JP2839232B2 - 新規糖鎖合成酵素 - Google Patents
新規糖鎖合成酵素Info
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- JP2839232B2 JP2839232B2 JP6320496A JP32049694A JP2839232B2 JP 2839232 B2 JP2839232 B2 JP 2839232B2 JP 6320496 A JP6320496 A JP 6320496A JP 32049694 A JP32049694 A JP 32049694A JP 2839232 B2 JP2839232 B2 JP 2839232B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は糖鎖合成酵素および該酵
素をコードするDNAに関するものである。さらに詳し
くは、本発明は N−アセチルガラクトサミンα 2,6シア
ル酸転移酵素(GalNAcα2,6-シアル酸転移酵素)および
該酵素をコードするDNAに関するものである。該酵素
は、癌転移抑制およびウイルス感染抑止効果を有する薬
剤として、あるいは薬剤にシアル酸を付加することによ
り生理作用を増加させるための試薬等として有用であ
る。
素をコードするDNAに関するものである。さらに詳し
くは、本発明は N−アセチルガラクトサミンα 2,6シア
ル酸転移酵素(GalNAcα2,6-シアル酸転移酵素)および
該酵素をコードするDNAに関するものである。該酵素
は、癌転移抑制およびウイルス感染抑止効果を有する薬
剤として、あるいは薬剤にシアル酸を付加することによ
り生理作用を増加させるための試薬等として有用であ
る。
【0002】
【従来の技術】シアル酸は、例えば細胞−細胞間伝達、
細胞基質相互作用、細胞接着等の重要な生理作用をつか
さどる物質である。発生、分化、及び癌遺伝子のトラン
スホーメーション等の過程において調節をうけた、種々
の異なる細胞表面シアル酸が存在することが知られてい
る。シアル酸は糖蛋白および糖脂質の炭化水素基の末端
位置に存在しており、シアル酸は、翻訳の後の過程で、
酵素的にCMP-Sia からこれらの部位に導入される。例え
ば、糖蛋白には3種の結合様式、すなわち Siaα2,6Ga
l, Siaα2,3Gal, および Siaα2,6GalNAc が共通に存
在しており(Hakomori, S., Ann. Rev. Biochem., 50, 7
33-764, 1981) 、ガングリオシドには高頻度に2種の結
合様式、すなわち Siaα2,3Galおよび Siaα2,8Siaが存
在している(Fishman, P., and Brady, R.O., Science,
194, 906-915, 1976) 。
細胞基質相互作用、細胞接着等の重要な生理作用をつか
さどる物質である。発生、分化、及び癌遺伝子のトラン
スホーメーション等の過程において調節をうけた、種々
の異なる細胞表面シアル酸が存在することが知られてい
る。シアル酸は糖蛋白および糖脂質の炭化水素基の末端
位置に存在しており、シアル酸は、翻訳の後の過程で、
酵素的にCMP-Sia からこれらの部位に導入される。例え
ば、糖蛋白には3種の結合様式、すなわち Siaα2,6Ga
l, Siaα2,3Gal, および Siaα2,6GalNAc が共通に存
在しており(Hakomori, S., Ann. Rev. Biochem., 50, 7
33-764, 1981) 、ガングリオシドには高頻度に2種の結
合様式、すなわち Siaα2,3Galおよび Siaα2,8Siaが存
在している(Fishman, P., and Brady, R.O., Science,
194, 906-915, 1976) 。
【0003】上記の様なシアル酸の酵素的導入(シアル
酸転移)を担う酵素は、シアル酸転移酵素(sialyltrans
ferase) と呼ばるグリコシルトランスフェラーゼ類であ
る。従来既知の全てのシアリルオリゴ糖構造を合成する
ためには、少なくとも12の異なるシアル酸転移酵素が必
要であることが知られている(Broquet, P. et al., In
t. J. Biochem., 23, 385-389, 1991; および Weinstei
n, J. et al., J. Biol. Chem., 262, 17735-17743, 19
87)。これらのうち、5種類のシアル酸転移酵素が精製
されており、いずれの酵素も各受容体基質に対して高い
特異性を示すことが知られている(Sadler, J. et al.,
J. Bio. Chem., 254, 4434-4443, 1979; Weinstein, J.
et al., J. Biol. Chem., 257, 13835-13844, 1982; R
earick, J.et al., J. Biol. Chem., 254, 4444-4451,
1979; および Joqiasse, D.H. eal., J. Biol. Chem.,
260, 4941-4951, 1985)。
酸転移)を担う酵素は、シアル酸転移酵素(sialyltrans
ferase) と呼ばるグリコシルトランスフェラーゼ類であ
る。従来既知の全てのシアリルオリゴ糖構造を合成する
ためには、少なくとも12の異なるシアル酸転移酵素が必
要であることが知られている(Broquet, P. et al., In
t. J. Biochem., 23, 385-389, 1991; および Weinstei
n, J. et al., J. Biol. Chem., 262, 17735-17743, 19
87)。これらのうち、5種類のシアル酸転移酵素が精製
されており、いずれの酵素も各受容体基質に対して高い
特異性を示すことが知られている(Sadler, J. et al.,
J. Bio. Chem., 254, 4434-4443, 1979; Weinstein, J.
et al., J. Biol. Chem., 257, 13835-13844, 1982; R
earick, J.et al., J. Biol. Chem., 254, 4444-4451,
1979; および Joqiasse, D.H. eal., J. Biol. Chem.,
260, 4941-4951, 1985)。
【0004】上記のシアル酸転移酵素をコードするcDNA
については、 Galβ1,4GlcNAc α2,6-シアル酸転移酵素
(Galβ4GlcNAc-α6ST)をコードするcDNAが、肝をはじめ
とする種々の組織からクローニングされている(Weinste
in, J. et al., J. Biol. Chem., 262, 17735-17743, 1
987; Grundmann U. et al., Nucleic Acids Res. 18,66
7, 1990; Bast, B. et al., J. Cell. Biol., 116, 423
-435, 1992; およびHamamoto, T. et al., Bioorg. an
d Medic. Chem., 1, 141-145, 1993)。また、Gal β1,3
GalNAc α2,3-シアル酸転移酵素(Galβ3GalNAc-α3ST)
をコードするcDNA(Gillespie, W. et al., J. Biol. Ch
em., 267, 21004-21010, 1992; およびLee, Y. et a
l., Eur. J. Biochem, 216, 377-385, 1993) 、Gal β
1,3(4)GlcNAcα2,3-シアル酸転移酵素(Galβ3(4)GlcNAc
- α3ST)をコードするcDNA(Wen, D.X et al., J. Biol.
Chem., 267, 21011-21019, 1992)もクローニングされ
ている。
については、 Galβ1,4GlcNAc α2,6-シアル酸転移酵素
(Galβ4GlcNAc-α6ST)をコードするcDNAが、肝をはじめ
とする種々の組織からクローニングされている(Weinste
in, J. et al., J. Biol. Chem., 262, 17735-17743, 1
987; Grundmann U. et al., Nucleic Acids Res. 18,66
7, 1990; Bast, B. et al., J. Cell. Biol., 116, 423
-435, 1992; およびHamamoto, T. et al., Bioorg. an
d Medic. Chem., 1, 141-145, 1993)。また、Gal β1,3
GalNAc α2,3-シアル酸転移酵素(Galβ3GalNAc-α3ST)
をコードするcDNA(Gillespie, W. et al., J. Biol. Ch
em., 267, 21004-21010, 1992; およびLee, Y. et a
l., Eur. J. Biochem, 216, 377-385, 1993) 、Gal β
1,3(4)GlcNAcα2,3-シアル酸転移酵素(Galβ3(4)GlcNAc
- α3ST)をコードするcDNA(Wen, D.X et al., J. Biol.
Chem., 267, 21011-21019, 1992)もクローニングされ
ている。
【0005】しかしながら、GalNAcα2,6-シアル酸転移
酵素(EC 2.4.99.3; GalNAc-α6ST)をコードするcDNAは
クローニングされていない。GalNAcα2,6-シアル酸転移
酵素を分離した報告もあるが(Hakomori, S., Ann. Rev.
Biochem., 50, 733-764, 1981) 、物質として同定でき
る程には精製されておらず、反応特異性、性質の安定
性、供給量に問題があり、実用に供することはできなか
った。
酵素(EC 2.4.99.3; GalNAc-α6ST)をコードするcDNAは
クローニングされていない。GalNAcα2,6-シアル酸転移
酵素を分離した報告もあるが(Hakomori, S., Ann. Rev.
Biochem., 50, 733-764, 1981) 、物質として同定でき
る程には精製されておらず、反応特異性、性質の安定
性、供給量に問題があり、実用に供することはできなか
った。
【発明が解決しようとする課題】従って本発明は、精製
されたGalNAcα2,6-シアル酸転移酵素を提供することを
目的とするものである。また、本発明は、GalNAcα2,6-
シアル酸転移酵素をコードするcDNAをクローニングし、
該GalNAcα2,6-シアル酸転移酵素をコードするDNA配
列および該酵素のアミノ酸配列を提供することを目的と
している。また、本発明は、上記のGalNAcα2,6-シアル
酸転移酵素の構造のうち、活性に係わる部分を大量に蛋
白として発現させることを目的としている。
されたGalNAcα2,6-シアル酸転移酵素を提供することを
目的とするものである。また、本発明は、GalNAcα2,6-
シアル酸転移酵素をコードするcDNAをクローニングし、
該GalNAcα2,6-シアル酸転移酵素をコードするDNA配
列および該酵素のアミノ酸配列を提供することを目的と
している。また、本発明は、上記のGalNAcα2,6-シアル
酸転移酵素の構造のうち、活性に係わる部分を大量に蛋
白として発現させることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の目的
を達成すべく鋭意努力し、ニワトリ胚からGalNAcα2,6-
シアル酸転移酵素をコードするcDNAをクローニングし、
本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、配列表
の配列番号1に示されるアミノ酸配列により特定される
GalNAcα2,6-シアル酸転移酵素 P-B1 を提供するもので
ある。また、本発明は、上記のGalNAcα2,6-シアル酸転
移酵素のアミノ酸配列をコードするGalNAcα2,6-シアル
酸転移酵素遺伝子、およびその一態様である配列表の配
列番号1に示される核酸番号1から1698で特定される塩
基配列を有するGalNAcα2,6-シアル酸転移酵素遺伝子を
提供するものである。さらに、上記のGalNAcα2,6-シア
ル酸転移酵素遺伝子を含む組み換えベクター、およびそ
の一態様であるプラスミドλ CEB-3034 、上記組み換え
ベクターにより形質転換された形質転換体、並びに、配
列表の配列番号1に示されるアミノ酸配列の233-566 に
より特定されるGalNAcα2,6-シアル酸転移酵素活性ドメ
インも提供される。
を達成すべく鋭意努力し、ニワトリ胚からGalNAcα2,6-
シアル酸転移酵素をコードするcDNAをクローニングし、
本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、配列表
の配列番号1に示されるアミノ酸配列により特定される
GalNAcα2,6-シアル酸転移酵素 P-B1 を提供するもので
ある。また、本発明は、上記のGalNAcα2,6-シアル酸転
移酵素のアミノ酸配列をコードするGalNAcα2,6-シアル
酸転移酵素遺伝子、およびその一態様である配列表の配
列番号1に示される核酸番号1から1698で特定される塩
基配列を有するGalNAcα2,6-シアル酸転移酵素遺伝子を
提供するものである。さらに、上記のGalNAcα2,6-シア
ル酸転移酵素遺伝子を含む組み換えベクター、およびそ
の一態様であるプラスミドλ CEB-3034 、上記組み換え
ベクターにより形質転換された形質転換体、並びに、配
列表の配列番号1に示されるアミノ酸配列の233-566 に
より特定されるGalNAcα2,6-シアル酸転移酵素活性ドメ
インも提供される。
【0007】さらに本発明により、上記のGalNAcα2,6-
シアル酸転移酵素の活性ドメインであるポリペプチド部
分とシグナルペプチドとを含む細胞外分泌型の蛋白であ
って、GalNAcα2,6-シアル酸転移を触媒する蛋白、およ
びその一態様として配列表の配列番号2に示されるアミ
ノ酸配列により特定される蛋白 SB-690 が提供される。
また、上記蛋白をコードする遺伝子、およびその一態様
として配列表の配列番号2に示される核酸番号1から10
65で示される塩基配列を有する遺伝子、ならびに上記遺
伝子を含む組み換えベクター、およびその一態様である
プラスミド pcDSB-690が提供される。さらに、上記の組
み換えベクターにより形質転換された形質転換体、およ
び上記形質転換体を培養し、培養物から上記の蛋白を採
取することを特徴とする、上記GalNAcα2,6-シアル酸転
移を触媒する蛋白の製造方法も提供される。
シアル酸転移酵素の活性ドメインであるポリペプチド部
分とシグナルペプチドとを含む細胞外分泌型の蛋白であ
って、GalNAcα2,6-シアル酸転移を触媒する蛋白、およ
びその一態様として配列表の配列番号2に示されるアミ
ノ酸配列により特定される蛋白 SB-690 が提供される。
また、上記蛋白をコードする遺伝子、およびその一態様
として配列表の配列番号2に示される核酸番号1から10
65で示される塩基配列を有する遺伝子、ならびに上記遺
伝子を含む組み換えベクター、およびその一態様である
プラスミド pcDSB-690が提供される。さらに、上記の組
み換えベクターにより形質転換された形質転換体、およ
び上記形質転換体を培養し、培養物から上記の蛋白を採
取することを特徴とする、上記GalNAcα2,6-シアル酸転
移を触媒する蛋白の製造方法も提供される。
