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JP2839066B2 - ヒートポンプの除霜システム - Google Patents

ヒートポンプの除霜システム

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JP2839066B2
JP2839066B2 JP26327093A JP26327093A JP2839066B2 JP 2839066 B2 JP2839066 B2 JP 2839066B2 JP 26327093 A JP26327093 A JP 26327093A JP 26327093 A JP26327093 A JP 26327093A JP 2839066 B2 JP2839066 B2 JP 2839066B2
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defrosting
refrigerant
pressure gas
gas refrigerant
condenser
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駸 加藤
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Kubota Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧縮機から送出される
高圧ガス冷媒を凝縮させて加熱対象に放熱する複数の凝
縮器と、それら凝縮器から送出される凝縮冷媒を蒸発さ
せて吸熱する蒸発器と、前記圧縮機から送出される高圧
ガス冷媒を除霜用の熱媒体として、着霜状態となった前
記蒸発器を除霜する除霜手段とを設け、前記除霜手段に
対する高圧ガス冷媒の供給を停止して前記圧縮機からの
高圧ガス冷媒を凝縮器側に供給する通常運転状態と、凝
縮器側への高圧ガス冷媒供給量を減少させて前記除霜手
段に対し前記圧縮機からの高圧ガス冷媒を分流供給する
除霜運転状態とに、冷媒経路を切り換える切換手段を設
けたヒートポンプの除霜システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のヒートポンプの除霜シス
テムにおいて、除霜手段に対して供給される高圧ガス冷
媒は、複数の凝縮器のうちのいずれかへの高圧ガス冷媒
の供給を順番に停止させて、その分の冷媒を、除霜手段
に対して供給するように構成されていた。
【0003】例えば、複数の凝縮器と複数の蒸発器と
で、複数の独立したヒートポンプ回路が構成され、除霜
運転を行うときには、そのうちのいずれか一つのヒート
ポンプ回路が順番に選択されて、選択されたヒートポン
プ回路の凝縮器への高圧ガス冷媒が、除霜手段に対して
供給されるように構成されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術によれば、除霜運転を行うときには、加熱対象側
からの運転の要求や加熱対象に対する放熱の必要性に関
係なく、上記選択された凝縮器の運転が停止されるの
で、加熱対象側からの運転の要求や放熱の必要性(以
下、単に「放熱必要度」と言う)が満たされなくなる不
都合が生じていた。
【0005】特に、空調装置などのヒートポンプの除霜
システムの場合には、放熱必要度としての暖房の要求や
加熱温調の必要性などに関係なく、順番に選択された空
調対象域の暖房運転が勝手に停止されてしまうので、ユ
ーザーの暖房要求に対する空調装置としての応答性能が
著しく悪化する不都合があった。
【0006】本発明の目的は、上記従来欠点を解消する
点にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によるヒートポン
