めることがで
きるなど優れた効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1〜図5は本発明の第一実施例を示し、図1
は血管弾性率測定用卯プローブ装置の機能ブロック図
【図2】血管に超音波プローブを挿入した状態の正面図
【図3】血管弾性率測定用プローブ装置の構成図
【図4】図2の左正面図
【図5】血管径の算出状態を示す概念図
【図6】図6〜図11は本発明の第二実施例を示し、図
6は超音波プローブの要部展開図
【図7】図6のVII-VII 断面図
【図8】血管弾性率測定用プローブ装置の構成図
【図9】血管に超音波プローブを挿入した状態の正面図
【図10】血管弾性率測定用プローブ装置の機能ブロッ
ク図
【図11】メカニカルラジアルスキャン方式の超音波プ
ローブの(a)は側面図、(b)は正面図、(c)は背
面図
【図12】図12以下は従来例を示し、図12は超音波
プローブの先端部の断面図
【図13】超音波プローブの先端部の斜視図
【図14】図12のXIV-XIV 断面図
【図15】他の態様による図14相当の断面図
【図16】従来例による概念図
【符号の説明】
11,31,41…超音波プローブ 13…脈圧検出手段 14,37,41A,41b…超音波送受信手段 24…血管径算出手段 27…血管弾性率算出手段 28…血管壁 D…血管径 ΔP…脈圧

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 血管に挿入する超音波プローブの周囲の
    少なくとも3箇所の各々が異なる方向へ指向する超音波
    送受信手段と、上記超音波プローブに配置して脈圧を検
    出する脈圧検出手段と、上記各超音波送受信手段から送
    波された超音波ビームの反射波を受信するまでの時間に
    基づき血管径を正弦法則を用いて算出する血管径算出手
    段と、上記脈圧と上記血管径とに基づき血管弾性率を算
    出する血管弾性率算出手段とを備えることを特徴とする
    血管弾性率測定用プローブ装置。
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