JP2819245B2 - カラーフィルターの修正方法 - Google Patents
カラーフィルターの修正方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,印刷法で形成され
たカラーフィルターの修正方法に係り,更に詳しくは,
カラー液晶表示素子,カラーファクシミリ,EL,PD
P等ディスプレイに用いられる印刷法で形成されたカラ
ーフィルターの修正方法に関する。 【0002】 【従来の技術】カラー液晶表示装置用カラーフィルター
は,ガラス,プラスチック,薄膜トランジスター等の基
板の上に,複数色の微細な着色画素を順次くり返し形成
し,更にその上に保護膜を設けてなるもので,このカラ
ーフィルターの着色画素の形成方法について,次のよう
なさまざまな方法が提案されている。 【0003】 (1)ホトリソグラフィー法 ゼラチン,グリュー,カゼイン等のタンパク質やPVA
等に染色基を導入した水溶性高分子と重クロム酸アンモ
ニウム,ジアゾ化合物などの光反応硬化剤を用いて,製
版,染色工程によって着色画素を順次形成する方法。 (2)電着法 イオン化した顔料を水中に分散させておき,予めパター
ン化した透明電極に電圧を印加し,イオン化した顔料を
その透明電極上に析出させ,これを順次くり返して,着
色画素を得る方法。 (3)蒸着法 昇華性染料及び顔料等を高真空中で基板上に被着せし
め,リフトオフ法またはエッチング法等で,順次着色画
素を得るか,低屈折率物質と高屈折率物質を所定膜厚交
互に積層させた多層干渉薄膜をリフトオフ法かエッチン
グ法により,順次着色画素を得る方法。 (4)印刷法 透明性の良好な顔料または,染料を用いて,ビヒクル中
に分散させ,スクリーン印刷法,オフセット印刷法やフ
レキソ凹版印刷法により,各着色画素を順次形成する方
法。特に(4)の印刷法は,生産性が非常に優れている
ために,低コスト化が期待でき,更には,着色画素の物
性が堅牢であるという特徴が有る。従来欠点であった,
画素寸法やトータルピッチといった精度面も,改善さ
れ,カラーフィルターの用途として,十分に使用できる
レベルになっている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】印刷法は上記のような
長所を有する反面,着色画素にしばしば,ピンホールが
生じるという短所がある。例えば,オフセット印刷は,
インキの版,ブランケット,被印刷体または水等への密
着性,更にこれを支配するインキ界面間のエネルギー,
接触角並びに粘度,タック値,チクソトロピー性等の諸
物理的因子によるバランスのうえに成立しているため
に,ゴミやインキの未精製成分,水,溶剤等によってこ
れらのバランスが局部的に崩れ,ピンホールが発生す
る。このため,インキの精製方法や,カラーフィルター
の製造環境に細心の注意が払われ,2度刷りあるいは3
度刷りを実施し,ピンホールの発生を最低限にする努力
が行なわれてきた。 【0005】また,カラー液晶表示素子用としてのカラ
ーフィルターの場合,色純度,コントラスト向上,更に
薄膜トランジスター方式を用いるカラー液晶表示素子に
あっては,トランジスターの光による暗電流防止をも含
む目的として,着色画素間に黒色の遮光部を設ける試み
がなされている。印刷法によっても幅数十μmのライン
を組み合わせ,これらの黒色遮光部を設けることが可能
であるが,以下のような問題があった。 【0006】先ず着色画素用の版以外に,黒色遮光部用
の版を準備する必要があり,二者のX−Y−θ方向のレ
ジストレーションが困難であるという問題があった。ま
た,着色画素部と黒色遮光部にオーバーラップ部ができ
るため,カラーフィルターの開口率が低下するという問
題があった。以上の様な問題点があったため,従来の印
刷法による黒色遮光層形成は,手間がかかる割合には十