プの除霜システムの第一の特徴構成は、前記加熱対象の
加熱状態に基づき前記凝縮器夫々の放熱必要度を判定す
る判定手段と、通常運転状態から除霜運転状態への切り
換えによる凝縮器側の高圧ガス冷媒減少において、前記
凝縮器夫々の冷媒減少率の比を調整する調整手段と、前
記の除霜運転状態において前記判定手段の判定情報に基
づき、放熱必要度の高い前記凝縮器の冷媒減少率が放熱
必要度の低い前記凝縮器の冷媒減少率よりも小さくなる
ように、前記調整手段を制御する制御手段とを設けた点
にある。
【0008】第二の特徴構成は、通常運転状態から除霜
運転状態への切り換えによる凝縮器側の高圧ガス冷媒減
少において、前記凝縮器夫々の冷媒減少率の比を調整す
る調整手段と、前記の除霜運転状態において、前記凝縮
器夫々の冷媒減少率の比が設定比になるように前記調整
手段を制御する制御手段と、前記設定比を人為指令に応
じて変更する変更手段とを設けた点にある。
【0009】第三の特徴構成は、通常運転状態から除霜
運転状態への切り換えによる凝縮器側の高圧ガス冷媒減
少において、前記凝縮器夫々の冷媒減少率の比を常に所
定の一定比に規定する規定手段を設けた点にある。
【0010】
【作用】本発明の第一の特徴構成によれば、除霜運転状
態において凝縮器夫々の冷媒減少率の比を調整する調整
手段が、放熱必要度の高い凝縮器の冷媒減少率が放熱必
要度の低い凝縮器の冷媒減少率よりも小さくなるように
制御されるから、夫々の凝縮器の放熱必要度に対する除
霜運転時の放熱量の低下を、極力抑制することができ
る。
【0011】第二の特徴構成によれば、除霜運転状態に
おいて凝縮器夫々の冷媒減少率の比を調整する調整手段
が、凝縮器夫々の冷媒減少率の比が設定比になるように
制御され、設定比を人為指令に応じて変更する変更手段
が設けられているから、夫々の凝縮器の放熱必要度に応
じた人為指令を変更手段に与えることによって、夫々の
凝縮器の放熱必要度に対する除霜運転時の放熱量の低下
を、極力抑制することができる。
【0012】第三の特徴構成によれば、除霜運転状態に
おいて凝縮器夫々の冷媒減少率の比を常に所定の一定比
に規定する規定手段が設けられているから、規定手段に
よって一定比に規定される冷媒減少率の比を、夫々の凝
縮器の放熱必要度に応じて決定することによって、夫々
の凝縮器の放熱必要度に対する除霜運転時の放熱量の低
下を、極力抑制することができる。
【0013】
【発明の効果】本発明の第一の特徴構成によれば、夫々
の凝縮器の放熱必要度に対する除霜運転時の放熱量の低
下を極力抑制することができるから、除霜運転状態にお
いて凝縮器の放熱必要度が満たされなくなる不都合が解
消されたヒートポンプの除霜システムを提供することが
できる。
【0014】第二の特徴構成によれば、夫々の凝縮器の
放熱必要度に応じた人為指令を変更手段に与えることに
よって、夫々の凝縮器の放熱必要度に対する除霜運転時
の放熱量の低下を極力抑制することができるから、除霜
運転状態において凝縮器の放熱必要度が満たされなくな
る不都合が解消されたヒートポンプの除霜システムを提
供することができる。
【0015】第三の特徴構成によれば、規定手段によっ
て一定比に規定される冷媒減少率の比を夫々の凝縮器の
放熱必要度に応じて決定することによって、夫々の凝縮
器の放熱必要度に対する除霜運転時の放熱量の低下を極
力抑制することができるから、除霜運転状態において凝
縮器の放熱必要度が満たされなくなる不都合が解消され
たヒートポンプの除霜システムを提供することができ
る。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は、セパレート型のヒートポンプ式空調装置
を示し、Uoは室外機、Uaは第一空調対象域Zaに対
する第一室内機、Ubは第二空調対象域Zbに対する第
二室内機、Ucは第三空調対象域Zcに対する第三室内
