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JP2824081B2 - 細胞培養方法 - Google Patents

細胞培養方法

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JP2824081B2
JP2824081B2 JP1130212A JP13021289A JP2824081B2 JP 2824081 B2 JP2824081 B2 JP 2824081B2 JP 1130212 A JP1130212 A JP 1130212A JP 13021289 A JP13021289 A JP 13021289A JP 2824081 B2 JP2824081 B2 JP 2824081B2
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JP
Japan
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cells
culture method
cell
cell culture
collagen
Prior art date
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Application number
JP1130212A
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JPH02308790A (ja
Inventor
洋平 平井
Original Assignee
株式会社バイオマテリアル研究所
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  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、細胞培養方法に関する。さらに詳細には、
細胞の機能を高レベルで安定に維持しながら高密度に培
養する方法に関する。
(従来技術および発明が解決しようとする問題点) 近年、動物の細胞を生体外で培養しその機能を利用し
て人工臓器として使用する研究や、サイトカイン、モノ
クローナル抗体、インターフェロン等のような有用物質
を生産する研究が活発に行われている。
このような研究においては細胞の機能を高レベルで安
定に保持して培養することが重要であり、従来より生体
蛋白質であるコラーゲンやゼラチンを培養床にコートし
たり(特開昭58−71884号公報参照)、物理的化学的手
法を用いて培養床を処理する試み(特開昭52−41291号
公報参照)等がなされてきた。
また、最近になって細胞を高密度に培養するために合
成および生体高分子をマイクロキャリアや中空系の形状
に加工しこれを培養床とした培養も行われている(特公
昭54−6434号公報、特開昭61−25476号公報参照)。
このように、細胞を生体外で培養するための培養技術
に関しては、数多くの研究、開発例が報告されている
が、従来、これらの培養に供する細胞を単離する場合、
一般に、生体をトリプシンやコラゲナーゼ等の酵素を用
いて処理するため、播種時における細胞表面の損傷が大
きく、また培養中に細胞間相互作用が円滑に行えないた
め、特に初代培養系の細胞を培養する場合には、前記培
養技術を用いても基材に接着した後、即座に細胞機能が
失われるという問題点があった。
本発明は、このような技術的背景に鑑みてなされたも
のであり、生体細胞の機能を高レベルで安定に保持させ
た形で細胞を高密度に培養する新規培養方法を提供する
ことを目的とするものである。
(問題点を解決するための手段) 上記問題点を解決すべくなされた本発明の細胞培養方
法は、単離した細胞を予め細胞保護作用を有する単独又
は複数種の水溶性高分子物質と接触させた後、3次元的
集合体として培養することを特徴とするものである。
尚、水溶性高分子としては、好適には、少なくともコ
ラーゲンやラミニン等を含有するものが使用される。ま
た細胞は如何なる種類のものでよいが、例えば肝実質細
胞などのような初代培養系のものを利用することも可能
である。3次元的集合体の作成方法としては、遠心操作
や圧力を利用して適宜実施される。
本発明の細胞培養方法によれば、単離時に受けた細胞
の損傷を回復した状態で播種が行なえる上培養中に細胞
間相互作用が円滑に行われるため細胞機能を高いレベル
で、長期にわたり維持することができる。時に生体内で
高密度に存在している初代培養系の細胞は、単離する時
に大きな損傷を受けるため本発明の細胞培養法は培養後
の高機能発現に極めて有効である。
本発明で用いる水溶性高分子としてはコラーゲンの他
にラミニンなどのような細胞間物質を一部に用いる事に
より一層大きな効果を奏する。そして、細胞を処理後遠
心操作や圧力を利用した手法を用いて人為的に集合体を
形成させ、多孔性基材等の適宜の基材上で培養すること
により、細胞間相互作用が円滑に行えるようになり生体
外での高機能発現が可能となる。
例えば、極めて多くの機能を有する肝細胞は、単離後
コラーゲンとラミニンを含む溶液と接触させ細胞集合体
として培養することにより初めて生体内と同様のレベル
での機能発現が可能となることが判明した。
以下に、本発明の構成をさらに詳細に説明する。
本発明の細胞培養方法は酵素処理等により単離した細
胞を細胞保護作用を有する単独又は複数種の水溶性高分
子と接触させた後、3次元的集合体として培養すること
を特徴とするものである。
本発明で用いる水溶性高分子物質としては、好適には
細胞の保護作用を有するメチルセルロース、ポリビニル
ピロリドン、カルボキシメチルセルロース等の人工材
料、各種増殖因子やホルモン、ゼラチン、アルブミンや
フイブリノーゲンをはじめとする血清蛋白質、フイブロ
ネクチン、コラーゲン、ラミニン等の細胞間物質、ヘパ
リン、コンドロイチン硫酸等の多糖類のような生体由来
高分子物質等が利用される。これらは単独で利用しても
複数種組合せて利用することもできるが特に、コラーゲ
ンやラミニン等のような細胞間物質を少なくとも一部に
利用すると一層大きな効果が得られる。
細胞をこれらの水溶性高分子物質と接触させるには、
水溶性高分子物質を培養液や生理的緩衝液に適当な濃度
で溶解させたものに細胞を懸濁させて一定時間インキュ
ベートする事などにより容易に達成されるが、例えば水
溶性高分子としてコラーゲンを選択した場合は、培養中
に細胞周辺でゲルが形成されるように0.1%以上の濃度
に調整するのが望ましい。
細胞を上記水溶性高分子溶液とインキュベートする条
件は特に限定されないが、コラーゲンを0.1%以上の濃
度で利用する場合には細胞の接触処理中に溶液がゲル化
しないよう0−4℃で接触させる配慮が必要である。
また、本発明で用いる細胞集合体は、細胞の自己集合
能を利用してそれをそのまま使用してもよいが細胞懸濁
液を遠心操作もしくは圧力をかけることにより人為的に
容易に作成することができる。遠心操作を利用する場合
の回転数および時間は細胞の大きさ等により適宜選択さ
れるが好ましくは300rpmないし2000rpmで1分ないし10
分、さらに好ましくは600rpmないし1500rpmで2分ない
し6分である。また、圧力を利用する場合は、細胞懸濁
液を透過性基材上に播種した後、該基材上から加圧もし
くは該基材下から吸引することにより実施される。
細胞集合体を構成する細胞は、如何なるものであって
もよく必要に応じて自由に選択できるが、特に肝実質細
胞をはじめとする初代培養系のものが好適に利用され
る。さらに、この細胞集合体は1種類の細胞で構成して
もよいが2種類以上の細胞を用いて構成してもよい。
本発明により動物細胞を培養する場合、培養する細胞
の種類に応じて種々の培養液が用いられ細胞の機能維持
に適した温度、酸素分圧等の条件で培養が行われること
はいうまでもない。
以下、実施例にもとづき本発明を説明する。
(実施例) 実施例1および比較例1 コラゲナーゼ灌流法および遠心分離によって単離した
マウス肝実質細胞を0.1%のコラーゲン溶液中(PH7.0イ
ーグルMEM培地に溶かしたもの)および、0.1%コラーゲ
ン、20μg/mlラミニンを含む溶液中で4℃で10分間懸濁
させた後1000rpm3分の遠心操作を行い、細胞の集合体を
得た。上清を廃棄してこの集合体中に含まれる生細胞数
をカウントすると1μ当り3.8×104個であった。この
細胞集合体をコラーゲンコートした多孔性ポリカーボネ
ート膜(孔径8μm)の上にのせ(細胞数0.625×10
5個)血清、各種増殖因子を含まないウイリアムスE培
地に膜ごと浮かべて培養したところアルブミンの分泌は
図1で示すように2週間生体内に近いレベルで安定して
維持された。また、圧力を利用して細胞集合体を形成さ
せた時も同様であった。
一方、同数の細胞をコラーゲン溶媒で前処理せずに集
合体を形成させて培養したところ、安定に機能の維持が
見られたが生体内の場合と比べるとかなり低い値であっ
た。また、同数の細胞を前処理せずにコラーゲンコート
した培養皿で培養した従来の培養法では数日で機能が低
下した。
実施例2 単離したマウス肝実質細胞を、種々の濃度のコラーゲ
ン溶液(PH7.0イーグルMEM培地に溶かしたもの)中で4
℃,10分間懸濁させた後実施例1と同様の培養を行い1
日あたりに分泌されるアルブミン量を培養後1日目と7
日目に調査した。細胞と接触させる溶液中のコラーゲン
の濃度を0.1%以上にすると図2に示されるように培養
肝細胞の機能が高いレベルで維持されることが判明し
た。
(発明の効果) 以上のように、本発明の細胞培養方法によれば細胞の
単離時に受けた細胞のダメージを速やかに回復させる事
が可能となるので高レベル細胞機能を安定させたまま細
胞を培養できる効果がある。
さらに、この方法を用いて特に高い機能を有する初代
培養系の細胞を培養することにより、有用物質の高能率
生産システムとして利用できるだけでなく、例えば人工
肝臓のような人工臓器としても応用できるという特有の
効果が得られる利点がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例1および比較例1における培養肝細胞
105個の1日あたりのアルブミン分泌量(μg)を示す
グラフである。 第2図は、実施例2における培養肝細胞105個の1日あ
たりのアルブミン分泌量(μg)を培養1日後と7日後
にコラーゲン濃度を変化させて調査した場合のグラフで
ある。

