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JP2823345B2 - 電源装置 - Google Patents

電源装置

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JP2823345B2
JP2823345B2 JP2239881A JP23988190A JP2823345B2 JP 2823345 B2 JP2823345 B2 JP 2823345B2 JP 2239881 A JP2239881 A JP 2239881A JP 23988190 A JP23988190 A JP 23988190A JP 2823345 B2 JP2823345 B2 JP 2823345B2
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芳明 宮沢
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は、無停電電源装置などに使用される瞬時値PW
M制御電力変換器を複数台並列接続した電源装置に関す
る。
(従来の技術) 従来より、無停電電源装置として商用停電時でも蓄電
池の直流電力を入力として無停電の電力を供給するイン
バータ装置が広く用いられ、その信頼性を向上させる目
的で、1台を予備機とした複数台のインバータ装置を並
列運転するシステムとすることが多い。
一方、コンピュータをはじめとした無停電電源装置の
負荷の多くが、コンデンサ入力形整流器などの非線形負
荷であることにより、非線形負荷が発生は高調波電流に
よる出力電圧波形歪の低減対策として、近年、瞬時値PW
M制御インバータが使われはじめている。
瞬時値PWM制御インバータは、東芝レビュー42巻11号P
P877〜880(1987)などにも紹介されており公知である
が、その具体的構成例を第2図に示す。
同図において、1は直流電源(これは図示していない
交流を直流に変換する整流器または蓄電池から得られる
直流電圧に相当するもの)、2はMOS−FET,IGBTなどの
高速スイッチング素子で構成されたインバータ、3,4は
インバータ2の出力波形を正弦波に改善するための交流
フィルタを形成するフィルタリアクトル,フィルタコン
デンサ、11はインバータ2の出力周波数基準となる発振
器、12は発振器11に同期した正弦波電圧基準を発生する
正弦波基準発生器、13は交流フィルタの出力電圧と正弦
波基準発生器12の出力とを比較して電圧制御指令を出す
電圧制御器、14は電圧制御器13の出力に基づいて装置出
力電圧波形が正弦波となるようにインバータ2を構成す
るスイッチング素子の点孤パターンを送り出すPWM制御
回路、10はPWM制御回路14の出力信号を増幅するゲート
増幅回路である。
第2図の如き構成によれば、負荷がコンデンサ入力形
整流器のような高調波電流を発生するような負荷であっ
ても、交流フィルタの出力電圧波形が正弦波基準12に一
致するように、PWM制御回路15により点孤パターンを制
御して(等価的には負荷が発生する高調波電流を相殺す
る逆相の高調波電流を発生するように制御して)、出力
電圧波形が歪まないようにしている。
この種の瞬時値制御PWMインバータによる無停電電源
装置についても、1台を予備機とした複数台の装置の並
列運転システムによる高信頼化が望まれるところであ
り、仮に従来の平均値制御インバータによる無停電電源
装置の並列運転システムと同様の考え法で構成してみる
と、その一例は第3図のように表わせる。第3図におい
て、第2図と同一符号のものは第2図と同一の機能を表
わすものである。6はCT(変流器)、7は並列投入、解
列のためのしゃ断器、15はCT6により検出された出力電
流と、他号機の出力電流との偏差(ΔI)を検出する出
力電流偏差検出器、16,17は出力電流偏差(ΔI)と出
力電圧により、自号機と他号機との有効電力偏差(Δ
P)、無効電力偏差(ΔQ)を検出して増幅する有効電
力偏差検出器、無効電力偏差検出器、18は有効電力偏差
検出器16の出力に応じて出力パルスの周波数(位相)を
変える発振器、19は交流フィルタの出力電圧と正弦波基
準発生器12の出力とを比較するとともに無効電力偏差検
出器17の出力に応じて電圧制御指令を出す電圧制御器で
ある。
また、1号機の無停電電源装置5Aと2号機の無停電電
源装置5Bの構成は全く同一のものであり、8は並列出力