機である。
【0017】室外機Uoには、外気OAを吸放熱対象空
気とする2個の室外熱交換器N1及びN2と、その室外
熱交換器N1及びN2に対して外気OAを通風する室外
ファンF1及びF2と、圧縮機Cmpと、アキュムレー
タAcと、オイルセパレータOsと、受液器Rと、室外
熱交換器N1に対する第一膨張弁ex1、及び、室外熱
交換器N2に対する第二膨張弁ex2とが装備されてい
る。
【0018】v1〜v4は、運転モードに応じて冷媒回
路を切り換える切換弁である。切換弁v1及びv3は、
室外熱交換器N1又はN2からの低圧ガス冷媒Rcをア
キュムレータAcを介して圧縮機Cmpに戻す経路に設
けられている。切換弁v2及びv4は、圧縮機Cmpか
らの高圧ガス冷媒Rhを室外熱交換器N1又はN2に供
給する経路に設けられている。
【0019】第一膨張弁ex1及び第二膨張弁ex2
は、液冷媒Rwが室外熱交換器N1又はN2に向かって
通流するときには、本来の冷媒膨張手段として機能し、
一方、液冷媒Rwが室外熱交換器N1又はN2から離れ
る側に向かって通流するときには、単に流量調整弁とし
て機能するように、切り換え可能に構成されている。
【0020】室外熱交換器N1及びN2には、夫々の冷
媒出口温度T1又はT2を検出する温度センサS1及び
S2が設けられている。
【0021】roは、オイルセパレータOsで捕捉され
た圧縮機油を、圧縮機Cmpに吸引される低圧ガス冷媒
Rcに合流させて圧縮機Cmp内に戻すオイル戻し管で
ある。
【0022】室外機Uoからは、高圧ガス冷媒Rhを室
内機側に送る高圧ガス主管Ghと、室内機側からの低圧
ガス冷媒Rcを室外機Uoに戻す低圧ガス主管Gcと、
液冷媒Rwを流通させる液主管Wとの3管が延出されて
いる。
【0023】第一、第二及び第三室内機Ua,Ub及び
Ucの夫々には、対応空調対象域Za,Zb及びZcへ
の給気SAa,SAb及びSAcを調整する室内熱交換
器Na,Nb及びNcと、それら室内熱交換器Na,N
b,Ncにより調整した給気SAa,SAb,SAcを
対応の空調対象域Za,Zb,Zcへ送給する給気ファ
ンF3とが装備され、第一室内機Uaには、室内熱交換
器Naに対する第三膨張弁Exaが装備され、第二室内
機Ubには、室内熱交換器Nbに対する第四膨張弁Ex
bが装備され、第三室内機Ucには、室内熱交換器Nc
に対する第五膨張弁Excが装備されている。
【0024】v5及びv6は、運転モードに応じて冷媒
回路を切り換える切換弁である。切換弁v5は、高圧ガ
ス主管Ghからの高圧ガス冷媒Rhを室内熱交換器N
a,Nb又はNcに送る高圧ガス分岐管rhに設けられ
ている。切換弁v6は、室内熱交換器Na,Nb,Nc
からの低圧ガス冷媒Rcを低圧ガス主管Gcへ戻す低圧
ガス還流管rcに設けられている。
【0025】第三、第四及び第五膨張弁Exa,Ex
b,Excは、室内熱交換器Na,Nb,Ncと液主管
Wとの間で液冷媒Rwを通流する液分岐還流管rwに設
けられており、液冷媒Rwが室内熱交換器Na,Nb又
はNcに向かって通流する場合には、本来の冷媒膨張手
段として機能し、一方、液冷媒Rwが液主管Wに向かっ
て通流する場合には、流量調整弁として機能するよう
に、切り換え可能に構成されている。
【0026】室内熱交換器Na,Nb,Ncには、液冷
媒Rwの冷媒出口温度Ta,Tb,Tcを検出する温度
センサSa,Sb,Scが設けられている。
【0027】なお、夫々の高圧ガス分岐管rhは、冷媒
分流器Aを介して高圧ガス主管Ghに接続され、低圧ガ
ス還流管rcは、冷媒合流器Bを介して低圧ガス主管G
cに接続され、液分岐還流管rwは、冷媒分流合流器C
を介して液主管Wに接続されている。また、第四以降の
室内機を設置する場合には、それら第四以降の室内機に
ついても、上記と同様の分岐接続形態で、上記3主管G