【0008】本発明のGalNAcα2,6-シアル酸転移酵素の
最も好ましい例としてGalNAcα2,6-シアル酸転移酵素 P
-B1 が提供される。以下、本明細書において本発明の酵
素の一例としてGalNAcα2,6-シアル酸転移酵素 P-B1 に
ついて詳細に説明するが、、本発明のGalNAcα2,6-シア
ル酸転移酵素はGalNAcα2,6-シアル酸転移酵素 P-B1に
限定されることはなく、本発明により始めて明らかにさ
れたGalNAcα2,6-シアル酸転移酵素P-B1の活性ドメイ
ン、あるいはそのアミノ酸配列の一部を改変ないし修飾
したGalNAcα2,6-シアル酸転移酵素活性ドメインを有す
るGalNAcα2,6-シアル酸転移酵素は、すべて本発明の範
囲に包含されることを理解すべきである。このような活
性ドメインの好ましい例としては、配列表の配列番号1
に開示したアミノ酸配列の233-566 により特定されるGa
lNAcα2,6-シアル酸転移酵素活性ドメインを挙げること
ができる。
最も好ましい例としてGalNAcα2,6-シアル酸転移酵素 P
-B1 が提供される。以下、本明細書において本発明の酵
素の一例としてGalNAcα2,6-シアル酸転移酵素 P-B1 に
ついて詳細に説明するが、、本発明のGalNAcα2,6-シア
ル酸転移酵素はGalNAcα2,6-シアル酸転移酵素 P-B1に
限定されることはなく、本発明により始めて明らかにさ
れたGalNAcα2,6-シアル酸転移酵素P-B1の活性ドメイ
ン、あるいはそのアミノ酸配列の一部を改変ないし修飾
したGalNAcα2,6-シアル酸転移酵素活性ドメインを有す
るGalNAcα2,6-シアル酸転移酵素は、すべて本発明の範
囲に包含されることを理解すべきである。このような活
性ドメインの好ましい例としては、配列表の配列番号1
に開示したアミノ酸配列の233-566 により特定されるGa
lNAcα2,6-シアル酸転移酵素活性ドメインを挙げること
ができる。
【0009】例えば、GalNAcα2,6-シアル酸転移酵素 P
-B1 をコードするcDNAの単離する方法は以下の実施例に
詳細に説明されている。もっとも、GalNAcα2,6-シアル
酸転移酵素 P-B1 をコードするcDNAの単離方法はこれら
の方法に限定されることはなく、当業者は下記の実施例
に記載された方法を参照しつつ、この方法を適宜修飾な
いし変更することにより、容易に目的のcDNAを単離する
ことができる。また、下記配列表の配列番号1に記載さ
れたGalNAcα2,6-シアル酸転移酵素 P-B1 をコードする
DNA は本発明の好ましい一態様であるが、本発明のGalN
Acα2,6-シアル酸転移酵素 P-B1 をコードするDNA はこ
の特定の態様に限定されることはなく、本発明により明
らかにされたGalNAcα2,6-シアル酸転移酵素 P-B1 のア
ミノ酸配列をコードするDNA はすべて本発明に包含され
る。
-B1 をコードするcDNAの単離する方法は以下の実施例に
詳細に説明されている。もっとも、GalNAcα2,6-シアル
酸転移酵素 P-B1 をコードするcDNAの単離方法はこれら
の方法に限定されることはなく、当業者は下記の実施例
に記載された方法を参照しつつ、この方法を適宜修飾な
いし変更することにより、容易に目的のcDNAを単離する
ことができる。また、下記配列表の配列番号1に記載さ
れたGalNAcα2,6-シアル酸転移酵素 P-B1 をコードする
DNA は本発明の好ましい一態様であるが、本発明のGalN
Acα2,6-シアル酸転移酵素 P-B1 をコードするDNA はこ
の特定の態様に限定されることはなく、本発明により明
らかにされたGalNAcα2,6-シアル酸転移酵素 P-B1 のア
ミノ酸配列をコードするDNA はすべて本発明に包含され
る。
【0010】さらに、GalNAcα2,6-シアル酸転移酵素P-
B1の活性ドメイン、あるいはそのアミノ酸配列の一部を
改変ないし修飾したGalNAcα2,6-シアル酸転移酵素活性
ドメインをコードするDNA も本発明の範囲に包含され
る。例えば、配列表の配列番号1に開示したアミノ酸配
列の233-566 により特定されるGalNAcα2,6-シアル酸転
移酵素活性ドメインをコードするDNA は本発明の好まし
い態様である。また、配列表の配列番号1に開示した核
酸配列の699-1698により特定されるDNA は本発明の特に
好ましい態様である。
B1の活性ドメイン、あるいはそのアミノ酸配列の一部を
改変ないし修飾したGalNAcα2,6-シアル酸転移酵素活性
ドメインをコードするDNA も本発明の範囲に包含され
る。例えば、配列表の配列番号1に開示したアミノ酸配
列の233-566 により特定されるGalNAcα2,6-シアル酸転
移酵素活性ドメインをコードするDNA は本発明の好まし
い態様である。また、配列表の配列番号1に開示した核
酸配列の699-1698により特定されるDNA は本発明の特に
好ましい態様である。
【0011】本発明のGalNAcα2,6-シアル酸転移酵素 P
-B1 は、発現後に細胞内に留まり、細胞外に分泌されな
いことがある。また、細胞内濃度が一定以上になると、
酵素の発現量が低下するという可能性がある。上記のGa
lNAcα2,6-シアル酸転移酵素P-B1 のGalNAcα2,6-シア
ル酸転移活性を有効に利用するためには、本酵素の活性
を維持し、かつ発現時に細胞から分泌される可溶性形態
の蛋白を製造することができる。このような蛋白として
は、上記のGalNAcα2,6-シアル酸転移酵素 P-B1 の活性
に関与するGalNAcα2,6-シアル酸転移酵素活性ドメイン
であるポリペプチド部分とシグナルペプチドとを含む細
胞外分泌型の蛋白であって、GalNAcα2,6-シアル酸転移
を触媒する蛋白を挙げることができる。
-B1 は、発現後に細胞内に留まり、細胞外に分泌されな
いことがある。また、細胞内濃度が一定以上になると、
酵素の発現量が低下するという可能性がある。上記のGa
lNAcα2,6-シアル酸転移酵素P-B1 のGalNAcα2,6-シア
ル酸転移活性を有効に利用するためには、本酵素の活性
を維持し、かつ発現時に細胞から分泌される可溶性形態
の蛋白を製造することができる。このような蛋白として
は、上記のGalNAcα2,6-シアル酸転移酵素 P-B1 の活性
に関与するGalNAcα2,6-シアル酸転移酵素活性ドメイン
であるポリペプチド部分とシグナルペプチドとを含む細
胞外分泌型の蛋白であって、GalNAcα2,6-シアル酸転移
を触媒する蛋白を挙げることができる。
【0012】これまでにクローニングされたシアル酸転
移酵素は、他のグリコシル−トランスフェラーゼと同様
のドメイン構造を有している。すなわち、NH2 末端の短
い細胞質中尾部、疎水性のシグナルアンカードメイン、
蛋白分解感受性を有するステム(stem)領域、及び COOH-
末端の大きな活性ドメインを有する(Paulson, J.C. and
Colley, K.J., J. Biol. Chem., 264, 17615-17618, 1
989)。本発明のGalNAcα2,6-シアル酸転移酵素 P-B1 の
経膜ドメインの位置を調べるためには、カイト及びドゥ
ーリトル(Kyte, J. and Doolittle, R.F., J. Mol. Bi
ol., 157, 105-132, 1982)の方法に従って作成した疎水
性分布図を利用することができる。また、活性ドメイン
部分の推定には、各種のフラグメントを導入した組換え
プラスミドを作成して利用することができる。このよう
な方法の一例は本明細書の実施例に詳細に記載されてい
るが、経膜ドメインの位置の確認や活性ドメイン部分の
推定方法は、この方法に限定されることはない。
移酵素は、他のグリコシル−トランスフェラーゼと同様
のドメイン構造を有している。すなわち、NH2 末端の短
い細胞質中尾部、疎水性のシグナルアンカードメイン、
蛋白分解感受性を有するステム(stem)領域、及び COOH-
末端の大きな活性ドメインを有する(Paulson, J.C. and
Colley, K.J., J. Biol. Chem., 264, 17615-17618, 1
989)。本発明のGalNAcα2,6-シアル酸転移酵素 P-B1 の
経膜ドメインの位置を調べるためには、カイト及びドゥ
ーリトル(Kyte, J. and Doolittle, R.F., J. Mol. Bi
ol., 157, 105-132, 1982)の方法に従って作成した疎水
性分布図を利用することができる。また、活性ドメイン
部分の推定には、各種のフラグメントを導入した組換え
プラスミドを作成して利用することができる。このよう
な方法の一例は本明細書の実施例に詳細に記載されてい
るが、経膜ドメインの位置の確認や活性ドメイン部分の
推定方法は、この方法に限定されることはない。
【0013】GalNAcα2,6-シアル酸転移酵素 P-B1 の活
性ドメインであるポリペプチド部分とシグナルペプチド
とを含む細胞外分泌型の蛋白の製造のためには、例えば
シグナルペプチドとして免疫グロブリンシグナルペプチ
ド配列を用い、GalNAcα2,6-シアル酸転移酵素 P-B1 の
活性ドメインに対応する配列を該シグナルペプチドにイ
ンフレーム融合させればよい。このような方法として
は、例えば、ジョブリンの方法(Jobling, S.A. and Geh
rke, L., Nature(Lond.), 325, 622-625, 1987)を利用
することができ、本明細書の実施例には、その具体的方
法が詳細に説明されている。もっとも、シグナルペプチ
ドの種類やシグナルペプチドと活性ドメインの結合方法
は上記方法に限定されることはなく、当業者は、GalNAc
α2,6-シアル酸転移酵素 P-B1 の活性ドメインであるポ
リペプチド部分を適宜選択することができるし、それら
を利用可能な任意のシグナルペプチドと適宜の方法によ
り結合することにより細胞外分泌型の蛋白を製造するこ
とができる。
性ドメインであるポリペプチド部分とシグナルペプチド
とを含む細胞外分泌型の蛋白の製造のためには、例えば
シグナルペプチドとして免疫グロブリンシグナルペプチ
ド配列を用い、GalNAcα2,6-シアル酸転移酵素 P-B1 の
活性ドメインに対応する配列を該シグナルペプチドにイ
ンフレーム融合させればよい。このような方法として
は、例えば、ジョブリンの方法(Jobling, S.A. and Geh
rke, L., Nature(Lond.), 325, 622-625, 1987)を利用
することができ、本明細書の実施例には、その具体的方
法が詳細に説明されている。もっとも、シグナルペプチ
ドの種類やシグナルペプチドと活性ドメインの結合方法
は上記方法に限定されることはなく、当業者は、GalNAc
α2,6-シアル酸転移酵素 P-B1 の活性ドメインであるポ
リペプチド部分を適宜選択することができるし、それら
を利用可能な任意のシグナルペプチドと適宜の方法によ
り結合することにより細胞外分泌型の蛋白を製造するこ
とができる。
【0014】以下、本発明を実施例により具体的に説明
するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるこ
とはない。
するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるこ
とはない。
【実施例】GalNAcα2,6-シアル酸転移酵素 P-B1 のcDNA
クローンを得るために、2個の縮重オリゴヌクレオチド
(ST-107及びST-205) によるPCR を、鋳型としてニワト
リ胚 cDNA を用いて行った。約 150bpの望ましいサイズ
のフラグメントを得た。PCR 組換産物の中で、CEB1と呼
ばれるクローンは、Gal β4GlcNAc-α6STRL(180 -225残
基)、Gal β3(4)GlcNAc- α3STRL(158-203 残基)及び
Gal β3GalNAc-α3STPS(144-189 残基)の既知のシアリ
ルモチーフとは異なる独特のアミノ酸配列を有してい
た。CEB1のシアリルモチーフであるGal β4GlcNAc-α6S
TRL 、Gal β3(4)GlcNAc- α3STRL 及びGal β3GalNAc-
α3STPS とCEB1の相同性は、それぞれ 56%、58% 及び 6
0%であった。
クローンを得るために、2個の縮重オリゴヌクレオチド
(ST-107及びST-205) によるPCR を、鋳型としてニワト
リ胚 cDNA を用いて行った。約 150bpの望ましいサイズ
のフラグメントを得た。PCR 組換産物の中で、CEB1と呼
ばれるクローンは、Gal β4GlcNAc-α6STRL(180 -225残
基)、Gal β3(4)GlcNAc- α3STRL(158-203 残基)及び
Gal β3GalNAc-α3STPS(144-189 残基)の既知のシアリ
ルモチーフとは異なる独特のアミノ酸配列を有してい
た。CEB1のシアリルモチーフであるGal β4GlcNAc-α6S
TRL 、Gal β3(4)GlcNAc- α3STRL 及びGal β3GalNAc-
α3STPS とCEB1の相同性は、それぞれ 56%、58% 及び 6
0%であった。
【0015】CEB1からの cDNA インサートを用いての6
日齢ニワトリ胚 cDNA ライブラリーのスクリーニングを
行い、いくつかの cDNA クローンを同定した。そのうち
クローンλCEB-3043は 2.7 kb インサートを含んでいた
(図1)。別のオーバーラッピングクローンを得るため
に、ランダムプライムド cDNA ライブラリーをλCEB-30
43の 5´- 末端の 0.8 kb EcoRI-BglII フラグメントと
ハイブリダイゼーションすることにより再スクリーニン
グを行った。この cDNA ライブラリーから15個のクロー
ンが単離された。そのうちのクローンλCEBHADはクロー
ンλCEB-3043の5´- 末端と 160 bp に渡ってオーバー
ラップする 220 bp インサートを含んでいた。
日齢ニワトリ胚 cDNA ライブラリーのスクリーニングを
行い、いくつかの cDNA クローンを同定した。そのうち
クローンλCEB-3043は 2.7 kb インサートを含んでいた
(図1)。別のオーバーラッピングクローンを得るため
に、ランダムプライムド cDNA ライブラリーをλCEB-30
43の 5´- 末端の 0.8 kb EcoRI-BglII フラグメントと
ハイブリダイゼーションすることにより再スクリーニン
グを行った。この cDNA ライブラリーから15個のクロー
ンが単離された。そのうちのクローンλCEBHADはクロー
ンλCEB-3043の5´- 末端と 160 bp に渡ってオーバー
ラップする 220 bp インサートを含んでいた。
【0016】これらの2個の cDNA を結合したものは、
ヌクレオチド 1699 の TGA停止コドンで終わる 1.7 kb
のオープン・リーディング・フレームを含むものであっ
た。ポリ(A) から 23 ヌクレオチド上流にあるポリアデ
ニル化シグナル(AATAAA)は 3´末端に存在している。こ
のオープン・リーディング・フレームの翻訳により、通
常の開始配列を持つヌクレオチド1のメチオニン残基(K
ozak, M., Nature(Lond.), 308, 241-246, 1984)で開始
し、分子量 64,781 の 566アミノ酸から成る蛋白である
本発明のGalNAcα2,6-シアル酸転移酵素 P-B1 (P-B1と
呼ぶ)が発現する。本発明のGalNAcα2,6-シアル酸転移