共通母線である。
すなわち、複数台のインバータ装置を並列運転するに
は、各装置の出力周波数/位相、出力電圧が一致してい
ることが条件であるが、各装置間のばらつきによって生
ずる負荷分担アンバランスについては、第3図の如き構
成により各装置間の有効電力偏差,無効電力偏差に対応
させて、各インバータ装置の出力周波数/位相,出力電
圧を補正制御して、アンバランスを補正するものであ
る。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上記の如き瞬時値PWM制御インバータ
にあっては、元々出力電圧を正弦波基準に瞬時に一致さ
せる制御、すなわち装置の内部インビーダンスを等価的
に“ゼロ”とするような制御であり、第3図の構成例の
ように出力電圧検出点を各装置の並列出力共通母線とし
たのでは、各装置の制御系の干渉が起きやすく各装置が
負荷分担をうまくとりながら安定に動作するように制御
系のゲインを選定するのは原理的に難しい。
換言すれば、装置の内部インピーダンスを“ゼロ”に
制御する瞬時値PWM制御に対し、負荷分担の補正制御は
装置の内部インピーダンスを等価的にもたせるものであ
り、両者は相反するものであり、平均値制御の場合は両
者を満足させる系も構成できたが、瞬時値制御において
は、きわめて難しいということである。
本発明は、上述の点に鑑みなされたものであり、従来
困難であった正弦波交流電圧を出力する瞬時値PWM制御
電力変換器の複数台並列運転を可能にするものであり、
瞬時値PWM制御により高性能化した電力変換装置を並列
接続した電源装置を提供することを目的とする。
〔発明の構成〕
(課題を解決するための手段) 本発明は、上記の目的を達成するため、正弦波交流電
圧を出力する瞬時値PWM制御電力変換器を複数台並列接
続した電源装置において、前記瞬時値PWM制御電力変換
器の交流出力側と共通接続点との間に直列接続された所
定のインピーダンスの並列連系リアクトルと、前記瞬時
値PWM制御電力変換器出力と前記並列連系リアクトルと
の接続点より前記瞬時値PWM制御電力変換器の出力電圧
を検出する電圧検出手段と、前記瞬時値PWM制御電力変
換器の出力電流を検出する電流検出手段と、各瞬時値PW
M制御電力変換器の出力電流の偏差を求める電流偏差検
出手段と、前記電圧検出手段の出力と前記電流偏差検出
手段の出力とを基に有効電力偏差を検出する有効電力偏
差検出手段と、この有効電力偏差検出手段の出力に応じ
て周波数を変化させる正弦波基準発生手段と、前記電圧
検出手段の出力と前記電流偏差検出手段の出力とを基に
無効電力偏差を検出する無効電力偏差検出手段と、前記
電圧検出手段の出力と前記正弦波基準発生手段の出力と
を比較すると共に前記無効電力偏差検出手段の出力に応
じて電圧制御指令を出力する電圧制御手段とを有したも
のである。
(作 用) このような構成の電源装置にあっては、瞬時値PWM制
御のための電圧検出点を並列出力共通母線よりリアクト
ルの前段としたことにより、各装置の瞬時値PWM制御ル
ープが分離できることから(リアクトルが瞬時値PWM制
御ループの外に存在)、各装置の制御系の干渉の問題は
解消され最適なゲインを選定することができる。
また、有効電力偏差,無効電力偏差の補正による並列
負荷分担制御についてもリアクトルのインピーダンスよ
り最適な制御ゲインを選定して、瞬時値PWM制御電力変
換器の並列運転を実現することができる。
(実施例) 以下、本発明の一実施例を第1図を参照して説明す
る。第1図において、第3図と同一部分には同一符号を
付してその説名を省略するが、第3図の構成例に対し、
交流フィルタと並列出力共通母線8との間に並列連系リ
アクトル21を設けたものである。瞬時値PWM制御のため
の出力電圧検出点は、第3図においては並列出力共通母
線8であったのに対し、並列連系リアクトル21の前段
(交流フィルタ出力)としている。
また、1号機の無停電電源装置6Aと2号機の無停電電
源装置6Bの構成は全く同一のものである。
次に、上記のように構成された電源装置の作用につい
て述べる。
各装置の出力電圧検出点が並列連系リアクトル21によ
り分離されることにより、各装置の瞬時値PWM制御ルー
プは、相互の干渉はせず独立して制御できることにな
り、最適な制御ゲインが選定できる。
更に並列連系リアクトル21のインピーダンスをXとす
れば、瞬時値PWM制御により各装置とも内部インピーダ
ンスを“ゼロ”に制御されることにより、各装置出力間