分な効果が得られなかった。 【0007】そこで,本発明が解決しようとする問題点
は,従来の印刷法によるカラーフィルターの欠点を解消
し,且つ着色画素以外の基板面領域が黒色遮光部で遮光
されたカラーフィルターを容易に製造することができる
カラーフィルターの修正方法を提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明の手段は,透明基
板上に印刷法により,所定のピッチで,且つ順次くり返
し配列で,複数色の着色画素を形成したカラーフィルタ
ーにおける着色画素のピンホールを修正する方法であっ
て,着色画素を設けた透明基板上全面に,着色画素のビ
ヒクルが油性の場合には油性の黒着色ネガ型感光性樹
脂,着色画素のビヒクルが水溶性の場合には水溶性の黒
着色ネガ型感光性樹脂を塗布し,着色画素を設けた側と
は反対面側より露光後,現像することによりピンホール
に黒着色ネガ型感光性樹脂を充填することを特徴とする
カラーフィルターの修正方法,にある。 【0009】以下,図面を用いて本発明の各構成要素の
詳細を説明する。図1(a)(b)はそれぞれ,本発明
で修正するカラーフィルターの上面図と断面図を示すも
のである。印刷法によるカラーフィルターは,着色画素
3の様に順次配列されているが,ピンホール(または欠
け)1により,明るく,白色のバックライト光が漏れる
ため,全体的な色純度が低下する。また,不規則に点在
するピンホール1は,概ね透明なので明るさとして,
赤,青色着色画素の約3〜5倍,緑の約2〜3倍あり,
画素表示をした場合,ちょうど星が光る様に見え,表示
品質が著しく低下するために,本発明においては,ここ
の部分を黒色材料を充填し,これらを光学的に遮光す
る。更に着色画素3の隙間2も,同様の目的で黒色材料
を充填する。黒色材料としては,樹脂中にカーボン等を
予め分散させておいてこれを硬化させたものが用い得
る。 【0010】上記のカラーフィルターは,下記の製造方
法により得ることができる。まず,本発明のカラーフィ
ルターの修正方法に関し,図2(a)〜(d)を用いて
説明する。ガラスまたはプラスチック等の透明基板6上
に,オフセット印刷法またはシルクスクリーン印刷法に
より,着色画素5を順次形成する。次いで,黒色染料及
び顔料を分散させたネガ型感光性樹脂7を塗布する。ネ
ガ型感光性樹脂の選択は,印刷法によって得られた着色
画素5のビヒクルにより異なり,着色画素5へのぬれ性
を考慮して決定される。すなわち着色画素5のビヒクル
が油性である場合はネガ型感光性樹脂も油性を使用し,
ビヒクルが水溶性である場合は,水溶性感光性樹脂を塗
布する。但し,ビヒクルが水溶性樹脂であっても硬化
時,脱水反応等で,親水基が失われる場合は,油性の感
光性樹脂の方が良い。 【0011】以上の様な条件を満たし得るネガ型感光性
樹脂として油性の場合,E.kodak社KPR,KO
R,KAR−3,KMER,KMRシリーズ,Dyna
chem社DCR,Hunt Chem社WAY CO
ATシリーズ,富士薬品社FSR,FPERシリーズ,
FVR,東京応化社EPPR,OMRシリーズ,OS
R,OTER,ONNRシリーズ,TPR,東レ社フォ
トニースUR−3000,日本合成ゴム社CIR−77
1,CBR−Mあるいは各種UV硬化樹脂が用いられ
る。水性の場合は,諸石インキ社MR−S,富士薬品社
FVR,FRシリーズ,東京応化社G−90,NONC
RON,ノーラント社NPR−29,上野化学社COM
SIST等がある。これらの感光性樹脂は,遮光層形成
用途であるため必ずしも無色透明である必要はなく,密
着性,感度,解像度により選択される。 【0012】黒色材料としては,感光性樹脂中に溶解ま
たは,均一に分散させる。顔料系では,カーボンブラッ
ク(C.I.77265),アセチレンブラック(C.