酵素をコードする遺伝子を含む cDNA 、本発明のGalNAc
α2,6-シアル酸転移酵素をコードする遺伝子であるλCE
B-3043の塩基配列、および本発明のGalNAcα2,6-シアル
酸転移酵素 P-B1 のアミノ酸配列を配列表の配列番号1
に示す。
ヌクレオチド 1699 の TGA停止コドンで終わる 1.7 kb
のオープン・リーディング・フレームを含むものであっ
た。ポリ(A) から 23 ヌクレオチド上流にあるポリアデ
ニル化シグナル(AATAAA)は 3´末端に存在している。こ
のオープン・リーディング・フレームの翻訳により、通
常の開始配列を持つヌクレオチド1のメチオニン残基(K
ozak, M., Nature(Lond.), 308, 241-246, 1984)で開始
し、分子量 64,781 の 566アミノ酸から成る蛋白である
本発明のGalNAcα2,6-シアル酸転移酵素 P-B1 (P-B1と
呼ぶ)が発現する。本発明のGalNAcα2,6-シアル酸転移
酵素をコードする遺伝子を含む cDNA 、本発明のGalNAc
α2,6-シアル酸転移酵素をコードする遺伝子であるλCE
B-3043の塩基配列、および本発明のGalNAcα2,6-シアル
酸転移酵素 P-B1 のアミノ酸配列を配列表の配列番号1
に示す。
【0017】ポリメラーゼ連鎖反応法(PCR) PCR はGal β4GlcNAc-α6STRL(Weinstein, J. et al.,
J. Biol. Chem., 262,17735-17743, 1987) 、Gal β4Gl
cNAc-α6STHP(Grundmann, U. et al., Nucleic Acids R
es., 18, 667, 1990)、及びGal β3GalNAc-α3STPS(Gil
lespie, W. etal., J. Biol. Chem., 267, 21004-2101
0, 1992) 中の保存領域に由来する縮重プライマー[5´
プライマー ST107 :TGGGCCTTGGII(A/C)AGGTGTGCTGTTG及
び 3´プライマー ST205 :AGGCGAATGGTAGTTTTTG(A/T)GC
CCACATC]を用いて行った。cDNAを得るために、3日齢の
ニワトリ胚からの poly(A)リッチRNA (2μg)を、オリゴ
-dT プライマー(ファルマシア社);dATP、dCTP、dGTP
及びdTTPをそれぞれ 1 mM;並びに2 U/μl のRNase 阻
害剤(プロメガ社)と共に、50μl の 10 mM Tris-HCl
(pH8.3)、50 mM KCl 、1.5 mM MgCl2及び 0.001% ゼラ
チン中、0℃で 10 分間インキュベートした後、100 μ
U のモロニー・ネズミ白血病ウィルス逆転写酵素(BRL)
を加えてさらに42℃で60分間インキュベートした。
J. Biol. Chem., 262,17735-17743, 1987) 、Gal β4Gl
cNAc-α6STHP(Grundmann, U. et al., Nucleic Acids R
es., 18, 667, 1990)、及びGal β3GalNAc-α3STPS(Gil
lespie, W. etal., J. Biol. Chem., 267, 21004-2101
0, 1992) 中の保存領域に由来する縮重プライマー[5´
プライマー ST107 :TGGGCCTTGGII(A/C)AGGTGTGCTGTTG及
び 3´プライマー ST205 :AGGCGAATGGTAGTTTTTG(A/T)GC
CCACATC]を用いて行った。cDNAを得るために、3日齢の
ニワトリ胚からの poly(A)リッチRNA (2μg)を、オリゴ
-dT プライマー(ファルマシア社);dATP、dCTP、dGTP
及びdTTPをそれぞれ 1 mM;並びに2 U/μl のRNase 阻
害剤(プロメガ社)と共に、50μl の 10 mM Tris-HCl
(pH8.3)、50 mM KCl 、1.5 mM MgCl2及び 0.001% ゼラ
チン中、0℃で 10 分間インキュベートした後、100 μ
U のモロニー・ネズミ白血病ウィルス逆転写酵素(BRL)
を加えてさらに42℃で60分間インキュベートした。
【0018】上記の反応液を94℃で3分間加熱した後、
0.2μg の poly(A)リッチRNA から製造したcDNAを、50
μl 中に10 mM Tris-HCl(pH8.3) 、50 mM KCl 、1.25 m
M MgCl2 、 0.001% ゼラチン、dATP、dCTP、dGTP及びdT
TPをそれぞれ 200μM 、TaqDNA ポリメラーゼ(プロメ
ガ社)を 2U 、並びに 40 pmole の各 PCRプライマーを
含む混合液中における PCR実験に用いた。35サイクルの
PCR増幅を行い、各サイクルは、96℃、45秒間の熱変
性;50℃、60秒間のアニーリング;及び72℃、60秒間の
伸長とした。 PCR生成物を 3% アガロースゲルで展開
し、150bp に相当する DNAフラグメントをゲルから溶出
し(キアエックス・キット、キアゲン社)、平滑末端化
し、キナーゼ処理した後、pUC119のSmaI部位の中にサブ
クローニングし、最終的に配列決定した。
0.2μg の poly(A)リッチRNA から製造したcDNAを、50
μl 中に10 mM Tris-HCl(pH8.3) 、50 mM KCl 、1.25 m
M MgCl2 、 0.001% ゼラチン、dATP、dCTP、dGTP及びdT
TPをそれぞれ 200μM 、TaqDNA ポリメラーゼ(プロメ
ガ社)を 2U 、並びに 40 pmole の各 PCRプライマーを
含む混合液中における PCR実験に用いた。35サイクルの
PCR増幅を行い、各サイクルは、96℃、45秒間の熱変
性;50℃、60秒間のアニーリング;及び72℃、60秒間の
伸長とした。 PCR生成物を 3% アガロースゲルで展開
し、150bp に相当する DNAフラグメントをゲルから溶出
し(キアエックス・キット、キアゲン社)、平滑末端化
し、キナーゼ処理した後、pUC119のSmaI部位の中にサブ
クローニングし、最終的に配列決定した。
【0019】cDNAライブラリーの作成 全RNA をグアニジニウムチオシアネート法: 及びそれに
続く 5.7 M CsCl 溶液中における遠心により、ニワトリ
胚(6日齢)から調製した(Sambrook, J., Molecular C
loning: a Laboratory Mannual, 2nd edition, Cold Sp
ring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, N.Y. 1
989)。 poly(A)リッチRNA はオリゴテックス-dT30 (宝
酒造)で精製し、オリゴ-dT プライマー及びランダムプ
ライマーにλZAPII (ストラタジーン社)及び cDNA 合
成キット(ファルマシア社)を用いたcDNAライブラリー
の作成に使用した。
続く 5.7 M CsCl 溶液中における遠心により、ニワトリ
胚(6日齢)から調製した(Sambrook, J., Molecular C
loning: a Laboratory Mannual, 2nd edition, Cold Sp
ring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, N.Y. 1
989)。 poly(A)リッチRNA はオリゴテックス-dT30 (宝
酒造)で精製し、オリゴ-dT プライマー及びランダムプ
ライマーにλZAPII (ストラタジーン社)及び cDNA 合
成キット(ファルマシア社)を用いたcDNAライブラリー
の作成に使用した。
【0020】cDNAライブラリーのスクリーニング 増幅されたcDNAライブラリー(1x106 プラーク)をニワ
トリ胚 PCRフラグメントでスクリーニングした。プラー
クを移したフィルターを、5 ×SSC 、0.2% SDS、5 ×デ
ンハルド溶液及び 10 μg/ml変性サケ精子DNA 中で 32P
- 放射性ラベル化DNA プローブと65℃で12時間にわたり
ハイブリダイズさせた。その後、2 ×SSC 、0.1% SDS中
で65℃、20分で二回洗浄した。単離されたファージクロ
ーンからプラスミドを得るために、ファージミドレスキ
ューをλZAPII クローニングキットの製造元(ストラタ
ジーン社)の使用説明書に従って行った。cDNAインサー
トはBluescriptプラスミドとして直接切り取った。プラ
スミドの作成はサムブルックら(Sambrook, J. et al.,
Molecular Cloning: a Laboratory Manual, 2nd editi
on, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold spring Har
bor, N.Y., 1989)によって述べられている分子クローニ
ング標準法を用いた。
トリ胚 PCRフラグメントでスクリーニングした。プラー
クを移したフィルターを、5 ×SSC 、0.2% SDS、5 ×デ
ンハルド溶液及び 10 μg/ml変性サケ精子DNA 中で 32P
- 放射性ラベル化DNA プローブと65℃で12時間にわたり
ハイブリダイズさせた。その後、2 ×SSC 、0.1% SDS中
で65℃、20分で二回洗浄した。単離されたファージクロ
ーンからプラスミドを得るために、ファージミドレスキ
ューをλZAPII クローニングキットの製造元(ストラタ
ジーン社)の使用説明書に従って行った。cDNAインサー
トはBluescriptプラスミドとして直接切り取った。プラ
スミドの作成はサムブルックら(Sambrook, J. et al.,
Molecular Cloning: a Laboratory Manual, 2nd editi
on, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold spring Har
bor, N.Y., 1989)によって述べられている分子クローニ
ング標準法を用いた。
【0021】DNA 配列分析 上記のインサートのDNA 配列を、T7-DNAポリメラーゼの
鋳型として一本鎖DNAを用いるジデオキシ鎖停止法(Sang
er, F. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 74, 546
3-5467, 1977)により決定した。シーケンシング反応及
び電気泳動はオートリードDNA シーケンシングキット及
びDNA シーケンサー(ファルマシア社)を用いて行っ
た。一本鎖DNA は、ヘルパーファージR408(ストラタジ
ーン社)で重複感染させた後に大腸菌XL-Blue (ストラ
タジーン社)から調製した。配列データは PC/Gene(テ
イジンシステムテクノロジー社)を用いたコンピュータ
ーで分析した。
鋳型として一本鎖DNAを用いるジデオキシ鎖停止法(Sang
er, F. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 74, 546
3-5467, 1977)により決定した。シーケンシング反応及
び電気泳動はオートリードDNA シーケンシングキット及
びDNA シーケンサー(ファルマシア社)を用いて行っ
た。一本鎖DNA は、ヘルパーファージR408(ストラタジ
ーン社)で重複感染させた後に大腸菌XL-Blue (ストラ
タジーン社)から調製した。配列データは PC/Gene(テ
イジンシステムテクノロジー社)を用いたコンピュータ
ーで分析した。
【0022】ノーザン及びサザンブロッティング 遺伝子の存在を確認するために、ニワトリゲノム DNAの
サザン・ブロット分析を行った。λCEB-201 の EcoRI c
DNA インサートとのハイブリダイゼーションを行い、 E
coRI及び BamHIで切断した DNAでは単一のバンド、Hind
III 及び SacIで切断した DNAでは2バンドが得られ
た。この単純なハイブリダイゼーションパターンによれ
ば、クローニングされた cDNA が単一コピー遺伝子であ
ることが明らかである。実験の詳細は以下のとおりであ
る。
サザン・ブロット分析を行った。λCEB-201 の EcoRI c
DNA インサートとのハイブリダイゼーションを行い、 E
coRI及び BamHIで切断した DNAでは単一のバンド、Hind
III 及び SacIで切断した DNAでは2バンドが得られ
た。この単純なハイブリダイゼーションパターンによれ
ば、クローニングされた cDNA が単一コピー遺伝子であ
ることが明らかである。実験の詳細は以下のとおりであ
る。
【0023】また、胚発生過程における転写パターンを
調べるために、ノーザンブロットハイブリダイゼーショ
ンを行った。6, 8, および10日齢のニワトリ胚由来RN
Aを分析したところ、3.0 および 2.2 Kb の2種のRN
Aが検出された。3.0 Kb転写が優勢であり、胚発生の全
期間において常に発現していた。低レベルの2.2 Kb転写
が6日齢の胚に検出されたが、8および10日齢の胚から
は消失していた。ニワトリの脳、心臓、肝臓、胚、腎
臓、及び精巣から得た10μg のポリAリッチRNAを用
いて遺伝子発現を分析したところ、極めて低レベルの
3.0および4.0 Kbの転写が精巣に検出されたが、他の組
織からはほとんど検出されなかった。各実験の詳細は以
下のとおりである。
調べるために、ノーザンブロットハイブリダイゼーショ
ンを行った。6, 8, および10日齢のニワトリ胚由来RN
Aを分析したところ、3.0 および 2.2 Kb の2種のRN
Aが検出された。3.0 Kb転写が優勢であり、胚発生の全
期間において常に発現していた。低レベルの2.2 Kb転写
が6日齢の胚に検出されたが、8および10日齢の胚から
は消失していた。ニワトリの脳、心臓、肝臓、胚、腎
臓、及び精巣から得た10μg のポリAリッチRNAを用
いて遺伝子発現を分析したところ、極めて低レベルの
3.0および4.0 Kbの転写が精巣に検出されたが、他の組
織からはほとんど検出されなかった。各実験の詳細は以
下のとおりである。
【0024】ノーザンブロット用に、ニワトリ胚からの
変性 poly(A)リッチRNA 5 μg をホルムアルデヒド−ア
ガロースゲル上でサイズ分画化した後、ハイボンド N+
ナイロンメンブレン(アマシャム社)上にブロッティン
グさせた。サザンブロット用には、ニワトリ胚から調製
した 7.5μg のゲノムDNA を制限酵素EcoRI 、BamHI、H
indIII 及びSacIで切断し、0.6% アガロースゲル上で
サイズ分画化した。電気泳動の後、ゲルを 0.5 N NaOH
及び 1.5 M NaCl 中で変性(30分間)させた後、0.5 M
Tris-HCl(pH7.5) 及び 1.5 M NaCl 中で中性化し(30分
間)、DNA をハイボンド N+ ナイロンメンブレン上に移
した。ノーザン及びサザンフィルターは両方とも 50%ホ
ルムアミド、5 ×SSC 、5 ×デンハルド溶液、0.5% SDS
及び 10μg/ml変性サケ精子DNA 中で37℃、1時間にわ
たりプレハイブリダイズさせた後に、プレハイブリダイ
ゼーションと同じ条件で12時間、32P-放射性ラベル化DN
Aプローブとハイブリダイズさせた。プローブとして
は、マルチプライムラベリングシステム(アマシャム
社)でラベルしたλCEB201である 0.6kb EcoRI cDNA イ
ンサートを用いた。フィルターを2 ×SSC 及び0.1% SDS
中で65℃、10分で二回洗浄し、次いで0.2 ×SSC 及び0.
