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JP2834416B2 - 微粒子膜の形成方法 - Google Patents

微粒子膜の形成方法

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JP2834416B2
JP2834416B2 JP6304091A JP30409194A JP2834416B2 JP 2834416 B2 JP2834416 B2 JP 2834416B2 JP 6304091 A JP6304091 A JP 6304091A JP 30409194 A JP30409194 A JP 30409194A JP 2834416 B2 JP2834416 B2 JP 2834416B2
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JP
Japan
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fine particle
film
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particle film
fine
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JP6304091A
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Inventor
栄希 足立
国昭 永山
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Kagaku Gijutsu Shinko Jigyodan
Original Assignee
Kagaku Gijutsu Shinko Jigyodan
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、微粒子膜の形成方法
に関するものである。さらに詳しくは、この発明は、各
種の機能材料、たとえば電子デバイス、バイオ素子、セ
ンサー等として有用な、ナノメートル、ミクロンメート
ルオーダーの微粒子による膜形成に際し、縞構造が生成
されることのない均一な微粒子膜の形成を可能とする新
しい微粒子膜の形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】微粒子を分散させた液体に基
板を接触させてこの基板上に微粒子が凝集されて二次元
に配列された膜構造や、さらにこの構造を多層化した構
造からなる微粒子膜の形成方法が知られている。そし
て、このような方法の一つとして、この発明の発明者ら
によって微粒子の分散液体からの微粒子の液体の蒸発に
よって膜を形成する方法や、微粒子分散液中に浸漬した
固体基板を一定速度で引き上げることにより固体基板上
に微粒子膜を形成する方法が提案されてもいる。特にこ
の後者の方法は大面積な微粒子膜を連続的に形成するこ
とができるものとして注目されてもいる。
【0003】しかしながら、これまでの微粒子膜の形成
方法については、生成された微粒子膜にはどうしても縞
構造が付随するという問題があった。この縞構造は、た
とえば図1により示すこともできる。すなわち、たとえ
ばこの図1に示したように、固体基板上に円形に広がっ
た微粒子を含む液滴は、液媒体を蒸発させるとその縁か
ら乾燥が進んで微粒子膜が形成されるが、形成された微
粒子膜には、どうしても縞構造が残されてしまうのであ
る。
【0004】精密な機能材料としての微粒子膜の形成に
とってはこのような縞構造は、膜均一性を損うものとし
て是非とも除去しなければならない課題としてあった。
しかしながら残念にも、これまでの知見と技術によって
は、このような微粒子膜における縞構造の除去を可能と
する方策は確立されていないのが実情であった。
【0005】そこでこの発明は、上記のような従来技術
の欠点を解決するために創案されたものであり、形成さ
れた微粒子膜中に縞構造を残存させることなく、均一な
微粒子膜の形成を可能とする新しい方法を提供すること
を目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、微粒子分散液基板接触させ
て微粒子の流れにより微粒子膜形成する方法におい
て、微粒子分散液の基板上におけるぬれ膜の微粒子の体
積分率φを次式以上の値とすることを特徴とする微粒子
膜の形成方法を提供する。
【0007】
【数2】
【0008】(ここで、Ci(i=0,1,2)は、液
媒体の蒸発速度、液媒体の粘性率等に依存する係数を示
し、βは、基板に対する相対的な平均粒子速度を基板に
対する相対的な平均液分子速度で割った数を、Je は、
既に生成されている微粒子膜とぬれ膜の表面から蒸発す