I.77266),ランプブラック(C.I.7726
6),ボーンブラック(C.I.77267),黒鉛
(C.I.77265),鉄黒(C.I.7749
9),アニリンブラック(C.I.50440),シア
ニンブラック,染料系では,顔料と同様に均一分散で使
用する場合は黒着色染料であれば何でも良く,水溶性感
光性樹脂に溶解させて使用する場合は,直接染料を用
い,C.I.Direct Black 17(C.
I.27700),C.I.Direct Black
19(C.I.35255),C.I.Direct
Black 22(C.I.35435),C.I.
Direct Black 32(C.I.3544
0),C.I.Direct Black 38(C.
I.30235),C.I.Direct Black
(C.I.27720),C.I.Direct Bl
ack 56(C.I.34170),C.I.Dir
ectBlack 71(C.I.25040),C.
I.Direct Black74(C.I.3418
0),C.I.Direct Black 75(C.
I.35870),C.I.Direct Black
77(C.I.35860)等があり,油性感光性樹
脂には,油溶染料,具体的には,C.I.Solven
t Black 3(C.I.26150),C.I.
SolventBlack 5(C.I.5041
5),C.I.Solvent Black 7(C.
I.50415),C.I.Acid Black 1
23(Solvent Black)(C.I.121
95)等が用いられる。 【0013】これら黒色材料は,感光性樹脂との反応の
有無,十分な感度と解像性,基板への密着性,塗布性を
維持すべく慎重に材料を選定する必要がある。また,黒
色材料は,単一で黒である必要はなく,例えば,赤,
青,緑色材料との混合色によっても得られる。 【0014】黒色感光性樹脂7を塗布した基板6及び,
着色画素5に,図2(c)の様に,パターン裏面よりU
V照射を行なう。この際,露光量過多であると着色画素
5上も感光されてしまうため,最適露光量の決定は重要
である。この露光により着色画素のピンホールに対応す
る感光性樹脂部分が感光せしめられる。更に図2(d)
の様に,所定現像液で,浸漬法,スプレー法等により現
像を行なうことにより,カラーフィルターの修正を行う
ことができる。 【0015】 【実施例】(実施例) 着色画素の作成 コーニング社5インチ□7059材(板厚1.1mm
t)を1%和光純薬製RBS洗浄液を用いて超音波洗浄
の後,水洗し,乾燥後オフセット印刷法により,着色画
素を得た。印刷に用いた版は,東レ社,水なし平版で,
モザイク状パターンを原版に露光により焼付けを行ない
同社の専用現像機TWL−650で現像した。 【0016】これを,紅羊社エクター印刷機(オフセッ
ト校正機)に装着し,赤インキを用いて印刷,熱硬化さ
せた。この赤インキに対して,所定ピッチ分,版をずら
し,緑インキを用いて,熱硬化させた。更に青インキを
用いて,同様に着色画素を形成し,赤・緑・青が規則正
しく配列された着色画素を得た。各インキ組成を表1に
示す。 【0017】 【表1】【0018】遮光部等の作成 東京応化社OMR−85 30cpに,5wt%大同化
成社ダイヤモンドブラック(C.I.50440)を分
散させた黒着色ネガ型感光性樹脂を,前記着色画素に膜
厚0.5μmになるように回転塗布し,90゜C,30
分間クリーンオーブンでプリベーキングを行なった。次
いで,東芝製300〜400nm透過タイプの色フィル
ターを介して,2kW水銀灯の紫外光のみを,着色画素
パターン面の裏面より60秒照射し,専用現像液で1分
間スプレー現像した後,専用リンス液で15秒間リンス
し,150゜C,30分間クリーンオーブンでポストベ
ーキングを行なった。 【0019】最後に,トーレシリコーン社シリコーン樹
脂SR2406を膜厚1μmにて回転塗布,1500゜
C,30分間クリーンオーブンで熱硬化し,所望のカラ
ーフィルターを得た。この様にして得られたカラーフィ