h,Gc及びWに対して接続される。
【0028】同図1には、室外機Uoの室外熱交換器N
1及びN2を蒸発器Evとして機能させて、通風外気O
Aからの吸熱を行うとともに、これに対し室内機Ua,
Ub,Ucの室内熱交換器Na,Nb,Ncを凝縮器C
dとして機能させて給気SAa,SAb及びSAcを加
熱温調する「暖房モード」の運転状態において、室外熱
交換器N2の除霜運転が行われている状態が示されてい
る。
【0029】除霜運転が行われていない通常の運転状態
の「暖房モード」における具体的冷媒流れを、以下に説
明する。圧縮機Cmpから吐出されオイルセパレータO
sを通過した高圧ガス冷媒Rh(図中、黒塗りの太線で
示す)は、高圧ガス主管Gh及び高圧ガス分岐管rhを
介して各室内機Ua,Ub及びUcの室内熱交換器N
a,Nb,Ncに分配供給されて凝縮され、加熱温調が
行われる。
【0030】凝縮器Cdとして機能する室内熱交換器N
a,Nb,Ncから送出された凝縮液冷媒Rw(図中、
ハッチングを施した太線で示す)は、流量調整弁として
機能する第三、第四及び第五膨張弁Exa,Exb,E
xcと、液分岐還流管rw及び液主管Wとを介して室外
機Uoの受液器Rに戻される。受液器Rに戻された凝縮
液冷媒Rwは、本来の冷媒膨張手段として機能する状態
の第一及び第二膨張弁ex1,ex2に分配供給された
のち、蒸発器Evとして機能する室外熱交換器N1及び
N2にて蒸発され、外気OAからの吸熱が行われる。
【0031】室外熱交換器N1及びN2から送出される
蒸発低圧ガス冷媒Rc(図中、白抜きの太線で示す)
は、切換弁v1又はv3とアキュムレータAcとを介し
て、圧縮機Cmpに戻される。(なお、図中、黒塗りの
弁は、閉弁状態を示す。)
【0032】同図1中、室外熱交換器N2では、除霜運
転が行われている。本実施例のヒートポンプ回路におい
ては、切換弁v3及びv4を切り換えることによって、
圧縮機Cmpからの高圧ガス冷媒Rhが、室外熱交換器
N2に通流されるように構成されており、高圧ガス冷媒
Rhの熱によって、着霜が解霜されるように構成されて
いる。室外熱交換器N1が着霜状態になった場合にも、
切換弁v1及びv2を切り換えることによって、同様に
除霜運転が行われるように構成されている。
【0033】従って、室外熱交換器N1及びN2自体
が、圧縮機Cmpから送出される高圧ガス冷媒Rhを除
霜用の熱媒体として、着霜状態となった蒸発器としての
室外熱交換器N1,N2を除霜する除霜手段1として構
成されている。
【0034】除霜運転中の室外熱交換器N1又はN2に
通流される高圧ガス冷媒Rhは、室内熱交換器Na,N
b,Ncに供給されている高圧ガス冷媒Rhが削減され
て、分流供給されるように構成されている。従って、切
換弁v1,v2及びv3,v4は、除霜手段1に対する
高圧ガス冷媒Rhの供給を停止して圧縮機Cmpからの
高圧ガス冷媒Rhを凝縮器Cd側に供給する通常運転状
態と、凝縮器Cd側への高圧ガス冷媒供給量を減少させ
て除霜手段1に対し圧縮機Cmpからの高圧ガス冷媒R
hを分流供給する除霜運転状態とに、冷媒経路を切り換
える切換手段2として構成されている。
【0035】なお、切換弁v1〜v4の切換操作は、後
述する除霜制御手段101によって制御されており、室
外熱交換器N1と室外熱交換器N2との両方に対して、
同時に除霜運転が行われることがないように制御されて
いる。
【0036】除霜運転中における室内熱交換器Na,N
b,Ncからの高圧ガス冷媒Rhの削減量は、流量調整
弁として機能する第三、第四及び第五膨張弁Exa,E
xb,Excの冷媒通流量の調整によって行われる。
【0037】図2に示すように、切換弁v1〜v4、及
び、第三、第四及び第五膨張弁Exa,Exb,Exc
は、本実施例のヒートポンプ式空調装置の各種運転動作