る単位時間あたりの分子数、VW は液媒体の有効体積、
hは、ぬれ膜の膜厚、ηは、混合流体の粘性率、ρ
* は、接触線の実効密度を各々示す)さらにまた、この
発明は、上記の方法において微粒子分散液中からの基板
の引き上げにより微粒子膜を形成するに際し、基板の引
き上げ速度を帰還制御することを特徴とする微粒子膜の
形成方法をも提供する。
【0009】
【作用】前記の通り、図1には、固体基板上に広がった
微粒子を含んだ液滴では、その蒸発によりその縁から乾
燥して微粒子膜が形成され、この微粒子膜中には縞模様
のような縞構造が生成されることが示されている。この
ような縞構造は、明らかに、微粒子膜中の粒子の密度差
により形成されるものである。そこで、さらに詳しくみ
ると、まず、図2は、粒子膜が生成される際の液滴の縁
の構造を示したものであるが固体基板(1)上におい
て、液媒体として水を用いると、微粒子(3)は、すで
に生成されている微粒子膜(5)に向って、この微粒子
膜(5)とまだ乾燥していないぬれ膜(4)からの水の
蒸発(6)により生じる水流(7)により液体(2)か
ら移動する。この微粒子(3)の粒子流(8)と水流
(7)との混合流体は粘性流体であるために、ぬれ膜
(4)と粒子(3)との間に摩擦力(9)が働く。ま
た、ぬれ膜(4)と粒子(3)の接触線(10)にはぬ
れ膜の表面張力(11)と液滴の表面張力(12)が働
く。これら摩擦力(9)と表面張力(11)(12)が
競合するために接触線(10)の運動が一様ではなくな
る。このため、粒子密度の不均一な、縞構造を有する微
粒子膜が生成されることになる。
【0010】この接触線(10)の運動方程式は、基板
上に円形に広がった前記の通りの液滴の中心から接触線
(10)までの距離をR、ぬれ膜(4)の膜厚をh、平
均粒子速度を平均水分子速度で割った数をβ、ぬれ膜
(4)中に存在する微粒子(3)の体積分率をφ、接触
線(10)を単位時間あたりに通過する水分子数を
W、既に生成されている微粒子膜(5)とぬれ膜
(4)の表面からの単位時間あたりの水の蒸発(6)に
よる水分子数をJe 、水分子の有効体積をVw 、混合流
体の粘性率をη、接触線(10)の実効密度をρ、ぬれ
膜(4)の表面張力(11)をγI 、液滴(2)の表面
張力(12)をγL 、液滴(2)の接触角(13)をθ
とすると、
【0011】
【数3】
【0012】で表される。各記号の意味は、次の表1の
通りである。
【0013】
【表1】 h:ぬれ膜の膜厚 β:基板に対する相対的な平均粒子速度を基板に対する相対的な平均 液媒体分子速度で割った数 φ:ぬれ膜中に存在する粒子の体積分率 JW :接触線を単位時間あたりに通過する液媒体分子数 Je :既に生成されている粒子膜とぬれ膜の表面から単位時間 あたりに蒸発する液媒体分子数 VW :液媒体分子の有効体積 η:混合流体の粘性率 ρ* :接触線の実効密度 γI :ぬれ膜の表面張力 γL :液滴の表面張力 θ:液滴の接触角
【0014】この運動方程式の解は、
【0015】
【数4】
【0016】となる。この解は接触線の振動、つまり接
触線の運動の不規則性を表しており、この振動解により
微粒子膜に縞構造が生成される。生成される縞の単位長
さあたりの数Nsは、
【0017】
【数5】
【0018】で表される。の数式において、縞の単位
長さあたりの数Nsが虚数であるとき、接触線の振動運
動を表す振動解は消失することから、縞の数がゼロにな
り、よって微粒子膜中に縞が形成されなくなる。縞の単
位長さあたりの数Nsを虚数にするには、粒子の体積分
率φを次式からの値
【0019】
【数6】
【0020】(ここで、Ci(i=0,1,2)は、液
媒体の蒸発速度、液媒体の粘性率等に依存する係数を示
し、βは、基板に対する相対的な平均粒子速度を基板に
対する相対的な平均液分子速度で割った数を、Je は、
既に生成されている微粒子膜とぬれ膜の表面から蒸発す
る単位時間あたりの分子数、Vw は液媒体の有効体積、
hは、ぬれ膜の膜厚、ηは、混合流体の粘性率、ρ
* は、接触線の実効密度を各々示す)以上の値に調整す
ることにより虚数にすることができる。これにより、微
粒子膜中の縞構造の生成を抑止することができる。
【0021】具体的には、微粒子の体積分率φの制御パ
ラメーターとしては、 1)液媒体の蒸発速度の制御 2)界面活性剤などによる表面張力の制御 3)液滴の粘性率の制御 4)液媒体の選択 等が考慮される。そして、微粒子膜の形式は、微粒子分
散液の液蒸発、あるいは液体の吸引除去、さらには固体
基板の分散液中への浸漬からの引き上げ等の方式を採用
することができる。
【0022】接触線(10)の振動運動を光学的に検出
し、この振動運動を打ち消すように基板の引き上げ速度
を帰還制御することにより微粒子膜での縞構造の生成を
防止することができる。この発明においては、上記の通
り、粒子の体積分率φの値を前記の通りとすることによ