ルターは,ピンホールが存在せず,かつ,平坦性が,レ
ンジで0.2μmと,極めて特性的に優れたものが得ら
れた。 【0020】 【発明の効果】本発明のカラーフィルターの修正方法に
より得られたカラーフィルターは,ピンホールが黒色遮
光部により遮蔽されているので,画質的に優れた表示を
することができ,かつ着色画素以外の基板領域は黒色遮
光部により遮光されているので,色純度,コントラスト
等の優れた表示をすることができる。また,平坦性に優
れているので,電極間距離のバラツキのない,したがっ
て均一な表示をすることができる。また,本発明の修正
方法によれば,簡易な工程によって,ピンホールを無く
すことができるため,画質的に優れ,かつ,遮光部によ
る開口率低下が無く,平坦性が良好な特性を有するカラ
ーフィルターを得ることができる。
たカラーフィルターの修正方法に係り,更に詳しくは,
カラー液晶表示素子,カラーファクシミリ,EL,PD
P等ディスプレイに用いられる印刷法で形成されたカラ
ーフィルターの修正方法に関する。 【0002】 【従来の技術】カラー液晶表示装置用カラーフィルター
は,ガラス,プラスチック,薄膜トランジスター等の基
板の上に,複数色の微細な着色画素を順次くり返し形成
し,更にその上に保護膜を設けてなるもので,このカラ
ーフィルターの着色画素の形成方法について,次のよう
なさまざまな方法が提案されている。 【0003】 (1)ホトリソグラフィー法 ゼラチン,グリュー,カゼイン等のタンパク質やPVA
等に染色基を導入した水溶性高分子と重クロム酸アンモ
ニウム,ジアゾ化合物などの光反応硬化剤を用いて,製
版,染色工程によって着色画素を順次形成する方法。 (2)電着法 イオン化した顔料を水中に分散させておき,予めパター
ン化した透明電極に電圧を印加し,イオン化した顔料を
その透明電極上に析出させ,これを順次くり返して,着
色画素を得る方法。 (3)蒸着法 昇華性染料及び顔料等を高真空中で基板上に被着せし
め,リフトオフ法またはエッチング法等で,順次着色画
素を得るか,低屈折率物質と高屈折率物質を所定膜厚交
互に積層させた多層干渉薄膜をリフトオフ法かエッチン
グ法により,順次着色画素を得る方法。 (4)印刷法 透明性の良好な顔料または,染料を用いて,ビヒクル中
に分散させ,スクリーン印刷法,オフセット印刷法やフ
レキソ凹版印刷法により,各着色画素を順次形成する方
法。特に(4)の印刷法は,生産性が非常に優れている
ために,低コスト化が期待でき,更には,着色画素の物
性が堅牢であるという特徴が有る。従来欠点であった,
画素寸法やトータルピッチといった精度面も,改善さ
れ,カラーフィルターの用途として,十分に使用できる
レベルになっている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】印刷法は上記のような
長所を有する反面,着色画素にしばしば,ピンホールが
生じるという短所がある。例えば,オフセット印刷は,
インキの版,ブランケット,被印刷体または水等への密
着性,更にこれを支配するインキ界面間のエネルギー,
接触角並びに粘度,タック値,チクソトロピー性等の諸
物理的因子によるバランスのうえに成立しているため
に,ゴミやインキの未精製成分,水,溶剤等によってこ
れらのバランスが局部的に崩れ,ピンホールが発生す
る。このため,インキの精製方法や,カラーフィルター
の製造環境に細心の注意が払われ,2度刷りあるいは3
度刷りを実施し,ピンホールの発生を最低限にする努力
が行なわれてきた。 【0005】また,カラー液晶表示素子用としてのカラ
ーフィルターの場合,色純度,コントラスト向上,更に
薄膜トランジスター方式を用いるカラー液晶表示素子に
あっては,トランジスターの光による暗電流防止をも含
む目的として,着色画素間に黒色の遮光部を設ける試み
がなされている。印刷法によっても幅数十μmのライン
を組み合わせ,これらの黒色遮光部を設けることが可能
であるが,以下のような問題があった。 【0006】先ず着色画素用の版以外に,黒色遮光部用
の版を準備する必要があり,二者のX−Y−θ方向のレ