を制御する制御部Hに接続されている。また、制御部H
には、前述の温度センサS1及びS2と、温度センサS
a,Sb及びScとが接続されている。
【0038】制御部Hは、マイクロコンピュータを主要
部として構成され、内蔵させるソフト・ウェアによっ
て、種々の制御動作が行えるように構成されている。制
御部Hには、その機能として、本実施例のヒートポンプ
式空調装置の除霜運転動作を制御する除霜制御手段10
1が構成されている。
【0039】除霜制御手段101は、温度センサS1又
はS2の検出冷媒出口温度T1又はT2が、「暖房モー
ド」の運転状態における通常値よりも低い所定温度に低
下するに伴って、室外熱交換器N1又はN2に着霜が発
生していると判別して、切換手段2としての切換弁v1
及びv2、又は、切換弁v3及びv4を操作して、除霜
運転を開始するように構成されている。
【0040】除霜運転が開始されると、除霜制御手段1
01は、温度センサSa,Sb及びScの検出冷媒温度
Ta,Tb及びTcと、所定の設定関数とに基づいて、
検出冷媒温度が高い室内熱交換器の冷媒減少率の方が、
検出冷媒温度が低い室内熱交換器の冷媒減少率よりも大
きくなるように室内熱交換器Na,Nb,Ncの夫々に
対する冷媒通流量を削減すべく、流量調整弁として機能
する第三、第四及び第五膨張弁Exa,Exb,Exc
の冷媒通流量を調整、あるいは、弁開度を全閉状態にし
て、高圧ガス冷媒の供給を停止する。
【0041】すなわち、検出冷媒温度Ta,Tb又はT
cが低い室内熱交換器Na,Nb又はNcの方が、加熱
温調する空気の温度がより低い状態であると判断される
から、その室内熱交換器Na,Nb又はNcに対する放
熱必要度がより高いと判定して、除霜運転のときには、
冷媒通流量ができるだけ削減されないように調整される
のである。なお、ヒートポンプの冷媒循環量は、圧縮機
Cmpの回転数により逐次変化しているから、除霜制御
手段101は、室内熱交換器Na,Nb及びNcの相互
間の冷媒減少率の比を調整するように構成されている。
【0042】従って、第三、第四及び第五膨張弁Ex
a,Exb及びExcは、通常運転状態から除霜運転状
態への切り換えによる凝縮器Cd側の高圧ガス冷媒減少
において、凝縮器Cdとしての室内熱交換器Na,N
b,Ncの夫々の冷媒減少率の比を調整する調整手段3
として構成され、温度センサSa,Sb及びScは、加
熱対象としての第一、第二及び第三空調対象域Za,Z
b及びZcの加熱状態に基づき、凝縮器Cdとしての室
内熱交換器Na,Nb及びNc夫々の放熱必要度を判定
する判定手段として構成され、除霜制御手段101は、
温度センサSa,Sb及びScの判定情報に基づき、放
熱必要度の高い室内熱交換器Na,Nb又はNcの冷媒
減少率が放熱必要度の低い室内熱交換器Na,Nb又は
Ncの冷媒減少率よりも小さくなるように、調整手段3
を制御する制御手段として構成されている。
【0043】なお、本実施例において、除霜制御手段1
01は、内蔵されたタイマーによって、所定時間、除霜
運転を行ったのち、自動的に除霜運転を終了するように
構成されている。
【0044】制御部Hによるヒートポンプの運転モード
としては、上記の「暖房モード」以外に、「冷房モー
ド」及び「冷暖同時モード」も実施できるように構成さ
れている。
【0045】「冷房モード」は、室外機Uoの切換弁v
2及びv4を開弁し、且つ、切換弁v1及びv3を閉弁
し、室内機Ua,Ub及びUcの切換弁v6を開弁し、
且つ、切換弁v5を閉弁することによって、室外熱交換
器N1及びN2が凝縮器Cdとして機能し、室内熱交換
器Na,Nb及びNcが蒸発器Evとして機能するよう
に運転される。
【0046】「冷暖同時モード」は、室内機Ua,Ub
又はUcの夫々の切換弁v5及び切換弁v6の開閉操作
によって、凝縮器Cdとして機能する室内熱交換器N