1% SDS中で65℃、30分で二回洗浄した後、-70 ℃で約一
日間、コダックXAR フィルムに感光させた。
変性 poly(A)リッチRNA 5 μg をホルムアルデヒド−ア
ガロースゲル上でサイズ分画化した後、ハイボンド N+
ナイロンメンブレン(アマシャム社)上にブロッティン
グさせた。サザンブロット用には、ニワトリ胚から調製
した 7.5μg のゲノムDNA を制限酵素EcoRI 、BamHI、H
indIII 及びSacIで切断し、0.6% アガロースゲル上で
サイズ分画化した。電気泳動の後、ゲルを 0.5 N NaOH
及び 1.5 M NaCl 中で変性(30分間)させた後、0.5 M
Tris-HCl(pH7.5) 及び 1.5 M NaCl 中で中性化し(30分
間)、DNA をハイボンド N+ ナイロンメンブレン上に移
した。ノーザン及びサザンフィルターは両方とも 50%ホ
ルムアミド、5 ×SSC 、5 ×デンハルド溶液、0.5% SDS
及び 10μg/ml変性サケ精子DNA 中で37℃、1時間にわ
たりプレハイブリダイズさせた後に、プレハイブリダイ
ゼーションと同じ条件で12時間、32P-放射性ラベル化DN
Aプローブとハイブリダイズさせた。プローブとして
は、マルチプライムラベリングシステム(アマシャム
社)でラベルしたλCEB201である 0.6kb EcoRI cDNA イ
ンサートを用いた。フィルターを2 ×SSC 及び0.1% SDS
中で65℃、10分で二回洗浄し、次いで0.2 ×SSC 及び0.
1% SDS中で65℃、30分で二回洗浄した後、-70 ℃で約一
日間、コダックXAR フィルムに感光させた。
【0025】上記のとおり解明された本発明のシアル酸
転移酵素 P-B1 のアミノ酸配列は、従来公知のシアル酸
転移酵素のアミノ酸配列には観察されない以下の特徴を
示するものである。 (i) 従来クローニングされたシアル酸転移酵素は全てII
型膜蛋白であり、それらは他のグリコシル−トランスフ
ェラーゼと同様のドメイン構造を有する。すなわち、NH
2 末端の短い細胞質中尾部、疎水性のシグナルアンカー
ドメイン、蛋白分解感受性を有するステム領域、及び C
OOH-末端の大きな活性ドメインを有している。一方、本
発明のシアル酸転移酵素 P-B1 は、大きなステム領域
(または中間領域)を有するものである。
転移酵素 P-B1 のアミノ酸配列は、従来公知のシアル酸
転移酵素のアミノ酸配列には観察されない以下の特徴を
示するものである。 (i) 従来クローニングされたシアル酸転移酵素は全てII
型膜蛋白であり、それらは他のグリコシル−トランスフ
ェラーゼと同様のドメイン構造を有する。すなわち、NH
2 末端の短い細胞質中尾部、疎水性のシグナルアンカー
ドメイン、蛋白分解感受性を有するステム領域、及び C
OOH-末端の大きな活性ドメインを有している。一方、本
発明のシアル酸転移酵素 P-B1 は、大きなステム領域
(または中間領域)を有するものである。
【0026】(ii)本発明のシアル酸転移酵素 P-B1 は、
PEST領域(233-258残基)を有している。細胞内半減期が
2時間未満の蛋白のアミノ酸配列は、プロリン、グルタ
ミン酸、セリン、及びスレオニン残基が多い領域(PEST
と呼ばれる: Rogers, S. et al., Science, 234, 364-3
68, 1986) を1個以上含むことが知られている。これら
のPEST領域は、一般にプラスの電荷を持つ数個のアミノ
酸を含む集団を側面に擁している。従来公知のシアル酸
転移酵素はこの領域を有していない。 (iii) 8アミノ酸(SSSXVSTC)から成る領域が2カ所、24
7-254 残基及び 330-337残基に見出された。他の蛋白の
ジーンバンクデータベースの検索からこの配列に類似す
る配列は明らかにされなかった。
PEST領域(233-258残基)を有している。細胞内半減期が
2時間未満の蛋白のアミノ酸配列は、プロリン、グルタ
ミン酸、セリン、及びスレオニン残基が多い領域(PEST
と呼ばれる: Rogers, S. et al., Science, 234, 364-3
68, 1986) を1個以上含むことが知られている。これら
のPEST領域は、一般にプラスの電荷を持つ数個のアミノ
酸を含む集団を側面に擁している。従来公知のシアル酸
転移酵素はこの領域を有していない。 (iii) 8アミノ酸(SSSXVSTC)から成る領域が2カ所、24
7-254 残基及び 330-337残基に見出された。他の蛋白の
ジーンバンクデータベースの検索からこの配列に類似す
る配列は明らかにされなかった。
【0027】従来公知のシアル酸転移酵素は、驚くほど
組織特異的発現を示すものであったが、これは細胞型特
異的糖鎖構造の存在に相関しているものと考えられてい
る(Paulson, J.C. and Colley, K.J., J. Biol. Chem.,
264, 17615-17618, 1989)。上記のノーザン・ブロッテ
ィングの結果によれば、シアル酸転移酵素 P-B1 の mRN
A の発現パターンが変化することが明らかである。シア
ル酸転移酵素 P-B1 の遺伝子から3種の異なるサイズの
mRNA (4.0 、3.0 及び 2.2 kb)が転写されることは、そ
れらがGal β1,4GlcNAc-α2,6-シアル酸転移酵素(Gal
β4GlcNAc-α6STRL)及びGal β1,3(4)GlcNAcα2,3-シア
ル酸転移酵素(Gal β3(4)GlcNAc- α3STRL)(Weinstei
n, J. et al., J. Biol. Chem., 262, 17735-17743, 19
87; および Wen, D.X. et al., J. Biol. Chem., 267,
21011-21019, 1992)に観察されたような、選択的スプ
ライシングメカニズム及び選択的プロモーター利用メカ
ニズムを通じて発現されることを示唆している。このこ
とは、シアル酸転移酵素 P-B1 に対しては単一コピーの
遺伝子しか存在しないことがサザン・ハイブリダイゼー
ションにより示されていることからも明らかである。
組織特異的発現を示すものであったが、これは細胞型特
異的糖鎖構造の存在に相関しているものと考えられてい
る(Paulson, J.C. and Colley, K.J., J. Biol. Chem.,
264, 17615-17618, 1989)。上記のノーザン・ブロッテ
ィングの結果によれば、シアル酸転移酵素 P-B1 の mRN
A の発現パターンが変化することが明らかである。シア
ル酸転移酵素 P-B1 の遺伝子から3種の異なるサイズの
mRNA (4.0 、3.0 及び 2.2 kb)が転写されることは、そ
れらがGal β1,4GlcNAc-α2,6-シアル酸転移酵素(Gal
β4GlcNAc-α6STRL)及びGal β1,3(4)GlcNAcα2,3-シア
ル酸転移酵素(Gal β3(4)GlcNAc- α3STRL)(Weinstei
n, J. et al., J. Biol. Chem., 262, 17735-17743, 19
87; および Wen, D.X. et al., J. Biol. Chem., 267,
21011-21019, 1992)に観察されたような、選択的スプ
ライシングメカニズム及び選択的プロモーター利用メカ
ニズムを通じて発現されることを示唆している。このこ
とは、シアル酸転移酵素 P-B1 に対しては単一コピーの
遺伝子しか存在しないことがサザン・ハイブリダイゼー
ションにより示されていることからも明らかである。
【0028】本発明のGalNAcα2,6-シアル酸転移酵素 P
-B1 は、発現後に細胞内に留まり、細胞外に分泌され
ず、また、細胞内濃度が一定以上になると、酵素の発現
が低下する場合がある。本発明のGalNAcα2,6-シアル酸
転移酵素 P-B1 のGalNAcα2,6-シアル酸転移活性を利用
するため、本酵素の活性を維持し、かつ、発現時に細胞
から分泌される可溶性形態の蛋白 SB-690 を製造した。
本発明の蛋白 SB-690 をコードする遺伝子および本発明
の蛋白 SB-690 のアミノ酸配列を配列表の配列番号2に
示す。
-B1 は、発現後に細胞内に留まり、細胞外に分泌され
ず、また、細胞内濃度が一定以上になると、酵素の発現
が低下する場合がある。本発明のGalNAcα2,6-シアル酸
転移酵素 P-B1 のGalNAcα2,6-シアル酸転移活性を利用
するため、本酵素の活性を維持し、かつ、発現時に細胞
から分泌される可溶性形態の蛋白 SB-690 を製造した。
本発明の蛋白 SB-690 をコードする遺伝子および本発明
の蛋白 SB-690 のアミノ酸配列を配列表の配列番号2に
示す。
【0029】これまでにクローニングされたシアル酸転
移酵素は、他のグリコシル−トランスフェラーゼと同様
のドメイン構造を有している。すなわち、NH2 末端の短
い細胞質中尾部、疎水性のシグナルアンカードメイン、
蛋白分解感受性を有するステム(stem)領域、及び COOH-
末端の大きな活性ドメインを有する(Paulson, J.C. and
Colley, K.J., J. Biol. Chem., 264, 17615-17618, 1
989)。本発明のGalNAcα2,6-シアル酸転移酵素の経膜ド
メインの位置を調べるために、疎水性分布図をカイト及
びドゥーリトル(Kyte, J. and Doolittle, R.F., J. M
ol. Biol., 157, 105-132, 1982)の方法に従って翻訳さ
れた配列から生成した(図2)。この結果、本発明のGa
lNAcα2,6-シアル酸転移酵素 P-B1 の疎水性経膜ドメイ
ンはアミノ酸番号17から37の21アミノ酸残基であること
が示唆された。
移酵素は、他のグリコシル−トランスフェラーゼと同様
のドメイン構造を有している。すなわち、NH2 末端の短
い細胞質中尾部、疎水性のシグナルアンカードメイン、
蛋白分解感受性を有するステム(stem)領域、及び COOH-
末端の大きな活性ドメインを有する(Paulson, J.C. and
Colley, K.J., J. Biol. Chem., 264, 17615-17618, 1
989)。本発明のGalNAcα2,6-シアル酸転移酵素の経膜ド
メインの位置を調べるために、疎水性分布図をカイト及
びドゥーリトル(Kyte, J. and Doolittle, R.F., J. M
ol. Biol., 157, 105-132, 1982)の方法に従って翻訳さ
れた配列から生成した(図2)。この結果、本発明のGa
lNAcα2,6-シアル酸転移酵素 P-B1 の疎水性経膜ドメイ
ンはアミノ酸番号17から37の21アミノ酸残基であること
が示唆された。
【0030】上記のとおり、GalNAcα2,6-シアル酸転移
酵素の疎水性シグナルアンカードメインはアミノ酸残基
17から37に位置している。鋳型として pSB-BGLを含むイ
ンビトロの翻訳/転写系では蛋白(33 kDa)が合成される
にもかかわらず、pcDSB-BGLでトランスフェクションし
た細胞からの培地は有意の活性を持たないことから、23
3 から269 残基が酵素活性に対して何らかの必須残基を
含むことが明らかであり、活性ドメインは 233-566の周
辺と推定された(図3)。これはクローニングされた他
のシアル酸転移酵素のものに匹敵するサイズである。上
記の活性ドメインを含む可溶性蛋白を作るために、P-B1
の推定活性ドメインに対応する配列を免疫グロブリンシ
グナルペプチド配列にインフレーム融合させた(Joblin