ジストレーションが困難であるという問題があった。ま
た,着色画素部と黒色遮光部にオーバーラップ部ができ
るため,カラーフィルターの開口率が低下するという問
題があった。以上の様な問題点があったため,従来の印
刷法による黒色遮光層形成は,手間がかかる割合には十
分な効果が得られなかった。 【0007】そこで,本発明が解決しようとする問題点
は,従来の印刷法によるカラーフィルターの欠点を解消
し,且つ着色画素以外の基板面領域が黒色遮光部で遮光
されたカラーフィルターを容易に製造することができる
カラーフィルターの修正方法を提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明の手段は,透明基
板上に印刷法により,所定のピッチで,且つ順次くり返
し配列で,複数色の着色画素を形成したカラーフィルタ
ーにおける着色画素のピンホールを修正する方法であっ
て,着色画素を設けた透明基板上全面に,着色画素のビ
ヒクルが油性の場合には油性の黒着色ネガ型感光性樹
脂,着色画素のビヒクルが水溶性の場合には水溶性の黒
着色ネガ型感光性樹脂を塗布し,着色画素を設けた側と
は反対面側より露光後,現像することによりピンホール
に黒着色ネガ型感光性樹脂を充填することを特徴とする
カラーフィルターの修正方法,にある。 【0009】以下,図面を用いて本発明の各構成要素の
詳細を説明する。図1(a)(b)はそれぞれ,本発明
で修正するカラーフィルターの上面図と断面図を示すも
のである。印刷法によるカラーフィルターは,着色画素
3の様に順次配列されているが,ピンホール(または欠
け)1により,明るく,白色のバックライト光が漏れる
ため,全体的な色純度が低下する。また,不規則に点在
するピンホール1は,概ね透明なので明るさとして,
赤,青色着色画素の約3〜5倍,緑の約2〜3倍あり,
画素表示をした場合,ちょうど星が光る様に見え,表示
品質が著しく低下するために,本発明においては,ここ
の部分を黒色材料を充填し,これらを光学的に遮光す
る。更に着色画素3の隙間2も,同様の目的で黒色材料
を充填する。黒色材料としては,樹脂中にカーボン等を
予め分散させておいてこれを硬化させたものが用い得
る。 【0010】上記のカラーフィルターは,下記の製造方
法により得ることができる。まず,本発明のカラーフィ
ルターの修正方法に関し,図2(a)〜(d)を用いて
説明する。ガラスまたはプラスチック等の透明基板6上
に,オフセット印刷法またはシルクスクリーン印刷法に
より,着色画素5を順次形成する。次いで,黒色染料及
び顔料を分散させたネガ型感光性樹脂7を塗布する。ネ
ガ型感光性樹脂の選択は,印刷法によって得られた着色
画素5のビヒクルにより異なり,着色画素5へのぬれ性
を考慮して決定される。すなわち着色画素5のビヒクル
が油性である場合はネガ型感光性樹脂も油性を使用し,
ビヒクルが水溶性である場合は,水溶性感光性樹脂を塗
布する。但し,ビヒクルが水溶性樹脂であっても硬化
時,脱水反応等で,親水基が失われる場合は,油性の感
光性樹脂の方が良い。 【0011】以上の様な条件を満たし得るネガ型感光性
樹脂として油性の場合,E.kodak社KPR,KO
R,KAR−3,KMER,KMRシリーズ,Dyna
chem社DCR,Hunt Chem社WAY CO
ATシリーズ,富士薬品社FSR,FPERシリーズ,
FVR,東京応化社EPPR,OMRシリーズ,OS
R,OTER,ONNRシリーズ,TPR,東レ社フォ
トニースUR−3000,日本合成ゴム社CIR−77
1,CBR−Mあるいは各種UV硬化樹脂が用いられ
る。水性の場合は,諸石インキ社MR−S,富士薬品社
FVR,FRシリーズ,東京応化社G−90,NONC
RON,ノーラント社NPR−29,上野化学社COM
SIST等がある。これらの感光性樹脂は,遮光層形成
用途であるため必ずしも無色透明である必要はなく,密
着性,感度,解像度により選択される。 【0012】黒色材料としては,感光性樹脂中に溶解ま
たは,均一に分散させる。顔料系では,カーボンブラッ
ク(C.I.77265),アセチレンブラック(C.