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】単離した細胞を予め細胞保護作用を有する
    単独又は複数種の水溶状態の水溶性高分子物質と接触さ
    せた後3次元的集合体を形成させて透過性基材上で当該
    透過性基材を培地上に浮かべて培養することを特徴とす
    る細胞培養方法。
  2. 【請求項2】水溶性高分子物質が、メチルセルロース、
    ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、
    ゼラチン、血清蛋白質、コラーゲン、ラミニンから選択
    される一種又は複数種であることを特徴とする特許請求
    の範囲第1項記載の細胞培養方法。
  3. 【請求項3】水溶性高分子物質の少なくとも一部がコラ
    ーゲンを含むことを特徴とする特許請求の範囲第1項な
    いし第2項記載の細胞培養方法。
  4. 【請求項4】コラーゲンが0.1%以上の濃度で含まれる
    ことを特徴とする特許請求の範囲第3項記載の細胞培養
    方法。
  5. 【請求項5】水溶性高分子物質の少なくとも一部がラミ
    ニンを含むことを特徴とする特許請求の範囲第1項ない
    し第4項記載の細胞培養方法。
  6. 【請求項6】細胞の少なくとも一部が初代培養系のもの
    であることを特徴とする特許請求の範囲第1項ないし第
    5項記載の細胞培養方法。
  7. 【請求項7】細胞の少なくとも一部が肝実質細胞を含む
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項ないし第6項記
    載の細胞培養方法。
  8. 【請求項8】細胞の3次元的な集合体が、細胞懸濁液を
    遠心操作することにより形成させたものであることを特
    徴とする特許請求の範囲第1項ないし第7項記載の細胞
    培養方法。
  9. 【請求項9】細胞の3次元的な集合体が、細胞懸濁液を
    透過性基材上に播種した後該基材上から加圧もしくは該
    基材下から吸引することにより形成されたものであるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項ないし第7項記載
    の細胞培養方法。
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