a,Nb又はNcと、蒸発器Evとして機能する室内熱
交換器Na,Nb又はNcとの両方が存在するように運
転される。なお、「冷暖同時モード」には、「室外熱交
換器を蒸発器Evとして機能させる冷暖同時モード」
と、「室外熱交換器を凝縮器Cdとして機能させる冷暖
同時モード」とがある。
【0047】〔第一の別実施例〕また、上述の実施例と
同様のヒートポンプ式空調装置において、図3に示すよ
うに、通常運転状態から除霜運転状態への切り換えによ
る凝縮器Cd側の高圧ガス冷媒減少において前記凝縮器
Cdとしての室内熱交換器Na,Nb,Ncの夫々の冷
媒減少率の比を調整する調整手段3が、第一、第二及び
第三膨張弁ex1,ex2及びex3にて構成され、制
御部Hに、除霜運転状態において室内熱交換器Na,N
b及びNc夫々の冷媒減少率の比が設定比になるように
前記調整手段3を制御する除霜制御手段101と、前記
設定比を人為指令に応じて変更する変更手段4が設けら
れても良い。
【0048】変更手段4には、室内熱交換器Na,Nb
及びNcの夫々の冷媒減少率をパーセント値で表示する
表示部4aと、室内熱交換器のいずれかを指定して冷媒
減少率を設定変更する指定ボタン4b及び変更ボタン4
cとが備えられている。冷媒減少率の設定比は、室内熱
交換器Na,Nb及びNcの夫々の放熱必要度を考慮し
て、変更手段4を操作することによって人為的に設定さ
れる。
【0049】除霜制御手段101は、上述の実施例と同
様に、温度センサS1又はS2の検出冷媒出口温度T1
又はT2が、「暖房モード」の運転状態における通常値
よりも低い所定温度に低下するに伴って、除霜運転を開
始する。そして、変更手段4の設定冷媒減少率に従っ
て、調整手段3としての第三、第四及び第五膨張弁Ex
a,Exb,Excの冷媒通流量を制御する。
【0050】〔第二の別実施例〕また、上述の実施例と
同様のヒートポンプ式空調装置において、図4に示すよ
うに、通常運転状態から除霜運転状態への切り換えによ
る凝縮器Cd側の高圧ガス冷媒減少において、凝縮器C
dとしての室内熱交換器Na,Nb,Ncの夫々の冷媒
減少率の比を常に所定の一定比に規定する規定手段5を
設けても良い。
【0051】本別実施例において、規定手段5は、オリ
フィスOa,Ob及びOcで構成されている。オリフィ
スOa,Ob及びOcは、室内機Ua,Ub及びUcの
夫々の液分岐還流管rwに設けられている迂回経路sw
に設けられている。
【0052】迂回経路sw及び液分岐還流管rwには、
前記切換手段2としての切換弁v7及びv8が設けられ
ており、前述の室外機Uoの切換弁v1〜v4と同様に
連動して、冷媒の通流経路を、迂回経路swと液分岐還
流管rwとに、選択的に切り換えるように構成されてい
る。
【0053】除霜制御手段101は、上述の実施例と同
様に、冷媒温度センサS1又はS2の検出冷媒出口温度
T1又はT2が「暖房モード」の運転状態における通常
値よりも低い所定温度に低下するに伴って、除霜運転を
開始する。除霜運転中、第三、第四及び第五膨張弁Ex
a,Exb及びExcに対しては、通常運転状態のとき
と同様の制御が行われるが、室内熱交換器Na,Nb及
びNcへの冷媒の通流量は、迂回経路swに介裝されて
いるオリフィスOa,Ob及びOcの作用によって、規
定された一定の冷媒減少率の比で削減される。
【0054】〔その他の別実施例〕 (1)加熱対象としての第一、第二及び第三空調対象域
Za,Zb,Zcの加熱状態に基づき、凝縮器Cdとし
ての室内熱交換器Na,Nb及びNc夫々の放熱必要度
を判定する判定手段は、上述の温度センサSa,Sb及
びScに限らず、適宜変更できる。例えば、各空調対象
域Za,Zb及びZcの夫々に設置されているリモコン
装置の設定目標空調温度と、各空調対象域Za,Zb,
Zcの空気温度との偏差に基づいて、放熱必要度が判定