I.77266),ランプブラック(C.I.7726
6),ボーンブラック(C.I.77267),黒鉛
(C.I.77265),鉄黒(C.I.7749
9),アニリンブラック(C.I.50440),シア
ニンブラック,染料系では,顔料と同様に均一分散で使
用する場合は黒着色染料であれば何でも良く,水溶性感
光性樹脂に溶解させて使用する場合は,直接染料を用
い,C.I.Direct Black 17(C.
I.27700),C.I.Direct Black
19(C.I.35255),C.I.Direct
Black 22(C.I.35435),C.I.
Direct Black 32(C.I.3544
0),C.I.Direct Black 38(C.
I.30235),C.I.Direct Black
(C.I.27720),C.I.Direct Bl
ack 56(C.I.34170),C.I.Dir
ectBlack 71(C.I.25040),C.
I.Direct Black74(C.I.3418
0),C.I.Direct Black 75(C.
I.35870),C.I.Direct Black
77(C.I.35860)等があり,油性感光性樹
脂には,油溶染料,具体的には,C.I.Solven
t Black 3(C.I.26150),C.I.
SolventBlack 5(C.I.5041
5),C.I.Solvent Black 7(C.
I.50415),C.I.Acid Black 1
23(Solvent Black)(C.I.121
95)等が用いられる。 【0013】これら黒色材料は,感光性樹脂との反応の
有無,十分な感度と解像性,基板への密着性,塗布性を
維持すべく慎重に材料を選定する必要がある。また,黒
色材料は,単一で黒である必要はなく,例えば,赤,
青,緑色材料との混合色によっても得られる。 【0014】黒色感光性樹脂7を塗布した基板6及び,
着色画素5に,図2(c)の様に,パターン裏面よりU
V照射を行なう。この際,露光量過多であると着色画素
5上も感光されてしまうため,最適露光量の決定は重要
である。この露光により着色画素のピンホールに対応す
る感光性樹脂部分が感光せしめられる。更に図2(d)
の様に,所定現像液で,浸漬法,スプレー法等により現
像を行なうことにより,カラーフィルターの修正を行う
ことができる。 【0015】 【実施例】(実施例) 着色画素の作成 コーニング社5インチ□7059材(板厚1.1mm
t)を1%和光純薬製RBS洗浄液を用いて超音波洗浄
の後,水洗し,乾燥後オフセット印刷法により,着色画
素を得た。印刷に用いた版は,東レ社,水なし平版で,
モザイク状パターンを原版に露光により焼付けを行ない
同社の専用現像機TWL−650で現像した。 【0016】これを,紅羊社エクター印刷機(オフセッ
ト校正機)に装着し,赤インキを用いて印刷,熱硬化さ
せた。この赤インキに対して,所定ピッチ分,版をずら
し,緑インキを用いて,熱硬化させた。更に青インキを
用いて,同様に着色画素を形成し,赤・緑・青が規則正
しく配列された着色画素を得た。各インキ組成を表1に
示す。 【0017】 【表1】【0018】遮光部等の作成 東京応化社OMR−85 30cpに,5wt%大同化
成社ダイヤモンドブラック(C.I.50440)を分
散させた黒着色ネガ型感光性樹脂を,前記着色画素に膜
厚0.5μmになるように回転塗布し,90゜C,30
分間クリーンオーブンでプリベーキングを行なった。次
いで,東芝製300〜400nm透過タイプの色フィル
ターを介して,2kW水銀灯の紫外光のみを,着色画素
パターン面の裏面より60秒照射し,専用現像液で1分
間スプレー現像した後,専用リンス液で15秒間リンス
し,150゜C,30分間クリーンオーブンでポストベ
ーキングを行なった。 【0019】最後に,トーレシリコーン社シリコーン樹
脂SR2406を膜厚1μmにて回転塗布,1500゜
C,30分間クリーンオーブンで熱硬化し,所望のカラ
ーフィルターを得た。この様にして得られたカラーフィ
ルターは,ピンホールが存在せず,かつ,平坦性が,レ
ンジで0.2μmと,極めて特性的に優れたものが得ら
れた。 【0020】 【発明の効果】本発明のカラーフィルターの修正方法に
より得られたカラーフィルターは,ピンホールが黒色遮
光部により遮蔽されているので,画質的に優れた表示を
することができ,かつ着色画素以外の基板領域は黒色遮
光部により遮光されているので,色純度,コントラスト
等の優れた表示をすることができる。また,平坦性に優
れているので,電極間距離のバラツキのない,したがっ
て均一な表示をすることができる。また,本発明の修正