g, S.A. and Gehrke, L., Nature(Lond.), 325, 622-62
5, 1987) 。以下に実験の詳細を示す。
酵素の疎水性シグナルアンカードメインはアミノ酸残基
17から37に位置している。鋳型として pSB-BGLを含むイ
ンビトロの翻訳/転写系では蛋白(33 kDa)が合成される
にもかかわらず、pcDSB-BGLでトランスフェクションし
た細胞からの培地は有意の活性を持たないことから、23
3 から269 残基が酵素活性に対して何らかの必須残基を
含むことが明らかであり、活性ドメインは 233-566の周
辺と推定された(図3)。これはクローニングされた他
のシアル酸転移酵素のものに匹敵するサイズである。上
記の活性ドメインを含む可溶性蛋白を作るために、P-B1
の推定活性ドメインに対応する配列を免疫グロブリンシ
グナルペプチド配列にインフレーム融合させた(Joblin
g, S.A. and Gehrke, L., Nature(Lond.), 325, 622-62
5, 1987) 。以下に実験の詳細を示す。
【0031】ベクタープラスミド pUGS を、pBluescrip
t SK(+) プラスミドの PstI-XhoIフラグメントを 117 b
p の合成DNA フラグメントで置換することにより作成し
た。このフラグメントは、 5´末端に合成PstI部位を持
つ43 bp のアルファルファモザイクウィルス(Jobling,
S.A. and Gehrke, L., Nature(Lond.) 325, 622-625,19
87)の 5´- 非翻訳(untranslated)リーダー配列を含ん
でおり、この配列には3´末端に17 bp の合成EcoRI 、B
glII 及びXhoI クローニング部位を持つマウス免疫グ
ロブリン M重鎖シグナルペプチド配列(57 bp)(Boersch-
Supan, M.E. etal., J. Exp. Med. 161, 1272-1292, 19
85)が続いている。このフラグメントのヌクレオチド配
列は 5´-CTGCAGGGTTTTTATTTTTAATTTTCTTTCAAATACTTCCA
CCATGAAATTCAGCTGGGTCATGTTCTTCCTGATGGCAGTGGTTACAGGG
GTCAATTCAGAATTCCAGATCTCGAG-3´である。
t SK(+) プラスミドの PstI-XhoIフラグメントを 117 b
p の合成DNA フラグメントで置換することにより作成し
た。このフラグメントは、 5´末端に合成PstI部位を持
つ43 bp のアルファルファモザイクウィルス(Jobling,
S.A. and Gehrke, L., Nature(Lond.) 325, 622-625,19
87)の 5´- 非翻訳(untranslated)リーダー配列を含ん
でおり、この配列には3´末端に17 bp の合成EcoRI 、B
glII 及びXhoI クローニング部位を持つマウス免疫グ
ロブリン M重鎖シグナルペプチド配列(57 bp)(Boersch-
Supan, M.E. etal., J. Exp. Med. 161, 1272-1292, 19
85)が続いている。このフラグメントのヌクレオチド配
列は 5´-CTGCAGGGTTTTTATTTTTAATTTTCTTTCAAATACTTCCA
CCATGAAATTCAGCTGGGTCATGTTCTTCCTGATGGCAGTGGTTACAGGG
GTCAATTCAGAATTCCAGATCTCGAG-3´である。
【0032】本発明のGalNAcα2,6-シアル酸転移酵素を
コードする遺伝子であるλCEB-3043を EcoRVで部分切断
し、1.8 kbのフラグメントを pBluescript SK(+)のEcoR
V 部位にサブクローニングして、pCEB-1800 を生産し
た。このクローンはλCEB-3043の0.8 kbの 3´- 非翻訳
領域を欠くものである。GalNAcα2,6-シアル酸転移酵素
P-B1 の活性ドメインを、 5´- プライマーとしてその
中央部分に合成EcoRI 部位を持つ 5´-AGGGCTGCTGAATTC
ACTGAGCCACAG-3´(ヌクレオチド 679-708)、及び3 ´
ユニバーサル M13シーケンシングプライマー、さらに鋳
型としてpCEB-1800 を用いたPCR によって生産した。こ
のPCR 産物をEcoRI 及びXhoIで切断した後、上記ベクタ
ープラスミドpUGSの EcoRI/XhoI部位に結合させてプラ
スミドpSB-690 を得た。このプラスミドには、λCEB-30
34遺伝子のうちGalNAcα2,6-シアル酸転移酵素 P-B1 の
活性ドメインをコードする領域が免疫グロブリンシグナ
ル配列の3 ´末端にインフレーム融合された配列が含ま
れるものである。この融合フラグメントをPstI及びXhoI
で pSB-690から切り取った後、 pcDSRα発現ベクターの
PstI/XhoI部位中に挿入して pcDSB-690を得た。
コードする遺伝子であるλCEB-3043を EcoRVで部分切断
し、1.8 kbのフラグメントを pBluescript SK(+)のEcoR
V 部位にサブクローニングして、pCEB-1800 を生産し
た。このクローンはλCEB-3043の0.8 kbの 3´- 非翻訳
領域を欠くものである。GalNAcα2,6-シアル酸転移酵素
P-B1 の活性ドメインを、 5´- プライマーとしてその
中央部分に合成EcoRI 部位を持つ 5´-AGGGCTGCTGAATTC
ACTGAGCCACAG-3´(ヌクレオチド 679-708)、及び3 ´
ユニバーサル M13シーケンシングプライマー、さらに鋳
型としてpCEB-1800 を用いたPCR によって生産した。こ
のPCR 産物をEcoRI 及びXhoIで切断した後、上記ベクタ
ープラスミドpUGSの EcoRI/XhoI部位に結合させてプラ
スミドpSB-690 を得た。このプラスミドには、λCEB-30
34遺伝子のうちGalNAcα2,6-シアル酸転移酵素 P-B1 の
活性ドメインをコードする領域が免疫グロブリンシグナ
ル配列の3 ´末端にインフレーム融合された配列が含ま
れるものである。この融合フラグメントをPstI及びXhoI
で pSB-690から切り取った後、 pcDSRα発現ベクターの
PstI/XhoI部位中に挿入して pcDSB-690を得た。
【0033】対照として、GalNAcα2,6-シアル酸転移酵
素 P-B1 の活性ドメインの一部を欠く蛋白であるSB-BGL
を以下のとおり製造した。pCEB-1800 及びpUGSをBglII
で切断し、粘着末端を DNAポリメラーゼのクレノウ(Kle
now)フラグメントを用いて充填した。 DNAポリメラーゼ
のクレノウ(Klenow)フラグメントを熱変性させた(94
℃、20分間)後、これらのプラスミドをXhoIで切断し
た。pCEB-1800 からの 1.0kb フラグメントをゲル精製
し、pUGSの平滑末端を持つBglII/XhoI部位中にサブクロ
ーニングしてプラスミドpSB-BGL を得た。pSB-BGL から
の PstI/XhoIフラグメントを pcDSRαの発現ベクターの
PstI/XhoI部位中でサブクローニングして pcDSB-BGLを
得た。
素 P-B1 の活性ドメインの一部を欠く蛋白であるSB-BGL
を以下のとおり製造した。pCEB-1800 及びpUGSをBglII
で切断し、粘着末端を DNAポリメラーゼのクレノウ(Kle
now)フラグメントを用いて充填した。 DNAポリメラーゼ
のクレノウ(Klenow)フラグメントを熱変性させた(94
℃、20分間)後、これらのプラスミドをXhoIで切断し
た。pCEB-1800 からの 1.0kb フラグメントをゲル精製
し、pUGSの平滑末端を持つBglII/XhoI部位中にサブクロ
ーニングしてプラスミドpSB-BGL を得た。pSB-BGL から
の PstI/XhoIフラグメントを pcDSRαの発現ベクターの
PstI/XhoI部位中でサブクローニングして pcDSB-BGLを
得た。
【0034】上記の蛋白の発現は以下のように行った。
COS-7 細胞に DEAE-デキストラン法(McCutchan, J.H. a
nd Pagano, J.S. J. Natl. Cancer Inst. 41, 351-357,
1968)を用いて 5μg のプラスミドDNA によりトランス
フェクションした。48時間のトランスフェクションの
後、培地を回収し、セントリコン30フィルター(アミコ
ン社)を用いて酵素アッセイ用に10倍に濃縮した。代謝
ラベル用に、COS 細胞(60-mm 培養皿)を Met- フリー
の培地(ダルベッコの改良イーグル培地及び 2%ウシ胎
児血清)(GIBCO)で洗浄した後、同じ培地で1時間インキ
ュベートした。細胞を 1.5 ml の Met- フリーの培地中
10 MBq/皿のエクスプレス35S プロテインラベリングミ
ックス(デュポン−ニューイングランドヌクレア社)で
2時間、パルスラベルした。これらの細胞をその後 Met
- フリーの培地で洗浄し、エクスプレスラベルなしの培
地中で5時間チェイスした。分泌された蛋白を含む培地
を回収し、10倍に濃縮した後、SDS-ポリアクリルアミド
ゲル電気泳動、次いでフルオログラフィーに掛けた。
COS-7 細胞に DEAE-デキストラン法(McCutchan, J.H. a
nd Pagano, J.S. J. Natl. Cancer Inst. 41, 351-357,
1968)を用いて 5μg のプラスミドDNA によりトランス
フェクションした。48時間のトランスフェクションの
後、培地を回収し、セントリコン30フィルター(アミコ
ン社)を用いて酵素アッセイ用に10倍に濃縮した。代謝
ラベル用に、COS 細胞(60-mm 培養皿)を Met- フリー
の培地(ダルベッコの改良イーグル培地及び 2%ウシ胎
児血清)(GIBCO)で洗浄した後、同じ培地で1時間インキ
ュベートした。細胞を 1.5 ml の Met- フリーの培地中
10 MBq/皿のエクスプレス35S プロテインラベリングミ
ックス(デュポン−ニューイングランドヌクレア社)で
2時間、パルスラベルした。これらの細胞をその後 Met
- フリーの培地で洗浄し、エクスプレスラベルなしの培
地中で5時間チェイスした。分泌された蛋白を含む培地
を回収し、10倍に濃縮した後、SDS-ポリアクリルアミド
ゲル電気泳動、次いでフルオログラフィーに掛けた。
【0035】発現した蛋白の酵素活性を以下のようにし
て測定した。アクセプターとしてオリゴサッカライド及
びグリコプロテインを用いたアッセイを、総量が10μl
となる 50 mMカコジル酸ナトリウムバッファー、pH 6.
0、50μM CMP-[14C-]NeuAc (0.9 Bq/pmol) 、1 mg/ml
ウシ血清アルブミン、2 mg/ml アクセプター基質及び 1
μl 濃縮 COS細胞培地の存在下で行い、30℃で2時間イ
ンキュベートした。インキュベート時間終了時に、アッ
セイ混合液 1μl をシリカゲル 60 HPTLC プレート(メ
ルク社、ドイツ)にのせた。このプレートをエタノー
ル:ピリジン:n-ブタノール:水:酢酸(100:10:10:3
0:3) で展開し、放射能活性を BAS2000 ラジオイメー
ジアナライザー(富士写真フィルム製、日本)で可視化
して定量した。原点に残った放射能はシアル化糖蛋白と
見なした。
て測定した。アクセプターとしてオリゴサッカライド及
びグリコプロテインを用いたアッセイを、総量が10μl
となる 50 mMカコジル酸ナトリウムバッファー、pH 6.