されるように構成されても良い。
【0055】(2)通常運転状態から除霜運転状態への
切り換えによる凝縮器Cd側の高圧ガス冷媒減少におい
て、凝縮器Cdしての室内熱交換器Na,Nb及びNc
夫々の冷媒減少率の比を調整する調整手段3は、上述の
実施例のように、冷媒流量を調整する第三、第四及び第
五膨張弁Exa,Exb及びExcに限らず、室内熱交
換器Na,Nb又はNcへの冷媒の通流を断続する切換
弁v5及びv6で構成されても良い。
【0056】この場合、除霜制御手段101は、凝縮温
度センサSa,Sb及びScの検出冷媒出口温度Ta,
Tb及びTcの値、又は、変更手段4の設定冷媒減少率
に基づいて、放熱必要度が一番低い室内熱交換器Na,
Nb又はNcへの冷媒の通流を切断するように、各室内
機Ua,Ub又はUcの切換弁v5を切換制御する。
【0057】(3)除霜手段1は、上述の実施例のよう
に、室外熱交換器N1,N2自体にて構成されるものに
限らず、適宜変更可能である。例えば、高圧ガス冷媒R
hが通流されるヒータが、室外熱交換器N1,N2に近
接して設けられても良いし、高圧ガス冷媒Rhが通流さ
れるヒータによって、除霜用の貯留水が加熱され、着霜
した室外熱交換器N1又はN2に散水されるように構成
されても良い。上記のヒータタイプの除霜手段1の場合
には、室外熱交換器が一台のみで構成されていても、ヒ
ートポンプの運転を停止することなく、除霜運転を行う
ことができる。
【0058】(4)除霜運転の開始は、温度センサS1
又はS2の検出冷媒出口温度T1又はT2に基づく場合
に限らず、適宜変更できる。例えば、冷媒出口圧力の変
化にて着霜を判断して除霜運転を開始しても良いし、タ
イマーなどにより、時間設定で除霜運転を開始しても良
い。また、人為操作により、適宜、除霜運転を開始して
も良い。
【0059】(5)空調対象域は、第一、第二及び第三
空調対象域Za,Zb及びZcに隔離分割されている必
要はなく、給気SAa,SAb及びSAcが同一の空調
対象域(例えば、同じ部屋)に供給されるように構成さ
れていても良い。
【0060】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】ヒートポンプ式空調装置の全体構成を示す構成
【図2】除霜手段の制御構成を示す説明図
【図3】別実施例の除霜手段の制御構成を示す説明図
【図4】別実施例の除霜手段の制御構成を示す説明図
【符号の説明】
Cd 凝縮器 Cmp 圧縮機 Ev 蒸発器 Rh 高圧ガス冷媒 Rw 凝縮冷媒 Sa 判定手段 Sb 判定手段 Sc 判定手段 Za 加熱対象 Zb 加熱対象 Zc 加熱対象 Ta 放熱必要度 Tb 放熱必要度 Tc 放熱必要度 1 除霜手段 2 切換手段 3 調整手段 4 変更手段 5 規定手段 101 制御手段

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮機(Cmp)から送出される高圧ガ
    ス冷媒(Rh)を凝縮させて加熱対象(Za,Zb,Z
    c)に放熱する複数の凝縮器(Cd)と、 それら凝縮器(Cd)から送出される凝縮冷媒(Rw)
    を蒸発させて吸熱する蒸発器(Ev)と、 前記圧縮機(Cmp)から送出される高圧ガス冷媒(R
    h)を除霜用の熱媒体として、着霜状態となった前記蒸
    発器(Ev)を除霜する除霜手段(1)とを設け、 前記除霜手段(1)に対する高圧ガス冷媒(Rh)の供
    給を停止して前記圧縮機(Cmp)からの高圧ガス冷媒
    (Rh)を凝縮器(Cd)側に供給する通常運転状態
    と、凝縮器(Cd)側への高圧ガス冷媒供給量を減少さ
    せて前記除霜手段(1)に対し前記圧縮機(Cmp)か
    らの高圧ガス冷媒(Rh)を分流供給する除霜運転状態
    とに、冷媒経路を切り換える切換手段(2)を設けたヒ