方法によれば,簡易な工程によって,ピンホールを無く
すことができるため,画質的に優れ,かつ,遮光部によ
る開口率低下が無く,平坦性が良好な特性を有するカラ
ーフィルターを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明で修正するカラーフィルターの上面図
と断面図を示す。 【図2】 本発明のカラーフィルターの修正方法の工程
を説明する断面図である。 【図3】 カラーフィルターの製造方法の工程を説明す
る断面図である。 【図4】 カラーフィルターの他の製造方法の工程を説
明する断面図である。 【符号の説明】1 ピンホール(または欠け) 2 着色画素の隙間 3 着色画素 5,8,12 着色画素 4,6,9,13 透明基板 7,10 ネガ型感光性樹脂 14 ポジ型感光性樹脂 16 遮光層
と断面図を示す。 【図2】 本発明のカラーフィルターの修正方法の工程
を説明する断面図である。 【図3】 カラーフィルターの製造方法の工程を説明す
る断面図である。 【図4】 カラーフィルターの他の製造方法の工程を説
明する断面図である。 【符号の説明】1 ピンホール(または欠け) 2 着色画素の隙間 3 着色画素 5,8,12 着色画素 4,6,9,13 透明基板 7,10 ネガ型感光性樹脂 14 ポジ型感光性樹脂 16 遮光層
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.透明基板上に印刷法により,所定のピッチで,且つ
順次くり返し配列で,複数色の着色画素を形成したカラ
ーフィルターにおける着色画素のピンホールを修正する
方法であって,着色画素を設けた透明基板上全面に,着
色画素のビヒクルが油性の場合には油性の黒着色ネガ型
感光性樹脂,着色画素のビヒクルが水溶性の場合には水
溶性の黒着色ネガ型感光性樹脂を塗布し,着色画素を設
けた側とは反対面側より露光後,現像することによりピ
ンホールに黒着色ネガ型感光性樹脂を充填することを特
徴とするカラーフィルターの修正方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27864494A JP2819245B2 (ja) | 1994-10-19 | 1994-10-19 | カラーフィルターの修正方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27864494A JP2819245B2 (ja) | 1994-10-19 | 1994-10-19 | カラーフィルターの修正方法 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27490186A Division JPH0785121B2 (ja) | 1986-11-18 | 1986-11-18 | カラーフィルターの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07301709A JPH07301709A (ja) | 1995-11-14 |
JP2819245B2 true JP2819245B2 (ja) | 1998-10-30 |
Family
ID=17600157
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27864494A Expired - Lifetime JP2819245B2 (ja) | 1994-10-19 | 1994-10-19 | カラーフィルターの修正方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2819245B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5031348B2 (ja) * | 2006-12-11 | 2012-09-19 | 芝浦メカトロニクス株式会社 | 表示装置の製造方法 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS629301A (ja) * | 1985-07-05 | 1987-01-17 | Kyodo Printing Co Ltd | カラ−フイルタの製造方法 |
-
1994
- 1994-10-19 JP JP27864494A patent/JP2819245B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07301709A (ja) | 1995-11-14 |
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