0、50μM CMP-[14C-]NeuAc (0.9 Bq/pmol) 、1 mg/ml
ウシ血清アルブミン、2 mg/ml アクセプター基質及び 1
μl 濃縮 COS細胞培地の存在下で行い、30℃で2時間イ
ンキュベートした。インキュベート時間終了時に、アッ
セイ混合液 1μl をシリカゲル 60 HPTLC プレート(メ
ルク社、ドイツ)にのせた。このプレートをエタノー
ル:ピリジン:n-ブタノール:水:酢酸(100:10:10:3
0:3) で展開し、放射能活性を BAS2000 ラジオイメー
ジアナライザー(富士写真フィルム製、日本)で可視化
して定量した。原点に残った放射能はシアル化糖蛋白と
見なした。
【0036】シアル化産物の同定は以下のように行っ
た。アシアロ-BSMを pcDSB-690 COS細胞培地中でCMP-[
14C]NeuAcで再シアル化して還元し、β−除去オリゴサ
ッカライドを製造した。β−除去はカールソンの方法(C
arlson, D.M., J. Biol. Chem.,243, 616-626, 1968)
に従って行った。アシアロ-BSM (各 100μg)を、インキ
ュベーション時間が12時間であることを除き、上記と同
じ条件下で pcDSB-690 COS細胞培地中でCMP-[14C-]NeuA
c でシアル化した。反応を 0.5 M HCl中 1% リンタング
ステン酸 500μl を加えて停止し、次いで 10,000xg で
5分間遠心した。ペレットを同じリンタングステン酸溶
液で一回洗浄し、さらにメタノールで一回洗浄した後、
0.5 mlの0.05M NaOH及び 1M NaBH4 溶液中に溶解し、45
℃で30時間インキュベートした。
た。アシアロ-BSMを pcDSB-690 COS細胞培地中でCMP-[
14C]NeuAcで再シアル化して還元し、β−除去オリゴサ
ッカライドを製造した。β−除去はカールソンの方法(C
arlson, D.M., J. Biol. Chem.,243, 616-626, 1968)
に従って行った。アシアロ-BSM (各 100μg)を、インキ
ュベーション時間が12時間であることを除き、上記と同
じ条件下で pcDSB-690 COS細胞培地中でCMP-[14C-]NeuA
c でシアル化した。反応を 0.5 M HCl中 1% リンタング
ステン酸 500μl を加えて停止し、次いで 10,000xg で
5分間遠心した。ペレットを同じリンタングステン酸溶
液で一回洗浄し、さらにメタノールで一回洗浄した後、
0.5 mlの0.05M NaOH及び 1M NaBH4 溶液中に溶解し、45
℃で30時間インキュベートした。
【0037】インキュベーション時間の終了時に、この
溶液を酢酸で pH 6 に中和し、凍結乾燥した。この乾燥
産物を 50 μl の水に溶解し、水で平衡化及び溶出する
セファデックス G-15 カラム(0.5 x 5 cm) 上のゲル濾
過によって脱塩した。放射能活性のある分画はそれ以上
精製せずに産物同定用の薄層クロマトグラフィーに付し
た。異なる2種類の展開溶媒を用い、天然 BSMからの N
euAcα2,6GalNAc-オール及びGlcNAcβ1,3 [NeuAcα2,6]
GalNAc- オールと共泳動させた。転移したシアリル残基
の比率は 1:0.9:0.6であった。シアル化GalNAc-SerNAc
を異なる2種類の展開溶媒系において NeuAcα2,6GalNA
c-SerNAcと共泳動させることにより、本発明の蛋白 SB-
690 が、グリコプロテイン中の Ser又は Thr残基に直接
結合している GalNAc に NeuAcα2,6 結合を形成するこ
とが示された。
溶液を酢酸で pH 6 に中和し、凍結乾燥した。この乾燥
産物を 50 μl の水に溶解し、水で平衡化及び溶出する
セファデックス G-15 カラム(0.5 x 5 cm) 上のゲル濾
過によって脱塩した。放射能活性のある分画はそれ以上
精製せずに産物同定用の薄層クロマトグラフィーに付し
た。異なる2種類の展開溶媒を用い、天然 BSMからの N
euAcα2,6GalNAc-オール及びGlcNAcβ1,3 [NeuAcα2,6]
GalNAc- オールと共泳動させた。転移したシアリル残基
の比率は 1:0.9:0.6であった。シアル化GalNAc-SerNAc
を異なる2種類の展開溶媒系において NeuAcα2,6GalNA
c-SerNAcと共泳動させることにより、本発明の蛋白 SB-
690 が、グリコプロテイン中の Ser又は Thr残基に直接
結合している GalNAc に NeuAcα2,6 結合を形成するこ
とが示された。
【0038】pcDSB-690 でトランスフェクトされた細胞
を培養した培地にはシアル酸転移酵素活性が検出され、
pcDSB-690により発現される本発明の蛋白 SB-690 がシ
アル酸転移酵素活性を保持しつつ、細胞外に分泌されて
いることが明らになった。一方、cDSB-BGLでトランスフ
ェクトされた細胞を培養した培地からはシアル酸転移酵
素活性が検出されなかった。
を培養した培地にはシアル酸転移酵素活性が検出され、
pcDSB-690により発現される本発明の蛋白 SB-690 がシ
アル酸転移酵素活性を保持しつつ、細胞外に分泌されて
いることが明らになった。一方、cDSB-BGLでトランスフ
ェクトされた細胞を培養した培地からはシアル酸転移酵
素活性が検出されなかった。
【0039】本発明の蛋白 SB-690 の受容体特異性を p
cDSB-690でトランスフェクションされた COS-7細胞培養
濃縮培地で調べた。表1に示すように、アシアロムチ
ン、フェツイン及びアシアロフェツインは良好な受容体
として作用した。注目すべきことに、フェツインはアシ
アロフェツインよりも優れた受容体であることが示され
た(Baubichon-Cortay, H. et al., Carbohydr. Res., 1
49, 209-223, 1986; および Brockhausen, I. et al.,
Biochemistry, 29, 10206-10212, 1990) 。他のグリコ
プロテイン、オリゴサッカライド及びグリコリピッドは
GalNAc-SerNAcを除いて、アクセプターとして作用しな
かった。これらのデータは当アクセプター部位がα−グ
リコシド結合を通じてグリコプロテイン中の Ser又は T
hr残基に直接結合している GalNAc であることを示唆し
ている。
cDSB-690でトランスフェクションされた COS-7細胞培養
濃縮培地で調べた。表1に示すように、アシアロムチ
ン、フェツイン及びアシアロフェツインは良好な受容体
として作用した。注目すべきことに、フェツインはアシ
アロフェツインよりも優れた受容体であることが示され
た(Baubichon-Cortay, H. et al., Carbohydr. Res., 1
49, 209-223, 1986; および Brockhausen, I. et al.,
Biochemistry, 29, 10206-10212, 1990) 。他のグリコ
プロテイン、オリゴサッカライド及びグリコリピッドは
GalNAc-SerNAcを除いて、アクセプターとして作用しな
かった。これらのデータは当アクセプター部位がα−グ
リコシド結合を通じてグリコプロテイン中の Ser又は T
hr残基に直接結合している GalNAc であることを示唆し
ている。
【0040】
【表1】 本発明の蛋白 SB-690 の受容体特異性 ─────────────────────────────────── 受 容 体 pmoles/hr/10μl 培地 ─────────────────────────────────── フェツイン (fetuin) 142 アシアロフェツイン (asialo-fetuin) 96 α1 酸糖蛋白 6 アシアロ- α1 酸糖蛋白 4 ウシ下顎ムチン 15 ウシ下顎アシアロムチン 186 卵ムコイド 7 アシアロ- 卵ムコイド 0 Gal β1,3GlcNAc β1,3Galβ1,4Glc 0 Gal β1,4GlcNAc 0 Gal β1,3GalNAc 0 GalNAcβ1,4Gal 0 Gal β1,4Glc 0 ガラクトース 0 ガングリオシド混合物 0 ガングリオシド GD1a 0 GalNAc-SerNAc 4 ベンジル-GalNAc 2 ─────────────────────────────────── 表中、"0" は 1 pmole/hr/10μl 培地未満であることを
示す。
示す。
【0041】従来クローニングされたシアル酸転移酵素
は Gal- 部分に対してのみアクセプター特異性を示すも
のであった。一方、本発明のGalNAcα2,6-シアル酸転移
酵素P-B1 および本発明の蛋白 SB-690 は、GalNAc- 部
分に対してアクセプター特異性を示すが Gal- 部分に対
してはアクセプター特異性を示さないものである。以下
の知見は、本発明のGalNAcα2,6-シアル酸転移酵素 P-B
1 および本発明の蛋白SB-690 が、α2,6-結合を有する
CMP-NeuAcを、グリコプロテインの Thr/SerにO- 結合し
ている GalNAc-残基上に転移させる GalNAc α2,6-シア
ル酸転移酵素活性を有することを示すものである。
は Gal- 部分に対してのみアクセプター特異性を示すも
のであった。一方、本発明のGalNAcα2,6-シアル酸転移
酵素P-B1 および本発明の蛋白 SB-690 は、GalNAc- 部
分に対してアクセプター特異性を示すが Gal- 部分に対
してはアクセプター特異性を示さないものである。以下
の知見は、本発明のGalNAcα2,6-シアル酸転移酵素 P-B
1 および本発明の蛋白SB-690 が、α2,6-結合を有する
CMP-NeuAcを、グリコプロテインの Thr/SerにO- 結合し
ている GalNAc-残基上に転移させる GalNAc α2,6-シア
ル酸転移酵素活性を有することを示すものである。
【0042】(i) COS細胞中の pcDSB-690の発現によ
り、Thr/Ser 残基に結合している GalNAc 部分のみに対
するアクセプター特異性が明らかにされた。一方、試験
した他の基質に対しては検出可能な酵素活性は全く見ら
れなかった(表1)。 (ii) ウシ下顎腺アシアロ−ムチン及びGalNAc-SerNAc
から得られたシアル化産物はα2,6 結合を通じてGalNAc
部分に結合しているシアル酸を有することが示された。 2種類の型、すなわちウシ下顎腺型及び肝臓(脳)型の
GalNAc-α6ST が報告されており、それらは異なるアク
セプター特異性を持つ(Bergh, M.E. et al., J. Biol.
Chem., 258, 7430-7436, 1983)。前者の酵素はGalNAc、
Galβ1,3GalNAc 及び NeuAcα2,3Galβ1,3GalNAc に対
して広範囲の特異性を持つが、後者はグリコプロテイン
の NeuAcα2,3Galβ1,3GalNAc 部分に対してのみ特異性
を持つ。本発明のGalNAcα2,6-シアル酸転移酵素 P-B1
および本発明の蛋白 SB-690 のアクセプター特異性は、
前者の酵素と同様であることを示している。
り、Thr/Ser 残基に結合している GalNAc 部分のみに対
するアクセプター特異性が明らかにされた。一方、試験
した他の基質に対しては検出可能な酵素活性は全く見ら
れなかった(表1)。 (ii) ウシ下顎腺アシアロ−ムチン及びGalNAc-SerNAc
から得られたシアル化産物はα2,6 結合を通じてGalNAc
部分に結合しているシアル酸を有することが示された。 2種類の型、すなわちウシ下顎腺型及び肝臓(脳)型の
GalNAc-α6ST が報告されており、それらは異なるアク
セプター特異性を持つ(Bergh, M.E. et al., J. Biol.
Chem., 258, 7430-7436, 1983)。前者の酵素はGalNAc、
Galβ1,3GalNAc 及び NeuAcα2,3Galβ1,3GalNAc に対
して広範囲の特異性を持つが、後者はグリコプロテイン
の NeuAcα2,3Galβ1,3GalNAc 部分に対してのみ特異性
を持つ。本発明のGalNAcα2,6-シアル酸転移酵素 P-B1
および本発明の蛋白 SB-690 のアクセプター特異性は、
前者の酵素と同様であることを示している。
【0043】アシアロムチンのアクセプター部位の検討
から NeuAcα2,6GalNAc-Ser/Thr が最も多い産物である
ことが示された。しかしながら、ウシ下顎腺アシアロム
チン中の糖共役体の比率、すなわち、GalNAc-Ser/Thr、
GlcNAcβ1,3GalNAc-Ser/Thr及び Galβ1,3GalNAc-Ser/T
hr がそれぞれ 65%、25% 及び 5% に当たること(Tsuji,
T. and Osawa, T., Carbohydr. Res., 151, 391-402,
1986)を考慮すると、本発明のGalNAcα2,6-シアル酸転
移酵素 P-B1 および本発明の蛋白 SB-690 は、以下のア
クセプター優先順位を有するものである: Galβ1,3Gal
NAc-Ser/Thr >) GlcNAcβ1,3GalNAc-Ser/Thr > GalNA
c-Ser/Thr 。一方、ほとんど全ての放射能活性が弱アル
カリ処理によって解離し、かつ、フェツインの方がアシ
アロフェツインよりも好ましい(表1)という事実は、
ウシ肝臓 (Bergh, M.E. et al.,J. Biol. Chem., 258,
7430-7436, 1983) 及びラット脳(Baubichon-Cortay, H.
et al., Carbohydr. Res., 149, 209-223, 1986)のGalN
Acα2,6-シアル酸転移酵素について報告されているよう
に、 NeuAcα2,3Galβ1,3GalNAc-Ser/Thr が Galβ1,3G
alNAc-Ser/Thr よりも好ましい基質であることを示して
いる。
から NeuAcα2,6GalNAc-Ser/Thr が最も多い産物である
ことが示された。しかしながら、ウシ下顎腺アシアロム
チン中の糖共役体の比率、すなわち、GalNAc-Ser/Thr、
GlcNAcβ1,3GalNAc-Ser/Thr及び Galβ1,3GalNAc-Ser/T
hr がそれぞれ 65%、25% 及び 5% に当たること(Tsuji,
T. and Osawa, T., Carbohydr. Res., 151, 391-402,
1986)を考慮すると、本発明のGalNAcα2,6-シアル酸転
移酵素 P-B1 および本発明の蛋白 SB-690 は、以下のア
クセプター優先順位を有するものである: Galβ1,3Gal
NAc-Ser/Thr >) GlcNAcβ1,3GalNAc-Ser/Thr > GalNA
c-Ser/Thr 。一方、ほとんど全ての放射能活性が弱アル
カリ処理によって解離し、かつ、フェツインの方がアシ
アロフェツインよりも好ましい(表1)という事実は、
ウシ肝臓 (Bergh, M.E. et al.,J. Biol. Chem., 258,
7430-7436, 1983) 及びラット脳(Baubichon-Cortay, H.
et al., Carbohydr. Res., 149, 209-223, 1986)のGalN
Acα2,6-シアル酸転移酵素について報告されているよう
に、 NeuAcα2,3Galβ1,3GalNAc-Ser/Thr が Galβ1,3G
alNAc-Ser/Thr よりも好ましい基質であることを示して
いる。
【0044】GalNAc-SerNAc のシアル化はアシアロムチ
ン上の対応する残基のシアル化よりもはるかに遅い(表
1)。ブロックハウゼンら(Brockhausen et al., Bioch
emistry, 29, 10206-10212, 1990) によれば、最低5ア
ミノ酸の長さが有効なシンセターゼ活性にとって必要で
ある。本発明のGalNAcα2,6-シアル酸転移酵素 P-B1お
よび本発明の蛋白 SB-690 も、ペプチド部分に同様の直
接作用を有するものと思われる(表1)。
ン上の対応する残基のシアル化よりもはるかに遅い(表
1)。ブロックハウゼンら(Brockhausen et al., Bioch
emistry, 29, 10206-10212, 1990) によれば、最低5ア
ミノ酸の長さが有効なシンセターゼ活性にとって必要で
ある。本発明のGalNAcα2,6-シアル酸転移酵素 P-B1お
よび本発明の蛋白 SB-690 も、ペプチド部分に同様の直
接作用を有するものと思われる(表1)。
【0045】上記の実験に用いた試薬および試料、なら
びに詳細な実験方法は以下のとおりである。フェツイ
ン、アシアロフェツイン、ウシ下顎腺ムチン、α1-酸グ
リコプロテイン、ガラクトースβ1,4-N-アセチルガラク
トサミン、CMP-NeuAc 、ラクト-N- テトラオース、ベン
ジル-GalNAc 、N-アセチルラクトサミン、及びトライト
ンCF-54 はシグマ社(セント・ルイス、USA)から入手し
た。CMP-[14C]NeuAc(11GBq/mmole) はアマシャム社(U.