の電圧差ΔVによって出ずる出力電流偏差ΔIQは、ΔIQ
(=I1−I2)=ΔV/2Xで表わすことができる。無効電力
偏差検出器17によって検出されるΔQは、このΔIQに比
例するものであるから、上記の関係より、無効電力偏差
検出器17〜電圧制御器19の無効電力偏差補正による負荷
分担制御ループの最適なゲインを選定すれば、安定な動
作とすることができる。
一方、各装置出力間の位相差ΔQによって生ずる出力
電流偏差ΔIPは、ΔIP(=I1−I2)=2sin(ΔQ/2)/2X
で表わせ、上述と同様に、有効電力偏差検出器16によっ
て検出されるΔPは、ΔIPに比例することより、有効電
力偏差検出器16〜発振器18の有効電力偏差補正による負
荷分担制御ループの最適なゲインを選定して、安定の動
作とすることができる。
なお、並列連系リアクトル21のインピーダンスXは、
負荷分担アンバランスの要因となる各装置出力間の電圧
差と位相差の範囲、負荷分担アンバランスの許容値等の
パラメータから決めるものであるが、通常は数パーセン
ト程度で十分であるので、コンピュータ負荷等の高力率
負荷に対する電圧降下はわずかであり、実用上の問題は
ない。
このようにして、本実施例では、並列連系リアクトル
21を各瞬時値PWM制御インバータ装置の出力と並列出力
共通母線に設けて、各装置の瞬時値PWM制御ループを分
離することにより、安定に並列運転するための瞬時値PW
M制御の制御ゲイン、並列負荷分担制御の制御ゲインの
最適化をはかることができるようにしている。
第1図の実施例においては、瞬時値PWM制御インバー
タ装置の並列運転システムについて説明しているが、イ
ンバータに限定せず他のタイプの瞬時値PWM制御電力変
換器としてもよい。
また、第1図の実施例では、2台の並列運転システム
としているが、3台以上の並列運転システムであっても
同様な効果が得られることは勿論のことである。
〔発明の効果〕
以上、述べたように本発明によれば、正弦波交流電圧
を出力する瞬時値PWM制御電力変換器の複数台並列運転
を可能にするものであり、瞬時値PWM制御により高性能
化した電力変換装置を並列接続した電源装置を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例を示すブロック図、第2図
は瞬時値PWM制御インバータ装置の構成例を示すブロッ
ク図、第3図は従来の平均値制御インバータの並列制御
回路を適用した瞬時値PWM制御インバータ装置の並列運
転システムの一例を示すブロック図である。 1……直流電源、2……インバータ、 3……フィルタリアクトル、4……フィルタコンデン
サ、 6……CT、7……しゃ断器、 8……並列出力共通母線、10……ゲート増幅回路、 12……正弦波基準発生器、14……PWM制御回路、 15……出力電流偏差検出器、16……有効電力偏差検出
器、 17……無効電力偏差検出器、18……発振器、 21……並列連系リアクトル。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】正弦波交流電圧を出力する瞬時値PWM制御
    電力変換器を複数台並列接続した電源装置において、前
    記瞬時値PWM制御電力変換器の交流出力側と共通接続点
    との間に直列接続された所定のインピーダンスの並列連
    系リアクトルと、前記瞬時値PWM制御電力変換器出力と
    前記並列連系リアクトルとの接続点より前記瞬時値PWM
    制御電力変換器の出力電圧を検出する電圧検出手段と、
    前記瞬時値PWM制御電力変換器の出力電流を検出する電
    流検出手段と、各瞬時値PWM制御電力変換器の出力電流
    の偏差を求める電流偏差検出手段と、前記電圧検出手段
    の出力と前記電流偏差検出手段の出力とを基に有効電力
    偏差を検出する有効電力偏差検出手段と、この有効電力
    偏差検出手段の出力に応じて周波数を変化させる正弦波
    基準発生手段と、前記電圧検出手段の出力と前記電流偏
    差検出手段の出力とを基に無効電力偏差を検出する無効
    電力偏差検出手段と、前記電圧検出手段の出力と前記正
    弦波基準発生手段の出力とを比較すると共に前記無効電
    力偏差検出手段の出力に応じて電圧制御指令を出力する
    電圧制御手段とを具備したことを特徴とする電源装置。
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