り微粒子膜中の縞構造の生成を抑止することができる。
【0023】さらに、基板の引き上げ速度を帰還制御す
ることにより微粒子膜の縞構造の生成を抑止することも
できる。もちろん、この発明においては、微粒子の種
類、大きさには特段の限定はなく、有機ポリマー、天然
または合成の蛋白質、セラミック、金属、それらの複合
物等であって、ナノメートル、ミクロンメートルレベル
の微粒子が対象とされる。
【0024】これらの微粒子の分散のための液媒体につ
いても特に限定はなく、水、アルコール、エーテル等の
有機溶媒、それらの混合物であってよい。
【0025】
【実施例】以下、実施例を示し、さらに詳しくこの発明
を説明する。もちろんこの発明は以下の例によって限定
されるものではない。実施例1 直径144nmのポリスチレン粒子の微粒子膜を生成さ
せる過程において、水分散液中のポリスチレン粒子の体
積分率φを変化させて、発生する縞構造の縞数を測定し
た。図3は、粒子の体積分率φに対する縞数Nsの測定
結果を図示したものである。この図3から明らかなよう
に、体積分率φが0.01以上では、縞数Nsが0にな
る。つまり、縞構造が形成されない。たとえば図4は、
体積分率φを0.01以上にした微粒子膜を示したもの
である。この粒子膜には縞構造が形成されていないこと
がわかる。実施例2 図5は、基板の引き上げ速度を制御する装置の一構造例
を示したものである。微粒子(16)が分散された液
(17)中に入れられた基板(15)を引き上げ速度制
御モーター(19)により引き上げる。この時、接触線
の振動運動をビデオカメラ(21)により光学的に検出
し、計算機(20)によりこの接触線の振動運動を打ち
消すように引き上げ速度を帰還制御する。このことによ
り振動運動が打ち消され、縞構造が形成されなくなる。
【0026】
【発明の効果】この発明により、以上詳しく説明した通
り、縞構造を生成させることなく、均一な高品質微粒子
膜の形成が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】生成された微粒子膜の例を示した図面に代わる
写真である。
【図2】粒子膜が生成される際の液滴の縁の構造模式図
である。
【図3】ポリスチレン粒子の体積分率φに対する発生し
た縞数Nsの測定結果を示した図である。
【図4】ポリスチレン粒子の体積分率φを0.01以上
にした時の微粒子膜を示した図面に代わる写真である。
【図5】基板の引き上げ速度の制御装置の一構造例であ
る。
【符号の説明】
1 固体基板 2 液滴 3 微粒子 4 ぬれ膜 5 微粒子膜 6 水の蒸発 7 水流 8 粒子流 9 摩擦力 10 接触線 11 ぬれ膜の表面張力 12 液滴の表面張力 13 接触角 14 ぬれ膜の膜厚 15 基板 16 微粒子 17 液 18 容器 19 引き上げ速度制御モーター 20 計算機 21 ビデオカメラ
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B05D 1/18 - 1/26 B05D 1/40

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微粒子分散液基板接触させて微粒子
    の流れにより微粒子膜形成する方法において、微粒子
    分散液の基板上におけるぬれ膜の微粒子の体積分率φを
    次式以上の値とすることを特徴とする微粒子膜の形成方
    法。 【数1】 (ここで、Ci(i=0,1,2)は、液媒体の蒸発速
    度、液媒体の粘性率等に依存する係数を示し、βは、
    板に対する相対的な平均粒子速度を基板に対する相対的
    平均液分子速度で割った数を、Je は、既に生成され
    ている微粒子膜とぬれ膜の表面から蒸発する単位時間あ
    たりの分子数、VW は液媒体の有効体積、hは、ぬれ膜
    の膜厚、ηは、混合流体の粘性率、ρ* は、接触線の実
    効密度を各々示す)
  2. 【請求項2】 請求項1の方法において、微粒子分散液
    中からの基板の引き上げにより微粒子膜を形成するに際
    、基板の引き上げ速度を帰還制御することを特徴とす
    る微粒子膜の形成方法。
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JP3218682B2 (ja) * 1992-05-18 2001-10-15 株式会社日立製作所 超微粒子膜の形成方法、透明板並びに画像表示板
JP2749893B2 (ja) * 1989-07-28 1998-05-13 三田工業株式会社 ドラム塗布方法
JPH04336540A (ja) * 1991-05-14 1992-11-24 Sharp Corp 電子写真感光体の製造方法

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