K.)から入手したものである。N-アセチルガラクトサミ
ンβ1,4-ガラクトースは梶本博士(理化学研究所、埼玉
県和光市)より寄贈されたものを用いた。2-アセトアミ
ド、2-デオキシガラクトシルαN-アセチルセリン(GalNA
c-SerNAc) はグランドラー及びシュミット(Grundler
G., and Schmidt R.R., Liebigs Ann. Chem., 1984, 18
26-1847, 1984) の方法によって合成した。
びに詳細な実験方法は以下のとおりである。フェツイ
ン、アシアロフェツイン、ウシ下顎腺ムチン、α1-酸グ
リコプロテイン、ガラクトースβ1,4-N-アセチルガラク
トサミン、CMP-NeuAc 、ラクト-N- テトラオース、ベン
ジル-GalNAc 、N-アセチルラクトサミン、及びトライト
ンCF-54 はシグマ社(セント・ルイス、USA)から入手し
た。CMP-[14C]NeuAc(11GBq/mmole) はアマシャム社(U.
K.)から入手したものである。N-アセチルガラクトサミ
ンβ1,4-ガラクトースは梶本博士(理化学研究所、埼玉
県和光市)より寄贈されたものを用いた。2-アセトアミ
ド、2-デオキシガラクトシルαN-アセチルセリン(GalNA
c-SerNAc) はグランドラー及びシュミット(Grundler
G., and Schmidt R.R., Liebigs Ann. Chem., 1984, 18
26-1847, 1984) の方法によって合成した。
【0046】NeuAc α2,6-GalNAc-SerNAc は NeuAcα2,
6GalNAc-Ser(メクト社) からピリジン−水中で無水酢酸
でアセチル化によって製造した。 NeuAcα2,6GalNAc-オ
ール及びGlcNAcβ1,3 [NeuAcα2,6]GalNAc- オールは辻
および大沢(Tsuji, T. and Osawa T., Carbohydr. Re
s., 151, 391-402, 1986) の方法によってウシ下顎腺ム
チンから製造し、270MHz 1H 及び 13C NMRにより同定し
た(Savage, A.V. et al., Eur. J. Biochem., 192, 427
-432, 1990; および Savage, A.V. et al., Eur.J. Bio
chem., 193, 837-843, 1990) 。合成プライマーはアプ
ライド・バイオシステム 394 DNAシンセサイザーで合成
した。制限酵素 SmaI 、EcoRI 、BamHI 、HindIII 、Sa
cI、XhoI、BglII 及びPstIは宝酒造から入手した。
6GalNAc-Ser(メクト社) からピリジン−水中で無水酢酸
でアセチル化によって製造した。 NeuAcα2,6GalNAc-オ
ール及びGlcNAcβ1,3 [NeuAcα2,6]GalNAc- オールは辻
および大沢(Tsuji, T. and Osawa T., Carbohydr. Re
s., 151, 391-402, 1986) の方法によってウシ下顎腺ム
チンから製造し、270MHz 1H 及び 13C NMRにより同定し
た(Savage, A.V. et al., Eur. J. Biochem., 192, 427
-432, 1990; および Savage, A.V. et al., Eur.J. Bio
chem., 193, 837-843, 1990) 。合成プライマーはアプ
ライド・バイオシステム 394 DNAシンセサイザーで合成
した。制限酵素 SmaI 、EcoRI 、BamHI 、HindIII 、Sa
cI、XhoI、BglII 及びPstIは宝酒造から入手した。
【0047】
【発明の効果】本発明により新規酵素 P-B1 、および該
酵素の活性部分を有し細胞外に分泌される新規蛋白 SB-
690 が提供される。本発明の酵素および蛋白はGalNAcα
2,6-シアル酸転移酵素活性を有するので、例えば、蛋白
にヒト型の糖鎖を導入する試薬として有用である。ま
た、ヒトに特異的な糖鎖を欠く遺伝性疾患の治療のため
の医薬として有用である。さらに、癌転移抑制、ウイル
ス感染防止、炎症反応抑制を目的とする医薬としても用
いることが可能である。
酵素の活性部分を有し細胞外に分泌される新規蛋白 SB-
690 が提供される。本発明の酵素および蛋白はGalNAcα
2,6-シアル酸転移酵素活性を有するので、例えば、蛋白
にヒト型の糖鎖を導入する試薬として有用である。ま
た、ヒトに特異的な糖鎖を欠く遺伝性疾患の治療のため
の医薬として有用である。さらに、癌転移抑制、ウイル
ス感染防止、炎症反応抑制を目的とする医薬としても用
いることが可能である。
【0048】
配列番号:1 配列の長さ :2072 配列の型 :核酸 鎖の数 :2本鎖 トポロジー :直鎖 配列の種類 :cDNA to mRNA 起源 :G. gallus (ニワトリ) 配列の特徴 :CDS 1-1698 配列 (-31) CCGAGCTTCCATCTCTCCCGGGCCTCTCACT -1 ATG GGG TTT TTA ATC AGA AGG CTT CCT AAA GAT TCC AGA ATA TTC 45 MET Gly Phe Leu Ile Arg Arg Leu Pro Lys Asp Ser Arg Ile Phe 15 CGT TGG CTC CTT ATT TTA ACA GTC TTT TCC TTC ATC ATT ACT AGT 90 Arg Trp Leu Leu Ile Leu Thr Val Phe Ser Phe Ile Ile Thr Ser 30 TTT AGC GCC TTG TTT GGC ATG GAG AAA AGC ATT TTC AGG CAG CTC 135 Phe Ser Ala Leu Phe Gly MET Glu Lys Ser Ile Phe Arg Gln Leu 45 AAG ATT TAC CAA AGC ATT GCA CAT ATG CTA CAA GTG GAC ACC CAA 180 Lys Ile Tyr Gln Ser Ile Ala His MET Leu Gln Val Asp Thr Gln 60 GAT CAG CAA GGT TCA AAC TAT TCT GCT AAT GGG AGA ATT TCA AAG 225 Asp Gln Gln Gly Ser Asn Tyr Ser Ala Asn Gly Arg Ile Ser Lys 75 GTT GGT TTG GAG AGA GAC ATT GCA TGG CTC GAA CTG AAT ACT GCT 270 Val Gly Leu Glu Arg Asp Ile Ala Trp Leu Glu Leu Asn Thr Ala 90 GTG AGT ACA CCA AGT GGG GAA GGG AAG GAA GAG CAG AAG AAA ACA 315 Val Ser Thr Pro Ser Gly Glu Gly Lys Glu Glu Gln Lys Lys Thr 105 GTG AAA CCA GTT GCC AAG GTG GAA GAA GCC AAG GAG AAA GTG ACT 360 Val Lys Pro Val Ala Lys Val Glu Glu Ala Lys Glu Lys Val Thr 120 GTG AAA CCA TTC CCT GAG GTG ATG GGG ATC ACA AAT ACA ACA GCA 405 Val Lys Pro Phe Pro Glu Val MET Gly Ile Thr Asn Thr Thr Ala 135 TCA ACA GCC TCT GTG GTG GAG AGA ACA AAG GAG AAA ACA ACA GCG 450 Ser Thr Ala Ser Val Val Glu Arg Thr Lys Glu Lys Thr Thr Ala 150 AGA CCA GTT CCA GGG GTG GGG GAA GCT GAT GGG AAG AGA ACA ACG 495 Arg Pro Val Pro Gly Val Gly Glu Ala Asp Gly Lys Arg Thr Thr 165 ATA GCA CTT CCC AGC ATG AAG GAA GAC AAA GAG AAG GCG ACT GTG 540 Ile Ala Leu Pro Ser MET Lys Glu Asp Lys Glu Lys Ala Thr Val 180 AAA CCA TCC TTT GGG ATG AAG GTA GCT CAT GCA AAC AGC ACA TCC 585 Lys Pro Ser Phe Gly MET Lys Val Ala His Ala Asn Ser Thr Ser 195 AAA GAT AAA CCA AAG GCA GAA GAG CCT CCT GCA TCA GTG AAA GCC 630 Lys Asp Lys Pro Lys Ala Glu Glu Pro Pro Ala Ser Val Lys Ala 210 ATA AGA CCT GTG ACT CAG GCT GCC ACA GTG ACA GAG AAG AAG AAA 675 Ile Arg Pro Val Thr Gln Ala Ala Thr Val Thr Glu Lys Lys Lys 225 CTG AGG GCT GCT GAC TTC AAG ACT GAG CCA CAG TGG GAT TTT GAT 720 Leu Arg Ala Ala Asp Phe Lys Thr Glu Pro Gln Trp Asp Phe Asp 240 GAT GAG TAC ATA CTG GAT AGC TCA TCT CCA GTA TCG ACC TGC TCT 765 Asp Glu Tyr Ile Leu Asp Ser Ser Ser Pro Val Ser Thr Cys Ser 255 GAA TCA GTG AGA GCC AAG GCT GCC AAG TCT GAC TGG CTG CGA GAT 810 Glu Ser Val Arg Ala Lys Ala Ala Lys Ser Asp Trp Leu Arg Asp 270 CTT TTC CTG CCG AAC ATC ACA CTC TTC ATA GAC AAG AGT TAC TTC 855 Leu Phe Leu Pro Asn Ile Thr Leu Phe Ile Asp Lys Ser Tyr Phe 285 AAT GTC AGT GAG TGG GAC CGC CTG GAG CAT TTT GCA CCT CCC TAT 900 Asn Val Ser Glu Trp Asp Arg Leu Glu His Phe Ala Pro Pro Tyr 300 GGC TTC ATG GAG CTG AAT TAC TCA CTG GTA GAA GAA GTC ATG TCA 945 Gly Phe MET Glu Leu Asn Tyr Ser Leu Val Glu Glu Val MET Ser 315 CGG CTG CCT CCA AAT CCC CAC CAG CAG CTG CTC CTG GCC AAC AGT 990 Arg Leu Pro Pro Asn Pro His Gln Gln Leu Leu Leu Ala Asn Ser 330 AGC AGC AAC GTG TCA ACG TGC ATC AGC TGT GCT GTT GTG GGG AAT 1035 Ser Ser Asn Val Ser Thr Cys Ile Ser Cys Ala Val Val Gly Asn 345 GGA GGG ATA TTG AAT AAC TCT GGA ATG GGC CAG GAG ATT GAC TCC 1080 Gly Gly Ile Leu Asn Asn Ser Gly MET Gly Gln Glu Ile Asp Ser 360 CAT GAC TAT GTG TTC CGG GTG AGC GGG GCT GTA ATC AAA GGT TAC 1125 His Asp Tyr Val Phe Arg Val Ser Gly Ala Val Ile Lys Gly Tyr 375 GAA AAG GAT GTG GGA ACA AAA ACC TCC TTC TAC GGA TTC ACA GCG 1170 Glu Lys Asp Val Gly Thr Lys Thr Ser Phe Tyr Gly Phe Thr Ala 390 TAC TCC CTG GTG TCC TCT CTC CAG AAC TTG GGA CAC AAA GGG TTC 1215 Tyr Ser Leu Val Ser Ser Leu Gln Asn Leu Gly His Lys Gly Phe 405 AAG AAG ATC CCA CAG GGG AAG CAT ATC AGA TAC ATT CAC TTC CTG 1260 Lys Lys Ile Pro Gln Gly Lys His Ile Arg Tyr Ile His Phe Leu 420 GAG GCA GTT AGA GAC TAT GAG TGG CTG AAG GCT CTT CTG TTG GAC 1305 Glu Ala Val Arg Asp Tyr Glu Trp Leu Lys Ala Leu Leu Leu Asp 435 AAG GAT ATC AGG AAA GGA TTC CTG AAC TAC TAT GGG CGA AGG CCC 1350 Lys Asp Ile Arg Lys Gly Phe Leu Asn Tyr Tyr Gly Arg Arg Pro 450 CGG GAG AGA TTC GAT GAA GAT TTC ACA ATG AAT AAG TAC CTG GTA 1395 Arg Glu Arg Phe Asp Glu Asp Phe Thr MET Asn Lys Tyr Leu Val 465 GCT CAC CCT GAT TTC CTC AGA TAC TTG AAA AAC AGG TTC TTA AAA 1440 Ala His Pro Asp Phe Leu Arg Tyr Leu Lys Asn Arg Phe Leu Lys 480 TCT AAA AAT CTG CAA AAG CCC TAC TGG CGG CTG TAC AGA CCC ACA 1485 Ser Lys Asn Leu Gln Lys Pro Tyr Trp Arg Leu Tyr Arg Pro Thr 495 ACA GGA GCC CTC CTG CTG CTG ACT GCC CTG CAT CTC TGT GAC CGG 1530 Thr Gly Ala Leu Leu Leu Leu Thr Ala Leu His Leu Cys Asp Arg 510 GTG AGT GCC TAT GGC TAC ATC ACA GAA GGT CAC CAG AAG TAC TCG 1575 Val Ser Ala Tyr Gly Tyr Ile Thr Glu Gly His Gln Lys Tyr Ser 525 GAT CAC TAC TAT GAC AAG GAG TGG AAA CGC CTG GTC TTC TAC GTT 1620 Asp His Tyr Tyr Asp Lys Glu Trp Lys Arg Leu Val Phe Tyr Val 540 AAC CAT GAC TTC AAC TTG GAG AAG CAG GTG TGG AAA AGG CTT CAT 1665 Asn