    ートポンプの除霜システムであって、 前記加熱対象(Za,Zb,Zc)の加熱状態に基づき
    前記凝縮器(Cd)夫々の放熱必要度(Ta,Tb,T
    c)を判定する判定手段(Sa,Sb,Sc)と、 通常運転状態から除霜運転状態への切り換えによる凝縮
    器(Cd)側の高圧ガス冷媒減少において、前記凝縮器
    (Cd)夫々の冷媒減少率の比を調整する調整手段
    (3)と、 前記の除霜運転状態において前記判定手段(Sa,S
    b,Sc)の判定情報に基づき、放熱必要度(Ta,T
    b,Tc)の高い前記凝縮器(Cd)の冷媒減少率が放
    熱必要度(Ta,Tb,Tc)の低い前記凝縮器(C
    d)の冷媒減少率よりも小さくなるように、前記調整手
    段(3)を制御する制御手段(101)とを設けたヒー
    トポンプの除霜システム。
  2. 【請求項2】 圧縮機(Cmp)から送出される高圧ガ
    ス冷媒(Rh)を凝縮させて加熱対象(Za,Zb,Z
    c)に放熱する複数の凝縮器(Cd)と、 それら凝縮器(Cd)から送出される凝縮冷媒(Rw)
    を蒸発させて吸熱する蒸発器(Ev)と、 前記圧縮機(Cmp)から送出される高圧ガス冷媒(R
    h)を除霜用の熱媒体として、着霜状態となった前記蒸
    発器(Ev)を除霜する除霜手段(1)とを設け、 前記除霜手段(1)に対する高圧ガス冷媒(Rh)の供
    給を停止して前記圧縮機(Cmp)からの高圧ガス冷媒
    (Rh)を凝縮器(Cd)側に供給する通常運転状態
    と、凝縮器(Cd)側への高圧ガス冷媒供給量を減少さ
    せて前記除霜手段(1)に対し前記圧縮機(Cmp)か
    らの高圧ガス冷媒(Rh)を分流供給する除霜運転状態
    とに、冷媒経路を切り換える切換手段(2)を設けたヒ
    ートポンプの除霜システムであって、 通常運転状態から除霜運転状態への切り換えによる凝縮
    器(Cd)側の高圧ガス冷媒減少において、前記凝縮器
    (Cd)夫々の冷媒減少率の比を調整する調整手段
    (3)と、 前記の除霜運転状態において、前記凝縮器(Cd)夫々
    の冷媒減少率の比が設定比になるように前記調整手段
    (3)を制御する制御手段(101)と、 前記設定比を人為指令に応じて変更する変更手段(4)
    とを設けたヒートポンプの除霜システム。
  3. 【請求項3】 圧縮機(Cmp)から送出される高圧ガ
    ス冷媒(Rh)を凝縮させて加熱対象(Za,Zb,Z
    c)に放熱する複数の凝縮器(Cd)と、 それら凝縮器(Cd)から送出される凝縮冷媒(Rw)
    を蒸発させて吸熱する蒸発器(Ev)と、 前記圧縮機(Cmp)から送出される高圧ガス冷媒(R
    h)を除霜用の熱媒体として、着霜状態となった前記蒸
    発器(Ev)を除霜する除霜手段(1)とを設け、 前記除霜手段(1)に対する高圧ガス冷媒(Rh)の供
    給を停止して前記圧縮機(Cmp)からの高圧ガス冷媒
    (Rh)を凝縮器(Cd)側に供給する通常運転状態
    と、凝縮器(Cd)側への高圧ガス冷媒供給量を減少さ
    せて前記除霜手段(1)に対し前記圧縮機(Cmp)か
    らの高圧ガス冷媒(Rh)を分流供給する除霜運転状態
    とに、冷媒経路を切り換える切換手段(2)を設けたヒ
    ートポンプの除霜システムであって、 通常運転状態から除霜運転状態への切り換えによる凝縮
    器(Cd)側の高圧ガス冷媒減少において、前記凝縮器
    (Cd)夫々の冷媒減少率の比を常に所定の一定比に規
    定する規定手段(5)を設けたヒートポンプの除霜シス
    テム。
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