His Asp Phe Asn Leu Glu Lys Gln Val Trp Lys Arg Leu His 555 GAT GAG AAC ATC ATG AAG CTC TAC CAG AGA TCC TGA CAG TGT GCC 1710 Asp Glu Asn Ile MET Lys Leu Tyr Gln Arg Ser --- 566 GAGGGCCATT GCCTGGGAAA TCTCAACAGC ACCTCATGGG GAACAGAAGA 1760 GGACCTCGGA AGCCAGGGTT AGCTCTGGAC TTCCAGGCCC AGCTTCAGCT 1810 CCACAGAGAT ATTTCCCTCC TTTGATATCT TTATTTTCTC ACAACACTTC 1860 CTAAAATGTG CATATTCTAC AGACCAAGCG AACAGTAGGG AAAAGTGCCT 1910 CCAAACAAGG TCCCATCTGA CTTGTGGACG GTTGTAGGCT CTGGTACTGG 1960 GAAAGAGGAA TCCGGGATGA ATCCGAATAG CAGATGTTCC AGTGCCCATT 2010 ATCTTAATCA GGTTCTCCCT CTGCAAGGAG ATGCTCTTGG GGCTGGGGCT 2060 AGTTTTGCTC TAGGTGGGTT CTCTCTGTGA GTAGTGCTTG TTATGGAGCT 2110 GGGTGTTTTG GGTAAGCAGT GGATAGAATG GAGACACACA CAATCCTGTC 2160 TCAAGAGGAT GATTTGTGTC CTGGAGGTGC TGCTGTCACT CTGCTCACTG 2210 CAGGCATAAG GACCCTTCCA ATGAACTCAA TCCCAATGTG ACTTTGCTGT 2260 GACACCTCCT GGGGAGCACT GTGATGTCGG TGCCCAGCCT GCTGCCCTTG 2310 GCCTAGTTCA CCATCAGCAC AAGGGAAGGG GAGAGCCCTC CGTAGTGCAG 2360 CAGAATGCTG GACATTGTAC CTCTTGCTGT GGGTTCCCCT GGCTGCAGAC 2410 TACGTGTAGT GAGTCTGATG AAGAAGCTGG TGCTTGGCTG TGCCAGGAGC 2460 ATGGTGCTTC CTCTTCTACC AGGAGAAATG AGAATTCTCA ATGTCCATGG 2510 ATGGATGCTG TCTGTCCTTG CTGCTGGCTG GAGTGCCTGC CTACATTGTC 2560 CTGAGAAAAG CACTGTTACA GCCAGTAAGC CTTTGGAGTA TTGGCCTTCT 2610 GAGTGGGCTT TTGCAAACAA AATAAACGGC ACTGCTTTCC CCCAAGCTGA 2660 AAAAAAAAAA A 2671 配列番号:2 配列の長さ :1294 配列の型 :核酸 鎖の数 :2本鎖 トポロジー :直鎖 配列の種類 :cDNA to mRNA 起源 :G. gallus (ニワトリ) 配列の特徴 :CDS 1-1065 配列の特徴 :signal peptide 1-1065 配列 (-43) CTG CAGGGTTTTT ATTTTTAATT TTCTTTCAAA TACTTCCACC -1 PstI ATG AAA TTC AGC TGG GTC ATG TTC TTC CTG ATG GCA GTG GTT ACA 45 MET Lys Phe Ser Trp Val MET Phe Phe Leu MET Ala Val Val Thr 15 GGG GTC AAT TCA GAA TTC ACT GAG CCA CAG TGG GAT TTT GAT GAT 90 Gly Val Asn Ser Glu Phe Thr Glu Pro Gln Trp Asp Phe Asp Asp 30 GAG TAC ATA CTG GAT AGC TCA TCT CCA GTA TCG ACC TGC TCT GAA 135 Glu Tyr Ile Leu Asp Ser Ser Ser Pro Val Ser Thr Cys Ser Glu 45 TCA GTG AGA GCC AAG GCT GCC AAG TCT GAC TGG CTG CGA GAT CTT 180 Ser Val Arg Ala Lys Ala Ala Lys Ser Asp Trp Leu Arg Asp Leu 60 TTC CTG CCG AAC ATC ACA CTC TTC ATA GAC AAG AGT TAC TTC AAT 225 Phe Leu Pro Asn Ile Thr Leu Phe Ile Asp Lys Ser Tyr Phe Asn 75 GTC AGT GAG TGG GAC CGC CTG GAG CAT TTT GCA CCT CCC TAT GGC 270 Val Ser Glu Trp Asp Arg Leu Glu His Phe Ala Pro Pro Tyr Gly 90 TTC ATG GAG CTG AAT TAC TCA CTG GTA GAA GAA GTC ATG TCA CGG 315 Phe MET Glu Leu Asn Tyr Ser Leu Val Glu Glu Val MET Ser Arg 105 CTG CCT CCA AAT CCC CAC CAG CAG CTG CTC CTG GCC AAC AGT AGC 360 Leu Pro Pro Asn Pro His Gln Gln Leu Leu Leu Ala Asn Ser Ser 120 AGC AAC GTG TCA ACG TGC ATC AGC TGT GCT GTT GTG GGG AAT GGA 405 Ser Asn Val Ser Thr Cys Ile Ser Cys Ala Val Val Gly Asn Gly 135 GGG ATA TTG AAT AAC TCT GGA ATG GGC CAG GAG ATT GAC TCC CAT 450 Gly Ile Leu Asn Asn Ser Gly MET Gly Gln Glu Ile Asp Ser His 150 GAC TAT GTG TTC CGG GTG AGC GGG GCT GTA ATC AAA GGT TAC GAA 495 Asp Tyr Val Phe Arg Val Ser Gly Ala Val Ile Lys Gly Tyr Glu 165 AAG GAT GTG GGA ACA AAA ACC TCC TTC TAC GGA TTC ACA GCG TAC 540 Lys Asp Val Gly Thr Lys Thr Ser Phe Tyr Gly Phe Thr Ala Tyr 180 TCC CTG GTG TCC TCT CTC CAG AAC TTG GGA CAC AAA GGG TTC AAG 585 Ser Leu Val Ser Ser Leu Gln Asn Leu Gly His Lys Gly Phe Lys 195 AAG ATC CCA CAG GGG AAG CAT ATC AGA TAC ATT CAC TTC CTG GAG 630 Lys Ile Pro Gln Gly Lys His Ile Arg Tyr Ile His Phe Leu Glu 210 GCA GTT AGA GAC TAT GAG TGG CTG AAG GCT CTT CTG TTG GAC AAG 675 Ala Val Arg Asp Tyr Glu Trp Leu Lys Ala Leu Leu Leu Asp Lys 225 GAT ATC AGG AAA GGA TTC CTG AAC TAC TAT GGG CGA AGG CCC CGG 720 Asp Ile Arg Lys Gly Phe Leu Asn Tyr Tyr Gly Arg Arg Pro Arg 240 GAG AGA TTC GAT GAA GAT TTC ACA ATG AAT AAG TAC CTG GTA GCT 765 Glu Arg Phe Asp Glu Asp Phe Thr MET Asn Lys Tyr Leu Val Ala 255 CAC CCT GAT TTC CTC AGA TAC TTG AAA AAC AGG TTC TTA AAA TCT 810 His Pro Asp Phe Leu Arg Tyr Leu Lys Asn Arg Phe Leu Lys Ser 270 AAA AAT CTG CAA AAG CCC TAC TGG CGG CTG TAC AGA CCC ACA ACA 855 Lys Asn Leu Gln Lys Pro Tyr Trp Arg Leu Tyr Arg Pro Thr Thr 285 GGA GCC CTC CTG CTG CTG ACT GCC CTG CAT CTC TGT GAC CGG GTG 900 Gly Ala Leu Leu Leu Leu Thr Ala Leu His Leu Cys Asp Arg Val 300 AGT GCC TAT GGC TAC ATC ACA GAA GGT CAC CAG AAG TAC TCG GAT 945 Ser Ala Tyr Gly Tyr Ile Thr Glu Gly His Gln Lys Tyr Ser Asp 315 CAC TAC TAT GAC AAG GAG TGG AAA CGC CTG GTC TTC TAC GTT AAC 990 His Tyr Tyr Asp Lys Glu Trp Lys Arg Leu Val Phe Tyr Val Asn 330 CAT GAC TTC AAC TTG GAG AAG CAG GTG TGG AAA AGG CTT CAT GAT 1035 His Asp Phe Asn Leu Glu Lys Gln Val Trp Lys Arg Leu His Asp 345 GAG AAC ATC ATG AAG CTC TAC CAG AGA TCC TGA CAGTGTGCCGAG 1080 Glu Asn Ile MET Lys Leu Tyr Gln Arg Ser --- 360 GGCCATTGCC TGGGAAATCT CAACAGCACC TCATGGGGAA CAGAAGAGGA 1175 CCTCGGAAGC CAGGGTTAGC TCTGGACTTC CAGGCCCAGC TTCAGCTCCA 1225 CAGAGATATT TCCCTCCTTT GATATC 1251 EcoRV
【図1】 本発明のGalNAcα2,6-シアル酸転移酵素 P-B
1 をコードするcDNAクローンの制限酵素地図である。図
中、E: EcoRI; RV: EcoRV; P: PstI; B: BglIIを示す。
1 をコードするcDNAクローンの制限酵素地図である。図
中、E: EcoRI; RV: EcoRV; P: PstI; B: BglIIを示す。
【図2】 本発明のGalNAcα2,6-シアル酸転移酵素 P-B
1 の疎水性分析の結果を示す図である。図中、左側が蛋
白N-末端であり、正の値は疎水性部分を示している。
1 の疎水性分析の結果を示す図である。図中、左側が蛋
白N-末端であり、正の値は疎水性部分を示している。
【図3】 本発明のGalNAcα2,6-シアル酸転移酵素 P-B
1 の活性ドメインの位置と本発明の蛋白 SB-690 との対
比を示す図である。図中、蛋白 SB-BGL はGalNAcα2,6-
シアル酸転移酵素活性を示さない蛋白である。
1 の活性ドメインの位置と本発明の蛋白 SB-690 との対
比を示す図である。図中、蛋白 SB-BGL はGalNAcα2,6-
シアル酸転移酵素活性を示さない蛋白である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 李 泳春 埼玉県和光市広沢2番1号 理化学研究 所内 (72)発明者 中岡 隆志 埼玉県和光市広沢2番1号 理化学研究 所内 (72)発明者 小島 直也 埼玉県和光市広沢2番1号 理化学研究 所内 (56)参考文献 J.Biol.Chem.268(16) p.11504−11507(1993) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12N 9/10 C12N 15/54 BIOSIS(DIALOG) GenBank/EMBL/DDBJ(G ENETYX) WPI(DIALOG)
Claims (15)
- 【請求項1】 配列表の配列番号1に示されるアミノ酸
配列により特定されるGalNAcα2,6−シアル酸
転移酵素P−B1。 - 【請求項2】 請求項1記載のGalNAcα2,6−
シアル酸転移酵素のアミノ酸配列をコードするGalN
Acα2,6−シアル酸転移酵素遺伝子。 - 【請求項3】 配列表の配列番号1に示される核酸番号
1から1698で特定される塩基配列を有する請求項2
記載のGalNAcα2,6−シアル酸転移酵素遺伝
子。 - 【請求項4】 請求項2記載のGalNAcα2,6−
シアル酸転移酵素遺伝子を含む組み換えベクター。 - 【請求項5】 プラスミドλ CEB−3034である
請求項4記載の組み換えベクター。 - 【請求項6】 請求項4または5に記載のベクターによ
り形質転換された形質転換体。 - 【請求項7】 配列表の配列番号1に示されるアミノ酸
配列の233−566により特定されるGalNAcα
2,6−シアル酸転移酵素活性ドメイン。 - 【請求項8】 請求項1記載のGalNAcα2,6−
シアル酸転移酵素の活性ドメインであるポリペプチド部
分とシグナルペプチドとを含む細胞外分泌型の蛋白であ
って、GalNAcα2,6−シアル酸転移を触媒する
蛋白。 - 【請求項9】 配列表の配列番号2に示されるアミノ酸
配列により特定される請求項8記載の蛋白SB−69
0。 - 【請求項10】 請求項8または9に記載の蛋白をコー
ドする遺伝子。 - 【請求項11】 配列表の配列番号2に示される核酸番
号1から1065で示される塩基配列を有する請求項1
0記載の遺伝子。 - 【請求項12】 請求項10または11に記載の遺伝子
を含む組み換えベクター。 - 【請求項13】 プラスミドpcDSB−690である
請求項12に記載の組み換えベクター。 - 【請求項14】 請求項12または13に記載の組み換
えベクターにより形質転換された形質転換体。 - 【請求項15】 請求項14に記載の形質転換体を培養
し培養物から請求項8または9に記載の蛋白を採取する
ことを特徴とする、請求項8または9に記載の蛋白の製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6320496A JP2839232B2 (ja) | 1993-12-24 | 1994-12-22 | 新規糖鎖合成酵素 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5-348260 | 1993-12-24 | ||
JP34826093 | 1993-12-24 | ||
JP6320496A JP2839232B2 (ja) | 1993-12-24 | 1994-12-22 | 新規糖鎖合成酵素 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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